JP2011078233A - 電機子鉄心 - Google Patents

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Masashi Fujita
真史 藤田
Tadashi Tokumasu
正 徳増
Yoshihiro Taniyama
賀浩 谷山
Yasuo Kahata
安雄 加幡
Masanori Shin
政憲 新
Mikio Kakiuchi
幹雄 垣内
Ken Nagakura
謙 長倉
Takashi Ueda
隆司 上田
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Abstract


【課題】鉄心材料を変更することなく、鉄心板面に垂直に入射する磁束によって発生する渦電流損失を減少させることにある。
【解決手段】ティース部4が等間隔を存して設けられた複数の電磁鋼板を積層して構成された鉄心部3と、ティース部相互間に形成されるスロット部5に収納された電機子巻線8とを備えた電機子鉄心において、鉄心部3を構成する電磁鋼板の周囲に、複数の連続した凹凸部13を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、ティース部が等間隔を存して設けられた複数の電磁鋼板を積層してなる鉄心部と、ティース部相互間に存するスロット部に収納された電機子巻線とを備え、前記鉄心部の板面に垂直に入射する磁束によって発生する渦電流損失を減少させ得る構造とした電機子鉄心に関する。
従来、例えば回転電機の電機子鉄心としては、図16に示すような構造のものがある。
図16に示すように、電機子鉄心1は、図示しない回転子の軸方向に適宜の間隔を存し、且つ相互間に通風ダクト部2を介して配置された複数の鉄心部3を備えている。
この鉄心部3は、図17に示すように電磁鋼板からなる概略扇形の抜き板9を所定枚数環状に配置するとともに、図示しない回転子の軸方向に所定数積層して構成したものである。また、抜き板9には図示するように複数のティース部4と各ティース部4相互間にスロット部5が形成されている。
一方、通風ダクト部2は、各鉄心部3の相互間に鉄鋼材料からなる内側間隔片6を挿入して構成されている。
また、電機子鉄心1は、図18に示すように各鉄心部3のスロット部5に電機子巻線8が挿入され、スロット部5の開口部に打込まれた楔11により鉄心部3に固定されている。
この場合、電機子巻線8は、絶縁物12で被覆された上コイル8aと下コイル8bとから構成され、上コイル8aはスロット開口部側、下コイル8bはスロット底部7側に配置されている。
このような構造の電機子鉄心を備えた回転電機において、運転中に回転子の作る磁束や電機子巻線によるもれ磁束が通風ダクト部や鉄心端部で抜き板の積層方向から抜き板面に垂直に入射する場合がある。このように抜き板面に磁束が垂直に入射すると、抜き板の面内に渦電流を誘導し、渦電流損失を発生する。このため、抜き板の局所的な温度上昇を生じたり、効率が低下したりすることなどの欠点があった。
そこで、この対策としては、鉄心端部の抜き板のみを方向性の磁気特性を有するものとし、残りの鉄心部は無方向性の磁気特性を有するものとすることで、鉄心端部のティース部分の磁気抵抗を小さくして、垂直に入射する磁束を低減することが提案それている(特許文献1)。
また、鉄心端部の抜き板を高グレード材に変更したり、鉄−アルミ合金などの材料に変更したりすることが提案されている(特許文献2、特許文献3)。
特開2006−074880号公報 米国特許US6803693B2 米国公開特許US2005/0046300A1
しかしながら、特許文献1による方法では、大容量の回転電機などでは固定子鉄心全体に方向性の抜き板を用いることがあるため、この方法による渦電流損失の低減を行うことができないという課題があった。
また、特許文献2,3による方法では、複数の材料を用意する必要があるため、材料費が嵩むという課題があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、鉄心材料を変更することなく、鉄心板面に垂直に入射する磁束によって発生する渦電流損失を減少させることができる電機子鉄心を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、次のような構成とするものである。
(1)ティース部が等間隔を存して設けられた複数の電磁鋼板を積層して構成された鉄心部と、前記ティース部相互間に形成されるスロット部に収納された電機子巻線とを備えた電機子鉄心において、前記鉄心部を構成する電磁鋼板の積層方向両端部のティース部に、その先端から前記スロット底部方向に伸びるスリットを設け、このスリットの形状は、複数の連続した凹凸部を設けて形成されている。
(2)ティース部が等間隔を存して設けられた複数の電磁鋼板を積層して構成された鉄心部と、前記ティース部相互間に形成されるスロット部に収納された電機子巻線とを備えた電機子鉄心において、前記鉄心部を構成する電磁鋼板の周囲に、複数の連続した凹凸部を設ける。
(3)ティース部が等間隔を存して設けられた複数の電磁鋼板を積層して構成された鉄心部と、前記ティース部相互間に形成されるスロット部に収納された電機子巻線とを備えた電機子鉄心において、前記鉄心部を構成する電磁鋼板の周囲を部分的に電気抵抗が高くなるように複数の連続した凹凸状に変質させる。
本発明による電機子鉄心によれば、鉄心材料を変更することなく、鉄心板面に垂直に入射する磁束によって発生する渦電流損失を減少させることができる。
本発明による電機子鉄心の第1の実施形態における鉄心部を示す径方向断面図。 同実施形態において、凹凸部を設けたティース部を示す拡大斜視図。 同実施形態において、ギャップ長に対する凹部幅の割合(%)と必要起磁力の増分(%)との関係を示すグラフ。 同実施形態において、3次元数値計算による抜き板面に垂直に入射する磁束によってティース部に生じる渦電流損失の例を示すグラフ。 第1の実施形態の変形例を示す鉄心部の径方向断面図。 本発明による電機子鉄心の第2の実施形態における端部を示すもので、(a)は径方向断面図、(b)は軸方向断面図。 図6に示すティース部を拡大して示す斜視図。 第2の実施形態の変形例を示す鉄心部の径方向断面図。 本発明による電機子鉄心の第3の実施形態における端部を示す径方向断面図。 第3の実施形態の変形例を示すティース部相互間のスロット部の径方向断面図。 本発明による電機子鉄心の第4の実施形態における端部を示す径方向断面図。 本発明による電機子鉄心の第5の実施形態における要部を示す鉄心部内周面の斜視図。 本発明による電機子鉄心の第6の実施形態における要部を示す鉄心部内周面の斜視図。 同実施形態において、各ティース部の内周側にそれぞれ形状の異なる凹凸部が形成された抜き板を示す構成図。 本発明による電機子鉄心の第7の実施形態における要部を示す鉄心部内周面の斜視図。 従来の回転電機の電機子鉄心を示す軸方向断面図。 図16の抜き板を示す構成図。 従来の電機子鉄心を示す径方向断面図。
以下本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明による電機子鉄心の第1の実施形態における鉄心部の径方向断面図である。
なお、電機子鉄心1の全体構成としては、図16に示す従来例と同様なので、ここでは図1に示されていない構成部品については図16に示す構成部品の符号を援用して説明する。
図1において、電機子鉄心1は、図示しない回転子の軸方向に適宜の間隔を存し、且つ相互間に通風ダクト部2を存して配置された複数の鉄心部3を備えている。
この鉄心部3は、電磁鋼板からなる概略扇形の抜き板9を所定枚数環状に配置するとともに、図示しない回転子の軸方向に所定数積層して構成したものである。また、抜き板9には図示するように複数のティース部4と各ティース部4相互間にスロット部5が形成されている。
また、電機子鉄心1は、各鉄心部3のスロット部5に電機子巻線8が挿入され、スロット部5の開口部に打込まれた楔11により鉄心部3に固定されている。この場合、電機子巻線8は、絶縁物12で被覆された下側巻線部8aと上側巻線部8bとから構成されている。
このような構成の電機子鉄心1において、第1の実施形態では、鉄心部3に形成されるティース部4の内径側の内周面に凹凸部13を設ける構成とするものである。
図2にかかる凹凸部13を設けたティース部4の拡大斜視図を示す。
このようにティース部4の内径側の内周面に凹凸部13を設けた鉄心部3は、電機子鉄心に設けた通風ダクト部または両端部に面している。
ここで、凹凸部13の深さは、渦電流が流れる表皮厚さ以上として渦電流の流路が従来よりも長くなるようにしている。凹凸部の深さを表皮厚さ以上としている理由は、渦電流は表皮効果のため、表面から概ね表皮厚さ分の範囲を流れることが知られているためである。
また、凹凸部13によって回転子との間のエアギャップが増加すると、必要起磁力、すなわち界磁電流が増加することになるため、界磁銅損が増えることで却って損失が増加する可能性がある。そのため、図3に示すように凹部の幅と必要起磁力の関係を数値計算によって求めた。
図3はギャップ長に対する凹部幅の割合(%)と必要起磁力の増分(%)との関係を示すグラフである。このグラフから明らかなように界磁銅損と鉄心部の損失の割合から必要起磁力の増分を概ね1%とすれば、ギャップ長に対する凹部幅の割合は約4%程度までとなる。これにより、凹部の幅はギャップ長の4%以下になるようにする。
このような構成の電機子鉄心において、回転電機の運転時、回転子の作る磁束や電機子巻線によるもれ磁束が通風ダクト部や鉄心端部で抜き板の積層方向から抜き板面に垂直に入射すると、抜き板に渦電流が誘起される。この渦電流は表皮効果によってその表面に集中する傾向があり、特に磁性体である鉄心部では、凹凸部13に沿って流れることになるが、渦電流の経路が凹凸部13により長くなって実効的な電気抵抗が増加し、渦電流が抑制されるため、渦電流損失を低減することができる。
図4は3次元数値計算による抜き板面に垂直に入射する磁束によってティース部4に生じる渦電流損失の例を示すグラフである。
図4において、従来として示すものがティース部4に凹凸部がないものであり、図1および図2の構成に相当するものが実施例1として示したものである。したがって、このグラフから明らかなようにティース部4に凹凸部がない従来のものに比べて、ティース部4に凹凸部を設けた実施例1は渦電流損失が20%減少していることが分かる。
図5は第1の実施形態の変形例を示す鉄心部の径方向断面図である。
本変形例では、図5に示すようにティース部4の内径側の内周面に加えて、楔11の挿入部分よりも内径側の側面部にも凹凸部13を設ける構成としたものである。
このような構成としても、前述した第1の実施形態と同様に渦電流の流路を増加することができる。図4に本変形例の場合についてティース部4の渦電流損失の数値計算例も示しており、実施例1の場合よりも更に渦電流損失を低減することが可能であり、より大きな損失低減効果を得ることができる。
また、ティース部4の内径側の内周面に加えて、楔11の挿入部分よりも内径側の側面部にも凹凸部13を設けることによって、冷却面積が増加し、更に凹凸による冷却ガスに対する攪拌効果によって熱伝達が促進されるので、電機子鉄心の冷却性能を良好にすることができる。
以上述べたように本発明の第1の実施形態によれば、鉄心部3の少なくともティース部4の内径側の内周面に凹凸部13を設けることにより、鉄心部の板面に流れる渦電流に対する実質的な抵抗が増加するようにしたので、渦電流損失を低減することができ、したがって局所的な温度上昇を抑えると共に、機器効率をより向上させることが可能である。
(第2の実施形態)
図6は本発明による電機子鉄心の第2の実施形態における端部を示すもので、(a)は径方向断面図、(b)は軸方向断面図であり、図7は図6に示すティース部を拡大して示す斜視図である。なお、第1の実施形態で述べた電機子鉄心全体の構成については同様なので、ここではその説明を省略する。
電機子鉄心の端部では、多くの場合、抜き板面に垂直に入射する磁束による渦電流損失を抑制するために、ティース部4の先端を抜き板の積層方向に向って内径側から外径側に複数の段差が形成されるように直線状に徐々に切り落とした、いわゆる段落し部14が設けられている。
第2の実施形態では、図7に示すように電機子鉄心の端部に設けられた鉄心部3を構成する抜き板の段落し部14の切り落とし部分に凹凸部13を設け、段落し部14以外のティース部4の内径側の内周面および楔11の挿入部分よりも内径側の側面部に凹凸部13を設ける構成とするものである。
このような構成とすれば、電機子鉄心の両端部において、もれ磁束によって抜き板面に垂直に入射する磁束によって渦電流が流れても、切り落とし部分に設けられた凹凸部13により渦電流の流路が増加し、抵抗が実質的に大きくなるので渦電流損失を低減することができる。
図8は第2の実施形態の変形例を示す鉄心部の径方向断面図である。
本変形例では、ティース部4の中央部にスロット深さと同程度の長さのスリット16が設けられている場合、段落し部14の切り落とし部分に設けられる凹凸部13に加えて、スリット16にも凹凸部13を設ける構成とするものである。
このような構成とすれば、抜き板面に垂直に入射する磁束による渦電流はスリット16に沿って流れるが、このスリット16にも凹凸部13を設けることにより、渦電流の流路が増加するので、渦電流損失を低減することができる。
(第3の実施形態)
図9は本発明による電機子鉄心の第3の実施形態における端部を示す径方向断面図である。なお、第2の実施形態で述べた構成と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
電機子鉄心の端部の鉄心部3において、ティース部4相互間に存するスロット部5に挿入される電機子巻線8の下側巻線部8aと上側巻線部8bをスロット部5に固定するために、スロット部5と下側巻線部8aおよび上側巻線部8bとの間隙の片側にリップルスプリング10が挿入されている。
第3の実施形態では、図9に示すように第2の実施形態の構成に加えて、鉄心部3のスロット部5の周方向側面のうち、リップルスプリング10を配置した側に複数の凹凸部13を設ける構成とするものである。この場合、リップルスプリング10を配置した側に凹凸部13を設けているのは、スロット部5内でリップルスプリング10とは反対側の側面に電機子巻線8が押付けられると鉄心部との熱伝達により電機子巻線8が冷却されるためである。
このような構成の電機子鉄心において、電機子鉄心の端部では、ティース部4の外径側にも電機子巻線のもれ磁束が抜き板面に垂直に入射するため、ティース部側面にも渦電流が生じるが、本実施形態ではリップルスプリング10を配置した側の面に設けられた凹凸部13により渦電流流路が増加し、抵抗が実質的に大きくなるので渦電流損失を低減することができる。
図10は第3の実施形態の変形例を示すティース部相互間のスロット部の径方向断面図である。
前述したリップルスプリング10は、電機子鉄心のスロット部5に電機子巻線8を配置後に挿入されることが多く、その場合、鉄心部に設けた凹凸部13が矩形形状であるとリップルスプリング10の挿入時に凹凸部13に引っかかり、リップルスプリング10が損傷することがある。
そこで、本変形例では、図10に示すように凹凸部13の凸部の角を凹凸部13の深さの1/4以上の曲率を有する円弧状13aに形成したものである。
このようにすれば、リップルスプリング10をスロット部5に挿入する際に凹凸部13によりリップルスプリング10を損傷する可能性が小さくなる。
このように本実施形態によれば、電機子鉄心の端部において、電機子巻線の熱伝達を阻害することなく、鉄心部に流れる渦電流に対する実効的な抵抗が増加し、渦電流損失を低減することができ、局所的な温度上昇を抑えるとともに、機器効率をより向上させることができる。
(第4の実施形態)
図11は本発明による電機子鉄心の第4の実施形態における端部を示す径方向断面図である。なお、第2の実施形態で述べた構成と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
第4の実施形態では、図11に示すように第2の実施例の構成に加えて、電機子鉄心における端部の1ブロック分の鉄心部のみについてティース部4相互間のスロット部5の周方向側面の両側に複数の凹凸部13を設ける構成とするものである。
このような構成とすれば、電機子鉄心の端部では電機子巻線8のもれ磁束がティース部4の外径側にも抜き板面に垂直に入射するため、ティース部4の側面にも渦電流が生じるが、本実施例ではスロット部5の周方向側面の両側に設けられた凹凸部13により渦電流流路が増加し、抵抗が実質的に大きくなるので渦電流損失を低減することができる。
また、前述した第3の実施形態では、電機子巻線8の冷却を鉄心部との熱伝達によって行わせるようにしたが、本実施形態では、電機子鉄心端部から冷却ガスが凹凸部13に流れる際に、熱交換を行う構造になっている。
このように本実施形態によれば、電機子鉄心端部の熱伝達を阻害することなく、鉄心部に流れる渦電流に対する実効的な抵抗が増加し、渦電流損失を低減することができ、局所的な温度上昇を抑えるとともに、機器効率をより向上させることができる。
(第5の実施形態)
図12は本発明による電機子鉄心の第5の実施形態における要部を示す鉄心部内周面の斜視図である。なお、電機子鉄心の図示しない他の構成については前述した第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
第5の実施形態では、図12に示すように複数枚の電磁鋼板を積層して鉄心部を構成する場合、周囲に設けた凹凸部13を複数枚の電磁鋼板を積層してなる電磁鋼板群が積層方向に隣り合う同士で前記凹凸部13の長手方向に交互にずらせた構成とするものである。
このようにすることにより、凹凸部13による等価的な回転子とのエアギャップの増加を抑制し、また、表面積が増加することから電機子鉄心の冷却性能も改善できる。
このように本実施形態によれば、電機子鉄心の端部において、電機子巻線の熱伝達を阻害することなく、鉄心部に流れる渦電流に対する実効的な抵抗が増加し、渦電流損失を低減することができ、局所的な温度上昇を抑えるとともに、機器効率をより向上させることができる。
(第6の実施形態)
図13は本発明による電機子鉄心の第6の実施形態における要部を示す鉄心部内周面の斜視図である。なお、電機子鉄心の図示しない他の構成については前述した第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
図12に示す第5の実施形態では、複数の電磁鋼板群を凹凸部13が積層方向並びにこれと直交する方向に交互にずらせて積層して、積層方向に溝を構成している。この溝は、冷却ガスの流路として冷却ガスの流れを誘導するが、この冷却ガスの流れが回転子の回転方向と逆向きになるように形成されている。
したがって、このような構成では、凹凸部13によって形成される冷却ガスの流れの周方向成分が減少して、冷却ガスが通風ダクトに入り易くなるため、冷却性能が改善できる。
第6の実施形態では、図14に示すように各ティース部4の内周側(先端部)にそれぞれ形状の異なる凹凸部13が形成された抜き板9を1ティースピッチずつ、ずらして積層したときに図13に示すように各溝が抜き板9の積層方向に傾斜し且つ連続して形成されるようにしたものである。
このような構成とすれば、より少ない種類の抜き板を用意すれば良いため、抜き板の抜き型の数を減らすことができ、また、抜き板を積層する際の誤製作の恐れを低減することができる。
(第7の実施形態)
図15は本発明による電機子鉄心の第7の実施形態における要部を示す鉄心部内周面の斜視図である。なお、電機子鉄心の図示しない他の構成については前述した第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
第7の実施形態では、図15に示すようにティース部4の内径側の内周面に例えばレーザ光の照射により電気抵抗を変えて複数の高抵抗部15を形成するものである。この場合、高抵抗部15の幅は、第1の実施形態と同様に回転子とのギャップ長の4%以下としており、また、高抵抗部15の径方向の高さは運転時の基本周波数に対する表皮厚さ以上としている。
このような構成によれば、抜き板の外周に凹凸部を形成することなく、渦電流流路を増加して、渦電流損失を低減できるので、凹凸部の角部による抜き板の短絡の発生を抑制することができる。また、抜き板の抜き型に細かい凹凸部を設ける必要がないため、抜き型の歯の保守が容易になる。
さらに、従来例で述べた形状の抜き板を積層した後で、レーザ照射などによって高抵抗部を形成することが可能なので、高抵抗部のパターンの自由度も増すことができる。
本発明は、上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で種々変形して実施できるものである。
例えば、上記各実施形態では、電磁鋼板からなる概略扇形の抜き板を所定枚数環状に配置するとともに、回転子の軸方向に所定数積層して鉄心部を構成する場合について述べたが、複数のティース部が形成された環状の電磁鋼板を所定数積層して構成するようにしてもよい。
また、前述した各実施形態では、回転電機の電機子鉄心について述べたが、本発明はリニアモータの電機子鉄心に対しても前述同様に適用実施できるものである。ここで、リニアモータの電機子鉄心に適用する場合には、前述した各実施形態で述べた回転子が可動子に代る以外は同じである。なお、回転子と可動子を総称して移動子と呼ぶ。
さらに、上記各実施形態を可能な限り適宜組合せて実施するようにしてもよく、その場合その実施形態の作用効果に加えて組合せによる効果が得られることは云うまでもない。
また、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれているものであり、開示される複数の構成要件における適宜組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
1…電機子鉄心、2…通風ダクト部、3…鉄心部、4…ティース部、5…スロット部、6…内側間隔片、7…スロット底部、8…電機子巻線、9…抜き板、10…リップルスプリング、11…楔、12…絶縁層、13…凹凸部、14…段落し部、15…高抵抗部、16…スリット

Claims (18)

  1. ティース部が等間隔を存して設けられた複数の電磁鋼板を積層して構成された鉄心部と、前記ティース部相互間に形成されるスロット部に収納された電機子巻線とを備えた電機子鉄心において、
    前記鉄心部を構成する電磁鋼板の積層方向両端部のティース部に、その先端から前記スロット底部方向に伸びるスリットを設け、
    このスリットの形状は、複数の連続した凹凸部を設けて形成されていることを特徴とする電機子鉄心。
  2. ティース部が等間隔を存して設けられた複数の電磁鋼板を積層して構成された鉄心部と、前記ティース部相互間に形成されるスロット部に収納された電機子巻線とを備えた電機子鉄心において、
    前記鉄心部を構成する電磁鋼板の周囲に、複数の連続した凹凸部を設けたことを特徴とする電機子鉄心。
  3. 請求項2記載の電機子鉄心において、
    前記凹凸部は、前記鉄心部のティース先端部に形成されていることを特徴とする電機子鉄心。
  4. 請求項2記載の電機子鉄心において、
    前記凹凸部は、前記鉄心部のティース先端部およびティース先端部の側面に形成されていることを特徴とする電機子鉄心。
  5. 請求項2記載の電機子鉄心において、
    前記凹凸部は、前記鉄心部の電磁鋼板積層方向の両端部に、ティース先端部を電磁鋼板の積層方向と直交する方向に切り落として設けられた段落し部の切り落とし部分に形成されていることを特徴とする電機子鉄心。
  6. 請求項2記載の電機子鉄心において、
    前記凹凸部は、前記鉄心部のスロット部の片側に存する前記電機子巻線との間隙に該電機子巻線を固定するために挿入されたリップルスプリング側のスロット側面に形成されていることを特徴とする電機子鉄心。
  7. 請求項2記載の電機子鉄心において、
    前記凹凸部は、前記鉄心部が通風ダクトによって電磁鋼板の積層方向に設けられた複数の鉄心ブロックのうち、電磁鋼板積層方向の端部側から1つめの前記鉄心ブロックに属する前記電磁鋼板のスロット部の両側面に形成されていることを特徴とする電機子鉄心。
  8. 請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の電機子鉄心において、
    前記凹凸部は、積層方向に隣り合う電磁鋼板群で、前記凹凸部の長手方向に交互にずらせた構成とすることを特徴とする電機子鉄心。
  9. 請求項8記載の電機子鉄心において、
    前記電磁鋼板の周囲に設ける凹凸部の凹部が、前記電磁鋼板の周囲面に沿ったガス流路を形成したことを特徴とする電機子鉄心。
  10. 請求項9記載の電機子鉄心において、
    前記磁性鋼板の周囲に設けられる凹凸部を前記鉄心部のティース先端部に形成し、前記凹部が作るガス流路によって誘導されるガスの流れが前記鉄心部と所定の間隙を存して設けられる移動子の移動方向と逆向きに形成されたことを特徴とする電機子鉄心。
  11. 請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の電機子鉄心において、
    前記電磁鋼板のティース部に設けられる凹凸部は、同一の電磁鋼板に設けられる複数のティース部をそれぞれ異なる形状として、前記電磁鋼板を1以上のティースピッチずらして積層することによって、積層方向にずれて形成されていることを特徴とする電機子鉄心。
  12. 請求項2乃至請求項11のいずれかに記載の電機子鉄心において、
    前記電磁鋼板の周囲に設けられる凹凸部の深さが、運転時の基本周波数に対する前記電磁鋼板の表皮厚さ以上としたことを特徴とする電機子鉄心。
  13. 請求項2乃至請求項12のいずれかに記載の電機子鉄心において、
    前記電磁鋼板の周囲に設けられる凹凸部の幅が、前記鉄心部と所定の間隙を存して設けられる移動子とのギャップ長さの10%以下としたことを特徴とする電機子鉄心。
  14. 請求項2乃至請求項13のいずれかに記載の電機子鉄心において、
    前記電磁鋼板の周囲に設けられる凹凸部の凸部の角を、凹凸部の深さの1/4以上の曲率を有する円弧状としたことを特徴とする電機子鉄心。
  15. ティース部が等間隔を存して設けられた複数の電磁鋼板を積層して構成された鉄心部と、前記ティース部相互間に形成されるスロット部に収納された電機子巻線とを備えた電機子鉄心において、
    前記鉄心部を構成する電磁鋼板の周囲を部分的に電気抵抗が高くなるように複数の連続した凹凸状に変質させたことを特徴とする電機子鉄心。
  16. 請求項15記載の電機子鉄心において、
    前記電磁鋼板の周囲に設ける高電気抵抗部分を、前記電磁鋼板を積層して鉄心部を構成した後に、レーザ照射によって変質させることを特徴とする電機子鉄心。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の電機子鉄心を備えたことを特徴とする回転電機。
  18. 請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の電機子鉄心を備えたことを特徴とするリニアモータ。
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JP2018170903A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転電機の固定子

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