JP2011085235A - 遮熱ボンベ - Google Patents

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和子 青木
Masaru Nagato
大 長門
Koji Minemori
弘次 峯森
Hiroshi Torii
寛 鳥居
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Abstract

【課題】日射(太陽光の照射)などの外部からの熱照射に対してボンベ自体の温度上昇が抑えられたボンベを提供する。
【解決手段】日射反射率が40%以上、好ましくは50%以上の遮熱塗膜で表面の一部または全部が覆われ、色調(L*値)が50〜80という光を吸収しやすい色(暗灰色、灰色、褐色など)の塗膜においても、有効な温度上昇の抑制効果が達成され、塗膜は遮熱塗料を塗布して形成された遮熱層を含み、粉体塗料の形態で塗付される。
【選択図】図4

Description

本発明は、外部からの光または熱による温度上昇が抑制された遮熱ボンベに関する。
ボンベは外部に漏出しては困る液体や気体を封入する耐圧容器であり、同じ耐圧容器であってもタンクとは、小型で移動できる点で異なる。したがって、ボンベは置き場所が使用者の裁量に任され、固定されないことも特徴である。
これらの特徴がゆえに、特定の外部環境を考慮してのエリアとして安全管理ができるタンクなどの大型の固定設備とは異なり、個々のボンベで個別に安全管理が必要となる。
ボンベの安全管理の最も重要な項目の1つは、外部からの熱による温度上昇によって生じる内圧の上昇による内容物の漏出または爆発である。そのための対策として、耐圧容器自体の耐圧性の向上のほか、たとえばボンベの温度が設定値より高くなったときに溶融する物質(たとえばハンダなどの可溶合金)を含む可溶弁をバルブ部分に配置し、ボンベの表面温度が高温(たとえば70℃程度)になったとき可溶弁が作動し内容物を徐々に放出して内圧を下げ、爆発を回避することが行われている。
この可溶弁の設置により爆発などの危険性は低減されるが、内容物の漏出による環境への影響は解決されていない。
また、ボンベ、特に高圧ボンベの色は高圧ガス法により充填する内容物の種類によって色が決まっており、たとえば炭酸ガスでは緑色、酸素ガスでは黒色、塩素ガスでは黄色、水素ガスでは赤色、アンモニアガスでは白色、アセチレンガスでは褐色、フッ素系ガスやプロパンガスなどのその他のガスでは灰色といった区分けがされており、これらの着色のために着色塗料による塗装が行われている(特許文献1〜2)。
なかでも、灰色は太陽光をよく吸収するため、日射による温度上昇が起こりやすい。
特開平11−323203号公報 特許第4197367号明細書
しかし、特許文献1〜2に代表されるボンベの塗料用の塗料は、塗膜の接着性、衝撃強度、リサイクル時の塗膜の剥離性などを目的として開発されており、日射によるボンベの温度上昇に対する対策はなされていないのが現状である。
屋外に置いてあるボンベの日射による温度上昇を抑制するためには、移動可能であるというボンベの特徴を活かしてたとえば日陰などに移動させればよいのであるが、使用中のボンベや重いボンベをその都度、移動させることは困難である。
本発明の目的は、日射(太陽光の照射)などの外部からの熱照射に対してボンベ自体の温度上昇が抑えられたボンベを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、日射反射率(JIS A5759で規定される日射反射率。以下同様)が40%以上、好ましくは50%以上の塗膜で表面の一部または全部が覆われているボンベに関する。
本発明のボンベは、たとえば色調(L*値)が50〜80という光を吸収しやすい色(暗灰色、灰色、褐色など)の塗膜においても、有効な温度上昇の抑制効果が達成される。
塗膜は遮熱塗料を塗布して形成された遮熱層を含むものが好ましく、遮熱塗料は粉体塗料の形態で塗付されることが好ましい。
本発明のボンベは、どのようなボンベであってもよいが、温度上昇による爆発や漏出の危険性が高い高圧ボンベ、特に日射により温度が上昇しやすい灰色のボンベとして、特に有用である。
本発明はまた、本発明のボンベの塗膜を形成し得る塗料、特に遮熱塗料にも関する。
本発明によれば、日射(太陽光の照射)などの外部からの熱照射に対してボンベ自体の温度上昇が抑えられ、内容物の漏出による環境汚染を低減化することができるボンベを提供することができる。
屋外日射試験における温度計測点を示す概略側面図である。 屋外日射試験におけるボンベの配置の写真である。 屋外日射試験における赤外線カメラで撮影したサーモグラフである。 図3に温度を記入したサーモグラフである。
本発明のボンベは、日射反射率が40%以上の塗膜でボンベの表面の一部または全部が覆われている。
本発明において、ボンベを覆う塗膜は、単一の塗膜層であっても、多層が積層された塗膜であってもよく、いずれの場合でも、塗膜全体の日射反射率が40%以上であることが重要である。この点、特許文献1〜2に記載された塗膜は日射反射率が40%を下回るものである。
また、本発明における塗膜は、遮熱塗料で形成された遮熱層を含むこと、または形成されることが、日射反射率を40%以上にするために有効である。
遮熱塗料は、塗膜形成樹脂に赤外領域の光をよく反射する顔料(遮熱顔料)を分散させ、外部から照射される光や熱線によって発生する熱を遮断する機能を付与する塗料であり、屋根材や外壁の塗料として冷房効率を高め、電力消費量を低減化させる効果があり、大型の建造物に使用されている。
遮熱顔料としては、赤外領域の光の反射効率に特に優れる無機系遮熱顔料、有機系遮熱顔料、これらの併用系が知られている。
無機系遮熱顔料としては、たとえばガラス微粉末、ガラスバルーン、セラミックビーズなどのセラミック系顔料;アルミニウムや鉄、ジルコニウム、コバルトなどの金属細片系顔料;酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、チタン酸ナトリウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化セリウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物系顔料;酸化鉄−酸化マンガン、酸化鉄−酸化クロム、酸化銅−酸化マグネシウムなどの複合酸化物顔料;SiとAlやFe、マグネシウム、マンガン、ニッケル、チタン、クロム、カルシウムなどの金属系顔料;さらに鉄−クロム、ビスマス−マンガン、鉄−マンガン、マンガン−イットリウムなどの合金系顔料;マイカ、窒化ケイ素、表面処理を施した被覆顔料、光輝顔料、硫酸バリウムなどが知られており、本発明においても単独、または2種以上を併用することができる。
有機系遮熱顔料としては、たとえば可視領域の光を吸収しかつ赤外領域の光の反射率が高い、たとえば10%以上のものが好ましく、アゾ系顔料、アゾメチン系顔料、レーキ系顔料、チオインジゴ系顔料、アントラキノン系顔料(アントアンスロン顔料、ジアミノアンスラキノニル顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、アントラピリミジン顔料など)、ぺリレン系顔料、ぺリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キニフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、カーボン系顔料などの1種または2種以上が例示できる。
具体的には、特開平2−185572号公報、特開2000−212475号公報、特開2002−020647号公報、特開2002−355922号公報などに記載されている遮熱顔料があげられる。市販品としては、たとえば大日本インキ化学工業(株)製のFASTOGENシリーズや、CERDEC社製の赤外線反射顔料、大日精化工業(株)製のクロモファインシリーズ、ダイピロキサイド・シリーズ、シェファードカラー社製のARCTIC(C)シリーズ、堺化学工業(株)製の酸化チタンなどがあげられるが、これらのみに限定されるものではない。
無機系遮熱顔料と有機系遮熱顔料を併用してもよい。
また、通常に使用される他の顔料や充填剤を遮熱効果を損なわない範囲で配合してもよい。他の顔料や充填剤としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレーなどが例示できる。
遮熱顔料を分散させる膜形成用樹脂としては、フッ素樹脂、含フッ素アクリル樹脂、含フッ素ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、エーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレン樹脂、シリコーン樹脂などの溶剤可溶型樹脂;酢酸ビニル樹脂、水溶性または水分散性アクリル系樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、水溶性または水分散性フッ素樹脂、水溶性または水分散性ウレタン樹脂、水溶性または水分散性メラミン樹脂、水溶性または水分散性ポリエステルなどの水溶性または水分散性樹脂のほか、塗料用無機樹脂などが例示できる。
これらの膜形成用樹脂は硬化性でも非硬化性でもよく、耐水性や耐食性の観点から硬化性の樹脂が好ましい。
また、これらのなかでも、耐久性、耐熱性、耐光性、耐薬品性、防汚性、透明性などに優れる点からフッ素樹脂、含フッ素アクリル樹脂、含フッ素ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリーズ樹脂、シリコーン樹脂などが好ましく例示できる。特に耐候性、防汚性などに優れる点からはフッ素樹脂が好ましく、特に可撓性や塗装作業性に優れる点からは、ポリエステル系樹脂が好ましい。
フッ素樹脂としては、特に耐候性、溶剤溶解性、防汚性、透明性に優れる点からポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE)、VdF/TFE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VdF/TFE/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体(PFA)、エチレン(Et)/TFE共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などフルオロオレフィン系ポリマー;TFEやCTFE、HFPなどのフルオロオレフィンと官能基含有モノマーを共重合した硬化性官能基含有フルオロオレフィン系ポリマーなどが好ましく、なかでも硬化性、耐薬品性、透明性に優れる点から、硬化性官能基含有フルオロオレフィン系ポリマーが好ましい。
ポリエステル系樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分との縮重合反応生成物(エステル化物)である。
多塩基酸成分としては、たとえばテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、無水トリメリット酸などが主に用いられる。
多価アルコール成分としては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどが主に用いられる。
また、ポリエステル系樹脂は水酸基などの硬化性基を有することが好ましい。
遮熱顔料は、ボンベの色、遮熱顔料の種類、膜形成用樹脂の種類、ボンベの種類などによって異なるが、膜形成用樹脂100質量部に対して、1質量部以上、さらには30質量部以上、特に50質量部以上とすることが、塗膜の日射反射率を40%以上にする点から好ましく、1000質量部以下、さらには200質量部以下とすることが、膜形成が容易で良好な点から好ましい。
遮熱塗料中には、耐候性や外観の向上のために通常配合される添加剤、たとえば紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、つや消し剤、防カビ剤、帯電防止剤、防錆剤、顔料分散剤、消泡剤などを遮熱効果が損なわれない範囲で配合できる。
本発明においては、膜形成用樹脂が硬化性の樹脂である場合、塗膜の硬度や耐水性、対汚染性などを向上させるために硬化剤および硬化触媒のうちの1種または2種以上を配合することが好ましい。好ましい配合割合は、膜形成用樹脂100質量部に対し0.1〜50質量部、さらには1〜30質量部である。
硬化剤は膜形成用樹脂が有する硬化部位の種類によって適切な硬化剤を選定すればよい。たとえば硬化部位が水酸基、カルボキシル基の場合、公知のイソシアネート系硬化剤、メラミン系硬化剤などがあげられ、これらのうち作業性、反応性の点からイソシアネート系硬化剤が好ましい。硬化触媒としては、たとえばアルミニウム化合物、錫化合物などがあげられる。
本発明における遮熱層の形成用の遮熱塗料は、上記の遮熱顔料や他の添加剤を適切な有機溶媒に溶解または分散させた溶剤型塗料、遮熱顔料や他の添加剤を水に分散させた水性塗料、粉体混合物の形態に調製した粉体塗料とすることができる。なかでも、厚い塗膜の形成が容易な点から粉体塗料の形態でボンベに塗布して塗膜とすることが好ましい。
本発明において好ましい遮熱塗料としては、塗膜の日射反射率を結果として40%以上にするものであればよく、限定的ではないが、たとえばつぎの組成のものがあげられる。
(1)膜形成用樹脂:水酸基含有ポリエステル
硬化剤:ブロックイソシアネート(IPDI系アダクト)(1〜100質量部/膜形成用樹脂100質量部)
遮熱顔料:酸化チタンとアゾ系黒顔料の併用(5〜200質量部/膜形成用樹脂100質量部)
塗料形態:粉体塗料
色:灰色(カラースケール(マンセル値):N6.5、色調(L*):60〜70)
(2)膜形成用樹脂:水酸基含有ポリエステル
硬化剤:ブロックイソシアネート(IPDI系アダクト)(1〜100質量部/膜形成用樹脂100質量部)
遮熱顔料:硫酸バリウムと酸化鉄−酸化マンガンの併用(5〜200質量部/膜形成用樹脂100質量部)
塗料形態:粉体塗料
色:灰色(カラースケール(マンセル値):N6.5、色調(L*):60〜70)
(3)膜形成用樹脂:カルボキシル基含有ポリエステル
硬化剤:トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)(1〜100質量部/膜形成用樹脂100質量部)
遮熱顔料:酸化チタンとアゾ系黒顔料の併用(5〜200質量部/膜形成用樹脂100質量部)
塗料形態:粉体塗料
色:灰色(カラースケール(マンセル値):N6.5、色調(L*):60〜70)
(4)膜形成用樹脂:水酸基含有ポリエステル
硬化剤:住化バイエルウレタン(株)製のスミジュールN3000(1〜30質量部/膜形成用樹脂100質量部)
遮熱顔料:酸化チタンと酸化鉄の併用(50〜200質量部/膜形成用樹脂100質量部)
塗料形態:溶剤型塗料
色:灰色(カラースケール(マンセル値):N6、色調(L*):55〜65)
塗料組成物の調製は、塗料組成物の形態(溶剤型、水性、粉体)に合わせて従来公知の調製方法にしたがって行うことができる。
遮熱塗料により形成される遮熱層の厚さは、遮熱顔料および膜形成用樹脂の種類、積層体の用途や適用場所などによって異なるが、1〜1000μm、さらには2〜300μmの範囲が好ましい。
本発明におけるボンベを覆う塗膜は、上記の遮熱層のみから構成されていてもよいし、遮熱層と他の層を積層した多層構造としてもよい。
多層構造の塗膜において、遮熱層以外の層としては、層間接着性を高めるためのシーラーまたはプライマー層、錆止めのための防錆層、塗膜表面保護のためのトップコート層などの1種または2種以上があげられる。これらの層は塗膜の日射反射率を40%以上とする範囲内で適宜設ければよく、それぞれの塗料としては、塗料分野で通常用いられている塗料から適宜選定すればよい。
塗膜としてのこれらの層の形成は、それぞれの塗膜形成用の塗料組成物を調製し、基材に塗布し硬化させることにより行うことができる。
本発明における塗膜の厚さは、任意の層の有無や、積層体の用途や適用場所、形などによって異なるが、上記遮熱層を含めて1〜1000μm、さらには2〜300μmの範囲が好ましい。
本発明の遮熱ボンベにおいて、塗膜はJIS A5759で規定される日射反射率が40%以上である。特に好ましくは、日射反射率が50%以上、さらには60%以上の塗膜である。上限は高ければ高い方が好ましい。
現在、ボンベに形成されている塗膜はボンベの防錆や着色などの目的で形成されており、遮熱を目的とする日射反射率が40%以上の塗膜は形成されていない。
日射反射率が40%以上の塗膜はボンベの全体に形成してもよいし、特に高温になる箇所に部分的に形成してもよい。
たとえば屋外に置く場合、通常、直射日光が当りやすいボンベの上部の表面温度の方が下部よりも約5〜10℃程度高くなる。したがって、ボンベの上半分にだけ部分的に日射反射率が40%以上の塗膜を形成してもよいし、ボンベの表面の上半分に部分的に日射反射率が特に高い塗膜を形成し、下半分には比較的日射反射率の低い(40%よりも低くてもよい)塗膜を形成するようにしてもよい。
本発明のボンベは、光を吸収しやすい色、特に色調(L*値)が50〜80の色に着色される場合に特に有効である。
上記のように、ボンベの塗装色は内容物によって決まっており、L*値が50を超える塗装色の場合、光の吸収により表面温度が上がりやすくなっている。したがって、本発明をかかるL*値が50を超える塗装色のボンベに適用すると、遮熱の効果によって温度上昇を抑えることができ、安全性が高まる。
なかでも、塗装色が太陽光を吸収しやすい灰色(マンセル表色系(JIS Z8721)のN明度で5〜8)で、色調(L*値)が50〜80の場合、遮熱効果が特に高く現れるので、好ましい。
なお、灰色のボンベとしてはマンセル表色系(JIS Z8721)のN明度で5〜7.5、色調(L*値)が50〜75が他色と識別するのに有効で一般的である。
ボンベの材質としては、鉄、マンガン鋼、クロムモリブデン鋼、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロムモリブデンバナジウム鋼などが知られている。形状もカプセル型、砲弾型、カセット型などが通常である。
本発明のボンベはボンベが高温になることにより危険性が高まる内容物が充填されたボンベに好適に適用でき、特に高圧ボンベとして有用である。
つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
なお、特性の評価に使用した装置および測定条件は以下のとおりである。
(日射反射率)
JIS A5759にしたがって計算する。300〜2500nmの光の反射率を(株)日立製作所製分光光度計U−4100にて測定する。
(色調(L*値)の測定)
被験塗装板の色調(L*)を日本電色工業(株)製の分光色差測定装置(SZ−シグマ90)にて測定する。
(ボンベの屋外日射試験)
マンガン鋼製の小型高圧ボンベ(10kg用)に実施例および比較例でそれぞれ調製した塗料組成物を塗装したのち、R410A(フッ化炭化水素の共沸混合物。共沸点−51.5℃)を規定量(10kg)充填したものを試験用のボンベとする。この試験用ボンベを屋外に放置し、赤外線カメラによりボンベの表面温度の温度変化をモニターする。
計測点は、図1に示す5点(C、D:上部バルブ部(頂点)、A、B:上部バルブ部(取出し口)、I、J:上面部、E、F:上側面部、G、H:下側面部)とし、それらのつぎの場所、配置、時間での温度を測定する。
計測場所:日本国大阪府摂津市
配置:図2(図中、左側が実施例1のボンベ、右側が比較例1のボンベである。)
計測日時:2009年9月4日 午後12時33分(晴天)
合成例1
イソフタル酸/テレフタル酸/エチレングリコール(=60/40/145(モル比))の混合モノマーをエステル化反応槽に仕込み、圧力0.05〜0.25MPaG、温度200〜260℃で4時間エステル化反応を行った。得られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した後、三酸化アンチモンを4×10-4モル/酸成分1モルの割合で添加し、280℃で3時間重縮合反応を行い、極限粘度0.45dl/gのポリエステル樹脂を得た。ついでこのポリエステル樹脂にグリセリン3モルを添加し、常温下、270℃で1時間解重合反応を行い、水酸基含有ポリエステル樹脂を得た。
実施例1
(被験塗装板の作製)
合成例1で合成した水酸基含有ポリエステル樹脂2質量部とイソシアネート系硬化剤(ヒュルスジャパン社製のIPDI系アダクト。商品名B−1530)7.7質量部と、顔料(大日精化(株)製のアゾ系黒色顔料。商品名クロモファインブラックA1103)と酸化チタン(堺化学(株)製のD918)30質量部とを含む遮熱層形成用粉体塗料組成物(カラースケール(マンセル値)N6.5)をダル鋼板(70mm×150mm、厚さ0.8mm)に粉体塗装し、170℃で20分間焼付けて厚さ54μmの遮熱層を有する被験塗装板を作製した。
得られた被験塗装板について、色調(L*値)と日射反射率を測定した。結果を表1に示す。
(ボンベの塗装)
マンガン鋼製の小型高圧ボンベ(10kg用)の全表面に、合成例1で合成した水酸基含有ポリエステル樹脂62質量部とイソシアネート系硬化剤(ヒュルスジャパン社製のIPDI系アダクト。商品名B−1530)7.7質量部と、顔料(大日精化(株)製のアゾ系黒色顔料。商品名クロモファインブラックA1103)と酸化チタン(堺化学(株)製のD918)30質量部とを含む遮熱層形成用粉体塗料組成物(カラースケール(マンセル値)N6.5)を粉体塗装し、170℃で20分間焼付けて厚さ70μmの遮熱層を有する塗装ボンベを作製した。ついでR410Aを規定量(10kg)充填し、屋外日射試験を実施した。結果を表1および図3および図4(図中、左側が実施例1のボンベ、右側が比較例1のボンベである。)に示す。
比較例1
実施例1において、遮熱層形成用粉体塗料組成物に代えて、カーボン系黒色顔料(デグサ社製のFW−200)と酸化チタン(石原産業(株)製のタイペークCR97)を含む粉体塗料組成物(カラースケール(マンセル値):N6.5)を用いたほかは同様にして被験塗装板および塗装ボンベを作製し、色調(L*値)および日射反射率を測定し、屋外日射試験に供した。結果を表1および図3および図4(図中、左側が実施例1のボンベ、右側が比較例1のボンベである。)に示す。
表1および図2の結果から、遮熱層を有する塗膜で覆われた本発明のボンベは、高温になるボンベ上部においても3℃以上も温度上昇を抑制していることが分かる。
A 比較例のボンベの上部バルブ部(取出し口)
B 実施例のボンベの上部バルブ部(取出し口)
C 実施例のボンベの上部バルブ部(頂点)
D 比較例のボンベの上部バルブ部(頂点)
E 実施例のボンベの上側面部
F 比較例のボンベの上側面部
G 実施例のボンベの下側面部
H 比較例のボンベの下側面部
I 実施例のボンベの上面部
J 比較例のボンベの上面部

Claims (8)

  1. 日射反射率が40%以上の塗膜で表面の一部または全部が覆われているボンベ。
  2. 塗膜の日射反射率が50%以上である請求項1記載のボンベ。
  3. 塗膜の色調(L*値)が50〜80である請求項1または2記載のボンベ。
  4. 塗膜の色調(L*値)が50〜75で、かつ色が灰色である請求項1〜3のいずれかに記載のボンベ。
  5. 塗膜が遮熱塗料を塗布して形成された遮熱層を含む請求項1〜4のいずれかに記載のボンベ。
  6. 遮熱塗料が粉体塗料の形態である請求項5記載のボンベ。
  7. 高圧ボンベである請求項1〜6のいずれかに記載のボンベ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のボンベの塗膜の形成に用いる塗料。
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