JP2011053314A - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速かつ高安定な高調波パルスを出力可能な光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置1は、レーザ光発生部10、光増幅部20及びウォークオフを生じる非線形光学結晶33を含む波長変換部30とを備える。制御装置は、非線形光学結晶33における位相整合状態を所定範囲で変化させ、位相不整合量に応じてビームポインティングを変化させることにより、高調波出力をウィンドウ35から出射させる出力光路Lonと遮蔽部材38により遮断する非出力光路Loffとに切り換えて、ビーム出力のオン/オフ制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光発生部、光増幅部、及び波長変換部を備えた光源装置に関するものである。
上記のような光源装置として、半導体レーザにより発生された赤外〜可視領域のパルス光(シード光)を、ファイバー光増幅器等の光増幅部により増幅し、これを複数の波長変換光学素子からなる波長変換部により波長変換して紫外領域のパルス光を出力する全固体型の光源装置がある。このような光源装置は、微細構造を観察するレーザ顕微鏡や各種の光学検査装置、レチクルの微細パターンを転写する露光装置、眼科治療に用いる医療装置等の分野において、好適な光源として利用が進展している。
光源装置からの出力光のオン/オフは、一般的には、レーザ光発生部において行われており、例えば、半導体レーザの駆動電流を波形制御してシード光をオン/オフ制御し、あるいは半導体レーザから出力されたシード光を電気光学変調器(EOM)等の光スイッチによりスイッチングして、レーザ光発生部からの出力をオン/オフ制御するように構成されていた(例えば特許文献1)。
特開2004−86193号公報
ところが、従来の光源装置では、予め励起状態に保持された光増幅部にシード光を投入したとしても、ファイバー光増幅器における利得の反転分布や熱的安定が変化し、光増幅部から出射される増幅光、ひいては波長変換部から出力される高調波について、立ち上がり時に安定した光出力を得ることが難しいという課題があった。
このような課題に対し、光増幅部の出口にメカニカルシャッタを設け、光増幅部から出射される基本波の増幅光を遮断する構成が考えられる。しかしながら、メカニカルシャッタは開閉時間が数十〜百ミリ秒程度かかり、数ミリ秒単位の高速のオン/オフ制御が困難である。また、波長変換部を構成する波長変換光学素子は、僅かながらビームを吸収して素子温度が変化することから、位相整合は波長変換光学素子が熱的に安定した高調波の出力状態で調整される。そのため、メカニカルシャッタにより増幅光を遮断し、高調波発生を停止させる時間が所定以上(例えば数秒以上)になると、波長変換部に入射する増幅光がシャッタを開いたときから安定していても、波長変換光学素子が熱的に安定するまで変換効率が低く、これを補償する必要が残る。こうした波長変換光学素子の熱的な問題は、高出力の紫外光を発生させる光源装置にとって重要な問題と考えられる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、立ち上がりから安定した高調波のビームを出力可能な光源装置を提供することを目的とする。
本発明を例示する第1の態様に従えば、パルス光を発生させるレーザ光発生部と、レーザ光発生部により発生されたパルス光を増幅する光増幅部と、ウォークオフ(Walk off)を生じる非線形光学結晶が角度位相整合で用いられる波長変換段を含み、光増幅部により増幅されたパルス光を波長変換して出力する波長変換部とを備えた光源装置であって、前記非線形光学結晶における位相整合状態を所定範囲で変化させ、位相不整合量に応じてビームポインティング(Beam Pointing)を変化させることにより非線形光学結晶から出射される高調波の出射光路を出力光路と非出力光路とに切り換え設定するビーム制御装置と、前記非出力光路の光路上に配設されて非出力光路からの出力を遮断する遮蔽部材とを備えて構成される。
なお、前記ビーム制御装置は、前記波長変換部に入射するパルス光の波長を変化させることにより、前記非線形光学結晶における位相不整合量を所定範囲で変化させるように構成することができる。この場合において、前記レーザ光発生部は、パルス発振するレーザ光源と、このレーザ光源により発生されたパルス光の一部を切り出して出射させる光変調器とを備え、前記ビーム制御装置が光変調器による切り出しタイミングを変化させることにより、波長変換部に入射するパルス光の波長を変化させるように構成することが一つの好ましい態様である。また、前記レーザ光発生部は、第1波長のパルス光を発振する第1レーザ光源と、第2波長のパルス光を発振する第2レーザ光源とを備え、前記ビーム制御装置がレーザ光発生部から出射させるパルス光を第1波長のパルス光または第2波長に選択的に切り替えることにより、波長変換部に入射するパルス光の波長を変化させるように構成することも他の好ましい態様である。
本発明の光源装置によれば、非線形光学結晶に位相不整合量を与えてビームポインティングを変化させることにより高調波の出射光路が出力光路と非出力光路とに切り換えられ、非出力光路に設定された状態において遮蔽部材により高調波出力が遮断される。このため、レーザ光発生部及び光増幅部のみならず非線形光学結晶まで含めて光源装置を熱的に安定させた状態で保持することができ、ビーム制御装置により出射光路を出力光路に切り換えることにより、立ち上がりから安定した高調波のビームを出力可能な光源装置を提供することができる。
なお、ビーム制御装置が、波長変換部に入射するパルス光の波長を変化させることにより、非線形光学結晶における位相不整合量を変化させるような構成によれば、取り扱いが容易な基本波の波長領域を利用して比較的簡明な構成で上記効果を有する光源装置を提供することができる。この場合において、レーザ光源により発生されたパルス光の一部を切り出す光変調器を備え、パルス光の切り出しタイミングを変化させることによりパルス光の波長を変化させるような構成や、第1、第2レーザ光源により発生されたパルス光を選択的に切り換えてパルス光の波長を変化させるような構成によれば、パルス光の1パルス単位(ナノ秒〜ミリ秒単位)でオン/オフ制御を行うことができ、高速かつ高安定な出力制御が可能な光源装置を提供することができる。
ビームポインティングを変化させたときの非線形光学結晶から出射されるビームの変化を直線と点線で模式的に示したものである。 本発明の適用例として示す光源装置の概要構成図である。 波長変換部の構成例を示す概要構成図である。 ウォークオフを生じる非線形光学結晶を角度位相整合で用いた場合の、高調波出力及びビームポインティングの位相不整合に対する依存性を示す図表である。 第1構成形態のレーザ光発生部の概要構成図である。 レーザ光発生部が発生するパルス光と、光変調器の透過率との関係を示す説明図である。 第2構成形態のレーザ光発生部の概要構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について、本発明を適用した光源装置1の概要構成を示す図2を参照しながら説明する。本実施形態では、レーザ顕微鏡や形状測定器などの光学検査装置に好適に用いられる光源装置を例として説明する。
光源装置1は、大別的には、パルス光を発生させるレーザ光発生部10(10A,10B)と、レーザ光発生部10により発生されたパルス光を増幅する光増幅部20と、光増幅部20により増幅された基本波のパルス光を波長変換して出力する波長変換部30と、光源装置1を構成する各部の作動を制御する制御装置8とを備えて構成される。
レーザ光発生部10には、赤外〜可視領域において所定波長のパルス光(シード光)を発生するレーザ光源11が設けられている。レーザ光源11は、光源装置の用途及び機能に応じて適宜な発振波長、発振形態のものを用いることができるが、例えば、発振波長が1.51〜1.59[μm]のInGaAsPの分布帰還型半導体レーザ(DFB半導体レーザ)が用いられる。DFB半導体レーザは、駆動電流を波形制御することにより任意の繰り返し周波数、強度パターンでパルス発振させることができる。DFB半導体レーザ11は、ペルチェ素子等を利用した温度調整器が付設されたヒートシンクに取り付けられて制御装置8により温度制御されており、これにより、DFB半導体レーザ11から波長λ=1.544[μm]を基準とする単一波長のパルス光Lsが発生され、光増幅部20に入射される。
光増幅部20は、レーザ光発生部10により発生されたパルス光を、波長変換部30の構成や求められる高調波出力に応じて、段数及び列数が単一もしくは複数のファイバー光増幅器21により増幅し、増幅された基本波のパルス光を波長変換部30に出力する。ファイバー光増幅器21は、半導体レーザ励起のエルビウム(Er)・ドープ・ファイバー光増幅器(EDFA)やラマン・レーザ励起のEDFAが用いられ、例えば30[dB]程度の所定ゲインの増幅が行われる。光増幅部20により増幅されたパルス光Laは、波長変換部30に入射される。
波長変換部30は、光増幅部20から入射する波長λ=1.544[μm]の基本波のパルス光Laを、光源装置1の仕様に応じた波長に変換して出力する。ここで、本発明の光源装置1は、波長変換光学部30にウォークオフを生じる非線形光学結晶が角度位相整合で用いられる波長変換段を含むものであればよく、波長変換部30入射する入射光(基本波)の波長や波長変換部から出力される出力光の波長、当該波長に変換するための波長変換部30の具体的な構成(波長変換光学素子の組み合わせや配置等)は、既に公知の種々の形態に適用することができる。
そこで、本実施形態では、波長λ=1.544[μm]の基本波を、5倍波に相当する波長λ=309[nm]の紫外波に変換する構成を代表例として図3に例示し、この構成について簡潔に説明する。なお、図3において、光路上に楕円形で示す図形はコリメータレンズや集光レンズであり、個々の説明を省略する。また、P偏光を矢印で、S偏光を○中に点のある印で示し、基本波をω、2倍波を2ω、3倍波を3ωのように示す。
波長変換部30は、波長変換光学素子31,32,33を主体として直列に接続された3段の波長変換段により構成され、波長変換部30に入射した周波数ωの基本波のパルス光Laが、ω→2ω→3ω→5ωの順に波長変換される。
波長変換部30に入射したP偏光の基本波のパルス光Laは、波長変換光学素子31に集光入射され、P偏光の2倍波(2ω)を発生させる。発生した2倍波と波長変換光学素子31を透過した基本波は、波長変換光学素子32に集光入射し、和周波発生によりS偏光の3倍波(3ω)を発生させる。波長変換光学素子31,32は、例えば、2倍波発生用の波長変換光学素子31としてPPLN結晶、3倍波発生用の波長変換光学素子32としてLBO結晶が用いられる。なお、波長変換光学素子31として、PPKTP結晶、PPSLT結晶、LBO結晶等を用いることもできる。
波長変換光学素子32により発生されたS偏光の3倍波と、波長変換光学素子32を透過したP偏光の基本波及び2倍波は、2波長波長板41を透過させて2倍波だけをS偏光に変換する。2波長波長板41として、例えば、結晶の光学軸と平行にカットした一軸性の結晶の平板からなる波長板が用いられる。この波長板は、一方の波長の光(2倍波)に対して偏光を回転させ、他方の波長の光に対しては、偏光が回転しないように、波長板(結晶)の厚さを一方の波長の光に対してλ/2の整数倍で、他方の波長の光に対しては、λの整数倍になるようにカットすることにより構成される。
ともにS偏光になった2倍波と3倍波は、波長変換光学素子33に集光入射させ、和周波発生によりP偏光の5倍波(5ω)を発生させる。波長変換光学素子33として、波長λ=309[nm]の5倍波についてウォークオフアングルρが大きい非線形光学結晶が用いられ、例えば、BBO結晶(β-BaB24結晶)が、タイプIの角度位相整合(CPM:Critical Phase Matching)で用いられる。波長変換光学素子33により発生された5倍波は、以降説明するビーム制御装置80(80A,80B)において光源装置からのビーム出力がオンとされた状態においては、波長変換部30の出力端に設けられたウィンドウ35を通り、光源装置1から波長309[nm]のパルス光(「紫外パルス光」と言う)Lvが出力される。
以上のように概要構成される光源装置1にあって、光源装置1が起動され所定の出力待機状態にあるときに、レーザ光発生部10、光増幅部20、波長変換部30は、いずれも定常作動の状態に設定され、光源装置1の内部で紫外パルス光Lvが発生された状態に保持される。光源装置1からのビーム出力のオン/オフ(紫外パルス光の出射/停止)は、波長変換光学素子33から出射する紫外パルス光Lvの光路を、ウィンドウ35を通して外部に出力させる出力光路と、遮蔽部材により外部への出力を遮断する非出力光路とに切り換えることにより行われる。
上記作用を実現するための原理について、図4を参照しながら詳細に説明する。図4はウォークオフを生じる非線形光学結晶を角度位相整合で用い高調波を発生させた場合の、高調波出力及びビームポインティングの位相不整合Δkに対する依存性を、5倍波発生用の波長変換光学素子33として用いたBBO結晶について示したものである。この計算においては、BBO結晶長:15[mm]、ウォークオフ角:80[mrad]、2倍波入射ビーム径:70[μm](1/e2,全幅)、ピークパワー:1[kW]、3倍波入射ビーム径:58[μm](1/e2,全幅)、ピークパワー:1.5[kW]とした。ここで、図中の横軸は位相不整合Δk[rad/cm=cm-1]、縦軸は、左側が位相不整合Δk=0のときの高調波出力を1として規格化した規格化出力:Normalized efficiency、右側がビームポインティング:Pointing[mrad]である。
図示のように、位相不整合Δkを与えると、高調波(5倍波)の規格化出力が変化するとともに、ビームポインティングも変化する。両者の変化は、規格化出力がΔk=0を最大として正負方向ともなだらかに低下するのに対し、ビームポインティングはΔkの変化に伴い一次的に線形変化する。
いま、位相不整合Δkを−15[cm-1]から+15[cm-1]まで変化させるとすれば、高調波出力は、Δk=0の最適位相整合状態に対して90%以上を確保でき、かつ、位相不整合Δkが−15[cm-1]のときと15[cm-1]のときとで、ほぼ同じ出力を得ることができる。一方、位相不整合Δkを−15[cm-1]から15[cm-1]に変化させると、ビームポインティングが約2[mrad]変化する。これに対し、波長変換光学素子33から出射する5倍波のビーム発散角は、全角で約1[mrad]である。よって、適切にアパーチャ等の遮蔽部材を設置することで、一方を通過させ他方を遮断することができる。
図1は、上記のようにビームポインティングを変化させたときの、波長変換光学素子33から出射されるビームの変化を直線と点線で模式的に示したものである。このように変化するビームの出射光路の一方(図1において実線で示す光路)を波長変換部30のウィンドウ35から出射させる出力光路Lon、他方(点線で示す光路)を非出力光路Loffとし、両光路のビームを分離可能な位置に、非出力光路を通るビームを遮断するアパーチャや遮蔽板などの遮蔽部材38を配置しておけば、位相不整合Δkを変化させることにより、光源装置1からの紫外パルス光のビーム出力をオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。
例えば、位相不整合Δk=−15[cm-1]を与えたときに波長変換光学素子33から出射される紫外パルス光のビームの光路を出力光路Lon、位相不整合Δk=15[cm-1]を与えたときの紫外パルス光ビームの光路を非出力光路Loffとし、非出力光路Loffの光路上に波長λ=309[nm]の紫外光を遮断し吸収する遮蔽部材38を配置して、位相不整合Δkを−15[cm-1]と15[cm-1]とに変化させることにより、光源装置1からの紫外パルス光Lvのビーム出力を、オン/オフ切り換えすることができる。
このような手法によれば、レーザ光発生部10、光増幅部20、及び波長変換部30がいずれも定常作動の状態に設定され、光源装置1の内部で紫外パルス光Lvが発生された状態で、発生された紫外パルス光Lvについて、波長変換部30から外部に出力するか遮断するかによって、ビーム出力のオン/オフが行われる。このため、レーザ光発生部10及び光増幅部20のみならず、波長変換部30を構成する波長変換光学素子31,32,33まで含めて、ビーム出力のオン/オフ状態の如何に拘わらず、熱的に安定させた状態で保持することができ、立ち上がりから安定した紫外パルス光を出力することができる。
また、ビーム出力がオンのとき(位相不整合Δk=−15[cm-1]のとき)と、オフのとき(Δk=15[cm-1]のとき)とで、高調波出力がほぼ同じであることから、位相不整合を変化させる非線形光学結晶33を単体で見ても、ビーム出力のオン/オフ切り替えに際して熱的負荷が殆ど変化することがなく、出力レベル及びビーム品質ともに変動がない高安定な紫外パルス光を出力することができる。
波長変換光学素子33において位相不整合Δkを変化させる手法として、波長変換部30に入射するパルス光(基本波)の波長を変化させる形態を提案する。波長変換部30に入射する基本波の波長を変化させると、波長変換光学素子33の結晶内での屈折率nが変化する。すなわち波長変換光学素子33において位相不整合Δkが発生する。このため、波長変換部30に入射する基本波の波長を変化させることによりビームポインティングを変化させ、光源装置1からの紫外パルス光Lvのビーム出力を、オン/オフ切り換えすることができる。
このように、波長変換部30に入射する基本波の波長を変化させて位相不整合Δkを変化させる手法によれば、短波長の高調波領域と比較して、取り扱いが容易な基本波領域を利用して簡明な構成で上記効果を有する光源装置を提供することが可能となる。以下、波長変換部30に入射するパルス光の波長を変化させる構成について説明する。本実施形態では、レーザ光発生部10から出射するパルス光(シード光)の波長を変化させることにより、長変換部30に入射するパルス光の波長を変化させる二つの構成形態を例示する。第1構成形態のレーザ光発生部10Aの概要構成を図5に示す。
レーザ光発生部10Aは、既述したDFB半導体レーザ(レーザ光源)11と、DFB半導体レーザ11により発生されたパルス光の一部を切り出して出射させる光変調器12とを備え、制御装置8に設けられたビーム制御装置80Aが、光変調器12による光パルスの切り出しタイミングを変化させることにより、レーザ光発生部10Aから出射するパルス光(シード光)の波長を変化させるように構成される。
光変調器12は、この光変調器12の内部光路を透過状態と遮断状態とに切り換え、DFB半導体レーザ11により発生されたパルス光(シード光)の光パルスの一部を時間的に切り出し、切り出された短パルスのシード光(以下、便宜的に「短パルスシード光」という)Lsを光増幅部20に出射する。光変調器12は、DFB半導体レーザ11の発振周波数よりも高速でオン/オフ動作可能な光学素子が用いられ、例えば、電気光学変調器(EOM)が用いられる。光変調器12は、制御装置8に設けられたビーム制御装置80AによりDFB半導体レーザ11と同期制御される。
ビーム制御装置80Aは、各部の作動を同期制御するための基準となるクロック81、クロック81を基準として所定間隔でトリガパルスを発生するトリガパルス発生器82、トリガパルス発生器82から入力されるトリガパルスに基づいて、DFB半導体レーザ11を駆動するレーザ駆動信号S11を生成するレーザ駆動信号生成部83、トリガパルス発生器82から入力されるトリガパルスを所定範囲で遅延させるトリガパルス遅延部84、トリガパルス遅延部84を介して入力されるトリガパルスに基づいて光変調器12を駆動するパルス変調信号S12を生成するパルス変調信号生成部85などを備えて構成される。
レーザ駆動信号生成部83は、トリガパルス発生器82から入力されるトリガパルスに応答してDFB半導体レーザ11を駆動するレーザ駆動信号S11を生成し、DFB半導体レーザ11に出力してパルス発振させる。レーザ駆動信号S11は、繰り返し周波数が数百[kHz]〜数[MHz]程度、パルス幅1〜20[nsec]程度の範囲で設定される。パルス変調信号生成部85は、トリガパルス遅延部84を介してトリガパルス発生器82から入力されるトリガパルスに応答し、光変調器12を駆動するパルス変調信号S12を生成して光変調器12に出力する。パルス変調信号S12は、パルス幅がレーザ駆動信号S11よりも狭く、立ち上がりがレーザ駆動信号よりも所定時間遅延して出力される。
図6は、レーザ駆動信号S11により発生されるシード光Lの光パルスと、パルス変調信号S12による光変調器12の透過率Tとの関係を例示したものである。この実施例においては、繰り返し周波数1[MHz]、パルス幅10[nsec]で強度変調をかけたレーザ駆動信号S11をDFB半導体レーザ11に出力し、図のようなレーザ駆動信号に比例したパルス波形のシード光Lを発生させ、パルス幅が1[nsec]程度のパルス変調信号S12を光変調器12に出力し、図のように透過率Tを変化させてシード光Lの一部を切り出す場合を例示する。なお、図6の縦軸は、シード光Lに関しては光強度、光変調器12に関しては透過率を示し、パルス発振されるシード光Lのひとつの光パルスについて各波形を示している。
ここで、DFB半導体レーザ11は温度制御されており、本実施形態において発振波長はλ=1.544[μm]を基準とした狭帯域化された光である。一方、DFB半導体レーザ11は駆動電流(励起強度)が変化すると、これに伴って発振波長がわずかに変化する。この駆動電流に対する発振波長の変化の度合いはDFB半導体レーザの型式等により異なるが、例えば定格電流400[mA]のDFB半導体レーザにおいて、0.015[nm/mA]程度である。この場合、DFB半導体レーザ11の駆動電流を400[mA]から270[mA]に変化させると、出力光の中心波長は2[nm]変化する。この中心波長の変化量Δλ=2[nm]は、波長変換光学素子33において位相不整合Δkを−15〜15[cm-1]の範囲で変化させるのに十分なものである。
このため、定格電流に対して30%程度の強度変調をかけたレーザ駆動信号S11によりDFB半導体レーザ11を駆動してパルス発振させ、トリガパルス遅延部84によりレーザ駆動信号S11に対するパルス変調信号S12の遅延時間、すなわち光パルスの切り出しタイミングを変化させることにより、レーザ光発生部10Aから出射される短パルスシード光Lsの波長を変化させ、波長変換3において所要の位相不整合Δkを生じさせることができる。
この場合、定格電流の80%で中心波長λが1.544[μm](Δk=0)となるようにDFB半導体レーザ11の温度を調整しておき、この80%を中心として、波長変換光学素子33における位相不整合Δkが−15〜15[cm-1]となるように、所要の遅延時間を設定する。このとき、光パルスの切り出しタイミングに応じてレーザ光発生部10Aから出射される短パルスシード光Lsの出力値(パワー)が変化するが、これが問題となる場合には、光変調器12へのパルス変調信号S12の振幅(透過率)を調整することにより、[nsec]〜[μsec]オーダの応答速度で短パルスシード光Lsの出力値を一定化することができる。なお、短パルスシード光Lsの出力値の変化に応じて光増幅部20のゲインを変化させ、波長変換部30に入射するパルス光のパワーレベルを一定にすることもでき、この場合には、数百[μsec]〜1[msec]オーダの応答速度を得ることができる。
以上説明したレーザ光発生部10Aにおいては、レーザ駆動信号生成部83から上記のような強度変調をかけたレーザ駆動信号S11を出力してDFB半導体レーザ11をパルス発振させ、トリガパルス遅延部84から所定の遅延時間でパルス変調信号S12を出力して光変調器12を駆動することにより、光源装置からのビーム出力をオン/オフすることができる。
このような構成によれば、既述した効果に加えて、周波数が数百[kHz]〜数[MHz]程度でパルス発振するレーザ光源11の光パルス1パルス単位、すなわち[μsec]〜[nsec]オーダでビーム出力をオン/オフ制御することができ、高速かつ高安定な出力制御を実現することができる。
次に、第2構成形態のレーザ光発生部10Bについて、このレーザ光発生部の概要構成を示す図7を参照して説明する。レーザ光発生部10Bは、第1波長λ1のパルス光を発振する第1レーザ光源11aと、第2波長λ2のパルス光を発振する第2レーザ光源11bとを備え、ビーム制御装置80Bがレーザ光発生部から出射するパルス光を第1波長のパルス光または第2波長に選択的に切り替えることにより、波長変換部30に入射するパルス光の波長を変化させるように構成される。
すなわち、これまで説明してきた基本波の基準波長であるλ=1.544[μm]に対し、例えば、波長変換光学素子33において位相不整合Δk=−15[cm-1]を生じさせる基本波の波長を第1波長λ1、位相不整合Δk=15[cm-1]を生じさせる基本波の波長を第2波長λ2として、各波長で発振する第1レーザ光源11a及び第2レーザ光源11bをレーザ光発生部に予め設けておき、レーザ光発生部10Bから出射させるパルス光を択一的に選択して出射させるように構成される。
第1波長λ1と第2波長λ2との波長差Δλは、基準波長λに対して微少である。従って第1レーザ光源11aと第2レーザ光源11bは同じDFB半導体レーザ(既述したDFB半導体レーザ11)を用い、各DFB半導体レーザに設けた温度調整器により温度制御することにより、各レーザ光源の発振波長を第1波長λ1、第2波長λ2に設定することができる。本構成形態の場合、DFB半導体レーザを駆動するレーザ駆動信号は、パルス波形がフラットトップの矩形波パルスでよく、レーザドライバの制御構成を簡明化することができる。
レーザ光発生部10Bから出射させるパルス光を、第1波長λ1のパルス光または第2波長λ2のパルス光に切り替える具体的な構成として、第1レーザ光源11aまたは第2レーザ光源11bのいずれかを発振させる第1構成例と、第1レーザ光源11a及び第2レーザ光源11bの両者を発振させておき、第1波長λ1のパルス光または第2波長λ2のパルス光のいずれかを出射させる第2構成例とがある。
第1構成例では、第1レーザ光源11aの出力端と第2レーザ光源11bの出力端とを合波器(2×1カプラ)91に接続して一体に結合し、レーザ光発生部10Bの出力とする。ビーム制御装置80Bは、第1レーザ光源11aまたは第2レーザ光源11bのいずれかにレーザ駆動信号を出力してパルス発振させ、合波器91に入射する第1波長または第2波長のパルス光をレーザ光発生部10Bから出射させる。なお、合波器91としては、50:50カプラ、WDM(Wavelength Division Multiplexer)などがある。
第2構成例では、第1レーザ光源11aの出力端と第2レーザ光源11bの出力端とを高速の光路選択スイッチ(例えば、EOM2×2スイッチ)92に接続し、光路選択スイッチ92の出力ポート(EOM2×2スイッチにあっては一方の出力ポート)をレーザ光発生部10Bの出力とする。ビーム制御装置80Bは、第1レーザ光源11a及び第2レーザ光源11bの両者を発振させ、光路選択スイッチ92に入射する第1波長λ1のパルス光または第2波長λ2のパルス光のいずれか一方を、レーザ光発生部10Bから出射させる。なお、第1レーザ光源11aの出力端及び第2レーザ光源11bの出力端に、各々光路を透光状態と遮断状態とに切り換えるEOM光スイッチを設け、これらのEOM光スイッチの出力を合波器で結合して、いずれか一方のパルス光をレーザ光発生部10Bから出射させるように構成してもよい。
このような構成形態によれば、レーザ駆動信号または光路選択スイッチの制御信号を制御することにより光源装置からのビーム出力をオン/オフすることができる。従って、前述した構成形態と同様に、周波数が数百[kHz]〜数[MHz]程度でパルス発振するレーザ光源11の光パルス1パルス単位、すなわち[μsec]〜[nsec]オーダでビーム出力をオン/オフ制御することができ、高速かつ高安定な出力制御を実現することができる。
また、本構成形態の光源装置によれば、レーザ光発生部から出射するパルス光を第1レーザ光源により発生される第1波長のパルス光、または第2レーザ光源により発生される第2波長に切り替える構成のため、レーザ光源のドライバーやビーム制御装置の制御構成を簡明化できることに加え、レーザ駆動電流及び光増幅部20のゲインを一定化することができ、ノイズが少なく高効率の光源装置を提供できる。また、本構成形態における第1構成例によれば、レーザ駆動信号の出力先を切り換える極めて簡明な制御構成で安価に構成することができる。一方、第2構成例によれば、第1レーザ光源11a及び第2レーザ光源11bが常時パルス発振され、パルス周波数に対して高速応答の光スイッチで出力パルスを切り替える構成のため、ビーム出力オンと同時に、第1光パルスからパルス波形が高安定なパルス光を得ることができる。
以上では、レーザ光発生部10から出射するパルス光(シード光)の波長を変化させる手法として、レーザ光発生部10に光変調器12を設け、レーザ光源11から出射されたパルス光の切り出しタイミングを調整する構成(第1構成形態)と、レーザ光発生部10に発振波長が異なる二つのレーザ光源11a,11bを設け、いずれか一方のパルス光を出射させる構成(第2構成形態)とを例示した。しかし、レーザ光発生部10から出射するシード光の波長を変化させる手法として、レーザ光源11の発振波長そのものを変化させるように構成してもよい。
例えば、レーザ光源11として、[μsec]〜[nsec]オーダで高速に波長チューニング可能なDFB半導体レーザを用い、ビーム制御装置80が、発振波長を第1波長と第2波長とに切り換えるように構成することができる。このようなDFB半導体レーザとして、2つのDFB部と、その間に設けられた位相シフト部とを有し、位相シフト部に注入する電流を制御することで発振波長を変更可能とした電流制御波長可変DFB半導体レーザが例示される。このような構成(第3構成形態)によれば、位相シフト部への注入電流を変化させるだけでシード光の発振波長を高速に変化させることができ、光源装置の構成を簡明化することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、レーザ光発生部から出射される基本波の波長をλ=1.544[μm]とし、この基本波の2倍波と3倍波とから5倍波であるλ=309[nm]の紫外光を発生させる場合について例示したが、本発明は、波長変換部にウォークオフを生じる非線形光学結晶を含み、当該非線形光学結晶を角度位相整合で用いるものであれば、同様に適用し同様の効果を得ることができる。すなわち、波長変換部に入射する基本波の波長や、波長変換部から出力される光の波長、非線形光学結晶に入射する入射光及び波長変換後の出射光の波長、BBO,LBO等の非線形光学結晶の種類、二次高調波発生であるか和周波発生であるか等の波長変換の形態、角度位相整合におけるタイプI、タイプIIの別などは、適宜変更して適用することができる。
1 光源装置
10(10A,10B) レーザ光発生部
11 レーザ光源(DFB半導体レーザ)
11a 第1レーザ光源
11b 第2レーザ光源
12 光変調器
20 光増幅部
30 波長変換部
31,32,33 波長変換光学素子(33 ウォークオフを生じる非線形光学結晶)
38 遮蔽部材
80(80A,80B) ビーム制御装置
Ls パルス光(シード光、短パルスシード光)
La 増幅されたパルス光
Lv 紫外パルス光
Lon 出力光路
Loff 非出力光路

Claims (4)

  1. パルス光を発生させるレーザ光発生部と、
    前記レーザ光発生部により発生されたパルス光を増幅する光増幅部と、
    ウォークオフを生じる非線形光学結晶が角度位相整合で用いられる波長変換段を含み、前記光増幅部により増幅されたパルス光を波長変換して出力する波長変換部と
    を備えた光源装置であって、
    前記非線形光学結晶における位相整合状態を所定範囲で変化させ、位相不整合量に応じてビームポインティングを変化させることにより、前記非線形光学結晶から出射される高調波の出射光路を出力光路と非出力光路とに切り換え設定するビーム制御装置と、
    前記非出力光路の光路上に配設されて前記非出力光路からの出力を遮断する遮蔽部材とを備えたことを特徴とする光源装置。
  2. 前記ビーム制御装置は、前記波長変換部に入射するパルス光の波長を変化させることにより、前記非線形光学結晶における位相不整合量を所定範囲で変化させるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記レーザ光発生部は、パルス発振するレーザ光源と、前記レーザ光源により発生されたパルス光の一部を切り出して出射させる光変調器とを備え、
    前記ビーム制御装置が、前記光変調器による切り出しタイミングを変化させることにより、前記波長変換部に入射するパルス光の波長を変化させることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
  4. 前記レーザ光発生部は、第1波長のパルス光を発振する第1レーザ光源と、第2波長のパルス光を発振する第2レーザ光源とを備え、
    前記ビーム制御装置が、前記レーザ光発生部から出射するパルス光を第1波長のパルス光または第2波長に選択的に切り替えることにより、前記波長変換部に入射するパルス光の波長を変化させることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
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JP2011145493A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Nikon Corp 光源装置
CN111221198A (zh) * 2019-11-21 2020-06-02 中国科学院上海光学精密机械研究所 一种新型全光开关装置

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