JP2011036465A - 引出し用前板の位置調整構造、前板位置調整方法及び引出し - Google Patents

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Abstract

【課題】前板の前後方向の取付位置を調整するための構造を簡素かつ安価に構成でき、簡便な調整作業により前後方向のずれや傾斜の修正が容易に行える引出し用前板の位置調整構造、その位置調整構造を用いた前板位置調整方法、及びその位置調整構造を備えた引出しを提供する。
【解決手段】前板1と前板取付部11とを固定し、かつ側板2と側板取付部12との固定を解除した状態において、前後調整プレート20と連結ブラケット10とを一体的に、側板2に対し回動軸線O周りに所定方向(例えば時計回り)に回動して前後方向に相対位置変更する。これによって側板2に対する前板1の前後方向の取付位置を調整するとともに、プレート用止めねじ21をねじ孔20aに螺合させ、ねじ回し等の工具で締め付けることによって、前後調整プレート20と側板2とを固定する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、引出し用前板の位置調整構造、その位置調整構造を用いた前板位置調整方法、及びその位置調整構造を備えた引出しに関する。
例えば、流し台、調理台、洗面台等のキャビネットや机に設けられる引出しが本体側の収納部(案内レール)に収納されたとき、製造誤差や組付誤差により、使用者の正面に位置する前板が左右方向や上下方向にずれることによって、設計通りに収納部を塞ぐ状態にならない場合がある。しかも、引出しの軽量化やデザイン性向上のため、板金製の両側板を除き、前板、背板及び底板を木材や高分子材料にて製造する頻度が増えるにつれて、前板のずれ(複数の引出しを設置するものにあっては前板の不揃い)が生じやすくなっている。そこで、このような前板のずれや不揃いを修正するために、側板に対する前板の左右方向及び上下方向の取付位置を調整する前板位置調整構造が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1のような前板位置調整構造を採用することによって、前板の左右方向及び上下方向のずれ・不揃いを修正できるようになった。しかし、近年では引出しの大型化が顕著となり、前板が前後方向にずれたり傾いたりする(例えば、前板のねじれや変形により、下端部が手前側へせり出したり、上端部が手前側へ倒れ込んだりして傾斜する)現象が発生している。ところが、特許文献1に開示された前板位置調整構造では、このような前板の前後方向へのずれや傾斜を修正することはできない。
例えば、側板と平行状に設置された連接棒(突っ張り棒)を前板と背板との間に架け渡し、その連接棒の長さを調節することによって、前板の前後方向への傾斜を修正することが考えられる。しかし、前板の前後の傾斜変更に伴って、引出しの他の構成材(側板、底板、背板)と前板との接続関係についても細かな調整が必要になるため、かえって全体構造が複雑になり、調整作業が煩雑になるおそれがある。一方、引出しの後端部を昇降調節することによって、前板の上下方向の位置変更をほとんど発生させずに前後方向の傾斜修正を行う技術も開示されている(特許文献2参照)。ところが、特許文献2の方法では、引出し全体を本体側の収納部(案内レール)から抜き出してからでないと後端部の調節作業が行えず、また調節作業結果の良否は再び引出しを収納しないと確認できないから、前板の前後方向の傾斜を適正位置に修正するまでに多くの工数(時間)を要する。
特許第3513611号公報 特開2001−258666号公報
本発明の課題は、前板の前後方向の取付位置を調整するための構造を簡素かつ安価に構成でき、簡便な調整作業により前後方向のずれや傾斜の修正が容易に行える引出し用前板の位置調整構造、その位置調整構造を用いた前板位置調整方法、及びその位置調整構造を備えた引出しを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の引出し用前板の位置調整構造は、
前後方向に設定された引出し方向に沿って両側に側板を配置し、両側板における前記引出し方向の手前側には前板、同じく奥側には背板を取り付けるとともに、それら両側板、前板、背板によって形成された矩形状空間の下部に底板を配置することにより上方に開口した箱形状を呈する引出しにおいて、前記側板に対する前記前板の取付位置を調整可能となすための引出し用前板の位置調整構造であって、
前記引出しの前板に固定される前板取付部と、前記側板に固定される側板取付部とを含み、前記前板と側板とを連結するための連結部材と、
その連結部材と前記前板とを所定位置に固定・保持した状態で、前記側板に対する前後方向の相対位置を変更可能な前後位置調整部材とを備え、
前記前板と前板取付部とを固定し、かつ前記側板と側板取付部との固定を解除した状態において、前記前後位置調整部材と前記連結部材とを一体的に、前記側板に対し前後方向に相対位置変更することによって、前記側板に対する前記前板の前後方向の取付位置が調整されることを特徴とする。
このような引出し用前板の位置調整構造では、引出しの前板と側板とを連結するための連結部材(例えば連結ブラケット)と、側板に対する前後方向の相対位置を変更可能な前後位置調整部材(例えば前後調整プレート)とを備えることによって、前板の前後方向の取付位置を調整するための構造を簡素かつ安価に構成できる。そして、前後位置調整部材と連結部材とを一体的に、側板に対し前後方向に相対位置変更することによって、側板に対する前板の前後方向の取付位置が調整されるので、簡便な調整作業により前後方向のずれや傾斜の修正が容易に行える。しかも、その際作業者は引出し(前板)をわずかに手前側に引き出した状態にて、前後位置調整部材による調整作業を効率よく行えるので、前板の前後方向のずれや傾斜を適正位置に修正するための工数(時間)を大幅に短縮することができる。なお、連結部材は、前板取付部と側板取付部とが(通常ではL字状に)屈曲形成されている。
このとき、前板の前後方向の取付位置調整は、
(1)前後位置調整部材と連結部材とを一体的に、前後方向に沿って直線状(例えば水平状)にスライド調整するリニアタイプ;
(2)前後位置調整部材と連結部材とを一体的に、左右方向に配置された回動軸線周りで回動(例えば傾斜)調整するロータリータイプ;
のいずれの方式であってもよい。
このような引出し用前板の位置調整構造において、前後位置調整部材は、側板と平行な板状に形成されるとともに、上下方向のいずれか一端側に配置された回動軸線周りに他端側が回動することによって、側板に対し前後方向の相対位置を変更することができる。
上記ロータリータイプにより前後位置調整部材と連結部材とを一体的に回動調整する場合には、スライド調整するリニアタイプに比べて前板を位置変更する際の操作力が小さくてすむ利点がある。また、このようなロータリータイプでは、前板のねじれや変形により、下端部が手前側へせり出したり、上端部が手前側へ倒れ込んだりして傾斜する現象に対して、直接的に修正(調整)作業を施すことができる。したがって、前板が傾斜する現象が発生しやすく、修正のための操作力を要する大型の引出しであっても調整作業を楽に行うことができる。なお、ロータリータイプを採用する場合、例えば、前後位置調整部材(前後調整プレート)の下端側に底板と平行(な左右方向水平)状に回動軸(回動軸線)を配置し、上端側を回動軸周りに回動させると、修正のための操作力を一層軽減することができる。
例えば、前後位置調整部材は側板の外側又は内側に配置され、
それら前後位置調整部材と側板とのうちのいずれか一方には、両者を位置固定するために固定孔が貫通形成されるとともに、同じく他方には、固定孔に対応する位置に、前記回動軸線からの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔又は前後切欠溝が貫通形成され、
固定孔と前後長孔又は前後切欠溝とを挿通して前後位置調整部材を側板に位置決め固定するための前後位置固定部材を備える場合がある。
このように、前後位置調整部材(例えば前後調整プレート)と側板とのうち、一方には固定孔(例えばねじ孔)を貫通形成するとともに、他方には、前後位置調整部材の一端側(例えば下端側)に配置された回動軸線からの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔又は前後切欠溝を貫通形成することによって、円弧状の前後長孔又は前後切欠溝の半径を大きくとることができるから、前板の前後方向の傾斜修正を行っても上下方向の位置変更(変動量)を小さい範囲に留める(抑制する)ことができる。また、前後位置調整部材が側板の外側に配置される場合には、前後位置調整部材によって引出しの容積が制限されたり、収容物・手指等が引っ掛かったりすることを防止できる。
具体的には、前後位置固定部材として、例えば止めねじ等の締結部材を用いた場合には、前後位置の位置決め固定は止めねじ等の締結力によって維持される。そして、側板に対する前板の前後方向の取付位置を調整する際、(A)側板と前後位置調整部材との内外の位置関係と、(B)側板と前後位置調整部材とに形成される具体的な前後位置調整構造とによって、(C)調整作業の向きが決定される。これら(A),(B),(C)の組み合わせは、表1に示す4パターンに表すことができる。
Figure 2011036465


表1のパターンNO.(1)に示す場合には、
前後位置調整部材は側板の外側に配置され、
前後位置調整部材の他端側には、側板に対する位置固定のために固定孔が貫通形成されるとともに、側板には、固定孔に対応する位置に、回動軸線からの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔が貫通形成され、
固定孔と前後長孔とを挿通して前後位置調整部材を側板に位置決め固定するための前後位置固定部材を備えることになる。
その際、固定用の止めねじは、引出しの内側から側板の前後長孔を通り、前後位置調整部材(前後調整プレート)の固定孔(ねじ孔)に締め付け固定されると、前板の前後位置の位置決め固定のための止めねじの頭部が側板の内側に位置し、先端部が側板(及び前後位置調整部材)の外側に突出することになるので、収容物・手指等の引っ掛かりを一層確実に防止できる。
あるいは、前後位置調整部材は側板の外側又は内側に配置され、
それら前後位置調整部材と側板とのうちのいずれか一方には、回動軸線から所定距離離間した位置で偏心回転する前後調整カムを軸支するとともに、同じく他方には、前後調整カムに対応する位置に、上下方向に所定長さを有する上下長孔又は上下切欠溝が貫通形成され、
前後調整カムが上下長孔又は上下切欠溝に挿通され、その上下長孔又は上下切欠溝の前後の当接壁部に当接しつつ回転することにより、前後位置調整部材は側板に位置決め保持される場合がある。
このように、前後位置調整部材(例えば前後調整プレート)と側板とのうち、一方には、回動軸線から離れた位置で偏心回転する(例えば円柱状の)前後調整カムを軸支するとともに、他方には上下長孔又は上下切欠溝を貫通形成することによって、前板の前後方向の傾斜修正を行っても上下方向の位置変更(変動量)を小さい範囲に留める(抑制する)ことができる。また、前後位置調整部材が側板の外側に配置される場合には、前後位置調整部材によって引出しの容積が制限されたり、収容物・手指等が引っ掛かったりすることを防止できる。
なお、この場合には、前後位置の位置決め保持は前後調整カムが上下長孔又は上下切欠溝の前後の当接壁部から受ける反力によって維持される。そして、側板に対する前板の前後方向の取付位置を調整する際、(A)側板と前後位置調整部材との内外の位置関係と、(B)側板と前後位置調整部材とに形成される具体的な前後位置調整構造とによって、(C)調整作業の向きが決定される。これら(A),(B),(C)の組み合わせは、表2に示す4パターンに表すことができる。
Figure 2011036465


表2のパターンNO.(1)に示す場合には、
前後位置調整部材は側板の外側に配置され、
側板には、回動軸線から所定距離離間した位置で偏心回転する前後調整カムの回転中心線を回動軸線と平行状に軸支するとともに、前後位置調整部材には、前後調整カムに対応する上端側の位置に、上下方向に所定長さを有する上下切欠溝が貫通形成され、
前後調整カムが上下切欠溝に挿通され、その上下切欠溝の前後の当接壁部に当接しつつ回転することにより、前後位置調整部材は側板に位置決め保持されることになる。
このように、側板に軸支された前後調整カムの先端部は側板(及び前後位置調整部材)の外側に突出することになるので、収容物・手指等の引っ掛かりを一層確実に防止できるとともに、前後調整カムの調整作業を側板(及び前後位置調整部材)の外側から行うことができる。
さらに、前後位置調整部材は側板の外側又は内側に配置され、
それら前後位置調整部材と側板とのうちのいずれか一方には、回動軸線から所定距離離間した位置で回転する回転体を軸支するとともに、同じく他方には、回転体に対応する位置に、回動軸線からの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔又は前後切欠溝が貫通形成され、
回転体が前後長孔又は前後切欠溝に挿通され、かつ自身の外周面と前後長孔又は前後切欠溝の内面とが凹凸面にて噛み合う形で回転することにより、前後位置調整部材は側板に位置決め保持される場合がある。
このように、前後位置調整部材(例えば前後調整プレート)と側板とのうち、一方には、回動軸線から離れた位置で回転する(例えば円柱状の)回転体を軸支するとともに、他方には、回動軸線からの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔又は前後切欠溝を貫通形成することによって、円弧状の前後長孔又は前後切欠溝の半径を大きくとることができるから、前板の前後方向の傾斜修正を行っても上下方向の位置変更(変動量)を小さい範囲に留める(抑制する)ことができる。また、前後位置調整部材が側板の外側に配置される場合には、前後位置調整部材によって引出しの容積が制限されたり、収容物・手指等が引っ掛かったりすることを防止できる。
なお、この場合には、前後位置の位置決め保持は凹凸面(例えば鋸歯状係合部)での噛み合い力によって維持される。そして、側板に対する前板の前後方向の取付位置を調整する際、(A)側板と前後位置調整部材との内外の位置関係と、(B)側板と前後位置調整部材とに形成される具体的な前後位置調整構造とによって、(C)調整作業の向きが決定される。これら(A),(B),(C)の組み合わせは、表3に示す4パターンに表すことができる。
Figure 2011036465


表3のパターンNO.(1)に示す場合には、
前後位置調整部材は側板の外側に配置され、
側板には、回動軸線から所定距離離間した位置で回転する回転体の回転中心線を回動軸線と平行状に軸支するとともに、前後位置調整部材には、回転体に対応する上端側の位置に、回動軸線からの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔が貫通形成され、
回転体が前後長孔に挿通され、かつ自身の外周面と前後長孔の内面とが凹凸面にて噛み合う形で回転することにより、前後位置調整部材は側板に位置決め保持されることになる。
このように、側板に軸支された回転体の先端部は側板(及び前後位置調整部材)の外側に突出することになるので、収容物・手指等の引っ掛かりを一層確実に防止できるとともに、回転体の調整作業を側板(及び前後位置調整部材)の外側から行うことができる。
そして、これらの引出し用前板の位置調整構造において、側板取付部は側板の内側に配置されるとともに、
側板の外側には、連結部材を構成する前板取付部及び側板取付部とは別体にて形成され、かつ側板取付部との間に側板と前後位置調整部材とを挟み込む状態にて、側板取付部に保持される保持部材を配置することができる。
このように、側板の内側に配置される側板取付部と、側板の外側に配置され側板取付部に保持される保持部材とによって、側板と前後位置調整部材とを挟み込む状態に維持できる。そこで、連結部材や前後位置調整部材を予め側板や前板にすべてセットしておかなくても、引出しを組み立てる際に連結部材や前後位置調整部材を側板や前板に取り付けながら、側板に対する前板の前後方向の取付位置を調整することができ、調整が終わった連結部材や前後位置調整部材を保持部材によって側板に挟持させるので、引出しの組立作業と前板の前後方向調整作業とを並行して能率よく実施できる。なお、保持部材(例えば保持プレート)が係止凸部(例えば係止爪)を介して前板取付部の係止凹部(例えば係止孔)に係止されている場合には、保持部材を前板取付部(連結部材)に係止したまま、引出しの組立作業や前板の前後方向調整作業を行うことができる。
また、側板取付部には、連結部材と前板とを所定位置に固定・保持した状態で、その連結部材に対する上下方向の相対位置を変更可能な上下位置調整手段を備え、
前板と前板取付部とを固定し、かつ側板と側板取付部との固定を解除した状態において、上下位置調整手段と連結部材とを一体的に、側板及び前後位置調整部材に対し上下方向に相対位置変更することによって、側板に対する前板の上下方向の取付位置を調整することができる。
このように、側板に対する前板の前後方向の取付位置を調整するための構成とともに、側板に対する前板の上下方向の取付位置を調整するための構成を有するので、前板の前後方向の位置調整と上下方向の位置調整とを併せて行い、前板(引出し)をより適正な位置に調整することができる。その際、前後方向の位置調整では、前後位置調整部材と連結部材とを一体的に、側板に対し相対位置変更すればよく、一方、上下方向の位置調整では、上下位置調整手段と連結部材とを一体的に、側板及び前後位置調整部材に対し相対位置変更すればよいので、前後方向の位置調整と上下方向の位置調整とは、互いに悪影響を及ぼしあうことなく、独立した調整操作として実行できる。
このとき、上下位置調整手段は、
側板取付部に配置されて偏心回転する上下調整カムと、
側板及び前後位置調整部材の上下調整カムに対応する位置にそれぞれ形成され、その上下調整カムに当接する上下の当接壁部とを含み、
側板取付部の上下調整カムが側板及び前後位置調整部材の上下の当接壁部に当接しつつ回転することにより、側板及び前後位置調整部材に対して連結部材及び前板の上下方向位置を位置決め保持することが望ましい。
このように、側板取付部に配置される(例えば円柱状の)上下調整カムは、側板及び前後位置調整部材の上下の当接壁部に当接しながら回転し、側板及び前後位置調整部材に対して連結部材及び前板の上下方向位置を位置決め保持する。つまり、前後方向の位置を変更することなく上下方向の位置調整を行え、あとで上下方向の位置調整に伴う前後方向の位置調整をやり直す必要がないので、前板の調整作業を効率よく行える。同様に、上下方向の位置を変更することなく前後方向の位置調整を行え、あとで前後方向の位置調整に伴う上下方向の位置調整をやり直す必要がないので、前板の調整作業を効率よく行える。
具体的には、前後位置調整部材の上下方向の中途部(回動軸線と固定孔の中間部)に形成された切欠溝によって、上下調整カムに当接する上下の当接壁部を形成する場合には、回動軸線と固定孔とは、上下調整カム(切欠溝)に対して上下方向に振り分け配置されることとなり、前後方向と上下方向の位置調整機構をバランスよく配置することができる。また、側板の切欠溝を介して連結部材を側板に脱着し、前後位置調整部材の切欠溝を介して連結部材を前後位置調整部材に脱着することが可能となるので、前後位置調整部材を側板に対し、側面視で各々の当接壁部を一致させた形態にて離脱可能な状態で仮固定しておくこともできる。なお、前板取付部には、側板に対する前板の左右方向の取付位置を調整するために左右方向に所定幅を有する左右長孔を形成すれば、前後方向及び上下方向に加えてさらに左右方向の位置調整も簡便に行える。
次に、引出しの組立作業や前板の前後方向調整作業を行うときに、第一の引出し用前板の位置調整構造として、前後位置調整部材を側板に対し、離脱可能な状態で固定しておくことができる。
このように、前後位置調整部材を側板に対し、例えば止めねじ等の締結部材を用いた仮固定状態で保持することによって、前後位置調整部材の紛失を防ぎ、引出しの組立作業や前板の前後方向調整作業へ円滑に移行できる。具体的には、前後位置調整部材を側板に対し、側面視で各々の上下の当接壁部を一致させた形態にて、離脱可能な状態で仮固定してあれば、前後位置調整部材付き側板に、L字状に屈曲形成された連結部材の側板取付部を差し込むことにより、引出しの組立作業や前板の前後方向調整作業を直ちに行うことができる。
あるいは、引出しの組立作業や前板の前後方向調整作業を行うときに、第二の引出し用前板の位置調整構造として、前後位置調整部材を連結部材に対し、離脱不能な状態で固定しておくこともできる。
このように、前後位置調整部材を連結部材に対し、例えば溶接、接着等の接合手段を用いた本固定状態で保持することによって、前後位置調整部材の紛失を防ぎ、引出しの組立作業や前板の前後方向調整作業へ円滑に移行できる。具体的には、L字状に屈曲形成された連結部材の側板取付部に対し前後位置調整部材を、上下の当接壁部が上下調整カムに当接する形態にて、離脱不能な状態で本固定してあれば、そのような前後位置調整部材付き連結部材を側板に差し込むことにより、引出しの組立作業や前板の前後方向調整作業を直ちに行うことができる。
いずれにしても、上記課題を解決するために、本発明の前板位置調整方法は、
上記第一又は第二の引出し用前板の位置調整構造を用いた前板位置調整方法であって、
前記連結部材の側板取付部を前記側板に沿って後方側へスライド移動させ、前記側板に対する前記前板の左右方向の取付位置を調整した後、前記前板と前板取付部とを固定する左右方向位置調整工程と、
前記側板に対する前記前板の上下方向の取付位置を調整する上下方向位置調整工程と、
前記側板に対する前記前板の前後方向の取付位置を調整する前後方向位置調整工程と、
前記保持部材を前記側板取付部及び側板に固定保持する固定保持工程とを含むことを特徴とする。
また、その前板位置調整方法の具体的態様は、
上記第一又は第二の引出し用前板の位置調整構造を用いた前板位置調整方法であって、
前記連結部材の側板取付部を前記側板に沿って後方側へスライド移動させて前記前後位置調整部材及び側板の上下の当接壁部を前記上下調整カムに当接させ、前記側板に対する前記前板の左右方向の取付位置を調整した後、前記前板と前板取付部とを固定する左右方向位置調整工程と、
前記側板取付部の上下調整カムを偏心回転させて前記側板及び前後位置調整部材の上下の当接壁部と接触させることにより、前記側板に対する前記前板の上下方向の取付位置を調整する上下方向位置調整工程と、
前記前後位置調整部材と前記連結部材とを一体的に、前記側板に対し前後方向に相対位置変更することにより、前記側板に対する前記前板の前後方向の取付位置を調整する前後方向位置調整工程と、
前記側板取付部との間に前記側板と前記前後位置調整部材とを挟み込む状態にて、前記保持部材を前記側板取付部及び側板に固定保持する固定保持工程とを含む場合がある。
このような前板位置調整方法では、左右方向位置調整工程と、上下方向位置調整工程と、前後方向位置調整工程と、固定保持工程とを含む簡便な調整作業により、前板の左右方向、上下方向及び前後方向のずれや傾斜の修正が容易に行える。しかも、その際作業者は引出し(前板)を収納した状態、又はわずかに手前側に引き出した状態にて、引出し用前板の位置調整構造を用いた調整作業を効率よく行えるので、前板の左右方向、上下方向及び前後方向のずれや傾斜を適正位置に修正するための工数(時間)を大幅に短縮することができる。なお、上下方向位置調整工程と前後方向位置調整工程とは、順序を入れ替えて実施することができる。
そこで、上記課題を解決するために、本発明の引出しは、
上記したような引出し用前板の位置調整構造を備え、
前記連結部材の前板取付部が前記前板に固定される一方、前記連結部材の側板取付部が前記側板に固定されることを特徴とする。
このような引出しでは、前板と側板とを連結するための連結部材(例えば連結ブラケット)と、側板に対する前後方向の相対位置を変更可能な前後位置調整部材(例えば前後調整プレート)とを備えることによって、前板の前後方向の取付位置を調整するための構造を簡素かつ安価に構成できる。そして、前後位置調整部材と連結部材とを一体的に、側板に対し前後方向に相対位置変更することによって、側板に対する前板の前後方向の取付位置が調整されるので、簡便な調整作業により前後方向のずれや傾斜の修正が容易に行える。しかも、その際作業者は引出し(前板)をわずかに手前側に引き出した状態にて、前後位置調整部材による調整作業を効率よく行えるので、前板の前後方向のずれや傾斜を適正位置に修正するための工数(時間)を大幅に短縮することができる。
具体的には、流し台、調理台、洗面台等のキャビネットや机に設けられ、前板、背板及び底板が木製又は高分子材料(例えばABS樹脂等の合成樹脂材料)製にて、側板及び連結部材が金属材料(例えばスチール板金)製にて構成される引出しに適している。なお、前後位置調整部材は、金属材料(例えばスチール板金)製、高分子材料(例えばABS樹脂等の合成樹脂材料)製のいずれであってもよい。また、連結部材の前板取付部と側板取付部とは(通常ではL字状に)屈曲形成されている。
本発明の引出しを含むキャビネットを示す斜視図。 本発明に係る前板の位置調整構造を備えた引出しの一例を示す側面図。 図2のA−A断面図。 図2のB−B断面図。 前後調整プレート及び連結ブラケットの取付形態を表す説明図。 前板位置調整方法を表す工程図。 前板の前後方向の取付位置の調整を表す説明図。 前後調整プレート及び連結ブラケットの取付形態の変形例を表す説明図。 本発明に係る前板の位置調整構造を備えた引出しの他の例を示す側面図。 図9のA’−A’断面図。 本発明に係る前板の位置調整構造を備えた引出しのさらに他の例を示す側面図。 図11のA”−A”断面図。
(実施例1)
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の引出しを含むキャビネットを示す斜視図である。図1に示すように、流し台、調理台、洗面台等のキャビネット本体Cの収納部には、前後方向に架設された左右一対の案内レールR,R上を引出し方向に沿って引き出し可能な複数(例えば2個)の引出しDが収納されている。
図1に示す引出しDは、従来のものと同様に、上方に開口した矩形の箱形状に形成されている。すなわち、引出し方向に沿って左右両側に側板2,2が配置され、両側板2,2における引出し方向の手前側には前板1、同じく奥側には背板3が取り付けられている。前板1、両側板2,2及び背板3によって形成された矩形状空間の下部に底板4が配置されている。引出しDの前板1と側板2とが接続される角隅部の外側には、前板1と側板2とを連結するための連結ブラケット10(連結部材)が設けられている。連結ブラケット10は、前板1に固定される前板取付部11と、側板2に固定される側板取付部12とがL字状に屈曲形成されている。
なお、前板1、背板3及び底板4は木製にて、側板2,2及び連結ブラケット10は金属材料(例えばスチール板金)製にて構成されている。そして、前板1に固定された把手5を把持して手前側に引くと、側板2,2の外側に軸支されたローラ6,6が案内レールR,R上を転動することにより、引出しDはキャビネット本体Cの収納部から手前側に移動して引き出され、あるいは奥側に移動して収納部に収納される。また、引出しDの連結ブラケット10には、後述するように、側板2,2に対する前板1の、左右方向、上下方向及び前後方向における各々の取付位置を調整可能となすための位置調整構造が設けられている。この連結ブラケット10及び三方向の取付位置調整構造は左右の側板2,2に対応して左右両側に各々設けられているが、それぞれの構成は左右対称であり、それぞれの調整作業は同一内容であるため、以下の記載では片側で代表して説明する。
図2は本発明に係る前板の位置調整構造を備えた引出しの一例を示す側面図、図3はそのA−A断面図、図4は同じくB−B断面図である。図3に示すように、連結ブラケット10の前板取付部11には、左右方向に所定の調整幅(例えば±2mm)を有する一対の左右長孔11a(左右位置調整手段)が、上下の端部において互いに平行状をなす形態で、厚み方向に貫通形成されている。したがって、左右長孔11aを挿通する前板用止めねじ11b(締結部材;左右位置固定部材)によって、前板取付部11と前板1とを固定するとき、側板2に対する前板1の左右方向の取付位置を調整することができる。
図3に示すように、側板2の外側には、連結ブラケット10と前板1とを所定位置に固定保持した状態で、側板2に対する前後方向の相対位置を変更可能な前後調整プレート20(前後位置調整部材)が配置されている。前後調整プレート20は、金属材料(例えばスチール板金)製、又は高分子材料(例えばABS樹脂等の合成樹脂材料)製にて、側板2と平行な板状に形成されている。この前後調整プレート20は、下端側(上下方向の一端側)に底板4と平行な左右方向水平状に配置された回動軸線O周りに上端側(他端側)が回動することによって、側板2に対し前後方向の相対位置を変更する。
具体的には、側板2から外側に向けて突出形成された回動軸2dが前後調整プレート20の下端部において厚み方向に貫通形成された軸孔20dに挿通され、前後調整プレート20は回動軸線O周りに回動する。また、前後調整プレート20の上端部には、側板2に対する位置固定のためのねじ孔20a(固定孔)が厚み方向に貫通形成されている。さらに、側板2には、ねじ孔20aに対応する位置に、回動軸線Oからの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔2aが厚み方向に貫通形成されている。そして、プレート用止めねじ21(締結部材;前後位置固定部材)が引出しDの内側から前後長孔2aを挿通しねじ孔20aと螺合することによって、プレート用止めねじ21とねじ孔20aとの締結力により前後調整プレート20が側板2に位置決め固定される。
図2において、前板1と前板取付部11とを固定し、かつ側板2と側板取付部12との固定を解除した状態において、前後調整プレート20と連結ブラケット10とを一体的に、側板2に対し回動軸線O周りに回動して前後方向に相対位置変更することによって、側板2に対する前板1の前後方向の取付位置が調整される(図7参照)。なお、このとき、側板2に対する前板1の左右方向の取付位置を調整し、前板取付部11と前板1とを固定しておく。
一方、図4に示すように、連結ブラケット10の側板取付部12は側板2の内側に配置されるとともに、側板取付部12には、連結ブラケット10と前板1とを所定位置に固定・保持した状態で、連結ブラケット10に対する上下方向の相対位置を変更可能な円柱状の上下調整カム12a(上下位置調整手段)を備えている。この上下調整カム12aは側板取付部12に軸支され、回動軸線Oと平行な左右方向水平状に配置された回転中心線O1周りで偏心回転する。また、側板2の上下調整カム12aに対応する位置には、上下調整カム12aに当接する上下の当接壁部2c(上下位置調整手段)が形成されている。さらに、前後調整プレート20の上下調整カム12aに対応する位置にも、上下調整カム12aに当接する上下の当接壁部20c(上下位置調整手段)が同様に形成されている。
具体的には、図5(a)に示すように、側板2の上下方向の中途部(回動軸2dと前後長孔2aの中間部)に形成された切欠溝2bによって、上下調整カム12aに当接する上下の当接壁部2cが形成されている。したがって、回動軸2dと前後長孔2aとは、上下調整カム12a(切欠溝2b)に対して上下方向に振り分け配置されている。一方、前後調整プレート20の上下方向の中途部(軸孔20dとねじ孔20aの中間部)に形成された切欠溝20bによって、上下調整カム12aに当接する上下の当接壁部20cが形成されている。したがって、軸孔20dとねじ孔20aとは、上下調整カム12a(切欠溝20b)に対して上下方向に振り分け配置されている。そして、側板2の切欠溝2bと前後調整プレート20の切欠溝20bとはぴったりと重なり合うように同一形状に形成されている(図5(b)参照)。
図4において、前板1と前板取付部11とを固定し、かつ側板2と側板取付部12との固定を解除した状態において、上下調整カム12aと連結ブラケット10とを一体的に、側板2及び前後調整プレート20に対し上下方向に相対位置変更することによって、側板2に対する前板1の上下方向の取付位置を調整する。すなわち、側板取付部12の上下調整カム12aが側板2及び前後調整プレート20の上下の当接壁部2c,20cに当接しつつ回転することにより、側板2及び前後調整プレート20に対して連結ブラケット10及び前板1の上下方向位置を位置決め保持することができる。なお、このとき、側板2に対する前板1の左右方向の取付位置を調整し、前板取付部11と前板1とを固定しておく。
図3に戻り、側板2の外側には、連結ブラケット10を構成する前板取付部11及び側板取付部12とは別体にて形成された保持プレート13(保持部材)が、側板取付部12と平行状に配置されている。保持プレート13は、係止爪13c(係止凸部)が前板取付部11の係止孔11c(係止凹部)に係止されている。また、保持プレート13は、側板取付部12との間に側板2と前後調整プレート20とを挟み込む状態にて、側板取付部12に保持されている。
具体的には、側板取付部12と保持プレート13との間には、両者を開く方向に付勢する圧縮コイルばね13a(弾発部材;側板固定部材)が介装され、上下方向の中間部に配置された側板用止めねじ13b(締結部材;側板固定部材)が圧縮コイルばね13aの内部に挿通されている。したがって、側板用止めねじ13bを締め付けることにより、保持プレート13は、係止爪13cと係止孔11cとの係止位置を支点とし、圧縮コイルばね13aの付勢力に抗して二枚貝を閉じるように側板取付部12側に接近する。このとき、側板用止めねじ13b及び上下調整カム12aを挟み保持プレート13の上下2ヶ所に形成された膨出部13eが側板2及び前後調整プレート20の切欠溝2b,20bに嵌合し(図2,図4参照)、側板取付部12と保持プレート13との間に側板2と前後調整プレート20とが挟持される。なお、図4に示すように、上下調整カム12aを回転中心線O1周りで偏心回転操作する際、ねじ回し等の工具を挿入するために、窓孔13dが保持プレート13の厚み方向に貫通形成されている。
図5は前後調整プレート及び連結ブラケットの取付形態を表す説明図である。図5に示すように、引出しDの組立作業や前板1の前後方向調整作業を行う前に、前後調整プレート20を側板2に対し離脱可能な状態で固定しておく。具体的には、前後調整プレート20を側板2に対し、側面視で各々の上下の当接壁部20c,2cを一致させた形態にて重ね合わせ(図5(a))、プレート用止めねじ21を用いて離脱可能な状態で仮固定しておけば、前後調整プレート20の紛失を防ぐことができる(図5(b))。次に、前後調整プレート20付き側板2に、L字状に屈曲形成された連結ブラケット10の側板取付部12と保持プレート13とを差し込むことにより(図5(b))、引出しDの組立作業や前板1の前後方向調整作業を直ちに行うことができる。
次に、図6の工程図、図3,図4の断面図及び図5,図7の説明図を用いて、以上のような前板の位置調整構造を用いた前板位置調整方法を説明する。
<左右方向位置調整工程>(図3,図5(b))
連結ブラケット10の側板取付部12を側板2に沿って後方側へスライド移動させて、前後調整プレート20及び側板2の上下の当接壁部20c,2cを上下調整カム12aに当接させる。側板2に対する前板1の左右方向の取付位置を調整した後、左右長孔11aに挿通した前板用止めねじ11bをねじ回し等の工具で締め付けることによって、前板1と前板取付部11とを固定する。
<上下方向位置調整工程>(図4)
前板1と前板取付部11とを固定し、かつ側板2と側板取付部12との固定を解除した状態において、側板取付部12の上下調整カム12aを回転中心線O1周りで偏心回転させて、前後調整プレート20及び側板2の上下の当接壁部20c,2cを上下調整カム12aと接触させる。これによって、側板2及び前後調整プレート20に対して連結ブラケット10及び前板1の上下方向位置を位置決め保持し、側板2に対する前板1の上下方向の取付位置を調整する。
<前後方向位置調整工程>(図7)
前板1と前板取付部11とを固定し、かつ側板2と側板取付部12との固定を解除した状態において、前後調整プレート20と連結ブラケット10とを一体的に、側板2に対し回動軸線O周りに所定方向(例えば時計回り)に回動して前後方向に相対位置変更する。これによって側板2に対する前板1の前後方向の取付位置を調整するとともに、プレート用止めねじ21をねじ孔20aに螺合させ、ねじ回し等の工具で締め付けることによって、前後調整プレート20と側板2とを固定する。
<固定保持工程>(図3)
側板取付部12との間に側板2と前後調整プレート20とを挟み込む状態にて、側板用止めねじ13bをねじ回し等の工具で締め付け、保持プレート13を側板取付部12及び側板2に固定保持する。
このように、側板2に対する前板1の前後方向の取付位置を調整する際、前後調整プレート20と連結ブラケット10とを一体的に回動調整するので、スライド調整する場合に比べて前板1を位置変更する際の操作力が小さくてすむ利点がある。また、前板1のねじれや変形により、下端部が手前側へせり出して傾斜する現象に対しても、直接的に修正(調整)作業を施すことができる(図7参照)。したがって、前板1が傾斜する現象が発生しやすく、修正のための操作力を要する大型の引出しDであっても調整作業を楽に行うことができる。
しかも、プレート用止めねじ21は、引出しDの内側から側板2の前後長孔2aを通り、前後調整プレート20のねじ孔20aに締め付け固定される。このように、プレート用止めねじ21の頭部が側板2の内側に位置し、先端部が側板2及び前後調整プレート20の外側に突出するので、収容物・手指等の引っ掛かりを防止できる。
(変形例)
図8は前後調整プレート及び連結ブラケットの取付形態の変形例を表す説明図である。図8に示すように、引出しDの組立作業や前板1の前後方向調整作業を行う前に、前後調整プレート20を連結ブラケット10に対し離脱不能な状態で固定しておく。具体的には、L字状に屈曲形成された連結ブラケット10の側板取付部12に対し前後調整プレート20を、上下の当接壁部20cが上下調整カム12aに当接する形態にて(図8(a))、溶接(接合手段)により離脱不能な状態で本固定しておけば、前後調整プレート20の紛失を防ぐことができる(図8(b))。次に、前後調整プレート20付き連結ブラケット10を側板2に差し込むことにより(図8(b))、引出しDの組立作業や前板1の前後方向調整作業を直ちに行うことができる。
(実施例2)
次に、図9は本発明に係る前板の位置調整構造を備えた引出しの他の例を示す側面図、図10はそのA’−A’断面図である。図9及び図10に示すように、側板2には、回動軸線Oから所定距離離間した位置で偏心回転する円柱状の前後調整カム120a(前後位置調整部材)の回転中心線O2が回動軸線Oと平行状に軸支されている。一方、前後調整プレート120(前後位置調整部材)には、前後調整カム120aに対応する上端側(一端側)の位置に、上下方向に所定長さを有する上下切欠溝120bが厚み方向に貫通形成されている。前後調整カム120aが上下切欠溝120bに挿通され、その上下切欠溝120bの前後の当接壁部120cに当接しつつ回転することにより、前後調整プレート120は側板2に位置決め保持され、側板2に対する前板1の前後方向の取付位置が調整される。
このように、側板2に軸支された前後調整カム120aの先端部は側板2及び前後調整プレート120の外側に突出することになるので、収容物・手指等の引っ掛かりを防止できるとともに、前後調整カム120aの調整作業を側板2及び前後調整プレート120の外側から行うことができる。
(実施例3)
次に、図11は本発明に係る前板の位置調整構造を備えた引出しのさらに他の例を示す側面図、図12はそのA”−A”断面図である。図11及び図12に示すように、側板2には、回動軸線Oから所定距離離間した位置で回転する円柱状の回転体220a(前後位置調整部材)の回転中心線O3が回動軸線Oと平行状に軸支されている。一方、前後調整プレート220(前後位置調整部材)には、回転体220aに対応する上端側(一端側)の位置に、回動軸線Oからの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔220bが厚み方向に貫通形成されている。回転体220aが前後長孔220bに挿通され、かつ自身の外周面と前後長孔220bの内面とが凹凸面220a’,220b’(鋸歯状係合部)にて噛み合う形で回転することにより、前後調整プレート220は側板2に位置決め保持され、側板2に対する前板1の前後方向の取付位置が調整される。
このように、側板2に軸支された回転体220aの先端部は側板2及び前後調整プレート220の外側に突出することになるので、収容物・手指等の引っ掛かりを防止できるとともに、回転体220aの調整作業を側板2及び前後調整プレート220の外側から行うことができる。
以上の実施例では、流し台、調理台、洗面台等のキャビネット本体Cにおいて、引出しDの前板1の取付位置を調整する場合のみについて説明したが、本発明はそれ以外に、机等の引出し(引出し用前板)にも適用される。
1 前板
2 側板
2a 前後長孔
2b 切欠溝
2c 上下の当接壁部(上下位置調整手段)
2d 回動軸
3 背板
4 底板
5 把手
6 ローラ
10 連結ブラケット(連結部材)
11 前板取付部
11a 左右長孔(左右位置調整手段)
11b 前板用止めねじ(締結部材;左右位置固定部材)
11c 係止孔(係止凹部)
12 側板取付部
12a 上下調整カム(上下位置調整手段)
13 保持プレート(保持部材)
13a 圧縮コイルばね(弾発部材;側板固定部材)
13b 側板用止めねじ(締結部材;側板固定部材)
13c 係止爪(係止凸部)
13d 窓孔
13e 膨出部
20 前後調整プレート(前後位置調整部材)
20a ねじ孔(固定孔)
20b 切欠溝
20c 上下の当接壁部(上下位置調整手段)
20d 軸孔
21 プレート用止めねじ(締結部材;前後位置固定部材)
120 前後調整プレート(前後位置調整部材)
120a 前後調整カム(前後位置調整部材)
120b 上下切欠溝
120c 前後の当接壁部
220 前後調整プレート(前後位置調整部材)
220a 回転体(前後位置調整部材)
220a’ 凹凸面(鋸歯状係合部)
220b 前後長孔
220b’ 凹凸面(鋸歯状係合部)
C キャビネット本体
D 引出し
R 案内レール
O 回動軸線
O1,O2,O3 回転中心線

Claims (12)

  1. 前後方向に設定された引出し方向に沿って両側に側板を配置し、両側板における前記引出し方向の手前側には前板、同じく奥側には背板を取り付けるとともに、それら両側板、前板、背板によって形成された矩形状空間の下部に底板を配置することにより上方に開口した箱形状を呈する引出しにおいて、前記側板に対する前記前板の取付位置を調整可能となすための引出し用前板の位置調整構造であって、
    前記引出しの前板に固定される前板取付部と、前記側板に固定される側板取付部とを含み、前記前板と側板とを連結するための連結部材と、
    その連結部材と前記前板とを所定位置に固定・保持した状態で、前記側板に対する前後方向の相対位置を変更可能な前後位置調整部材とを備え、
    前記前板と前板取付部とを固定し、かつ前記側板と側板取付部との固定を解除した状態において、前記前後位置調整部材と前記連結部材とを一体的に、前記側板に対し前後方向に相対位置変更することによって、前記側板に対する前記前板の前後方向の取付位置が調整されることを特徴とする引出し用前板の位置調整構造。
  2. 前記前後位置調整部材は、前記側板と平行な板状に形成されるとともに、上下方向のいずれか一端側に配置された回動軸線周りに他端側が回動することによって、前記側板に対し前後方向の相対位置を変更する請求項1に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  3. 前記前後位置調整部材は前記側板の外側又は内側に配置され、
    それら前後位置調整部材と側板とのうちのいずれか一方には、両者を位置固定するために固定孔が貫通形成されるとともに、同じく他方には、前記固定孔に対応する位置に、前記回動軸線からの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔又は前後切欠溝が貫通形成され、
    前記固定孔と前後長孔又は前後切欠溝とを挿通して前記前後位置調整部材を前記側板に位置決め固定するための前後位置固定部材を備える請求項2に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  4. 前記前後位置調整部材は前記側板の外側又は内側に配置され、
    それら前後位置調整部材と側板とのうちのいずれか一方には、前記回動軸線から所定距離離間した位置で偏心回転する前後調整カムを軸支するとともに、同じく他方には、前記前後調整カムに対応する位置に、上下方向に所定長さを有する上下長孔又は上下切欠溝が貫通形成され、
    前記前後調整カムが前記上下長孔又は上下切欠溝に挿通され、その上下長孔又は上下切欠溝の前後の当接壁部に当接しつつ回転することにより、前記前後位置調整部材は前記側板に位置決め保持される請求項2に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  5. 前記前後位置調整部材は前記側板の外側又は内側に配置され、
    それら前後位置調整部材と側板とのうちのいずれか一方には、前記回動軸線から所定距離離間した位置で回転する回転体を軸支するとともに、同じく他方には、前記回転体に対応する位置に、前記回動軸線からの離間距離を半径とする円弧状の前後長孔又は前後切欠溝が貫通形成され、
    前記回転体が前記前後長孔又は前後切欠溝に挿通され、かつ自身の外周面と前記前後長孔又は前後切欠溝の内面とが凹凸面にて噛み合う形で回転することにより、前記前後位置調整部材は前記側板に位置決め保持される請求項2に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  6. 前記側板取付部は前記側板の内側に配置されるとともに、
    前記側板の外側には、前記連結部材を構成する前記前板取付部及び側板取付部とは別体にて形成され、かつ前記側板取付部との間に前記側板と前記前後位置調整部材とを挟み込む状態にて、前記側板取付部に保持される保持部材が配置されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  7. 前記側板取付部には、前記連結部材と前記前板とを所定位置に固定・保持した状態で、その連結部材に対する上下方向の相対位置を変更可能な上下位置調整手段を備え、
    前記前板と前板取付部とを固定し、かつ前記側板と側板取付部との固定を解除した状態において、前記上下位置調整手段と前記連結部材とを一体的に、前記側板及び前後位置調整部材に対し上下方向に相対位置変更することによって、前記側板に対する前記前板の上下方向の取付位置が調整される請求項6に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  8. 前記上下位置調整手段は、
    前記側板取付部に配置されて偏心回転する上下調整カムと、
    前記側板及び前後位置調整部材の前記上下調整カムに対応する位置にそれぞれ形成され、その上下調整カムに当接する上下の当接壁部とを含み、
    前記側板取付部の上下調整カムが前記側板及び前後位置調整部材の上下の当接壁部に当接しつつ回転することにより、前記側板及び前後位置調整部材に対して前記連結部材及び前板の上下方向位置を位置決め保持する請求項7に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  9. 前記前後位置調整部材は前記側板に対し、離脱可能な状態で固定されている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  10. 前記前後位置調整部材は前記連結部材に対し、離脱不能な状態で固定されている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の引出し用前板の位置調整構造。
  11. 請求項9又は10に記載の引出し用前板の位置調整構造を用いた前板位置調整方法であって、
    前記連結部材の側板取付部を前記側板に沿って後方側へスライド移動させ、前記側板に対する前記前板の左右方向の取付位置を調整した後、前記前板と前板取付部とを固定する左右方向位置調整工程と、
    前記側板に対する前記前板の上下方向の取付位置を調整する上下方向位置調整工程と、
    前記側板に対する前記前板の前後方向の取付位置を調整する前後方向位置調整工程と、
    前記保持部材を前記側板取付部及び側板に固定保持する固定保持工程とを含むことを特徴とする前板位置調整方法。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の引出し用前板の位置調整構造を備え、
    前記連結部材の前板取付部が前記前板に固定される一方、前記連結部材の側板取付部が前記側板に固定されることを特徴とする引出し。
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