JP2011038858A - 血栓症の早期診断のための検査方法と検査試薬およびキット - Google Patents

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Abstract

【課題】心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を引き起こす血栓症を、発症直後に検出するための方法、並びにこの方法に用いるための試薬およびキットを提供する。
【解決手段】マーカーとして血小板の活性化により放出される物質、特にホスホグルコムターゼ2型(PGM2)を用い、体液中における濃度または活性を測定することにより血栓症の発症を検出する方法、そのための試薬およびキット。マーカーとして、さらに、プラスミノーゲン・アクチベータ・インヒビターI(PAI−I)、血小板第4因子及びp−セレクチンからなる群より選ばれた1種または2種以上の物質を組み合わせてもよい。PGM2の測定は、ホスホグルコムターゼ1型(PGM1)抗体を固定化した第1層およびPGM2抗体を固定化した第2層を設けた固相を用いて、PGM2のみを特異的、高感度でかつ迅速に測定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、血栓症の早期発見のための検査方法とこの方法に用いる血栓症検査試薬およびキットに関する。
血栓症は、血栓により血管が閉塞し、血液の流れを妨げることにより、組織や臓器に傷害・壊死を引き起こす症状であり、血栓の生じた部位により、例えば、心筋梗塞、肺動脈血栓症、脳梗塞などの重篤な症状が現れる。
心筋梗塞は、冠動脈に血栓が生じ、血流を停止させることで、支配下の心筋細胞が壊死し、心臓の機能を失わせる疾患である。心筋梗塞に対しては、発作発症後速やかに血栓を除去する再環流処置法が確立され、多くの病院で実施できるようになっている。しかし、心筋梗塞発作が発症していることを発症直後に検出できる検査方法がないため、再環流処置法が十分に機能していない。
心筋梗塞を最も早期に検出する方法として心電図検査法があるが、心筋梗塞であることを明確に示すST波の上昇は発作発症2時間を経過しないと検出できない。また、化学的に測定できる心筋梗塞マーカーは発作から3時間以上経過しないと上昇しない。証拠に基づいた治療(EBM)が訴えられている現在、何の科学的データの提示もなく心臓の処置ができないことは明らかである。中でも急性心筋梗塞は経過が早く、救命のためには、迅速かつ的確な判定とそれに対応した適切な処置を施すことが必要である。
しかし、特に急性心筋梗塞の場合、典型的な強い胸部痛ではなく、左肩や顎への放散痛、歯痛や腕のしびれのみが症状として現れることもある。糖尿病患者では痛みなどの自覚症状の乏しいこともあり、めまい、嘔吐、心窟部痛(みずおちの痛み)など不定愁訴として症状が現れることも多い。また、心筋梗塞間近な病態として不安定狭心症があるが、この時点で胸痛を訴えたり、悪寒を感じるといわれている。従って、どの時点で発作が発症したか特定することが難しく、心電図検査や多くの検査タイミングを逸してしまうこともある。そればかりか、明確な心筋梗塞であっても、ST波の上昇しない症例が約15%存在することも知られている。さらに、胸痛を訴えない患者が約20%存在することも知られている。このため、心筋梗塞の発症をキャッチできないために、有効な処置を受けられない患者が多い。
従って、より簡便な方法、例えば、生化学的マーカーの測定によって心不全の判定が簡易かつ迅速に行えるようになれば、症状が明確でない場合でも早期に他の疾患との鑑別が可能となり、救命率の改善につながると考えられる。
従来、急性心筋梗塞等の生化学的マーカーとしては心筋逸脱酵素、心筋構造蛋白、および心筋細胞質蛋白が知られている。具体的には、心筋逸脱酵素としてはクレアチンキナーゼMB(CK−MB:creatine kinase-MB)、アスパラギン酸アミノトランスフエラーゼ(AST:aspartateaminotransferase)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD:lactate dehydrogenase)、ホスホグリセリン酸ムターゼ(PGAM:phosphoglyceric acid mutase)等が知られている。また、心筋構造蛋白としてはミオシン軽鎖(MLC:myosin light chain)、トロポニンT(TnT:troponin T)、トロポニンI(TnI:troponin I)等が、また心筋細胞質蛋白としては、ミオグロビン(Mb:myoglobin)、心筋型脂肪酸結合蛋白(H−FABP:heart-type fatty acid-binding protein)等が知られている。
しかし、これらの生化学的マーカーは、急性心筋梗塞発症後の経過において、それぞれ特徴的な血中への出現および消失パターンを示し、現実的には、1つのマーカーのみでの正確な急性心筋梗塞の判定は困難である。そこで、実際の臨床の場では、複数のマーカーを測定し、それらの値を総合的に判断して急性心筋梗塞の判定を行なう必要がある。
しかも、これら既知のマーカーによる測定では、発症直後の疾患の判定は難しい。これらのマーカーの中で急性心筋梗塞発症後に比較的速やかに血中へ出現するのはミオグロビン(Mb)であるが、それでも、Mbの血中濃度は発症後2〜3時間で上昇し、6〜10時間で最高値になる程度である。また、そもそも梗塞部位では血流量が著しく低下している。実際、CK−MB、AST、LD、トロポニン、ミオシン軽鎖などは、再灌流後に大量のマーカーが流出してくる現象が知られている。従って、心筋特異性の高いマーカーであっても、血流量が極めて低下していると、血中で検出されない。このため、従来のマーカーは、発症から少なくとも数時間経過しないと判定ができないものであった。
以上のほか、C反応性タンパク(CRP:C-reactive protein)も心筋梗塞の予知が可能であることが報告されている。心筋梗塞も炎症疾患の一つで、心筋梗塞発症後の壊死細胞にCRPが付着していることから、心筋梗塞発症前の炎症発症時に肝臓からのCRP輸送が活発となることから予知物質になると報告されている。しかし、心筋梗塞前の変化が小さいのに対して、肺炎など様々な炎症疾患による変化が大きいため、正確に心筋梗塞を予知することは困難である。
脳梗塞においても、早期発見、血栓除去が予後や後遺症の大きさに直接関わる大きな問題である。脳梗塞においては、心筋梗塞以上に化学的な検出方法がなく、重篤な後遺症に悩まされる患者を生み出す原因ともなっている。脳梗塞の場合、頸部分岐動脈部に発症した粥状動脈硬化部位に発生した血栓によって引き起こされることが知られている。血栓形成時に速やかに発見処置できることは救命や後遺症防止に極めて重要である。
本発明は、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を引き起こす血栓症を、発症直後に検出するための方法、並びにこの方法に用いるための試薬およびキットを提供することを目的とする。
本発明者は、心筋梗塞等の原因となる血栓症の段階でその発生を知ることができれば、心筋梗塞等の発症に対して適切な処置を行うことができるとの発想により、血栓症の発症のメカニズムを検討した。その結果、血小板の活性化が血栓症の引き金となること、血小板から放出される物質が発作時に血中で上昇し、血栓症の発症の指標としうることを見出し、発作発症時に明確にその現象を捉えることのできる検査法を開発した。
即ち、本発明は、以下の血栓症の発症を検出する方法、および検出のための試薬やキットを提供する。
1.マーカーの体液中における濃度または活性を測定することにより血栓症の発症を検出する方法において、マーカーとして血小板の活性化により放出される物質を用いることを特徴とする、血栓症の発症を検出する方法。
2.マーカーがホスホグルコムターゼ2型(PGM2)である上記1記載の方法。
3.マーカーが、プラスミノーゲン・アクチベータ・インヒビターI(PAI−I)、血小板第4因子及びp−セレクチンからなる群より選ばれた1種または2種以上の物質、および、ホスホグルコムターゼ2型(PGM2)である、上記1記載の方法。
4.体液がヒト血清またはヒト血漿である上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5.被検者から採取した体液試料を電気泳動により分離し、分離物に対して前記マーカーに対応する活性染色法を適用することにより体液中における濃度または活性を測定する、上記2記載の方法。
6.被検者から採取した体液試料中のマーカーの濃度または活性を、抗原抗体反応を用いて免疫学的に測定する、上記1〜4のいずれかに記載の方法。
7.血小板の活性化により放出される物質を定性的及び/又は定量的に検出する試薬からなる、血栓症の発症を検出するための試薬。
8.血小板の活性化により放出される物質がホスホグルコムターゼ2型(PGM2)である上記7記載の試薬。
9.前記試薬が、前記PGM2が触媒する反応の基質、および酵素反応の進行に応じて構造の変化を起こして反応の進行量を表示することができる物質を含む、上記8記載の試薬。
10.前記試薬が、前記物質またはその断片に親和性を有する1種または2種以上の抗体を含む、上記7または8記載の試薬。
11.前記抗体がモノクローナル抗体またはポリクロナール抗体である、上記10記載の試薬。
12.血小板の活性化により放出される物質を定性的及び/又は定量的に検出する試薬を含む、血栓症の発症を検出するためのキット。
13.ホスホグルコムターゼ2型(PGM2)の測定を、ホスホグルコムターゼ1型(PGM1)抗体を固定化した第1層およびPGM2抗体を固定化した第2層を設けた固相において、第1層上に試料を塗布し、PGM1抗体と反応しなかった物質を拡散させ、第2層の抗PGM2抗体と結合した物質を測定することにより行うことを特徴とする、上記2記載の方法。
14.抗PGM2抗体と結合した物質の測定を発色試薬または発光試薬を用いて行う、上記13記載の方法。
15.上記13記載の方法によりホスホグルコムターゼ2型(PGM2)を特異的に測定するための、ホスホグルコムターゼ1型(PGM1)抗体を固定化した第1層およびホスホグルコムターゼ2型(PGM2)抗体を固定化した第2層を設けた固相を含む、血栓症発症の検出用キット。
本発明の検出方法では、血栓症の引き金となる血小板の活性化により放出される物質をマーカーとして測定するので、血栓症を発症直後の段階において迅速な判定を行うことができる。従って、血栓症を原因とする心筋梗塞や脳梗塞など、発症後速やかな処置を必要とする疾患について発症の時期を特定することが可能となり、極めて有用である。さらに、本発明の検出方法では、不安定狭心症などの前兆段階ではマーカーは検出されず、血栓症をこれらの症状と区別することが可能となる。
各種疾患におけるPGM活性の測定結果を示す。 図2Aは心筋梗塞患者の血清PGMのアイソザイムを比較した電気泳動図(図中、1および2は心筋梗塞患者血清であり、3および4はウシ心臓ホモジェナイズ)であり、図2Bは肝疾患患者の血清PGMのアイソザイムを比較した電気泳動図(図中、1および2は肝疾患患者血清であり、3は正常血清)である。 心筋梗塞発作発症直後の患者血清および血小板由来PGMのアイソエンザイムの電気泳動図を示す。
1.血栓症の検出方法
本発明の検出方法は、血小板から放出される物質(本発明マーカー)の濃度及び/又は活性を血液などの体液中で測定することを特徴とする。
体液としては、血液、尿、唾液等が挙げられるが、特に血液が好ましく、血清や血漿を用いるのが最も好ましい。従って、前記体液中濃度は、ヒト血清または血漿のような体液試料を検体として用いて測定される。
血栓症では、血小板が活性化し、血小板中に存在したPAI-Iが放出される。PAI-Iは線溶活性を低下させるため、凝固機能が亢進する。同時に、活性化した血小板は突起状の形態に変化し、ここに血球を付着する。この両者の作用が血栓形成を促進し、血栓症を発生させると推定できる。このように、血小板の活性化が血栓症の引き金となるため、血小板の活性化により血中に放出される物質、特に、ホスホグルコムターゼ2型(PGM2)を測定することにより、血栓症発症直後に発作の発生を検出することができる。この物質の測定に加え、プラスミノーゲン・アクチベータ・インヒビターI(PAI-I)、第4因子及び/又はp-セレクチンの血中濃度の測定を組み合わせることにより、血栓症の発生をさらに確実に判定しうる。
一方、心房細動や不安定狭心症など急性心筋梗塞の前兆段階と思われる症例ではこれらのマーカーは検出することができなかった。
体液試料中の本発明マーカーの検出は、任意の方法により実施できる。
血栓症の判定は、検出された体液試料中の本発明マーカー量を健常者の場合と比較し、その値よりも高い場合に血栓症と判定することができる。また、本発明マーカーの検出限界が健常者レベル以上である本発明マーカーの定性的な検出方法を採用すれば、血栓症の陽性、陰性の判定も可能である。
(ホスホグルコムターゼ2型の測定)
ホスホグルコムターゼ(PGM:phosphoglucomutase;EC5.4.2.2)は、動物の組織中にかなり普遍的に存在し、特に肝臓組織中では活性が高く、蛋白質としても多いことが知られている酵素である。本発明者らは各種疾患におけるPGM活性を測定し、急性心筋梗塞や肺動脈血栓症では上昇するが、心筋梗塞の前兆と考えられる不安定狭心症や陳旧性心筋梗塞では上昇が見られないことを見出した。
ヒト血清中に出現するPGMには、1型、2型および3型の3種類のアイソエンザイムが存在し、それぞれPGM1、PGM2およびPGM3と称される。PGM1は健常人の血清中にも存在する。血小板中にはPGM1とPGM2しか存在せず、血小板の活性化により両方のPGMが血中に出現するが、健常人ではPGM2は出現しない。心筋梗塞患者では、発作発症後1〜2時間は血小板由来のPGM2しか上昇せず(図3参照)、心筋の壊死が始まってから心筋由来のPGM2とPGM3が上昇する(図2A参照)。即ち、心筋からの湧出が始まっていない極初期の段階では血小板からのPGM2のみが上昇し、発作から数時間後にPGM2および3が徐々に放出され始め、6時間程度でピークに達する。従って、血小板活性化時に血中に放出されるPGM2のみを特異的に、しかも迅速に測定することにより、血栓症の早期診断、ひいては心筋梗塞等の判定を行うことができる。本発明の方法を用いれば、胸部痛を訴え心筋梗塞の疑いがある患者に対して、例えば病院に到着する前の救急車の中などで血栓症判定用マーカーの測定を行うこともできる。
PGM2の測定は、例えば、血清などの体液試料を電気泳動し、活性染色液にて活性染色することにより行うことができる。具体的には、ホスホグルコムターゼの基質(G1P、Gl、6P)、およびG6PDHとその基質(NADP)、ジアホラーゼとその基質(MTT)が入った活性染色液にて活性染色し、PGM2に相当する各位置の活性を検出すればよい。電気泳動は、プレート上に展延したゲルを用いたものでもよいし、毛管電気泳動でもよい。
また、PGM2を認識する抗体、ポリクロナール抗体や特にモノクローナル抗体が有する特異反応を利用する免疫学的方法により検査を行うこともできる。抗体の作成法は当業者には周知である。例えばヒト血清よりこの酵素を取得し、または該酵素を遺伝子組み換え技術により製造し、この抗原を適当なアジュバントとともに、例えば、ヤギ、マウス、ラット、ウサギ等に免疫して血液を採取し、IgG画分を精製することによりポリクロナール抗体を得ることができる。モノクローナル抗体は、上記のような動物の皮下に注射して免役し、抗体価が上昇したところで、その脾臓からB細胞を取り出して、肝癌細胞と融合させ、モノクローナル抗体を産生する細胞をマウスの腹腔内に注射して増殖させるか、または通常の細胞培養液中にて培養して細胞を増殖し、産生する抗体を取得する手法が用いられる。
用い得る免疫学的方法としては、標識抗体を用いる方法と、それを用いない方法の両者が含まれる。標識抗体を用いる免疫学的な方法としては、酵素免疫測定法(EIA法)、放射性免疫測定法(RIA法)、蛍光免疫測定法(FIA法)、ルミネッセンス免疫測定法、スピン免疫測定法などが挙げられる。この中で好ましいのはEIA法である。2種類の抗体、特にモノクローナル抗体を用いたサンドイッチEIA法が、抗原に対する特異性および検出操作の容易性において更に好ましい。
サンドイッチEIA法による本発明マーカーの検出は、本発明マーカーの異なるエピトープを認識する2種類の抗体、すなわち固相化抗体と酵素標識抗体との間に本発明マーカーを挟み込み(サンドイッチ)、本発明マーカーに結合した標識抗体の酵素量を測ることにより行うことができる。例えば、ホスホグルコムターゼ2(PGM2)の例で言えば、ホスホグルコムターゼに共通の抗体を固相化抗体として用い、アイソザイム2(PGM2)に特異的なモノクローナル抗体などを標識抗体とすることができる。あるいは、上記のようにして得られた抗体を固相化し、検体を添加して抗原抗体反応させ、洗浄後、酵素標識化されたポリクロナール抗体または固相化された抗体とは異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体を反応させた後、これら動物抗体に対する酵素標識化された別の動物抗体を反応させ、最終的に標識酵素に基質を反応させて酵素反応によるシグナルを検出する。酵素基質としては、選択した標識酵素に応じて適当なものが選ばれる。例えば、酵素としてアルカリホスファターゼを選択した場合は、p−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)等が挙げられる。パーオキシダーゼを選択した場合は、基質として過酸化水素が挙げられ、発色剤としてO−フェニレンジアミン、テトラメチルベンチジン(TMB)などが用いられる。
固相化担体は、目的に応じて適当なものを用いればよく、例えば96穴マイクロプレートのような所定数の穴(ウェル)を設けたプレート等を用いることができる。
サンドイッチ法を原理とする別の方法として、いわゆるイムノクロマト法がある。本方法の実施には特別な測定機器は不要であるため、迅速な診断を必要とする本疾患の判定には有利な方法である。
PGM2を迅速にしかも特異的に測定するためには、以下のような方法が好ましく使用できる。
平板上にPGM1抗体固定化層とPGM抗体固定化層を設け、PGM1抗体固定化層の上に試料を載せる。試料中のPGM1を固定化し、それ以外のものは拡散させ、次いでPGM2抗体を固定した層でPGM2を捕獲する。このPGM活性を発色試薬で発色させるか、発光試薬で検出して、PGM2の測定を行う。
この方法において、予め試料を、酵素標識したPGM2抗体と混和し一定時間放置して抗原抗体複合物を形成させておいてもよい。この複合物を含む試料をPGM1抗体固定化部分に添加すると、試料中のPGM1はこの層に固定化される。一方、PGM2の複合物は拡散し、PGM2抗体固定化層に到達し、PGM2抗体によって捕獲される。この部分に発光試薬を添加し、発光を検出する。発光強度によって定量も可能であるが、健常者にはPGM2が全く認められないため、発光の有無により定性的に判断できる。なお、発色試薬によっても検出可能である。
これらの方法によればPGM2を特異的に高感度で検出することができ、血栓症の早期診断に有効である。
標識抗体を用いない免疫学的方法としては、抗体感作ラテックス粒子と抗原との凝集反応を利用したラテックス凝集法、抗原抗体複合体形成に伴う濁度を測定する比濁法、抗体固相膜電極を利用し、抗原との結合による電位変化を検出する酵素センサー電極法等があり、いずれの方法によっても本発明マーカーを検出することができる。
なお、以上に挙げた方法は例示であって、このほかにも、表面プラズモン共鳴バイオセンサー(SPRセンサー、例えば、特開平11−023575参照)等を利用することも可能である。
(PAI−Iの測定)
PAI−Iは、組織プラスミノーゲンアクチベーターと結合してその作用を阻止するプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI)の1種であり、血管内皮で産生され、血小板中にも存在するタンパク質である。血小板の活性化によって血中に放出される。この物質は線溶系活性を低下させ、相対的に凝固系活性を亢進させるため、血栓症の惹起物質と考えられる。本発明者らは、PAI−Iが血栓症発症時に血中濃度が上昇することを見出し、血栓症の診断への利用の可能性を検討した。PAI−I濃度は日内変動があることが報告されているため、他のマーカーと組み合わせで用いることが望ましい。
PAI−Iの濃度の測定には、2種類の抗体(モノクロナール抗体(固層抗体)とポリクロナール抗体)を組み合わせたELISA法などが好適に使用できる。
(第4因子の測定)
血小板のα顆粒内に存在する血小板に特異的な糖タンパク質であり、血小板の活性化により放出される。血栓症発症時に血中濃度が上昇するため、本発明の他のマーカーと組み合わせて血栓症の発症の判定に使用できる。
第4因子の測定には、2種類の抗体(モノクロナール抗体(固層抗体)とポリクロナール抗体)を組み合わせたELISA法などが好適に使用できる。
(p−セレクチンの測定)
p−セレクチンは血小板および内皮細胞で発現する140kDaの糖タンパク質からなる接着分子である。血小板の活性化に伴い血中に放出される。血栓症発症時に血中濃度が上昇するため、本発明の他のマーカーと組み合わせて血栓症の発症の判定に使用できる。
p−セレクチンの測定は、2種類の抗体(モノクロナール抗体(固層抗体)とポリクロナール抗体)を組み合わせたELISA法などが好適に使用できる。
本発明の方法は、ヒトおよび血栓症を発症する他のすべての動物に対して適用可能であるが、特に、ヒトの血栓症に対して有用性が高い。
II.血栓症の検査のための試薬およびキット
本発明の検査試薬は、上記の説明に従って構成することができる。この試薬は、本発明マーカーである酵素(またはその断片)やタンパク質を定性的および/または定量的に検出できる物質を含んでいる。上述したように、検出は酵素反応または免疫学的反応(抗原抗体反応)により行うことができる。
酵素反応による検出のための試薬は、本発明マーカーである酵素が触媒する反応の基質と場合により酵素反応の進行に応じて構造の変化を起こして反応の進行量を表示する検査試薬とを含む。免疫学的な検出のための試薬は、本発明マーカーである酵素またはその断片に親和性を有する(従って、これを認識する)1種または2種以上の抗体を含む。
酵素反応による検査試薬の例は、上述したホスホグルコムターゼの基質(G1P、Gl、6P)である。あるいは、これにG6PDHとその基質(NADP)およびジアホラーゼとその基質(MTT)を組み合わせて含有させた活性染色液を検査試薬とすることもできる。検査試薬として使用できる上記抗体の例としては、前述した標識または非標識のモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体が挙げられる。
また、本発明の検査試薬は、必要に応じて、他の部材(化学薬品、生物学的材料および/または機材)を組み合わせてキットを構成してもよい。例えば、検査が電気泳動による分離工程を含む場合は、キットは電気泳動に必要なプレートや毛管を含むことができる。免疫学的方法で検査する場合には、キットは一次抗体等を担持するためのマイクロウェルプレートやビーズ、ストリング、ラテックス粒子等を含み得る。キットはまた、使用説明書などの文書を含みうる。
キットに含まれる検査試薬は、本発明マーカーの検査試薬のみでもよいが、これに他のマーカーの検査試薬を組み合わせてもよい。また、本発明マーカー自体も2種以上を組み合わせて検出に用いてもよく、従って試薬は対応して2種以上のマーカーを検出できるものを使用してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
(実験例1)
各種疾患におけるPGM活性の測定
急性心筋梗塞、肺動脈血栓症、心筋梗塞の前兆と考えられる不安定狭心症、大動脈解離、および陳旧性心筋梗塞の患者において、採取した血清中のPGM活性を酵素活性測定法により測定した。結果を図1に示す。PGM活性は急性心筋梗塞、肺動脈血栓症の患者では上昇するが、心筋梗塞の前兆と考えられる不安定狭心症や、陳旧性心筋梗塞では上昇が見られなかった。
(実験例2)
PGMアイソエンザイムの測定
図2Aおよび図2Bに、心筋梗塞患者(発症後約6時間)と肝疾患患者の血清、また、対照としてウシ心臓の抽出液と健常人の血清を電気泳動し、活性染色を行った泳動像を示す。これらの試料と各図中の符号の対応は以下の通りである;
図2A中の1と2:心筋梗塞患者血清、
図2A中の3と4:ウシ心臓の抽出液(ホモジナイズ)、
図2B中の1と2:肝疾患患者血清、
図2B中の3:健常者血清。
図2Aと図2Bは一つの電気泳動の結果を示すものであり、図2Aと図2Bを横方向に連続して見る。図中、上側から下側に向けて電気泳動を行った。
ヒト血清中に出現するPGMには1型、2型および3型の3種のアイソエンザイムが存在し、それぞれPGM1、PGM2およびPGM3と呼ぶ。PGM1は健常人の血清中にも存在し、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性と強く相関する。また、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)とも相関性を示す。このことは肝臓機能と相関性を示すことを示唆している。一方、発症後約6時間経過した心筋梗塞患者ではPGM2とPGM3が上昇している(図2Aの1、2)。
血小板由来PGMアイソエンザイムの測定
心筋梗塞発作発生直後(約1時間)の患者血清および血小板から抽出したPGMアイソエンザイムをアガロースゲル電気泳動法によって測定した。結果を図3に示す。図中、右側は心筋梗塞発作発生直後の患者血清であり、左側は血小板から抽出したPGMアイソエンザイムである。
図3から明らかなように、血小板ではPGM1とPGM2しか存在しなかった。心筋の壊死が始まってから出現するPGMは心筋由来のPGM2およびPGM3であるのに対し、心筋からの湧出が始まっていない極初期の段階ではPGM2が血小板から出現した。従って、PGM2を高感度に検出することで、発作発生から時間をおかず検出することができる。
PGM2特異測定
短時間に、しかも特異的にPGM2を測定するための方法を実施した。試薬は以下のものを使用した。
PGM1抗体:Anti phosphoglucomutase 1 抗体 (Abnova 社)
PGM2抗体:Anti phosphoglucomutase 2 抗体 (Proteintech 社)
POD標識PGM2抗体:phosphoglucomutase 2(Mono)にPODを標識
発光試薬:Super Signal ELISA Pico chemiluminascent Substance (Thermo 社)
セルロースアセテート膜にPGM1抗体とPGM 2 抗体を固定化させたPGM 2 検出用ストリップを作製した。一方、ペルオキシダーゼ (POD)を標識したPGM 2 抗体と試料を混和し、10分間放置し、抗原抗体複合物を作成した。抗原抗体複合物を含む試料をPGM 1 抗体を固定化した部分に添加すると、試料中のPGM 1 はこの層に固定化される。一方、PGM 2 の複合物は、PGM2抗体固定層に到達し、PGM 2 抗体によって捕獲される。この部分に発光試薬を塗布し、発光量を測定した。結果を以下に示す。
健常者と心筋梗塞患者のPGM2発光量の比較
健常人のPGM2の発光量(20名) 4,245±543 ホトン
心筋梗塞発作直後の患者(20名) 875,546±34,216 ホトン
検出は30秒間の積算発光量を求め、20名の平均値を示した。発作発生初期でもPGMの発光量は健常者の数百倍に増加した。この結果より、本実施例の高感度測定法は血栓症の早期診断に有効であることが分かる。
PAI-測定
ELISAにてPAI-を測定した。血栓症発症時には健常人に比べ上昇が見られた。
健常者と心筋梗塞患者の血清中PAI-濃度の比較
健常者(20名) 34.3±12.3 ng/ml
心筋梗塞発症直後の患者(20名) 48.6±9.6 ng/ml
上記のように心筋梗塞発症直後の患者では有意に上昇したが、PAI-濃度には早朝高値を示す日内変動のあることが報告されている。このため、血栓症の診断には他のマーカーと組み合わせて用いることが好ましい。
血小板第4因子の測定
ELISAにて血小板第4因子を測定した。血栓症発症時には健常人に比べ上昇が見られた。
健常者と心筋梗塞患者の血清中血小板第4因子の濃度
健常者(20名) 23,544±123 ホトン
心筋梗塞発症直後の患者(20名) 46,783±2,364 ホトン
p-セレクチンの測定
ELISAにてp-セレクチンを測定した。血栓症発症時には健常人に比べ上昇が見られた。
健常者と心筋梗塞患者の血清中p-セレクチンの濃度
健常者(20名) 4,235±1,363 ホトン
心筋梗塞発症直後の患者(20名) 62,345±4,284 ホトン

Claims (15)

  1. マーカーの体液中における濃度または活性を測定することにより血栓症の発症を検出する方法において、マーカーとして血小板の活性化により放出される物質を用いることを特徴とする、血栓症の発症を検出する方法。
  2. マーカーがホスホグルコムターゼ2型(PGM2)である請求項1記載の方法。
  3. マーカーが、プラスミノーゲン・アクチベータ・インヒビターI(PAI−I)、血小板第4因子及びp−セレクチンからなる群より選ばれた1種または2種以上の物質、および、ホスホグルコムターゼ2型(PGM2)である、請求項1記載の方法。
  4. 体液がヒト血清またはヒト血漿である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 被検者から採取した体液試料を電気泳動により分離し、分離物に対して前記マーカーに対応する活性染色法を適用することにより体液中における濃度または活性を測定する、請求項2記載の方法。
  6. 被検者から採取した体液試料中のマーカーの濃度または活性を、抗原抗体反応を用いて免疫学的に測定する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 血小板の活性化により放出される物質を定性的及び/又は定量的に検出する試薬からなる、血栓症の発症を検出するための試薬。
  8. 血小板の活性化により放出される物質がホスホグルコムターゼ2型(PGM2)である請求項7記載の試薬。
  9. 前記試薬が、前記PGM2が触媒する反応の基質、および酵素反応の進行に応じて構造の変化を起こして反応の進行量を表示することができる物質を含む、上記8記載の試薬。
  10. 前記試薬が、前記物質またはその断片に親和性を有する1種または2種以上の抗体を含む、請求項7または8記載の試薬。
  11. 前記抗体がモノクローナル抗体またはポリクロナール抗体である、請求項10記載の試薬。
  12. 血小板の活性化により放出される物質を定性的及び/又は定量的に検出する試薬を含む、血栓症の発症を検出するためのキット。
  13. ホスホグルコムターゼ2型(PGM2)の測定を、ホスホグルコムターゼ1型(PGM1)抗体を固定化した第1層およびPGM2抗体を固定化した第2層を設けた固相において、第1層上に試料を塗布し、PGM1抗体と反応しなかった物質を拡散させ、第2層の抗PGM2抗体と結合した物質を測定することにより行うことを特徴とする、請求項2記載の方法。
  14. 抗PGM2抗体と結合した物質の測定を発色試薬または発光試薬を用いて行う、請求項13記載の方法。
  15. 請求項13記載の方法によりホスホグルコムターゼ2型(PGM2)を特異的に測定するための、ホスホグルコムターゼ1型(PGM1)抗体を固定化した第1層およびホスホグルコムターゼ2型(PGM2)抗体を固定化した第2層を設けた固相を含む、血栓症発症の検出用キット。
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