JP2011079958A - 両面粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた剥離性を有し、剥離力の経時的な増大が抑制された剥離剤層を有する剥離シートを用い、シリコーン転移がなく、また、アウトガスの発生量も少ない、特に電子部品貼付用の粘着シートとして有用な両面粘着シートを提供すること。
【解決手段】粘着剤層の一方の面に第1剥離シート基材の少なくとも片面に第1剥離剤層が設けられた第1剥離シートが貼着され、粘着剤層の他方の面に第2剥離シート基材の少なくとも片面に第2剥離剤層が設けられた第2剥離シートが貼着された両面粘着シートにおいて、第1剥離剤層が重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物100質量部に対し、重量平均分子量1000〜10万のジエン系高分子化合物2〜50質量部を添加してなる剥離剤用組成物により形成させてなり、第2剥離剤層が重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物により形成させてなることを特徴とする両面粘着シート。
【選択図】図1

Description

本発明は両面粘着シート、特に電子部品貼付用として有用な両面粘着シートに関する。
リレー、各種スイッチ、コネクタ、モータ、ハードディスク等の電子部材は、様々な製品に広く用いられている。このような電子部材には、組立時の仮止め、部品の固定や部品の内容表示等の目的で、片面粘着シートまたは両面粘着シートが用いられている。中でも、両面粘着シートは、通常、粘着剤層単独か基材と粘着剤層から構成されており、電子部材に貼着される前は、その粘着剤層の両面に剥離シートが貼着されている。
この剥離シートの表面(粘着剤層との接触面)には、剥離性の向上を目的として、剥離剤層が設けられている。従来、この剥離剤層の構成材料としては、シリコーン樹脂が用いられてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。
ところが、このような剥離シートを粘着剤層に貼着すると、剥離シート中の低分子量のシリコーン樹脂、シロキサン、シリコーンオイルなどのシリコーン化合物が粘着剤層に移行することが知られている。このため、このような剥離シートに貼着されている粘着シートを前記電子部材に貼着した場合、その後、この粘着剤層に移行したシリコーン化合物が徐々に気化する。気化したシリコーン化合物は、例えば、電子部材の電気接点部付近で発生するアーク等により、電気接点部の表面等に堆積し、微量の酸化ケイ素化合物層を形成するといわれている。このように、電気接点部の表面に酸化ケイ素化合物が堆積すると、導電不良という好ましくない事態を招く原因となる。また、特に、ハードディスク装置に貼着した場合、この粘着剤層に移行したシリコーン化合物が徐々に気化し、磁気ヘッドやディスク表面等に堆積し、この微量の酸化ケイ素化合物の堆積が、ハードディスクの読み込みや書き込みに悪影響を及ぼす可能性がある。このような問題を解決すべく、シリコーン処理を施していない、ポリオレフィン系フィルムからなる剥離シートの開発が試みられている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、このポリオレフィン系フィルムからなる剥離シートを粘着剤層の面に貼着した粘着シートでは、この剥離シートに耐熱性がないために、粘着剤をこの剥離シート上に塗布・乾燥して形成させる際に、高温条件下(例えば110℃以上)では、剥離シートに熱収縮によるタルミやシワが発生したり、得られた粘着シートの剥離力が安定せず、粘着剤層の一部が断裂して剥離した剥離シート側に付着する、いわゆる粘着剤層の糊残りが生じるという問題があった。
また、ハードディスク等の電子部材内部は、使用時高温雰囲気になることがあり、この高温雰囲気下において、電子部材に貼着された粘着剤層からガスが発生すると、電子部材の腐食や誤作動をもたらすなど、好ましくない事態を招く原因となる。このようなガスの発生を抑制するには、粘着剤層を形成する際の乾燥温度を高くして、溶剤、未反応モノマー等の低沸点の物質を揮散させておく必要があり、特許文献4のような剥離シートでは、上記のような耐熱性の問題が生じる。
ちなみに、アウトガスの発生を抑制した粘着剤としては、アクリル系共重合体を構成する単量体成分として(メタ)アクリル酸のような不飽和カルボン酸を使用しない粘着剤が提案されている(例えば、特許文献5)。
そこで、非シリコーン系の剥離剤で、剥離力を低下させることができるものとしてポリブタジエンのようなジエン系の高分子化合物を使用することが提案されている(例えば、特許文献6、7)。
これらジエン系の高分子化合物でも、異なる分子量のものを組み合わせることにより剥離力をさらに低下させることができ、かつ、剥離力に適度な差を設けた2枚の剥離シートを有する両面粘着シートを製造できることがわかった。
ちなみに、剥離力の異なる2枚の剥離シートが積層された両面粘着シートについても多数の提案がなされている。
例えば、2枚の剥離シートの表面の凹凸状態に差を持たせて剥離力に差をもたせたもの(特許文献8)、一方の剥離シートの剥離剤中に膨張性微粒子を添加して剥離力に差をもたせたもの(特許文献9)、2枚の剥離シートの剥離剤として特性の異なる2種類のシリコーン化合物の剥離力の差を利用したもの(特許文献10)等が提案されているが、分子量の異なる同じ化合物を2種類組み合わせて剥離シートの剥離剤として使用する例は提案されていない。
特開2005−47175号公報 特開2005−317613号公報 特開2007−217553号公報 特許3886225号公報 特開2008−222967号公報 特開2005−199586号公報 特開2005−205813号公報 特開2006−22256号公報 特開2006−265479号公報 特開2009−197150号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、非シリコーン系で剥離性に優れ、かつ、剥離力の経時的な増大が抑制された剥離剤層を有する2枚の剥離シートが積層され、特に電子部材等へ悪影響を与えにくく、かつ、アウトガス発生量が少ない両面粘着シートを提供することにある。
上記の目的を達成するため本発明者らは鋭意検討した結果、分子量の高いジエン系高分子化合物と分子量の低いジエン系高分子化合物とを所定の割合で配合した組成物から形成された剥離剤層を有する第1剥離シートと分子量の高いジエン系高分子化合物から形成された剥離剤層を有する第2剥離シートが積層された両面粘着シートにより上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記
(1)粘着剤層の一方の面に第1剥離シート基材の少なくとも片面に第1剥離剤層が設けられた第1剥離シートが貼着され、粘着剤層の他方の面に第2剥離シート基材の少なくとも片面に第2剥離剤層が設けられた第2剥離シートが貼着された両面粘着シートにおいて、
第1剥離剤層が重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物100質量部に対し、重量平均分子量1000〜10万のジエン系高分子化合物2〜50質量部を添加してなる剥離剤用組成物により形成させてなり、
第2剥離剤層が重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物により形成させてなることを特徴とする両面粘着シート、
(2)23℃、50%RH条件下における前記第1剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をX、前記第2剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をYとしたとき、Y−X≧30、Y≦400〔XおよびYの単位はmN/20mm〕の関係を満足し、前記粘着剤層、前記第1剥離剤層および前記第2剥離剤層が、実質的にシリコーン化合物を含まないことを特徴とする上記(1)に記載の両面粘着シート、
(3)両面粘着シートを70℃環境下で168時間放置した後、23℃、50%RHで24時間放置時の、前記第1剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をX'、前記第2剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をY'としたとき、Y'−X'≧30、Y'≦600〔X'およびY'の単位はmN/20mm〕の関係を満足する上記(1)または(2)に記載の両面粘着シート、
(4)前記重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物及び重量平均分子量1000〜10万のジエン系高分子化合物がポリブタジエンまたはポリイソプレンである上記(1)〜(3)に記載の両面粘着シート、
(5)前記重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物及び重量平均分子量1000〜10万のジエン系高分子化合物が1,4−ポリブタジエンである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の両面粘着シート、
(6)前記第1剥離剤層および前記第2剥離剤層が酸化防止剤を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の両面粘着シート、
(7)前記第1剥離剤層および前記第2剥離剤層がアンダーコート層を介して剥離シート基材に積層されてなる上記(1)〜(6)のいずれかに記載の両面粘着シート、
(8)アンダーコート層がポリウレタンからなる弾性体である(7)に記載の両面粘着シート、
(9)前記粘着剤層がカルボキシル基未含有アクリル系共重合体を架橋剤で架橋してなる粘着剤から形成されたものである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の両面粘着シート、
(10)前記粘着剤層を120℃で30分間加熱した際に発生するガス量が、n−デカン換算で1.0μg/cm2以下である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の両面粘着シート、
(11)電子部材用である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の両面粘着シートおよび
(12)第1剥離剤層および第2剥離剤層が、それぞれ前記剥離剤用組成物からなる塗膜に活性エネルギー線を照射することにより形成されてなる上記(1)〜(11)のいずれかに記載の両面粘着シートを提供する。
本発明によれば、非シリコーン系の剥離剤層を有し、剥離性に優れ、かつ、剥離力の経時的な増大が抑制された2枚の剥離シートが積層された、アウトガス発生量が少ない、特に電子部材用に有用な両面粘着シートが提供される。
本発明の両面粘着シートを示す断面図である。
後で説明する比較例で示されているように、相対的に分子量の低いジエン系高分子化合物(以下、「LPD」と記載することがある)を単独で活性エネルギー線照射により硬化させて剥離剤層を形成させた場合、常態剥離力も熱促進後剥離力(両剥離力についても後で詳細に説明する)もともに極めて高くなる。このようなLPDを相対的に分子量の高いジエン系高分子化合物(以下、「PD」と記載することがある)に少量添加して活性エネルギー線照射して硬化させることにより剥離剤層を形成させると、意外にもPDを単独で使用した場合より、剥離力を低下させることができることがわかった。
これは、PDを単独で使用した場合よりLPDを少量添加して使用した場合の方が、架橋点間距離が増加することにより表面の弾性が低下して剥離力が低下するもの、詳細に言えば、PD−PD間の架橋にLPDが関与することで、架橋形態はPD−LPD−PDとなり、LPD分だけ架橋点間距離が増加することで弾性率が低下し、剥離力が減少するものと推定される。
本発明はこのような知見に基づいている。
まず、本発明の両面粘着シートに積層される第1剥離シートおよび第2剥離シートについて説明する。
第1剥離シートに第1剥離剤層を形成させるには重量平均分子量(以下、Mw)30万〜120万のジエン系高分子化合物(PD)100質量部に対し、Mw1000〜10万のジエン系高分子化合物(LPD)2〜50質量部が添加された剥離剤用組成物(以下、PD+LPDと記載する)が用いられる。PDのMwは好ましくは40万〜100万、LPDのMwは好ましくは5000〜6万である。第2剥離シートに第2剥離剤層を形成させるにはPDが用いられる。
PDのMwを30万以上とすることにより、PD+LPDまたはPDから第1または第2剥離剤層を形成させるために行なう活性エネルギー線照射による硬化が十分行われる。120万以下とすることにより、PD+LPDまたはPDの溶媒に対する溶解性が確保されコーティングに適した剥離剤溶液を調製することができる。
LPDのMwを1000以上とすることにより、活性エネルギー線照射による十分な硬化により粘着剤層への未硬化物の移行を抑制し、粘着性能が低下するのを抑制することができる。LPDの重量平均分子量を10万以下とすることにより、PDのMwの下限値30万との差が小さくなり、添加による剥離力低下効果が得られなくなるのを防止する。
PDおよびLPDとしては、いずれもポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ホモポリマーやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などのジエン系コポリマー等が挙げられるが、特にポリブタジエン、ポリイソプレンが好適に用いられる。
中でも剥離力を低下させるという観点から、ポリブタジエンが好ましく、より具体的には1,4−ポリブタジエンが好ましく、1,4−ポリブタジエンとしては、シス構造、トランス構造の何れでも良く、任意のシス構造含有量のものを使用することができる。
なお、本発明におけるMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算のMwである。
第1剥離シートに第1剥離剤層を形成させるためのPD+LPDにおいては、PDの100質量部に対してLPDを2〜50質量部、好ましくは3〜30質量部添加する。
LPDの添加量を2質量部以上とすることにより、架橋点間距離の増加が達成され、結果として剥離力を低下させる効果が得られる。LPDの添加量を50質量部以下とすることにより、活性エネルギー線照射による硬化が不十分になるのを防止することができる。
本発明において、PD+LPDまたはPDには酸化防止剤を含有させてもよい。
酸化防止剤としては、特に制限はなく、各種公知のホスファイト系酸化防止剤、有機イオウ系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の何れもが使用可能である。
これらの酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、ジエン系高分子化合物の劣化による重剥離化を抑制するという観点からは、PD+LPDまたはPD100質量部に対して0.01質量部以上含有させることが好ましく、剥離剤と剥離シート基材との密着性を充分に保つという観点からは、PD+LPDまたはPD100質量部に対して10質量部以下が好ましい。さらに好ましくは、0.05〜5質量部の範囲である。
本発明におけるPD+LPDまたはPDには酸化防止剤とともに、必要に応じて帯電防止剤、光開始剤、可塑剤、安定剤のようなその他の成分を添加することができる。
次に、第1剥離シートおよび第2剥離シートに用いられる第1または第2剥離シート基材について説明する。
第1または第2剥離シート基材は、それぞれ前記第1または第2剥離剤層を支持する機能を有しており、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、グラシン紙、上質紙、コート紙、含浸紙、合成紙等の紙等で構成されている。
材料管理の観点からは、第1または第2剥離シート基材は、第1剥離シート、第2剥離シートにおいて同種のものを使用するのが通常は好ましい。
第1または第2剥離シート基材としてプラスチックフィルムを用いる場合には、プラスチックフィルムと剥離剤層との密着性を向上させるなどの目的で、所望により、該プラスチックフィルムの剥離剤層が設けられる側の面に、酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶媒処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が、効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、プライマー処理を施すこともできる。
第1または第2剥離シート基材の平均厚さは、いずれにおいても特に限定されないが、10〜200μmであるのが好ましく、15〜100μmであるのがより好ましい。
第1または第2剥離シート基材の面に、それぞれ第1または第2剥離剤層を形成させるには、前記PD+LPDまたはPDを有機溶媒に溶解した溶液(以下、剥離剤溶液と称する)を前記第1または第2剥離シート基材上に塗工し、必要に応じて乾燥処理を行ない、活性エネルギー線を照射して架橋させることにより行なうことができる。
有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。剥離剤溶液は、塗工の利便さから、これらの有機溶媒を使用して、固形分が0.1〜10質量%の範囲になるように調製するのが好ましく、より好ましくは、0.3〜5質量%の範囲である。
剥離剤溶液の塗工量は、所定の剥離力(特に、第1剥離シートにおける軽剥離)を得るためには、厚さとして0.01μm以上が好ましく、かつ、ブロッキングを起こさないようにするためには、1μm以下が好ましく、特に0.02〜0.8μmの範囲が好ましい。
剥離剤溶液の前記第1または第2剥離基材シート上への塗工は、例えばバーコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、グラビアコート法、エアドクターコート法、ドクターブレードコート法など、従来公知の塗工方法により行なうことができる。
活性エネルギー線としては紫外線や電子線が代表的なものであり、例えば、紫外線照射の場合、使用する紫外線ランプとしては、従来公知の高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、無電極ランプなどが使用できるが、ジエン系高分子化合物の架橋性の点で無電極ランプが適している。
紫外線照射の場合、その照射量は、第1または第2剥離シート基材と第1または第2剥離剤層との高い密着性を得るという観点からは、光量として10mJ/cm2以上が好ましく、1000mJ/cm2以下が好ましい。さらに好ましくは、紫外線照射量は70〜500mJ/cm2の範囲、特に100〜300mJ/cm2の範囲が好ましい。紫外線照射によるジエン系高分子化合物(PDまたはPD+LPD)の架橋の場合は、光増感剤を剥離剤溶液に添加して用いると、さらに効率良く行なうことができる。
光増感剤の具体例としては、ベンゾフェノン、p,p´−ジメトキシベンゾフェノン、p,p´−ジクロルベンゾフェノン、p,p´−ジメチルベンゾフェノン、アセトフェノン、アセトナフトンなどの芳香族ケトン類が良い結果を与え、そのほか、テレフタルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド、メチルアントラキノンなどのキノン系芳香族化合物も使用することができる。光増感剤の添加量はジエン系高分子化合物100質量部に対して通常0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
第1または第2剥離シートにおいては、第1または第2剥離シート基材と第1または第2剥離剤層との間に、必要に応じて、アンダーコート層を介在させることができる。アンダーコート層を介在させることにより、第1または第2剥離シート基材と第1または第2剥離剤層との密着性と安定した剥離力を得ることができるという利点がある。アンダーコート層を形成させるための材料としては弾性体が挙げられる(以下、アンダーコート層のことを「弾性体層」と記載することもある)。弾性体としては、天然ゴムなどの天然樹脂、ポリウレタン系、エチレン酢酸ビニル共重合休、ポリオレフィン系等の合成樹脂、或いは、合成ゴム、例えば、スチレンブタジエン系、ブチル系、エチレン・プロピレン系、アクリル系のゴム等の材料から形成される弾性体が使用可能であるが、剥離剤溶液を調製するために使用する有機溶媒に対しての耐溶剤性を有し、優れたゴム弾性を有することから、特にポリウレタンエラストマーや変性ポリウレタンエラストマーなどのポリウレタン系の合成樹脂が好ましい。
弾性体層は、上記のような材料を有機溶媒に溶解させたアンダーコート液を剥離シート基材上に塗工、乾燥させることにより形成させることができる。さらに必要に応じて、塗工、乾燥後に活性エネルギー線を照射をすることにより耐溶剤性の向上、弾性体層と基材との密着性を向上させることができる。弾性体層を介在させる場合、その中にも必要に応じて酸化防止剤や光増感剤等を配合することができる。
アンダーコート液を調製するために用いられる有機溶媒としては、アンダーコート層を形成させるための材料に対する溶解性が良好な公知の溶媒の中から適宜選択して用いることができる。このような溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーコート液は、塗工の利便さから、これらの有機溶媒を使用して、固形分が0.1〜15質量%程度、好ましくは0.5〜5質量%の範囲になるように調整する。アンダーコート液の前記剥離シート基材上への塗工は、例えばバーコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、グラビアコート法、エアドクターコート法、ドクターブレードコート法など、従来公知の塗工方法により行なうことができる。
アンダーコート液を前記第1または第2剥離シート基材上へ塗工し、40〜160℃程度の温度で30秒〜2分間程度の時間加熱して乾燥させることにより、アンダーコート層が形成される。アンダーコート液の塗工量は、アンダーコート層を設けることによる効果である経時剥離安定性を得るには、厚さとして、0.01μm以上が好ましい。ブロッキングを起こさず、且つ経済的、効率的な厚さとして、5μm以下が好ましく、特に0.1〜1μmの範囲が好ましい。
必要に応じてアンダーコート層が形成された第1または第2剥離シート基材のアンダーコート層上に前記剥離剤溶液を塗布、乾燥した後、照射される活性エネルギー線としては紫外線や電子線が代表的なものであり、例えば、紫外線照射の場合、使用する紫外線ランプとしては、従来公知の高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、無電極ランプなどが使用できるが、ジエン系高分子化合物の架橋性の点で無電極ランプが適している。
紫外線照射の場合、その照射量は、第1または第2剥離シート基材と第1または第2剥離剤層との高い密着性を得るという観点からは、光量として10mJ/cm2以上が好ましく、1000mJ/cm2以下が好ましい。さらに好ましくは、紫外線照射量は70〜500mJ/cm2の範囲、特に100〜300mJ/cm2の範囲が好ましい。紫外線照射によるジエン系高分子化合物(PDまたはPD+LPD)の架橋の場合は、光増感剤を剥離剤溶液に添加して用いると、さらに効率良く行なうことができる。
光増感剤の具体例としては、ベンゾフェノン、p,p´−ジメトキシベンゾフェノン、p,p´−ジクロルベンゾフェノン、p,p´−ジメチルベンゾフェノン、アセトフェノン、アセトナフトンなどの芳香族ケトン類が良い結果を与え、そのほか、テレフタルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド、メチルアントラキノンなどのキノン系芳香族化合物も使用することができる。光増感剤の添加量はジエン系高分子化合物100質量部に対して通常0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
第1または第2剥離シートにおける第1または第2剥離剤層は、前記のように実質的にシリコーン化合物を含まない材料で構成されている。これにより、本発明の両面粘着シートでは、第1または第2剥離剤層から両面粘着シートの粘着剤層にシリコーン化合物が移行することはない。その結果、粘着剤層を被着体に貼着した後、粘着剤層からシリコーン化合物が放出されることはない。したがって、被着体がリレー等の電子機器等であっても、粘着剤層は、かかる被着体に悪影響を与えにくい。
上記のようにして得られた第1または第2剥離シートは後で述べる粘着剤層に対する剥離力が一定の関係を満たすように調整されている。粘着剤層に対する第1剥離シートと第2剥離シートの剥離力の関係については以下に詳しく説明する。
図1に示されているように、第1剥離シート1は第1剥離シート基材12と、第1剥離剤層11とで構成されている。第1剥離シート1は、その粘着剤層3に対する剥離力が、第2剥離シート2の粘着剤層3に対する剥離力よりも所定量小さいものとなっている。
図1に示されているように、第2剥離シート2は第2剥離シート基材22と、第2剥離剤層21とで構成されている。第2剥離シート2は、その粘着剤層3に対する剥離力が、前述した第1剥離シート1の粘着剤層3に対する剥離力よりも所定量大きいものとなっている。
本発明の両面粘着シートにおいては、第1剥離シートの粘着剤層に対する剥離力をX、第2剥離シートの同粘着剤層に対する剥離力をYとしたとき、Y−X≧30、Y≦400〔XおよびYの単位はmN/20mm〕の関係を満たす必要がある。
これにより、粘着剤層3から第1剥離シート1を良好に剥離することができるとともに、粘着剤層3から第1剥離シート1を剥離する際には、粘着剤層3から第2剥離シート2が不本意に剥離されるのを効果的に防止し、また、第1剥離シートを剥離する際、本来第2剥離シート上に残存すべき粘着剤層の一部が第1剥離シートに追従して第2剥離シート上から第1剥離シートに付着してしまう現象を効果的に防止することができる。
Y−Xは好ましくは30〜200である。Xは30〜300が好ましく、40〜200がより好ましい。このような範囲とすることにより、第2剥離シートが剥離されることなく、最初に第1剥離シートのみを粘着剤層から容易に剥離することができる。
Yは60〜400が好ましく、より好ましくは80〜300である。このような範囲とすることにより、第1剥離シートを剥離する際、第2剥離シートが粘着剤層から剥離するのを防止することができる。
また、本発明の両面粘着シートは、70℃環境下で168時間放置した後、23℃、50%RHで24時間放置時の、前記第1剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をX'、前記第2剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をY'としたとき、Y'−X'≧30、Y'≦600〔X'およびY'の単位はmN/20mm〕の関係を満たすことが好ましい。
Y'−X'は好ましくは40〜300である。
X´は40〜350が好ましく、50〜250がより好ましい。
Y´は70〜500が好ましく、より好ましくは80〜400である。
次に、両面粘着シートについて説明する。
図1における本発明の両面粘着シートはひとつの実施態様を説明するもので、粘着シート基材を有さず、粘着剤層3の両面に前記第1および第2剥離シートの第1および第2剥離剤層が積層されている。
本発明の両面粘着シートに粘着剤層を形成させるために用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤等非シリコーン系の粘着剤であれば制限なく用いることができるが、アクリル系のものが好ましい。粘着剤の形態としては、溶剤型、エマルション型のものが挙げられる。
アクリル系の粘着剤の中でも、発生ガス量を少なくするという観点から(メタ)アクリル酸のようなカルボキシル基を有する単量体に由来する構造単位を含まないアクリル系共重合体を用いることが好ましい。
粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、粘着性を与える主モノマー成分、接着性や凝集力を与えるコモノマー成分、架橋点や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体から構成することができる。主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メトキシエチル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。コモノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリル酸グリシジル、N−ビニルモルフォリン、N−アリルモルフォリン、N−(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。これらの各成分を含むことにより、粘着剤層の凝集力、粘着力が向上する。
また、このようなアクリル系樹脂は、通常、分子中に不飽和結合を有していないため、光や酸素に対する安定性の向上を図ることができる。さらに、モノマーの種類や分子量を適宜選択することにより、用途に応じた品質、特性を備える粘着剤組成物を得ることができる。このような粘着剤組成物には、架橋処理を施す架橋型および架橋処理を施さない非架橋型のいずれのものを用いてもよいが、架橋型のものがより好ましい。架橋型のものを用いる場合、凝集力のより優れた粘着剤層を形成することができる。架橋型粘着剤組成物に用いる架橋剤としては、イソシアナート化合物、エポキシ系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物等が挙げられる。
粘着剤層は、上記粘着剤を有機溶媒に溶解させた粘着剤溶液を調製し、これを前記第1または第2剥離シートの第1または第2剥離剤層上に塗工することにより形成させることができる。
粘着剤溶液を調製するために用いられる有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられる。
粘着剤溶液の濃度は塗工の利便さから、これらの有機溶媒を使用して、固形分が5〜60質量%程度の範囲になるように調整する。粘着剤溶液の粘着シート基材への塗工は、例えばバーコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、グラビアコート法、エアドクターコート法、ドクターブレードコート法など、従来公知の塗工方法により行なうことができる。
粘着剤溶液を前記第1または第2剥離シートの第1または第2剥離剤層に塗工して、40〜160℃程度、好ましくは90〜120℃程度の温度で、30秒〜5分間程度、好ましくは30秒〜2分間程度の時間加熱して乾燥させることにより、粘着剤層が形成される。この粘着剤層に第2または第1剥離シートの第2または第1剥離剤層を積層することにより図1に見られる両面粘着シートが得られる。
尚、粘着剤溶液を最初に第2剥離剤層上に塗工することにより粘着剤層を形成させる方が好ましい。
その理由は、第1剥離剤層に粘着剤層を形成させると粘着剤層を乾燥させる際に第1剥離剤層と粘着剤層の密着性が高くなり、剥離力Xが増大するため、剥離力Yとの差が小さくなるからである
粘着剤溶液の塗工量は、粘着剤層の厚さが5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度となるように調整することが好ましい。
また、本発明に用いられる粘着剤中には、必要に応じて可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
上述したような粘着剤層は、120℃で30分間加熱した際に発生するガス量が、n−デカン換算で1.0μg/cm2以下であるのが好ましい。より好ましくは、0.5μg/cm2以下である。これにより、ハードディスク等の電子部材内部が使用によって高温となった際に発生するガスによって、電子部材が誤作動するのを効果的に防止することができる。
なお、図1には示していないが粘着剤層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、グラシン紙、上質紙、コート紙、含浸紙、合成紙等の紙等で構成されている粘着シート基材の両面に粘着剤層が設けられたものも含むものである。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制約されるものではない。
[実施例1]
<第1剥離シートの作製>
剥離シート基材である厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔三菱ポリエステルフィルム製:T100〕上に、アンダーコート層としてポリウレタン溶液〔大日本インキ化学工業製:クリスボン5150S、固形分50質量%溶液、溶媒メチルエチルケトン〕100質量部、イソシアナート架橋剤〔東洋インキ社製:BHS8515、固形分37.5質量%溶液、溶媒メチルエチルケトン〕5質量部をメチルエチルケトン溶液にて固形分1質量%に希釈し、乾燥後の膜厚が0.15μmとなるように塗布し100℃で1分間乾燥させ形成させた。
次に、PDとしてBR−01(JSR社製の1,4-ポリブタジエン、Mw:500000、固形分5質量%溶液、溶媒トルエン、表1中ではPB1と記載)の100質量部とLPDとしてLBR−305 (クラレ社製の1,4-ポリブタジエン、Mw:26000、固形分5質量%溶液、溶媒トルエン、表1中ではLPB1と記載)の10質量部および1質量部の酸化防止剤〔チバスペシャルティケミカルズ(株)製:IRGANOX HP2251(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)〕からなる混合物をトルエンにて固形分が0.5質量%になるように希釈した剥離剤溶液を調製し、前記アンダーコート層の上に乾燥後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、100℃で30秒間乾燥させた。
次いで、フュージョンHバルブ240W/cm21灯付きベルトコンベヤー式紫外線照射装置により、コンベヤー速度40m/分の条件(紫外線照射条件:100mJ/cm2)にて、剥離剤溶液塗布層に紫外線照射を行い、硬化させて第1剥離剤層を有する第1剥離シートを作製した。
<第2剥離シートの作製>
LBR−305を使用せずに剥離剤溶液を調製した以外は第1剥離シートの作製と同様にして第2剥離剤層を有する第2剥離シートを作製した。
<粘着剤溶液の調製>
アクリル酸ブチル83.8質量部、アクリル酸メチル2.0質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.2質量部、N-アクリロイルモルフォリン14.0質量部を反応器に入れ、攪拌しながら80℃〜90℃に昇温して重合反応を行い、さらにトルエン10質量部にアゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を溶解させた重合触媒液を逐次添加しながら7時間かけて重合させた。反応終了後に希釈溶剤(トルエンと酢酸エチルの等量からなる混合溶媒)を追加することによりアクリル系共重合体の40質量%溶液を製造した。
このアクリル系共重合体溶液100質量部(固形分として40質量部)にトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート系架橋剤〔東洋インキ製造社製、BXX5640、固形分として35.0質量%〕2質量部を配合し、粘着剤溶液(固形分39.9質量%)を調製した。
<両面粘着シートの作製>
前記のように作製した第2剥離シートの第2剥離剤層上に上記粘着剤溶液を乾燥後の膜厚が約25μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、120℃で1分間加熱して乾燥させ、粘着剤層を形成させた。次いで、前記のように作製した第1剥離シートの第1剥離剤層と粘着剤層とが接するように貼合し、両面粘着シートを得た。
[実施例2〜6]
上記実施例1および以下の各実施例および各比較例で作製した各剥離シートにおける、各剥離剤層の構成材料およびその配合比を表1にまとめて記載した。
実施例2以下で使用された表1に記載の材料は以下の通りである。
LPB2はクラレ社製の1,4-ポリブタジエン(LBR−307、Mw:8000、固形分5質量%、溶媒トルエン)である。
LPB3はクラレ社製の1,4-ポリブタジエン(LBR−300、Mw:44000、固形分5質量%、溶媒トルエン)である。
PB2はJSR社製の1,4-ポリブタジエン(BR−730、Mw:900000、固形分5質量%溶液、溶媒トルエン)である。
PIはJSR社製のポリイソプレン(IR2200、Mw:400000、固形分5質量%溶液、溶媒トルエン)である。
LPIはクラレ社製のポリイソプレン(LIR-30、Mw:28000、固形分5質量%、溶媒トルエン)である。
[比較例1]
平均厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、シリコーン系剥離剤(表1中ではSiと記載)からなる剥離剤層を形成させた第1剥離シート〔リンテック社製、PET381031〕を用いた以外は実施例1と同様にして比較用の両面粘着シートを作製した。
[比較例2〜5]
表1に示した材料と配合比で第1および第2剥離剤層を作製し、第1および第2剥離シートを作製した以外は実施例1と同様にして両面粘着シートを作製した。
〔試験方法および評価方法〕
<常態剥離力および剥離性>
各実施例および各比較例で作製された両面粘着シート(作製後、23℃、50%RH条件下で168時間放置)について、第1および第2剥離シートの剥離力XおよびYを測定した。
第1剥離シートの剥離力Xの測定は、JIS−Z0237に準拠し、両面粘着シートを巾20mm、長さ200mmの試験片に裁断し、引っ張り試験機(オリエンテック社製、TENSILON UTM−4−100)を用いて、第2剥離シートをステンレス板に固定し、第1剥離シートを300mm/分の速度で180°方向に引っ張ることにより行なった。
また、第2剥離シートの剥離力Yの測定は、JIS−Z0237に準拠し、両面粘着シートを巾20mm、長さ200mmの試験片に裁断し、第1剥離シートを剥離して露出した粘着剤層を、PETフィルム(三菱化学ポリエステル社製、商品名「PET50T−100」)に貼着し、PETフィルムをステンレス板に固定して、第2剥離シートを300mm/分の速度で180°方向に引っ張ることにより行なった。
また、第1剥離シートを剥離した際、露出した粘着剤層の変形、凝集破壊の有無を観察した。無しの場合、第1剥離性は○、有りの場合、第1剥離性は×とした。又、第2剥離シート上に粘着剤層が残存せず、第1剥離シート上へ全面転着したものも×とした(以上「第1剥離性」とする)。
さらに、第2剥離シートを剥離した際、第2剥離シートの剥離剤層上に粘着剤層が残存しているか観察した。無しの場合、第2剥離性は○、有りの場合、第2剥離性は×とした(以上「第2剥離性」とする)。
<熱促進後剥離力>
各実施例および各比較例で作製された両面粘着シートについて、粘着シート作製後23℃、50%RH条件下で168時間放置した後、温度70℃(乾燥状態)条件下に168時間放置後、さらに23℃、50%RH条件下に24時間放置後、常態剥離力試験と同様に各例の第1および第2剥離シートについて剥離力を測定して熱促進後剥離力X´またはY´とし、常態剥離力と同じ基準で評価を行った。
<シリコーン化合物転移量(表1ではSi転移量と記載)>
各例の両面粘着シートから、第1および第2剥離シートを剥離した粘着剤層の粘着面において、下記のX線光電子分光測定装置を用いて表面に存在するSi元素の比率を測定した(測定装置:アルバックファイ社製、「Quantera SXM」)。
なお、本明細書中において、実質的にシリコーン化合物を含まないということは、剥離剤や粘着剤中の、X線光電子分光法により測定されるシリコーン化合物の量が、0.1原子%以下のことをいう。X線光電子分光法の測定条件および測定値の算出は、下記の条件で行った。
X線:AlKα(1486.6eV)
取出し角度:45°
測定元素:ケイ素(Si)及び炭素(C)、シリコーン化合物の量は、S i/(Si+C)の価に100を乗じて算出し、「原子%」で表示する。
<発生ガス量の測定>
第1および第2剥離シートを剥離した粘着剤層を、パージ&トラップ〔日本電子工業社製、製品名「JHS−100A」〕にて120℃で30分間加熱して発生したガスを採取し、次いで、GC−MS装置〔パーキンエルマー社製、製品名「Turbo Mass」〕に導入し、発生するガス量をn−デカン換算量にて算出した。なお、n−デカン換算量は、GC−MS装置により得られる発生ガスの検出強度をn−デカンの検出強度とし、あらかじめ作成したn−デカン検量線より求めた。
以上の結果を表1にまとめて示した。
Figure 2011079958
表1から明らかなように、本発明の両面粘着シートにおける第1および第2剥離シート共に、常態および熱促進後ともに剥離性能に優れるものであった。これに対して、各比較例の剥離シートでは、満足する剥離性能が得られなかった。また、本発明の両面粘着シートは、実質的にシリコーン化合物を含まないのでシリコーン転移がなく、またアウトガスの発生量も少なく、リレー等の電子部材へ悪影響を与えにくいものであった。
100:両面粘着シート
1:第1剥離シート
11:第1剥離剤層
12:第1剥離シート基材
2:第2剥離シート
21:第2剥離剤層
22:第2剥離シート基材
3:粘着剤層

Claims (12)

  1. 粘着剤層の一方の面に第1剥離シート基材の少なくとも片面に第1剥離剤層が設けられた第1剥離シートが貼着され、粘着剤層の他方の面に第2剥離シート基材の少なくとも片面に第2剥離剤層が設けられた第2剥離シートが貼着された両面粘着シートにおいて、
    第1剥離剤層が重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物100質量部に対し、重量平均分子量1000〜10万のジエン系高分子化合物2〜50質量部を添加してなる剥離剤用組成物により形成させてなり、
    第2剥離剤層が重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物により形成させてなることを特徴とする両面粘着シート。
  2. 23℃、50%RH条件下における前記第1剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をX、前記第2剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をYとしたとき、Y−X≧30、Y≦400〔XおよびYの単位はmN/20mm〕の関係を満足し、前記粘着剤層、前記第1剥離剤層および前記第2剥離剤層が、実質的にシリコーン化合物を含まないことを特徴とする請求項1記載の両面粘着シート。
  3. 両面粘着シートを70℃環境下で168時間放置した後、23℃、50%RHで24時間放置時の、前記第1剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をX'、前記第2剥離シートの前記粘着剤層に対する剥離力をY'としたとき、Y'−X'≧30、Y'≦600〔X'およびY'の単位はmN/20mm〕の関係を満足する請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物及び重量平均分子量1000〜10万のジエン系高分子化合物がポリブタジエンまたはポリイソプレンである請求項1〜3に記載の両面粘着シート。
  5. 前記重量平均分子量30万〜120万のジエン系高分子化合物及び重量平均分子量1000〜10万のジエン系高分子化合物が1,4−ポリブタジエンである請求項1〜4に記載の両面粘着シート。
  6. 前記第1剥離剤層および前記第2剥離剤層が酸化防止剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の両面粘着シート。
  7. 前記第1剥離剤層および前記第2剥離剤層がアンダーコート層を介して剥離シート基材に積層されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の両面粘着シート。
  8. アンダーコート層がポリウレタンからなる弾性体である請求項7に記載の両面粘着シート。
  9. 前記粘着剤層がカルボキシル基未含有アクリル系共重合体を架橋剤で架橋してなる粘着剤から形成されたものである請求項1〜8のいずれかに記載の両面粘着シート。
  10. 前記粘着剤層を120℃で30分間加熱した際に発生するガス量が、n−デカン換算で1.0μg/cm2以下である請求項1〜9のいずれかに記載の両面粘着シート。
  11. 電子部材用である請求項1〜10のいずれかに記載の両面粘着シート。
  12. 第1剥離剤層および第2剥離剤層が、それぞれ前記剥離剤用組成物からなる塗膜に活性エネルギー線を照射することにより形成されてなる請求項1〜11のいずれかに記載の両面粘着シート。
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