JP2011087552A - 微細藻類培養方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワムシ等微細藻類を捕食する微小動物による被害のリスクが低く、施設費がより安価で、かつ効果的な攪拌を行える微細藻類の培養方法及び装置を提供する。
【解決手段】収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路aと微細藻類の培養装置を用いて微細藻類を培養する方法であって、昼間、排気機構停止の状態で格納槽b内に気体を供給し、前記水平流路で微細藻類を培養し、2以上の日数培養を続けた後、前記格納槽内に収納される以外のほぼ全量の微細藻類懸濁液を収穫するとともに、ワムシ等捕食微小動物死滅させるために前記格納槽内に収納された微細藻類懸濁液を嫌気条件に保った後、該微細藻類懸濁液に培養液を添加し、再度培養を行うことを特徴とする微細藻類の培養方法及び装置である。
【選択図】図3
【解決手段】収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路aと微細藻類の培養装置を用いて微細藻類を培養する方法であって、昼間、排気機構停止の状態で格納槽b内に気体を供給し、前記水平流路で微細藻類を培養し、2以上の日数培養を続けた後、前記格納槽内に収納される以外のほぼ全量の微細藻類懸濁液を収穫するとともに、ワムシ等捕食微小動物死滅させるために前記格納槽内に収納された微細藻類懸濁液を嫌気条件に保った後、該微細藻類懸濁液に培養液を添加し、再度培養を行うことを特徴とする微細藻類の培養方法及び装置である。
【選択図】図3
Description
本発明はクロレラ等微細藻類を増殖させるための方法及び装置に関するものであり、畜産廃水等有機性廃水の浄化処理、CO2固定に利用できる。
従来、微細藻類の培養法の一つとして開放池法がある。開放池法は、通常屋外に設置された水深50cm以内の浅い池において、微細藻類を太陽光の照射により培養するものである。開放池は、常に微細藻類を捕食する微小動物の汚染に曝されている。ワムシ、特に遊泳性ワムシは、微細藻類をよく捕食し、繁殖力が大きいので、この遊泳性ワムシによる被害防止が、微細藻類を安定的に効率よく培養するための大きな課題であった。
このようなことから、発明者は、この課題を解決するための、特許第3844365号のクロレラ等微細藻類の培養に関する技術を考案した。この技術により、広い開放池において、殺虫剤を用いないで微細藻類を捕食する微小動物を抑制し、さらに効果的な微細藻類液の攪拌によって、微細藻類を安定的に効率よく培養することが可能となった。
しかし、生産した微細藻類を飼料やバイオ燃料に利用するには、培養施設費がまだまだ高価であるという欠点がある。
特許第3844365号公報
このようなことから、発明者は、この課題を解決するための、特許第3844365号のクロレラ等微細藻類の培養に関する技術を考案した。この技術により、広い開放池において、殺虫剤を用いないで微細藻類を捕食する微小動物を抑制し、さらに効果的な微細藻類液の攪拌によって、微細藻類を安定的に効率よく培養することが可能となった。
しかし、生産した微細藻類を飼料やバイオ燃料に利用するには、培養施設費がまだまだ高価であるという欠点がある。
本発明は、このような点に鑑み為されたもので、ワムシ等微細藻類を捕食する微小動物による被害のリスクが低く、施設費がより安価で、かつ効果的な攪拌を行える微細藻類の培養方法及び装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
第1に収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、下部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉されかつ排気機構を備え、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記格納槽内に気体を供給する気体圧入機とを設け、前記第1垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さを前記第2垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さより高くしたことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下である微細藻類の培養装置を用いて微細藻類を培養する方法であって、昼間、前記排気機構停止の状態で前記格納槽内に気体を供給し、前記水平流路で微細藻類を培養し、2以上の日数培養を続けた後、前記格納槽内に収納される以外のほぼ全量の微細藻類懸濁液を収穫するとともに、ワムシ等捕食微小動物死滅させるために前記格納槽内に収納された微細藻類懸濁液を嫌気条件に保った後、該微細藻類懸濁液に培養液を添加し、再度培養を行うことを特徴とする微細藻類の培養方法であり、
第2に、収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記格納槽内に気体を供給する気体圧入機とを設け、前記第1垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さを前記第2垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さより高くしたことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下であることを特徴とする微細藻類の培養装置であり、
第3に、収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、下部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉され、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記第1垂直流路または前記第2垂直流路内に気体を供給する気体圧入機とを設けことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下である微細藻類の培養装置を用いて微細藻類を培養する方法であって、昼間、前記第1垂直流路または前記第2垂直流路内に気体を供給し、前記水平流路で微細藻類を培養し、2以上の日数培養を続けた後、前記格納槽内に収納される以外のほぼ全量の微細藻類懸濁液を収穫するとともに、ワムシ等捕食微小動物死滅させるために前記第1垂直流路及び前記第2垂直流路に密閉蓋を取り付け、前記格納槽内に収納された微細藻類懸濁液を嫌気条件に保った後、該微細藻類懸濁液に培養液を添加し、再度培養を行うことを特徴とする微細藻類の培養方法である。
第1に収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、下部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉されかつ排気機構を備え、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記格納槽内に気体を供給する気体圧入機とを設け、前記第1垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さを前記第2垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さより高くしたことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下である微細藻類の培養装置を用いて微細藻類を培養する方法であって、昼間、前記排気機構停止の状態で前記格納槽内に気体を供給し、前記水平流路で微細藻類を培養し、2以上の日数培養を続けた後、前記格納槽内に収納される以外のほぼ全量の微細藻類懸濁液を収穫するとともに、ワムシ等捕食微小動物死滅させるために前記格納槽内に収納された微細藻類懸濁液を嫌気条件に保った後、該微細藻類懸濁液に培養液を添加し、再度培養を行うことを特徴とする微細藻類の培養方法であり、
第2に、収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記格納槽内に気体を供給する気体圧入機とを設け、前記第1垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さを前記第2垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さより高くしたことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下であることを特徴とする微細藻類の培養装置であり、
第3に、収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、下部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉され、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記第1垂直流路または前記第2垂直流路内に気体を供給する気体圧入機とを設けことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下である微細藻類の培養装置を用いて微細藻類を培養する方法であって、昼間、前記第1垂直流路または前記第2垂直流路内に気体を供給し、前記水平流路で微細藻類を培養し、2以上の日数培養を続けた後、前記格納槽内に収納される以外のほぼ全量の微細藻類懸濁液を収穫するとともに、ワムシ等捕食微小動物死滅させるために前記第1垂直流路及び前記第2垂直流路に密閉蓋を取り付け、前記格納槽内に収納された微細藻類懸濁液を嫌気条件に保った後、該微細藻類懸濁液に培養液を添加し、再度培養を行うことを特徴とする微細藻類の培養方法である。
特許第3844365号においては、水平流路内の液のほぼ全量を収納するため、格納槽の容量が大きく、施設費が高価であった。本発明においては、より小容量の格納槽を用いてワムシ等捕食微小動物の被害を防止でき、施設費がより安価となるとともに特許第3844365号と同様に効果的な攪拌も行える。本発明によれば、微細藻類を安定的にかつ安価に培養することが可能となり、微細藻類の多方面への利用が促進される。
次に、本発明を更に詳しく説明する。図1乃至図5は、畜舎廃水等有機性廃水を培養液として微細藻類を培養する場合の、本発明の一実施形態を示す図面であり、図1は平面図、図2乃至図4はA−A縦断面図である。
本装置は、上方から太陽光の照射を受ける浅い水路aとその下方に設けられた格納槽bからなる。 水路aは、隔壁1で区画された並行した水路に構成され、下流端部2は垂直下方にのびる第2垂直流路3により格納槽b内部に連絡し、格納槽流入口4、格納槽bの内部を経て、格納槽流出口5、およびここから垂直上方にのびる第1垂直流路6を経て、上流端部7に連絡され、1つの無終端水路が形成されている。格納槽流出口5の上端は格納槽流入口4の上端より上に位置するよう設けられている。 格納槽bの上部には、空気等の気体を圧入するための通気管cが開口配備され、通気管cは開閉弁8を経て気体圧入機としてのブロワーdに連絡されている。格納槽bの上部には気体を抜くための排気管9が弁10とともに設けられている。格納槽bの容量は全藻類液の20%以下である。
図2は、光照射培養の開始前の状態を示している。この状態から、弁10を閉じ、ブロワ−dを作動させ通気管cを介して気体を圧入すると、格納槽b内の微細藻類懸濁液は水路aへと送り出される(図3)。さらに気体が送られると、格納槽流出口5から気体は第1垂直流路6内に一気に溢れ出て、第1垂直流路6内に空気層gを形成する。空気層gは上方の水を押し上げ、下方の水を引き上げながら、一気に上昇し、上流端部7に噴出し、同時に第2垂直流路3及び下流端部2の微細藻類懸濁液が一気に格納槽b内に流入する(図4)。これにより上流から下流への液の移動と大きな波が生じ、水路a及び格納槽b内の微細藻類懸濁液は攪拌される。気体の圧入の継続により、前記の噴出が一定の周期で繰り返される。このようにして微細藻類懸濁液は流動攪拌され、微細藻類は光の照射を受け増殖する。
日の入りになると、ブロワーdを停止し、弁10を開ける。微細藻類懸濁液の一部は格納槽bへと移動し、最終的には第1垂直流路6、第2垂直流路3および格納槽b内に格納される。この格納された微細藻類懸濁液は大気との接触面積がほとんどなく、特に格納槽b内の液は全くなく、各生物の呼吸による酸素消費により次第に嫌気状態となり、ワムシ、ミジンコなどの微細藻類を捕食する好気微小動物が死滅する。以後収穫時まで上記の操作を繰り返し、微細藻類を培養する。
その後、微細藻類濃度が収穫に適する濃度に達したら、格納槽b、第1垂直流路6、及び第2垂直流路3に収納される微細藻類懸濁液以外を収穫する。第1垂直流路6、第2垂直流路3の上端部にはそれぞれ密閉蓋11を設置し、そこからの酸素溶解を防ぐとよい(図5)。このようにして収納した微細藻類懸濁液は、微細藻類捕食微小動物を死滅させるため、およそ12時間以上、好ましくは14時間以上嫌気条件に保つ。この液を種母として、これに培養液を加え、好ましくは藻類濃度0.1(g/L)以上に調整して、再び上記培養を繰り返す。
このように、本発明によれば特許第3844365号と同様に藻類捕食微小動物の異常繁殖を抑制して、微細藻類を安定的に培養でき、さらに、格納槽bの容量は全藻類液の20%以下であり、特許第3844365号と比べて格納槽にかかる施設費が安価となる。
また、気体圧入速度に関係なく、1回の噴出による攪拌効果は一定である。このため気体圧入速度を小さく設定しても効果的な攪拌をすることが可能で、電力費の低下につながる。
さらに、噴出の際、格納槽bの横断面積が大きいほど、また第1垂直流路6下端から水路a内水面までの距離が大きいほど、第1垂直流路6内に流入する空気の量が多く、その結果第1垂直流路6内に形成される空気層gの容積が大きくなり、噴出が激しくなる。したがって、第1垂直流路6下端から水路a内水面までの距離を一定値に設定した場合、格納槽bの横断面積が大きいほど噴出に伴う水路aでの流動と波動が大きくなり、微細藻類懸濁液がよりよく攪拌される。このことから、前記格納槽bの横断面積の表面積に対する比を0.2以上にすることが適当である。これによって、いろいろな培養規模のそれぞれにおいて、より効果的な攪拌を行える。例えば、幅1.5m、全長100m、水深0.1mの水路aに対して、幅1m、長さ3m、高さ0.25mの格納槽bを水路a底面下ほぼ2mの位置に取り付ける。この場合、格納槽bの横断面積(約3m2)の表面積(約8m2)に対する比はおよそ0.37、格納槽bの容量(およそ0.75m3)は全藻類液(およそ15m3)のおよそ5%となる。特許第3844365号の場合、幅2m、長さ2.5m、高さ2mの格納槽(約15m3)を用いるとすると、表面積は約37m2となる。すなわち本実施形態の格納槽壁面の面積は特許第3844365号の場合の壁面面積の約21%となり、また、特許第3844365号の場合と比べて、側壁面の厚さを小さくでき、材料費が低下できる。また、製作のための労務費および電気等エネルギー費、搬送費、設置費等も低下する。このように、本発明によれば、効果的な攪拌効果を損なわず、施設費がより安価となる。
また、水路aは、格納槽bに向けて低く設けるのが適切である。
本実施形態は、畜舎廃水等有機性廃水を培養液として微細藻類を培養する場合のもので、特にCO2の供給を必要としない場合のものである。CO2の供給を行う場合は、CO2供給装置(図示せず)を設置してCO2供給を行う。
例えば、第1垂直流路6内下方に散気装置を設け、CO2供給を行う。
図6及び図7は、別の一実施形態を説明するための図面であり、それぞれ平面図、縦断面図である。本実施形態では、水路aが光を透過する透明管a1で構成されている点が、図1乃至図5に示した実施形態と異なる。第1垂直流路6は水槽13を介して透明管a1に連絡されている。第2垂直流路3は水槽12を介して透明管a1に連絡されている。培養の方法は図1乃至図5に示した実施形態と同様である。透明管を用いた場合、平面池よりも敷地面積当たりの光照射面積が大きくなる利点がある。
図8乃至図11は、別の一実施形態を説明するための図面であり、それぞれ平面図、縦断面図、横断面図、縦断面図である。本実施形態では、格納槽bが気体圧入装置及び排気機構を備えず、1つの水路に構成されるとともに、第1垂直流路6下方に炭酸ガス強化空気等気体を圧入するための散気装置14が備えられている点が、図8乃至図11に示した実施形態と異なる。昼間は、散気装置14を介して炭酸ガス強化空気の微細気泡を圧入し、微細藻類懸濁液を水路に沿って流動させ培養する。(図8、図9)収穫時には、前述と同様に、格納槽b、第1垂直流路6及び第2垂直流路3内の微細藻類懸濁液を残し、密閉蓋11を設置し、嫌気条件に保った後、これを種母として再び培養を行う。
本実施形態の場合、前述の実施形態の噴出による激しい流動が格納槽b内に生じないので、格納槽b内に藻体の沈積が生じやすい。このため、格納槽bは図11の如く屈曲した流積の小さい水路に構成することが適当である。これによって、十分な種母を確保できる。また、水路aは透明管に限定されるものではない。
本装置は、上方から太陽光の照射を受ける浅い水路aとその下方に設けられた格納槽bからなる。 水路aは、隔壁1で区画された並行した水路に構成され、下流端部2は垂直下方にのびる第2垂直流路3により格納槽b内部に連絡し、格納槽流入口4、格納槽bの内部を経て、格納槽流出口5、およびここから垂直上方にのびる第1垂直流路6を経て、上流端部7に連絡され、1つの無終端水路が形成されている。格納槽流出口5の上端は格納槽流入口4の上端より上に位置するよう設けられている。 格納槽bの上部には、空気等の気体を圧入するための通気管cが開口配備され、通気管cは開閉弁8を経て気体圧入機としてのブロワーdに連絡されている。格納槽bの上部には気体を抜くための排気管9が弁10とともに設けられている。格納槽bの容量は全藻類液の20%以下である。
図2は、光照射培養の開始前の状態を示している。この状態から、弁10を閉じ、ブロワ−dを作動させ通気管cを介して気体を圧入すると、格納槽b内の微細藻類懸濁液は水路aへと送り出される(図3)。さらに気体が送られると、格納槽流出口5から気体は第1垂直流路6内に一気に溢れ出て、第1垂直流路6内に空気層gを形成する。空気層gは上方の水を押し上げ、下方の水を引き上げながら、一気に上昇し、上流端部7に噴出し、同時に第2垂直流路3及び下流端部2の微細藻類懸濁液が一気に格納槽b内に流入する(図4)。これにより上流から下流への液の移動と大きな波が生じ、水路a及び格納槽b内の微細藻類懸濁液は攪拌される。気体の圧入の継続により、前記の噴出が一定の周期で繰り返される。このようにして微細藻類懸濁液は流動攪拌され、微細藻類は光の照射を受け増殖する。
日の入りになると、ブロワーdを停止し、弁10を開ける。微細藻類懸濁液の一部は格納槽bへと移動し、最終的には第1垂直流路6、第2垂直流路3および格納槽b内に格納される。この格納された微細藻類懸濁液は大気との接触面積がほとんどなく、特に格納槽b内の液は全くなく、各生物の呼吸による酸素消費により次第に嫌気状態となり、ワムシ、ミジンコなどの微細藻類を捕食する好気微小動物が死滅する。以後収穫時まで上記の操作を繰り返し、微細藻類を培養する。
その後、微細藻類濃度が収穫に適する濃度に達したら、格納槽b、第1垂直流路6、及び第2垂直流路3に収納される微細藻類懸濁液以外を収穫する。第1垂直流路6、第2垂直流路3の上端部にはそれぞれ密閉蓋11を設置し、そこからの酸素溶解を防ぐとよい(図5)。このようにして収納した微細藻類懸濁液は、微細藻類捕食微小動物を死滅させるため、およそ12時間以上、好ましくは14時間以上嫌気条件に保つ。この液を種母として、これに培養液を加え、好ましくは藻類濃度0.1(g/L)以上に調整して、再び上記培養を繰り返す。
このように、本発明によれば特許第3844365号と同様に藻類捕食微小動物の異常繁殖を抑制して、微細藻類を安定的に培養でき、さらに、格納槽bの容量は全藻類液の20%以下であり、特許第3844365号と比べて格納槽にかかる施設費が安価となる。
また、気体圧入速度に関係なく、1回の噴出による攪拌効果は一定である。このため気体圧入速度を小さく設定しても効果的な攪拌をすることが可能で、電力費の低下につながる。
さらに、噴出の際、格納槽bの横断面積が大きいほど、また第1垂直流路6下端から水路a内水面までの距離が大きいほど、第1垂直流路6内に流入する空気の量が多く、その結果第1垂直流路6内に形成される空気層gの容積が大きくなり、噴出が激しくなる。したがって、第1垂直流路6下端から水路a内水面までの距離を一定値に設定した場合、格納槽bの横断面積が大きいほど噴出に伴う水路aでの流動と波動が大きくなり、微細藻類懸濁液がよりよく攪拌される。このことから、前記格納槽bの横断面積の表面積に対する比を0.2以上にすることが適当である。これによって、いろいろな培養規模のそれぞれにおいて、より効果的な攪拌を行える。例えば、幅1.5m、全長100m、水深0.1mの水路aに対して、幅1m、長さ3m、高さ0.25mの格納槽bを水路a底面下ほぼ2mの位置に取り付ける。この場合、格納槽bの横断面積(約3m2)の表面積(約8m2)に対する比はおよそ0.37、格納槽bの容量(およそ0.75m3)は全藻類液(およそ15m3)のおよそ5%となる。特許第3844365号の場合、幅2m、長さ2.5m、高さ2mの格納槽(約15m3)を用いるとすると、表面積は約37m2となる。すなわち本実施形態の格納槽壁面の面積は特許第3844365号の場合の壁面面積の約21%となり、また、特許第3844365号の場合と比べて、側壁面の厚さを小さくでき、材料費が低下できる。また、製作のための労務費および電気等エネルギー費、搬送費、設置費等も低下する。このように、本発明によれば、効果的な攪拌効果を損なわず、施設費がより安価となる。
また、水路aは、格納槽bに向けて低く設けるのが適切である。
本実施形態は、畜舎廃水等有機性廃水を培養液として微細藻類を培養する場合のもので、特にCO2の供給を必要としない場合のものである。CO2の供給を行う場合は、CO2供給装置(図示せず)を設置してCO2供給を行う。
例えば、第1垂直流路6内下方に散気装置を設け、CO2供給を行う。
図6及び図7は、別の一実施形態を説明するための図面であり、それぞれ平面図、縦断面図である。本実施形態では、水路aが光を透過する透明管a1で構成されている点が、図1乃至図5に示した実施形態と異なる。第1垂直流路6は水槽13を介して透明管a1に連絡されている。第2垂直流路3は水槽12を介して透明管a1に連絡されている。培養の方法は図1乃至図5に示した実施形態と同様である。透明管を用いた場合、平面池よりも敷地面積当たりの光照射面積が大きくなる利点がある。
図8乃至図11は、別の一実施形態を説明するための図面であり、それぞれ平面図、縦断面図、横断面図、縦断面図である。本実施形態では、格納槽bが気体圧入装置及び排気機構を備えず、1つの水路に構成されるとともに、第1垂直流路6下方に炭酸ガス強化空気等気体を圧入するための散気装置14が備えられている点が、図8乃至図11に示した実施形態と異なる。昼間は、散気装置14を介して炭酸ガス強化空気の微細気泡を圧入し、微細藻類懸濁液を水路に沿って流動させ培養する。(図8、図9)収穫時には、前述と同様に、格納槽b、第1垂直流路6及び第2垂直流路3内の微細藻類懸濁液を残し、密閉蓋11を設置し、嫌気条件に保った後、これを種母として再び培養を行う。
本実施形態の場合、前述の実施形態の噴出による激しい流動が格納槽b内に生じないので、格納槽b内に藻体の沈積が生じやすい。このため、格納槽bは図11の如く屈曲した流積の小さい水路に構成することが適当である。これによって、十分な種母を確保できる。また、水路aは透明管に限定されるものではない。
1は隔壁、2は下流端部、3は第2垂直流路、4は格納槽流入口、5は格納槽流出口、6は第1垂直流路、7は上流端部、8は開閉弁、9は排気管、10は開閉弁、11は密閉蓋、12は水槽、13は水槽、14は散気装置、aは水平流路、a1は透明管、bは格納槽、cは通気管、dはブロワー、gは空気層、実線矢印は微細藻類懸濁液の流れの方向を示す。
Claims (8)
- 収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、下部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉されかつ排気機構を備え、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記格納槽内に気体を供給する気体圧入機とを設け、前記第1垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さを前記第2垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さより高くしたことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下である微細藻類の培養装置を用いて微細藻類を培養する方法であって、昼間、前記排気機構停止の状態で前記格納槽内に気体を供給し、前記水平流路で微細藻類を培養し、2以上の日数培養を続けた後、前記格納槽内に収納される以外のほぼ全量の微細藻類懸濁液を収穫するとともに、ワムシ等捕食微小動物死滅させるために前記格納槽内に収納された微細藻類懸濁液を嫌気条件に保った後、該微細藻類懸濁液に培養液を添加し、再度培養を行うことを特徴とする微細藻類の培養方法。
- 収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記格納槽内に気体を供給する気体圧入機とを設け、前記第1垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さを前記第2垂直流路と前記格納槽との間の境界部における連通流路の上限高さより高くしたことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下であることを特徴とする微細藻類の培養装置。
- 前記格納槽の横断面積の表面積に対する比が0.2以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微細藻類の培養方法又は装置。
- 前記第1垂直流路と第2垂直流路の上端に着脱可能な密閉蓋を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の微細藻類の培養方法又は装置。
- 前記水平流路が透明管で構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の微細藻類の培養方法又は装置。
- 収容した液体に太陽光を照射し、ほぼ水平で第1流路端部と第2流路端部を有する水平流路と、前記第1流路端部に連通されたほぼ垂直な第1垂直流路と、前記第2流路端部に連通されたほぼ垂直な第2垂直流路と、下部が前記第1垂直流路と前記第2垂直流路とに連通し、上部が密閉され、前記水平流路に収容された流体を収容する格納槽と、前記第1垂直流路または前記第2垂直流路内に気体を供給する気体圧入機とを設けことを特徴とする微細藻類の培養装置であって、前記格納槽の容量が前記培養装置に収容される全流体容量の20パーセント以下である微細藻類の培養装置を用いて微細藻類を培養する方法であって、昼間、前記第1垂直流路または前記第2垂直流路内に気体を供給し、前記水平流路で微細藻類を培養し、2以上の日数培養を続けた後、前記格納槽内に収納される以外のほぼ全量の微細藻類懸濁液を収穫するとともに、ワムシ等捕食微小動物死滅させるために前記第1垂直流路及び前記第2垂直流路に密閉蓋を取り付け、前記格納槽内に収納された微細藻類懸濁液を嫌気条件に保った後、該微細藻類懸濁液に培養液を添加し、再度培養を行うことを特徴とする微細藻類の培養方法。
- 前記水平流路が透明管で構成されることを特徴とする請求項6記載の微細藻類の培養方法。
- 前記格納槽が屈曲した流路で構成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の微細藻類の培養方法。
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JP2009255490A JP2011087552A (ja) | 2009-10-17 | 2009-10-17 | 微細藻類培養方法及び装置 |
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WO2012050220A1 (ja) * | 2010-10-13 | 2012-04-19 | Sekine Toshirou | 光合成微生物の培養方法及び装置 |
CN108485980A (zh) * | 2018-04-02 | 2018-09-04 | 福建省产品质量检验研究院 | 一种厌氧菌菌种保藏的有氧操作方法及其装置 |
-
2009
- 2009-10-17 JP JP2009255490A patent/JP2011087552A/ja active Pending
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