JP2011057000A - 音響共鳴装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室の比較的低い周波数の音圧を低減させ、特に、乗車者が音を聞き取る場所で奏する効果を高める。
【解決手段】乗車者が騒音と感じ得る、車室における比較的低い周波数の音は、車室の固有振動姿態に強く依存する。車室において、前部座席140A,140Bに着席する搭乗者の頭部付近の高さの固有振動姿態に着目すると、車室の車幅に対してほぼ2倍の長さの波長の固有振動姿態が車幅方向に生成される。さらに、この固有振動姿態の音圧の腹は両サイドウィンドウ153付近に位置する。よって、車室における固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、乗車者の乗車領域に近い場所のものを制御対象として音圧を低下させ、又は粒子速度を増大させるように共鳴体を設置すれば、固有振動姿態を原因とした作用を抑制し、車室の比較的低い周波数の音圧を低減させ、特に、乗車者が音を聞き取る場所で奏する効果を高めることができる。
【選択図】図9
【解決手段】乗車者が騒音と感じ得る、車室における比較的低い周波数の音は、車室の固有振動姿態に強く依存する。車室において、前部座席140A,140Bに着席する搭乗者の頭部付近の高さの固有振動姿態に着目すると、車室の車幅に対してほぼ2倍の長さの波長の固有振動姿態が車幅方向に生成される。さらに、この固有振動姿態の音圧の腹は両サイドウィンドウ153付近に位置する。よって、車室における固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、乗車者の乗車領域に近い場所のものを制御対象として音圧を低下させ、又は粒子速度を増大させるように共鳴体を設置すれば、固有振動姿態を原因とした作用を抑制し、車室の比較的低い周波数の音圧を低減させ、特に、乗車者が音を聞き取る場所で奏する効果を高めることができる。
【選択図】図9
Description
本発明は、車室の音を減衰させる技術に関する。
車室の静粛性を高めるための技術として、特許文献1には車両に吸音材を設けることが開示されている。特許文献1には、車室のダッシュパネルの内部に設けられたダクトにフェルトを貼り着けた吸音構造が開示されている。また、特許文献2には、板状又は膜状の振動体と、この振動体の背後の空間の空気層とにより音を吸収する板・膜振動型吸音構造が開示されている。
特許文献1に開示されている技術において、特許文献2に開示されている吸音構造を適用したとしても、例えば自動車のエンジン音や、タイヤや路面からひろうロードノイズを原因とする比較的低い周波数の音を減衰させるには不十分である。また、特許文献1には、車室に居る人物が実際に音を聞き取る場所で高い吸音効果を奏するようにすることは開示されていない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車室の比較的低い周波数の音圧を低減させ、特に、車室に居る人物が音を聞き取る場所で奏する効果を高めることである。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車室の比較的低い周波数の音圧を低減させ、特に、車室に居る人物が音を聞き取る場所で奏する効果を高めることである。
上述した目的を達成するために、本発明に係る音響共鳴装置は、開口部と、前記開口部に通じる中空領域とを有している共鳴体であって、前記中空領域が前記開口部を介して車室に繋がるように車両に設けられる共鳴体を備え、前記車室における特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、当該車室における乗車領域の位置に応じて定められる場所の当該固有周波数の音圧を、前記共鳴体が共鳴することにより低減させることを特徴とする。
本発明に係る音響共鳴装置において、前記共鳴体は、前記固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、少なくとも前記乗車領域から最も近い場所の音圧を低減させることが好ましい。
本発明に係る音響共鳴装置において、前記共鳴体は、前記固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、少なくとも前記乗車領域から最も近い場所の音圧を低減させることが好ましい。
また、本発明に係る音響共鳴装置は、開口部と、前記開口部に通じる中空領域とを有している共鳴体であって、前記中空領域が前記開口部を介して車室に繋がるように車両に設けられる共鳴体を備え、前記車室における特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、当該車室における乗車領域の位置に応じて定められる場所の当該固有周波数の媒質粒子の運動速度を、前記共鳴体が共鳴することにより増大させることを特徴とする。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記固有周波数と、外部から前記車室に与えられる振動の周波数とは互いに異なる周波数であり、前記共鳴体の共鳴周波数は、前記乗車領域の位置に応じて定められる場所における音圧であって前記振動により励振された周波数の音圧を、前記共鳴により低減させるように設定されているようにしてもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記固有周波数の固有振動姿態は、前記車両の車幅方向に音圧が分布する1次の固有振動姿態であることが好ましい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記固有周波数の固有振動姿態は、前記車両の前後方向に音圧が分布する2次の固有振動姿態であってもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記乗車領域には、乗車者の座席が設けられており、前記共鳴体は、前記座席に設けられていてもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記共鳴体は、前記車室に面する天井に設けられていてもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記共鳴体は、前記車両の屋根を支える支柱に設けられていてもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記共鳴体は、前記車室に面するドアに設けられていてもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記固有周波数の固有振動姿態は、前記車両の前後方向に音圧が分布する2次の固有振動姿態であってもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記乗車領域には、乗車者の座席が設けられており、前記共鳴体は、前記座席に設けられていてもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記共鳴体は、前記車室に面する天井に設けられていてもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記共鳴体は、前記車両の屋根を支える支柱に設けられていてもよい。
また、本発明に係る音響共鳴装置において、前記共鳴体は、前記車室に面するドアに設けられていてもよい。
本発明によれば、車室の比較的低い周波数の音圧を低減させ、特に、車室に居る人物が音を聞き取る場所で奏する効果を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[A:第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
(A−1)車両の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る4ドアセダン形の車両100を示す斜視図である。図2は、車両100の車室105を模式的に示す図である。車両100においては、車体の基台となるシャーシに、ボンネット101、車室105の出入り口となる4枚のドア150、及びトランクドア103がそれぞれ開閉自在に取り付けられる。シャーシは、ベース104と、ベース104からそれぞれ上側に延びる支柱であるセンターピラー120、フロントピラー130及びリアピラー180と、これらのピラーによって支えられるルーフ110の一部とを含む。ドア150の内側に、車両100の車室105が構成されている。車室105は、車両100に乗車する人物である乗車者が居室する室空間である。車室105において、車両100の前後方向(図2に示す。)に対する後方にはリアパッケージトレイ220が設けられる。リアパッケージトレイ220は、車室105と荷室(つまり、トランク)とを仕切る隔壁を車室105から覆う部材である。なお、車両100の前方とは、車両100の進行方向のことをいい、車両100の後方とは、車両100の進行方向と正反対の方向のことをいう。
[A:第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
(A−1)車両の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る4ドアセダン形の車両100を示す斜視図である。図2は、車両100の車室105を模式的に示す図である。車両100においては、車体の基台となるシャーシに、ボンネット101、車室105の出入り口となる4枚のドア150、及びトランクドア103がそれぞれ開閉自在に取り付けられる。シャーシは、ベース104と、ベース104からそれぞれ上側に延びる支柱であるセンターピラー120、フロントピラー130及びリアピラー180と、これらのピラーによって支えられるルーフ110の一部とを含む。ドア150の内側に、車両100の車室105が構成されている。車室105は、車両100に乗車する人物である乗車者が居室する室空間である。車室105において、車両100の前後方向(図2に示す。)に対する後方にはリアパッケージトレイ220が設けられる。リアパッケージトレイ220は、車室105と荷室(つまり、トランク)とを仕切る隔壁を車室105から覆う部材である。なお、車両100の前方とは、車両100の進行方向のことをいい、車両100の後方とは、車両100の進行方向と正反対の方向のことをいう。
車室105には、乗車者が車室105に乗車したときに居るべき領域である、乗車領域が設けられている。車室105の乗車領域は、一般的な構造の自動車と同様、前部座席140及び後部座席190が設けられた領域である。より詳細には、前部座席140には、助手席としての前部座席140A、及び助運転席としての前部座席140Bがある。なお、前部座席のそれぞれを特に区別する必要のないときは、「前部座席140」と総称する。このように、車室105における乗車領域は、乗車者が着席する領域であり、車両100の設計段階などであらかじめ決められている。4枚のドア150は、前部座席140A,140Bにそれぞれ面する2枚のフロントドア150Aと、後部座席190に面する2枚のリアドア150Bとを含む。ドア150には、サイドウィンドウ153が備え付けられている。図1に示すように、サイドウィンドウ153が閉じられている状態のときには、サイドウィンドウ153はフロントドア150Aにおいて上側の領域に位置している。
(A−2)共鳴体の構成
車両100には、車室105に響く低周波数音を減衰させるための音響共鳴装置が構成されている。この音響共鳴装置は、車両100に設けられ、共鳴することにより車室105の音を減衰させる共鳴体を有している。この実施形態の音響共鳴装置が有している共鳴体は、板・膜共鳴体1である。
車両100には、車室105に響く低周波数音を減衰させるための音響共鳴装置が構成されている。この音響共鳴装置は、車両100に設けられ、共鳴することにより車室105の音を減衰させる共鳴体を有している。この実施形態の音響共鳴装置が有している共鳴体は、板・膜共鳴体1である。
図3は、板・膜共鳴体1の外観を模式的に表した図である。図4は、図1中の矢視II−IIから板・膜共鳴体1を見た断面図である。
板・膜共鳴体1の構成は、筐体10と振動部15とに大別される。筐体10は、上面側の全体が開口する直方体の箱状の部材である。筐体10は、開口部12と、開口部12に通じる中空領域として、直方体の気体層13とを有している。筐体10は、例えば木材で形成されるが、振動部15よりも相対的に硬い素材であれば、例えば合成樹脂や金属など他の素材を用いてもよい。振動部15は、弾性を有し、板状又は膜状に形成された矩形の部材である。振動部15には、例えば合成樹脂、金属、繊維板などの、弾性を有し弾性振動を生じる素材を板状に形成したもの、又は弾性を有する素材や高分子化合物を膜状に形成したものが用いられる。振動部15は、その一方の面の端部付近の領域が筐体10によって支持されており、筐体10の開口部12を塞ぐようにして設けられている。開口部12が振動部15で塞がれることにより、板・膜共鳴体1の内部に閉じた気体層13が形成される。なお、気体層13は、気体粒子からなる層であり、ここでは空気分子からなる空気層である。
板・膜共鳴体1の構成は、筐体10と振動部15とに大別される。筐体10は、上面側の全体が開口する直方体の箱状の部材である。筐体10は、開口部12と、開口部12に通じる中空領域として、直方体の気体層13とを有している。筐体10は、例えば木材で形成されるが、振動部15よりも相対的に硬い素材であれば、例えば合成樹脂や金属など他の素材を用いてもよい。振動部15は、弾性を有し、板状又は膜状に形成された矩形の部材である。振動部15には、例えば合成樹脂、金属、繊維板などの、弾性を有し弾性振動を生じる素材を板状に形成したもの、又は弾性を有する素材や高分子化合物を膜状に形成したものが用いられる。振動部15は、その一方の面の端部付近の領域が筐体10によって支持されており、筐体10の開口部12を塞ぐようにして設けられている。開口部12が振動部15で塞がれることにより、板・膜共鳴体1の内部に閉じた気体層13が形成される。なお、気体層13は、気体粒子からなる層であり、ここでは空気分子からなる空気層である。
板・膜共鳴体1は、音を減衰させる対象とする空間に気体層13が繋がるように配置される。空間に繋がるとは、その空間の音圧が透過するような場所に、共鳴体の中空領域(ここでは、気体層13)が位置することをいう。空間に音が発生すると、その音の音圧に応じて板・膜共鳴体1は共鳴する。この共鳴により、その空間の音圧と、板・膜共鳴体1の気体層13内の圧力とに差が生じる。この圧力差により振動部15が振動して、音響エネルギーが消費された後に、音響エネルギーが再放射される。この作用により、板・膜共鳴体1の表面であり、振動部15面近傍の空間で音圧が低減される。
ところで、板・膜共鳴体1が共鳴することによって音圧が低減する周波数は、振動部15の質量成分(マス成分)と、気体層13のバネ成分とによるバネマス系の共鳴周波数によって定まる。このバネマス系の振動を「ピストン振動」と呼ぶ。また、振動部15は弾性を有しており、その面積が相対的に小さいが故に、筐体10での支持部拘束が振動部15に働く系では、弾性振動による屈曲系の性質が加わる。すなわち、板・膜共鳴体1は、「屈曲振動」をする振動部15と、振動部15の背後の気体層13とを有していることにもなる。
次に、板・膜共鳴体1の設定条件について説明する。
まず、ピストン振動の共鳴周波数について説明する。媒質(気体)である空気の密度をρ0[kg/m3]、音速をc0[m/s]、振動体の密度をρ[kg/m3]、振動体の厚さをt[m]、空気層の厚さをL[m]とすると、ピストン振動の共鳴周波数fは下記式(1)の関係を満たす。
まず、ピストン振動の共鳴周波数について説明する。媒質(気体)である空気の密度をρ0[kg/m3]、音速をc0[m/s]、振動体の密度をρ[kg/m3]、振動体の厚さをt[m]、空気層の厚さをL[m]とすると、ピストン振動の共鳴周波数fは下記式(1)の関係を満たす。
次に、屈曲振動の共鳴周波数について説明する。振動部15の形状が長方形で一辺の長さをa[m]、もう一辺の長さをb[m]、振動部のヤング率をE[Pa]、振動部のポアソン比をσ[−]、モード次数であるp,qを正の整数とした場合、ピストン振動に加えて発生する屈曲振動を含めた両者の共鳴周波数fは、下記式(2)の関係を満たすとされている。建築音響の分野では、このようにして求めた共鳴周波数fを音響設計に利用することも行われている。
以上のように、板・膜共鳴体1は、ピストン振動によって生じる共鳴と、屈曲振動によって生じる共鳴とを生じさせる。しかしながら、それぞれは独立して発生するものではなく、各共鳴の周波数が近接している場合には、バネマス系の共鳴と屈曲系の共鳴が連成して挙動し、板・膜共鳴体1の共鳴周波数が決定される。一方、バネマス系の共鳴周波数と屈曲系の共鳴周波数とが相対的に離れていると、各共鳴系は互いに影響を及ぼすが独立的に挙動する。これにより、屈曲系の基本振動が背後の気体層のバネ成分と連成して、バネマス系の共鳴周波数と屈曲系の基本周波数との間の帯域に振幅の大きな振動が励振され、音圧の減衰量が大きくなる。
以上の作用により、板・膜共鳴体1によれば、比較的低い周波数の共鳴周波数を設定して、その周波数を中心とした帯域の音圧を低減させる点において好適である。より詳細には、発明者らは屈曲系の基本振動周波数の値をfa(=(1/2π)・((p/a)2+(q/b)2)・(π4Et3/(12ρt(1−σ2)))1/2)とし、バネマス系の共鳴周波数の値を、上記式(1)により表されるfbとした場合に、下記式(3)の関係を満足するように板・膜共鳴体1の各パラメータを設定したときに、比較的低い周波数帯域においても十分に音圧を低減させられることを発見した。
0.05≦fa/fb≦0.65 ・・・(3)
0.05≦fa/fb≦0.65 ・・・(3)
これにより、屈曲系の基本振動が背後の気体層のバネ成分と連成して、ピストン振動の基本共鳴周波数と屈曲振動の基本共鳴周波数との間の帯域に振幅の大きな振動が励振されて(屈曲振動の基本共鳴周波数fa<音圧減衰量のピーク周波数f<ピストン振動の基本共鳴周波数fb)、共鳴現象が生じる。これにより、板・膜共鳴体1から逆位相の反射波が放射され、振動部15表面で音圧が低減する。
さらに、板・膜共鳴体1の上記各パラメータを、以下の下記式(4)の関係を満足するように設定する場合、音圧の低減量がピークとなる周波数がピストン振動の共鳴周波数よりも十分に小さくなる。
0.05≦fa/fb≦0.40 ・・・(4)
例えば、160〜315Hz(1/3オクターブ中心周波数)において十分に音圧を低減させるためには、板・膜共鳴体1の各パラメータを以下の各値に設定する。ρ0=1.225[kg/m3]、c0=340[m/s]、ρ=940[kg/m3]、t=0.0017[m]、L=0.03[m]、a=b=0.1[m]、E=1.0[GPa]、σ=0.4、p=q=1。
0.05≦fa/fb≦0.40 ・・・(4)
例えば、160〜315Hz(1/3オクターブ中心周波数)において十分に音圧を低減させるためには、板・膜共鳴体1の各パラメータを以下の各値に設定する。ρ0=1.225[kg/m3]、c0=340[m/s]、ρ=940[kg/m3]、t=0.0017[m]、L=0.03[m]、a=b=0.1[m]、E=1.0[GPa]、σ=0.4、p=q=1。
(A−3)共鳴体の設置場所
次に、共鳴体の設置場所について説明する。
図5は、板・膜共鳴体1の設置場所を選定する方法を説明する図である。図5(a)は、前部座席140Aを中心に斜め後ろ側から車室105を見たときの様子を表した図である。図5(b)は、車室105において車幅方向に分布する固有振動姿態(ノーマルモードともいう。)の一例を示すグラフである。このグラフは、一次元モードの固有振動姿態であって、車幅方向に音圧が分布する定在波(軸波ともいう。)の一次の固有振動姿態の音圧分布を表したものである。この軸波の波長は車幅のほぼ2倍である。この固有振動姿態は、車室105の車幅により定まるものであり、167Hzという比較的低い固有周波数のものである。図5(b)のグラフにおいて、横軸は、図5(a)に示す点線H上の位置を表しており、前部座席140に着席する乗車者の頭部(耳)付近の高さにおける車幅方向の位置を表している。縦軸は、上記一次の固有振動姿態の音圧の高さを表している。
次に、共鳴体の設置場所について説明する。
図5は、板・膜共鳴体1の設置場所を選定する方法を説明する図である。図5(a)は、前部座席140Aを中心に斜め後ろ側から車室105を見たときの様子を表した図である。図5(b)は、車室105において車幅方向に分布する固有振動姿態(ノーマルモードともいう。)の一例を示すグラフである。このグラフは、一次元モードの固有振動姿態であって、車幅方向に音圧が分布する定在波(軸波ともいう。)の一次の固有振動姿態の音圧分布を表したものである。この軸波の波長は車幅のほぼ2倍である。この固有振動姿態は、車室105の車幅により定まるものであり、167Hzという比較的低い固有周波数のものである。図5(b)のグラフにおいて、横軸は、図5(a)に示す点線H上の位置を表しており、前部座席140に着席する乗車者の頭部(耳)付近の高さにおける車幅方向の位置を表している。縦軸は、上記一次の固有振動姿態の音圧の高さを表している。
発明者らは、車室105に居る乗車者が騒音と感じ得る、例えば170Hzのように比較的低い周波数の音は、固有振動姿態の態様に強く依存すると考えた。一般に拡散音場では、対象とする周波数帯域内で数多くの固有振動姿態が密集して生成されるため、音場内において音圧が一様に分布し、音場の各位置においても、周波数軸上で一様な音圧の分布を示す。これに対し、車室105のような比較的小さい空間の音場では、比較的減衰しにくい固有振動姿態が生成される。すなわち、車室105は、各固有振動姿態が周波数軸上で孤立して存在する音場ということができる。また、低周波数の固有振動姿態にあっては、車室105における音圧の腹の分布が疎であるから、音場の特定の場所に音圧の腹が出現して、その場所の音圧が他の場所に比べて特に高くなる。更に、上記の孤立した固有振動姿態は、主に一次元モード(軸波)の固有振動姿態となり、その音響エネルギーは大きく、且つ減衰しにくい。このようになるのは、他のモードに比べて単位時間当たりに壁面に音波が入射する回数が少なく、壁面に吸音される音響エネルギーが小さいからである。
このような音場において、特定の固有周波数の音を減衰させる場合に、その固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所を制御対象とし、その制御対象の場所の音圧を低減させれば、音場全体において低周波数の音を効果的に低減させることができる、という知見を発明者らは得た。すなわち、固有振動姿態の音圧の腹の場所を音圧を低減させる制御対象とすることで、固有振動姿態による作用を弱体化させることができる。なお、音圧を低減させるための構成としては、共鳴体を用いることができ、共鳴体の開口部を制御対象とする音圧の腹の場所、又はその近傍に位置させればよい。この近傍とは、音圧の腹の場所の音圧を低減させることのできる距離のことをいう。例えば音圧を低減させたい特定の固有周波数の音の波長に対して十分に小さい距離の範囲内であり、例えばその波長の1/6の距離の範囲内である。
以上の作用により音場における低周波数の音圧が低減されることを確認するために、発明者らは以下に説明する測定試験を行った。
図6は、測定試験の内容を説明する図であり、直方体状の音場の高さ方向に音圧が分布する固有振動姿態の一例を模式的に表したものである。図6は、二次の固有振動姿態を表したものであり、音場の高さ方向の寸法から158Hzという比較的低い固有周波数である。この図において、斜線のハッチングで示した領域は、音圧が極大となる場所、又は極大に近くなる場所を表しており、音圧の「腹」となる場所を示すものである。一方、縦線のハッチングで示した領域は、音圧が極小、或いは極小に近くなる場所を表しており、音圧の「節」となる場所を示すものである。これら以外の領域であり、紙面の色で表される領域は、音圧が中程度となる場所を示す。なお、図6に示す固有振動姿態については、有限要素法(FEM;Finite Element Method)を用いた音場シミュレーションの計算により得た。
図6は、測定試験の内容を説明する図であり、直方体状の音場の高さ方向に音圧が分布する固有振動姿態の一例を模式的に表したものである。図6は、二次の固有振動姿態を表したものであり、音場の高さ方向の寸法から158Hzという比較的低い固有周波数である。この図において、斜線のハッチングで示した領域は、音圧が極大となる場所、又は極大に近くなる場所を表しており、音圧の「腹」となる場所を示すものである。一方、縦線のハッチングで示した領域は、音圧が極小、或いは極小に近くなる場所を表しており、音圧の「節」となる場所を示すものである。これら以外の領域であり、紙面の色で表される領域は、音圧が中程度となる場所を示す。なお、図6に示す固有振動姿態については、有限要素法(FEM;Finite Element Method)を用いた音場シミュレーションの計算により得た。
この音場の音圧を測定する評価位置として、図6に丸印で示す「1」〜「15」の各評価位置を定める。そして、これら各評価位置に収音用のマイクを設置した。評価位置「1」〜「9」は、音場の高さ方向に延びる稜線に沿う位置とし、これら各評価位置はほぼ等間隔に定められる。評価位置「9」〜「15」は、音場の床面に沿って幅方向に延びる稜線に沿う位置とした。これら各評価位置もほぼ等間隔に定めた。評価位置「9」は音場の隅角部に位置しており、そこから最も遠い位置の隅角部に音源を配置した。
図7は、測定試験の結果を表すグラフであり、音源から発せられた音を各評価位置に設けられたマイクによって収音し、その収音結果から求めた音圧を表したものである。図7のグラフにおいて、横軸は、評価位置「1」〜「15」をそれぞれ表しており、縦軸は、160Hz帯域(この明細書では、160Hzを中心とした1/3オクターブバンドとする。)の音圧[dB]を表している。同グラフにおいて、実線は、固有振動姿態の音圧の「腹」となる場所を制御対象として、その場所の音圧を、共鳴体の共鳴により低減させた場合の結果を表す。ここでは、評価位置「5」を含む水平な面において、音場の4つの角部(稜線)にそれぞれ4つの音響管を配置した。また、ここでは、一端が開口し、他端が閉口した音響管を用いており、音響管の空洞に繋がる開口部が上記4つの角部に位置するように配置した。音響管の共鳴周波数については、160Hz帯域の共鳴周波数で共鳴するように設定した。図7のグラフにおいて、破線は、固有振動姿態の音圧の「節」となる場所を制御対象として、その場所の音圧を、共鳴体の共鳴により低減させた場合の結果を表す。ここでは、評価位置「7」を含む水平な面において、上記構成の音響管を上記同じ態様で配置した。また、同グラフにおいて、一点鎖線は、音響管を配置しない場合の測定結果を表している。
図7に示すように、評価位置「5」である固有振動姿態の音圧の「腹」を制御対象とした場合、音響管の開口部に最も近い評価位置である、評価位置「5」での音圧が特に低くなっている(およそ62dB)。また、評価位置「5」に近接する、評価位置「3」、「4」、「6」、「7」においても音圧が90dB程度であり、音響管を設置しない場合に比べて、音圧が低くなっている。また、音響管から離れた位置にある評価位置「8」〜「15」においても、音響管を設置しない場合の測定結果と比較すると、20dB程度もの音圧の差異がある。これらの結果から、固有振動姿態の音圧の「腹」を制御対象とすることにより、その付近の音圧を大きく低減させるとともに、制御対象の音圧の腹の場所から離れた場所においても音圧が低減されていることが分かる。よって、上記態様の音響管の配置により、音場全体で静粛性が高められているが確認できた。この作用のことを、以下では、“モードを抑制する”や“モードの抑制”などと表現することがある。
一方、評価位置「7」である固有振動姿態の音圧の「節」の場所を制御対象とした場合、音響管の開口部に最も近い評価位置である「7」での音圧は低くなっている(およそ76dB)。しかしながら、その他の評価位置については、音響管を設置しない場合の測定結果と比較しても、さほど効果が得られていない。この結果から、固有振動姿態の音圧の「節」を制御対象としても、音場全体の音圧を低減させる点においては不十分であり、モードを抑制する効果をほとんど得られない。
再び、図5について説明する。
図5(b)に示すように、車室105の車幅方向に音圧が分布する一次の固有振動姿態に着目すると、前部座席140A及び140Bに着席する乗車者の頭部(耳)の高さ付近に、音圧の腹が出現することを発明者らは発見した。この音圧の腹の場所は、車室105の車幅方向の両端部付近であり、両フロントドア150Aのサイドウィンドウ153の位置にかなり近接している。そして、この固有周波数の波長は、上述のように、車室105の車幅のほぼ2倍の長さである。例えば、固有周波数が167Hzの波長は約2.0mであるが、車室105の車幅は、例えば通常の自動車であれば約1.0mである。
図5(b)に示すように、車室105の車幅方向に音圧が分布する一次の固有振動姿態に着目すると、前部座席140A及び140Bに着席する乗車者の頭部(耳)の高さ付近に、音圧の腹が出現することを発明者らは発見した。この音圧の腹の場所は、車室105の車幅方向の両端部付近であり、両フロントドア150Aのサイドウィンドウ153の位置にかなり近接している。そして、この固有周波数の波長は、上述のように、車室105の車幅のほぼ2倍の長さである。例えば、固有周波数が167Hzの波長は約2.0mであるが、車室105の車幅は、例えば通常の自動車であれば約1.0mである。
ところで、車室105においてサイドウィンドウ153付近に出現する固有振動姿態の音圧の腹の場所は、その方向に伝搬する定在波(軸波)のみによって出現したものとは限らない。この音圧の腹は、車幅方向に音圧が分布する軸波(一次元モードの固有振動)によって出現するものと推定されるが、厳密には、車両100の前後方向(図2に図示)に音圧が分布する軸波も関連し、いわゆる接線波(二次元モードの固有振動)によって出現している可能性もある。また、車室105の高さ方向に音圧が分布する軸波も関連して、いわゆる斜め波(三次元モードの固有振動)によって出現している可能性もある。どの固有振動に依存するものであっても、前部座席140及びサイドウィンドウ153付近に固有振動姿態の音圧の腹が出現しているという事実には違いない。
車室105においては、比較的低い周波数帯域、特に160Hz帯域で、周波数軸上で孤立した複数の固有振動姿態が生成されて実際の音場の音圧分布が形成される。そこで、これらのうち、車幅方向に音圧が分布する固有振動姿態(図5(b)に示す態様)のモードを抑制すれば、車室105内の騒音低減の効果が高いことを発明者らは発見した。よって、乗車領域の位置に応じて定められる固有振動姿態の音圧の腹であって、前部座席140及びサイドウィンドウ153付近に現れる固有振動姿態の音圧の腹を制御対象とすることで、乗車者が音を聞き取る場所で奏する効果を特に高めることができるわけである。より具体的には、一般的な構造の車両の内装仕様を考慮すれば、音圧の腹となる場所に近い位置にある、前部座席140や、車室105の前部座席140の近傍の壁部に共鳴体を設けるとよい。
なお、車室105において固有振動姿態の音圧の腹となる場所は、車室105の材質や形状などに依存するものであるから、実際に車両100を走行させなくても測定が可能である。例えば、一般的な車両の車室に設けられるスピーカからあらかじめ設定しておいた周波数の測定音を放音させ、車室の各場所に設けたマイクで、放音された測定音を収音した結果から各位置での音圧を求めれば、図5(b)に示すような音圧分布を得ることができる。また、車室の形状や寸法については、車両の種類によらず或る程度類似したものであることが多いから、様々な車種の車両において、乗車領域である前部座席付近に固有振動姿態の音圧の腹が現れると考えられる。
(A−4)車室105の構成
続いて、車室105において板・膜共鳴体1が設けられる部位の構成をそれぞれ説明する。車室105に設けられる板・膜共鳴体1は、およそ160Hzの固有周波数の固有振動姿態についてモードを抑制することができるよう、その設定条件が定められているとする。ここでは、板・膜共鳴体1の共鳴周波数は、その固有周波数にほぼ一致するよう設定されている。
続いて、車室105において板・膜共鳴体1が設けられる部位の構成をそれぞれ説明する。車室105に設けられる板・膜共鳴体1は、およそ160Hzの固有周波数の固有振動姿態についてモードを抑制することができるよう、その設定条件が定められているとする。ここでは、板・膜共鳴体1の共鳴周波数は、その固有周波数にほぼ一致するよう設定されている。
図8は、車両100を示す斜視図であり、図9は、前部座席140Aを中心に斜め後ろ側から車室105を見たときの様子を表した図である。車両100のうち、図8,9に示す各位置に板・膜共鳴体1は設けられる。具体的には、板・膜共鳴体1が設けられる部位は、ここでは、ルーフ110、センターピラー120、フロントピラー130、前部座席140、及びフロントドア150Aである。これらのうち、ルーフ110と、センターピラー120と、フロントピラー130と、フロントドア150Aとは、それぞれ車室105を構成する壁部の一例である。各板・膜共鳴体1は、制御対象とする音圧の腹の場所の音圧を低減させ得る位置、より詳細には、その腹の場所から特定の固有周波数の波長に対して十分小さい距離の範囲内(例えば、30cm以内の距離の場所)に設けられる。また、これら各部位に設けられる板・膜共鳴体1は、その気体層13が開口部12を介して車室105に繋がるように設けられる。
なお、以下の説明において、「上側」は、車室105の高さ方向に対する上側を意味し、「下側」は、車室105の高さ方向に対して下側を意味する。「左側」は、車両100の進行方向に対して左側を意味し、「右側」は、車両100の進行方向に対して右側を意味する。また、後述するサイドウィンドウ153の場所は、窓が閉じた状態であるときに位置する場所であり、その高さは前部座席140に座る乗車者の高さ付近に概ね一致する。
なお、以下の説明において、「上側」は、車室105の高さ方向に対する上側を意味し、「下側」は、車室105の高さ方向に対して下側を意味する。「左側」は、車両100の進行方向に対して左側を意味し、「右側」は、車両100の進行方向に対して右側を意味する。また、後述するサイドウィンドウ153の場所は、窓が閉じた状態であるときに位置する場所であり、その高さは前部座席140に座る乗車者の高さ付近に概ね一致する。
(A−4−1)ルーフ110
まず、ルーフ110の構成を説明する。図10は、図2中の車両100のルーフ110を矢視VIII−VIIIから見た断面図である。
図8,10に示すように、ルーフ110のうち前部座席140A,140Bが設けられる乗車領域のほぼ真上にある部位(天井部分)に、板・膜共鳴体1は設けられる。ここでは、3つの板・膜共鳴体1が、車両100の前後方向にそれぞれ一列に並べられている。ルーフ110に板・膜共鳴体1を設けているのは、制御対象とする音圧の腹がフロントドア150Aのサイドウィンドウ153付近という、比較的高い場所に出現するからである。また、車幅方向に対する位置は、板・膜共鳴体1の振動部15の位置が、なるべくサイドウィンドウ153に近づくように定められている。
まず、ルーフ110の構成を説明する。図10は、図2中の車両100のルーフ110を矢視VIII−VIIIから見た断面図である。
図8,10に示すように、ルーフ110のうち前部座席140A,140Bが設けられる乗車領域のほぼ真上にある部位(天井部分)に、板・膜共鳴体1は設けられる。ここでは、3つの板・膜共鳴体1が、車両100の前後方向にそれぞれ一列に並べられている。ルーフ110に板・膜共鳴体1を設けているのは、制御対象とする音圧の腹がフロントドア150Aのサイドウィンドウ153付近という、比較的高い場所に出現するからである。また、車幅方向に対する位置は、板・膜共鳴体1の振動部15の位置が、なるべくサイドウィンドウ153に近づくように定められている。
ルーフ110は、車両100の基台となるシャーシの一部に取り付けられ、例えばポリプロピレン樹脂によって形成されるルーフインナパネル114を有している。ルーフインナパネル114は、例えば木質繊維板によって形成された基材111を有している。基材111の車室105側には、音圧を透過する布材によって形成された表面材112が設けられる。板・膜共鳴体1は、基材111の上面に設けられた凹部113に嵌め込まれ、例えば接着によりルーフインナパネル114に対して固定される。なお、ルーフインナパネル114に対する共鳴体の固定に係る構成については、接着のほか、ネジやナット、ベルトなどの固定具を用いて固定してもよく、その構成については特に問わない。板・膜共鳴体1は、振動部15が表面材112を介して車室105の空間に面するようように、基材111に取り付けられる。
また、図10に示すように、凹部115に嵌めこまれて固定される板・膜共鳴体1は、ルーフインナパネル114のうち、その車幅方向の端部付近であり、サイドウィンドウ153にさらに近接した、傾斜する天井部分に設けられる。より具体的には、図9に示すように、一般的な構造の自動車の運転席・助手席側の天井部分に設けられるアシストグリップ200の背後付近に位置するよう、板・膜共鳴体1は設けられる。この場所に板・膜共鳴体1を設ければ、サイドウィンドウ153にかなり近い場所に振動部15が位置することになるから、制御対象の音圧の腹の場所での音圧の低減の効果を高めることができる。したがって、ルーフ110に板・膜共鳴体1を配置することで効果的にモードを抑制することができる。
(A−4−2)センターピラー120及びフロントピラー130
次に、センターピラー120、フロントピラー130の構成を説明する。
図11は、図2中の車両100のセンターピラー120を、その伸張方向に直交する方向に切断したときの断面を表す図である。センターピラー120は、シャーシの一部をなすセンターピラーアウタパネル121と、センターピラーアウタパネル121にピン122Aによって取り付けられるセンターピラーインナパネル122とを備える。センターピラーインナパネル122の車室105側には、音圧を透過する布材によって形成された表面材123が設けられる。
次に、センターピラー120、フロントピラー130の構成を説明する。
図11は、図2中の車両100のセンターピラー120を、その伸張方向に直交する方向に切断したときの断面を表す図である。センターピラー120は、シャーシの一部をなすセンターピラーアウタパネル121と、センターピラーアウタパネル121にピン122Aによって取り付けられるセンターピラーインナパネル122とを備える。センターピラーインナパネル122の車室105側には、音圧を透過する布材によって形成された表面材123が設けられる。
板・膜共鳴体1は、振動部15がセンターピラーインナパネル122に面するように取り付けられる。センターピラーインナパネル122には、孔部124が複数開けられている。この構成により、車室105側で発生する音は、各孔部124を介して振動部15の位置に到達する。図9などからも分かるように、センターピラー120は、前部座席140やフロントドア150Aに近接した位置にある。よって、センターピラー120に板・膜共鳴体1を配置することによって、効果的に車室105のモードを抑制することができる。
なお、図9に示すように、フロントピラー130にも板・膜共鳴体1は設けられるが、その取り付けに係る構成は、センターピラー120の場合と同様にすることができる。フロントピラー130も、前部座席140やフロントドア150Aに近接した位置にあるので、フロントピラー130に板・膜共鳴体1を配置することによって、効果的に車室105のモードを抑制することができる。
なお、図9に示すように、フロントピラー130にも板・膜共鳴体1は設けられるが、その取り付けに係る構成は、センターピラー120の場合と同様にすることができる。フロントピラー130も、前部座席140やフロントドア150Aに近接した位置にあるので、フロントピラー130に板・膜共鳴体1を配置することによって、効果的に車室105のモードを抑制することができる。
(A−4−3)前部座席140
次に、前部座席140の構成を説明する。
図12は、前部座席140の断面を表す図である。図12(a)は、図9中の矢視A−Aから前部座席140を見た断面図であり、図12(b)は、図9中の矢視B−Bから前部座席140を見た断面図である。前部座席140については、その周囲の空間全体が車室105である。
前部座席140の構成は、ヘッドレスト141と、シートバック142とに大別される。ヘッドレスト141は、シートバック142に図示せぬ脚部が差し込まれることによりシートバック142に取り付けられる。ヘッドレスト141は、前部座席140に着席する乗車者の後頭部が置かれる部材であり、乗車者の頭部を支える。ヘッドレスト141においては、例えば皮革材や合成皮革材などの可撓性材料からなるヘッドレスト側袋部143内に、芯材として例えば低反発のウレタンフォームが詰め込まれる。ヘッドレスト側袋部143は、ヘッドレストカバー144によって覆われている。シートバック142においても、シートバック側袋部145内に、芯材として例えばウレタンフォームが詰め込まれ、その表面はシートバックカバー146によって覆われている。ヘッドレストカバー144及びシートバックカバー146は、音圧を透過する布材により形成されている。
次に、前部座席140の構成を説明する。
図12は、前部座席140の断面を表す図である。図12(a)は、図9中の矢視A−Aから前部座席140を見た断面図であり、図12(b)は、図9中の矢視B−Bから前部座席140を見た断面図である。前部座席140については、その周囲の空間全体が車室105である。
前部座席140の構成は、ヘッドレスト141と、シートバック142とに大別される。ヘッドレスト141は、シートバック142に図示せぬ脚部が差し込まれることによりシートバック142に取り付けられる。ヘッドレスト141は、前部座席140に着席する乗車者の後頭部が置かれる部材であり、乗車者の頭部を支える。ヘッドレスト141においては、例えば皮革材や合成皮革材などの可撓性材料からなるヘッドレスト側袋部143内に、芯材として例えば低反発のウレタンフォームが詰め込まれる。ヘッドレスト側袋部143は、ヘッドレストカバー144によって覆われている。シートバック142においても、シートバック側袋部145内に、芯材として例えばウレタンフォームが詰め込まれ、その表面はシートバックカバー146によって覆われている。ヘッドレストカバー144及びシートバックカバー146は、音圧を透過する布材により形成されている。
図12(a)に示すように、ヘッドレスト141においては、車室105の車幅方向を向く2つの側面のそれぞれに振動部15が位置するよう、ヘッドレスト141内部に板・膜共鳴体1が設けられている。上述のように、前部座席140に座る乗車者の頭部付近であり、サイドウィンドウ153付近に固有振動姿態の音圧の腹が位置するという理由から、振動部15の位置をなるべくその腹の場所に近づけるために、この態様で板・膜共鳴体1が設けられる。なお、振動部15は、ヘッドレストカバー144を介して車室105に面しており、乗車者により容易に目視されないようになっている。また、板・膜共鳴体1は、ヘッドレスト141に対して固定されており、例えばヘッドレスト141をシートバック142に取り付けるための図示せぬ脚部や図示せぬフレームに対して固定される。
図12(b)に示すように、シートバック142においては、上側を向く面、及び車幅方向(右側及び左側)方向を向く側面(より好ましくは、サイドウィンドウ153の高さ付近)に振動部15が位置するよう、板・膜共鳴体1は設けられている。振動部15はシートバックカバー146を介して車室105に面するが、車室105の乗車者により容易に目視されないようになっている。板・膜共鳴体1は、シートバック142のフレームに対して固定され、その位置が動かないように固定されている。このように、振動部15がサイドウィンドウ153になるべく近くなるよう、前部座席140に板・膜共鳴体1を設けることでも、効果的に車室105のモードを抑制することができる。特に、前部座席140は、乗車領域に設けられる部材であるから、乗車者の頭部に近い位置に振動部15を位置させる配置が可能であり、乗車者が音を聴く場所での音圧の低減の効果を特に高めることが期待できる。
なお、ヘッドレスト141とシートバック142とが一体成形された座席が用いられることもあるが、この場合も上記同様の板・膜共鳴体1の配置が可能である。
なお、ヘッドレスト141とシートバック142とが一体成形された座席が用いられることもあるが、この場合も上記同様の板・膜共鳴体1の配置が可能である。
(A−4−4)フロントドア150A
次に、フロントドア150Aの構成を説明する。なお、この実施形態では、フロントドア150Aには板・膜共鳴体1は設けられるが、リアドア150Bには板・膜共鳴体1は設けられていないとする。
次に、フロントドア150Aの構成を説明する。なお、この実施形態では、フロントドア150Aには板・膜共鳴体1は設けられるが、リアドア150Bには板・膜共鳴体1は設けられていないとする。
図13は、フロントドア150Aを、車幅方向に直交する平面で切断した場合の断面を表す図である。
フロントドア150Aは、ドア基材151を有している。ドア基材151には、サイドウィンドウ153がドア150に対して上下方向に移動自在に設けられる。ドア基材151の車室105側には、音圧を透過する布材によって形成された表面材154が設けられる。ドア基材151は、開窓時にサイドウィンドウ153を収容する収容部を形成するガラス収容壁151Aを有する。ドア基材151には、ガラス収容壁151Aよりも車室105側に空間Sが形成されている。板・膜共鳴体1は、振動部15が空間Sに面するようにドア基材151に設けられている。ドア基材151には、空間Sと車室105とを通じさせる孔部155が複数開けられている。
フロントドア150Aは、ドア基材151を有している。ドア基材151には、サイドウィンドウ153がドア150に対して上下方向に移動自在に設けられる。ドア基材151の車室105側には、音圧を透過する布材によって形成された表面材154が設けられる。ドア基材151は、開窓時にサイドウィンドウ153を収容する収容部を形成するガラス収容壁151Aを有する。ドア基材151には、ガラス収容壁151Aよりも車室105側に空間Sが形成されている。板・膜共鳴体1は、振動部15が空間Sに面するようにドア基材151に設けられている。ドア基材151には、空間Sと車室105とを通じさせる孔部155が複数開けられている。
車室105側で発生する音は、各孔部155を介して空間Sに入り込むので、板・膜共鳴体1の共鳴により、制御対象の音圧の腹の場所で音圧を低減させることができる。フロントドア150Aにあっては、その上側にサイドウィンドウ153が位置するから、なるべくその近くに振動部15が位置するよう、板・膜共鳴体1の設置場所が定められている。この例では、床面側寄りには板・膜共鳴体1は設けられておらず、空間Sの比較的上側に板・膜共鳴体1は設けられている。
以上説明した第1実施形態においては、車室105の乗車領域に設けられた前部座席140や、その乗車領域に近接する車室105の壁部である、ルーフ110、センターピラー120、フロントピラー130及びフロントドア150Aに、板・膜共鳴体1が設けられて、音響共鳴装置が構成される。車室105において、比較的低い固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所は、前部座席140付近(特に、乗車者の頭部付近の高さ付近)、及びフロントドア150Aのサイドウィンドウ153付近に位置する。よって、この音圧の腹を制御対象とするようにして板・膜共鳴体1を設置すれば、効果的に車室105のモードを抑制することができる。この実施形態では、前部座席140(サイドウィンドウ153)付近に出現する固有振動姿態の音圧の腹を制御対象としているから、板・膜共鳴体1は、特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、少なくとも乗車領域から最も近い場所の音圧を低減させているといえる。
以上の構成により、車室105の比較的低い周波数の音圧を低減させて全体的な静粛性を高めるとともに、特に、車室に居る人物が音を聞き取る場所で奏する効果を高めることができる。
以上の構成により、車室105の比較的低い周波数の音圧を低減させて全体的な静粛性を高めるとともに、特に、車室に居る人物が音を聞き取る場所で奏する効果を高めることができる。
[B:第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、車室105に設ける共鳴体を音響管にしたことにあり、車両100の構成や設置場所の選定に係る根拠は、第1実施形態のそれと同じである。この第2実施形態の説明において、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、対応する構成については符号の末尾に「a」という符号を表し、それらの説明を適宜省略する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、車室105に設ける共鳴体を音響管にしたことにあり、車両100の構成や設置場所の選定に係る根拠は、第1実施形態のそれと同じである。この第2実施形態の説明において、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、対応する構成については符号の末尾に「a」という符号を表し、それらの説明を適宜省略する。
(B−1)共鳴体の構成
まず、この実施形態の車両100に設けられる共鳴体の構成について説明する。この実施形態では、共鳴体の一例として音響管2を用いる。すなわち、この実施形態では、音響共鳴装置が有している共鳴体は音響管2である。
図14は、共鳴体の一例として音響管2の構成を表した図である。
図14(a)は音響管2の外観を模式的に表した図である。図14(a)に示すように、音響管2は、複数本(例えば、5本)の管状部材21(21−1〜21−5)をその伸張方向に直交する方向に一列に並べた構成を有している。これらの管状部材21は、固定具や接着などにより一体となるように構成される。各管状部材21は、例えば金属や合成樹脂などの素材を管状となるように形成されている。管状部材21は、開口部23と、開口部23に通じる中空領域25とを有している、いわゆる一端開口の管状部材(閉管)である。管状部材21の一端部は閉じられて閉口部22となり、他端部は開口部23となる。開口部23の位置が各管状部材21で一列に揃えられることにより、開口部23どうしが隣接して配置される。各管状部材21の開口部23のネック部分(つまり、開口部23またはその近傍)は、グラスウール、クロス、ガーゼ等の通気性を有し、流れ抵抗を有している流れ抵抗材24で塞いでもよい。空間の音圧を低減させる場合、適切な流れ抵抗材24を選択して使用することが望ましい。
まず、この実施形態の車両100に設けられる共鳴体の構成について説明する。この実施形態では、共鳴体の一例として音響管2を用いる。すなわち、この実施形態では、音響共鳴装置が有している共鳴体は音響管2である。
図14は、共鳴体の一例として音響管2の構成を表した図である。
図14(a)は音響管2の外観を模式的に表した図である。図14(a)に示すように、音響管2は、複数本(例えば、5本)の管状部材21(21−1〜21−5)をその伸張方向に直交する方向に一列に並べた構成を有している。これらの管状部材21は、固定具や接着などにより一体となるように構成される。各管状部材21は、例えば金属や合成樹脂などの素材を管状となるように形成されている。管状部材21は、開口部23と、開口部23に通じる中空領域25とを有している、いわゆる一端開口の管状部材(閉管)である。管状部材21の一端部は閉じられて閉口部22となり、他端部は開口部23となる。開口部23の位置が各管状部材21で一列に揃えられることにより、開口部23どうしが隣接して配置される。各管状部材21の開口部23のネック部分(つまり、開口部23またはその近傍)は、グラスウール、クロス、ガーゼ等の通気性を有し、流れ抵抗を有している流れ抵抗材24で塞いでもよい。空間の音圧を低減させる場合、適切な流れ抵抗材24を選択して使用することが望ましい。
次に、音響管2によって奏する音圧の低減に係る作用について説明する。
図14(b)は、図14(a)に示す音響管2のうち隣接する2本の管状部材21−j,21−k(k=j+1)の断面を示した図である。管状部材21−jの中空領域25の長さをL1とし、管状部材21−kの中空領域25の長さをL2とするが、ここではすべての中空領域25の伸張方向の長さは等しい(つまり、L1=L2)とする。開口部23の位置に車室105からの音波が入射すると、音波は、開口部23−j,23−kから中空領域25内に入射して他端の閉口部22−j,22−kで反射されて、開口部23−j,23−kから再びに放出される。このとき、中空領域25の長さL1、L2の4倍に相当する波長λc(L1=L2=λ/4)の音波が定在波S1、S2を作り、振動を繰り返すうちに管状部材21の内壁面での摩擦や開口部23−j,23−kでの気体分子間の粘性作用により、エネルギーを消費し、この波長λcを中心に開口部23近傍で音圧が低減する。ここではL1=L2=0.53mであり、λc=2.12mとなる。
音響管2は、中空領域25が音を減衰させる対象とする空間に繋がるように配置される。これにより、各管状部材21の開口部23に音が入り込んで音響管2は共鳴し、その付近で音圧を低減させる。ここでは、共鳴周波数fは、例えば160Hz帯域で音圧を低減させるものである。この場合、例えば160Hzの周波数の音波の波長の1/4の長さとなるよう中空領域25の伸張方向の長さを設定するとよい。この場合、例えば、中空領域25の伸張方向の長さを40cm〜80cmとする。
図14(b)は、図14(a)に示す音響管2のうち隣接する2本の管状部材21−j,21−k(k=j+1)の断面を示した図である。管状部材21−jの中空領域25の長さをL1とし、管状部材21−kの中空領域25の長さをL2とするが、ここではすべての中空領域25の伸張方向の長さは等しい(つまり、L1=L2)とする。開口部23の位置に車室105からの音波が入射すると、音波は、開口部23−j,23−kから中空領域25内に入射して他端の閉口部22−j,22−kで反射されて、開口部23−j,23−kから再びに放出される。このとき、中空領域25の長さL1、L2の4倍に相当する波長λc(L1=L2=λ/4)の音波が定在波S1、S2を作り、振動を繰り返すうちに管状部材21の内壁面での摩擦や開口部23−j,23−kでの気体分子間の粘性作用により、エネルギーを消費し、この波長λcを中心に開口部23近傍で音圧が低減する。ここではL1=L2=0.53mであり、λc=2.12mとなる。
音響管2は、中空領域25が音を減衰させる対象とする空間に繋がるように配置される。これにより、各管状部材21の開口部23に音が入り込んで音響管2は共鳴し、その付近で音圧を低減させる。ここでは、共鳴周波数fは、例えば160Hz帯域で音圧を低減させるものである。この場合、例えば160Hzの周波数の音波の波長の1/4の長さとなるよう中空領域25の伸張方向の長さを設定するとよい。この場合、例えば、中空領域25の伸張方向の長さを40cm〜80cmとする。
また、閉口部22−j,22−kで反射されて、開口部23−j,23−kから放出される音波は、開口部23−j,23−kで回折してエネルギーを放射する。そのエネルギーの一部は相互に隣接する他方の管状部材21−j,21−kの開口部23−j,23−kから空洞内に入射される。このようにして、互いに隣接する管状部材21−j,21−k相互間で連成振動を生じ、エネルギーの授受が行われる。この連成振動の際に、空洞の内壁面での摩擦や開口部23−j,23−kでの気体粒子間の粘性作用により、エネルギーを消費し、音圧が低減する。この連成振動は、管状部材21を一連の管状部材とみなした両端閉管モードとして捉えることができ、L1+L2として定まる波長の周波数を中心に音圧が低減する。
なお、ここでは、音響管2を構成する管状部材21が5本としていたが、その数はいくつであってもよい。この実施形態では、5本の管状部材21からなる音響管2、又は1本の管状部材21からなる音響管2(すなわち、管状部材21)を用いる。
なお、ここでは、音響管2を構成する管状部材21が5本としていたが、その数はいくつであってもよい。この実施形態では、5本の管状部材21からなる音響管2、又は1本の管状部材21からなる音響管2(すなわち、管状部材21)を用いる。
(B−2)車室105の構成
続いて、車室105において音響管2が設けられる部位の構成をそれぞれ説明する。この実施形態でも、車室105に設けられる音響管2は、特定の固有周波数として、160Hz帯域の固有周波数の固有振動姿態のモードを抑制することができるよう、その設定条件が定められているとする。ここでは、音響管2の共鳴周波数は、その固有周波数にほぼ一致するよう設定されている。
図15は、車両100を示す斜視図であり、図16は、前部座席140Aを中心に斜め後ろ側から車室105を見たときの様子を表した図である。図15,16に示す各位置に音響管2が設けられ、音響管2が設けられる位置は、第1実施形態と同じで、ルーフ、センターピラー、フロントピラー、前部座席、及びフロントドアである。これら各部位に設けられる音響管2は、中空領域25が開口部23を介して車室105に繋がるように設けられる。また、これら各部位に共鳴体を設けたときに奏する効果は、第1実施形態で説明したものと同等である。
次に、音響管2が設けられる各部の構成をそれぞれ説明する。
続いて、車室105において音響管2が設けられる部位の構成をそれぞれ説明する。この実施形態でも、車室105に設けられる音響管2は、特定の固有周波数として、160Hz帯域の固有周波数の固有振動姿態のモードを抑制することができるよう、その設定条件が定められているとする。ここでは、音響管2の共鳴周波数は、その固有周波数にほぼ一致するよう設定されている。
図15は、車両100を示す斜視図であり、図16は、前部座席140Aを中心に斜め後ろ側から車室105を見たときの様子を表した図である。図15,16に示す各位置に音響管2が設けられ、音響管2が設けられる位置は、第1実施形態と同じで、ルーフ、センターピラー、フロントピラー、前部座席、及びフロントドアである。これら各部位に設けられる音響管2は、中空領域25が開口部23を介して車室105に繋がるように設けられる。また、これら各部位に共鳴体を設けたときに奏する効果は、第1実施形態で説明したものと同等である。
次に、音響管2が設けられる各部の構成をそれぞれ説明する。
(B−2−1)ルーフ110a
まず、ルーフ110aの構成を説明する。図17は、ルーフ110aを図2中の矢視VIII−VIIIと同じ方向に切断した場合の断面図である。
図15,17に示すように、ルーフ110aのうち前部座席140A,140Bが設けられる乗車領域のほぼ真上にある部位(天井部分)に、音響管2は設けられる。これら各音響管2は、それぞれ5本の管状部材21を含んでおり、その配列方向は車両100の前後方向となっている。また、制御対象とする音圧の腹はサイドウィンドウ153付近に位置するから、この場所で音圧の低減の効果が高まるようにするために、各管状部材21の開口部23がサイドウィンドウ153の方向を向くようにしている。換言すれば、車室105を構成する壁部のうち、車幅方向に対して近い側の壁部の方向に向かって開口するように音響管2は設けられる。
図17に示すように、ルーフインナパネル114aの開口部23付近の位置には、車室105をルーフインナパネル114aの上面の空間に通じさせる孔部116が開けられている。この孔部116を介して車室105からの音が音響管2の開口部23に入り込む。また、アシストグリップ200の背後付近に位置する音響管2は、その伸張方向が車両100の前後方向に沿って設けられた1本の管状部材からなるが、この音響管2の開口部23付近にも、車室105からの音が入り込むように、孔部117が開けられている。この構成により、第1実施形態と同じ理由によって、効果的に車室105のモードを抑制することができる。
まず、ルーフ110aの構成を説明する。図17は、ルーフ110aを図2中の矢視VIII−VIIIと同じ方向に切断した場合の断面図である。
図15,17に示すように、ルーフ110aのうち前部座席140A,140Bが設けられる乗車領域のほぼ真上にある部位(天井部分)に、音響管2は設けられる。これら各音響管2は、それぞれ5本の管状部材21を含んでおり、その配列方向は車両100の前後方向となっている。また、制御対象とする音圧の腹はサイドウィンドウ153付近に位置するから、この場所で音圧の低減の効果が高まるようにするために、各管状部材21の開口部23がサイドウィンドウ153の方向を向くようにしている。換言すれば、車室105を構成する壁部のうち、車幅方向に対して近い側の壁部の方向に向かって開口するように音響管2は設けられる。
図17に示すように、ルーフインナパネル114aの開口部23付近の位置には、車室105をルーフインナパネル114aの上面の空間に通じさせる孔部116が開けられている。この孔部116を介して車室105からの音が音響管2の開口部23に入り込む。また、アシストグリップ200の背後付近に位置する音響管2は、その伸張方向が車両100の前後方向に沿って設けられた1本の管状部材からなるが、この音響管2の開口部23付近にも、車室105からの音が入り込むように、孔部117が開けられている。この構成により、第1実施形態と同じ理由によって、効果的に車室105のモードを抑制することができる。
(B−2−2)センターピラー120a及びフロントピラー130a
次に、センターピラー120a、フロントピラー130aの構成を説明する。
図18は、センターピラー120aを図16中矢視D-Dから見た断面図である。センターピラー120aは、図示せぬセンターピラーアウタパネル121に取り付けられるセンターピラーインナパネル122aを有している。センターピラーインナパネル122aの車室105側には表面材123が設けられる。センターピラーインナパネル122aにおいては、表面材123との間に空間Sが形成されている。この空間Sが形成されるように、センターピラーインナパネル122aの一部には、車幅方向に対して車外側に突出するような凹部125が構成されている。凹部125のうち上側を向く上端面には、孔部126が開けられている。孔部126に管状部材21の開口部23付近が嵌め込まれるようにして、音響管2は設けられている。車室105からの音は、表面材123及び空間Sを経由して開口部23に入り込む。この音に応じて、音響管2は共鳴するので、制御対象の音圧の腹の場所で音圧を低減させて、車室105のモードを抑制することができる。
なお、図16に示すように、フロントピラー130aにも音響管2が設けられるが、その取り付けに係る構成はセンターピラー120aと同様にすることができ、これと同等の作用によりモードを抑制できるから、その詳細な説明を省略する。
次に、センターピラー120a、フロントピラー130aの構成を説明する。
図18は、センターピラー120aを図16中矢視D-Dから見た断面図である。センターピラー120aは、図示せぬセンターピラーアウタパネル121に取り付けられるセンターピラーインナパネル122aを有している。センターピラーインナパネル122aの車室105側には表面材123が設けられる。センターピラーインナパネル122aにおいては、表面材123との間に空間Sが形成されている。この空間Sが形成されるように、センターピラーインナパネル122aの一部には、車幅方向に対して車外側に突出するような凹部125が構成されている。凹部125のうち上側を向く上端面には、孔部126が開けられている。孔部126に管状部材21の開口部23付近が嵌め込まれるようにして、音響管2は設けられている。車室105からの音は、表面材123及び空間Sを経由して開口部23に入り込む。この音に応じて、音響管2は共鳴するので、制御対象の音圧の腹の場所で音圧を低減させて、車室105のモードを抑制することができる。
なお、図16に示すように、フロントピラー130aにも音響管2が設けられるが、その取り付けに係る構成はセンターピラー120aと同様にすることができ、これと同等の作用によりモードを抑制できるから、その詳細な説明を省略する。
(B−2−3)前部座席140
次に、前部座席140の構成を説明する。
図16に示すように、音響管2は、前部座席140のシートバック142及びヘッドレスト141のそれぞれに設けられている。シートバック142にあっては、上側を向く面に開口部23が位置するように、前部座席140のシートバック142の内部に立てて、音響管2が2本ずつ設けられている。音響管2は、中空領域25が開口部23を介して車室105に繋がるように設けられており、車室105からの音はシートバックカバー146を介して開口部23に入り込む。ヘッドレスト141にも音響管2が設けられるが、その伸張方向の長さを十分に確保するために、曲げた状態でヘッドレスト141内部に設けられている。
次に、前部座席140の構成を説明する。
図16に示すように、音響管2は、前部座席140のシートバック142及びヘッドレスト141のそれぞれに設けられている。シートバック142にあっては、上側を向く面に開口部23が位置するように、前部座席140のシートバック142の内部に立てて、音響管2が2本ずつ設けられている。音響管2は、中空領域25が開口部23を介して車室105に繋がるように設けられており、車室105からの音はシートバックカバー146を介して開口部23に入り込む。ヘッドレスト141にも音響管2が設けられるが、その伸張方向の長さを十分に確保するために、曲げた状態でヘッドレスト141内部に設けられている。
(B−2−4)フロントドア150A
次に、フロントドア150Aの構成を説明する。なお、フロントドア150Aには音響管2は設けられるが、ここではリアドア150Bには音響管2は設けられていない。
図19は、フロントドア150Aに音響管2を設けた構成を説明する図であり、フロントドア150Aの外観を示す図である。図19に示すように、音響管2は、各管状部材21の開口部23がサイドウィンドウ153の方向を向くようにして、フロントドア150Aのドア基材151内に立てて設けられる。開口部23の位置は、なるべくサイドウィンドウ153付近にある、制御対象の音圧の腹の場所において音圧の低減の効果が高まるように、ドア基材151の比較的上側に設けられている。ドア基材151は、開口部23に音が入り込むように、開口部23付近の位置で開口している。この構成においても、ドア基材151の孔部が目視されないような加工がされていることが好ましい。
次に、フロントドア150Aの構成を説明する。なお、フロントドア150Aには音響管2は設けられるが、ここではリアドア150Bには音響管2は設けられていない。
図19は、フロントドア150Aに音響管2を設けた構成を説明する図であり、フロントドア150Aの外観を示す図である。図19に示すように、音響管2は、各管状部材21の開口部23がサイドウィンドウ153の方向を向くようにして、フロントドア150Aのドア基材151内に立てて設けられる。開口部23の位置は、なるべくサイドウィンドウ153付近にある、制御対象の音圧の腹の場所において音圧の低減の効果が高まるように、ドア基材151の比較的上側に設けられている。ドア基材151は、開口部23に音が入り込むように、開口部23付近の位置で開口している。この構成においても、ドア基材151の孔部が目視されないような加工がされていることが好ましい。
以上説明した第2実施形態においても、160Hz帯域の特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所は、乗車領域付近に位置する。よって、音響管2の配置により音圧の腹の場所を制御対象とすれば、モードの抑制について第1実施形態と同等の効果を奏する。また、この実施形態でも、前部座席140及びサイドウィンドウ153付近に出現する固有振動姿態の音圧の腹を制御対象としており、音響管2は、160Hz帯域という特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、少なくとも乗車領域から最も近い場所の音圧を低減させているといえる。
また、音響管2が複数の管状部材21から成る場合には連成振動が生じ得るから、固有周波数以外の周波数でも音圧を低減させることができ、車室105の静粛性をより一層高めることが期待できる。
また、音響管2が複数の管状部材21から成る場合には連成振動が生じ得るから、固有周波数以外の周波数でも音圧を低減させることができ、車室105の静粛性をより一層高めることが期待できる。
[C:第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、車室105に設けられる共鳴体をヘルムホルツ共鳴体にしたことにあり、車両100の構成や設置位置の選定に係る根拠は、第1実施形態のそれと同じである。この第3実施形態の説明において、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、対応する構成については符号の末尾に「b」という符号を表し、それらの説明を適宜省略する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、車室105に設けられる共鳴体をヘルムホルツ共鳴体にしたことにあり、車両100の構成や設置位置の選定に係る根拠は、第1実施形態のそれと同じである。この第3実施形態の説明において、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、対応する構成については符号の末尾に「b」という符号を表し、それらの説明を適宜省略する。
(C−1)共鳴体の構成
まず、この実施形態の車両100に設けられる共鳴体について説明する。この実施形態では、共鳴体の一例としてヘルムホルツ共鳴体3を用いる。すなわち、この実施形態では、音響共鳴装置が有している共鳴体は、ヘルムホルツ共鳴体3である。
図20は、ヘルムホルツ共鳴体3の構成を説明する図であり、図20(a)はその外観を模式的に表した図であり、図20(b)は図20(a)中の矢視E−Eからヘルムホルツ共鳴体3を見た断面図である。ヘルムホルツ共鳴体3は、胴部31と管部32とによって構成されている。ヘルムホルツ共鳴体3において、胴部31及び管部32内に形成される空間が中空領域となって、この中空領域が開口部33に通じている構成となっている。
胴部31は、内部に気体層が形成され、例えばFRP(繊維強化プラスチック)によって円筒状に形成されている。管部32は、例えば塩化ビニール製のいわゆる両端開口の管状部材を成しており、胴部31の孔部に挿入されて両者は連結されている。ヘルムホルツ共鳴体3は、胴部31及び管部32内に形成される空間が音を減衰させる対象とする空間に繋がるように配置される。これにより、開口部33に音が入り込んでヘルムホルツ共鳴体3は共鳴し、開口部33付近の音圧を低減させる。より詳細には、ヘルムホルツ共鳴体3は、管部32の内部にある気体を質量成分とし、胴部31の気体層をバネ成分としたバネマス系を形成し、管部32の内壁と空気との摩擦によって音のエネルギーが熱エネルギーに変換されて開口部33付近で音圧を低減させ、また粒子速度を増大させる。ヘルムホルツ共鳴体3のバネマス系の共鳴周波数fは、式(5)の関係を満たす。ただし、式(5)において、Leは管部32の有効長を表す。図20(b)に示すように、有効長Leは、管部32の空洞の一端から他端までの長さを、開口端補正値で補正した長さである。また、Vは胴部31内に形成された気体層の体積(すなわち容積)であり、Sは開口部33の面積である。
f=c0/2π・(S/Le・V)1/2 ・・・(5)
なお、管部32の数をここでは1本としているが、2本など管部32を複数設けるようにしてもよい。また、管部32の開口部33又はその近傍には、グラスウール、クロス、ガーゼ等の通気性を有し、流れ抵抗を有している流れ抵抗材で塞がれていてもよい。
まず、この実施形態の車両100に設けられる共鳴体について説明する。この実施形態では、共鳴体の一例としてヘルムホルツ共鳴体3を用いる。すなわち、この実施形態では、音響共鳴装置が有している共鳴体は、ヘルムホルツ共鳴体3である。
図20は、ヘルムホルツ共鳴体3の構成を説明する図であり、図20(a)はその外観を模式的に表した図であり、図20(b)は図20(a)中の矢視E−Eからヘルムホルツ共鳴体3を見た断面図である。ヘルムホルツ共鳴体3は、胴部31と管部32とによって構成されている。ヘルムホルツ共鳴体3において、胴部31及び管部32内に形成される空間が中空領域となって、この中空領域が開口部33に通じている構成となっている。
胴部31は、内部に気体層が形成され、例えばFRP(繊維強化プラスチック)によって円筒状に形成されている。管部32は、例えば塩化ビニール製のいわゆる両端開口の管状部材を成しており、胴部31の孔部に挿入されて両者は連結されている。ヘルムホルツ共鳴体3は、胴部31及び管部32内に形成される空間が音を減衰させる対象とする空間に繋がるように配置される。これにより、開口部33に音が入り込んでヘルムホルツ共鳴体3は共鳴し、開口部33付近の音圧を低減させる。より詳細には、ヘルムホルツ共鳴体3は、管部32の内部にある気体を質量成分とし、胴部31の気体層をバネ成分としたバネマス系を形成し、管部32の内壁と空気との摩擦によって音のエネルギーが熱エネルギーに変換されて開口部33付近で音圧を低減させ、また粒子速度を増大させる。ヘルムホルツ共鳴体3のバネマス系の共鳴周波数fは、式(5)の関係を満たす。ただし、式(5)において、Leは管部32の有効長を表す。図20(b)に示すように、有効長Leは、管部32の空洞の一端から他端までの長さを、開口端補正値で補正した長さである。また、Vは胴部31内に形成された気体層の体積(すなわち容積)であり、Sは開口部33の面積である。
f=c0/2π・(S/Le・V)1/2 ・・・(5)
なお、管部32の数をここでは1本としているが、2本など管部32を複数設けるようにしてもよい。また、管部32の開口部33又はその近傍には、グラスウール、クロス、ガーゼ等の通気性を有し、流れ抵抗を有している流れ抵抗材で塞がれていてもよい。
(C−2)車室105の構成
続いて、車両100においてヘルムホルツ共鳴体3が設けられる部位の構成について説明する。ヘルムホルツ共鳴体3が設けられる位置は、第1実施形態と同じで、ルーフ110、センターピラー120、フロントピラー130、前部座席140、及びフロントドア150Aである。また、取り付け位置を第1実施形態と同様にすることができ、これら各部位に設けられるヘルムホルツ共鳴体3は、その中空領域が開口部33を介して車室105に繋がるように設けられる。また、これら各部位に共鳴体を設けたときに奏する効果は、第1実施形態で説明したものと同等である。ここで、取り付け場所の一例として、ルーフ110bについて説明する。
図21は、ルーフ110bを図2中の矢視VIII−VIIIと同じ方向に切断した場合の断面図である。図21に示すように、ルーフ110bにおいて、ルーフインナパネル114bのうち平坦な部分に複数の板・膜共鳴体1が配置され、ルーフインナパネル114bのうち平坦な部分に傾斜している部分(アシストグリップ200の背後付近の位置)で取り付け面積が比較的小さい部分にヘルムホルツ共鳴体3が配置される。これにより、ルーフ110bに対して共鳴体を効果的に配置することが可能となる。
この第3実施形態の構成であっても、上述の第1実施形態と同等の効果を奏する。
続いて、車両100においてヘルムホルツ共鳴体3が設けられる部位の構成について説明する。ヘルムホルツ共鳴体3が設けられる位置は、第1実施形態と同じで、ルーフ110、センターピラー120、フロントピラー130、前部座席140、及びフロントドア150Aである。また、取り付け位置を第1実施形態と同様にすることができ、これら各部位に設けられるヘルムホルツ共鳴体3は、その中空領域が開口部33を介して車室105に繋がるように設けられる。また、これら各部位に共鳴体を設けたときに奏する効果は、第1実施形態で説明したものと同等である。ここで、取り付け場所の一例として、ルーフ110bについて説明する。
図21は、ルーフ110bを図2中の矢視VIII−VIIIと同じ方向に切断した場合の断面図である。図21に示すように、ルーフ110bにおいて、ルーフインナパネル114bのうち平坦な部分に複数の板・膜共鳴体1が配置され、ルーフインナパネル114bのうち平坦な部分に傾斜している部分(アシストグリップ200の背後付近の位置)で取り付け面積が比較的小さい部分にヘルムホルツ共鳴体3が配置される。これにより、ルーフ110bに対して共鳴体を効果的に配置することが可能となる。
この第3実施形態の構成であっても、上述の第1実施形態と同等の効果を奏する。
[D:実施形態のまとめ]
図22に、共鳴体を車室105に設けた場合の騒音低減効果を調べる実験の結果を示す。このグラフは、運転席における音圧(騒音レベル)を示した周波数特性であり、実線が共鳴体がある場合の結果を表し、破線が共鳴体がない場合の結果を示している。この実験は、車両を60kmで走行させて行ったものであり、より聴覚に近い特性を求めるため、聴感特性(A特性)を付加して、1/3octバンドパスフィルタを用いた結果を表す。
図22に示すように、周波数125〜200Hzという比較的低い周波数帯域において、騒音レベルが低減されている。特に160Hz帯域での低減量は5dB以上もあり、特に低周波数域の音圧の低減において顕著な効果が得られている。この結果からも、上記各実施形態の車室105の構成によれば、固有振動姿態の腹となる場所以外の場所において低周波数の音圧を低減させる場合に比べて、車室105全体において静粛性を高めるとともに、実際に音を聞き取る乗車者の聴覚に対する効果を顕著にすることができる。また、かかる効果を奏するために効果的な位置のみに共鳴体を配置することができるから、それ以外の場所に余分な共鳴体を配置することを回避することができる。
図22に、共鳴体を車室105に設けた場合の騒音低減効果を調べる実験の結果を示す。このグラフは、運転席における音圧(騒音レベル)を示した周波数特性であり、実線が共鳴体がある場合の結果を表し、破線が共鳴体がない場合の結果を示している。この実験は、車両を60kmで走行させて行ったものであり、より聴覚に近い特性を求めるため、聴感特性(A特性)を付加して、1/3octバンドパスフィルタを用いた結果を表す。
図22に示すように、周波数125〜200Hzという比較的低い周波数帯域において、騒音レベルが低減されている。特に160Hz帯域での低減量は5dB以上もあり、特に低周波数域の音圧の低減において顕著な効果が得られている。この結果からも、上記各実施形態の車室105の構成によれば、固有振動姿態の腹となる場所以外の場所において低周波数の音圧を低減させる場合に比べて、車室105全体において静粛性を高めるとともに、実際に音を聞き取る乗車者の聴覚に対する効果を顕著にすることができる。また、かかる効果を奏するために効果的な位置のみに共鳴体を配置することができるから、それ以外の場所に余分な共鳴体を配置することを回避することができる。
[E:変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した各実施形態において、第1実施形態においては板・膜共鳴体1を用い、第2実施形態においては音響管2を用い、第3実施形態においてはヘルムホルツ共鳴体3を用いていたが、これら各種類の共鳴体を適宜組み合わせて車室105に設けるようにしてもよい。また、共鳴体の種類はこれらに限定されるものではなく、共鳴することによって音圧を低減させることのできる共鳴体であればよく、この共鳴体は、中空領域が開口部を介して車室105に繋がるように車両に設けられるとよい。また、共鳴体は、乗車領域に最も近くある音圧の腹を制御対象として、その腹の場所において音圧を低減させるよう、その近傍に開口部が位置するように設けられることが好ましい。より好ましくは、乗車領域に開口部をさらに近づけるために、乗車領域に開口部が位置しているとよい。
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した各実施形態において、第1実施形態においては板・膜共鳴体1を用い、第2実施形態においては音響管2を用い、第3実施形態においてはヘルムホルツ共鳴体3を用いていたが、これら各種類の共鳴体を適宜組み合わせて車室105に設けるようにしてもよい。また、共鳴体の種類はこれらに限定されるものではなく、共鳴することによって音圧を低減させることのできる共鳴体であればよく、この共鳴体は、中空領域が開口部を介して車室105に繋がるように車両に設けられるとよい。また、共鳴体は、乗車領域に最も近くある音圧の腹を制御対象として、その腹の場所において音圧を低減させるよう、その近傍に開口部が位置するように設けられることが好ましい。より好ましくは、乗車領域に開口部をさらに近づけるために、乗車領域に開口部が位置しているとよい。
また、上述した各実施形態においては、ルーフ、センターピラー、フロントピラー、前部座席、及びフロントドアのすべての部位に共鳴体を設けていたが、これらのうち一部のみに設けてもよい。例えば、図5の例では、運転席である前部座席140B付近に共鳴体を設け、助手席側の前部座席140A付近には共鳴体を設けないようにしてもよい。また、共鳴体の寸法が大きい場合などには、複数の部位に跨って設けられてもよい。
(変形例2)
上述した各実施形態において、車幅方向に音圧が分布する一次元モードの固有振動姿態に強く支配されると推定される音圧の腹が、サイドウィンドウ153付近に現れるという理由で、その音圧の腹を制御対象としていた。これに対し、どの固有振動姿態に着目するかについては問わず、乗車領域である座席付近に出現する腹を制御対象として、音圧を低減させれば、上記各実施形態と同等の効果を奏すると考えられる。つまり、どの固有振動姿態に強く依存する腹が出現する車室であっても、固有振動が減衰しにくく、低周波数の音が入り込みやすい車室において、モードの抑制に関して顕著な効果を奏することができる。
上述した各実施形態において、車幅方向に音圧が分布する一次元モードの固有振動姿態に強く支配されると推定される音圧の腹が、サイドウィンドウ153付近に現れるという理由で、その音圧の腹を制御対象としていた。これに対し、どの固有振動姿態に着目するかについては問わず、乗車領域である座席付近に出現する腹を制御対象として、音圧を低減させれば、上記各実施形態と同等の効果を奏すると考えられる。つまり、どの固有振動姿態に強く依存する腹が出現する車室であっても、固有振動が減衰しにくく、低周波数の音が入り込みやすい車室において、モードの抑制に関して顕著な効果を奏することができる。
その一例として、車室105において、車両100の前後方向の長さの固有振動姿態に着目してもよい。車両100の前後方向の長さは、車幅方向に対して長い。よって、例えば車両100の前後方向に音圧が分布する2次の一次元モードの固有振動姿態についても、車室105に比較的低い周波数の音圧の腹が位置することがある。より具体的には、車両100の前後方向に対する端部付近として、車室105のインストルメントパネル210(図5に図示)やセンターピラー120、リアピラー180、リアパッケージトレイ220付近に、固有振動姿態の音圧の腹が現れることがある。そこで、これを制御対象としてモードを抑制するように、車室105の車両100の前後方向に対する端部近傍に共鳴体を設置してもよい。また、この一次元モードの固有振動姿態の場合、車両100の前後方向に対して車室105の中心付近にも二次の固有振動姿態の音圧の腹が位置するから、前部座席140A,140Bに共鳴体を設けることにより、この場所に位置する音圧の腹を制御対象として、モードを抑制することも期待できる。
上述の各実施形態では、乗車領域から最も近い場所の音圧の腹の場所で音圧を低減させるよう共鳴体を設けていたが、それ以外の音圧の腹の場所を制御対象とすることを妨げるものではない。例えば、車幅方向の一次の固有振動姿態以外のものに着目した場合に、乗車領域にかなり近い位置にその音圧の腹が位置しているが、それが乗車領域に最も近い音圧の腹ではないこともあり得る。また、制御対象とする音圧の腹に関して、その音圧の腹の出現の原因となる固有振動姿態のモード(一元元モード、二次元モード、三次元モード)や、次数(上記の1次、2次等)がどのような態様であったとしても、乗車領域の位置に応じて定められる音圧の腹であって、乗車領域の近接に出現する音圧の腹を制御対象として共鳴体を配置すれば、図6,7の結果からも分かるように、車室105の比較的低い周波数の音圧を低減させるとともに、車室105の乗車者が音を聞き取る場所で奏する効果を高めることができると考えられる。
(変形例3)
上述した第3実施形態において、ヘルムホルツ共鳴体3の管部32は、その長さが自在に変えられる構成に変形されてもよい。図23はこの態様の管部32aの構成の一例を示す図であり、図23(a)は管部32aの伸張方向の断面図であり、図23(b)は管部32aを(a)の開口部323側から見た図である。
図23に示すように、管部32aは、内管322及び外管321からなる。内管322は、管状の部材で、その外周面に雄螺子を構成する溝が設けられている。この内管322は、胴部31に回り止めされた状態で固定されている。外管321は、内径が内管322のそれよりも大きい管状の部材であり、その内周面に雌螺子を構成する溝が設けられている。管部32aは、外管321に対して内管322がねじ込まれることによって構成されており、管部32aの全長、すなわち管部32aの長さLは、内管322に対する外管321のねじ込み具合によって決まる。図23(b)に示すように、外管321の外周は六角柱状であり、ユーザはスパナ等の工具を用いてねじ込み具合を調整することにより、管部32aの長さLを自在に変えることができる。上述したように、ヘルムホルツ共鳴体3の共鳴周波数は管部32aの長さによって決まるから、必要に応じて共鳴周波数を調整することができる。
なお、管部32aの長さを変えるために、内管322及び外管321が螺子部材を構成するようにしていたが、3つ以上の螺子部材から構成されていてもよいし、蛇腹状の管を用いてもよく、管部32aを伸縮可能にする種々の構成を用いることができる。また、外管321の外周は六角柱状でなくてもよいが、ユーザが管部32aの長さを調整しやすいように加工されていることが好ましい。
この構成によれば、車両100の車種や車室105の材料や構成などの違いによって、静粛性を高めたい周波数が異なっていても、音圧の低減量を大きくする周波数の調整を比較的容易に行うことができる。
上述した第3実施形態において、ヘルムホルツ共鳴体3の管部32は、その長さが自在に変えられる構成に変形されてもよい。図23はこの態様の管部32aの構成の一例を示す図であり、図23(a)は管部32aの伸張方向の断面図であり、図23(b)は管部32aを(a)の開口部323側から見た図である。
図23に示すように、管部32aは、内管322及び外管321からなる。内管322は、管状の部材で、その外周面に雄螺子を構成する溝が設けられている。この内管322は、胴部31に回り止めされた状態で固定されている。外管321は、内径が内管322のそれよりも大きい管状の部材であり、その内周面に雌螺子を構成する溝が設けられている。管部32aは、外管321に対して内管322がねじ込まれることによって構成されており、管部32aの全長、すなわち管部32aの長さLは、内管322に対する外管321のねじ込み具合によって決まる。図23(b)に示すように、外管321の外周は六角柱状であり、ユーザはスパナ等の工具を用いてねじ込み具合を調整することにより、管部32aの長さLを自在に変えることができる。上述したように、ヘルムホルツ共鳴体3の共鳴周波数は管部32aの長さによって決まるから、必要に応じて共鳴周波数を調整することができる。
なお、管部32aの長さを変えるために、内管322及び外管321が螺子部材を構成するようにしていたが、3つ以上の螺子部材から構成されていてもよいし、蛇腹状の管を用いてもよく、管部32aを伸縮可能にする種々の構成を用いることができる。また、外管321の外周は六角柱状でなくてもよいが、ユーザが管部32aの長さを調整しやすいように加工されていることが好ましい。
この構成によれば、車両100の車種や車室105の材料や構成などの違いによって、静粛性を高めたい周波数が異なっていても、音圧の低減量を大きくする周波数の調整を比較的容易に行うことができる。
(変形例4)
音響管2に代えて、以下の格子部材4を用いることも可能である。
図24は、この変形例に係る共鳴体を説明する図である。図24(a)は格子部材4の周辺の構造を表す分解斜視図であり、図24(b)は、同図(a)中の矢印F方向に格子部材4周辺を見た様子を表す図である。
図24(a)に示すように、格子部材4は、1方向に延びる仕切部4Aと、仕切部4Aの伸張方向に交差するように配置された6つの仕切部4Bとにより構成される。車両に設けられる格子部材4は、仕切部4Aは、例えば車両100の前後方向に延び、仕切部4Bはこれに直交する車幅方向に延びるようにして、ルーフインナパネル114の上面に設けられる。これにより、格子部材4の下端面側がルーフインナパネル114によって覆われて塞がれる。一方、格子部材4の上端面側は、車両100の基台となるシャーシの一部により塞がれる。このシャーシの一部とは、例えばルーフインナパネル114が取り付けられるルーフアウタパネル160である。
音響管2に代えて、以下の格子部材4を用いることも可能である。
図24は、この変形例に係る共鳴体を説明する図である。図24(a)は格子部材4の周辺の構造を表す分解斜視図であり、図24(b)は、同図(a)中の矢印F方向に格子部材4周辺を見た様子を表す図である。
図24(a)に示すように、格子部材4は、1方向に延びる仕切部4Aと、仕切部4Aの伸張方向に交差するように配置された6つの仕切部4Bとにより構成される。車両に設けられる格子部材4は、仕切部4Aは、例えば車両100の前後方向に延び、仕切部4Bはこれに直交する車幅方向に延びるようにして、ルーフインナパネル114の上面に設けられる。これにより、格子部材4の下端面側がルーフインナパネル114によって覆われて塞がれる。一方、格子部材4の上端面側は、車両100の基台となるシャーシの一部により塞がれる。このシャーシの一部とは、例えばルーフインナパネル114が取り付けられるルーフアウタパネル160である。
この構成により、互いに隣り合う仕切部4Bにより、車幅方向に開口する伸張方向を有する中空領域が構成され、音響管2と同等の構成の共鳴体が構成される。なお、格子部材4は、上端面或いは下端面の両方、またはいずれか一方が塞がれた部材としてもよい。要するに、車両100の天井に取り付けられたときに共鳴体が構成されるような部材を、音響管2に代えて用いることができる。また、所望する共鳴体(中空領域)の数に応じて、仕切部4Bの構成を様々に変形してもよい。
(変形例5)
上述の第1実施形態では、板・膜共鳴体1の構成を、矩形状の筐体10、筐体10の開口部を塞ぐ振動部15と、筐体10内に形成される気体層13とを備えるものであったが、筐体の形状は矩形状に限らず、円形状や多角形状であってよい。また、いずれの形状の筐体であっても、振動部15に対して振動条件を変更するための集中質量を、振動部15の中央部に設けることが望ましい。
ところで、板・膜共鳴体1は、先にも説明した通り、バネマス系と屈曲系で吸音メカニズムが形成されている。ここで、発明者らは、振動部15の面密度を変えた際の共鳴周波数における吸音率の実験を行った。
上述の第1実施形態では、板・膜共鳴体1の構成を、矩形状の筐体10、筐体10の開口部を塞ぐ振動部15と、筐体10内に形成される気体層13とを備えるものであったが、筐体の形状は矩形状に限らず、円形状や多角形状であってよい。また、いずれの形状の筐体であっても、振動部15に対して振動条件を変更するための集中質量を、振動部15の中央部に設けることが望ましい。
ところで、板・膜共鳴体1は、先にも説明した通り、バネマス系と屈曲系で吸音メカニズムが形成されている。ここで、発明者らは、振動部15の面密度を変えた際の共鳴周波数における吸音率の実験を行った。
図25は、気体層13の縦と横の大きさが100mm×100mmで厚さが10mmの筐体10に振動部15(大きさが100mm×100mm、厚さ0.85mm)を固着し、中央部(大きさが20mm×20mm、厚さ0.85mm)の面密度を変化させた際の板・膜共鳴体1の垂直入射吸音率のシミュレート結果を示した図である。なお、シミュレート手法は、JIS A 1405−2(音響管による吸音率及びインピーダンスの測定−第2部:伝達関数法)に従って、上記板・膜共鳴体1を配置した音響室の音場を有限要素法により求め、その伝達関数より吸音特性を算出した。具体的には、中央部の面密度を、(1)399.5[g/m2]、(2)799[g/m2]、(3)1199[g/m2]、(4)1598[g/m2]、(5)2297[g/m2]とし、周縁部材の面密度を799[g/m2]とし、振動部15の平均密度を、(1)783[g/m2]、(2)799[g/m2]、(3)815[g/m2]、(4)831[g/m2]、(5)863[g/m2]とした場合のシミュレーション結果である。シミュレートの結果を見ると、300〜500[Hz]の間と、700[Hz]付近において吸音率が高くなっている。
700[Hz]付近で吸音率が高くなっているのは、振動部15のマスと気体層13のバネ成分によって形成されるバネマス系の共鳴によるものである。板・膜共鳴体1においては上記バネマス系の共鳴周波数での吸音率をピークとして音が吸収されており、中央部の面密度大きくしても、振動部15全体のマスは大きく変わらないので、バネマス系の共鳴周波数も大きく変わらないことが分かる。また、300〜500[Hz]の間で吸音率が高くなっているのは、振動部15の屈曲振動によって形成される屈曲系の共鳴によるものである。板・膜共鳴体1においては、屈曲系の共鳴周波数での吸音率が低音域側のピークとして表れており、中央部の面密度を大きくしていくと屈曲系の共鳴周波数だけが低くなっていることが分かる。一般に、屈曲系の共鳴周波数は、振動部15の弾性振動を支配する運動方程式で決定され、振動部15の密度(面密度)に反比例する。また、共鳴周波数は、固有振動の腹(振幅が極大値となる場合)の密度により大きく影響される。このため、上記シミュレーションでは、1×1の固有モードの腹となる領域を中央部で異なる面密度に形成したので、屈曲系の共鳴周波数が変化したものである。
このように、シミュレーション結果は、中央部の面密度を周縁部の面密度より大きくすると、吸音のピークとなる周波数のうち、低音域側の吸音率のピークがさらに低音域側へ移動することを表している。従って、中央部の面密度を変更することにより吸音のピークとなる周波数の一部をさらに低音域側または高音域側に移動させることができることを表している。上述した板・膜共鳴体1においては、中央部の面密度を変えるだけで、吸音される音のピークの周波数を変えることができるため、振動部15を板・膜共鳴体1全体と同じ素材で板状に形成し、板・膜共鳴体1全体の質量を重くして吸音する音を変更する場合と比較して、板・膜共鳴体1全体の質量を大きく変えることなく吸音が発現する周波数を低くすることができる。
さらに、板・膜共鳴体1の気体層13内には、多孔質吸音材(例えば、発泡樹脂、フェルト、ポリエステルウール等の綿状繊維)を充填することにより、共鳴特性を変化させてもよい。このようにすれば、固有振動姿態の変更(人や荷物の数量、形状の変化等)や発生騒音の変更(タイヤの変更、路面状況の変化等)により車室内の騒音特性が変化することにも対応できる。
さらに、板・膜共鳴体1の気体層13内には、多孔質吸音材(例えば、発泡樹脂、フェルト、ポリエステルウール等の綿状繊維)を充填することにより、共鳴特性を変化させてもよい。このようにすれば、固有振動姿態の変更(人や荷物の数量、形状の変化等)や発生騒音の変更(タイヤの変更、路面状況の変化等)により車室内の騒音特性が変化することにも対応できる。
(変形例6)
上述した第1実施形態では、各板・膜共鳴体1が、いずれも同様の形状を有していたが、これらの板・膜共鳴体1がそれぞれ異なった形状を有していてもよい。これにより、板・膜共鳴体1の筐体10の寸法によって板・膜共鳴体1の共鳴周波数が異なるため、音圧が低減される周波数の範囲を広げることができる。例えば、前部座席140Aと、前部座席140Bとで共鳴周波数を異ならせてもよい。また、ルーフ110とセンターピラー120とで共鳴周波数を異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、より広い周波数帯域での音圧を低減することができるし、場所に応じた最適な周波数の音を減衰させることができる。つまり、共鳴体を1又は複数単位でグルーピングし、各グループによって共鳴の共鳴周波数がそれぞれ異なるようにしてもよい。また、音響管2やヘルムホルツ共鳴体3についても同様に、共鳴周波数をそれぞれ異ならせてもよい。
また、上述した第2実施形態では、管状部材21の一方の端部が開口部23となり、他方の端部が閉口部22となる、いわゆる閉管であったが、例えば、各管状部材21の両端部が開かれた管(いわゆる開管)で構成してもよいし、これら閉管と開管とを混合して配置してもよい。
上述した第1実施形態では、各板・膜共鳴体1が、いずれも同様の形状を有していたが、これらの板・膜共鳴体1がそれぞれ異なった形状を有していてもよい。これにより、板・膜共鳴体1の筐体10の寸法によって板・膜共鳴体1の共鳴周波数が異なるため、音圧が低減される周波数の範囲を広げることができる。例えば、前部座席140Aと、前部座席140Bとで共鳴周波数を異ならせてもよい。また、ルーフ110とセンターピラー120とで共鳴周波数を異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、より広い周波数帯域での音圧を低減することができるし、場所に応じた最適な周波数の音を減衰させることができる。つまり、共鳴体を1又は複数単位でグルーピングし、各グループによって共鳴の共鳴周波数がそれぞれ異なるようにしてもよい。また、音響管2やヘルムホルツ共鳴体3についても同様に、共鳴周波数をそれぞれ異ならせてもよい。
また、上述した第2実施形態では、管状部材21の一方の端部が開口部23となり、他方の端部が閉口部22となる、いわゆる閉管であったが、例えば、各管状部材21の両端部が開かれた管(いわゆる開管)で構成してもよいし、これら閉管と開管とを混合して配置してもよい。
(変形例7)
上述の各実施形態では、自動車である車両100に共鳴体を設けていたが、他の種類の車両に設けてもよい。例えば電車や船舶、航空機、宇宙ステーション、ゴンドラなどの車両の車室でもよい。このように、車両には、例えば、乗車者である人物を乗せて移動する輸送機器がある。これ以外にも、遊園地の遊具である観覧車など、乗車者の輸送を目的としたものでない乗り物も、本発明の車両に含む。また、車両において人物の居室として使用される車室に限らず、それとは別に設けられる機械室や荷物室などの車室であってもよい。このような車室も、乗車者が乗車することのある空間だからである。また、車両の種類によっては、車室の乗車領域に座席が設けられていない場合もある。例えば、ゴンドラやバス、電車などでは、座席に座らない乗車者が多数居る場合もあるからである。この場合であっても、乗車者の乗車領域はあらかじめ決まっているから、この乗車領域に応じた場所の音圧の腹を制御対象としてモードを抑制すれば、上述の各実施形態と同等の効果を奏する。
また、ルーフ、センターピラー、フロントピラー、前部座席、及びフロントドアは自動車である車両が持つ構成であったが、その他の車両において、これらと同等の機能を果たす部材があれば、そこに共鳴体を設けてもよい。また、これらの各部材が車両100や車室105に取り付けられた場合に限らず、取り付け前の段階であり、車両100及び車室105と一体とされていない状態であっても、これら各部材を本発明の音響共鳴装置として特定し得る。
また、共鳴体は車室105を囲む壁部や乗車領域にある座席に設けられる構成に限らず、固有振動姿態の音圧の腹の場所の音圧の低下させる作用を生じさせることのできる場所であれば、その設置位置はどこでもよい。
上述の各実施形態では、自動車である車両100に共鳴体を設けていたが、他の種類の車両に設けてもよい。例えば電車や船舶、航空機、宇宙ステーション、ゴンドラなどの車両の車室でもよい。このように、車両には、例えば、乗車者である人物を乗せて移動する輸送機器がある。これ以外にも、遊園地の遊具である観覧車など、乗車者の輸送を目的としたものでない乗り物も、本発明の車両に含む。また、車両において人物の居室として使用される車室に限らず、それとは別に設けられる機械室や荷物室などの車室であってもよい。このような車室も、乗車者が乗車することのある空間だからである。また、車両の種類によっては、車室の乗車領域に座席が設けられていない場合もある。例えば、ゴンドラやバス、電車などでは、座席に座らない乗車者が多数居る場合もあるからである。この場合であっても、乗車者の乗車領域はあらかじめ決まっているから、この乗車領域に応じた場所の音圧の腹を制御対象としてモードを抑制すれば、上述の各実施形態と同等の効果を奏する。
また、ルーフ、センターピラー、フロントピラー、前部座席、及びフロントドアは自動車である車両が持つ構成であったが、その他の車両において、これらと同等の機能を果たす部材があれば、そこに共鳴体を設けてもよい。また、これらの各部材が車両100や車室105に取り付けられた場合に限らず、取り付け前の段階であり、車両100及び車室105と一体とされていない状態であっても、これら各部材を本発明の音響共鳴装置として特定し得る。
また、共鳴体は車室105を囲む壁部や乗車領域にある座席に設けられる構成に限らず、固有振動姿態の音圧の腹の場所の音圧の低下させる作用を生じさせることのできる場所であれば、その設置位置はどこでもよい。
(変形例8)
また、変形例3の構成において、管部32aの長さの調整を自動化してもよい。この場合、管部32aの長さを調整する、例えばマイクと、周波数解析装置と、コントローラと、駆動装置かならなる自動調整機構を設ける。自動調整機構にあっては、マイクによって音を収音し、周波数解析装置がこの収音された音を表す信号を解析して、特に騒音が大きい周波数を特定する。コントローラは、特定された周波数に応じたヘルムホルツ共鳴体3の管部32aの長さを算出し、ソレノイド等からなる駆動装置に、その長さに応じた駆動信号を出力する。駆動装置は、駆動信号に応じてヘルムホルツ共鳴体3の管部32aの長さを調整し、特に騒音が大きい周波数の音圧を低減することができる。なお、管部32aを駆動をする際に、コントローラはフィードバック制御を行ってもよい。
また、上述の実施形態の伸縮に係る構成を利用するなどして、上述の第3実施形態のヘルムホルツ共鳴体3の胴部31の寸法を可変にしてもよい。この場合、胴部31内に形成された気体層の体積が変化し、共鳴周波数を可変にすることができる。また、第2実施形態の音響管2についても、同様の構成によって伸張方向の長さを調整自在にしてもよい。
また、変形例3の構成において、管部32aの長さの調整を自動化してもよい。この場合、管部32aの長さを調整する、例えばマイクと、周波数解析装置と、コントローラと、駆動装置かならなる自動調整機構を設ける。自動調整機構にあっては、マイクによって音を収音し、周波数解析装置がこの収音された音を表す信号を解析して、特に騒音が大きい周波数を特定する。コントローラは、特定された周波数に応じたヘルムホルツ共鳴体3の管部32aの長さを算出し、ソレノイド等からなる駆動装置に、その長さに応じた駆動信号を出力する。駆動装置は、駆動信号に応じてヘルムホルツ共鳴体3の管部32aの長さを調整し、特に騒音が大きい周波数の音圧を低減することができる。なお、管部32aを駆動をする際に、コントローラはフィードバック制御を行ってもよい。
また、上述の実施形態の伸縮に係る構成を利用するなどして、上述の第3実施形態のヘルムホルツ共鳴体3の胴部31の寸法を可変にしてもよい。この場合、胴部31内に形成された気体層の体積が変化し、共鳴周波数を可変にすることができる。また、第2実施形態の音響管2についても、同様の構成によって伸張方向の長さを調整自在にしてもよい。
(変形例9)
上述の各実施形態では、特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所を制御対象として共鳴体を配置し、その共鳴周波数を、この固有周波数での音圧の低減量が高くなるように設定していたが、それとは異なる周波数の音を減衰させるための共鳴周波数に設定してもよい。
例えば、車両100の走行時には、タイヤが加振源(つまり、車室105に振動を与える源)となって車両100に或る周波数の振動(以下、「加振周波数」という。)が生じ、その振動に起因する騒音が車室105に生じることがある。これにより、例えば、車室105の固有周波数が167Hzであっても、車室105において音圧が最も高くなる周波数が例えば155Hzとなり、それぞれの音が同じ制御対象の周波数帯域内にある場合であっても、各々が若干異なることがある。ここでの同じ制御対象の周波数帯域は、例えば160Hz帯域である。そこで、共鳴体の位置は上記各実施形態のように固有振動姿態に着目して選定し、共鳴周波数については、この加振により生じる音に応じて決めてもよい。つまり、特定の固有周波数と、外部から車室105に与えられる振動の加振周波数とが互いに異なる場合には、その加振により励振されて音圧が高くなる周波数で音圧低減の効果を奏するよう、共鳴体の共鳴周波数を設定する。例えば、160Hz帯域の固有振動姿態の音圧の腹を制御対象として共鳴体を配置し、その共鳴体が155Hzで共鳴するように設定するというわけである。なお、加振周波数と、固有周波数とは同一の所定周波数帯域に含まれることになるが、共鳴体が、両方の周波数の音圧を低減させ得るような所定周波数帯域であればよく、160Hz帯域に限定されるものではない。
上述の各実施形態では、特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所を制御対象として共鳴体を配置し、その共鳴周波数を、この固有周波数での音圧の低減量が高くなるように設定していたが、それとは異なる周波数の音を減衰させるための共鳴周波数に設定してもよい。
例えば、車両100の走行時には、タイヤが加振源(つまり、車室105に振動を与える源)となって車両100に或る周波数の振動(以下、「加振周波数」という。)が生じ、その振動に起因する騒音が車室105に生じることがある。これにより、例えば、車室105の固有周波数が167Hzであっても、車室105において音圧が最も高くなる周波数が例えば155Hzとなり、それぞれの音が同じ制御対象の周波数帯域内にある場合であっても、各々が若干異なることがある。ここでの同じ制御対象の周波数帯域は、例えば160Hz帯域である。そこで、共鳴体の位置は上記各実施形態のように固有振動姿態に着目して選定し、共鳴周波数については、この加振により生じる音に応じて決めてもよい。つまり、特定の固有周波数と、外部から車室105に与えられる振動の加振周波数とが互いに異なる場合には、その加振により励振されて音圧が高くなる周波数で音圧低減の効果を奏するよう、共鳴体の共鳴周波数を設定する。例えば、160Hz帯域の固有振動姿態の音圧の腹を制御対象として共鳴体を配置し、その共鳴体が155Hzで共鳴するように設定するというわけである。なお、加振周波数と、固有周波数とは同一の所定周波数帯域に含まれることになるが、共鳴体が、両方の周波数の音圧を低減させ得るような所定周波数帯域であればよく、160Hz帯域に限定されるものではない。
また、この構成において、車両100の走行時おいて、変形例8の構成を用いて、加振により生じる音のピーク周波数に共鳴周波数を合わせるよう自動制御を行ってもよい。特に、自動車のように、加振周波数が変動する場合(走行時)では、固有周波数は音場固有の一義的な特性であるのに対し、加振側の特性(加振周波数特性)が時々刻々変動するので、必ずしも固有周波数の特性がそのまま出現しない。従って、共鳴周波数を加振周波数に合わせるように、コンピュータなどの制御装置が自動制御して、室内騒音を効果的に低減する。加振周波数については、速度、エンジン回転数、アクセル開度、ギア位置等のパラメータから制御装置が算出すればよい。
(変形例10)
また、共鳴体の共鳴周波数を固有周波数に設定しないで、共鳴体が設置される空間と、共鳴体が持つ筐体の空間との連成振動に係る相互作用により、その固有周波数の音圧を低減させるようにしてもよい。上記各実施形態で説明した共鳴体そのもののほか、共鳴体が設けられる空間も一種の共鳴体とみなすことができるからである。これらの共鳴体の相互関係から連成振動が生じ、共鳴体と車室間でエネルギーの授受が行われて、別の周波数帯域で音圧低減の効果を奏することがあるからである。
また、共鳴体の共鳴周波数を固有周波数に設定しないで、共鳴体が設置される空間と、共鳴体が持つ筐体の空間との連成振動に係る相互作用により、その固有周波数の音圧を低減させるようにしてもよい。上記各実施形態で説明した共鳴体そのもののほか、共鳴体が設けられる空間も一種の共鳴体とみなすことができるからである。これらの共鳴体の相互関係から連成振動が生じ、共鳴体と車室間でエネルギーの授受が行われて、別の周波数帯域で音圧低減の効果を奏することがあるからである。
(変形例11)
音響管2にあっては、気体分子と内壁との摩擦及び粘性抵抗により音エネルギーを消耗する。よって、音波の粒子速度が大きい位置ほど音響エネルギーの消耗が大きくなる。したがって、粒子速度の大きい位置に共鳴体を設ければ、音響管2によってより効果的に音圧が低減する。なお、粒子速度が大きい場所については、例えば、音圧分布の腹の測定時において粒子速度も測定して特定するとよい。
音響管2にあっては、気体分子と内壁との摩擦及び粘性抵抗により音エネルギーを消耗する。よって、音波の粒子速度が大きい位置ほど音響エネルギーの消耗が大きくなる。したがって、粒子速度の大きい位置に共鳴体を設ければ、音響管2によってより効果的に音圧が低減する。なお、粒子速度が大きい場所については、例えば、音圧分布の腹の測定時において粒子速度も測定して特定するとよい。
(変形例12)
上述した実施形態において、固有振動姿態の音圧の腹となる場所の音圧を低減させるための共鳴体を設けていたが、その場所での媒質粒子の運動速度(つまり、粒子速度)を増大させるための共鳴体を設けるようにしてもよい。媒質粒子の運動速度は、より詳細には、媒質粒子が振動する速度である。
車室105において固有振動姿態の音圧の腹となる場所では、音圧が極大となっているのに対し、粒子速度については極小となっている。このような粒子速度が小さい場所でそれを増大させる作用を生じさせることによっても、固有振動姿態の態様に変化を生じさせることになり、室空間全体の静粛性を高めることに寄与させることができる。この構成においても、本来、固有振動姿態の音圧の腹の出現により音圧が高くなっていた場所の媒質に共鳴による作用を生じさせることで、実施形態と同様の効果を奏するというわけである。
上述した実施形態において、固有振動姿態の音圧の腹となる場所の音圧を低減させるための共鳴体を設けていたが、その場所での媒質粒子の運動速度(つまり、粒子速度)を増大させるための共鳴体を設けるようにしてもよい。媒質粒子の運動速度は、より詳細には、媒質粒子が振動する速度である。
車室105において固有振動姿態の音圧の腹となる場所では、音圧が極大となっているのに対し、粒子速度については極小となっている。このような粒子速度が小さい場所でそれを増大させる作用を生じさせることによっても、固有振動姿態の態様に変化を生じさせることになり、室空間全体の静粛性を高めることに寄与させることができる。この構成においても、本来、固有振動姿態の音圧の腹の出現により音圧が高くなっていた場所の媒質に共鳴による作用を生じさせることで、実施形態と同様の効果を奏するというわけである。
この変形例の共鳴体としては、例えば音響管を用いることができる。音響管の中空領域にあっては、閉口端での粒子速度が零となる境界条件に合致するように定在波が存在して、例えば1次の共鳴周波数(最低共鳴周波数)では、開口部での粒子速度が極大となる。よって、開口部の位置を、固有振動姿態において音圧の腹となる場所や、その近傍に配置すれば、その場所での粒子速度を増大させることができる。なお、音響管2を用いて粒子速度を増大させる場合は、流れ抵抗材24を使用しない方が望ましい。流れ抵抗材24を設けない場合の方が、共鳴によってより大きな粒子速度を発生させることができるからである。また、板・膜共鳴体1やヘルムホルツ共鳴体3を用いた場合であっても、板・膜共鳴体1の振動部15や、ヘルムホルツ共鳴体3の開口部33の位置で粒子速度を増大させることができる。
なお、粒子速度の増大に係る上記構成は一例に過ぎず、共鳴することにより粒子速度を増大させることのできる共鳴体を用いることができる。要するに、固有振動姿態において音圧の腹となる場所に粒子速度を増大させる作用を生じさせるように、共鳴体の配置態様を決めればよい。
なお、粒子速度の増大に係る上記構成は一例に過ぎず、共鳴することにより粒子速度を増大させることのできる共鳴体を用いることができる。要するに、固有振動姿態において音圧の腹となる場所に粒子速度を増大させる作用を生じさせるように、共鳴体の配置態様を決めればよい。
(変形例13)
仮に、前部座席140での静粛性を高めずに、別の乗車領域である後部座席190付近に固有振動姿態の音圧の腹があり、その乗車領域で特に静粛性を高めたい場合も考えられる。この場合、例えば、ルーフ110のうち後部座席190の真上の天井部分や、リアドア150B、リアピラー180等付近に位置する、固有振動姿態の音圧の腹を制御対象として共鳴体を設けて、音響共鳴装置を構成してもよい。つまり、運転席及び助手席の静粛性を高めるための配置に限定されず、車室に設けられた乗車領域であれば、どの乗車領域の位置に応じた固有振動姿態の音圧の腹の場所を制御対象としてもよい。
また、共鳴体が設けられる壁部は、車室と車外とを仕切る部位のものに限らず、車室内に設けられたドアや支柱など、車室の空間のみに面している壁部であってもよい。
上記各実施形態では、160Hz帯域の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹に着目していたが、別の固有周波数に着目してもよい。
また、共鳴体が共鳴することによって音圧が低減する領域や、粒子速度が増大する領域はその開口部の位置によって定まる。よって、共鳴体のそれ以外の部位は車室に限らず、車両のどこに設けられていてもよい。
仮に、前部座席140での静粛性を高めずに、別の乗車領域である後部座席190付近に固有振動姿態の音圧の腹があり、その乗車領域で特に静粛性を高めたい場合も考えられる。この場合、例えば、ルーフ110のうち後部座席190の真上の天井部分や、リアドア150B、リアピラー180等付近に位置する、固有振動姿態の音圧の腹を制御対象として共鳴体を設けて、音響共鳴装置を構成してもよい。つまり、運転席及び助手席の静粛性を高めるための配置に限定されず、車室に設けられた乗車領域であれば、どの乗車領域の位置に応じた固有振動姿態の音圧の腹の場所を制御対象としてもよい。
また、共鳴体が設けられる壁部は、車室と車外とを仕切る部位のものに限らず、車室内に設けられたドアや支柱など、車室の空間のみに面している壁部であってもよい。
上記各実施形態では、160Hz帯域の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹に着目していたが、別の固有周波数に着目してもよい。
また、共鳴体が共鳴することによって音圧が低減する領域や、粒子速度が増大する領域はその開口部の位置によって定まる。よって、共鳴体のそれ以外の部位は車室に限らず、車両のどこに設けられていてもよい。
1…板・膜共鳴体、100…車両、105…車室、110,110a,110b…ルーフ、114,114a,114b…ルーフインナパネル、120,120a…センターピラー、130,130a…フロントピラー、140,140A,140B…前部座席、141…ヘッドレスト、142…シートバック、150…ドア、150A…フロントドア、150B…リアドア、180…リアピラー、190…後部座席、2…音響管、200…アシストグリップ、3…ヘルムホルツ共鳴体、4…格子部材。
Claims (10)
- 開口部と、前記開口部に通じる中空領域とを有している共鳴体であって、前記中空領域が前記開口部を介して車室に繋がるように車両に設けられる共鳴体
を備え、
前記車室における特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、当該車室における乗車領域の位置に応じて定められる場所の当該固有周波数の音圧を、前記共鳴体が共鳴することにより低減させる
ことを特徴とする音響共鳴装置。 - 前記共鳴体は、前記固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、少なくとも前記乗車領域から最も近い場所の音圧を低減させる
ことを特徴とする請求項1に記載の音響共鳴装置。 - 開口部と、前記開口部に通じる中空領域とを有している共鳴体であって、前記中空領域が前記開口部を介して車室に繋がるように車両に設けられる共鳴体
を備え、
前記車室における特定の固有周波数の固有振動姿態の音圧の腹となる場所のうち、当該車室における乗車領域の位置に応じて定められる場所の当該固有周波数の媒質粒子の運動速度を、前記共鳴体が共鳴することにより増大させる
ことを特徴とする音響共鳴装置。 - 前記固有周波数と、外部から前記車室に与えられる振動の周波数とは互いに異なる周波数であり、
前記共鳴体の共鳴周波数は、前記乗車領域の位置に応じて定められる場所における音圧であって前記振動により励振された周波数の音圧を、前記共鳴により低減させるように設定されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の音響共鳴装置。 - 前記固有周波数の固有振動姿態は、前記車両の車幅方向に音圧が分布する1次の固有振動姿態である
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の音響共鳴装置。 - 前記固有周波数の固有振動姿態は、前記車両の前後方向に音圧が分布する2次の固有振動姿態である
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の音響共鳴装置。 - 前記乗車領域には、乗車者の座席が設けられており、
前記共鳴体は、前記座席に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の音響共鳴装置。 - 前記共鳴体は、前記車室に面する天井に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の音響共鳴装置。 - 前記共鳴体は、前記車両の屋根を支える支柱に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の音響共鳴装置。 - 前記共鳴体は、前記車室に面するドアに設けられる
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の音響共鳴装置。
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