JP2011084746A - オルトメタル化イリジウム錯体からなる発光素子材料、発光素子及び新規イリジウム錯体 - Google Patents

オルトメタル化イリジウム錯体からなる発光素子材料、発光素子及び新規イリジウム錯体 Download PDF

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Abstract

【課題】発光特性の優れた発光素子およびそのための材料を提供する。
【解決手段】オルトメタル化イリジウム錯体を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる発光素子用材料及び発光素子に関し、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア等の分野に好適に使用できる発光素子に関する。また、各種分野での応用が期待される新規発光材料に関する。
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。例えば、有機化合物の蒸着により有機薄膜を形成する発光素子が知られている(アプライド フィジックス レターズ,51巻,913頁,1987年)。この文献に記載された発光素子はトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)を電子輸送材料として用い、正孔輸送材料(アミン化合物)と積層させることにより、従来の単層型素子に比べて発光特性を大幅に向上させている。
近年、有機EL素子をカラーディスプレイへと適用することが活発に検討されているが、高性能カラーディスプレイを開発する為には 青・緑・赤、それぞれの発光素子の特性を向上する必要が有る。
発光素子特性向上の手段として、オルソメタル化イリジウム錯体(Ir(ppy)3:Tris−Ortho−Metalated Complex of Iridium(III) with 2−Phenylpyridine)からの発光を利用した緑色発光素子が報告されている(Applied Physics Letters 75,4(1999).)。本素子は外部量子収率8%を達しており、従来素子の限界といわれていた外部量子収率5%を凌駕しているが、緑色発光に限定されているため、ディスプレイとしての適用範囲が狭く、高効率で他色に発光する発光素子材料の開発が求められていた。
一方、有機発光素子において高輝度発光を実現しているものは有機物質を真空蒸着によって積層している素子であるが、製造工程の簡略化、加工性、大面積化等の観点から塗布方式による素子作製が望ましい。しかしながら、従来の塗布方式で作製した素子では特に発光効率の点で蒸着方式で作製した素子に劣っており、新規発光素子材料の開発が望まれていた。また、近年、フィルター用染料、色変換フィルター、写真感光材料染料、増感色素、パルプ染色用染料、レーザー色素、医療診断用蛍光薬剤、有機発光素子用材料等に蛍光を有する物質が種々用いられ、その需要が高まっており、新たな発光材料が望まれていた。
本発明の目的は、発光特性が良好な発光素子及びそれを可能にする発光素子用材料の提供及び、各種分野で利用可能な新規発光材料の提供にある。
この課題は下記手段によって達成された。
1.一般式(1)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光素子材料。
Figure 2011084746
2.一般式(2)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光素子材料。
Figure 2011084746
3.一般式(3)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光素子材料。
Figure 2011084746
式中、R1,R2はそれぞれ置換基を表す。q1,q2は0〜4の整数を表し、かつ、q1+q2 は1以上である。
4.一般式(4)で表わされる部分構造を有する化合物又はその互変異性体。
Figure 2011084746
式中、Z11及びZ12はそれぞれ炭素原子及び/又は窒素原子とともに5員環又は6員環を形成するのに必要な非金属原子団を表わし、この環は置換基を有していても良く、また更に別の環と縮合環を形成してもよい。Ln1は2価の基を表わす。Y1は窒素原子又は炭素原子を表わし、b1は単結合又は二重結合を表わす。
5.上記4に記載の化合物からなる発光材料。
6.一般式(5)で表わされる部分構造を有する化合物からなる発光材料。
Figure 2011084746
7.一般式(6)で表わされる部分構造を有する化合物からなる発光材料。
Figure 2011084746
8.一般式(7)で表わされる部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光材料。
Figure 2011084746
式中、Z21及びZ22はそれぞれ炭素原子及び/又は窒素原子とともに5員環又は6員環を形成するのに必要な非金属原子団を表わし、この環は置換基を有していてもよく、また更に別の環と縮合環を形成してもよい。Y2は窒素原子又は炭素原子を表わし、b2は単結合又は二重結合を表わす。
9.一般式(8)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光材料。
Figure 2011084746
式中、X201、X202、X203及びX204は、窒素原子又はC−Rを表し、−C=N−とともに含窒素へテロアリール6員環を形成し、X201、X202、X203及びX204の少なくとも1つは窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。Z201はアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表す。
10.一般式(9)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光材料。
Figure 2011084746
式中、Z201、Z301はアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表す。
11.一般式(10)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光材料。
Figure 2011084746
式中、Z201、Z401はアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表す。
12.一対の電極間に発光層若しくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層に上記1、2、3、5ないし11に記載の発光材料を含有する有機発光素子。
13.一対の電極間に発光層若しくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、1、2、3、5ないし11に記載の発光材料単独からなる層を少なくとも一層有することを特徴とする有機発光素子。
14.一対の電極間に発光層若しくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層にオルトメタル化イリジウム錯体を有し、かつ、オルトメタル化イリジウム錯体を含む層を塗布プロセスで成膜することを特徴とする発光素子。
本発明の化合物は有機EL用材料として使用可能であり、また、種々の発光色を有する高効率、高耐久EL素子を作製できる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の化合物はオルトメタル化イリジウム錯体(orthometalated Ir Complexes)からなる発光素子材料である。オルトメタル化金属錯体とは、例えば「有機金属化学−基礎と応用−」p150,232 裳華房社 山本明夫著 1982年発行、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」
p71-p77,p135-p146 Springer-Verlag社 H.Yersin著1987年発行等に記載されている化合物群の総称である。
オルトメタル化イリジウム錯体のイリジウムの価数は特に限定しないが、3価が好ましい。オルトメタル化イリジウム錯体の配位子は、オルトメタル化錯体を形成し得る物であれば特に問わないが、例えば、アリール基置換含窒素ヘテロ環誘導体(アリール基の置換位置は含窒素ヘテロ環窒素原子の隣接炭素上であり、アリール基としては例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基などが挙げられ、更に炭素環、ヘテロ環と縮環を形成しても良い。含窒素ヘテロ環としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、ナフトリジン、シンノリン、ペリミジン、フェナントロリン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、フェナントリジンなどが挙げられる)、ヘテロアリール基置換含窒素ヘテロ環誘導体(ヘテロアリール基の置換位置は含窒素ヘテロ環窒素原子の隣接炭素上であり、ヘテロアリール基としては例えば前記の含窒素ヘテロ環誘導体を含有する基、チエニル基、フリル基などが挙げられる)、7,8−ベンゾキノリン誘導体、ホスフィノアリール誘導体、ホスフィノヘテロアリール誘導体、ホスフィノキシアリール誘導体、ホスフィノキシヘテロアリール誘導体、アミノメチルアリール誘導体、アミノメチルヘテロアリール誘導体等が挙げられる。アリール基置換含窒素芳香族ヘテロ環誘導体、ヘテロアリール基置換含窒素芳香族ヘテロ環誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体が好ましく、フェニルピリジン誘導体、チエニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、ベンジルピリジン誘導体、フェニルピラゾール誘導体、フェニルイソキノリン誘導体、窒素原子を2つ以上有するアゾールのフェニル置換誘導体が更に好ましく、チエニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、ベンジルピリジン誘導体、フェニルピラゾール誘導体、フェニルイソキノリン誘導体、窒素原子を2つ以上有するアゾールのフェニル置換誘導体が特に好ましい。
本発明の化合物は、オルトメタル化錯体を形成するに必要な配位子以外に、他の配位子を有していても良い。他の配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer-Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」 裳華房社 山本明夫著 1982年発行 等に記載の配位子が挙げられ、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えばビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子であり、より好ましくは塩素配位子、ビピリジル配位子である。
本発明の化合物の配位子の種類は1種類でも良いし、複数の種類があっても良い。錯体中の配位子の数は好ましくは1〜3種類であり、特に好ましくは1、2種類であり、更に好ましくは1種類である。
本発明の化合物の炭素数は、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜80、更に好ましくは14〜50である。
本発明の一般式(1)ないし(10)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体のうち、一般式(1)、(2)、(4)ないし(10)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体がより好ましい。
一般式(1)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体は、化合物中にイリジウム原子を一つ有しても良いし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であっても良い。他の金属原子を同時に含有していても良い。一般式(2)ないし(10)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体も同様である。
一般式(3)において、R1,R2は置換基を表す。q1,q2は0〜4の整数を表し、かつ、q1+q2 は1以上である。q1,q2が2以上の場合、複数個のR1,R2はそれぞれ同一又は互いに異なっても良い。R1,R2としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、R1基どうし、R2基どうし、若しくは、R1基,R2基が結合して縮環構造を形成しても良い。
1,R2はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、結合して縮環構造を形成する基が好ましく、アルキル基、結合して芳香族縮環構造を形成する基がより好ましい。q1,q2は0,1,2が好ましく、より好ましくはq1+q2=1 or 2である。
一般式(4)において、Z11及びZ12は5員環又は6員環を形成するのに必要な非金属原子団を表し、この環は置換基を有していても良く、また更に別の環と縮合環を形成していてもよい。置換基としては例えばハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ、ニトロ、−OR101、−SR102、−CO2103、−OCOR104、−NR105106、−CONR107108、−SO2109、−SO2NR110111、−NR112CONR113114、−NR115CO2116、−COR117、−NR118COR119又は−NR120SO2121が挙げられる。ここでR101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116、R117、R118、R119、R120及びR121はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基又はアリール基である。
置換基としては上記のうちハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、−OR101、−SR102、−NR105106、 −SO2109、−NR112CONR113114、−NR115CO2116、−NR118COR119又は−NR120SO2121であることが好ましく、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、−OR101、−SR102、−NR105106又はで−SO2109あることがより好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、フェノキシ基、ジアルキルアミノ基であることがより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であることが更に好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基であることが最も好ましい。
ここで、脂肪族基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基を意味する。
11及びZ12が形成する5員環、6員環としては芳香族環又は複素芳香族環が好ましく、例えばフラン環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、セレナゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環及びピリダジン環がある。Z11してはこれらのうち、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、ベンゼン環及びピリジン環が好ましく、チアゾール環、ピロール環、ベンゼン環及びピリジン環が更に好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。Z12としてはイミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、ピリジン環及びピリミジン環が好ましく、イミダゾール環、チアゾール環、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環及びピリミジン環が更に好ましく、ピラゾール環及びピリジン環が更に好ましい。好ましいZ11、Z12の炭素原子数は各々3〜40であり、更に好ましくは3〜30であり、特に好ましくは3〜20である。
Ln1は2価の基を表わす。2価の基としては例えば−C(R131)(R132)−、−N(R133)−、−O−、−P(R134)−又は−S−が挙げられる。ここでR131及びR132はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ、−OR141、−SR142、−CO2143、−OCOR144、−NR145146、−CONR147148、−SO2149、−SO2NR150151、−NR152CONR153154、−NR155CO2156、−COR157、−NR158COR159又は−NR160SO2161を表わし、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147、R148、R149、R150、R151、R152、R153、R154、R155、R156、R157、R158、R159、R160及びR161はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基又はアリール基である。R133は脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表わし、またR134は脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基及び−OR171を表わし、 R171は水素原子、脂肪族基又はアリール基である。
Ln1として好ましくは−C(R131)(R132)−、−O−又は−S−であり、更に好ましくは−C(R131)(R132)−でR131及びR132が水素原子、脂肪族基又はアリール基の場合であり、更に好ましくは−C(R131)(R132)−でR131及びR132が水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基の場合である。好ましいLn1の炭素原子数は0〜20であり、更に好ましくは0〜15であり、特に好ましくは0〜10である。
1は窒素原子又は炭素原子を表わす。Y1が窒素原子のときb1は単結合を表わし、炭素原子のときb1は二重結合を表わす。
一般式(7)においてZ21及びZ22は5員環又は6員環を形成するのに必要な非金属原子団を表わし、この環は置換基を有していても良く、また更に別の環と縮合環を形成してもよい。置換基の例としてはハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ、ニトロ、−OR201、−SR202、−CO2203、−OCOR204、−NR205206、−CONR207208、−SO2209、−SO2NR210211、−NR212CONR213214、−NR215CO2216、−COR217、−NR218COR219又は−NR220SO2221が挙げられる。ここでR201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、R208、R209、R210、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R217、R218、R219、R220及びR221はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基又はアリール基である。
21及びZ22の好ましい置換基として挙げられるものは、Z11及びZ12の場合と全く同じである。
21が形成する5員環、6員環としてはフラン環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、セレナゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環及びピリダジン環がある。これらのうち、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、ベンゼン環及びピリジン環が好ましく、チアゾール環、ピロール環、ベンゼン環及びピリジン環が更に好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。Z22としてはピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環及びピリダジン環があり、ピラゾール環が最も好ましい。好ましいZ11、Z12の炭素原子数は各々3〜40であり、更に好ましくは3〜30であり、特に好ましくは3〜20である。
2は窒素原子又は炭素原子を表わす。Y2が窒素原子のときb2は単結合を表わし、炭素原子のときb2は二重結合を表わす。
一般式(8)において、式中、X201、X202、X203及びX204は、窒素原子又はC−Rを表し、−C=N−とともに含窒素へテロアリール6員環を形成し、X201、X202、X203及びX204の少なくとも1つは窒素原子を表す。X201、X202、X203、X204が−C=N−とともに形成する含窒素へテロアリール6員環は縮環を形成しても良い。Rは水素原子又は置換基を表し、置換基としてはR1、R2において説明したものと同義である。好ましくはピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、プリン、プテリジン等を表し、更に好ましくはピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリンを表す。Z201はアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表す。Z201が形成するアリール環は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基などが挙げられ、更に炭素環、ヘテロ環と縮環を形成しても良い。Z201が表すヘテロアリール環は好ましくは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなるヘテロアリール環を表し、更に好ましくは5ないし6員のヘテロアリール環を表し、更に縮環を形成しても良く、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、ナフトリジン、シンノリン、ペリミジン、フェナントロリン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、フェナントリジン、チエニル基、フリル基などが挙げられる。Z201が形成する環はアリール環が好ましい。
一般式(9)において、Z201は一般式(8)と同義であり、Z301はピリジン環に縮環するアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表し、形成するアリール環、ヘテロアリール環は一般式(8)のZ201が形成するアリール環、ヘテロアリール環と同様である。Z301が形成する環はアリール環が好ましい。
一般式(10)において、Z201は一般式(8)と同義であり、Z401はピリジン環に縮環するアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表し、形成するアリール環、ヘテロアリール環は一般式(8)のZ201が形成するアリール環、ヘテロアリール環と同様である。Z401が形成する環はアリール環が好ましい。
本発明の化合物の更に好ましい形態は、一般式(11)ないし一般式(20)で表される化合物である。一般式(11)ないし(12)で表される化合物及び一般式(14)ないし一般式(20)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2011084746
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一般式(11)について説明する。R11、R12は置換基を表し、置換基としては前記R1で説明した置換基が挙げられる。
11,R12はアルキル基、アリール基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
11は0〜2の整数を表し、0,1が好ましく、0がより好ましい。q12は0〜4の整数を表し、0,1が好ましく、0がより好ましい。q11,q12が2以上の場合、複数個のR11,R12はそれぞれ同一又は互いに異なっても良く、また、連結して縮環を形成しても良い。
1は配位子を表す。配位子としては前記オルトメタル化イリジウム錯体を形成するに必要な配位子、及び、その他の配位子で説明した配位子が挙げられる。L1はオルトメタル化イリジウム錯体を形成するに必要な配位子、含窒素ヘテロ環配位子、ジケトン配位子、ハロゲン配位子が好ましく、より好ましくはオルトメタル化イリジウム錯体を形成するに必要な配位子、ビピリジル配位子である。
1は0〜5を表し、0が好ましい。m1は1,2,3を表し、好ましく3である。n1,m1 の数の組み合わせは、一般式(4)で表される金属錯体が中性錯体となる数の組み合わせが好ましい。
一般式(12)について説明する。R21,n2,m2,L2はそれぞれ前記R11,n1,m1,L1とそれぞれ同義である。q21は0〜8を表し、0が好ましい。q21が2以上の場合は、複数個のR21は同一又は互いに異なっても良く、また、連結して縮環を形成しても良い。
一般式(13)について説明する。R31,R32,q31,q32,n3,m3,L3はそれぞれ前記R1,R2,q1,q2,n1,m1,L1とそれぞれ同義である。
一般式(14)について説明する。R301、R302は置換基を表わし、置換基とはZ11及びZ12にて説明したものと同義である。q301、q302は0〜4の整数を表わし、q301、q302が2〜4の場合、R301、R302は同一でも異なっていても良い。好ましいq301、q302は0又は1〜2であり、更に好ましくは0〜1である。m101、L101、n101はそれぞれ前記m1、L1、n1と同義である。
一般式(15)について説明する。L102は前記L1と同義であり、n102は0〜5の整数を表わし、1〜5が好ましい。m102は1〜6の整数を表わし、1及び2が好ましい。n102とm102の数の組み合わせは一般式(15)で表わされる金属錯体が中性錯体となる数の組み合わせが好ましい。
一般式(16)について説明する。L103、n103、m103はそれぞれL1、n102、m102と同義である。
一般式(17)について説明する。R303は置換基を表わし、置換基とはZ21にて説明したものと同義である。Z23、q303、L104、n104、m104はそれぞれ前記Z22、q301、L1、n101、m101と同義である。
一般式(18)について説明する。一般式(18)において、X201、X202、X203及びX204が−C=N−とともに形成する環は、一般式(8)で説明したものと同様であり、好ましい範囲も同様である。Z201はアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表し、一般式(8)で説明したものと同様であり、好ましい範囲も同様である。n201,m201,L201はそれぞれ前記n1,m1,L1とそれぞれ同義である。
一般式(19)において、Z201、Z301は一般式(9)で説明したものと同様であり、好ましい範囲も同様である。n202,m202,L202はそれぞれ前記n1,m1,L1とそれぞれ同義である。
一般式(20)において、Z201、Z401は一般式(10)で説明したものと同様であり、好ましい範囲も同様である。n203,m203,L203はそれぞれ前記n1,m1,L1とそれぞれ同義である。
本発明の化合物は一般式(1)等の繰り返し単位をひとつ有する、いわゆる低分子化合物であっても良く、また、一般式(1)等の繰り返し単位を複数個有するいわゆる、オリゴマー化合物、ポリマー化合物(重量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、更に好ましくは3000〜100000である。)であっても良い。本発明の化合物は低分子化合物が好ましい。
次に本発明に用いる化合物例を示すが、本発明はこれに限定されない。
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本発明の化合物は、Inorg.Chem.1991年,30号,1685頁.,同1988,27号,3464頁.,同1994年,33号,545頁., Inorg.Chem.Acta 1991年,181号,245頁., J.Organomet.Chem. 1987年,335号,293頁., J.Am.Chem.Soc.1985年,107号,1431頁等、種々の公知の手法で合成することができる。
本発明化合物の合成例の一部を以下に示す。以下に示すとおり、6ハロゲン化イリジウム(III)化合物、6ハロゲン化イリジウム(IV)化合物を出発原料にして合成することもできる。
Figure 2011084746
(合成例1)
・例示化合物(1−25)の合成
3ツ口フラスコにK3IrCl6を5.22g、2−ベンジルピリジンを16.9g、グリセロール50mlを入れ、アルゴン雰囲気下にて内温を200℃に加熱しながら1時間攪拌した。この後内温が40℃になるまで冷却し、メタノール150mlを添加した。そのまま1時間攪拌した後、吸引濾過して得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的の例示化合物(1−25)を4.34g得た(収率77%)。
(合成例2)
・例示化合物(1−24)の合成
3ツ口フラスコに例示化合物(1−25)を5.64g、クロロホルム560ml、アセチルアセトン10.0gを入れて、室温にて攪拌しながらここへナトリウムメチラートの28%メタノール溶液20.1mlを20分かけて滴下した。滴下終了後室温にて5時間攪拌した後、飽和食塩水40ml、水400mlを添加し、抽出した。得られたクロロホルム層を飽和食塩水300mlと水30mlの混合溶液で4回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。こうして得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトフラフィーで精製して目的の例示化合物(1−24)を5.59g得た(収率89%)。
(合成例3)
・例示化合物(1−26)の合成
3ツ口フラスコに例示化合物(1−24)を6.28g、2−フェニルピリジンを15.5g、グリセロールを63ml入れ、アルゴン雰囲気下にて内温を170℃に加熱しながら15分間攪拌した。この後内温が40℃になるまで冷却し、クロロホルム500ml、飽和食塩水40ml、水400mlを添加して抽出した。得られたクロロホルム層を飽和食塩水40mlと水400mlの混合液で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。このものをロータリーエバポレーターで濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的の例示化合物(1−26)を5.60g得た(収率82%)。
(合成例4)
・例示化合物(1−29)の合成
3ツ口フラスコに例示化合物(1−25)5.64g、クロロホルム560mlを入れ、水浴下にて攪拌しながらここへ一酸化炭素を10分間吹き込んだ。この後攪拌を1時間続けた後、飽和食塩水40ml、水400mlを添加し、抽出した。得られたクロロホルム層を飽和食塩水300mlと水30mlの混合溶液で4回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。こうして得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトフラフィーで精製して目的の例示化合物(1−29)を4.38g得た(収率74%)。
(合成例5)
例示化合物(1−65)及び(1−66)の合成
Figure 2011084746
3IrCl61.35gを水25mlに溶解したものに3−クロロ−6−フェニルピリダジン1.01gとグリセリン100ml添加し、180℃にて4時間加熱攪拌した。反応終了後、放冷し、水を添加し、析出したこげ茶色固体を濾取、乾燥した。次に得られた固体をクロロホルム1Lに溶解したものに、アセチルアセトン2.5gと28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液4.8gを添加し、加熱還流下、2時間反応した。反応終了後、水500mlに注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて展開した。はじめに溶出した橙色フラクションを濃縮し、クロロホルム−エタノールにて再結晶、乾燥し、目的の例示化合物1−65を66mg得た。本化合物の溶液蛍光スペクトルを測定したところ、蛍光のλmax=578nm(CHCl3)であった。更に次に溶出した赤橙色フラクションを濃縮し、クロロホルム−エタノールにて再結晶、乾燥し、目的の例示化合物1−66を294mg得た。本化合物の溶液蛍光スペクトルを測定したところ、蛍光のλmax=625nm(CHCl3)であった。
次に、本発明の化合物を含有する発光素子に関して説明する。本発明の発光素子は、本発明の化合物を利用する素子であればシステム、駆動方法、利用形態など特に問わないが、本発明の化合物からの発光を利用するもの、又は本化合物を電荷輸送材料として利用する物が好ましい。代表的な発光素子として有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を挙げることができる。
本発明の化合物を含有する発光素子の有機層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法が好ましく、また、蒸着時の熱分解回避の点から、コーティング法がより好ましい。
本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電極間に発光層若しくは発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。更に、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
発光層の材料は、電界印加時に陽極又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極又は電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば何でもよく、一重項励起子又は三重項励起子のいずれから発光するものであっても良い。例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体、本発明の化合物等が挙げられる。発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、LB法、印刷法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン誘導体、カーボン膜、本発明の化合物等が挙げられる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送剤を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法が用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジェット法、印刷法などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法を適用できる。
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実施の態様はこれらに限定されない。
比較例1
ポリ(N−ビニルカルバゾール)40mg、PBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)12mg、化合物A 1mgをジクロロエタン2.5mlに溶解し、洗浄した基板上にスピンコートした(1500rpm,20sec)。有機層の膜厚は98nmであった。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1を50nm共蒸着した後、銀50nmを蒸着した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、発光波長を浜松フォトニクス社製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。その結果、発光のλmax=500nmの緑色発光が得られた。100cd/m2付近での外部量子収率を算出したところ 0.1%であった。窒素下1時間放置したところ、発光面に多数のダークスポットが目視された。
Figure 2011084746
実施例1
比較例1の化合物Aの替わりに(1−1)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=510nm の緑色の発光が得られ、100cd/m2付近での外部量子収率は2.9%であった。窒素下1時間放置したところ、発光面に少量のダークスポットが目視された。
実施例2
比較例1の化合物Aの替わりに(1−2)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=510nm の緑色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例3
比較例1の化合物Aの替わりに(1−3)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=590nm の橙色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例4
比較例1の化合物Aの替わりに(1−4)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=510nm の緑色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例5
比較例1の化合物Aの替わりに(1−20)を用い、比較例1と同様に素子作成した。発光のλmax=547nmの緑色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例6
比較例1の化合物Aの替わりに(1−24)を用い、比較例1と同様に素子作成した。発光のλmax=530nmの緑色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例7
比較例1の化合物Aの替わりに(1−25)を用い、比較例1と同様に素子作成した。発光のλmax=564nmの発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例8
比較例1の化合物Aの替わりに(1−36)を用い、比較例1と同様に素子作成した。発光のλmax=520nmの緑色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例9
比較例1の化合物Aの替わりに(1−41)を用い、比較例1と同様に素子作成した。発光のλmax=513nmの緑色の発光が得られ、100cd/m2付近での外部量子効率は5.1%であった。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例10
比較例1の化合物Aの替わりに(1−42)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=535nm の緑色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例11
比較例1の化合物Aの替わりに(1−44)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=532nm の橙色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例12
比較例1の化合物Aの替わりに(1−46)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=568nm の黄色発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例13
比較例1の化合物Aの替わりに(1−65)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=578nm の黄橙色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例14
比較例1の化合物Aの替わりに(1−66)を用い、比較例1と同様に素子作製した。発光のλmax=625nm の赤橙色の発光が得られた。窒素下1時間放置したがダークスポットは目視できなかった。
実施例15
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、α−NPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)−ベンジジン)を40nm蒸着し、この上に化合物B,本発明化合物(1−46) を (10:1)の比率で 24nm 共蒸着し、この上に、化合物Cを24nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1を250nm共蒸着した後、銀250nmを蒸着した。直流定電圧をEL素子に印加し発光させた結果、発光のλmax=567nmの黄色発光が得られ、外部量子効率 13.6%(185cd/m2時)であった。
Figure 2011084746
実施例16
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、α−NPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)−ベンジジン)を40nm蒸着し、この上に本発明化合物(1−42) を 20nm 共蒸着し、この上に、化合物Cを40nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1を250nm共蒸着した後、銀250nmを蒸着した。直流定電圧をEL素子に印加し発光させた結果、発光のλmax=535nmの黄緑色発光が得られ、外部量子効率3.1%(120cd/m2時)であった。
実施例17
ポリ(N−ビニルカルバゾール)40mg、PBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)12mg、本発明化合物(1−49) 1mgをジクロロエタン2.5mlに溶解し、洗浄した基板上にスピンコートした(1500rpm,20sec)。有機層の膜厚は98nmであった。それを蒸着装置に入れ、有機膜上に、化合物Cを40nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを5nm蒸着した後、アルミニウムを500nmを蒸着した。直流定電圧をEL素子に印加し発光させた結果、発光のλmax=580nmの橙色発光が得られ、外部量子効率 4.2%(1000cd/m2時)であった。
実施例18
Baytron P(PEDOT−PSS溶液(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸ドープ体)/バイエル社製)を洗浄した基板上にスピンコートし(1000rpm,30sec)、150℃にて1.5時間、真空乾燥した。有機層の膜厚は70nmであった。その上にポリ(N−ビニルカルバゾール)40mg、PBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)12mg、本発明化合物(1−42) 1mgをジクロロエタン2.5mlに溶解し、洗浄した基板上にスピンコートした(1500rpm,20sec)。総有機層の膜厚は170nmであった。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でマグネシウム:銀=10:1を250nm共蒸着した後、銀250nmを蒸着した。直流定電圧をEL素子に印加し発光させた結果、発光のλmax=540nmの黄緑色発光が得られ、外部量子効率 6.2%(2000cd/m2時)であった。同様に、本発明の化合物含有EL素子を作製・評価したところ、種々の発光色を有する高効率EL素子を作製でき、耐久性に優れることが確認できた。また、本発明化合物を用いた蒸着型ドープ素子高効率発光でき、発光材料を単層膜にした素子においても、高効率発光可能である。

Claims (14)

  1. 一般式(1)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光素子材料。
    Figure 2011084746
  2. 一般式(2)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光素子材料。
    Figure 2011084746
  3. 一般式(3)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光素子材料。
    Figure 2011084746
    式中、R1,R2はそれぞれ置換基を表す。q1,q2は0〜4の整数を表し、かつ、q1+q2は1以上である。
  4. 一般式(4)で表わされる部分構造を有する化合物又はその互変異性体。
    Figure 2011084746
    式中、Z11及びZ12はそれぞれ炭素原子及び/又は窒素原子とともに5員環又は6員環を形成するのに必要な非金属原子団を表わし、この環は置換基を有していても良く、また更に別の環と縮合環を形成してもよい。Ln1は2価の基を表わす。Y1は窒素原子又は炭素原子を表わし、b1は単結合又は二重結合を表わす。
  5. 請求項4に記載の化合物からなる発光材料。
  6. 一般式(5)で表わされる部分構造を有する化合物からなる発光材料。
    Figure 2011084746
  7. 一般式(6)で表わされる部分構造を有する化合物からなる発光材料。
    Figure 2011084746
  8. 一般式(7)で表わされる部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光材料。
    Figure 2011084746
    式中、Z21及びZ22はそれぞれ炭素原子及び/又は窒素原子とともに5員環又は6員環を形成するのに必要な非金属原子団を表わし、この環は置換基を有していてもよく、また更に別の環と縮合環を形成してもよい。Y2は窒素原子又は炭素原子を表わし、b2は単結合又は二重結合を表わす。
  9. 一般式(8)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光材料。
    Figure 2011084746
    式中、X201、X202、X203及びX204は、窒素原子又はC−Rを表し、−C=N−とともに含窒素へテロアリール6員環を形成し、X201、X202、X203及びX204の少なくとも1つは窒素原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。Z201はアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表す。
  10. 一般式(9)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光材料。
    Figure 2011084746
    式中、Z201、Z301はアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表す。
  11. 一般式(10)で表される部分構造を有する化合物又はその互変異性体からなる発光材料。
    Figure 2011084746

    式中、Z201、Z401はアリール環又はヘテロアリール環を形成する原子団を表す。
  12. 一対の電極間に発光層若しくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層に請求項1、2、3、5ないし11に記載の発光材料を含有する有機発光素子。
  13. 一対の電極間に発光層若しくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、請求項1、2、3、5ないし11に記載の発光材料単独からなる層を少なくとも一層有することを特徴とする有機発光素子。
  14. 一対の電極間に発光層若しくは発光層を含む複数の有機化合物薄層を形成した発光素子において、少なくとも一層にオルトメタル化イリジウム錯体を有し、かつ、オルトメタル化イリジウム錯体を含む層を塗布プロセスで成膜することを特徴とする発光素子。
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