JP2011065052A - 電子写真トナー用外添剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(メタ)アクリルエステル系モノマーを、水性媒体中、界面活性剤及び水溶性重合開始剤の存在下で乳化重合させることによって得られるアクリル系重合体粒子からなる電子写真トナー用外添剤の製造方法であって、前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との組み合せであり、前記ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールであり、前記アニオン性界面活性剤及び前記ノニオン性界面活性剤が、前記(メタ)アクリルエステル系モノマー100重量部に対して、それぞれ0.03〜0.3重量部及び0.01〜0.1重量部使用され、前記アクリル系重合体粒子の平均粒子径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする電子写真トナー用外添剤の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、上述の問題を解決するものであり、その目的とするところは、充分な帯電性を電子写真トナーに対して付与することができるトナー用外添剤及びその製造方法を提供することにある。
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との組み合せであり、
前記ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールであり、
前記アニオン性界面活性剤及び前記ノニオン性界面活性剤が、前記(メタ)アクリルエステル系モノマー100重量部に対して、それぞれ0.03〜0.3重量部及び0.01〜0.1重量部使用され、
前記アクリル系重合体粒子の平均粒子径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする電子写真トナー用外添剤の製造方法が提供される。
で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである場合、本発明による電子写真トナー用外添剤は、トナー粒子に更に充分な帯電性を付与することが可能となる。
また、本発明に用いられるアニオン性界面活性剤が、非反応性のアニオン性界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩及びモノアルキルスルホコハク酸塩、反応性のアニオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウムから選択される場合、本発明による電子写真トナー用外添剤は、トナー粒子に更に充分な帯電性を付与することが可能となる。
また、本発明に用いられる水溶性重合開始剤が、過硫酸塩である場合、本発明による電子写真トナー用外添剤は、トナー粒子に更に充分な帯電性を付与することが可能となる。
本発明の発明者等は、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤と特定のノニオン性界面活性剤とをそれぞれ特定量使用すれば、得られるアクリル系重合体粒子からなる電子写真トナー用外添剤が外添されたトナー粒子の帯電性が向上することを意外にも見出した。特定のノニオン性界面活性剤とはポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである。本発明で特定されない条件の場合、すなわち、アニオン性界面活性剤のみが使用された場合、ノニオン性界面活性剤のみが使用された場合、ならびにアニオン性界面活性剤と特定外のノニオン性界面活性剤が併用された場合には、上述した程の効果を得られないことも分かった。
本発明において用いられる(メタ)アクリルエステル系モノマーとは、アクリルエステル系モノマー及び/又はメタクリルエステル系モノマーを示す。
本発明において使用される(メタ)アクリルエステル系モノマーは、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリルエステル系モノマーは、単独で用いられても、あるいは併用されてもよい。
他のモノマーとしては、例えば、二官能性重合性ビニル系モノマーが挙げられる。具体的には、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート(アルキレンは炭素数2〜4の範囲が好ましい)等が挙げられる。二官能性重合性ビニル系モノマーの混合割合は、(メタ)アクリルエステル系モノマー100重量部に対して50重量部以下であることが好ましく、0.1〜40重量部であることがより好ましい。
本発明において使用される水性媒体としては、水又は水と有機溶媒(例えば、低級アルコール)との混合物が挙げられる。
本発明において使用される界面活性剤は、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との組み合せである。アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の使用順序については、本発明における乳化重合時に双方が存在していればよく、何れかが先に使用されても、あるいは同時に使用されてもよい。
本発明で使用されるアニオン性界面活性剤としては、非反応性のアニオン性界面活性剤及び/又は反応性のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
非反応性のアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩又はモノアルキルスルホコハク酸塩が使用される。
反応性のアニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウムが使用される。
このような反応性のアニオン性界面活性剤は、第一工業製薬社から「アクアロンKH−10」、「アクアロンKH−1025」又は「アクアロンHS−10」という商品名で、あるいは花王社から商品名「ラテムルPD−104」という商品名で市販されており、これらの中から1種類または2種類以上を使用してもよい。
本発明で使用されるノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、下記一般式(1)で表される、両末端がポリオキシエチレン、その間にポリオキシプロピレングリコールを有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールであってもよい。
なお、ここでの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値をいう。
本発明では、重合開始剤に水溶性重合開始剤が使用される。本発明で使用される水溶性重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、公知なものとして例えば、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸二水和物、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩化水素、2,2−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩化水素、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩化水素、2,2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2−アゾビス(N−ヒドロキシエチルイソブチルアミド)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物類、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物類が挙げられる。
本発明において重合は、乳化重合により行われる。乳化重合は、水性媒体と、媒体に溶解し難いモノマーと乳化剤(界面活性剤)とを混合し、その混合物に媒体に溶解可能な重合開始剤を加えて行う重合方法である。乳化重合の利点としては、速い速度で高重合度のポリマーが容易に得られることや、水性媒体とするため温度調節が容易であることが挙げられる。
本発明において使用される電子写真トナー用バインダー樹脂粒子としては、特に限定されるものではないが、例えばスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−マレイン樹脂、スチレン−ビニルメチルエーテル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂が用いられてもよい。
(平均粒子径の測定方法)
ここでいう平均粒子径とは、動的光散乱法あるいは光子相関法と呼ばれる方法を利用して測定した粒子径を意味する。具体的には、乳化重合により得られたアクリル系重合体粒子の水系分散液をイオン交換水で200倍に希釈することで0.1wt%に調製し、25℃においてレーザー光を照射し、重合体粒子から散乱される散乱光強度をマイクロ秒単位の時間変化で測定する。測定された重合体樹脂粒子に起因する散乱強度の分布を、キュムラント解析法により算出された数値が平均粒子径となる。なお、キュムラント解析法とは、平均粒子径を算出するために正規分布に当てはめて解析する方法である。この方法による平均粒子径は、市販の測定装置により簡便に測定可能であり、本発明の実施例においては、マルバーン社製の「ゼータサイザーナノZS」が測定に使用される。このような市販の測定装置にはデータ解析ソフトが搭載されており、測定されたデータは自動的に解析される。
先ず、乳化重合により得られるアクリル系重合体粒子の水系分散液全量を目開き100μmのステンレス篩に通す。次に、篩上の残存物を50℃で24時間乾燥させて、乾燥後の残存物の重量を秤量する。この乾燥後の残存物の重量(Wa)を、乳化重合に使用された(メタ)アクリルエステル系モノマーの総重量で除して、これに100を乗じた値を凝集物生成率とする。
凝集物生成率(%)=(Wa/(メタ)アクリルエステル系モノマーの総重量)×100
この凝集物生成率が1%未満である場合は、重合安定性が非常に優れている(◎)と判断し、1%以上である場合は重合安定性が悪い(×)と判断する。
本発明において、帯電性はブローオフ帯電量により評価される。本発明でいうブローオフ帯電量とは、ブローオフ方式による接触帯電法により測定した帯電量を意味する。測定試料には、本発明の実施例、比較例で得られたアクリル系重合体粒子からなる電子写真トナー用外添剤をトナー用バインダー樹脂粒子に外添処理したもの(以下、これを「擬似トナー」と称する)が用いられる。この擬似トナーの帯電量の測定値から評価する。
以下、擬似トナーの作製方法(a)、ブローオフ帯電量の測定方法(b)について説明する。
5L容量のオートクレーブにおいて、水2600重量部にピロリン酸マグネシウム26重量部を分散させ、亜硝酸ナトリウム0.13重量部及びフォスファノールLO−529(東邦化学社製)1.3重量部を溶解させる。そこへ、アゾビスイソブチロニトリル10.4重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3.9重量部を溶解させたスチレン910重量部、メタクリル酸ブチル390重量部の混合溶液を加え、ホモジナイザーにより4000rpmで乳化する。乳化されたものを、ナノマイザーシステムLA−33(ナノマイザー社製)により処理圧0.5MPaで処理することにより、分散液が得られる。得られた分散液を450rpmの攪拌回転数で攪拌しつつ、60℃で6時間に亘って加熱する。その後スルファミン酸1.3重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸Na2.6重量部を溶解させた水100重量部を加え、110℃まで加熱して更に1時間に亘って攪拌を続けながら重合を行う。その後、室温まで冷却し、脱水及び乾燥を行うことにより、トナー用バインダー樹脂が得られる。得られたトナー用バインダー樹脂の平均粒子径は10μmである。
上記トナー用バインダー樹脂15gと本発明の電子写真トナー用外添剤0.45gの混合物をミルミキサー(National社製 MX−X57−Y ファイバーミキサー)で5秒間混合処理し、その後1分間静置保管する。再度5秒間の混合と1分間の静置保管を行い、計5回この操作を繰り返すことにより擬似トナーが得られる。
上記作製方法(a)により得られた擬似トナー0.5gと標準キャリアN−02(日本画像学会製)9.5gを50ccのポリプロピレン製容器に投入し、密閉した後、200回上下に振ることで混合する。その後、容器を開封して、20℃、相対湿度60%の恒温恒湿下において24時間静置する。24時間静置後のサンプル0.2gを秤量し、400メッシュの篩網が入った測定試料室に投入することでブローオフ帯電量を測定する。このブローオフ帯電量の測定は、市販の測定装置により行うことができる。本発明の実施例においては、京セラケミカル社製のTB−203が使用される。測定は、20℃、相対湿度60%の恒温恒湿下において行われ、ブローには窒素ガスが使用され、ブロー圧を10kPa、吸引圧を9kPaとする。
この擬似トナーのブローオフ帯電量の測定値について、以下の基準で評価する。
◎:非常に優れた帯電性を付与できる(ブローオフ帯電量−30〜−40μC/g)
○:優れた帯電性を付与できる(ブローオフ帯電量−20〜−30μC/g)
×:帯電性付与に乏しい(ブローオフ帯電量 〜−20μC/g)
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた1Lの3つ口セパラブルフラスコに、イオン交換水400重量部、アニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製:商品名「アクアロンKH1025(25%水溶液)」)を0.1重量部、メタクリル酸メチル100重量部、ノニオン性界面活性剤として、エパン485(第一工業製薬社製、エチレンオキサイド部の含有量が85%、プロピレングリコール部の分子量1,200)を0.05重量部供給した。その後、攪拌回転数250rpmで攪拌しつつ70℃に加熱した。次に、水溶性重合開始剤として、過硫酸アンモニウム0.5重量部を添加し、2時間に亘って攪拌を続けた。その後、80℃で1時間に亘ってさらに攪拌を続け、最後に室温まで冷却させることによりトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.14μmであり、凝集物生成率は0.2%であり、重合安定性は◎であった。得られたトナー用外添剤の水分散液をスプレードライヤによって乾燥した。乾燥後に残った粉末を気流式粉砕機で処理することにより、トナー用外添剤を取り出した。
得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−35μC/gであり、「◎:非常に優れた帯電性を付与できる」評価の範囲(−30〜−40μC/g)であった。
ノニオン性界面活性剤を0.03重量部使用したことを除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.16μmであり、凝集物生成率は0.3%であり、重合安定性は◎であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−32μC/gであり、「◎:非常に優れた帯電性を付与できる」評価の範囲(−30〜−40μC/g)であった。
ノニオン性界面活性剤としてエパン450(第一工業製薬社製、エチレンオキサイド部の含有量が50重量%、プロピレングリコール部の分子量1,200)を用いたことを除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.17μmであり、凝集物生成率は0.4%であり、重合安定性は◎であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−23μC/gであり、「○:優れた帯電性を付与できる」評価の範囲(−20〜−30μC/g)であった。
ノニオン性界面活性剤としてエパン785(第一工業製薬社製、エチレンオキサイド部の含有量が85重量%、プロピレングリコール部の分子量2,000)を用いたことを除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.37μmであり、凝集物生成率は0.3%であり、重合安定性は◎であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−21μC/gであり、「○:優れた帯電性を付与できる」評価の範囲(−20〜−30μC/g)であった。
アニオン性界面活性剤を0.2重量部使用したことを除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.13μmであり、凝集物生成率は0.2%であり、重合安定性は◎であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−31μC/gであり、「◎:非常に優れた帯電性を付与できる」評価の範囲(−30〜−40μC/g)であった。
アニオン性界面活性剤として非反応性のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.1重量部使用したことを除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.15μmであり、凝集物生成率は0.3%であり、重合安定性は◎であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−28μC/gであり、「○:優れた帯電性を付与できる」評価の範囲(−20〜−30μC/g)であった。
ノニオン性界面活性剤を使用しなかったことを除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.13μmであり、凝集物生成率は0.2%であり、重合安定性は◎であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−8.5μC/gであり、「×:帯電性付与に乏しい」評価の範囲(〜−20μC/g)であった。
ノニオン性界面活性剤を0.2重量部使用したことを除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.12μmであり、凝集物生成率は1.5%であり、重合安定性は×であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−14μC/gであり、「×:帯電性付与に乏しい」評価の範囲(〜−20μC/g)であった。
ノニオン性界面活性剤としてポリエチレンオキサイド(住友精化社製、ペオ27)を用いたこと除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.19μmであり、凝集物生成率は0.5%であり、重合安定性は◎であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−11μC/gであり、「×:帯電性付与に乏しい」評価の範囲(〜−20μC/g)であった。
ノニオン性界面活性剤としてポリプロピレングリコール(旭硝子社製、エマルスターXS−601)を用いたこと除き、全て実施例1と同条件でトナー用外添剤の水分散液を得た。得られたトナー用外添剤の平均粒子径は0.48μmであり、凝集物生成率は1.4%であり、重合安定性は×であった。得られたトナー用外添剤の水分散液から実施例1と同工程でトナー用外添剤を取り出した。続いて、得られたトナー用外添剤を用いて擬似トナーを作製し、ブローオフ帯電量を測定した。ブローオフ帯電量は、−0.65μC/gであり、「×:帯電性付与に乏しい」評価の範囲(〜−20μC/g)であった。
上述の実施例1〜4及び比較例1〜4を表1にまとめて示す。
比較例2の結果(評価)は、本発明における(メタ)アクリルエステル系モノマー100重量部に対して使用されるノニオン性界面活性剤の範囲(0.01〜0.1重量部)外の使用に起因するものであると考えられる。
比較例3の結果(評価)は、使用されたノニオン性界面活性剤にプロピレンオキサイド部が含まれないことに起因すると考えられる。
比較例4の結果(評価)は、使用されたノニオン性界面活性剤にエチレンキサイド部が含有されないことに起因すると考えられる。
Claims (7)
- (メタ)アクリルエステル系モノマーを、水性媒体中、界面活性剤及び水溶性重合開始剤の存在下で乳化重合させることによって得られるアクリル系重合体粒子からなる電子写真トナー用外添剤の製造方法であって、
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との組み合せであり、
前記ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールであり、
前記アニオン性界面活性剤及び前記ノニオン性界面活性剤が、前記(メタ)アクリルエステル系モノマー100重量部に対して、それぞれ0.03〜0.3重量部及び0.01〜0.1重量部使用され、
前記アクリル系重合体粒子の平均粒子径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする電子写真トナー用外添剤の製造方法。 - 前記ノニオン性界面活性剤が、前記エチレンオキサイド部を70〜90重量%含有し、かつ分子量950〜1,500の前記プロピレンオキサイド部を含有する請求項1又は2に記載の電子写真トナー用外添剤の製造方法。
- 前記アニオン性界面活性剤が、非反応性のアニオン性界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩及びモノアルキルスルホコハク酸塩、反応性のアニオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウムから選択される請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真トナー用外添剤の製造方法。
- 前記水溶性重合開始剤が過硫酸塩である請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真トナー用外添剤の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1つの方法により得られる電子写真トナー用外添剤。
- 前記電子写真トナー用外添剤が、電子写真トナー用バインダー樹脂粒子100重量部に対して0.01〜10.0重量部の量で前記電子写真トナー用外添剤を外添されて得られる樹脂粒子に、−20〜−40μC/gのブローオフ帯電量(25℃、60%RH)を与える請求項6に記載の電子写真トナー用外添剤。
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- 2009-09-18 JP JP2009217249A patent/JP5325719B2/ja not_active Expired - Fee Related
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