JP2011072765A - 管内移動体用アクチュエータ、内視鏡、及び管内移動体用アクチュエータの制御方法 - Google Patents

管内移動体用アクチュエータ、内視鏡、及び管内移動体用アクチュエータの制御方法 Download PDF

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毅 芦田
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Kokukan Miyako
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Abstract

【課題】回転バルーンのような膨張収縮部材の膨張・収縮を適切な形状で繰り返し、確実に管壁を手繰り寄せて管内移動体を移動させる。
【解決手段】低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態にある係止バルーン44が第2駆動バルーン46に覆い被さった状態のときに、第2駆動バルーン46を膨張させると、その押圧力によって低圧膨張状態にある係止バルーン44は先端部10aの進行方向の前方に先端部10aに対する固着部を中心として回転移動する。これにより、低圧膨張状態にある係止バルーン44は、自身で巻き付きを起こすことなく回転移動し、第1駆動バルーン42に全体的に覆い被さった状態となる。その結果、係止バルーン44を適切に再膨張させることが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は管内移動体用アクチュエータ、内視鏡、及び管内移動体用アクチュエータの制御方法に係り、特に、管壁に推進力を伝えて管内を移動する技術に関する。
内視鏡の大腸挿入は、大腸が体内で曲がりくねった構造であること、体腔に固定されていない部分があることなどから、非常に難しい。そのため、挿入手技の習得には多くの経験を必要とし、挿入手技が未熟の場合には、患者に大きな苦痛を与える結果となる。
大腸部位の中で特に挿入が難しいと言われているのは、S状結腸と横行結腸である。S状結腸と横行結腸はその他の結腸とは異なり体腔内に固定されていない。そのため、自身の長さの範囲にて体腔内で任意な形状をとることができ、また、内視鏡挿入時の接触力により体腔内で変形する。
大腸挿入においては、挿入時の腸管への接触を少しでも減らすために、S状結腸や横行結腸を直線化することが重要である。直線化のために多くの手技がこれまで提案されているが、同時に、曲がった腸管を手繰り寄せて湾曲度合いを低減するための挿入補助具がいくつか提案されている。
例えば、特許文献1、2には、可撓管部の外周面に螺旋状に4本の膨張・収縮が可能な変動チューブ巻回されており、各変動チューブ内の圧力を変動させて4本の変動チューブを順次膨張・収縮させることにより、外皮の外周面を順次膨張・収縮させて先端側から手元側に膨張部を移動させて腸管を手繰り寄せる技術が開示されている。
特開平11−9545号公報 特開2006−223895号公報
しかしながら、複数の変動チューブの上下運動だけではチューブの接触面を移動させる効果はほとんどない。腸管のひだが、膨張したチューブ間の溝に効率的に入った場合にのみ手繰り寄せる効果があるが、S状結腸ではひだはほとんど存在せず、また手繰り寄せる過程で腸管は直線化しひだの突起量は小さくなるため、手繰り寄せる効果は著しく低減する。
一方、例えば1つのバルーンを膨張させ該バルーンの外周面の第1の部分を腸管内壁に当接させて係止させた状態としたときに、該第1の部分と連続しているバルーンの外周面の第2の部分に腸管内壁に沿ってバルーンの外周面を移動させると、バルーンが腸管内壁に当接している状態ではこの第1の部分から第2の部分の移動に伴い、例えば腸管内壁を手繰り寄せることできるが、腸管等の生体組織は、その組織の弾性により応力を加えることで管径方向だけでなく管内壁に沿って伸縮すると共に、応力を解除すると該弾性による復元力によって伸縮前の状態に戻る性質があるため、バルーンを収縮させ腸管内壁から離すと、上述した復元力により手繰り寄せた腸管内壁が元に戻ることになる。
このように、1つのバルーンによって係止力を発生させて腸壁に係止させ、かつ推進力を発生させて腸壁に対し相対的に移動させることは困難である。
これに対し、複数のバルーンを用いて管内移動体を腸壁に対し相対的に移動させる回転バルーン方式によれば、1つのバルーンのみを用いる方式に比べて大きな推進量と推進力を得ることができ、管内移動体を腸壁に対し相対的に移動させることができる。
ここで、回転バルーン方式の概略について図11及び図12を用いて簡単に説明する。回転バルーン方式では、例えば図11に示すように、管内移動体900の先端部に複数のバルーン902、904、906が並べて配置される。以下では、中央に配置されるバルーン904を回転バルーン又は係止バルーンといい、その両側に配置されるバルーン902、906をそれぞれ第1駆動バルーン、第2駆動バルーンという。
管内移動体900を腸壁(図11中不図示、図12に符号910で図示)に対し相対的に進める場合には、腸管内に管内移動体900に挿入され、回転バルーン(係止バルーン)904と第1及び第2駆動バルーン902、906がいずれも収縮している状態を初期状態としたとき、まず、第2駆動バルーン906を膨張させ、収縮状態にある回転バルーン904が第1駆動バルーン902に覆い被さった状態にする(図12(A))。
次に、回転バルーン904を膨張させて、回転バルーン904が腸壁910に係止した状態にする(図12(B))。
続いて、第2駆動バルーン906を収縮させると共に、第1駆動バルーン902を膨張させ、回転バルーン904を管内移動体900に対する固着部904aを中心として管内移動体900の進行方向(矢印Aで示す方向)からその反対側の方向に回転させる(図12(C))。このとき、回転バルーン904は腸壁910に当接しながら回転するので、腸壁910は管内移動体900の進行方向の後方に手繰り寄せられる。その結果、管内移動体900は腸壁910に対し相対的に進行方向の前方に推進する。
そして、回転バルーン904及び第1駆動バルーン902を共に収縮させ、腸壁910に対する係止状態を解除する(図12(D))。
こうして、回転バルーン904と第1及び第2駆動バルーン902、906が全て収縮した初期状態となる。以降、図12(A)〜(D)に示した各動作を繰り返すことにより、管内移動体900を腸壁910に対し相対的に進行方向の前方に逐次推進させることができる。
しかしながら、上述した回転バルーン方式では、第2駆動バルーン906の膨張によって、回転バルーン904が第2駆動バルーン906に覆い被さった状態(図12(D))から第1駆動バルーン902に覆い被さった状態(図12(A))に変化させているが、このときの回転バルーン904は完全に収縮した状態で行われている。
このため、回転バルーン904が自身で巻き付きを起こしたり、第2駆動バルーン906の表面に巻き付いた状態となってしまい、第2駆動バルーン906を膨張させても、図12(A)に示すように回転バルーン904が巻き付きを起こすことなく第1駆動バルーン902に覆い被さった状態とならない可能性がある。その結果、回転バルーン904を適切に再膨張させることができない恐れがある。また、このような状態で回転バルーン904を再膨張させた場合には、回転バルーン904が腸壁910に係止することによって腸壁910が元の位置(管内移動体900の進行方向)に戻ってしまう可能性もある。
このように従来の回転バルーン方式では、回転バルーンの巻き付きによって回転バルーンが適切に再膨張できず、腸壁に対する管内移動体の相対的な移動が適切に行われないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、回転バルーンのような膨張収縮部材の膨張・収縮を適切な形状で繰り返し、確実に管壁を手繰り寄せて管内移動体を移動させることのできる管内移動体用アクチュエータ、内視鏡、及び管内移動体用アクチュエータの制御方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の管内移動体用アクチュエータは、膨張して管壁に接触した時に管内移動体と前記管壁との間を埋める第1の部分と、前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内移動体に固定された第1の膨張収縮部材と、膨張して管壁に接触する第2の膨張収縮部材と、前記第1の膨張収縮部材の前記管内移動体の移動方向の前後に並べて配置された状態で前記管内移動体に固定され、膨張時に前記管壁に係止した状態とならないように構成されると共に前記第1の膨張収縮部材に押圧力を付与する第3及び第4の膨張収縮部材と、前記第1の膨張収縮部材、前記第2の膨張収縮部材、前記第3の膨張収縮部材、及び前記第4の膨張収縮部材の膨張及び収縮を制御することにより、前記管内移動体を前記管壁に対して相対的に移動させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1の膨張収縮部材の内圧を所定低圧Pminから該所定低圧Pminより高い内圧の所定高圧Pmaxまでの圧力範囲にて、前記第1膨張収縮部材の膨張・収縮を制御し、かつ、前記第1の膨張収縮部材を前記所定高圧Pmaxにて膨張させる膨張制御、あるいは前記第2の膨張収縮部材を膨張させる膨張制御、のいずれか一方の膨張制御により前記第1の膨張収縮部材あるいは前記第2の膨張収縮部材を前記管壁に係止させる係止膨張状態を保持すると共に、前記第3または第4の膨張収縮部材による前記押圧力によって前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御する、ことを特徴とする。
請求項1に記載の管内移動体用アクチュエータでは、前記第1の膨張収縮部材の内圧を所定低圧Pminから該所定低圧Pminより高い内圧の所定高圧Pmaxまでの圧力範囲にて、前記第1膨張収縮部材の膨張・収縮を制御し、かつ、前記第1の膨張収縮部材を前記所定高圧Pmaxにて膨張させる膨張制御、あるいは前記第2の膨張収縮部材を膨張させる膨張制御、のいずれか一方の膨張制御により前記第1の膨張収縮部材あるいは前記第2の膨張収縮部材を前記管壁に係止させる係止膨張状態を保持すると共に、前記第3または第4の膨張収縮部材による前記押圧力によって前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御するので、内圧が前記所定低圧Pminである前記第1の膨張収縮部材は、自身で巻き付きを起こすことなく所望の状態に変化することができ、適切に再膨張を行うことができ、その結果、確実に管壁を手繰り寄せて管内移動体を移動させることができる。
請求項2に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項1に記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記第1の膨張収縮部材は、前記所定高圧Pmaxでの膨張時に前記係止膨張状態となり、前記定低圧Pminでの膨張時に前記管壁に係止した状態とならない低圧膨張状態となることが好ましい。
請求項3に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項2に記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記第1の膨張収縮部材は、前記係止膨張状態あるいは前記低圧膨張状態時に、前記第3または第4の膨張収縮部材の少なくとも一部に覆い被さることが好ましい。
請求項4に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記所定低圧Pminは、少なくとも、0KPa<Pmin≦3KPaを満たすことが好ましい。
請求項5に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項4に記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記所定低圧Pminは、2KPa以下であることが好ましい。
請求項6に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記制御部は、前記第1の膨張収縮部材あるいは前記第2の膨張収縮部材により前記係止膨張状態を保持し、前記第3または第4の膨張収縮部材によって前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材を押圧させることにより前記管壁を手繰り寄せるように制御することが好ましい。
請求項7に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項6に記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記制御部は、前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材の表面が繰り出されることにより前記管壁を手繰り寄せるように制御することが好ましい。
請求項8に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記管内移動体の移動方向の前方から前記第3の膨張収縮部材、前記第1の膨張収縮部材、前記第4の膨張収縮部材、前記第2の膨張収縮部材の順に配置されていることが好ましい。
請求項9に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記管内移動体の移動方向の前方から前記第2の膨張収縮部材、前記第3の膨張収縮部材、前記第1の膨張収縮部材、前記第4の膨張収縮部材の順に配置されていることが好ましい。
請求項10に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記第1の膨張収縮部材は前記低圧膨張状態時に、前記管内移動体の表面から前記管内移動体の径方向の最大距離が15mm以下に構成されることが好ましい。
請求項11に記載の内視鏡は、請求項1ないし10のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータを備えたことを特徴とする。
請求項12に記載の管内移動体用アクチュエータの制御方法は、膨張して管壁に接触した時に管内移動体と前記管壁との間を埋める第1の部分と、前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内移動体に固定された第1の膨張収縮部材と、膨張して管壁に接触する第2の膨張収縮部材と、前記第1の膨張収縮部材の前記管内移動体の移動方向の前後に並べて配置された状態で前記管内移動体に固定され、膨張時に前記管壁に係止した状態とならないように構成されると共に前記第1の膨張収縮部材に押圧力を付与する第3及び第4の膨張収縮部材と、を備えた管内移動体用アクチュエータに対して、前記第1の膨張収縮部材、前記第2の膨張収縮部材、前記第3の膨張収縮部材、及び前記第4の膨張収縮部材の膨張及び収縮を制御することにより、前記管内移動体を前記管壁に対して相対的に移動さる管内移動体用アクチュエータの制御方法であって、前記第1の膨張収縮部材の内圧を所定低圧Pminから該所定低圧Pminより高い内圧の所定高圧Pmaxまでの圧力範囲にて、前記第1膨張収縮部材の膨張・収縮を制御し、かつ、前記第1の膨張収縮部材を前記所定高圧Pmaxにて膨張させる膨張制御、あるいは前記第2の膨張収縮部材を膨張させる膨張制御、のいずれか一方の膨張制御により前記第1の膨張収縮部材あるいは前記第2の膨張収縮部材を前記管壁に係止させる係止膨張状態を保持すると共に、前記第3または第4の膨張収縮部材による前記押圧力によって前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御することを特徴とする。
請求項13に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記制御部は、前記第1の膨張収縮部材の内圧を前記所定低圧Pminから前記所定高圧Pmaxまでの圧力範囲にて、前記第1膨張収縮部材の膨張・収縮を制御する膨張・収縮制御シークエンスの前段制御において、前記第1の膨張収縮部材を完全収縮させ、該完全収縮後に改めて前記第1の膨張収縮部材の内圧を前記所定低圧Pminに設定し、その後に、前記膨張・収縮制御シークエンスを実行することが好ましい。
請求項14に記載の管内移動体用アクチュエータのように、請求項13に記載の管内移動体用アクチュエータであって、前記制御部は、前記前段圧制御において、前記完全収縮状態の前記第1の膨張収縮部材に対して前記所定高圧Pmaxの膨張状態の前記第1の膨張収縮部材の体積の10分の1以下の体積の流体を一定時間で送り流して、前記第1の膨張収縮部材の内圧を前記所定低圧Pminに設定することが好ましい。
本発明によれば、回転バルーンのような膨張収縮部材の膨張・収縮を適切な形状で繰り返し、確実に管壁を手繰り寄せて管内移動体を移動させることができるという効果がある。
第1実施形態に係る電子内視鏡の構成図である。 第1実施形態に係る挿入部の先端部の拡大断面図である。 第1実施形態に係るバルーン制御装置のブロック構成図である。 第1実施形態に係る推進動作における正進動作のタイムチャートを示した図である。 図4の正進動作のタイミングチャートに対応させた各バルーンの膨張及び収縮の様子を示した概略断面図である。 第1実施形態に係る推進動作における逆進動作のタイムチャートを示した図である。 図6の逆進動作のタイミングチャートに対応させた各バルーンの膨張及び収縮の様子を示した概略断面図である。 第1実施形態に係るバルーン膨張特性を示す図である。 第2実施形態に係る推進動作における正進動作のタイムチャートを示した図である。 図9の正進動作のタイミングチャートに対応させた各バルーンの膨張及び収縮の様子を示した概略断面図である。 従来の回転バルーン方式を説明するための概略図である。 従来の回転バルーン方式によって管内移動体を推進させるときの様子を示した説明図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子内視鏡の外観を示す図である。また、図2は、図1の電子内視鏡の先端部の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の電子内視鏡1は、被検体の管内に挿入され当該管内を移動する管内移動体である挿入部10と、挿入部10の基端部分に連設された操作部12とを備えて構成される。
挿入部10の先端に連設された先端部10aには、被検体内の被観察部位の像光を取り込むための対物レンズと像光を撮像する撮像素子(いずれも図示せず)が内蔵されている。撮像素子により取得された被検体内の画像は、ユニバーサルコード14に接続されたプロセッサ装置のモニタ(いずれも図示せず)に内視鏡画像として表示される。
また、先端部10aには、被観察部位に光源装置(図示せず)からの照明光を照射するための照明窓や、鉗子口16と連通した鉗子出口、送気・送水ボタン12aを操作することによって、対物レンズを保護する観察窓の汚れを落とすための洗浄水やエアーが噴射されるノズルなどが設けられている。
先端部10aの後方には、複数の湾曲駒を連結した湾曲部10bが設けられている。湾曲部10bは、操作部12に設けられたアングルノブ12bが操作されて、挿入部10内に挿設されたワイヤが押し引きされることにより、上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部10aが被検体内の所望の方向に向けられる。
湾曲部10bの後方には、可撓性を有する軟性部10cが設けられている。軟性部10cは、先端部10aが被観察部位に到達可能なように、且つ術者が操作部12を把持して操作する際に支障を来さない程度に患者との距離を保つために、1〜数mの長さを有する。
先端部10aには、その進行方向の前方側(図2の右側)から順に、第1駆動バルーン42、係止バルーン44、及び第2駆動バルーン46の3つのバルーンが並べて配置されており、さらにこれらの後方には保持バルーン23が所定の間隔をおいて配置されている。
なお、第1及び第2駆動バルーン42、46は、膨張時であっても管壁の内壁面に係止した状態とならないように構成されている。
また、後述する推進動作では、係止バルーン44及び保持バルーン23の少なくとも一方が膨張して管壁に当接して係止されるようになっている。
第1及び第2駆動バルーン42、46、係止バルーン44、及び保持バルーン23は、主に膨張収縮自在なラテックスゴムからなり、各バルーン内の圧力を制御するバルーン制御装置18にそれぞれ接続されている。
図2に示すように、先端部10aの内部には、第1駆動バルーン42に連通し気体が送られる送気管48と、係止バルーン44に連通し気体が送られる送気管50と、第2駆動バルーン46に連通し気体が送られる送気管52と、保持バルーン23に連通し気体が送られる送気管27とが設けられている。これら送気管48、50、52、27は、湾曲部10b、軟性部10c、及びユニバーサルコード14の内部を通って前述のバルーン制御装置18に接続されている。
なお、先端部10aにおいて第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44は互いに隣接して配置され、挿入部10の周方向全体に形成される。第1及び第2駆動バルーン42、46、係止バルーン44、保持バルーン23は、挿入部10の周方向に一様な形状(軸対称な形状)に構成されていることが好ましいが、これに限定されず、挿入部10の周方向に一様ではない形状(非軸対称な形状)であってもよい。
また、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44、保持バルーン23が挿入部10の先端部10aに配置された構成となっているが、これに限らず、湾曲部10bや軟性部10cに配置されていてもよい。
また、少なくとも係止バルーン44と第1駆動バルーン42、係止バルーン44と第2駆動バルーン46は、互いに形状が異なることが好ましい。
また、図2に示すように係止バルーン44が収縮時に第1駆動バルーン42や第2駆動バルーン46に必ずしも覆い被さっている必要はなく、後述するように、少なくとも係止バルーン44が膨張して腸壁40(図5又は図7参照)を係止した時に、係止バルーン44が第1駆動バルーン42や第2駆動バルーン46に覆い被さっていればよい。
上記のように構成された電子内視鏡1で、例えば、大腸や小腸のように複雑に屈曲した管路の内壁面を観察する場合には、第1及び第2駆動バルーン42、46、係止バルーン44及び保持バルーン23が収縮した状態で挿入部10を被検体内に挿入し、光源装置を点灯して被検体内を照明しながら、撮像素子により得られる内視鏡画像をモニタで観察する。
術者が先端部10aを例えば肛門より大腸等の管腔路に挿入し、先端部10aが管路内の所定位置に到達すると、術者がバルーン制御装置18を操作することにより第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44及び保持バルーン23の膨張・収縮を制御して、管腔路の内壁面に押圧力を作用させる。これにより、管腔路の内壁面が手繰り寄せられ、挿入部10が管腔路の内壁面に対し相対的に進行方向の前方または後方に推進する。
なお、推進動作のフローの詳しい説明は後述する。また、以下の説明において、先端部10aが進行方向の前方に推進する動作を正進動作とし、先端部10aが進行方向の後方に推進する動作を逆進動作とする。
バルーン制御装置18は、第1及び第2駆動バルーン42、46、係止バルーン44、及び保持バルーン23を個々に独立して内圧が調整できる構造となっており、バルブ開閉制御部30と圧力制御部32を介して、吸引ポンプ34及び供給ポンプ36が第1及び第2駆動バルーン42、46、係止バルーン44、及び保持バルーン23に接続されている。
バルーン制御装置18は、後述する推進動作のフローに従った処理を実行し、バルブ開閉制御部30によって各バルーンに接続されたバルブ(不図示)の開閉を制御し、圧力制御部32によって吸引ポンプ34と供給ポンプ36を制御する。
次に、電子内視鏡1の先端部10aの推進動作について説明する。
図4は、推進動作における正進動作のタイミングチャートを示した図である。また、図5は、図4の正進動作のタイミングチャートに対応させた各バルーンの膨張及び収縮の様子を示した概略断面図である。
図4のタイミングチャートの開始時(即ち、図4の工程Aが開始される時点)には、電子内視鏡1の先端部10aが測定対象(例えば大腸)内に挿入された状態において、第1駆動バルーン42は膨張した膨張状態、第2駆動バルーン46は収縮した収縮状態、係止バルーン44は内圧が所定の低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態であり、且つ、保持バルーン23が膨張して腸壁40に係止した膨張状態になっているものとする。
本実施形態では、バルーン制御装置18は、係止バルーン44については低圧Pmin(Pa)以上の内圧で膨張・収縮の制御を行う。この制御により、低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態では係止バルーン44は腸壁40との間に係止力が発生しない径の膨張(図5(A)参照)となり、また低圧Pmin(Pa)よりも高圧の係止圧Pmaxの係止膨張状態では係止バルーン44は腸壁40との間に十分な係止力が発生する径の膨張(図5(B)参照)となる。
なお、少なくとも、係止バルーン44を低圧膨張状態とする低圧Pmin(Pa)は、 0K(Pa)<Pmin≦3K(Pa)
であって、2K(Pa)以下が望ましく、本実施形態では、バルーン制御装置18は、Pminを2K(Pa)に制御している。
まず、上記状態から、第1駆動バルーン42から気体を吸引して収縮させると共に、第2駆動バルーン46に気体を充填して膨張させる(図4の工程A)。この第2駆動バルーン46の膨張によって、図5(A)に示すように、低圧膨張状態の係止バルーン44は第1駆動バルーン42側に押し出され、収縮した第1駆動バルーン42に覆い被さる状態になる。
次に、低圧膨張状態の係止バルーン44に気体を充填して膨張させ、係止バルーン44を腸壁40に係止させる(図4の工程B)。これによって、図5(B)に示すように、保持バルーン23と共に係止バルーン44が腸壁40に係止した係止膨張状態となる。
なお、以下では、係止バルーン44が膨張して腸壁40に接触している係止膨張状態のとき、係止バルーン44の表面のうち、腸壁40に接触していない部分(即ち、挿入部10と腸壁40の間を埋める部分)を第1の部分といい、腸壁40に接触している部分を第2の部分ということにする。
次に、係止バルーン44を膨張させた状態(係止膨張状態)を保持すると共に、保持バルーン23から気体を吸引して収縮させる(図4の工程C)。これによって、図5(C)に示すように、係止バルーン44のみが腸壁40に係止した状態となる。
続いて、係止バルーン44を腸壁40に係止させた状態(係止膨張状態)で、第2駆動バルーン46から気体を吸引して収縮させると共に、第1駆動バルーン42に気体を充填して膨張させる(図4の工程D)。これによって、図5(D)に示すように、係止バルーン44は、第1駆動バルーン42の膨張により先端部10aの進行方向の後方に向かってその表面が順々に繰り出されるように徐々に押圧されていく。
換言すれば、係止膨張状態の係止バルーン44の表面における第1の部分(腸壁40に接触していない部分)の前方側(先端部10aの進行方向の前方側;図中の右側)は、第1駆動バルーン42の膨張による押圧力によって、腸壁40に接触して第2の部分(腸壁40に接触している部分)へと徐々に遷移する。これにより、係止膨張状態の係止バルーン44は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の後方(図5(D)の黒矢印)に向かって押圧力を与える。
即ち、係止膨張状態の係止バルーン44がいわゆるキャタピラ(登録商標)のように(無限軌道のように)、腸壁40を当接しながら先端部10aの進行方向の後方に向かって繰り出される。
そのため、腸壁40は先端部10aの進行方向の後方に手繰り寄せられる。従って、図5(D)の白矢印のように、電子内視鏡1の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の前方に推進(正進)する。
次に、第1駆動バルーン42、及び係止バルーン44を膨張させた状態を保持すると共に、保持バルーン23を膨張させる(図4の工程E)。これによって、図5(E)に示すように、係止バルーン44と共に保持バルーン23が腸壁40に係止した状態となる。
そして、第1駆動バルーン42及び保持バルーン23を膨張させた状態を保持し、係止バルーン44から気体を吸引し、係止圧Pmaxの係止膨張状態から内圧が所定の低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態まで収縮させる(図4の工程F)。これによって、図5(F)に示すように、保持バルーン23のみが腸壁40に係止した状態となる。また、低圧膨張状態となった係止バルーン44は第2駆動バルーン46に覆い被さった状態となる。
以降、正進動作を継続する場合には、図4の工程A〜工程Fを繰り返す。
本実施形態に係る正進動作では、バルーン制御装置18による係止バルーン44の膨張・収縮制御にて、係止バルーン44の内圧が所定の係止圧Pmax(Pa)の係止膨張状態〜所定の低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態にて制御が行われるため(図4参照)、低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態にある係止バルーン44が第2駆動バルーン46に覆い被さった状態のときに(図5(F))、第2駆動バルーン46を膨張させると、その押圧力によって低圧膨張状態にある係止バルーン44は先端部10aの進行方向の前方に先端部10aに対する固着部を中心として回転移動する。
これにより、低圧膨張状態にある係止バルーン44は、自身で巻き付きを起こすことなく回転移動し、図5(A)に示すように第1駆動バルーン42に全体的に覆い被さった状態となる。その結果、図5(B)に示すように、係止バルーン44を適切に再膨張させることが可能となる。
図6は、推進動作における逆進動作のタイミングチャートを示した図である。また、図7は、図6の逆進動作のタイミングチャートに対応させた各バルーンの膨張及び収縮の様子を示した概略断面図である。
図6のタイミングチャートの開始時(即ち、図6の工程Aが開始される時点)では、上述した正進動作の開始時(即ち、図4の工程Aが開始される時点)と同様に、電子内視鏡1の先端部10aが測定対象(例えば大腸)内に挿入された状態において、第1駆動バルーン42は収縮した収縮状態、第2駆動バルーン46は膨張した膨張状態、係止バルーン44は内圧が所定の低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態であり、且つ、保持バルーン23が膨張して腸壁40に係止した膨張状態になっているものとする。
まず、上記状態から、第2駆動バルーン46から気体を吸引して収縮させると共に、第1駆動バルーン42に気体を充填して膨張させる(図6の工程A)。この第1駆動バルーン42の膨張によって、図7(A)に示すように、低圧膨張状態の係止バルーン44は第2駆動バルーン46側に押し出され、収縮した第2駆動バルーン46に覆い被さる状態になる。
次に、低圧膨張状態の係止バルーン44に気体を充填して膨張させ、係止バルーン44を腸壁40に係止させる(図6の工程B)。これによって、図7(B)に示すように、保持バルーン23と共に係止バルーン44が腸壁40に係止した係止膨張状態となる。
次に、係止バルーン44を膨張させた状態(係止膨張状態)を保持すると共に、保持バルーン23から気体を吸引して収縮させる(図6の工程C)。これによって、図7(C)に示すように、係止バルーン44のみが腸壁40に係止した状態となる。
続いて、係止バルーン44を腸壁40に係止させた状態(係止膨張状態)で、第1駆動バルーン42から気体を吸引して収縮させると共に、第2駆動バルーン46に気体を充填して膨張させる(図6の工程D)。これによって、図7(D)に示すように、係止バルーン44は、第2駆動バルーン46の膨張により先端部10aの進行方向の前方に向かってその表面が順々に繰り出されるように徐々に押圧されていく。
換言すれば、係止膨張状態の係止バルーン44の表面における第1の部分(腸壁40に接触していない部分)の後方側(先端部10aの進行方向の後方側;図中の左側)は、駆動バルーン20の膨張による押圧力によって、腸壁40に接触して第2の部分(腸壁40に接触している部分)へと徐々に遷移する。これにより、係止膨張状態の係止バルーン44は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の後方(図7(D)の黒矢印)に向かって押圧力を与える。
即ち、係止膨張状態の係止バルーン44がいわゆるキャタピラ(登録商標)のように(無限軌道のように)、腸壁40を当接しながら先端部10aの進行方向の前方に向かって繰り出される。
そのため、腸壁40は先端部10aの進行方向の前方に手繰り寄せられる。従って、図7(D)の白矢印のように、電子内視鏡1の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の後方に推進(逆進)する。
次に、第2駆動バルーン46、及び係止バルーン44を膨張させた状態を保持すると共に、保持バルーン23を膨張させる(図6の工程E)。これによって、図7(E)に示すように、係止バルーン44と共に保持バルーン23が腸壁40に係止した状態となる。
そして、保持バルーン23を膨張させた状態を保持し、係止バルーン44から気体を吸引し、係止圧Pmaxの係止膨張状態から内圧が所定の低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態まで収縮させる(図6の工程F)。これによって、図7(F)に示すように、保持バルーン23のみが腸壁40に係止した状態となる。また、低圧膨張状態となった係止バルーン44は第1駆動バルーン42に覆い被さった状態となる。
以降、逆進動作を継続する場合には、図6の工程A〜工程Fを繰り返す。
本実施形態に係る逆進動作では、上述した正進動作と同様、バルーン制御装置18による係止バルーン44の膨張・収縮制御にて、係止バルーン44の内圧が所定の係止圧Pmax(Pa)の係止膨張状態〜所定の低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態にて制御が行われるため(図6参照)、収縮状態にある係止バルーン44が第1駆動バルーン42に覆い被さった状態のときに(図7(F))、第1駆動バルーン42を膨張させると、その押圧力によって低圧膨張状態にある係止バルーン44は先端部10aの進行方向の後方に先端部10aに対する固着部を中心として回転移動する。
これにより、低圧膨張状態にある係止バルーン44は、自身で巻き付きを起こすことなく回転移動し、図7(A)に示すように第2駆動バルーン46に全体的に覆い被さった状態となる。その結果、図7(B)に示すように、係止バルーン44を適切に再膨張させることが可能となる。
なお、本実施形態では、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44のようにバルーンを使用する代わりに、布のような素材により所望の形状や大きさに膨張収縮が可能な膨張収縮部材を使用してもよい。
また、本実施形態では、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44とから成るバルーンユニットを複数個所に設けてもよい。
さらに、バルーン制御装置18は、係止バルーン44の内圧を2K(Pa)に制御して低圧膨張状態とするとしたが、これに限らず、例えば、図8のようなバルーン膨張特性を利用することで厳密な圧力制御を必要としない。ゴムバルーンのような膨張収縮部材は、低圧状態では突っ張るのみで外径があまり変化せず、ある圧力以上で材料が伸展し外径が大きくなる。この特性を利用し、低圧状態(この場合、0kPa〜3kPa)では外径がほとんど変わらず、かつ、腸管に接触しない径を保つようにバルーンを設計すれば、厳密な圧力制御を必要とせず、0kPa〜3kPaの間の圧力に制御していれば良い。
以上説明したように本実施形態によれば、バルーン制御装置18による係止バルーン44の膨張・収縮制御にて、係止バルーン44の内圧が所定の係止圧Pmax(Pa)の係止膨張状態〜所定の低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態にて制御が行われるので、第1又は第2駆動バルーン42、46の膨張によって低圧膨張状態の係止バルーン44を回転移動させると、低圧膨張状態の係止バルーン44は、自身で巻き付きを起こすことなく所望の状態に変化し、その後、適切に再膨張を繰り返すことができる。その結果、確実に腸壁40を手繰り寄せて先端部10aを進行方向の前方又は後方に移動させることができる。
また、本実施形態では、係止バルーン44及び保持バルーン23の少なくとも一方を腸壁40に係止させた状態で推進動作が行われるので、腸管の復元力により手繰り寄せた腸壁40が元に戻ることなく、確実に、腸管に対して係止力を発生させて腸壁40に係止させ、かつ推進力を発生させるので、より確実に挿入部10を腸壁40に対し相対的に移動させることができる。
なお、本実施形態では、先端部10aの進行方向の前方より第1駆動バルーン42、係止バルーン44、第2駆動バルーン46、保持バルーン23の順序で配設された構成例を示したが、これらの配設順序は本例に限らず、進行方向の前方より保持バルーン23、第1駆動バルーン42、係止バルーン44、第2駆動バルーン46であってもよい。
また、前記のような正進動作と逆進動作を適宜組み合わせて行うことにより、先端部10aを進行方向の前後に移動させることができる。
なお、上述した実施形態では、電子内視鏡1の挿入部10に直接バルーンを取り付けた例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、挿入部10が挿入固定される筒体(オーバーチューブ)の先端にバルーンが取り付けられていてもよい。
第2実施形態:
第2実施形態は、第1実施形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明する。図9は第2実施形態に係る推進動作における正進動作のタイムチャートであり、図10は図9の正進動作のタイミングチャートに対応させた各バルーンの膨張及び収縮の様子を示した概略断面図である
本実施形態の特徴的作用を推進動作における正進動作を例に説明する。本実施形態においても、推進動作における正進動作は、図9に示すように、第1実施形態にて説明した図4の工程A〜Eと図9の工程A〜Eが実施される。第2実施形態は、第1実施形態にて説明した図4の工程Fでの作用が異なる。
本実施形態では、バルーン制御装置18は、図9に示すように、図9の工程D(第1実施形態にて説明した図4の工程Dと同じ)後に、図9の工程Eにおいて第1駆動バルーン42、及び係止(回転)バルーン44を膨張させた状態を保持すると共に、保持バルーン23を膨張させる(図9の工程E)。これによって、第1実施形態の図5(E)に示したように、係止バルーン44と共に保持バルーン23が腸壁40に係止した状態となる。
そして、バルーン制御装置18は、図9の工程Fにおいて、係止バルーン44を完全に収縮させ(図9の矢印E1参照)、係止バルーン44を図10(F1)に示すような完全収縮状態に制御する。
具体的には、例えばバルーン制御装置18が、係止バルーン44内の気体を外部にリークさせる。このリークによって、バルーン制御装置18は係止バルーン44の内圧を制御することなく、容易かつ高速に係止バルーン44を完全収縮状態にすることができる。
その後、バルーン制御装置18は、係止バルーン44に気体を少量送気し、第1駆動バルーン42及び保持バルーン23を膨張させた状態を保持し、係止バルーン44から気体を吸引し、完全収縮状態から内圧が所定の低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態まで膨張させる。
これによって、第1実施形態にて説明した図5(F)と同様に、図10(F)に示すように、保持バルーン23のみが腸壁40に係止した状態となる。また、低圧膨張状態となった係止バルーン44は第2駆動バルーン46に覆い被さった状態となる。
そして、バルーン制御装置18は、推進駆動した第1駆動バルーン42と反対側に位置する第2駆動バルーン46を駆動し、第2駆動バルーン46にて係止バルーン44を回転させて初期状態に戻す。ここで、係止バルーン44の初期状態は、低圧膨張状態にある係止バルーン44を自身で巻き付きを起こすことなく回転移動させ、第1実施形態の図5(A)に示した第1駆動バルーン42に係止バルーン44が全体的に覆い被さった状態である。
バルーン制御装置18は、係止バルーン44への気体の少量送気を、例えば所定の係止圧Pmax(Pa)の係止膨張状態の体積の10分の1以下の体積を一定時間で送気することで実現する。すなわち、バルーン制御装置18は、係止バルーン44の内圧を制御することなく、所定体積の気体の一定時間で送気するだけで、容易に係止バルーン44の内圧を低圧Pmin(Pa)とすることができる。
係止バルーン44への少量送気では、係止バルーン44の膨張量は少なく、また、腸管を係止していないため推進時に比べて戻り力は小さくて済むため、初期位置に戻すために膨張させる第2駆動バルーン46の膨張量は推進時に比べると小さくてよい。
以降、正進動作を継続する場合には、図9の工程A〜工程Fを繰り返す。
なお、推進動作における逆進動作においてもバルーン制御装置18は同様な制御を行い、図示はしないが、第1実施形態で説明した図6の工程Fにおいて、図9の工程Fと同様に係止バルーン44を全収縮状態から低圧膨張状態に遷移させる。
上述したように、本実施形態では、第1実施形態の効果に加え、係止バルーン44の内圧を制御することなく、係止バルーン44を完全収縮状態し、かつ所定体積の気体の一定時間で送気するだけで、図9の工程Fにおいて、容易かつ高速に係止バルーン44の内圧を所定の係止圧Pmax(Pa)の係止膨張状態(図9の工程E)から低圧Pmin(Pa)の低圧膨張状態(図9の工程A)に移行させることができる。
以上、本発明の管内移動体用アクチュエータ、内視鏡、及び管内移動体用アクチュエータの制御方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
1…電子内視鏡、10…挿入部、10a…先端部、18…バルーン制御装置、44…係止バルーン、23…保持バルーン、42…第1駆動バルーン、46…第2駆動バルーン

Claims (14)

  1. 膨張して管壁に接触した時に管内移動体と前記管壁との間を埋める第1の部分と、前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内移動体に固定された第1の膨張収縮部材と、
    膨張して管壁に接触する第2の膨張収縮部材と、
    前記第1の膨張収縮部材の前記管内移動体の移動方向の前後に並べて配置された状態で前記管内移動体に固定され、膨張時に前記管壁に係止した状態とならないように構成されると共に前記第1の膨張収縮部材に押圧力を付与する第3及び第4の膨張収縮部材と、
    前記第1の膨張収縮部材、前記第2の膨張収縮部材、前記第3の膨張収縮部材、及び前記第4の膨張収縮部材の膨張及び収縮を制御することにより、前記管内移動体を前記管壁に対して相対的に移動させる制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記第1の膨張収縮部材の内圧を所定低圧Pminから該所定低圧Pminより高い内圧の所定高圧Pmaxまでの圧力範囲にて、前記第1膨張収縮部材の膨張・収縮を制御し、
    かつ、前記第1の膨張収縮部材を前記所定高圧Pmaxにて膨張させる膨張制御、あるいは前記第2の膨張収縮部材を膨張させる膨張制御、のいずれか一方の膨張制御により前記第1の膨張収縮部材あるいは前記第2の膨張収縮部材を前記管壁に係止させる係止膨張状態を保持すると共に、前記第3または第4の膨張収縮部材による前記押圧力によって前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御する、
    ことを特徴とする管内移動体用アクチュエータ。
  2. 前記第1の膨張収縮部材は、前記所定高圧Pmaxでの膨張時に前記係止膨張状態となり、前記定低圧Pminでの膨張時に前記管壁に係止した状態とならない低圧膨張状態となることを特徴とする請求項1に記載の管内移動体用アクチュエータ。
  3. 前記第1の膨張収縮部材は、前記係止膨張状態あるいは前記低圧膨張状態時に、前記第3または第4の膨張収縮部材の少なくとも一部に覆い被さることを特徴とする請求項2に記載の管内移動体用アクチュエータ。
  4. 前記所定低圧Pminは、少なくとも、
    0KPa<Pmin≦3KPa
    を満たすことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータ。
  5. 前記所定低圧Pminは、2KPa以下であることを特徴とする請求項4に記載の管内移動体用アクチュエータ。
  6. 前記制御部は、前記第1の膨張収縮部材あるいは前記第2の膨張収縮部材により前記係止膨張状態を保持し、前記第3または第4の膨張収縮部材によって前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材を押圧させることにより前記管壁を手繰り寄せるように制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータ。
  7. 前記制御部は、前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材の表面が繰り出されることにより前記管壁を手繰り寄せるように制御することを特徴とする請求項6に記載の管内移動体用アクチュエータ。
  8. 前記管内移動体の移動方向の前方から前記第3の膨張収縮部材、前記第1の膨張収縮部材、前記第4の膨張収縮部材、前記第2の膨張収縮部材の順に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータ。
  9. 前記管内移動体の移動方向の前方から前記第2の膨張収縮部材、前記第3の膨張収縮部材、前記第1の膨張収縮部材、前記第4の膨張収縮部材の順に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータ。
  10. 前記第1の膨張収縮部材は前記低圧膨張状態時に、前記管内移動体の表面から前記管内移動体の径方向の最大距離が15mm以下に構成されることを特徴とする請求項1ないし
    9のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータ。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータを備えること、を特徴とする内視鏡。
  12. 膨張して管壁に接触した時に管内移動体と前記管壁との間を埋める第1の部分と、前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内移動体に固定された第1の膨張収縮部材と、膨張して管壁に接触する第2の膨張収縮部材と、前記第1の膨張収縮部材の前記管内移動体の移動方向の前後に並べて配置された状態で前記管内移動体に固定され、膨張時に前記管壁に係止した状態とならないように構成されると共に前記第1の膨張収縮部材に押圧力を付与する第3及び第4の膨張収縮部材と、を備えた管内移動体用アクチュエータに対して、前記第1の膨張収縮部材、前記第2の膨張収縮部材、前記第3の膨張収縮部材、及び前記第4の膨張収縮部材の膨張及び収縮を制御することにより、前記管内移動体を前記管壁に対して相対的に移動さる管内移動体用アクチュエータの制御方法であって、
    前記第1の膨張収縮部材の内圧を所定低圧Pminから該所定低圧Pminより高い内圧の所定高圧Pmaxまでの圧力範囲にて、前記第1膨張収縮部材の膨張・収縮を制御し、
    かつ、前記第1の膨張収縮部材を前記所定高圧Pmaxにて膨張させる膨張制御、あるいは前記第2の膨張収縮部材を膨張させる膨張制御、のいずれか一方の膨張制御により前記第1の膨張収縮部材あるいは前記第2の膨張収縮部材を前記管壁に係止させる係止膨張状態を保持すると共に、前記第3または第4の膨張収縮部材による前記押圧力によって前記係止膨張状態時の前記第1の膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御する
    ことを特徴とする管内移動体用アクチュエータの制御方法。
  13. 前記制御部は、前記第1の膨張収縮部材の内圧を前記所定低圧Pminから前記所定高圧Pmaxまでの圧力範囲にて、前記第1膨張収縮部材の膨張・収縮を制御する膨張・収縮制御シークエンスの前段制御において、前記第1の膨張収縮部材を完全収縮させ、該完全収縮後に改めて前記第1の膨張収縮部材の内圧を前記所定低圧Pminに設定し、その後に、前記膨張・収縮制御シークエンスを実行することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の管内移動体用アクチュエータ。
  14. 前記制御部は、前記前段圧制御において、前記完全収縮状態の前記第1の膨張収縮部材に対して前記所定高圧Pmaxの膨張状態の前記第1の膨張収縮部材の体積の10分の1以下の体積の流体を一定時間で送り流して、前記第1の膨張収縮部材の内圧を前記所定低圧Pminに設定することを特徴とする請求項13に記載の管内移動体用アクチュエータ。
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