JP2011086558A - 鱗片状無機固体電解質フィラー、これを含有する固体電解質膜、並びに、非水電解質二次電池及びキャパシタ - Google Patents

鱗片状無機固体電解質フィラー、これを含有する固体電解質膜、並びに、非水電解質二次電池及びキャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】 鱗片状無機固体電解質を用いることにより、強度が高く、イオン伝導度の高い固体電解質膜を提供することにある。
【解決手段】 本発明の鱗片状無機固体電解質フィラーは、リチウムイオン伝導性を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鱗片状無機固体電解質フィラー、これを含有する固体電解質膜、並びに、非水電解質二次電池及びキャパシタに関する。
近年、非水電解質二次電池、特にリチウム二次電池は従来の携帯用端末の用途から、電動工具、電動自転車、スクーターや電気自動車用電池やハイブリットカー等のより大型化された用途への需要が高まっている。
従来の携帯端末用の非水電解質二次電池のセパレータは微多孔を有するポリオレフィン系材料が使われているが、このセパレータには、正極−負極間の短絡等により電解質内に過大な電流が流れ更に反応が加速して爆発事故を生じることを防止するために、セパレータの微多孔が通常の使用温度を超えた場合に、それを越えた温度でできるだけ低温で閉塞し、過剰電流が電解質のなかで流れることを防止するシャットダウン機能を付与することで安全対策を施している。
非水電解質二次電池、特にリチウム二次電池が大型化した場合や、例えばハイブリットカーのように二次電池を内燃機関近くに配置する等の場合には、電解質が高温でもセパレータとして機能することが求められる。このため、過充電時の正極−負極電極間の短絡防止を目的として、正極材料を従来のコバルト酸リチウムからマンガン酸リチウムに変更したり、或いは、燐酸鉄を添加したりする方法がある。
しかしながら、大容量化の二次電池においてもし正極及び負極の短絡が生じた場合の暴発化学反応は急激に生じる為に、固体電解質電池の開発が望まれている。無機固体電解質を用いた二次電池では、安全性は高いもののその界面での特性劣化があるため、長期サイクルに耐える電池を作製することができていない。また高分子固体電解質を用いた二次電池では、リチウムイオンの導電性が低く、それを解決するために厚みを薄くすることが必要である。しかしながら厚みを薄くすると機械的強度が低くなって、高分子固体電解質が破壊され、正極と負極とが短絡するという問題があった。
これらを解決するために、高分子固体電解質中に無機固体電解質を2〜35重量%含有した固体電解質電池(特許文献1)や、シート状高分子材料にリチウムイオン伝導性のガラスセラミックス粉体を含有する媒体中に非水系電解液を含浸してなるガラスセラミックス複合電解質が提案されている(特許文献2〜4)。
特開平10−144349号公報 特開2001−015164号公報 特開2004−303738号公報 特開2006−086102号公報
しかしながら、これら無機固体電解質が粒子状である場合、電解質膜が薄くなればなるほど強度が低下し、高分子固体電解質が破壊されることで正極と負極とが短絡するという問題が生じる。また電池内温度が上昇し、高分子が溶融又は焼失した場合、無機固体電解質が流動し正極と負極とが短絡するという問題が生じてしまう。さらに粒子形状ではそれ自体に膜形成能がないため、含有量を多くすることができない。また含有量を多くできたとしてもその電解質間の接点が少ないため、高いイオン伝導度が得られないといった問題点があった。
そこで、本発明の目的は、鱗片状無機固体電解質を用いることにより、強度が高く、イオン伝導度の高い固体電解質膜を提供することにある。
本発明の鱗片状無機固体電解質フィラーは、請求項1に記載の通り、リチウムイオン伝導性を有することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の鱗片状無機固体電解質フィラーにおいて、前記鱗片状無機固体電解質フィラーが、平均厚さ0.01〜5.0μm、平均粒径0.1〜100μmであることを特徴とする。
また、本発明の固体電解質膜は、請求項3に記載の通り、請求項1又は請求項2に記載の前記鱗片状無機固体電解質フィラーを含有することを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の固体電解質膜において、前記鱗片状無機固体電解質フィラーの幅広面を、前記固体電解質膜の厚さ方向に対して垂直となるように配向させたことを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項3又は4に記載の固体電解質膜において、前記固体電解質膜の総質量に対して、0.1〜80質量%のバインダ高分子を含むことを特徴とする。
また、本発明の非水電解質二次電池は、請求項6に記載の通り、請求項3〜5のいずれか1項に記載の固体電解質膜を備えたことを特徴とする。
また、本発明のキャパシタは、請求項7に記載の通り、請求項3〜5のいずれか1項に記載の固体電解質膜を備えたことを特徴とする。
本発明の電解質フィラー及びそれを用いた電解質膜は、鱗片状無機固体電解質を用いているため、それ自身に膜形成能があり、バインダをほとんど用いることなく電解質膜を形成することができる。そのため、固体電解質含有量を多くでき、イオン伝導度を向上することができる。また鱗片状であるため電解質が膜面に対して平行に配列する。そのため膜に対して垂直方向の強度が向上し、個々の電解質フィラーの接触が面で行われるため、イオン伝導度を向上することができる。これらのことにより鱗片状無機固体電解質を用いることで、強度が高く、イオン伝導度の高い固体電解質膜を提供できる。
耐ショート性測定装置の説明図
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の鱗片状無機固体電解質フィラーは、リチウムイオン伝導性を有するものである。
無機固体電解質としては、リチウムイオンが伝導するものであれば特に限定されないが、例えば、Li3N、LiTi2(PO4)3、Li−βAl2O3、LiI、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li2S−B2S3、LiI−Li3N−LiOH、Li2O−B2O3、Li2O−V2O3−SiO2、LiTaO3、Li2S−SiS2−Li3PO4、LiI−Li2S−P2S5、Li−Ge−P−S等の無機固体電解質を選択することができる。これは単独で用いてもよいし、同時に複数用いてもよい。またこれらの電解質はアモルファスでも良く結晶性であっても良い。
本発明に使用するフィラーの形状については、表裏の幅広な面を備えた鱗片形状をしているものであればよい。
また、その寸法については特に制限をするものではないが、平均厚さ0.01〜5.0μm、平均粒径0.1〜100μmであることが好ましい。平均厚さが5.0μmを超えると、後述する固体電解質膜に凹凸ができたり、突起状物等ができたりする場合がある。平均粒径も100μmを超えると同様の理由で不具合を生じることがある。また、平均厚さが0.01μm未満である場合、無機固体電解質の生産性が極端に悪くなる場合があり、現実的でない。また平均粒径が0.1μm未満である場合、強度が低下することがあり、また生産性が極端に悪くなり、現実的でない。なお、本明細書において、鱗片状フィラーの平均厚さとは、少なくとも100枚の鱗片状フィラーを抜き取り、それらの鱗片状フィラーについて走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて厚さを測定し、その厚さ合計を測定枚数で割った値のことである。また、本明細書において、鱗片状フィラーの平均粒径とは、レーザー回折散乱法に基づいて測定された粒度分布において、累積質量百分率が50%に相当する粒径(D50)のことである。
前記フィラーは、バインダとの親和性を高めるために、カップリング剤によって被覆処理されていてもよい。カップリング剤の代表的な例として、シランカップリング剤を挙げることができる。シランカップリング剤は使用する樹脂によって異なるが、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリロキシシラン及びアミノシランが好ましく、これらシランカップリング剤は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
ビニルシランとしては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が例示できる。エポキシシランとしては、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。メタクリロキシシランとしては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。アミノシランとしては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示できる。
シランカップリング剤の含有率は、全体の質量に対して0.01質量%〜5.0質量%であることが好ましい。0.01質量%より少ない場合、バインダとなる高分子との充分な親和性を得ることが困難となる。一方、5.0質量%を超えると、カップリング剤同士の反応が起こり、それらがフィラーと高分子との親和性を損なわせ、またコストが高くなる。
次に、上記鱗片状無機固体電解質フィラーを含有する固体電解質膜について説明する。
固体電解質膜を得るには、溶媒に分散または溶解した樹脂バインダに鱗片状無機固体電解質フィラーを均一になるよう撹拌混合し、この液をキャスティング法や塗布法により成膜した後、または押し出し成形、射出成形等により成形した後、真空乾燥させる。この過程において、鱗片状無機固体電解質フィラーの幅広面が、シートの厚さ方向と垂直に配向される。さらに厚みを調整するためロール成形することもできる。
固体電解質膜に添加するバインダとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素樹脂、ポリアミド類、ポリエステル類ポリアクリレート等の高分子材料を用いることができる。
また、バインダとして高分子固体電解質を用いる場合、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン等の公知の高分子材料に、溶質として例えば、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLiCF3SO3、ヘキサフルオロリン酸リチウムLiPF6、テトラフルオロホウ酸リチウムLiBF4、過塩素酸リチウムLiClO4、トリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウムLiN(CF3SO2)2等を加えたものを用いることができる。さらに溶質を加えるにあたり、溶質を溶解する溶媒を加え、上記の高分子固体電解質をゲル状にして使用しても良い。このような溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、1,2-ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等を使用することができる。
前記バインダは、電解質膜全体の質量に対して、0.1〜80質量%であることが好ましい。0.1質量%以下であると無機固体電解質フィラーのバインダとして機能せず、強度が低下するためである。80質量%以上であると無機固体電解質フィラーの接点が少なくなり、イオン伝導度が低下してしまう。より好ましくは、1〜50質量%であり、さらに好ましくは2〜10質量%である。
さらに、固体電解質膜の補強を目的として無機繊維又は無機繊維不織布を添加又は用いても良い。無機繊維又は無機繊維不織布を用いる場合、その質量は電解質膜に対して10質量%以下であることが好ましい。10質量%以上であると無機固体電解質フィラーの接点が少なくなり、イオン伝導度が低下してしまう。尚、無機繊維又は無機繊維不織布は電池又はキャパシタに影響を与えるものでなければ特に制限するものではないが、例えば、シリカ、アルミナ等のセラミックスやガラス等を使用することができる。
また、固体電解質膜において、上記の鱗片状無機固体電解質フィラーの幅広面を、固体電解質膜の厚さ方向に対して垂直となるように配向させることが好ましい。フィラーの幅広面が厚さ方向に一部重複するように配列されることになるので、デンドライトの成長路を蛇行させることができるからである。
固体電解質膜として機能を確保するためには、その厚さは100μmであることが好ましく、より好ましくは20μm以下である。
本発明の固体電解質膜は、公知の非水電解質二次電池やキャパシタの電解質膜又はセパレータとして使用することができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
原料としてNH4H2PO4、Al(PO3)3、Li2CO3、SiO2、TiO2を使用し、これらを酸化物換算のmol%でP2O5を35.0%、Al2O3を7.5%、Li2Oを15.0%、TiO2を38.0%、SiO2を4.5%になるように秤量して均一に混合した後に溶解槽に入れ、1600℃で撹拌しながら2時間加熱熔解した。この溶解槽にノズルを入れ、このノズルから空気を吹き込みながら薄いガラスを作製し、この薄いガラスをローラーで連続的に引き出した。空気の吹き込み量及びローラー回転数を変えて、平均厚さ0.4μmのガラスを得た。その後、粉砕、分級を行って、それぞれ平均粒径10μmの鱗片状ガラスを得た。粉砕には、ジェットミル型粉砕機(製品名「ラボジェットLJ」(日本ニューマチック株式会社製))を用いた。また、粒度の調整は、ふるい分け分級によって行った。ふるい分け分級には、電磁ふるい振とう機(製品名「RETSCHSIEVESHAKER,typeVIBRO」(RETSCH株式会社製)を用い、目的とする粒度分布に応じて適宜ふるいを選択した。平均粒径は、レーザー回折粒度分布測定装置(製品名「マイクロトラック(登録商標)HRA」(日機装株式会社製))によって測定した。
さらにこの鱗片状ガラスを950℃で12時間熱処理を行うことにより、目的のイオン伝導性を付与し、鱗片状無機固体電解質フィラーとした。この鱗片状無機固体電解質フィラーのイオン伝導度は、室温において1×10−3S・cm−1であった。
次に、新日本理化株式会社製ポリイミド樹脂ワニス「リカコート PN−20」(固形分20wt%)を0.8重量%、脱水したN−メチル−2−ピロリドンを99重量%、ポリエチレングリコールを0.2重量%となるように量り取り、60℃でポリイミド樹脂ワニスをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた後、ポリエチレングリコール加え、均一に完全相溶した樹脂溶液を得た。この樹脂溶液100gに鱗片状無機固体電解質フィラー29gを添加し、均一になるよう撹拌混合した。この液をキャスティング法により成膜した後、真空乾燥させて、固体電解質膜である鱗片状ガラス−樹脂複合膜を作製した。得られた固体電解質膜の厚みは約20μmであった。
新日本理化株式会社製ポリイミド樹脂ワニス「リカコート PN−20」(固形分20wt%)を2.5重量%、脱水したN−メチル−2−ピロリドンを97重量%、ポリエチレングリコールを0.5重量%となるように量り取り、60℃でポリイミド樹脂ワニスをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた後、ポリエチレングリコール加え、均一に完全相溶した樹脂溶液を得た。この樹脂溶液100gに実施例1と同じ方法により得られた鱗片状無機固体電解質フィラー27gを添加し、均一になるよう撹拌混合した。この液をキャスティング法により成膜した後、真空乾燥させて固体電解質膜を作製した。得られた固体電解質膜の厚みは約20μmであった。
原料として酸化チタンTiO2と炭酸リチウムLi2CO3とリン酸アンモニウム(NH4)H2PO4とを混合させ、この混合物を1200℃でガラス融液を撹拌しながら2時間加熱熔解した。この溶解槽にノズルを入れ、このノズルから空気を吹き込みながら薄いガラスを作製し、この薄いガラスをローラーで連続的に引き出した。空気の吹き込み量及びローラー回転数を変えて、平均厚さ0.4μmのガラスを得た。その後、粉砕、分級を実施例1と同様に行って、平均粒径10μmの鱗片状ガラスを得た。この鱗片状ガラスのイオン伝導度は、室温において2×10−4S・cm−1であった。
次にLi塩としてLiPF6を添加したポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの重合物を80:20の割合で、エタノールを溶媒として固形分30質量%となるように均一に混合し、高分子固体電解質溶液を作製した。この溶液100gに鱗片状無機固体電解質フィラー30gを添加し、均一になるよう撹拌混合し、キャスティング法により成膜した後、真空乾燥させて固体電解質膜を作製した。得られた鱗片状ガラス−高分子固体電解質複合膜の厚みは約20μmであった。
表1に示すCガラスの組成を有し、平均直径0.7μmで平均長さ約3mmのガラス短繊維を、繊維を解きほぐすためのパルパーに投入し、硫酸でpH2.5に調製した水溶液中で充分に解離、分散させ、抄紙用のスラリー(ガラス繊維分散液)を作製した。このスラリーを原料として、湿式抄紙装置を用いて、ガラス繊維不織布を得た。得られたガラス繊維不織布は、厚みが20μmであり、目付量は5g/m2であった。
Figure 2011086558


注:R2Oは、Na2OとK2Oの合計を表す。
前記ガラス繊維不織布を10cm×10cmの寸法に切り出し、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に乗せ、その上から実施例1で用いた鱗片状ガラス−樹脂複合溶液10gを均一になるよう含浸させた。樹脂溶液を含浸したガラス不織布は真空中で1時間乾燥処理した後、PETフィルムから剥離した。得られたガラス繊維不織布−鱗片状ガラス−樹脂複合化膜の厚みは約30μmであった。
(比較例1)
原料としてNH4H2PO4、Al(PO3)3、Li2CO3、SiO2、TiO2を使用し、これらを酸化物換算のmol%でP2O5を35.0%、Al2O3を7.5%、Li2Oを15.0%、TiO2を38.0%、SiO2を4.5%になるように秤量して均一に混合した後に溶解槽に入れ、1600℃でガラス融液を撹拌しながら2時間加熱熔解した。その後ガラス融液を水中に直接キャストし、母ガラスを得た。この母ガラスを950℃で12時間の熱処理した後、実施例1と同様の装置を用いて粉砕、分級を行い、平均粒径10μmのフレーク状ガラス基材を得た。
さらに実施例1と同様にしてポリイミド樹脂ワニスを用いた樹脂溶液を用いて粉状ガラス−樹脂混合溶液を作製し、キャスティング法により成膜した後、真空乾燥させて鱗片状ガラス−樹脂複合膜を作製した。得られた粉状ガラス−樹脂複合膜の厚みは約50μmであった。
(比較例2)
比較例1と同様にして得た粉状ガラス−樹脂混合溶液を用いて、キャスティング法により成膜を試みたが、厚み約20μmの膜は形成できなかった。
(比較例3)
比較例1と同様にして粉状ガラスを得た。さらに実施例2と同様にしてポリイミド樹脂ワニスを用いた樹脂溶液を用いて粉状ガラス−樹脂混合溶液を作製した。キャスティング法により成膜を試みたが、厚み約50μmの膜は形成できなかった。
実施例1〜4および比較例1で作製したガラス−樹脂複合膜について、下記の試験を行った。試験の結果を表3に示す。
(引張強度測定)
プロトン伝導性膜を、幅20mm×長さ80mmに切断して試験片を作製し、チャック間隔30mmで、10mm/分の速度で引っ張って、破断時の荷重(N)を測定した。これをサンプル厚みおよび幅の実測値で除して、引張強度(MPa)を算出した。ここで、サンプル厚みはマイクロメータにて測定した。
(耐ショート性測定)
耐ショート性の測定に用いた装置の概略図を図1に示す。樹脂フィルム1を上下から直径50mmのステンレス円柱2で挟み込み、さらにバネ3を用いて0.14kg/cmの加重が掛かるようにした。上下のステンレス円柱2は耐熱絶縁板4で電気的に絶縁されている。また上部のステンレス円柱2は加圧時にセパレータを排斥できるよう曲率を持った面とした。これに3.0Vの電圧を掛けた状態でプログラム型高温槽に入れ、室温から400℃まで10時間で昇温した。樹脂多孔脂質フィルムが溶解または燃焼するような高温になると正・負極間に圧力が掛かって電解質が流動または排斥されて両極が短絡する。短絡したかどうかを抵抗測定器5にて判断、短絡が発生した温度で耐ショート性を評価した。
Figure 2011086558
上記の実施例および比較例の結果から明らかなように、本発明による実施例1〜4では無機固体電解質の含有量が多くても膜が形成できるが、比較例2,3では無機固体電解質の含有量が多くなると膜を形成できないことがわかる。また、実施例1〜4は、比較例1〜3に比べて、強度およびイオン伝導度が向上し、さらにショート温度が向上していることが分かる。
1 樹脂フィルム
2 ステンレス円柱
3 バネ
4 耐熱絶縁板
5 抵抗測定器

Claims (7)

  1. リチウムイオン伝導性を有することを特徴とする鱗片状無機固体電解質フィラー。
  2. 前記鱗片状無機固体電解質フィラーが、平均厚さ0.01〜5.0μm、平均粒径0.1〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の鱗片状無機固体電解質フィラー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の前記鱗片状無機固体電解質フィラーを含有することを特徴とする固体電解質膜。
  4. 前記鱗片状無機固体電解質フィラーの幅広面を、前記固体電解質膜の厚さ方向に対して垂直となるように配向させたことを特徴とする請求項3に記載の固体電解質膜。
  5. 前記固体電解質膜の総質量に対して、0.1〜80質量%のバインダ高分子を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の固体電解質膜。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の固体電解質膜を備えたことを特徴とする非水電解質二次電池。
  7. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の固体電解質膜を備えたことを特徴とするキャパシタ。
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