JP2011058148A - オフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、オフセット印刷での印刷強度、耐ブリスター性及びグラビア印刷での平滑度がバランス良く改善されたオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙を製造し、ストリークによる操業性を改善する。
【解決手段】本発明は、顔料及び接着剤を主成分とする水性塗被組成物を塗布し、乾燥して仕上げる塗被紙製造方法において、水性塗被組成物を、顔料として湿式重質炭酸カルシウムを60〜100質量部含有し、接着剤を全顔料に対して4.5〜7.5質量部の割合で含有した塗被液とし、ギャップフォーマー抄紙機で抄紙した紙匹に、フィルムメタリングサイズプレス装置を使用して、澱粉を主体としたサイズ液を絶乾塗被量で0.5〜2.0g/mを塗布し、乾燥し、続いて塗被液を片面絶乾塗被量8〜13g/mで両面を塗布し、乾燥した後、オンマシンソフトカレンダーにてパーカープリントサーフによる平滑度を0.6μm以下に仕上げる。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷用塗被紙に関し、更に詳しくはオフセット印刷及びグラビア印刷のどちらにも使用することができるオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙(以下、「印刷用兼用塗被紙」ともいう。)で、印刷強度が良好であり、オフセット輪転(以下、「オフ輪」ともいう。)印刷での耐ブリスター性も備えたもので、かつ、グラビア印刷での平滑度に優れた印刷用兼用塗被紙に関する。
従来、商業印刷・出版印刷ではオフセット印刷が利用されてきた。オフセット印刷には枚葉・輪転の2種類あるが、いずれの方式にしても、グラビアインキに比べて粘調なインキを使用するので、グラビア印刷用塗被紙に比べて表面強度の高い紙が必要とされる。弾力性に富むブランケットを介してのインキ転移となるので印刷上がりは良好で、従って、オフセット印刷用塗被紙はグラビア印刷用塗被紙程の高い平滑性を要求されない。
従来のオフセット印刷用塗被紙は、グラビア印刷に適するほどの平滑性をもたず、グラビア印刷に用いるとミスドットと呼ばれる網点の欠落が生じ、印刷面の仕上がりが悪くなるという欠点があり、グラビア印刷用途として使用することはできなかった。
このように、オフセット印刷に適した特性とグラビア印刷に適した特性とは異なり、それぞれの印刷方式に見合った印刷用紙、すなわち、オフセット印刷用塗被紙及びグラビア印刷用塗被紙として個別に上市されている。
しかし、例えば情報記録用紙の如く、インキジェット記録方式とか熱転写記録方式などの各種プリンターや静電写真(PPC)方式の複写機にそれぞれ専用の記録用紙を使用する場合、それぞれのプリンターや複写機別に記録用紙の在庫管理をしなくてはならず、その管理が複雑になっていた。
近年になって、これらの共用の情報記録用紙が上市され、管理の複雑さが改善されるようになって来た。このような共用可能な機能を、すなわちグラビア印刷用とかオフセット印刷用とか印刷用紙の種別を意識しなくても、それぞれの印刷方式に適宜兼用可能なものが望まれてきている。
一方、製紙メーカーにとっては、塗料(塗被液)組成変更による変抄作業や資材ロスを少なくする等の製造作業の効率化・省資源化のために、同一ロットでの塗被紙の製造が求められている。
そこでオフセット印刷に適した特性とグラビア印刷に適した特性を併せもつ塗被紙の開発が急務となっていた。
例えば、表面サイズ処理を行わない塗工原紙に特定の塗料を塗布して、表面平滑度を0.6μm以下に仕上げる印刷用塗工紙が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、オフセット・グラビア共用白板紙について開示されている(例えば、特許文献2〜4を参照。)。
さらに原紙に特定のカチオン澱粉を特定量配合し、接着剤を特定の濃度で表面サイズプレスするオフセット輪転印刷用紙の製造方法が開示されている(例えば、特許文献5を参照。)。
ところで、最近では抄紙機の高速化が高生産性を上げるために益々求められていて、1300m/分を超える原紙抄造、塗被、仕上げを一貫して行う生産方式(オンマシン方式)が行われつつある。このような高速での原紙抄造においては、抄紙機のワイヤーパートの変革が大いに寄与し、インレットから吐出した紙料スラリーをトップワイヤーとボトムワイヤーとで形成されるギャップに供給し、当初から上下2枚のワイヤーで脱水、紙層形成されるギャップフォーマー抄紙機によって高速抄紙が可能となった。
特開2005−314821号公報 特開平6−65898号公報 特開2002−363887号公報 特開2006−9184号公報 特開平10−280296号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、中空顔料を用いたり湿式重質炭酸カルシウム配合量が少なかったりすることから、高い固形分において塗料の流動性が悪化し、ストリークが発生する原因となり、良好な操業性を得ることができない問題が依然として残る。
また、特許文献2〜4に記載の技術はいずれも白板紙の原紙表面に2層の塗被層を設け、特定のカオリン・特定の軽質カルシウムを使用するものであり、高い塗料固形分においては流動性が悪化し、良好な操業性を得ることができない問題が依然として残る。
特許文献5には、グラビア適性に関しては何らの記載もされていない。
そして、ギャップフォーマー抄紙機による高速抄紙については、このギャップフォーマーで得られた紙匹が、従来の長網、オントップフォーマーに比べて微細繊維・填料が紙匹の両表層に集まりやすく、両表層が緻密になり透気性の悪い紙匹になる傾向を有する。したがって、ギャップフォーマーで得た紙匹に塗被層を設けて塗被紙を製造した場合、透気性が一段と悪化し、結果としてブリスター適性が劣る塗被紙となり、オフセット輪転印刷には適さない。
このようにオフセット印刷機とグラビア印刷機に兼用して用いられるような印刷用塗被紙の製造において、特にギャップフォーマーで製造された印刷用塗被紙において、オフセット印刷の枚葉方式での印刷強度の確保と巻取り方式での耐ブリスターの改善は、相反する対策となり、両者を共に改善することは極めて難しいことであり、かつ、グラビア印刷での高平滑性をもたせることは一段と難しいことである。
そこで本発明では、オフセット印刷機とグラビア印刷機とに兼用して用いられるような印刷用塗被紙の製造において、オフセット印刷での印刷強度、耐ブリスター性及びグラビア印刷での平滑度がバランス良く改善された印刷用兼用塗被紙であり、かつ、ストリークによる操業性を改善した製造方法を提供するものである。
本発明者らはギャップフォーマーにて抄造した原紙に塗被液を塗布して塗被紙を仕上げた場合、平滑度が出やすいことを新たに見出した。特に紙匹に澱粉サイズ処理をすると更に顕著になることも判った。
ギャップフォーマーで得られた紙匹は、従来の長網、オントップフォーマーに比べて微細繊維・填料が原紙の両表層に集まりやすく、両表層が緻密になり透気性の悪い紙匹になる傾向を有する反面、従来の長網、オントップフォーマーに比べ平滑度が高い紙匹になる傾向を有する。
ギャップフォーマーで得られた両表層が緻密な原紙に塗被液を塗布して塗被紙に仕上げると、塗被液の紙匹への浸み込みが少なく、塗被紙の平滑も上がりやすくなるためと考えられる。
一方、ギャップフォーマーによる紙匹に塗布した場合、塗被紙の透気抵抗度が高くなりオフ輪印刷時の耐ブリスター性は劣る。特許文献5に記載されるような手段でもある程度、耐ブリスター性の改善となりえるが、従来用いられているような塗被液処方では、特に高平滑にした場合に耐ブリスター性は一段と悪化する。
本発明者らは、ギャップフォーマーの特徴を生かし、従来の課題となっていたオフセット印刷機とグラビア印刷機とに兼用して用いられるような印刷用塗被紙の製造に関して、鋭意研究した結果、次に示す発明に至った。すなわち、本発明に係るオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法は、顔料及び接着剤を主成分とする水性塗被組成物を塗布し、乾燥して仕上げる塗被紙製造方法において、前記水性塗被組成物を、顔料として湿式重質炭酸カルシウムを60〜100質量部含有し、接着剤を全顔料に対して4.5〜7.5質量部の割合で含有した塗被液とし、ギャップフォーマー抄紙機で抄紙した紙匹に、フィルムメタリングサイズプレス装置を使用して、澱粉を主体としたサイズ液を絶乾塗被量で0.5〜2.0g/mを塗布し、乾燥し、続いて前記塗被液を片面絶乾塗被量8〜13g/mで両面を塗布し、乾燥した後、オンマシンソフトカレンダーにてパーカープリントサーフによる平滑度を0.6μm以下に仕上げることを特徴とする。
本発明に係るオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法では、前記塗被液の固形分濃度が65質量%以上であることが好ましい。
本発明に係るオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法では、前記接着剤として水溶性接着剤の含有量は、全顔料に対して1.5質量部以下とすることが好ましい。白紙光沢や平滑度を出しやすい。
本発明によるオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法は、オフセット印刷での印刷強度、耐ブリスター適性及びグラビア印刷での平滑度がバランス良く改善された印刷用兼用塗被紙が得られる。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法は、顔料及び接着剤を主成分とする水性塗被組成物を塗布し、乾燥して仕上げる塗被紙製造方法において、前記水性塗被組成物を、顔料として湿式重質炭酸カルシウムを60〜100質量部含有し、接着剤を全顔料に対して4.5〜7.5質量部の割合で含有した塗被液とし、ギャップフォーマー抄紙機で抄紙した紙匹に、フィルムメタリングサイズプレス装置を使用して、澱粉を主体としたサイズ液を絶乾塗被量で0.5〜2.0g/mを塗布し、乾燥し、続いて前記塗被液を片面絶乾塗被量8〜13g/mで両面を塗布し、乾燥した後、オンマシンソフトカレンダーにてパーカープリントサーフによる平滑度を0.6μm以下(ISO 8791−4:1992 測定圧力2000kPa)に仕上げる。これによって、オフセット・グラビア印刷に共用できる塗被紙が得られる。
フィルムメタリングサイズプレスによって紙匹に両面で0.5〜2.0g/mの澱粉を主体としたサイズ液を塗布することによって、塗被液を塗布するときのストリークの発生が少なく、オフセット印刷での印刷強度の確保と耐ブリスター性の付与ができる。サイズ液の塗被量は、より好ましくは、0.7〜1.6g/mで、更に好ましくは、0.9〜1.6g/mである。フィルムメタリングサイズプレスによって澱粉を両面で0.5g/m未満で塗布した場合は、塗被液を塗布するときのストリークの発生が増加し、更に、オフセット印刷時パイリングと呼ばれる塗被紙面からの顔料の脱落が生じ満足な印刷強度が得られない。澱粉を両面で2.0g/mを超えて塗布すると透気抵抗度が高くなり、オフ輪印刷でのブリスター適性が得られない。
オンマシンでの高温(150℃〜220℃)、高線圧(250kN/m〜330kN/m)によるソフトカレンダー処理で、塗被紙をパーカープリントサーフによる平滑度が0.6μm以下に仕上げることによって、グラビア印刷でのミスドットを十分に減らせることが可能となる。パーカープリントサーフによる平滑度は、より好ましくは、0.57〜0.45μmであり、更に好ましくは0.55〜0.50μmである。パーカープリントサーフによる平滑度が0.6μmを超えるとミスドットが目立ち、印刷後の商品として価値が失われてしまう。
塗被液は、顔料として湿式重質炭酸カルシウムを60〜100質量部、接着剤を全顔料に対して4.5〜7.5質量部の割合で含有した固形分濃度65質量%以上のものを、片面絶乾塗被量8〜13g/mで塗布する。湿式重質炭酸カルシウムは、より好ましくは、70〜90質量部であり、更に好ましくは75〜85質量部である。また、固形分濃度は、66〜72質量%であり、更に好ましくは67〜71質量%である。さらに、片面絶乾塗被量は、より好ましくは、9〜12g/mで、更に好ましくは、10〜11g/mである。
湿式重質炭酸カルシウムが60質量部未満ではオフ輪印刷でのブリスター適性が得られず、更に塗被液の固形分濃度65%以上での流動性は劣り、ストリークの発生が多く操業面で問題がある。しかし、湿式重質炭酸カルシウムが60質量部以上では、接着剤を全顔料に対して4.5〜7.5質量部の割合で含有させることによって、オフセット印刷での強度にも優れ、平滑度とブリスター適性のバランスを取ることが可能になり、かつ、塗被液の流動性にも優れストリークの発生も少ない。
接着剤を全顔料に対して4.5質量部未満の割合で含有した場合には、オフセット印刷でパイリングと呼ばれる塗被紙面からの顔料の脱落が生じ、印刷強度が十分でないという印刷作業性に問題が起きる。一方、接着剤を全顔料に対して7.5質量部の割合を超えて含有した場合は、オフセット印刷でのパイリングは発生しないものの、塗被紙の透気抵抗度が高くなりオフ輪印刷時の耐ブリスター性が悪化する。
絶乾塗被量が片面8g/m未満では、塗被紙のパーカープリントサーフによる平滑度が0.6μm以下に仕上げることが困難となり、グラビア印刷でのミスドット発生が顕著になる。一方、絶乾塗被量が片面13g/mを超えると、グラビア印刷でのミスドットは全く問題ないが、塗被紙の透気抵抗度が一段と高くなりオフ輪印刷時の耐ブリスター性が悪化する。
以上のように、ギャップフォーマーを用いた原紙にフィルムメタリングサイズプレスによって紙匹に澱粉を塗布した後、特定の塗被液を塗布して平滑化処理することによって、オフセット・グラビア印刷に適した塗被紙を製造することが可能となる。
次に本実施形態に関する印刷用兼用塗被紙の好ましい態様例を挙げて具体的に説明する。本実施形態に用いられる塗被原紙は、広葉樹晒しクラフトパルプ、針葉樹晒しクラフトパルプ等の化学パルプ、GP、TMP等の機械パルプ、古紙由来のパルプを原料として用い、公知の長網、オントップフォーマー、ギャップフォーマーで抄造される。
原紙を抄造するときの紙料中には、カチオン澱粉、ポリアクリルアマイド等の紙力増強剤、ロジンサイズ、アルケニル無水琥珀酸、アルキルケテンダイマー、合成サイズ剤等のサイズ剤、タルク、炭酸カルシウム、合成ゼオライト、チタン等の填料、コロイダルシリカ、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド等の歩留り向上剤、濾水剤等の抄紙補助薬品が含まれるほか、蛍光染料、着色染料などの色相調整薬品も含まれる。
ワイヤー上で紙匹が形成された後、プレスパートで脱水、プレドライヤーパートで乾燥される。プレドライヤー後、フィルムメタリングサイズプレス装置で澱粉が塗布され、乾燥される。
フィルムメタリングサイズプレス装置で塗布される澱粉としては、熱化学変性澱粉、カルバミン酸澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉などがある。必要に応じて、顔料及び/又は澱粉以外の物質を配合することも可能であるが、澱粉の絶乾塗被量が0.5〜2.0g/mとなるようにすることが必要である。
フィルムメタリングサイズプレス装置で澱粉が塗布され、乾燥された後に塗被液がブレード塗工機で塗布される。
塗被液組成物は、顔料、接着剤、助剤から構成されているが、顔料としては湿式重質炭酸カルシウムが60〜100質量部用いられる。湿式重質炭酸カルシウムとしては市販されている粒子径2μmアンダーの質量累積率60%品、90%品、97%品、100%品が使用されるほか、粒度分布の揃った所謂エンジニアード湿式重質炭酸カルシウムも使用することができるが、白紙光沢、平滑度の観点からは粒子径2μmアンダーの質量累積率90%以上の物を使用することが好ましい。全顔料として湿式重質炭酸カルシウムを用いる場合以外は、必要に応じてカオリン、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、プラスチックピグメントなどが使用される。
接着剤の種類としては、特に制限されるものはなく、公知のバインダーを用いることができる。例えばスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、酢酸ビニル・アクリル系、ブタジエン・メチルメタアクリル系等の各種共重合体ラテックス、又はポリビニルアルコール、酸化澱粉、エステル化澱粉、熱化学変性澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶澱粉、カゼイン、デキストリンなどの水溶性接着剤である。接着剤は、全顔料に対して4.5〜7.5質量部の割合で含有する。接着剤に含まれる水溶性接着剤の含有量は1.5質量部以下、好ましくは1質量部以下とする。水溶性接着剤の含有量が1.5質量部を超えると、白紙光沢や平滑度が出づらくなる。また、共重合体ラテックスは、強度を発現しやすいスチレン・ブタジエン系ラテックスが好ましい。
助剤としてはpH調整剤、消泡剤、分散剤、潤滑剤、印刷適性向上剤、増粘剤、保水剤のほか、蛍光染料や着色顔料・染料が適宜使用される。
塗被液を塗布した後、公知の乾燥機で熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥などの乾燥方式で乾燥された後に、ソフトカレンダーで平滑化及び光沢付け処理されて印刷用兼用塗被紙が得られる。
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例・比較例において%とあるのは、すべて質量%を示す。塗被液組成物(塗被液)の配合は、部数で示す。
(実施例1)
フリーネス450mlCSF(カナダ標準ろ水度)の広葉樹晒しクラフトパルプ90%、フリーネス550mlCSFの針葉樹晒しクラフトパルプ10%に、絶乾パルプ質量100%当りで軽質炭酸カルシウム(商標TP121 奥多摩工業社製)の含有量が10%、紙力剤としてカチオン澱粉(商標ネオタック40T 日本食品化工社製)を絶乾パルプ質量100%当り0.8%を添加し、更に染料を添加し、歩留り向上剤を用いてギャップフォーマーにて坪量45g/mの紙匹を抄速1,400m/分にて抄紙した。引続き、オンマシンで紙匹を乾燥後、フィルムメタリングサイズプレス装置にてサイズ液として固形分濃度14%の燐酸エステル化澱粉(MS#4600 日本食品化工社製)を絶乾塗被量で1.6g/mを両面塗布した後、乾燥して原紙を得た。その後、抄紙機と一体となっているブレード塗工機によって塗被液を片面絶乾塗被量で10g/mずつ両面に塗布し、乾燥後、製造ラインと一体となったソフトカレンダー4基を用いて温度180℃、線圧250kN/mで処理して実施例1の印刷用兼用塗被紙に仕上げた。ブレード塗工機で使用した塗被液の組成配合は、次のとおりとした。
(塗被液の組成配合)
・顔料
微細カオリンクレー(アメリカ産、平均粒子径0.4μm) 20部
湿式重質炭酸カルシウム カービタル90(イメリス社製、平均粒子径1.0μm、粒子径2μmアンダー質量累積率90%) 80部
・燐酸エステル化澱粉 MS#4600(日本食品化工社製) 1部
・スチレン・ブタジエンラテックス S2788K(JSR社製) 6部
・潤滑剤 DEF783TF(日新化学社製) 0.6部
・印刷適性向上剤 PA6502(星光PMC社製) 0.3部
固形分濃度 68.0質量%
塗被時のストリーク状況及び得られた印刷用兼用塗被紙の物性を次の方法で評価、測定し、表1にまとめた。
(1)白紙光沢度
JIS P 8142:2005「紙及び板紙‐75度鏡面光沢度の測定方法」に準じた紙・板紙の75°の塗被表面白紙部の光沢度を測定した。
(2)平滑度
パーカープリントサーフ(ISO 8791−4:1992に記載)によって、測定条件2000kPaの加圧下で測定した。数値が低いほど平滑性が高いことを示す。
(3)オフセット印刷枚葉機(印刷強度)
三菱重工社製ダイヤ4色機で12,000枚/時の印刷速度で印刷用兼用塗被紙を5,000枚印刷後、ブランケットの汚れ、紙ムケを目視評価し、市場性の判定を行った。インキは、DIC社製 Fusion−Gを用いた。
判定基準 ○・・ブランケットの汚れ、紙ムケがなく、市場性有り。
△・・ブランケットの汚れ、紙ムケはあるものの下限レベルで市場性有り。
×・・ブランケットの汚れ、紙ムケがあり、市場性がないもの。
(4)オフセット(印刷)輪転機(耐ブリスター)
三菱重工社製リソピア4色機で600rpmの印刷速度で印刷用兼用塗被紙を印刷し、紙面温度140℃で、ブリスターが発生しないものを○、発生するものを×として評価した。インキは、大日精化工業社製 WEB REX IMPACTを用いた。
(5)大蔵省印刷局式グラビア印刷適性試験機(熊谷理機工業社製)によって網グラビア版を用いて印刷し、10〜70%網点部のミッシングドットを目視評価した。インキは、東洋インキ製造社製OGH91スミを用いた。
判定基準 ○・・ミッシングドットがなく、市場性有り。
△・・ミッシングドットはあるものの下限レベルで市場性有り。
×・・ミッシングドットがあり、市場性がないもの。
(6)ストリーク
ブレード塗工機での塗被液の塗被時にストリークの発生状況を目視評価した。
判定基準 ○・・ストリークの発生がない。
△・・ストリークの発生はあるが、問題ないレベル。
×・・ストリークが発生し、操業性に問題あり。
(実施例2)
ブレード塗工機の塗被液の絶乾塗被量を8g/m片面にした以外は、実施例1と同様にして実施例2の印刷用兼用塗被紙を仕上げた。
(実施例3)
ブレード塗工機の塗被液の絶乾塗被量を12.5g/m片面にした以外は、実施例1と同様にして実施例3の印刷用兼用塗被紙を仕上げた。
(実施例4)
フィルムメタリングサイズプレスのサイズ液の絶乾塗被量を0.5g/m両面にした以外は、実施例1と同様にして実施例4の印刷用兼用塗被紙を仕上げた。
(実施例5)
フィルムメタリングサイズプレスのサイズ液の絶乾塗被量を2.0g/m両面にした以外は、実施例1と同様にして実施例5の印刷用兼用塗被紙を仕上げた。
(実施例6)
ブレード塗工機の塗被液の微細カオリンクレーを40質量部、湿式重質炭酸カルシウムを60質量部、固形分濃度を65質量%とした以外は、実施例1と同様にして実施例6の印刷用兼用塗被紙を仕上げた。
(実施例7)
ブレード塗工機の塗被液の湿式重質炭酸カルシウムを100質量部で、固形分濃度を70質量%とした以外は、実施例1と同様にして実施例7の印刷用兼用塗被紙を仕上げた。
(実施例8)
ブレード塗工機の塗被液の燐酸エステル化澱粉を0.5質量部、スチレン・ブタジエンラテックスを4質量部で、固形分濃度を70質量%とした以外は、実施例1と同様にして実施例8の印刷用兼用塗被紙を仕上げた。
(実施例9)
ブレード塗工機の塗被液のスチレン・ブタジエンラテックスを6.5質量部とした以外は、実施例1と同様にして実施例9の印刷用兼用塗被紙を仕上げた。
(比較例1)
フィルムメタリングサイズプレスでの澱粉絶乾塗被量をなしにした以外は、実施例1と同様にして比較例1の印刷用塗被紙を仕上げた。
(比較例2)
フィルムメタリングサイズプレスでの澱粉絶乾塗被量を2.5g/m両面にした以外は、実施例1と同様にして比較例2の印刷用塗被紙を仕上げた。
(比較例3)
ブレード塗工機の塗被液の絶乾塗被量を7g/mにした以外は、実施例1と同様にして比較例3を仕上げた。
(比較例4)
ブレード塗工機の塗被液の絶乾塗被量を13.5g/mにした以外は、実施例1と同様にして比較例4を仕上げた。
(比較例5)
ブレード塗工機の塗被液の微細カオリンクレーを45質量部、湿式重質炭酸カルシウムを55質量部で、固形分濃度を65質量%とした以外は、実施例1と同様にして比較例5の印刷用塗被紙を仕上げた。
(比較例6)
ブレード塗工機の塗被液のスチレン・ブタジエンラテックスを8質量部とした以外は、実施例1と同様にして比較例6の印刷用塗被紙を仕上げた。
(比較例7)
ブレード塗工機の塗被液のスチレン・ブタジエンラテックスを3質量部とした以外は、実施例1と同様にして比較例7の印刷用塗被紙を仕上げた。
Figure 2011058148
表1を参照すればわかるとおり、実施例1〜9はいずれもストリークの発生が無く、白紙光沢が良好であり、平滑性に優れ、印刷強度、耐ブリスター及びミスドットの少なさについてバランスが取れていた。一方、比較例1はフィルムメタリングサイズプレスでの澱粉絶乾塗被量をなしとしたのでストリークが発生し、平滑性に劣り、印刷強度に劣った。比較例2はフィルムメタリングサイズプレスでの澱粉絶乾塗被量が2.5g/mと多かったので耐ブリスターが劣った。比較例3は、塗被液の絶乾塗被量が7g/mと少なかったので、平滑性に劣りミスドットの発生が起こった。比較例4は、塗被液の絶乾塗被量が13.5g/mと多かったので、耐ブリスターが劣った。比較例5は、顔料中の湿式重質炭酸カルシウムが少なかったので、ストリークが発生し、耐ブリスターが劣った。比較例6は、結着剤が多かったので、平滑性に劣り、耐ブリスターが劣った。比較例7は、結着剤が少なかったので、印刷強度に劣った。

Claims (3)

  1. 顔料及び接着剤を主成分とする水性塗被組成物を塗布し、乾燥して仕上げる塗被紙製造方法において、
    前記水性塗被組成物を、顔料として湿式重質炭酸カルシウムを60〜100質量部、接着剤を全顔料に対して4.5〜7.5質量部の割合で含有した塗被液とし、
    ギャップフォーマー抄紙機で抄紙した紙匹に、フィルムメタリングサイズプレス装置を使用して、澱粉を主体としたサイズ液を絶乾塗被量で0.5〜2.0g/mを塗布し、乾燥し、
    続いて前記塗被液を片面絶乾塗被量8〜13g/mで両面を塗布し、乾燥した後、オンマシンソフトカレンダーにてパーカープリントサーフによる平滑度を0.6μm以下に仕上げることを特徴とするオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法。
  2. 前記塗被液の固形分濃度が65質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法。
  3. 前記接着剤として水溶性接着剤の含有量は、全顔料に対して1.5質量部以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のオフセット・グラビア印刷用兼用塗被紙の製造方法。
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