JP2011085551A - 光ファイバ振動センサ - Google Patents

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達也 熊谷
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Abstract

【課題】光源1つあたりの最大計測距離を従来よりも長くすることができ、低コスト化を実現できる光ファイバ振動センサを提供する。
【解決手段】第1のセンサケーブルはサニャック干渉系を構成する第1の光ファイバループの一部であり、第2のセンサケーブルはサニャック干渉系を構成する第2の光ファイバループの一部であり、1つの光源より出射され第1の光カプラで分岐された2つの信号光が第2の光カプラと第3の光カプラとに入射され、第2の光カプラで更に2つに分岐された信号光が第1の光ファイバループを周回して第1の干渉光となり、第3の光カプラで更に2つに分岐された信号光が第2の光ファイバループを周回して第2の干渉光となり、それぞれの干渉光は第1の光カプラに入射され第1の受光器で受光・光電変換されて第1の電気信号となり、第1の電気信号から第1のセンサケーブルおよび/または前記第2のセンサケーブルでの振動を検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、振動センサに関し、特に光ファイバを用いてサニャック干渉系を構成した光ファイバ振動センサに関するものである。
空港・発電所などの重要施設や、工場・研究所など機密性の高い施設内への不審な侵入者を検知する目的で、近年、種々の侵入検知センサが提案されている。侵入検知センサの一つに、サニャック干渉系を構成した光ファイバ振動センサがある。サニャック干渉系を構成した光ファイバ振動センサとは、ループ状の光ファイバに互いに逆回りの信号光を伝搬させて周回した両信号光を干渉させ、その干渉光の強度変化を測定することで光ファイバに加えられた物理的外乱(振動)を検出するセンサである。
例えば、特許文献1や非特許文献1には次のような光ファイバ振動センサが提案されている。図1は、従来の光ファイバ振動センサの構成例を示す模式図である。特許文献1によると、光ファイバ振動センサ10は、振動センサ本体部11と光ファイバループ12とからなり、光ファイバループ12の一部が振動計測用のセンサケーブルとして用いられている。振動センサ本体部11は光源1、受光器2、第1の光カプラ3、偏光子4、第2の光カプラ5及びこれらを光学的に接続する接続用光ファイバ6並びに信号処理ユニット7と、それらを収納する筐体からなっている。また、光ファイバループ12の一端側には、光ファイバループ12内を反対方向に伝搬する光波間で相対的に時間遅れのある位相変調を掛けるための位相変調器8が設けられている。
光源1より出射された信号光L1は第1の光カプラ3、偏光子4、第2の光カプラ5を通り、第2の光カプラ5において信号光L1が2つに分岐されて、光ファイバループ12の互いに異なる端に入射される。光ファイバループ12に入射され互いに反対方向に伝搬する光は、それぞれ位相変調器8で光の位相を変調され、光ファイバループ12を1周して再び第2の光カプラ5へ入射する。互いに反対方向に伝搬してきた光は、第2の光カプラ5で干渉して干渉光L2となる。干渉光L2は偏光子4を伝搬して第1の光カプラ3へ入射し、再び2つの光に分岐され、分岐された光の一方が受光器2で検出される。
光ファイバループ12の一部である振動計測用のセンサケーブルに物理的外乱(例えば、振動)が加わると、振動が生じた箇所では光ファイバの伸縮により伝搬光の位相が変化する。ここで、光ファイバループ12を周回し第2の光カプラ5に入射する2つの光の位相が異なる(位相差が生じる)と、受光器2で受光される干渉光L2の強度は同位相で結合した場合と異なって検出される。センサケーブルに振動がないとき(同位相の場合)は干渉光L2の強度が略一定に検出されることから、その一定の光強度と異なる光強度を識別することによって振動を検知することができる。
特許文献1や非特許文献1によると、上記光ファイバ振動センサは、例えばフェンス等に取り付けて不審な侵入者を検知する侵入者検知用センサとして好適に利用できるとされている。さらに、該光ファイバ振動センサの特長として、(1)フェンスの乗り越えや切断・破壊による振動を検知できる、(2)電磁誘導や雷に強い、(3)応答が早くデジタル処理が可能であるため誤報を防止できる、(4)不法侵入された区間を瞬時に特定できる、(5)監視カメラや赤外線センサ等との組み合わせが可能である、(6)入り組んだ外周フェンスに設置できフェンスや外周防護柵と同色にできる、などが挙げられている。
また、特許文献2では、改良した光ファイバ振動センサとして、光ファイバ全長の少なくとも半分の長さを有する遅延用光ファイバを光ファイバループ内に備えた光ファイバ振動センサが提案されている。特許文献2によれば、遅延用光ファイバを配設することによって、センサケーブルのどの箇所に振動が生じても従来よりも高感度かつ安定して振動を検知することができるとされている。
特開2006−208080号公報 特開2008−309776号公報
熊谷達也,佐藤知典:「侵入者警報用光ファイバ振動センサ」,超音波TECHNO,第20巻第4号,日本工業出版,2008年,31-36頁.
しかしながら、従来の光ファイバ振動センサは、光源1つあたりの最大計測距離が300 m程度と言われており、敷地の外周フェンス全周に敷設するためにも、より長い計測距離の実現が望まれている。加えて、低コストであることが望まれている。
したがって本発明の目的は、光源1つあたりの最大計測距離を従来よりも長くすることができ、低コスト化を実現できる光ファイバ振動センサを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、サニャック干渉系を構成した光ファイバ振動センサであって、
前記光ファイバ振動センサは、1つの光源を内蔵する振動センサ本体部と第1のセンサケーブルと第2のセンサケーブルとを有し、
前記第1のセンサケーブルはサニャック干渉系を構成する第1の光ファイバループの一部であり、前記第2のセンサケーブルはサニャック干渉系を構成する第2の光ファイバループの一部であり、
前記1つの光源より出射され第1の光カプラで分岐された2つの信号光が、それぞれ第1の偏光子と第2の偏光子を介して第2の光カプラと第3の光カプラとに入射され、
前記第2の光カプラで更に2つに分岐された前記信号光の一方が第1の位相変調器を介して前記第1の光ファイバループに一方から入射され、前記第2の光カプラで更に2つに分岐された前記信号光の他方が前記第1の光ファイバループに他方から入射され、
前記第3の光カプラで更に2つに分岐された前記信号光の一方が第2の位相変調器を介して前記第2の光ファイバループに一方から入射され、前記第3の光カプラで更に2つに分岐された前記信号光の他方が前記第2の光ファイバループに他方から入射され、
前記第1の光ファイバループを周回してきた2つの信号光は前記第2の光カプラで合波されて第1の干渉光となり、
前記第2の光ファイバループを周回してきた2つの信号光は前記第3の光カプラで合波されて第2の干渉光となり、
前記第1の干渉光と前記第2の干渉光はそれぞれ前記第1の偏光子と前記第2の偏光子を介して前記第1の光カプラに入射され、前記第1の光カプラの一端に配設された第1の受光器で受光・光電変換されて第1の電気信号となり、
前記第1の電気信号から前記第1のセンサケーブルおよび/または前記第2のセンサケーブルでの振動を検出する構成としたことを特徴とする光ファイバ振動センサを提供する。
また、本発明は上記目的を達成するため、上記の本発明に係る光ファイバ振動センサにおいて、以下のような改良や変更を加えることができる。
(1)前記第2の光カプラの一端に第2の受光器が配設され、前記第2の受光器で前記第1の干渉光は受光・光電変換されて第2の電気信号となり、
前記第3の光カプラの一端に第3の受光器が配設され、前記第3の受光器で前記第2の干渉光は受光・光電変換されて第3の電気信号となり、
前記第2の電気信号と前記第3の電気信号とから前記振動データが前記第1のセンサケーブルおよび/または前記第2のセンサケーブルで検知されたかを判別する構成とする。
(2)前記第2の電気信号および/または前記第3の電気信号から位相変調周波数成分の信号を検出して前記判別に用いる。
(3)圧電セラミックスから成る1つの円筒型(円柱状も含むものとする)圧電素子に対して、前記第1の光ファイバループを構成する光ファイバと前記第2の光ファイバループを構成する光ファイバとを同じ長さで巻き付けることによって、前記第1の位相変調器および前記第2の位相変調器を共用の位相変調器で構成する。
(4)前記第1の光ファイバループを構成する光ファイバの半分以上の長さを有する第1の遅延用光ファイバコイルが前記第1の位相変調器と前記第1のセンサケーブルとの間に配設され、
前記第2の光ファイバループを構成する光ファイバの半分以上の長さを有する第2の遅延用光ファイバコイルが前記第2の位相変調器と前記第2のセンサケーブルとの間に配設されている。
(5)前記振動センサ本体部、前記第1のセンサケーブルおよび前記第2のセンサケーブルに内蔵される光ファイバが、偏波面保存光ファイバ(PMF)から成る。
(6)前記第1の電気信号、前記第2の電気信号および前記第3の電気信号のうちの少なくとも1つを処理する信号処理回路が前記振動センサ本体部に内蔵されている。
本発明によれば、光源1つあたりの最大計測距離が従来よりも長い光ファイバ振動センサを提供することができる。また、従来の光ファイバ振動センサを用いて本発明と同じ計測距離を実現しようとする場合に比して低コスト化を実現できる。
従来の光ファイバ振動センサの構成例を示す模式図である。 本発明に係る光ファイバ振動センサの一構成例を示す模式図である。 本発明に係る光ファイバ振動センサの信号処理回路において、侵入者の有無を判定する流れの1例を表すフローチャートである。 本発明に係る光ファイバ振動センサの信号処理回路の1例を示すブロック線図である。 楕円ジャケット型PMFの断面模式図である。 楕円コア型PMFの断面模式図である。 本発明に係る光ファイバ振動センサのセンサケーブルの構造例を示す断面模式図である。 本発明に係る光ファイバ振動センサの敷設例を示す平面模式図である。
以下、本発明に係る実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施の形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
図2は本発明に係る光ファイバ振動センサの一構成例を示す模式図である。図2に示すように、本発明に係る光ファイバ振動センサ100は、振動センサ本体部120と、振動センサ本体部120に光コネクタ113で接続される第1のセンサケーブル114と第2のセンサケーブル115とを有する。第1のセンサケーブル114はサニャック干渉系を構成する第1の光ファイバループ121の一部であり、第2のセンサケーブル115はサニャック干渉系を構成する第2の光ファイバループ122の一部である。
1つの光源101から出射された信号光L1は、2入力2出力(以下2×2と記す)の第1の光カプラ102で2つの信号光L11,L12に分岐される。第1の光カプラ102の光源101側には第1の受光器103も接続されている。第1の光カプラ102で分岐された2つの信号光L11,L12は、それぞれ第1の偏光子104と第2の偏光子107を介して、2×2の第2の光カプラ105と2×2の第3の光カプラ108とに入射される。第2の光カプラ105の第1の偏光子104側には第2の受光器106も接続されている。また、第3の光カプラ108の第2の偏光子107側には第3の受光器109も接続されている。
信号光L11は第2の光カプラ105で更に2つの信号光L111,L112に分岐され、一方の信号光(例えば、信号光L111)は第1の光ファイバループ121にその一方から入射される。また、他方の信号光(例えば、信号光L112)は共用の位相変調器110と第1の遅延用光ファイバコイル111を経由しながら第1の光ファイバループ121にその他方から(信号光L111と反対回りになるように)入射される。
信号光L12は第3の光カプラ108で更に2つの信号光L121,L122に分岐され、一方の信号光(例えば、信号光L122)は第2の光ファイバループ122にその一方から入射される。また、他方の信号光(例えば、信号光L121)は共用の位相変調器110と第2の遅延用光ファイバコイル112を経由しながら第2の光ファイバループ122にその他方から(信号光L121と反対回りになるように)入射される。
第1の光ファイバループ121を周回してきた2つの信号光L111,L112は第2の光カプラ105で合波されて第1の干渉光C11となる。干渉光C11はその一部が分岐されて第2の受光器106で受光され、他の部分が第1の偏光子104を介して第1の光カプラ102に入射される。同様に、第2の光ファイバループ122を周回してきた2つの信号光L121,L122は第3の光カプラ108で合波されて第2の干渉光C12となる。干渉光C12はその一部が分岐されて第3の受光器109で受光され、他の部分が第2の偏光子107を介して第1の光カプラ102に入射される。
第1の光カプラ102に入射された干渉光C11と干渉光C12は、第3の干渉光C1となりその一部が分岐されて第1の受光器103で受光・光電変換されて第1の電気信号E1となる。電気信号E1は信号処理回路116に送られてデータ処理され、第1のセンサケーブル114および/または第2のセンサケーブル115での振動が検出される。
また、第2の光カプラ105に入射された第1の干渉光C11の一部は、第2の受光器106で受光・光電変換されて第2の電気信号E2となる。同様に、第3の光カプラ108に入射された第2の干渉光C12の一部は、第3の受光器109で受光・光電変換されて第3の電気信号E3となる。電気信号E2,E3は信号処理回路116に送られてデータ処理される。なお、図2においては、信号処理回路116が振動センサ本体部120に内蔵されている場合を図示したが、本発明はそれに限定されることはなく、信号処理回路116全体またはその一部が振動センサ本体部120と別体に形成されていてもよい。例えば、信号処理回路116の一部がセキュリティ監視室内に設置されていてもよい。
通常、光カプラは入射光を透過光と結合光とに1 : 1のパワー比で分岐する。このとき、透過光は入射光に対して位相シフトが生じないが、結合光は入射光に対して「π/2+α」(ラジアン)の位相シフトが生じる。なお、αは製造上の非理想性(ゆらぎ等)に起因して生じる位相シフトであり環境温度によって変動する。
ここで、例えば、第2の光カプラ105において信号光L11から分岐された信号光L111が透過光であった場合、第1の光ファイバループ121を周回して第2の光カプラ105に戻ってきた信号光L111は、第2の受光器106に対しては再度の透過光として到達する。すなわち、第2の受光器106で受光される信号光L111は、透過を2回経ていることから入射光L11に対して位相シフトが生じていない。
一方、第2の光カプラ105を介して信号光L11から分岐された信号光L112は、結合光として第1の光ファイバループ121を周回し、第2の光カプラ105において再度の結合光として第2の受光器106に到達する。この場合、第2の受光器106で受光される信号光L112は、結合を2回経ていることから入射光L11に対して 「π+2α」の位相シフトが生じる。すなわち、第2の受光器106で受光される信号光L111と信号光L112との間(いわゆる「左右回り光の間」)には位相シフトによる位相差が存在する。このように位相シフトにより左右回り光の間に位相差を内在する干渉光を用いた光学系を非相反な光学系と称する。
また、上記と同様に第3の光カプラ108において信号光L12から分岐され第2の光ファイバループ122を周回した信号光L121と信号光L122との間(左右回り光の間)には位相シフトによる位相差が存在する。すなわち、第3の受光器109で受光する光学系も非相反な光学系となる。
これらに対し、第1の受光器103で干渉光C1を検出する場合をみると、信号光L1からスタートして第1の光ファイバループ121または第2の光ファイバループ122をそれぞれ周回した信号光L111,L112,L121,L122は、いずれの場合も結合と透過を2回ずつ経験して第1の受光器103に到達する。すなわち、信号光L111,L112,L121,L122の間には位相シフトによる位相差が存在しない(言い換えると、干渉光C1は左右回り光の間に位相差を内在しない)。このような光学系を相反な光学系と称する。
非相反な光学系の場合、環境温度の変化により位相ドリフトが発生するため、振動の種類を判定するような精密な計測は困難であるが、振動の有無を判定するには十分な感度・精度を有する。そこで本発明においては、第2の受光器106及び第3の受光器109で検出した干渉光を、振動がどちらのセンサケーブルで検出されたものかを判別することに利用するようにした。一方、相反な光学系の場合は位相ドリフトを発生させないため、第1の受光器103で検出した干渉光を、振動の種類を解析して侵入者の有無を判定するための精密測定に利用するようにした。
図3は、本発明に係る光ファイバ振動センサの信号処理回路において、侵入者の有無を判定する流れの1例を表すフローチャートである。はじめに、第1の受光器103で受光する干渉光C1の強度に変化が生じたことを第1の電気信号E1から検出する。次に、第2の受光器106で受光する干渉光C11の強度変化と第3の受光器109で受光する干渉光C12の強度変化とをそれぞれ第2の電気信号E2と第3の電気信号E3とから比較する。
干渉光C11の強度変化の方が干渉光C12の強度変化よりも大きい場合、振動が第1のセンサケーブル114で検出されたものとして処理される。一方、干渉光C12の強度変化の方が干渉光C11の強度変化よりも大きい場合、振動が第2のセンサケーブル115で検出されたものとして処理される。すなわち、この処理によって信号処理回路116は振動がどちらのセンサケーブルで検出されたものかを判別する(振動検出の場所が特定される)。
次に、第1の受光器103で受光された干渉光C1の強度変化における振動レベルが解析される。振動レベルが所定の閾値以上である場合、検出された振動が人為的行為であるかどうかは振動の頻度、間隔、継続時間などを解析することで判定することができる。解析の結果、侵入者があると判断された場合にはアラームが出力される。
図4は、本発明に係る光ファイバ振動センサの信号処理回路の1例を示すブロック線図である。図4に示すように、第2の受光器106および第3の受光器109からの信号(電気信号E2と電気信号E3)は、トランスインピーダンスアンプ201、増幅器202を介してロックインアンプ203に入力され、ロックインアンプ203において位相変調周波数成分が検出される。ロックインアンプ203からの出力と第1の受光器103からの信号(電気信号E1)に基づく出力204とがマルチプレクサ205に入力され、A/Dコンバータ206を経由してCPU 207において演算処理される。これにより、振動検出場所の特定と振動の種別(侵入者の有無)が判定される。
サニャック干渉系は、干渉光強度が「cosφ(φ:サニャック位相差)」に比例するため、一般的に小さな位相差に対して検出感度が低くなりやすいという弱点がある。そこで、小さな位相差に対する検出感度を高めるために位相変調器110を設けた。位相変調器110は、光ファイバループを逆方向に伝搬する2つの信号光(左右回り光)の間に相対的な時間遅れのある位相変調(例えば、π/2相当)を掛けるためのものである。
位相変調器110としては、円筒形をした圧電セラミックス製の円筒型圧電素子に光ファイバループの一部を巻き付けたものを使用することができる。圧電セラミックス製の円筒型圧電素子としては、特に、チタン酸ジルコン酸鉛(Lead Titanate Zirconate: PZT)を使用することが好ましい。また1つの円筒型圧電素子に対して、第1の光ファイバループ121と第2の光ファイバループ122を同じ長さで巻き付けることによって、2系統(第1の光ファイバループ121と第2の光ファイバループ122)で使用される位相変調器を共用とすることもできる。本発明に係る光ファイバ振動センサの構成において、2系統の光ファイバループの位相変調器は共用としてもしなくてもその性能は変わらないが、共用にすることでコスト削減の効果がある。
光ファイバループ内の位相変調器とセンサケーブルとの間に、遅延用光ファイバコイルを配設することができる。遅延用光ファイバコイルの捲回長さは、光ファイバループの長さの半分以上であることが好ましい。サニャック干渉系においては、サニャック位相差φが伝搬遅延時間差に比例するため、振動検知用光ファイバ(センサケーブル)の場所によって振動を検知する感度が不均一になりやすい(特に、光ファイバループの中間点では感度がゼロになる)という弱点がある。光ファイバループの半分以上の長さを捲回した遅延用光ファイバコイルを設けることにより、センサケーブルの任意の箇所に振動が生じても一定の感度で検出することができる。本発明に係る光ファイバ振動センサにおいて、遅延用光ファイバコイルは配設されてもされなくても、最大計測距離の長距離化や低コスト化を達成することができるが、上述したように振動検出の感度・精度の観点から、配設されることが望ましい。
本発明に係る光ファイバ振動センサに用いる光ファイバ(特に、第1のセンサケーブル114および第2のセンサケーブル115に内蔵される光ファイバ)としては、偏波面保存光ファイバ(Polarization Maintaining Fiber: PMF)を用いることが好ましい。PMFは、振動センサを設置するフェンス等の揺れを感度よく捉え、しかもダイナミックレンジも広いため、風による振動は小さく、人為的な振動は大きな振動として検知することができる。また、振動波形をほぼ同じ波形として捉えるため、振動検知の再現性が高い。それらのことから、的確な閾値設定を行うことができる。
また偏波面保存光ファイバは上記の他に、光源101、受光器(103,106,109)、光カプラ(102,105,108)に接続される光ファイバ、および遅延用光ファイバコイル(111,112)にも用いることができる。接続するために使用する光コネクタとしては、偏波面が一致する専用の光コネクタを用いることが好ましい。このような光コネクタを使用することで、偏光した光のクロストークを低減することができ、安定した特性を得ることができる。
偏波面保存光ファイバには楕円ジャケット型と楕円コア型の2種類の構造がある。図5Aは楕円ジャケット型PMFの断面模式図であり、図5Bは楕円コア型PMFの断面模式図である。楕円ジャケット型PMFは、コア、クラッド、楕円ジャケット、サポートから構成され、楕円ジャケットは所望の複屈折が得られるようにコアに対して応力を付与するものである。また、楕円コア型PMFは、コアの断面形状を楕円形としたものである。楕円ジャケット型PMFは伝送損失が低く、かつ高い偏波保持特性を有することから長距離用のセンサケーブルと偏光子に用いることが好ましい。一方、楕円コア型PMFは、長距離での特性が楕円ジャケット型PMFに比して若干劣るが低コストであるため、比較的短距離のセンサケーブルや振動センサ本体部120の内部に用いることが好ましい。
図6は、本発明に係る光ファイバ振動センサのセンサケーブルの構造例を示す断面模式図である。図6に示したように、一条のセンサケーブルでループが構成できるように光ファイバを2芯挿入し、センサケーブルに振動が加わると内部の光ファイバが振れてフェンス面の振動が感度よく検出できるようにルース構造としている。センサケーブル(外径4 mm)の構成は、光ファイバとしてPMFを用い、ケーブル外皮をポリエチレン製とし、抗張力体に繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics: FRP、外径0.4 mm×1本)、補強繊維にポリアラミド繊維を用いている。2芯の光ファイバと抗張力体とは、断面視で一直線状に配置されている。ケーブル外皮をフェンスと同色にすることが好ましい。上記のような構成の場合、概算重量は11 kg/kmである。
図7は、本発明に係る光ファイバ振動センサの敷設例を示す平面模式図である。フェンス300の適当な箇所に収納ボックス123を設け、収納ボックス123内に振動センサ本体部120を収納する。振動センサ本体部120には、光コネクタ113を介して第1のセンサケーブル114と第2のセンサケーブル115とが接続される。センサケーブル114,115は、フェンス300の振動を検知しやすい場所(例えば、金網部分301)に固定される。本発明において、センサケーブル114,115を固定する際、センサケーブル114,115に均一な張力を付与する必要はなく、フェンス300の振動に追従してセンサケーブル114,115が振動する程度に一体に固定すればよい。
従来の光ファイバ振動センサは、1つの光源に対してセンサケーブルが1系統のみであったため、図中の区間Aに振動センサ1台を設置する必要があった。本発明に係る光ファイバ振動センサは、1つの光源に対して2系統分のセンサケーブルを有するため、振動センサ1台で区間Aの2つ分の距離をカバーすることができる。したがって本発明に係る光ファイバ振動センサは、従来技術よりも計測距離を長距離化することができる。
従来技術の光ファイバ振動センサ2台分と比較すると、本発明に係る光ファイバ振動センサは、光源が1つ減少し(従来技術の2つに対して本発明が1つ)、光カプラが1つ減少し(従来技術の4つに対して本発明が3つ)、受光器が1つ増加した(従来技術の2つに対して本発明が3つ)構成となっている。また、受光器の増加に伴ってトランスインピーダンスアンプ、増幅器、ロックインアンプが増設されるが、マルチプレクサ、A/Dコンバータ、CPUは共用することができる。
ここにおいて部品コストを考慮すると、光学系においては、コストの高い順に「光源 >位相変調器 > 光カプラ >> 受光器」であり、受光器は他の部品と比較して非常に安価である。また、信号処理系に関しても、マルチプレクサ、A/Dコンバータ、CPUなどと比較してトランスインピーダンスアンプ、増幅器、ロックインアンプは非常に安価である。すなわち、本発明に係る光ファイバ振動センサは、安価な部品を増設する代わりに高価な部品を共用としている。結果として、本発明は従来よりも大幅にコストを削減することができる。
以上説明してきたように、本発明は、光源1つあたりの最大計測距離が従来よりも長い光ファイバ振動センサを提供することができる。また、従来の光ファイバ振動センサを用いて本発明と同じ計測距離を実現しようとする場合に比して、部品、アッセンブリ、メンテナンス費用の低減、サイズの縮小化、部品点数が少ないことによる故障確率を低減することができ、低コスト化を実現できる。なお、本発明に係る光振動センサは、侵入者検知の用途の他に、地震、落石を検知する防災センサとして使用することもできる。
1…光源、2…受光器、3…第1の光カプラ、4…偏光子、5…第2の光カプラ、
6…接続用光ファイバ、7…信号処理ユニット、8…位相変調器、
10…光ファイバ振動センサ、11…振動センサ本体部、12…光ファイバループ、
100…光ファイバ振動センサ、101…光源、
102…第1の光カプラ、103…第1の受光器、104…第1の偏光子、
105…第2の光カプラ、106…第2の受光器、107…第2の偏光子、
108…第3の光カプラ、109…第3の受光器、110…位相変調器、
111…第1の遅延用光ファイバコイル、112…第2の遅延用光ファイバコイル、
113…光コネクタ、114…第1のセンサケーブル、115…第2のセンサケーブル、
116…信号処理回路、120…振動センサ本体部、
121…第1の光ファイバループ、122…第2の光ファイバループ、123…収納ボックス、
201…トランスインピーダンスアンプ、202…増幅器、203…ロックインアンプ、
204…第1の受光器103からの信号(電気信号E1)に基づく出力、
205…マルチプレクサ、206…A/Dコンバータ、207…CPU、
300…フェンス、301…金網部分、
L1,L11,L12,L111,L112,L121,L122…信号光、C1,C11,C12…干渉光、
E1,E2,E3…電気信号。

Claims (7)

  1. サニャック干渉系を構成した光ファイバ振動センサであって、
    前記光ファイバ振動センサは、1つの光源を内蔵する振動センサ本体部と第1のセンサケーブルと第2のセンサケーブルとを有し、
    前記第1のセンサケーブルはサニャック干渉系を構成する第1の光ファイバループの一部であり、前記第2のセンサケーブルはサニャック干渉系を構成する第2の光ファイバループの一部であり、
    前記1つの光源より出射され第1の光カプラで分岐された2つの信号光が、それぞれ第1の偏光子と第2の偏光子を介して第2の光カプラと第3の光カプラとに入射され、
    前記第2の光カプラで更に2つに分岐された前記信号光の一方が第1の位相変調器を介して前記第1の光ファイバループに一方から入射され、前記第2の光カプラで更に2つに分岐された前記信号光の他方が前記第1の光ファイバループに他方から入射され、
    前記第3の光カプラで更に2つに分岐された前記信号光の一方が第2の位相変調器を介して前記第2の光ファイバループに一方から入射され、前記第3の光カプラで更に2つに分岐された前記信号光の他方が前記第2の光ファイバループに他方から入射され、
    前記第1の光ファイバループを周回してきた2つの信号光は前記第2の光カプラで合波されて第1の干渉光となり、
    前記第2の光ファイバループを周回してきた2つの信号光は前記第3の光カプラで合波されて第2の干渉光となり、
    前記第1の干渉光と前記第2の干渉光はそれぞれ前記第1の偏光子と前記第2の偏光子を介して前記第1の光カプラに入射され、前記第1の光カプラの一端に配設された第1の受光器で受光・光電変換されて第1の電気信号となり、
    前記第1の電気信号から前記第1のセンサケーブルおよび/または前記第2のセンサケーブルでの振動を検出する構成としたことを特徴とする光ファイバ振動センサ。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ振動センサにおいて、
    前記第2の光カプラの一端に第2の受光器が配設され、前記第2の受光器で前記第1の干渉光は受光・光電変換されて第2の電気信号となり、
    前記第3の光カプラの一端に第3の受光器が配設され、前記第3の受光器で前記第2の干渉光は受光・光電変換されて第3の電気信号となり、
    前記第2の電気信号と前記第3の電気信号とから前記振動データが前記第1のセンサケーブルおよび/または前記第2のセンサケーブルで検知されたかを判別する構成としたことを特徴とする光ファイバ振動センサ。
  3. 請求項2に記載の光ファイバ振動センサにおいて、
    前記第2の電気信号および/または前記第3の電気信号から位相変調周波数成分の信号を検出して前記判別に用いることを特徴とする光ファイバ振動センサ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光ファイバ振動センサにおいて、
    圧電セラミックスから成る1つの円筒型圧電素子に対して、前記第1の光ファイバループを構成する光ファイバと前記第2の光ファイバループを構成する光ファイバとを同じ長さで巻き付けることによって、前記第1の位相変調器および前記第2の位相変調器を共用の位相変調器で構成したことを特徴とする光ファイバ振動センサ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光ファイバ振動センサにおいて、
    前記第1の光ファイバループを構成する光ファイバの半分以上の長さを有する第1の遅延用光ファイバコイルが前記第1の位相変調器と前記第1のセンサケーブルとの間に配設され、
    前記第2の光ファイバループを構成する光ファイバの半分以上の長さを有する第2の遅延用光ファイバコイルが前記第2の位相変調器と前記第2のセンサケーブルとの間に配設されていることを特徴とする光ファイバ振動センサ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光ファイバ振動センサにおいて、
    前記振動センサ本体部、前記第1のセンサケーブルおよび前記第2のセンサケーブルに内蔵される光ファイバが、偏波面保存光ファイバから成ることを特徴とする光ファイバ振動センサ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光ファイバ振動センサにおいて、
    前記第1の電気信号、前記第2の電気信号および前記第3の電気信号のうちの少なくとも1つを処理する信号処理回路が前記振動センサ本体部に内蔵されていることを特徴とする光ファイバ振動センサ。
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