JP2011085109A - ピストン及びエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】未燃排出の混合気量が少なく、ピストンリングが熱で膠着しないピストンを提供する。
【解決手段】ピストンリングを設ける複数の周溝が外周面に形成されているピストン2において、シリンダ1の内径Bと、ピストンの上面と最上部の周溝4aの上面の距離Lとの関係をL/B≦0.1とし、最上部の周溝に近接して冷却室5aを形成する。ピストンと、シリンダライナ11と、最も上のピストンリング3aで区画されるデッドボリウムSが小さくなり、ここに閉じ込められて未燃で排出される混合気量が少なくなった。さらに、冷却室5aにより最上部のピストンリングが熱負荷によってシリンダに膠着しにくくなった。エンジンとしての熱効率も従来より改善される。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリンダ内の所謂デッドボリウムのために未燃ガスとして排出される燃料混合気の量が少なく、かつピストンリングが熱負荷によって膠着するおそれが少なく、しかも熱効率に優れたピストンと、係るピストンを備えたエンジンに関するものである。
図2(b)は、従来のエンジンにおいて一部の構造を省略して示したシリンダ1の断面図である。シリンダ1内にあるピストン22の外周面には、シリンダ1内の気密保持及び潤滑油の逆流を防止する等の役割のために、複数本(図示の例では3本)のピストンリング23が設けられている。すなわちピストン22の外周面には、複数(図示の例では3本)の周溝24が形成されており、それぞれピストンリング23が移動可能かつシリンダライナー11に摺動可能に接触するように装着されている。
これらのピストンリング23のうち、最も上に配置されるトップリング23aのための周溝24aの位置L2は、従来はピストン22の高さL5の略半分の位置(これはシリンダの直径に対して概略20%に相当する位置である)に形成されており、その他の2本の周溝24及びピストンリング23はこれよりも下方に配置されていた。これは、ピストンリング23の周辺には潤滑油があるため、シリンダ1内の燃焼による熱でこの潤滑油が炭化し、これがトップリング23aと周溝24aの間に堆積してトップリング23aが膠着して動けなくなってしまうことがあり、このような不都合が生じないようにするために、経験工学的な見地から、トップリング23aの周溝24aの位置L2を上述したようにピストン22の高さL5の略半分の位置(前述したようにシリンダの直径に対して概略20%に相当する位置)に定めたものである。
下記特許文献1には、上述したようなピストンの構造が開示されている。
特開2005−194971号公報
上述したような従来のピストンの構造によれば、図2(b)中にグレー領域として示すように、ピストン22と、シリンダライナ11と、ピストンリング23の中で最も上に配置されるトップリング23aの間には、シリンダ1内の空間に連通するリング状の空間Sが形成される。シリンダ1内に導入された燃料と空気の混合気は、圧縮行程で圧縮された際に前記空間S中に入り込む。膨張行程では、同空間S内の混合気に火炎は伝播せず、空間S内の混合気は燃焼せずに未燃ガスとしてシリンダ1内に排出され、最終的には排気行程で排気ガス管内に放出されてしまう。この空間は、一般にデッドボリウム(以下、前記空間と同様Sで示す)と呼ばれる構造的に火炎が届かない領域であって、シリンダ1内の火炎の状態等に依存して燃焼が進行しない領域である所謂クエンチングゾーンの一部を構成するものである。
上述したデッドボリウムSに起因して未燃ガスとして排出される混合ガスは、例えばガスエンジンにおいて都市ガスを燃料とした場合には、メタンを90%程度含んでいる。このため、燃料経済性及びメタンが有する地球温暖化効果を考慮すると、未燃ガスの排出抑制は社会的要請であるといえる。
しかしながら、従来のピストン22におけるピストンリング23の位置は、前述した通り、燃焼による熱で潤滑油が炭化してトップリング23aが膠着するのを防止することを目的として経験工学的に設定されたものであり、ピストンリング23の位置と未燃ガスの排出との関係については研究が進んでおらず、従来はデッドボリウムSを改善して未燃ガスの排出を抑制しつつ、かつトップリング23aの膠着も防止できるような具体的な提案は皆無であった。
デッドボリウムSを減少させるために、トップリング23aの位置をより高くして燃焼面に近づけるとの発想は机上では可能であるものの、高出力かつ高燃焼圧力(例えば15MPa程度)の産業用エンジンにおいては、このようなピストンリング配置は直ちにピストンリング23の熱負荷による膠着を発生させることが明らかであることから、実際には検証例がなく、結局、ピストンリング23の位置と未燃ガスの排出の関係、そしてこれらがエンジン熱効率にどのような影響を与えるかについては何らの知見も知られていなかった。
本発明は、上述した従来の問題点を解決することを目的としており、所謂デッドボリウムに閉じ込められて未燃ガスとして排出される燃料混合気の量が少なくて済み、かつピストンリングが熱負荷によってシリンダに膠着するおそれが少なく、さらに熱効率が従来よりも改善されるピストンと、係るピストンを備えたエンジンを提供することを目的としている。
請求項1に記載されたピストンは、
ピストンリングを設ける複数の周溝が外周面に形成されているピストンにおいて、
前記ピストンが収納されるシリンダの内径Bと、前記ピストンの上面と最上部の前記周溝の上面の距離Lとの関係が、L/B≦0.1であるとともに、最上部の前記周溝に近接して冷却室が形成されたことを特徴としている。
請求項2に記載されたエンジンは、
外周面に形成された複数の周溝にそれぞれピストンリングが装着されたピストンがシリンダ1内に摺動可能に設けられているエンジンにおいて、
前記ピストンが収納されるシリンダの内径Bと、前記ピストンの上面と最上部の前記周溝の上面の距離Lとの関係が、L/B≦0.1であるとともに、最上部の前記周溝に近接して冷却室が形成されたことを特徴としている。
請求項3に記載のエンジンは、
前記エンジンが、正味平均有効圧Pmeが1.8MPa以上のガスエンジンであることを特徴としている。
請求項1に記載されたピストン及び請求項2に記載されたエンジンによれば、ピストンが収納されるシリンダの内径Bと、ピストンの上面と最上部の周溝の上面の距離Lとの関係を、L/B≦0.1の条件が満たされるように設定したので、ピストンと、シリンダライナと、最も上に配置されるピストンリングによって区画されるデッドボリウムが可及的に小さくなり、ここに閉じ込められて未燃ガスとして排出される燃料混合気の量が少なくなった。さらに、ピストンの内部に、最上部の周溝に近接して冷却室を形成したので、燃焼時の熱に直接晒される最上部のピストンリングが熱負荷によってシリンダに膠着するおそれが少なくなった。さらに、係る構成によれば、エンジンとしての熱効率が従来よりも改善されることが明らかとなった。特に、請求項3に記載されたエンジンによれば、Pme(正味平均有効圧)が1.8MPa以上の効率が高いガスエンジンにおいても、熱効率を0.7以上のポイントで改善することができる。
(a)は実施形態に係るピストンの断面図、(b)は従来のピストンの断面図である。 (a)は実施形態に係るピストンを有するシリンダの断面図、(b)は従来のピストンを有するシリンダの断面図である。 実施形態に係るピストンと従来のピストンについて、トップリングの溝位置Lと、燃焼室容積に対するデッドボリウムの割合(%)との関係を示すグラフである。 実用機レベルのエンジンのシリンダに組み込んで性能試験を行なった4種類のピストンの各クラウン部分を並べて示した図であって、(a)は実施形態に係るピストンの断面図、(b)は従来例のピストンの断面図、(c)は比較例1のピストンの断面図、(d)は比較例1のピストンの断面図である。 図4に示した各ピストンを組み込んだ実用機レベルのエンジンの構成を示す模式図である。 図4に示したエンジンで行なった性能試験の結果を示す図であり、空気過剰率と熱効率の関係を示すグラフである。 図4に示したエンジンで行なった性能試験の結果を示す図であり、空気過剰率と排気中のTHC(総炭化水素)の濃度の関係を示すグラフである。
1.従来例と比較して示した実施形態の構成(図1〜図3)
図1(a)は、本発明の実施形態であって、正味平均有効圧Pmeが2MPaである産業用エンジンのピストン2を示す断面図であり、同図(b)は正味平均有効圧Pmeが同じく2MPaである従来の産業用エンジンにおける従来のピストン22を示す断面図である。
図2(a)は、実施形態のピストン2がシリンダ1内にある状態を示す断面図であり、同図(b)は従来のピストン22がシリンダ1内にある状態を示す断面図である。
なお、これらのピストンは、いずれもクラウンとスカートを組み合わせてなる組み合わせ型ピストンであり、そのクラウン部分を示しており、スカート部分やコンロッド等は省略している。
図1(a)及び図2(a)に示す実施形態のピストン2では、ピストン2の上面と最上部の周溝4aの上面との距離をLとし、シリンダ1の内径をBとすると、LのBに対する比率、すなわちL/Bは、0.07と設計されている。すなわち、最上部の周溝4aはピストン2の頂面に近接した位置に設けられ、その他の2本の周溝4及びこれら周溝4にそれぞれ装着される合計2本のピストンリング3は、ピストン2の下端に近接した位置に設けられる。
これに対し、図1(b)及び図2(b)に示す従来例のピストン22では、3本の周溝24と、各周溝24に1本ずつ装着される合計3本のピストンリング23の配置は次のように設定されている。すなわち、ピストン22の直径をBとし、ピストン22の上面と最上部の周溝24aの上面との距離をL2とすると、L2/B=0.17となるように設計されている。このように、実施形態のピストン2では、L/Bの値が従来例に比べて小さく設定されている。
さらに、図1(a)及び図2(a)に示す実施形態のピストン2では、図1(b)及び図2(b)に示す従来例と同様に、ピストン2の内部には冷却室5となる空洞が形成されて下方に開放されており、エンジンの駆動時に潤滑油が付着して冷却効果を奏するようになっている。しかしながら、この実施形態の冷却室5は、従来例の冷却室25とは異なり、最上部の周溝4aに近接する位置にまで延設された上部冷却室5aを有している。この上部冷却室5aは、下方部で冷却室5に連通するとともに、上方部は最上部の周溝4aの上面よりも上方にまで伸びており、これによって最上部の周溝4aの側面部に対し、例えば同溝の深さ程度の肉厚の壁を挟んで周状の配置により全面で対面している。従って、最上部の周溝4a及びこれに装着されるトップリング3aが、ピストン2の頂面に近い位置においてエンジンの燃焼時に燃焼ガスから大きな熱を受けても、その全周にわたって冷却室5及び上部冷却室5aにより効果的に冷却されるので、この部分で潤滑油が炭化してピストンリング3が周溝4内に膠着するような不都合は確実に防止される。
図2(a)に示す実施形態のピストン2では、前述したようにL/B≒0.07としており、最上部の周溝4aをピストン2の頂面に近接した位置に設けているので、図2(a)中にグレー領域として示したデッドボリウムS、すなわちピストン2とシリンダライナ11とトップリング3aの間の空間は、従来例のピストン22のL2/B=0.17よりも狭い。従って、圧縮行程で圧縮されてデッドボリウムS中に入り込む混合気の量は図2(b)を参照して説明した従来例のピストン22の場合に比べて少ない。
すなわち、図2(b)に示す従来例のピストン22では、前述したように、L2/Bの値が実施形態に比べて大きい。これは、同図中にグレー領域として示したデッドボリウムSの高さ、すなわちトップリング23aの上面とピストン2の頂面との距離が大きいことを意味する。従って、従来例のエンジンにおいて圧縮行程で圧縮されてシリンダ1内のデッドボリウムS中に入り込む混合気の量は、図2(a)を参照して説明した実施形態のピストン2の場合に比べて大きい。
従って、膨張行程において火炎が伝播せず、未燃ガスとしてシリンダ1内に排出され、排気行程で排気ガス管内に放出されてしまうデッドボリウムS内の混合ガスの量は、従来例に比べて実施形態の方が少なくなっている。本例における比較では、両者はシリンダ径が同一であり、同一レベルの出力のエンジンであることを前提としているが、図3に示すように、トップリングの位置が異なるために、デッドボリウムSの燃焼室容積に対する割合は、従来例のエンジン(点b)では1.4%にもなるが、実施形態のエンジン(点a)では0.8%となっており、トップリングの位置Lが減少するにつれて、デッドボリウムSの燃焼室容積に対する割合も減少している。詳細は具体的な実験データに基づいて次項にて後述するが、デッドボリウムSの燃焼室容積に対する割合の減少に応じて、排出される未燃ガスの容積も減少する。
このように、実施形態のピストン2乃至これを有するエンジンによれば、トップリング3aの位置をピストン2の頂面の近傍に配置したので、デッドボリウムSが小さくなって排出される未燃ガスの容積を減少させることができた。また、トップリング3aの周溝4aに近接した位置までピストン2内の冷却室5を延設して上部冷却室5aとし、トップリング3a及びその周溝4aを十分に冷却できるようにしたので、トップリング3aが周溝4a内に膠着することは確実に防止される。
2.エンジン性能の比較(図4〜図7)
次に、実施形態のピストン2と、従来例のピストン22を、実際に実用機エンジンに設けて運転し、エンジン性能を比較した結果について説明する。
図4は、この比較実験に使用した4タイプのピストンの各クラウン部分を並べて示した図であって、(a)は前記実施形態のピストン2の断面図であり、(b)は前記従来例のピストン22の断面図である。(c)は比較例1のピストン32の断面図である。比較例1のピストン32は、実施形態のピストン2と同一の高さL4であるが、周溝34及びピストンリング(図示せず)は従来例のように下半部にあり、さらに頂面に従来例のような凸部36を設けた構造となっている。(d)は比較例2のピストン42の断面図である。比較例2のピストン42は、実施形態のピストン2と同一の高さL4であるが、周溝44及びピストンリング(図示せず)は従来例のように下半部にあり、さらに頂面は実施形態と略同様の凹状の構造となっている。
図5に示す実用機であるエンジン12は、シリンダ径が220mmの6気筒であり、定格出力が1070kW/1000 min-1、正味平均有効圧Pmeが2MPaのガスエンジンである。このエンジン12には過給機13が設けられており、エンジン12からの排気が過給機13のタービンを駆動し、これによってコンプレッサを駆動して空気を圧縮し、空気冷却器14を経てエンジン12の燃焼室15に取り込むことができる。過給機13の空気吸入側には、バイパスライン16とバイパス量を調整する弁17が設けられており、吸気量を制御できるようになっている。このエンジン12は発電機18を駆動するようになっている。
図6は、空気過剰率に対する熱効率のポイントを示しており、例えば基準の熱効率が50%であるとした場合、計測した熱効率が52%の場合には2ポイントと表示される。図6に示すように、実施形態のエンジン(黒丸で示す)によれば、従来例や比較例1、2に比べて、概ねすべての空気過剰率にわたって熱効率が高く、基準値に対して約1ポイント改善している。
図7は、排気中のTHC(Total Hidrocarbon )の濃度を標準値との差異で示している。図7に示すように、実施形態のエンジン(黒丸で示す)によれば、従来例や比較例1、2に比べて、概ねすべての空気過剰率にわたって、排気中のTHC(Total Hidrocarbon )の濃度が低く、標準よりも約500ppm低下している。
3.本発明のピストンの構造上の特徴
本発明者は、実施形態で具体的に例示した構造のピストン2の他、同一のB(本例では220mm)に対して異なる種々のLを設定し、L/Bの値が異なるとともに、トップリングの周溝の近傍に冷却室が設けられた構造である複数種類のピストンを製作した。本発明者は、これら複数種類のピストンについて、「2.エンジン性能の比較」と同様の実験を行なった。その結果、以下に説明するように、従来例と比較し、デッドボリウムSが小さくなって排出される未燃ガスの容積を減少させることができるとともに熱効率にも優れたエンジン性能を得るために必要なL/Bの条件を確定するに至った。
すなわち本発明者の実験によれば、L/Bの値が0.1を越えると、従来例等と比較して排出される未燃ガスの量に有意の改善が認められなくなった。これは、デッドボリウムSが無用に大きくなっているためと考えられる。また、L/Bの値が0.1を越えると、熱効率についても従来例等と比較して満足な改善結果が得られなくなり、トップリングの膠着が生じるようになった。
このように、複数の周溝が外周面に形成され、各周溝にそれぞれピストンリングが装着されているピストンにおいて、最上部の周溝をピストンの頂面に近接して設け、かつ最上部の周溝に近接して上部冷却室を形成するという従来にない特殊な構造を採用したというだけでは、必ずしも従来の課題を解決することはできない。
上記実験の結果、熱効率や排気中のTHC濃度において従来例に比べて優れた効果が得られ、しかもトップリングの膠着が起きないための更なる構成上の特徴、すなわち発明としての更なる必須の条件を確定することができた。すなわち、上記特殊な構造において、ピストンが収納されるシリンダの内径Bと、ピストンの上面と最上部の周溝の上面の距離Lとの関係が、L/B≦0.1である場合には、排出される未燃ガスの量が従来に比べて減少し、熱効率も改善され、トップリングの膠着が起きないことが判明した。なお、前述した通り、「1.従来例と比較して示した実施形態の構成」の実施形態では、L/Bの値は上記条件を満たす約0.07であり、上記条件を満たしている。
本発明者が行なった実験の結果によれば、L/Bの値に対する熱効率のポイント(図6で説明したような基準値からの改善度を%で表した値)は、次の対応表の通りである。
L/B 熱効率のポイント
0.12 0
0.11 0.6
0.1 0.7
0.09 0.8
0.07 1.0(実施形態の数値例)
このように、L/Bの値と熱効率のポイントは比例関係にあり、L/Bの値を小さくしていけば熱効率は徐々に改善されていくが、実用的な見地から見れば0.6ポイントの改善では不十分であり、0.7ポイント以上の改善が必要である。これは、熱効率の改善による燃費の向上及びこれによる運転コストの低減と、本発明を採用したことによるピストン乃至エンジンの製造コストの増大とを、長期的な運用を前提として比較考量した場合、前記熱効率のポイントが0.7以上でないと発明を実施する実益が得られないからである。L/Bの値が0.1以下であれば、前記熱効率のポイントが0.7以上となり、実効性のある熱効率の改善が達成でき、産業上実用的な効果を得ることができる。
また本発明者等の知見によれば、従来構造のピストンを備えたガスエンジンであって、Pme(正味平均有効圧)が1.8MPa以上の効率が高いガスエンジンにおいては、本発明以外の手段を用いて前記熱効率のポイントを0.7以上とすることは困難であり、現実にそのようなガスエンジンは存在しない。ところが、本発明の実施形態における実験の結果によれば、Pme(正味平均有効圧)が1.8MPa以上である高効率のガスエンジンであっても、そのピストンを実施形態のようなL/Bの値が0.1以下であるピストンに交換することにより、上述したように前記熱効率を0.7以上のポイントで改善することが可能であることが判明した。
4.実施形態の効果
1)本実施形態によれば、トップリングの冷却を強化することにより、トップリングの位置をL/B≦0.1としても、エンジンの定格運転が可能である。
2)上記効果1)により、トップリングの膠着を回避して、BMEP(Brake Mean Effective Pressure:正味平均有効圧力) が1.8MPa以上の高圧力、例えば2.0MPa(世界最高レベルの圧力)での運転が可能となる。
3)未燃排出物(都市ガスの場合、メタンが90%程度)の抑制効果が得られ、燃料経済性及びメタンによる地球温暖化を抑制する効果が得られる。
1…シリンダ
2…ピストン
3…ピストンリング
3a…トップリング
4…周溝
4a…最上部の周溝
5…冷却室
5a…上部冷却室
11…シリンダライナ
22…従来例のピストン
32…比較例1のピストン
42…比較例2のピストン
S…デッドボリウム

Claims (3)

  1. ピストンリングを設ける複数の周溝が外周面に形成されているピストンにおいて、
    前記ピストンが収納されるシリンダの内径Bと、前記ピストンの上面と最上部の前記周溝の上面の距離Lとの関係が、L/B≦0.1であるとともに、
    最上部の前記周溝に近接して冷却室が形成されたことを特徴とするピストン。
  2. 外周面に形成された複数の周溝にそれぞれピストンリングが装着されたピストンがシリンダ内に摺動可能に設けられているエンジンにおいて、
    前記ピストンが収納されるシリンダの内径Bと、前記ピストンの上面と最上部の前記周溝の上面の距離Lとの関係が、L/B≦0.1であるとともに、
    最上部の前記周溝に近接して冷却室が形成されたことを特徴とするエンジン。
  3. 前記エンジンが、正味平均有効圧Pmeが1.8MPa以上のガスエンジンである請求項2記載のエンジン。
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