JP2011079016A - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 前工程であるピアッシング加工時に、加工ノズルのピアッシング加工開始位置における倣い高さのZ軸座標値を記憶し、後工程である切断加工時に、加工ヘッドを切断加工開始位置に移動させる際に、記憶しておいたピアッシング加工開始位置までは早送り速度で加工ヘッドを移動させる。
【選択図】 図6
Description
図1は、この発明を実施するための実施の形態1におけるレーザ加工装置の全体構成を示す図である。図1において、レーザ加工装置は、レーザビームをワーク101へ照射する加工ヘッド6、ハイトセンサ11の機能を有し加工ヘッド6の先端に取り付けられている加工ノズル5、加工ヘッド6をZ軸方向に移動するZ軸駆動部7、Z軸駆動部7をY軸方向に移動するY軸駆動部8、そしてワーク101を支える加工テーブル13をX軸方向に移動するX軸駆動部9、から成る加工機本体1と、レーザビームを出射するレーザ発振器2と、加工機本体1およびレーザ発振器2を制御するとともに記憶部12を備えたNC制御部3と、オペレータからの入力を受け付ける操作部4と、を備えている。
なお、図1においては、加工ヘッド6がY軸方向に移動し、加工テーブルがX軸に移動するレーザ加工装置を例に説明したが、加工ヘッドはZ軸のみ移動し、加工テーブルがXY方向に移動する光走査型のレーザ加工装置でもよく、加工ヘッドと加工テーブルが相対的にXYZ方向に移動すればよい。
図2に示したように、オペレータはタッチパネルやキーボードなどの入力手段を備えた操作部4を通して、レーザ出力、加工速度、倣い制御実行時のワーク上面から加工ノズル5先端までの高さ(=倣い高さ)などレーザ加工に必要なパラメータである加工条件や、各軸の移動指令、レーザビームのON/OFF指令、倣い制御の実行指令などを含んだ加工プログラムを、NC制御部3に入力する。NC制御部3にこれらの加工条件や加工プログラムが入力されると、NC制御部3はそれらを記憶部12に記憶し、蓄積する。レーザ加工を行う際には、オペレータはこれらの蓄積された加工条件や加工プログラムの中からワーク101の材質や厚み、加工形状に適したものを選択し、レーザ加工を開始する。レーザ加工が開始されると、NC制御部3はその加工プログラムの内容を判断し、各軸駆動部(7、8、9等)やレーザ発振器2などへ対応する指令を出力する。例えば、X軸の移動指令が入力された場合には、NC制御部3はX軸駆動部9へ移動命令を出力する。このようにX軸方向にX軸駆動部9にて加工テーブル13を移動し、Y軸方向にY軸駆動部9にて加工ヘッド6を移動することによって、ワーク101上の所望の2次元位置へ加工ヘッド6を位置決めすることができる。
これらの倣い高さの関係は焦点距離に関係しており、焦点距離は、切断溝、切断面粗さ、ドロスの付着状態、切断速度などほぼすべての加工性能に影響する。一般的に、ピアッシング加工時と切断加工時における最適な焦点距離は異なり、多くの場合、ピアッシング加工時よりも切断加工時の方が数ミリ程度低く設定される。焦点距離をワーク上面に近づけた方が、切断幅が狭く周囲への熱影響も少なく精度の良い加工ができるので、切断加工に適している。一方、ピアッシング可能の場合、穴開け時間短縮のため加工穴径を広げてレーザ出力を一気に上げて加工するため、焦点距離を切断加工時より上方に設定する。これらの倣い高さは、加工条件としてそれぞれNC記憶部12に設定される。これら加工ノズル5の先端位置を、それぞれピアッシング加工開始位置、切断加工開始位置と呼ぶことにする。
まず、前工程であるピアッシング加工時のフローを、図4、図5を用いて説明する。図4は、前工程の制御フローのフローチャートであり、図5は、複数の加工形状111から114をレーザ加工する加工プログラムを用い、図4のフローを実施した場合の加工ヘッド6の移動の様子を示した図である。
なお、このときの加工ヘッドの移動は、図5における、S→Sxへの移動となり、早送り速度での移動となるので、破線矢印で示してある。
なお、このときの加工ヘッドの移動は、図5における、Sx→P1xへの移動となり、早送り速度での移動となるので、破線矢印で示してある。
なお、このときの加工ヘッドの移動は、図5における、P1x→P1’への移動となり、倣い速度での移動となるので、一点鎖線矢印で示してある。
このようにピアッシング加工位置P1からP4までのすべての加工形状に対してこの処理を繰り返し、P1’、P2’、P3’、P4’の各倣い高さのZ軸座標値を記憶する。ピアッシング加工が全て終了した場合、前工程は完了となる。
なお、このときの加工ヘッドの移動は、図7(a)における、P4’→P4xへの移動となり、早送り速度での移動となるので、破線矢印で示してある。
なお、このときの加工ヘッドの移動は、図7(a)における、P4x→P1xへの移動となり、早送り速度での移動となるので、破線矢印で示してある。
なお、このときの加工ヘッドの移動は、図7(a)および(b)における、P1x→P1’への移動となり、早送り速度での移動となるので、破線矢印で示してある。
なお、このときの加工ヘッドの移動は、図7(a)および(b)における、P1’→P1”への移動となり、倣い速度での移動となるので、一点鎖線矢印で示してある。
このように切断加工位置P1からP4までのすべての加工形状に対してこの処理を繰り返す。切断加工が全て終了した場合、後工程は完了となる。
実施の形態1においては、ピアッシング加工時にピアッシング加工開始位置の倣い高さを記憶し、切断加工時に加工ヘッドを記憶しておいた倣い高さまで早送り速度で移動し、切断加工開始位置までを倣い制御で移動させるものであった。
本実施の形態におけるレーザ加工装置の構成は、実施の形態1の図1、図2と同様であるが、制御フローが相違する。前工程となるピアッシング加工時の制御フローは実施の形態1と同様に、ピアッシング加工開始位置の倣い高さ(Z軸座標値)を記憶する。一方、後工程となる切断加工時には、記憶された倣い高さ(Z軸座標値)を用いてZ軸退避位置から切断加工開始位置まで早送り速度で位置決めするものである。
図8は、後工程の制御フローのフローチャートであり、図9は、複数の加工形状111から114をレーザ加工する加工プログラムを用い、図8のフローを実施した場合の加工ヘッド6の移動の様子を示した図である。図9の記号や矢印は、実施の形態1における図5、図7と同様である。また、以下の各ステップ番号S21からS26は、図8のステップ番号に対応している。
目標座標値Z=L+(N−M)
なお、NC制御部3にこの計算処理をさせるタイミングは、ステップS22の後である必要はなく、後工程の加工が開始された際、すなわちステップS21の前に、切断加工位置P1”からP4”すべてに対して計算処理を実行しておいてもよい。
なお、このときの加工ヘッドの移動は、図7(a)および(b)における、P1x→P1”への移動となり、早送り速度での移動となるので、破線矢印で示してある。
実施の形態1および2においては、ピアッシング加工開始位置の倣い高さが、切断加工開始位置の倣い高さよりも高い場合にて説明した。上述したように、ピアッシング加工開始位置の方が高いのが一般的だからである。しかし、逆にピアッシング加工開始位置の方が低い場合でも、本願発明を適用することは可能である。
2 レーザ発振器
3 NC制御部
4 操作部
5 加工ノズル
6 加工ヘッド
7 Z軸駆動部
8 Y軸駆動部
9 X軸駆動部
10 倣い制御部
11 ハイトセンサ
12 NC記憶部
13 加工テーブル
101 ワーク
111〜112 加工形状
Claims (8)
- レーザ光を出力するレーザ発振器と、
前記レーザ発振器から出力されるレーザ光をワークに照射する加工ヘッドと、
前記加工ヘッドとワークとのXYZ3軸方向の相対位置を変化するXYZ各軸駆動部と、
前記加工ヘッドの先端に設けられワークと加工ヘッドとの距離を測定するセンサと、
前記センサの測定値に基づき前記加工ヘッドとワークとのZ軸方向の相対位置を所望の位置に制御する倣い制御部と、
前記レーザ発振器、前記XYZ各軸駆動部、および前記倣い制御部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
ピアッシング加工時に、前記Z軸駆動部により前記加工ヘッドとワークとの相対距離を所定の値に変化させる際に、前記倣い制御部により倣い動作を実施すると共に、前記加工ヘッドが所定の位置に到達したとき前記加工ヘッドの位置を記憶し、
切断加工時に、前記記憶した加工ヘッドの位置に、前記Z軸駆動部により倣い制御をせずに前記加工ヘッドを移動させるものである、
レーザ加工装置。 - 前記制御部は、
切断加工時に、前記記憶した位置に前記加工ヘッドを移動させた後、更に前記Z軸駆動部により前記加工ヘッドとワークとの相対距離を所定の値に変化させる際に、前記倣い制御部により倣い動作を実施し前記加工ヘッドとワークとの相対距離を所定の値に変化させるものである、
請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記制御部は、
ピアッシング加工開始位置の倣い高さ設定値をN、切断加工開始位置の倣い高さ設定値をM、前記記憶した加工ヘッドの位置をLとした場合、L+(N−M)を演算し、
前記切断加工時に、加工ヘッドを前記記憶した高さまで移動させた後、更に前記Z軸駆動部により前記演算した結果得られる高さまで倣い制御をせずに加工ヘッドを移動させるものである、
請求項1に記載のレーザ加工装置。 - レーザ光を出力するレーザ発振器と、
前記レーザ発振器から出力されるレーザ光をワークに照射する加工ヘッドと、
前記加工ヘッドとワークとのXYZ3軸方向の相対位置を変化するXYZ各軸駆動部と、
前記加工ヘッドの先端に設けられワークと加工ヘッドとの距離を測定するセンサと、
前記センサの測定値に基づき前記加工ヘッドとワークとのZ軸方向の相対位置を所望の位置に制御する倣い制御部と、
前記レーザ発振器、前記XYZ各軸駆動部、および前記倣い制御部の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
ピアッシング加工時に、前記Z軸駆動部により前記加工ヘッドとワークとの相対距離を所定の値に変化させる際に、前記倣い制御部により倣い動作を実施すると共に、前記加工ヘッドが所定の位置に到達したとき前記加工ヘッドの位置を記憶し、
ピアッシング加工開始位置の倣い高さ設定値をN、切断加工開始位置の倣い高さ設定値をM、前記記憶した加工ヘッドの位置をLとした場合、L+(N−M)を演算し、
切断加工時に、前記Z軸駆動部により前記演算した結果得られる高さまで倣い制御をせずに加工ヘッドを移動させるものである、
レーザ加工装置。 - 複数のピアッシング加工を切断加工よりも先に行うレーザ加工方法において、
ピアッシング加工時に、
倣い制御によってピアッシング加工の開始位置へ加工ヘッドを移動する工程と、
加工ヘッドがピアッシング開始位置に移動完了したときの加工ヘッドの高さを記憶する工程と、
切断加工時に、
前記記憶した高さまで加工ヘッドを倣い制御をせずに移動する工程と、
を備えたレーザ加工方法。 - 前記切断加工時において、
加工ヘッドを前記記憶した高さまで移動させた後、更に倣い制御によって切断加工の開始位置へ加工ヘッドを移動する工程と、
を備えた請求項5に記載のレーザ加工方法。 - ピアッシング加工開始位置の倣い高さ設定値をN、切断加工開始位置の倣い高さ設定値をM、前記記憶した高さをLとした場合、L+(N−M)を演算する工程と、
前記切断加工時において、
加工ヘッドを前記記憶した高さまで移動させた後、更に前記演算した結果得られる高さまで倣い制御をせずに加工ヘッドを移動する工程と、
を備えた請求項6に記載のレーザ加工方法。 - 複数のピアッシング加工を切断加工よりも先に行うレーザ加工方法において、
ピアッシング加工時に、
倣い制御によってピアッシング加工の開始位置へ加工ヘッドを移動する工程と、
加工ヘッドがピアッシング開始位置に移動完了したときの加工ヘッドの高さを記憶する工程と、
ピアッシング加工開始位置の倣い高さ設定値をN、切断加工開始位置の倣い高さ設定値をM、前記記憶した高さをLとした場合、L+(N−M)を演算する工程と、
切断加工時において、
前記演算した結果得られる高さまで倣い制御をせずに加工ヘッドを移動する工程と、
を備えたレーザ加工方法。
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