JP2011034700A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】凍結する可能性がある凍結懸念部位の凍結を抑えるのに有利な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】システムは、水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させる凝縮器24,93,97,125を有する。凍結懸念部位30,32が凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、制御部5は、凝縮器24,93,97,125で凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を高めて凍結懸念部位30,32における凍結を抑制する凍結抑制モードを実行する。
【選択図】図1
【解決手段】システムは、水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させる凝縮器24,93,97,125を有する。凍結懸念部位30,32が凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、制御部5は、凝縮器24,93,97,125で凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を高めて凍結懸念部位30,32における凍結を抑制する凍結抑制モードを実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は凝縮水を生成させる凝縮器を有する燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、アノードガスおよびカソードガスにより発電運転を行う燃料電池と、燃料電池の運転時において水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させる凝縮器と、凝縮器で生成された凝縮水を溜めるタンク、タンクの余剰の凝縮水をタンク外に排出させるドレイン部とを有する。ドレイン部やタンクが凍結すると、システムにおいて回収された余剰の凝縮水が良好に排出されなくなり、タンクの水がタンクから溢れるおそれがある。この場合、筐体内の部品等に進入するため、安全のためにシステムの発電運転が停止されるというおそれがある。かかるシステムにおいて、凍結防止ヒータが設けられているものが知られている(特許文献1)。
上記した特許文献1に係る技術によれば、筐体の底部に設けたヒータの発熱によりドレイン部付近の凍結が抑制されるといえども、ヒータだけでは凍結防止には限界がある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を増加させて凝縮水熱量を高め、凍結懸念部位が凍結するおそれを抑制させることができる燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池システムは、(i)アノードガスおよびカソードガスが供給されて発電するための燃料電池と、(ii)燃料電池の運転時において単数または複数の水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させるための少なくとも1個の凝縮器と、(iii)凝縮水で生成された凝縮水が供給されるように凝縮器に連通すると共に、凍結する可能性がある凍結懸念部位と、(iv)凍結懸念部位が凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を高めて凍結懸念部位における凍結を抑制する凍結抑制モードを実行する制御部とを具備する。
燃料電池の運転時において、水蒸気含有ガスを凝縮器において冷却させて凝縮水を生成させる。凝縮器で生成された凝縮水は、凍結懸念部位に向けて流れることができる。ここで、冬季または寒冷地などのように気温が低い環境では、凍結懸念部位が凍結するおそれがある。あるいは、凍結していることがある。そこで制御部は、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を高める凍結抑制モードを実行する。凝縮水の温度は凍結温度よりも高い。これにより凍結温度よりも温度が相対的に高い凝縮水が凍結懸念部位に供給される。このため凍結懸念部位の凍結が抑制される。
本発明によれば、凍結懸念部位が凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、制御部は、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を高めて凍結懸念部位における凍結を抑制する凍結抑制モードを実行する。凝縮水は凍結懸念部位に供給されるため、凍結懸念部位に存在する凝縮水の温度が上昇する。このため凍結懸念部位における凍結が抑制される。従って、凍結懸念部位に設ける凍結防止ヒータを廃止できる。或いは、凍結防止ヒータを凍結懸念部位に用いるとしても、ヒータを小型化したり、その発熱量を抑制したりできる。
制御部は、凍結懸念部位が凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、凝縮器において凝縮される凝縮水熱量を高める凍結抑制モードを実行する。本発明によれば、凝縮器において凝縮される凝縮水熱量を高めるにあたり、『凝縮器で生成される凝縮水の温度自体が低下するものの、凝縮器において生成される単位時間あたりの凝縮水の生成量を高めることにより、凝縮水全体がもつ熱量を高める凝縮水生成量増加態様』と、『凝縮器で生成される凝縮水の生成量が減少するものの、凝縮水の温度を高める凝縮水昇温態様』とが挙げられる。環境条件、必要性、または、凍結防止の緊急性、凝縮器の構造、配管構造等に応じて、凝縮水生成量増加態様と凝縮水昇温態様とを適宜使い分けることが好ましい。
ガス温度と平衡蒸気圧との関係を考慮すれば、前記した凝縮水昇温態様によれば、ガス温度が凍結温度よりも所定温度高い温度領域(凍結温度付近)であれば、すなわち、ガス温度が凍結温度よりも所定温度高い温度領域(凍結温度よりも例えば15℃以内)の温度領域であれば、凝縮器において生成される凝縮水の温度を上昇できるものの、凝縮水の生成量が低下する量はさほど大きくない。凍結抑制モードが実行されているとき、制御部は、燃料電池の発電を良好に維持するように制御することが好ましい。
凍結懸念部位としては、システムにおいて凍結が発生し易い部位である。凝縮器で生成された凝縮水を溜めるタンク、凝縮水が流れる配管、および、凝縮水をシステム外に排出させるドレイン部のうちの少なくとも一方が挙げられる。
本発明の一視点によれば、システムは、改質水を用いて燃料原料を改質反応により改質させてアノードガスを生成させる改質部と、燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを燃焼し改質部を加熱する燃焼部と、燃料原料を改質部に供給する燃料原料供給系と、アノードオフガスを燃焼させる燃焼用空気を燃焼部に供給する燃焼用空気供給系と、燃料原料を改質させるための液相および/または気相状の改質水を改質部に供給する改質水供給系とを有する。
本発明の一視点によれば、水蒸気含有ガスは、改質装置で生成されたアノードガスである。この場合、凝縮器は、アノードガスを冷却させて凝縮水を生成させるアノードガス用凝縮器を備えている。この場合、制御部は、凍結抑制モードにおいて、改質装置に供給される改質水の単位時間あたりの供給量を凍結抑制モードの実行前よりも高めることにより、アノードガス用凝縮器において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高めることが好ましい。凝縮水の温度は凍結温度よりも高い。このような凝縮水の生成量が増加するため、アノードガス用凝縮器で生成された凝縮水が有する熱量が増加する。この凝縮水はタンクに溜まるため、タンクの凝縮水の温度が上昇し、タンクの凍結が抑制される。ひいてはドレイン部の凍結も抑制される。
本発明の一視点によれば、水蒸気含有ガスは、改質装置の燃焼部から排出された燃焼排ガスである。この場合、凝縮器は、燃焼排ガスを冷却させて凝縮水を生成させる燃焼排ガス用凝縮器を備えている。この場合、制御部は、凍結抑制モードにおいて、改質装置の燃焼部に供給される燃焼用空気の単位時間あたりの供給量を凍結抑制モードの実行前よりも減少させることにより、燃焼部から放出される燃焼排ガスの単位時間あたりの生成量を減少させ、燃焼排ガスがシステム外に持ち去る水分量を低下させ、燃焼排ガス用凝縮器において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高めることが好ましい。このように凝縮水の生成量が増加するため、燃焼排ガス用凝縮器において凝縮される凝縮水が有する熱量が増加する。この凝縮水はタンクに溜まるため、タンクの凝縮水の温度が上昇し、タンクの凍結が抑制される。ひいてはドレイン部の凍結も抑制される。
本発明の一視点によれば、水蒸気含有ガスは、改質装置で生成されたアノードガスである。この場合、凝縮器は、アノードガスを冷却させて凝縮水を生成させるアノードガス用凝縮器を備えている。この場合、制御部は、凍結抑制モードにおいて、改質装置に供給される燃料原料および改質水の単位時間あたりの供給量を凍結抑制モードの実行前よりも高めることにより、アノードガス用凝縮器において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高めることが好ましい。このように凝縮水の生成量が増加するため、アノードガス用凝縮器において凝縮される凝縮水が有する熱量が増加する。この凝縮水はタンクに溜まるため、タンクの凝縮水の温度が上昇し、タンクの凍結が抑制される。ひいてはドレイン部の凍結も抑制される。
本発明の一視点によれば、水蒸気含有ガスは、燃料電池のカソードから排出されたカソードオフガスである。この場合、凝縮器は、カソードオフガスを冷却させて凝縮水を生成させるカソードオフガス用凝縮器を備えている。この場合、制御部は、燃料電池のカソードに供給されるカソードガスの単位時間当たりの供給量を凍結抑制モードの実行前よりも減少させることにより、カソードオフガスの単位時間あたりの生成量を減少させ、カソードオフガスがシステム外に持ち去る水分量を低下させ、カソードオフガス用凝縮器において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高めることが好ましい。このように凝縮水の生成量が増加するため、カソードオフガス用凝縮器において凝縮される凝縮水が有する熱量が増加する。この凝縮水はタンクに溜まるため、タンクの凝縮水の温度が上昇し、タンクの凍結が抑制される。ひいてはドレイン部の凍結も抑制される。
また、制御部は、凍結抑制モードにおいて、燃焼部に供給される燃焼用空気の単位時間あたりの供給量を凍結抑制モードの実行前よりも減少させることにより、燃焼部から放出される燃焼排ガスの単位時間あたりの生成量を減少させ、燃焼排ガスがシステム外に持ち去る水分量を低下させ、燃焼排ガス用凝縮器において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高めることが好ましい。
本発明の一視点によれば、凝縮器を流れる水蒸気含有ガスと熱交換して凝縮水を凝縮器において生成させる熱媒体を流す熱媒体通路が設けられている。この場合、制御部は、凍結抑制モードにおいて、熱媒体通路を流れる熱媒体の温度を凍結抑制モードの実行前よりも高めることにより、凝縮器において凝縮される凝縮水の温度を高めることが好ましい。この凝縮水はタンクに溜まるため、タンクの凝縮水の温度が上昇し、タンクの凍結が抑制される。ひいてはドレイン部の凍結も抑制される。
本発明の一視点によれば、前記した熱媒体通路を熱媒体が流れるように熱媒体を移動させる搬送源が設けられている。この場合、制御部は、凍結抑制モードにおいて、搬送源の単位時間あたりの駆動出力を凍結抑制モードの前よりも低下させることにより、熱媒体通路を流れる熱媒体の温度を高めることが好ましい。この場合、凝縮器において凝縮される凝縮水の温度が上昇する。この凝縮水はタンクに溜まるため、タンクの凝縮水の温度が上昇し、タンクの凍結が抑制される。ひいてはドレイン部の凍結も抑制される。搬送源としてはポンプ、コンプレッサ等が例示される。
本発明によれば、上記した凍結抑制モードを単独で実行しても良いし、必要に応じて複数の凍結抑制モードを並行して実施しても良い。凍結抑制モードにおいては、燃料電池の発電出力をなるべく低下させないよう他の条件を維持したり、調整したりすることが好ましい。
本発明の一視点によれば、熱媒体通路は切替部を有する。好ましくは、切替部は、熱媒体通路を流れる熱媒体の温度を高める第1形態と、熱媒体通路を流れる熱媒体の温度を第1形態よりも低下させる第2形態とに切り替え可能である。この場合、制御部は、凍結抑制モードにおいて切替部を第1形態に切り替えることが好ましい。第1形態では、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量が減少するものの、生成された凝縮水の温度が上昇する。この凝縮水はタンクに溜まるため、タンクの凝縮水の温度が上昇し、タンクの凍結が抑制される。ひいてはドレイン部の凍結も抑制される。
凝縮水は水蒸気を凝縮させて生成される。故に、凝縮水の温度は水が凍結する温度よりも高温である。更に水蒸気が凝縮するとき凝固潜熱(発熱)を発生させる。凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量が増加すれば、凝縮水熱量が増加するため、一般的には、タンクおよび/またはドレイン部の凍結が一層抑制される。但し、凝縮水といえども、凝縮水の温度が水の凍結温度よりも高いものの水の凍結温度に接近すれば、凝縮器で生成された凝縮水がタンクに流れる間に冷却されることを考慮すると、タンクおよび/またはドレイン部が凍結するおそれがある。そこで、本発明の一視点によれば、凍結抑制モードにおいて、制御部は、(i)タンクおよびドレイン部の少なくとも一方の凍結可能性との相関性がある凍結基準温度が第1所定温度未満のときには、凍結のおそれが高いため、緊急的に、凝縮器において凝縮される凝縮水の温度を高めて凝縮水熱量を高め、また、(ii)凍結基準温度が第1所定温度以上のときには、凍結のおそれが低く緊急性が少ないものの、保険的に、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量を増加させて凝縮水熱量を高めることが好ましい。
ここで、凍結基準温度は、タンクおよび/またはドレイン部における凍結可能性との相関性が高い部位の温度であり、システムに応じて設定でき、凍結懸念部位の温度、外気温度、外気温度に近似できる部位の温度、筐体内の温度、貯湯循環水のシステム入口温度のうちのいずれかが挙げられる。
本発明の一視点によれば、凍結抑制モードの初期において、制御部は、凝縮器において凝縮される凝縮水の温度を高め、凍結抑制モードの初期以降において、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量を高めることができる。すなわち、凝縮水の生成量が低下するものの、できるだけ温度が高い凝縮水を優先的にタンクに供給してタンクなどの凍結を緊急的に防止し、その後、凝縮水の温度を低下させるものの凝縮水の生成量を増加させて凝縮水全体の熱量を高めることができる。
場合によっては、タンクの容量、配管構造、ドレイン部の排水構造などの如何によっては、凍結抑制モードの初期において凝縮水の生成量を高めることを優先させる方が凍結抑制として好ましい場合がある。そこで、凍結抑制モードの初期において、制御部は、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量を増加させ、凍結抑制モードの初期以降において、凝縮器において凝縮される凝縮水の温度を高めることができる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図1〜図3を参照して説明する。
以下、本発明の実施形態1について図1〜図3を参照して説明する。
(全体構成)
図1において、燃料電池システム(以下、単にシステムともいう)100は、一般家庭、または業務店、ビル等に設置される定置用であり、冷却液等の冷却液(熱媒体)が流れる冷却通路10を有する燃料電池のスタック1と、冷却液をスタック1の冷却通路10に流してスタック1を冷却する冷却液(熱媒体)が流れる主冷却通路2(熱媒体通路)と、これらを収容する収容室60をもつ筐体6とを有する。筐体6は、外気を取り込む外気取入口62と、外気取入口62から取り込まれる外気の温度T3を検知する第1温度センサ63とを有する。スタック1の膜電極接合体は、アノード(燃料極)およびカソード(酸化剤極)で挟持されたイオン伝導膜(例えば炭化フッ素系、炭化水素系等の固体高分子型、または、ガラス系の電解質膜)を有しており、シート型でも良いしチューブ型でも良い。
図1において、燃料電池システム(以下、単にシステムともいう)100は、一般家庭、または業務店、ビル等に設置される定置用であり、冷却液等の冷却液(熱媒体)が流れる冷却通路10を有する燃料電池のスタック1と、冷却液をスタック1の冷却通路10に流してスタック1を冷却する冷却液(熱媒体)が流れる主冷却通路2(熱媒体通路)と、これらを収容する収容室60をもつ筐体6とを有する。筐体6は、外気を取り込む外気取入口62と、外気取入口62から取り込まれる外気の温度T3を検知する第1温度センサ63とを有する。スタック1の膜電極接合体は、アノード(燃料極)およびカソード(酸化剤極)で挟持されたイオン伝導膜(例えば炭化フッ素系、炭化水素系等の固体高分子型、または、ガラス系の電解質膜)を有しており、シート型でも良いしチューブ型でも良い。
本実施形態によれば、図1に示すように、主冷却通路2のうちスタック1の冷却通路10の出口10pから入口10iにかけて、出口温度センサ21、ヒータ29、第1熱交換器22、第1ポンプ23(第1搬送源)、アノード凝縮器24、入口温度センサ20が直列に設けられている。なお、ヒータ29は、スタック1の起動時等のように主冷却通路2を流れる冷却液の温度が過剰に低いときに、冷却液を暖めるものである。スタック1の通常運転時には、基本的にはヒータ29はオフとされている。
第1ポンプ23が作動すると、主冷却通路2の冷却液は、アノード凝縮器24で受熱し、入口温度センサ20を経て、スタック1の入口10iから冷却通路10に流れ、スタック1から受熱し、冷却通路10を経て出口10pから吐出され、更に温度センサ21、ヒータ29、第1熱交換器22を順に流れる。このため、スタック1が発電するときに発生した熱は、主冷却通路2の冷却液に回収される。更に、改質装置70で発生したアノードガスの熱はアノード凝縮器24を経て主冷却通路2の冷却液に回収される。なお、主冷却通路2の冷却液は電気伝導度が低い液体が採用されている。
スタック1の燃料極であるアノードにアノードガス(例えば水素含有ガス等の燃料)を供給するアノードガス供給系7について説明する。アノードガス供給系7は、改質部70aと改質部70aを改質反応に適するように加熱する燃焼部71とをもつ改質装置70と、燃焼部71に燃焼用空気を供給する空気ポンプ72(燃焼用空気搬送源,燃焼用空気供給系)と、改質部70aおよび燃焼部71に燃料原料(天然ガス等の炭化水素系ガス)を供給する燃料ポンプ73(燃料原料搬送源,燃料原料供給系)と、改質装置70の出口70pとスタック1のアノード入口とをアノード凝縮器24およびアノード入口バルブ75を経て繋ぐアノードガス通路76(アノードガス供給通路)とを有する。改質部70aでの改質反応は式(1)に基づく。
式(1)…CnHm+2nH2O→nCO2+(m/2+2n)H2
燃料原料がメタンである場合には、次のようになる。CH4+2H2O→4H2+CO2
式(1)から理解できるように、改質部70aに供給された水分は改質反応として消費される。但し、余剰の水分は改質反応として消費されず、アノードガスに水蒸気として含まれる。水蒸気を含有するアノードガスはアノードガス通路76を介してアノードガス用凝縮器24に流れ、更に凝縮器24おいて冷却部2rにより冷却されて凝縮水を生成させる。凝縮水は凝固潜熱を発生させる。
式(1)…CnHm+2nH2O→nCO2+(m/2+2n)H2
燃料原料がメタンである場合には、次のようになる。CH4+2H2O→4H2+CO2
式(1)から理解できるように、改質部70aに供給された水分は改質反応として消費される。但し、余剰の水分は改質反応として消費されず、アノードガスに水蒸気として含まれる。水蒸気を含有するアノードガスはアノードガス通路76を介してアノードガス用凝縮器24に流れ、更に凝縮器24おいて冷却部2rにより冷却されて凝縮水を生成させる。凝縮水は凝固潜熱を発生させる。
ここで、改質装置70で生成された水素を主要成分とするアノードガスは、アノードガス通路76を介してスタック1のアノード(燃料極)に供給される。改質装置70の出口側にはCO低減部77が設けられている。CO低減部77は、改質装置70で生成されたアノードガスに含まれているCOの濃度を式(2)のシフト反応により低減させるシフト反応を促進させる触媒を有するCOシフト部78と、COシフト部78を経たアノードガス含まれているCOを式(3)により酸化させてCOの濃度をさらに低減させる酸化反応を促進させる触媒を有するCO酸化部79とで形成されている。COは、スタック1の触媒の性能に影響を与えるので、好ましくない。
式(2)…CO+H2O→H2+CO2(発熱反応)
式(3)…CO+1/2O2→CO2(発熱反応)
但し、システム起動時では、アノードガスの組成の安定性が充分ではない。このため、バルブ75を閉鎖し、バルブ76mを開放し、バイパス通路76vから通路91,凝縮器93を介して燃焼部71に供給して燃焼部71において燃料として燃焼させる。
式(2)…CO+H2O→H2+CO2(発熱反応)
式(3)…CO+1/2O2→CO2(発熱反応)
但し、システム起動時では、アノードガスの組成の安定性が充分ではない。このため、バルブ75を閉鎖し、バルブ76mを開放し、バイパス通路76vから通路91,凝縮器93を介して燃焼部71に供給して燃焼部71において燃料として燃焼させる。
スタック1の酸化剤極であるカソードにカソードガス(例えば空気等の酸素含有ガス等の酸化剤ガス)を供給するカソードガス供給系8について説明する。カソードガス供給系8は、スタック1のカソードの入口に繋がるカソードガス通路80(酸化剤通路)と、カソードガス通路80に設けられたポンプ81(カソードガス搬送源)、加湿器82とを有する。加湿器82は、加湿路82aと、吸湿路82bと、加湿路82aおよび吸湿路82bを仕切る水分保持部材82cとを有する。ポンプ81が作動すると、空気であるカソードガスは加湿器82の加湿路82aで加湿された後、スタック1のカソード(酸化剤極)に供給される。
図1に示すように、スタック1のカソードの入口側を開閉するためのカソード入口バルブ85(カソード用の入口開閉部)が、カソードガス通路80に設けられている。スタック1のカソードの出口側を開閉するためのカソード出口バルブ87(カソード用の出口開閉部)が、カソードオフガス通路96に設けられている。
アノードオフガス排出系90について説明する。オフガスとは、スタック1において発電反応を経たガス、スタック1から吐出されたガスという意味であり、未反応の活物質を含むこともある。図1に示すように、アノードオフガス排出系90は、スタック1のアノードのアノード出口と燃焼部71とを繋ぐアノードオフガス通路91と、アノードオフガス通路91に設けられたアノード出口バルブ92と、アノードオフガス通路91に設けられたアノードオフガス用凝縮器93とを有する。ここで、スタック1のアノード出口1aから排出されたアノードオフガスは可燃成分を含むため、アノードオフガス用凝縮器93で冷却されて凝縮水を生成させて乾燥された後、燃焼部71に供給され、燃焼される。
カソードオフガス排出系95について説明する。図1に示すように、カソードオフガス排出系95は、スタック1のカソード出口1fから排出されたカソードオフガスを加湿器82の吸湿路82bを経て流すカソードオフガス通路96と、カソードオフガス通路96に設けられたカソードオフガス用凝縮器97とを有する。ここで、スタック1のカソード出口1fから排出されたカソードオフガスは、加湿器82の吸湿路82bおよびカソードオフガス用凝縮器97で水分を更に低下させ、排気口96xから排気される。
燃焼部71で燃焼された燃料原料やアノードオフガスの燃焼排ガスは、燃焼排ガス用凝縮器125を経て排気口71xから排気される。燃焼排ガス用凝縮器125では、燃焼排ガスに含まれている熱を回収すると共に、含まれている水蒸気を凝縮して液状の水として回収される。
図1に示すように、排熱回収系120は、第2ポンプ122(水搬送源)、アノードオフガス用凝縮器93、カソードオフガス用凝縮器97、燃焼排ガス用凝縮器125、第2熱交換器127を経て循環する循環通路128を有する。循環通路128は、凝縮器125内の冷却部128rと,凝縮器97内の冷却部128sと,凝縮器93内の冷却部128tとを有する。
第2ポンプ122が作動すると、循環通路128を冷却液(熱媒体)が循環し、アノードオフガス用凝縮器93、カソードオフガス用凝縮器97、燃焼排ガス用凝縮器125の熱が回収される。これにより循環通路128を流れる冷却液が加熱される。
貯湯系130について説明する。図1に示すように、貯湯系130は、温水を貯留する貯湯槽131と、貯湯槽131の下部の吐出口131pと貯湯槽131の上部の吸入口131iとを繋ぐ貯湯通路132(熱媒体通路)と、貯湯通路132に順に配置された第3ポンプ133(熱媒体搬送源)、第2熱交換器127、第1熱交換器22と、貯湯槽131の温水を温水消費部に向けて吐出させる給湯通路131mと、給湯通路131mから温水が給湯に使用されたときにおいて図略の弁の開放により新水(水道水)を貯湯槽131に自動的に補給する補給通路135(水道管等)とを有する。
第3ポンプ133が作動すると、貯湯槽131の底部付近の水が熱媒体として吐出口131pから貯湯通路132に流れ、更に第2熱交換器127および第1熱交換器22を経て加熱され、吸入口131iから貯湯槽131に帰還される。すなわち、排熱回収系120で回収された熱は、第2熱交換器127により貯湯通路132の温水として回収される。主冷却通路2で回収された熱は第1熱交換器22により貯湯通路132の温水として回収される。
制御部5は、温度信号などの信号を受ける入力処理通路と、CPUと、メモリと、出力処理通路とを有しており、ポンプ23、122、133、81、72、73、74、バルブ75、92、85、87、ヒータ29,43s,43fをそれぞれ制御する制御信号を出力する。
図1に示すように、システムの運転に伴い発生した凝縮水を貯留させるタンク30が筐体6の下部に設けられている。タンク30は、アノードオフガス用凝縮器93,カソードオフガス用凝縮器97,凝縮器24,燃焼排ガス用凝縮器125に対して重力方向下方に配置されている。タンク30は、筐体6の底部側に設けられており、これらの凝縮器93,97,24,125で生成された凝縮水を受け止めて回収させる。タンク30は、これらの凝縮水(改質部70aの改質反応のために消費される改質水)を貯留させるため、改質タンクに相当する。タンク30の下流には、タンク30に貯留された余剰の水(凝縮水)を筐体6の外部(システム外)に排出させるドレイン部32が設けられている。ドレイン部32は、タンク30の下流に設けられタンク30の出水口30pから溢れた水を導出させる導出管32aと、導出管32aの先端に設けられた中間部32bと、中間部32bから延設されたドレインホース等で形成され且つ大気に開放されているドレイン管32cとを有する。ドレイン管32cの一部は、筐体6の外部に位置しており、凍結され易くなっている。中間部32bおよびドレイン管32cは、タンク30の出水口30pに対して重力方向の下方に位置する。よって、中間部32bの水がタンク30の出水口30pへ逆流することが抑制されている。
システムにおいて凝縮された凝縮水の生成量と改質水の消費量とを比較すると、単位時間あたり凝縮水の生成量は、改質水の消費量よりも多いことがある。このため、タンク30に貯留されている余剰の凝縮水は、出水口30p、導出管32a、中間部32b、ドレイン管32cを介してドレイン水として外部に排出される。このためドレイン部32の排水性が確保されることが要請される。
タンク30と改質装置70とを繋ぐ改質水供給系4が設けられている。改質水供給系4は、タンク30と改質装置70とを繋ぐ改質水供給通路40と、改質水供給通路40に設けられた水ポンプ41(改質水搬送源)および水精製器42とを有する。水精製器42はイオン交換樹脂等の水精製材を有しており、凝縮水を精製させて純水度を高める。このように改質装置70で使用される改質水は、高い純水度を有する。水精製器42には凍結防止用の第1ヒータ43fが必要に応じて設けられる。タンク30には凍結防止用の第2ヒータ43sが必要に応じて設けられる。
ところで、冬季または寒冷地などの環境では、凍結懸念部位であるタンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがある。このように凍結が発生するおそれがあるとき、例えば、外気取入口62に近い第1温度センサ63が検知した温度T3(外気温度に相当)が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は、スタック1の発電運転において、システムの各凝縮器24で凝縮される凝縮水の熱量を高める凍結抑制モードを実行する。これによりタンク30に溜められる凝縮水の熱量が増加する。更に、タンク30に繋がるドレイン部32に凝縮水が存在する場合において、ドレイン部30の凝縮水の温度が上昇する。このためタンク30および/またはドレイン部32における凍結が抑制される。凍結抑制モードは所定時間(例えば1〜20分間)実行することができる。
以下、更に説明を加える。改質装置70で生成されたアノードガス(水蒸気含有ガス)と、アノードガスが流れるアノードガス用凝縮器24において凝縮される凝縮水とを制御対象とする。この場合、制御部5は、凍結抑制モードにおいて、水ポンプ41の単位あたりの出力(回転数)を凍結抑制モードの実行前よりも高める。これによりタンク30から改質装置70の改質部70aに供給される気相および/または液相状の改質水の単位時間あたりの流量を、凍結抑制モードの実行前よりも増加させる。単位時間当たり、当該モード実行直前において改質部70aに供給する改質水の流量をVyとし、当該モード中において改質部70aに供給する改質水の流量(L/h)をVxとすると、Vy/Vx=0.99〜0.8の範囲内が例示される。但し、これに限定されるものではない。この結果、改質装置70における改質反応に使用されなかった水分は、アノードガス通路6を介してアノードガス用凝縮器24に供給され、凝縮器24において冷却部2rで冷却されて凝縮水として蓄積される。すなわち、アノードガス用凝縮器24において生成される液相状の凝縮水の単位時間あたりの生成量を高める。この結果、アノードガス用凝縮器24において凝縮水が有する熱量が増加する。この凝縮水は、凝縮器24から重力により通路24wを流下してタンク30に溜まるため、タンク30の凝縮水の温度が上昇し、タンク30の凍結が抑制される。ヒータ43s,43fを発熱させるとしても、その発熱量を低減させ得る。更にヒータ43s,43fを廃止しても良い。タンク30が昇温するので、ドレイン部32の凍結も抑制される。
この場合、アノードガス用凝縮器24を流れるアノードガスは、主冷却通路2の冷却部2rの冷却液(熱媒体)と熱交換する。この関係上、アノードガス用凝縮器24における凝縮水の温度は、主冷却通路2の冷却部2rの冷却液(例えば60〜75℃)にほぼ対応するため、この凝縮水の凍結抑制効果は高い。
上記した凍結抑制モードでは、改質部70aに供給される改質水の量を増加させるが、改質部70aにおける改質反応を良好に維持すべく、改質部70aに供給させる燃料原料の量も同様に高めることが好ましい。更に、改質部70aの温度低下を抑えるべく、燃焼部71に供給される燃焼用燃料および燃焼用空気を必要に応じて増加させることができる。スタック1のカソードに供給されるカソードガスの流量については、特に増減させないことが好ましい。
上記した結果、改質部70aで生成されるアノードガスの生成量が増加する。カソードガスの流量が基本的に変化しないときには、スタック1のアノードで発電反応に消費されなかった未反応の水素が増加する。従って、アノードオフガスは未反応の水素および水蒸気を含む。このアノードオフガスはスタック1のアノード出口1aから排出された後、アノードオフガス通路91を介してアノードオフガス用凝縮器93に至り、ここで冷却されて凝縮水を生成させて乾燥され、更に燃焼部71に供給され、燃焼部71により燃料として燃焼される。この場合、改質部70aに供給される改質水の供給量が増加するため、燃料ポンプ73が燃焼部71に供給する燃料の流量を必要に応じて調整できる。
上記したように改質部70aの温度バランスが崩れるのを抑えるべく、S/C比を所定範囲に維持させることが好ましい。S/Cはsteam/carbonの比率を意味し、燃料原料に対する水蒸気の量的比率を意味する。S/Cが過剰に低下すると、改質部70aにおいてカーボンが生成される傾向がある。なお、凍結抑制モードを実行していない発電モードでは、S/Cは2.5〜3.5に維持することが好ましい。凍結抑制モードではS/Cは3.0〜4.0に維持することが好ましい。この場合、凍結抑制モードでは、凍結抑制モードの実行前に比べて、S/Cを維持しても良いし増加させても良い。なお凍結抑制モードでは、改質部70aに供給される改質水の量を高めるが、特に支障が発生しないときには、改質部70aに供給させる燃料原料の量を増加させなくても良い。
凍結抑制モードの実行によりタンク30やドレイン部32が昇温し、凍結のおそれが解除されれば、制御部5は通常の発電運転に戻す。凍結のおそれが再び発生するときには、凍結抑制モードを再び実行することが好ましい。上記した凍結抑制モードによれば、凝縮器24で凝縮される凝縮水の生成量を増加させて高める生成量増加態様であるものの、凝縮器24において生成される凝縮水の温度それ自体は上昇しないため、タンク30やドレイン部32の凍結可能性が過剰に高くない場合、すなわち、前記した凍結基準温度が第1所定温度以上のときに実行されることが好ましい。
ここで、凍結基準温度は、タンク30および/またはドレイン部32における凍結と相関性が高い部位の温度であり、システムに応じて設定でき、外気温度、外気温度に近似できる部位の温度、筐体6内の温度、凍結懸念部位であるタンク30やドレイン部32の温度、貯湯循環水のシステム入口温度すなわち貯湯槽131の下部の吐出口131pと第3ポンプ133との間の貯湯水温度のうちのいずれかが採用される。なお、上記した凍結抑制モードは、タンク30またはドレイン部32が凍結するおそれがあるとき、実行することが好ましいが、場合によっては、タンク30またはドレイン部32が凍結しているときに実行しても良い。凍結抑制モードにおいては、スタック1の発電出力をなるべく低下させないよう他の条件を維持したり、調整したりすることが好ましいが、場合によっては、スタック1の発電出力の維持よりも、凍結防止を優先させても良い。
(実施形態1A)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1を準用できる。前記した実施形態によれば、制御部5は凍結抑制モードにおいて水ポンプ41の単位あたりの出力(回転数)を凍結抑制モードの実行前よりも高める。これによりタンク30から改質装置70の改質部70aに供給される改質水の単位時間あたりの流量を、凍結抑制モードの実行前よりも増加させる。このため改質水の増加量などの条件の如何によっては、スタック1のアノードに供給されるアノードガスが保有する水分量が増加するおそれが皆無ではない。この場合、スタック1において存在する水分量が過剰に増加し、スタックの発電出力が低下するおそれがある。この場合、必要に応じて、制御部5は、ポンプ81の単位時間あたりの出力を増加させて、スタック1のカソードに供給されるカソードガスの流量を凍結抑制モードの実行前よりも増加させることもできる。これによりスタック1のカソードに存在している余剰の水分を持ち去ることが好ましい。
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1を準用できる。前記した実施形態によれば、制御部5は凍結抑制モードにおいて水ポンプ41の単位あたりの出力(回転数)を凍結抑制モードの実行前よりも高める。これによりタンク30から改質装置70の改質部70aに供給される改質水の単位時間あたりの流量を、凍結抑制モードの実行前よりも増加させる。このため改質水の増加量などの条件の如何によっては、スタック1のアノードに供給されるアノードガスが保有する水分量が増加するおそれが皆無ではない。この場合、スタック1において存在する水分量が過剰に増加し、スタックの発電出力が低下するおそれがある。この場合、必要に応じて、制御部5は、ポンプ81の単位時間あたりの出力を増加させて、スタック1のカソードに供給されるカソードガスの流量を凍結抑制モードの実行前よりも増加させることもできる。これによりスタック1のカソードに存在している余剰の水分を持ち去ることが好ましい。
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1を準用できる。図2(A)(B)は凝縮器24の一例を示す。図2(A)に示す例によれば、凝縮器24は、アノードガスを通過させる凝縮室240を有するケース241と、凝縮室240を開閉させるバルブ242と、水位センサ243と、タンク30に連通する通路24wを形成するパイプ245と有する。主冷却通路2の熱交換用の冷却部2rが凝縮室240に配置されている。バルブ242は電気式にできる。バルブ242は通常時には閉鎖されている。水蒸気を含む高温のアノードガスが凝縮室240に流れつつ、主冷却通路2の冷却液が冷却部2rに流れると、アノードガス通路76からアノードガスが凝縮室240において冷却部2rにより冷却される。よって、アノードガスに含まれる水蒸気が凝縮して凝縮水を生成する。凝縮室240において凝縮水の水位が増加することが水位センサ243により検知されると、その信号が制御部5に入力され、バルブ242が開放され、凝縮室240のガス圧や重力により凝縮水がパイプ245を介してタンク30に供給される。パイプ245の入水口246は凝縮室240の底面248よりもΔhぶん重力方向上方に水面250に向けて突出している。水は昇温すると、比重が小さくなる。故に、凝縮室240に凝縮水が溜まっているとき、溜まっている凝縮水の水面250付近は、底面248よりも高温である。このためできるだけ温度が高い凝縮水を優先的にタンク30に供給できる。よって、タンク30の凍結抑制効果を高める利点が得られる。バルブ242はガス漏れが起こらないように開閉される。
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1を準用できる。図2(A)(B)は凝縮器24の一例を示す。図2(A)に示す例によれば、凝縮器24は、アノードガスを通過させる凝縮室240を有するケース241と、凝縮室240を開閉させるバルブ242と、水位センサ243と、タンク30に連通する通路24wを形成するパイプ245と有する。主冷却通路2の熱交換用の冷却部2rが凝縮室240に配置されている。バルブ242は電気式にできる。バルブ242は通常時には閉鎖されている。水蒸気を含む高温のアノードガスが凝縮室240に流れつつ、主冷却通路2の冷却液が冷却部2rに流れると、アノードガス通路76からアノードガスが凝縮室240において冷却部2rにより冷却される。よって、アノードガスに含まれる水蒸気が凝縮して凝縮水を生成する。凝縮室240において凝縮水の水位が増加することが水位センサ243により検知されると、その信号が制御部5に入力され、バルブ242が開放され、凝縮室240のガス圧や重力により凝縮水がパイプ245を介してタンク30に供給される。パイプ245の入水口246は凝縮室240の底面248よりもΔhぶん重力方向上方に水面250に向けて突出している。水は昇温すると、比重が小さくなる。故に、凝縮室240に凝縮水が溜まっているとき、溜まっている凝縮水の水面250付近は、底面248よりも高温である。このためできるだけ温度が高い凝縮水を優先的にタンク30に供給できる。よって、タンク30の凍結抑制効果を高める利点が得られる。バルブ242はガス漏れが起こらないように開閉される。
なお、凝縮室240における凝縮水の水位の高低にかかわらず、バルブ245を開放させれば、凝縮室240で生成された凍結温度よりも高い温度をもつ凝縮水を、通路24wを介して直ちにタンク30に供給させることができる。図2(B)に示す例によれば、パイプ245の入水口246は凝縮室240の底面248に配置されている。このため凝縮室240において凝縮水が生成されると、バルブ245を開放させれば、温度ができるだけ高い凝縮水を直ちにタンク30に供給できる。他の凝縮器93,97,125についても、基本的には図2(A)(B)とほぼ同様な構造にできる。
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1を準用できる。 図3(A)(B)は凝縮器24の他例を示す。図3(A)に示す例によれば、凝縮器24は、アノードガスを通過させる凝縮室240をもつケース241と、凝縮室240を凝縮水でシールさせる水シール部260を形成できる曲成パイプ261と有する。水シール部260は通常時には存在しており、凝縮室240をシールしている。水蒸気を含むアノードガスが凝縮室240に流れつつ、主冷却通路2の冷却部2rに冷却液が流れると、アノードガスに含まれている水蒸気が凝縮室240において凝縮して凝縮水が生成される。凝縮室240において凝縮水の水位が増加すると、水位による重力によりあるいはガス圧により、凝縮水が曲成パイプ261を通過してタンク30に向けて供給される。パイプ261の上端の入水口246は凝縮室240の底面248よりもΔhぶん重力方向の上方に突出して水面250に接近している。このため水面250近くのできるだけ高温の凝縮水を優先的にタンク30に供給でき、タンク30の凍結抑制効果を高める利点が得られる。
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1を準用できる。 図3(A)(B)は凝縮器24の他例を示す。図3(A)に示す例によれば、凝縮器24は、アノードガスを通過させる凝縮室240をもつケース241と、凝縮室240を凝縮水でシールさせる水シール部260を形成できる曲成パイプ261と有する。水シール部260は通常時には存在しており、凝縮室240をシールしている。水蒸気を含むアノードガスが凝縮室240に流れつつ、主冷却通路2の冷却部2rに冷却液が流れると、アノードガスに含まれている水蒸気が凝縮室240において凝縮して凝縮水が生成される。凝縮室240において凝縮水の水位が増加すると、水位による重力によりあるいはガス圧により、凝縮水が曲成パイプ261を通過してタンク30に向けて供給される。パイプ261の上端の入水口246は凝縮室240の底面248よりもΔhぶん重力方向の上方に突出して水面250に接近している。このため水面250近くのできるだけ高温の凝縮水を優先的にタンク30に供給でき、タンク30の凍結抑制効果を高める利点が得られる。
図2(B)に示す例によれば、パイプ245の入水口246は凝縮室240の底面248に配置されている。このため凝縮室240において凝縮水が生成されると、できるだけ温度が高い凝縮水を直ちにタンク30に供給できる。他の凝縮器93,97,125についても、基本的には図3(A)(B)とほぼ同様な構造にできる。また、サイフォン現象により凝縮室240内の水を過剰に吸い出さないようにするために、パイプ261の内径は10mm以上を確保することが望ましい。
(実施形態4)
図4は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1を準用できる。図4は、制御部5が実行するフローチャートの一例を示す。図4に示すように、制御部5はメインルーチンを実行しているとき、所定時間間隔で割り込み処理を行い、第1温度センサ63が検知した温度T3(外気温度に相当)が閾値Tc(例えば4℃)未満か否かを判定する(ステップS102)。第1温度センサ63が検知した温度T3(外気温度に相当)が閾値Tc以上であれば(ステップS102のNO)、凍結のおそれが無いため、制御部5は凍結抑制モードを開始しない。第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc未満であれば(ステップS102のYES)、凍結するおそれがあるため、制御部5は凍結抑制モードを開始する(ステップS104)。更に、凍結抑制モードを所定時間tw(例えば10分間)ぶん実行する(ステップS106)。所定時間tw経過すれば、制御部5は凍結抑制モードを解除する(ステップS108)。凍結抑制モードが解除されたとしても、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)未満であれば(ステップS102のYES)、凍結するおそれがあるため、制御部5は凍結抑制モードを所定時間tw(例えば10分間)ぶん再び実行する(ステップS104)。なお、凍結抑制モードの実行回数が所定時間以内に所定回数(例えば10回)以上となれば、システムの運転を停止させることができる。本実施形態によれば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、凍結抑制モードを実行させるが、これに限らず、他の温度センサ(図略)が検知した温度が閾値(例えば4℃)以下に低下するとき、凍結抑制モードを開始させることにしても良い。
図4は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1を準用できる。図4は、制御部5が実行するフローチャートの一例を示す。図4に示すように、制御部5はメインルーチンを実行しているとき、所定時間間隔で割り込み処理を行い、第1温度センサ63が検知した温度T3(外気温度に相当)が閾値Tc(例えば4℃)未満か否かを判定する(ステップS102)。第1温度センサ63が検知した温度T3(外気温度に相当)が閾値Tc以上であれば(ステップS102のNO)、凍結のおそれが無いため、制御部5は凍結抑制モードを開始しない。第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc未満であれば(ステップS102のYES)、凍結するおそれがあるため、制御部5は凍結抑制モードを開始する(ステップS104)。更に、凍結抑制モードを所定時間tw(例えば10分間)ぶん実行する(ステップS106)。所定時間tw経過すれば、制御部5は凍結抑制モードを解除する(ステップS108)。凍結抑制モードが解除されたとしても、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)未満であれば(ステップS102のYES)、凍結するおそれがあるため、制御部5は凍結抑制モードを所定時間tw(例えば10分間)ぶん再び実行する(ステップS104)。なお、凍結抑制モードの実行回数が所定時間以内に所定回数(例えば10回)以上となれば、システムの運転を停止させることができる。本実施形態によれば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、凍結抑制モードを実行させるが、これに限らず、他の温度センサ(図略)が検知した温度が閾値(例えば4℃)以下に低下するとき、凍結抑制モードを開始させることにしても良い。
(実施形態5)
本実施形態は実施形態1〜4と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図4を準用できる。本実施形態によれば、改質装置70の燃焼部71から排出された燃焼排ガス(水蒸気含有ガス)と、燃焼排ガスが流れる燃焼排ガス用凝縮器125において凝縮される凝縮水を制御対象とする。すなわち、タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、例えば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は、燃焼排ガス用凝縮器125において凝縮された凝縮水熱量を高める凍結抑制モードを実行する。この場合、制御部5は、凍結抑制モードの実行前よりも、空気ポンプ72(燃焼用空気搬送源)の単位時間あたりの出力(回転数)を低下させる。但し、改質部70aの改質反応に支障がない範囲とすることが好ましい。これにより改質装置70の燃焼部71に供給される燃焼用空気の単位時間あたりの供給量を減少させる。燃焼部71に供給する燃焼用燃料については、流量一定で制御している。
本実施形態は実施形態1〜4と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図4を準用できる。本実施形態によれば、改質装置70の燃焼部71から排出された燃焼排ガス(水蒸気含有ガス)と、燃焼排ガスが流れる燃焼排ガス用凝縮器125において凝縮される凝縮水を制御対象とする。すなわち、タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、例えば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は、燃焼排ガス用凝縮器125において凝縮された凝縮水熱量を高める凍結抑制モードを実行する。この場合、制御部5は、凍結抑制モードの実行前よりも、空気ポンプ72(燃焼用空気搬送源)の単位時間あたりの出力(回転数)を低下させる。但し、改質部70aの改質反応に支障がない範囲とすることが好ましい。これにより改質装置70の燃焼部71に供給される燃焼用空気の単位時間あたりの供給量を減少させる。燃焼部71に供給する燃焼用燃料については、流量一定で制御している。
ここで、単位時間当たり、当該モード実行直前において燃焼部71に供給する燃焼用空気の流量をVAyとし、当該モード中において燃焼部71に供給する燃焼用空気の流量(L/h)をVAxとすると、VAy/VAx=1.2〜1.05の範囲内が例示される。但し、これに限定されるものではない。
この結果、制御部5は、燃焼部71から凝縮器125を介して排気口71xに向けてシステム外に排出される燃焼排ガスの単位時間あたりの排出量を減少させる。その結果、凍結制御モード実行前と同じ温度まで燃焼排気ガスを冷却した場合、燃焼排ガスがシステム外に持ち去る単位時間当たりの水分量を低下させる。ひいては、燃焼排ガス用凝縮器125において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高める。
ここで、凝縮された凝縮水の温度は水の凍結温度よりも高い。この結果、燃焼排ガス用凝縮器125において凝縮された凝縮水熱量が増加する。この凝縮水は通路125wを介してタンク30に溜まるため、タンク30の凝縮水の温度が上昇し、タンク30の凍結が抑制される。ひいてはドレイン部32の凍結も抑制される。
この場合、図1から理解できるように、循環通路128(熱媒体通路)の冷却液(熱媒体)は、燃焼排ガス用凝縮器125ばかりか、カソードオフガス用凝縮器97、アノードオフガス用凝縮器93と熱交換して加熱される。燃焼排ガス用凝縮器125を流れる燃焼排ガスは、循環通路128の冷却液(熱媒体)と熱交換する。この関係上、燃焼排ガス用凝縮器125における凝縮水の温度は、循環通路128の冷却部128rの冷却液の温度に応じて高くなる。このため、燃焼排ガス用凝縮器125において生成された凝縮水の凍結抑制効果は高い。殊に、図1に示すように、循環通路128において、燃焼排ガス用凝縮器125はカソードオフガス用凝縮器97およびアノードオフガス用凝縮器93の下流に配置されている。従って、燃焼排ガス用凝縮器125の燃焼排ガスは、カソードオフガス用凝縮器97およびアノードオフガス用凝縮器93による熱交換で加熱された冷却部128rの冷却液(熱媒体)と熱交換する。このため、燃焼排ガス用凝縮器125において生成された凝縮水の温度は高温になりがちであり、高い凍結抑制効果をもつ。
なお制御部5は、本実施形態の凍結抑制モードを単独で実行できる。あるいは、必要に応じて、本明細書に記載されている他の実施形態の凍結抑制モードを併用することができる。第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、凍結抑制モードを実行させるが、他の温度センサ(図略)が検知した温度が閾値(例えば4℃)以下に低下するとき、凍結抑制モードを実行させることにしても良い。凍結抑制モードの実行により凍結のおそれが解除されれば、制御部5は通常の発電運転に戻す。凍結抑制モードにおいては、スタック1の発電出力をなるべく低下させないよう他の条件を維持したり、調整したりすることが好ましいが、場合によっては、スタック1の発電出力の維持よりも、凍結防止を優先させても良い。
上記した凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度以上のときに実行されることが好ましい。凍結基準温度は、タンク30および/またはドレイン部32における凍結と関連づけ得る部位の温度であり、システムに応じて設定でき、外気温度、外気温度に近似できる部位の温度、筐体6内の温度、貯湯循環水のシステム入口温度すなわち貯湯槽131の下部の吐出口131pと第3ポンプ133との間の貯湯水温度が挙げられる。
(実施形態6)
本実施形態は実施形態1〜5と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図4を準用できる。本実施形態によれば、スタック1のカソードから排出されるカソードオフガス(水蒸気含有ガス)と、カソードオフガスを流すカソードオフガス用凝縮器97において凝縮された凝縮水とを制御対象とする。すなわち、タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、例えば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。この場合、凍結抑制モードの実行前よりも、制御部5は、ポンプ81の単位時間あたりの出力(回転数)を低下させ、スタック1のカソードに供給されるカソードガスの単位時間当たりの供給量を減少させる。これにより、カソードから排出されるカソードオフガスの単位時間あたりの排出量を減少させる。ここで、単位時間当たり、当該モード実行直前においてカソードに供給するカソードガスの流量をVCyとし、当該モード中においてカソードに供給するカソードガスの流量(L/h)をVCxとすると、VCy/VCx=1.25〜1.05の範囲内が例示される。但し、これに限定されるものではない。
本実施形態は実施形態1〜5と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図4を準用できる。本実施形態によれば、スタック1のカソードから排出されるカソードオフガス(水蒸気含有ガス)と、カソードオフガスを流すカソードオフガス用凝縮器97において凝縮された凝縮水とを制御対象とする。すなわち、タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、例えば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。この場合、凍結抑制モードの実行前よりも、制御部5は、ポンプ81の単位時間あたりの出力(回転数)を低下させ、スタック1のカソードに供給されるカソードガスの単位時間当たりの供給量を減少させる。これにより、カソードから排出されるカソードオフガスの単位時間あたりの排出量を減少させる。ここで、単位時間当たり、当該モード実行直前においてカソードに供給するカソードガスの流量をVCyとし、当該モード中においてカソードに供給するカソードガスの流量(L/h)をVCxとすると、VCy/VCx=1.25〜1.05の範囲内が例示される。但し、これに限定されるものではない。
カソードガスについては、発電運転において、スタック1のカソードの発電反応で消費される酸素量を大きく超える流量がカソードに供給されるのが一般的である。従って、カソードガスの流量を減少させたとしても、問題はない。
この結果、カソードオフガスが排気口96xからシステム外に持ち去る単位時間あたりの水分量を低下させる。凍結制御モード実行前と同じ温度まで燃焼排気ガスを冷却した場合、カソードオフガス用凝縮器97において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高める。排気口96x,71xを一体化させても良い。
ここで、凝縮器97において凝縮される凝縮水の温度は、カソードオフガスと熱交換する循環通路128の冷却部128sの冷却液の温度に対応しており、凍結を誘発させる外気の温度よりも高い。故に、カソードオフガス用凝縮器97において凝縮された凝縮水の熱量が増加する。凝縮器97の凝縮水は重力により通路97wを介してタンク30に移動して溜まるため、タンク30の凝縮水の温度が上昇し、タンク30の凍結が抑制される。ひいてはドレイン部32の凍結も抑制される。
すなわち、カソードオフガス用凝縮器97を流れるカソードオフガスは、循環通路128の冷却部128sの冷却液(熱媒体)と熱交換する関係上、カソードオフガス用凝縮器97における凝縮水の温度は循環通路128の冷却液の温度にほぼ対応するため、この凝縮水の凍結抑制効果は高い。この場合、図1から理解できるように、循環通路128において、カソードオフガス用凝縮器97はアノードオフガス用凝縮器93の下流に配置されている。従って、カソードオフガス用凝縮器97のカソードオフガスは、アノードオフガス用凝縮器93による熱交換で加熱された冷却液(熱媒体)と熱交換する。このため、カソードオフガス用凝縮器97における凝縮水の温度は高温になりがちであり、高い凍結抑制効果をもつ。
なお制御部5は、必要に応じて、本実施形態の凍結抑制モードと、本明細書に記載の他の実施形態の凍結抑制モードとを併用することができる。凍結抑制モードの実行により凍結のおそれが解除されれば、制御部5は通常の発電運転に戻す。
上記した凍結抑制モードは、凝縮水の生成量を高めるものの、凝縮器97において生成される凝縮水の温度それ自体は上昇しないため、前記した凍結基準温度が第1所定温度以上のときに実行されることが好ましい。凍結基準温度は、タンク30および/またはドレイン部32における凍結と関連づけ得る部位の温度であり、システムに応じて設定でき、外気温度、外気温度に近似できる部位の温度、筐体6内の温度、貯湯循環水のシステム入口温度すなわち貯湯槽131の下部の吐出口131pと第3ポンプ133との間の貯湯水温度が例示される。
(実施形態7)
本実施形態は実施形態1〜6と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図4を準用できる。本実施形態によれば、タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、例えば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。この場合、制御部5は、凍結抑制モードの実行前よりも、貯湯通路132における温水温度センサ67で検知される温水温度T4を低下させるようにポンプ133の出力を制御する。温度T4を例えば70℃から60℃に低下させる。具体的にはポンプ133の出力(回転数)を増加させて貯湯通路32を流れる単位時間あたりの流量を増加させ、熱交換器127,22における熱交換量を高める。
本実施形態は実施形態1〜6と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図4を準用できる。本実施形態によれば、タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、例えば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。この場合、制御部5は、凍結抑制モードの実行前よりも、貯湯通路132における温水温度センサ67で検知される温水温度T4を低下させるようにポンプ133の出力を制御する。温度T4を例えば70℃から60℃に低下させる。具体的にはポンプ133の出力(回転数)を増加させて貯湯通路32を流れる単位時間あたりの流量を増加させ、熱交換器127,22における熱交換量を高める。
この結果、貯湯通路132を流れる冷却液の温度が低下し、全ての凝縮器、具体的には、凝縮器24の冷却部2r、凝縮器93の冷却部128t、凝縮器97の冷却部128s、凝縮器125の冷却部128rの温度が低下する。ひいては、凝縮器24において凝縮された凝縮水の生成量、凝縮器93において凝縮された凝縮水の生成量、凝縮器97において凝縮された凝縮水の生成量、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量をそれぞれ増加させて高めることができる。このような凝縮水の温度は外気温度や凍結温度よりも高い。
このような本実施形態によれば、凝縮器24,93,97,125で凝縮された凝縮水熱量を高める凍結抑制モードを実行することができ、タンク30およびドレイン部32における凍結抑制効果が高くなる。凍結抑制モードの実行により凍結のおそれが解除されれば、制御部5は通常の発電運転に戻す。
この凍結抑制モードでは、主冷却通路2の冷却液の温度が低下するため、他の条件の如何によっては、スタック1のカソードにおいて存在する水が過剰となり、スタック1の発電出力が低下するおそれが皆無ではない。そこで、スタック1の発電出力の低下が所定値を超えるときには、制御部5は、カソードに存在する過剰の水を排出すべく、ポンプ81の出力を必要に応じて増加させ、カソードに供給されるカソードガスの流量を高めることができる。
上記した凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度以上のときに実行されることが好ましい。凍結基準温度は、タンク30および/またはドレイン部32における凍結と相関性が高い部位の温度であり、システムに応じて設定でき、外気温度、外気温度に近似できる部位の温度、筐体6内の温度、貯湯循環水のシステム入口温度すなわち貯湯槽131の下部の吐出口131pと第3ポンプ133との間の貯湯水温度が例示される。
このような本実施形態によれば、凝縮器24,93,97,125で凝縮された凝縮水熱量を高める凍結抑制モードを実行することができ、タンク30およびドレイン部32における凍結抑制効果が高くなる。凍結抑制モードの実行により凍結のおそれが解除されれば、制御部5は通常の発電運転に戻す。
(実施形態8)
本実施形態は、前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1を準用する。タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。このモードの初期の時には、制御部5は、凍結抑制モードの実行前よりも、貯湯通路132における温水温度センサ67で検知される制御温度T4を高める。例えば60℃から70℃に高める。具体的にはポンプ133の出力(回転数)を減少させて熱交換器127,22における熱交換量を減少させる。この凍結抑制モードでは、主冷却通路2の冷却液の温度が上昇するため、凝縮器24において生成される凝縮水の生成量が多少減少するものの、その凝縮水の温度を高めることができる。その凝縮水が凝縮器24から重力により通路24wを介してタンク30に供給されるため、タンク30やドレイン部32の凍結を緊急的に防止できる。
本実施形態は、前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1を準用する。タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。このモードの初期の時には、制御部5は、凍結抑制モードの実行前よりも、貯湯通路132における温水温度センサ67で検知される制御温度T4を高める。例えば60℃から70℃に高める。具体的にはポンプ133の出力(回転数)を減少させて熱交換器127,22における熱交換量を減少させる。この凍結抑制モードでは、主冷却通路2の冷却液の温度が上昇するため、凝縮器24において生成される凝縮水の生成量が多少減少するものの、その凝縮水の温度を高めることができる。その凝縮水が凝縮器24から重力により通路24wを介してタンク30に供給されるため、タンク30やドレイン部32の凍結を緊急的に防止できる。
またポンプ133の出力(回転数)を減少すると、循環通路128の冷却液の温度も上昇するため、冷却部128t,128s,128rの冷却液の温度も上昇する。このため凝縮器93,97,1525において凝縮される凝縮水の生成量が多少減少するものの、生成される凝縮水の温度を高めることができる。その凝縮水は凝縮器93,97,125の通路93w,97w,125wを介して重力によりタンク30に流れるため、タンク30やドレイン部32の凍結を緊急的に防止できる。
このように生成される凝縮水の温度を高めることができる凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度未満で、凍結緊急性が高いときに実行されることが好ましい。各凝縮器における凝縮量は、凝縮される温度の飽和蒸気圧に従うが、例えば凝縮温度が5℃以下であれば、飽和蒸気圧の差異は僅かであり、凝縮水量を増やす効果よりも凝縮水の温度を高めることで、凍結防止効果を高めることができる。
但し、凍結のおそれが減少した凍結抑制モードの中期では、制御部5は、貯湯通路132における温水温度センサ67で検知される制御温度T4を低下させることができる。例えば70℃から60℃に低下させる。具体的には制御部5はポンプ133の出力(回転数)を増加させて貯湯通路132を流れる冷却液の流量を増加させ、熱交換器127,22から貯湯通路132への伝熱量を高める。このため、主冷却通路2および循環通路128の冷却液の温度が低下する。この場合、凝縮器24,93,97,125において凝縮される凝縮水の温度が多少低下するものの、その凝縮水の生成量を増加させて高め、結果として凝縮水全体の熱量を高めることができるため、タンク30やドレイン部32の凍結を抑制できる。
(実施形態9)
本実施形態は、前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1を準用する。タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。すなわち、制御部5は、ポンプ122の出力(回転数)を減少させる。すると、循環通路128の冷却液の温度が上昇するため、冷却部128t,128s,128rの冷却液の温度が上昇する。このため、温度と平衡蒸気圧との関係から、凝縮器93,97,125において凝縮される凝縮水の生成量が多少減少するものの、その凝縮水の温度を高めることができる。その凝縮水は凝縮器93,97,125の通路93w,97w,125wを介して重力によりタンク30に流れるため、タンク30やドレイン部32の凍結を緊急的に防止できる。このように生成される凝縮水の温度を高めることができる凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度未満で、凍結緊急性が高いときに実行されることが好ましい。
本実施形態は、前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1を準用する。タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。すなわち、制御部5は、ポンプ122の出力(回転数)を減少させる。すると、循環通路128の冷却液の温度が上昇するため、冷却部128t,128s,128rの冷却液の温度が上昇する。このため、温度と平衡蒸気圧との関係から、凝縮器93,97,125において凝縮される凝縮水の生成量が多少減少するものの、その凝縮水の温度を高めることができる。その凝縮水は凝縮器93,97,125の通路93w,97w,125wを介して重力によりタンク30に流れるため、タンク30やドレイン部32の凍結を緊急的に防止できる。このように生成される凝縮水の温度を高めることができる凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度未満で、凍結緊急性が高いときに実行されることが好ましい。
但し、凍結緊急性が低下した凍結抑制モードの中期では、制御部5は、ポンプ122の出力(回転数)を増加させて元に戻す。これにより循環通路128の冷却液の温度が低下するため、冷却部128t,128s,128rの冷却液の温度が低下する。このため凝縮器93,97,125において凝縮される凝縮水の生成量を増加させて高めることができる。その凝縮水は凝縮器93,97,125の通路93w,97w,125wを介して重力によりタンク30に流れるため、タンク30やドレイン部32の凍結抑制に有効である。
(実施形態10)
本実施形態は、前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1を準用する。タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、例えば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。この場合、制御部5は、凍結抑制モードの実行前よりも、ヒータ29をオンさせたり、ヒータ29の発熱量を増加させたりする。これにより主冷却通路2(熱媒体通路)の冷却部2rの流れる冷却液(熱媒体)の温度を高める。この場合、凝縮器24において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量は減少するものの、凝縮器24で生成される凝縮水の温度が上昇する。この凝縮水を通路24wを介してタンク30に直ちに供給させれば、タンク30およびドレイン部32における凍結抑制効果が高くなる。このように生成される凝縮水を昇温させる凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度未満で、凍結緊急性が高いときに効果的であると考えられる。
本実施形態は、前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1を準用する。タンク30およびドレイン部32のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、例えば、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)以下に低下するとき、制御部5は凍結抑制モードを実行する。この場合、制御部5は、凍結抑制モードの実行前よりも、ヒータ29をオンさせたり、ヒータ29の発熱量を増加させたりする。これにより主冷却通路2(熱媒体通路)の冷却部2rの流れる冷却液(熱媒体)の温度を高める。この場合、凝縮器24において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量は減少するものの、凝縮器24で生成される凝縮水の温度が上昇する。この凝縮水を通路24wを介してタンク30に直ちに供給させれば、タンク30およびドレイン部32における凍結抑制効果が高くなる。このように生成される凝縮水を昇温させる凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度未満で、凍結緊急性が高いときに効果的であると考えられる。
(実施形態11)
図5は実施形態11を示す。本実施形態は、前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。図5に示すように、ドレイン部32の配管またはドレイン部32のドレイン水の温度T5を検知するドレイン温度センサ65が設けられている。ドレイン温度センサ65が検知した温度T5が閾値Te(例えば2℃)以下に低下するとき、制御部5は、上記した凍結抑制モードのいずれかを実行する。凍結抑制モードを所定時間tr(例えば10分間)実行したとしても、ドレイン温度センサ65で検知されるドレイン部32の配管温度T5が昇温しないときには、ドレイン部32が既に凍結しており、ドレイン部32が凍結で既に詰まっていると考えられる。そこで制御部5はシステムの発電運転を停止させることができる。
図5は実施形態11を示す。本実施形態は、前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。図5に示すように、ドレイン部32の配管またはドレイン部32のドレイン水の温度T5を検知するドレイン温度センサ65が設けられている。ドレイン温度センサ65が検知した温度T5が閾値Te(例えば2℃)以下に低下するとき、制御部5は、上記した凍結抑制モードのいずれかを実行する。凍結抑制モードを所定時間tr(例えば10分間)実行したとしても、ドレイン温度センサ65で検知されるドレイン部32の配管温度T5が昇温しないときには、ドレイン部32が既に凍結しており、ドレイン部32が凍結で既に詰まっていると考えられる。そこで制御部5はシステムの発電運転を停止させることができる。
図6は、制御部5が実行するフローチャートの一例を示す。図6に示すように、制御部5はメインルーチンを実行しているとき、所定時間間隔で割り込み処理を行い、ドレイン温度センサ65が検知した温度T5が閾値Te(例えば2℃)未満か否か判定する(ステップS202)。ドレイン温度センサ65が検知した温度T5が閾値Te未満であれば(ステップS202のYES)、凍結するおそれがあるため、制御部5は凍結抑制モードを開始し(ステップS204)、更に、凍結抑制モードの実行時間tmのカウントをスタートさせる(ステップS206)。更に、制御部5は、ドレイン温度センサ65が検知した温度T5と閾値Tf(例えば7℃)とを比較し、温度T5と閾値Tfを高温側に超えるか否かを判定する(ステップS208)。ドレイン温度センサ65が検知した温度T5が閾値Tf(例えば7℃)を高温側に超えていないとき(ステップS208のNO)、制御部5は、凍結抑制モードの実行時間tmが所定時間tr(例えば10分)未満かを判定する(ステップS212)。実行時間tmが所定時間tr(例えば10分)未満であれば(ステップS212のYES)、制御部5は凍結抑制モードを継続させる(ステップS212のYES)。経過時間tmが所定時間tr(例えば10分)以上であれば(ステップS212のNO)、制御部5はシステムを停止させる(ステップS214)。ステップS208における判定の結果、ドレイン温度センサ65が検知した温度T5が閾値Tf(例えば5℃)を高温側に超えていれば(ステップS208のYES)、凍結のおそれがないため、制御部5は凍結抑制モードを解除する(ステップS210)。上記した凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度以上のときに実行されることが好ましい。
(実施形態12)
図7は実施形態12を示す。本実施形態は、前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。スタック1は固体酸化物型の燃料電池(SOFC)で形成されており、作動温度は電解質の材質にもよるが、例えば400〜1000℃の範囲内、500〜800℃の範囲内である。図1と図7との比較から理解できるように、改質装置70が設けられているものの、スタック1を冷却させる主冷却通路、アノードオフガス用凝縮器、カソードオフガス用凝縮器が廃止されている。更に、COシフト部78、CO酸化部79も廃止されている。COもアノードガスとなりうるためである。
図7は実施形態12を示す。本実施形態は、前記した実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。スタック1は固体酸化物型の燃料電池(SOFC)で形成されており、作動温度は電解質の材質にもよるが、例えば400〜1000℃の範囲内、500〜800℃の範囲内である。図1と図7との比較から理解できるように、改質装置70が設けられているものの、スタック1を冷却させる主冷却通路、アノードオフガス用凝縮器、カソードオフガス用凝縮器が廃止されている。更に、COシフト部78、CO酸化部79も廃止されている。COもアノードガスとなりうるためである。
図7に示すように、タンク30と改質装置70とを繋ぐ改質水供給系4が設けられている。改質水供給系4は、タンク30と改質装置70とを繋ぐ改質水供給通路40と、改質水供給通路40に設けられた水ポンプ41および水精製器42とを有する。水精製器42はイオン交換樹脂等の水精製材を有しており、凝縮水を精製させて純水度を高める。水精製器42には凍結防止用の第1ヒータ43fが設けられている。タンク30には凍結防止用の第2ヒータ43sが設けられている。凍結するおそれがあるときには、制御部5はヒータ43f,43sを発熱させる。但し、このヒータを廃止しても良い。
スタック1のアノードから排出された発電反応後のアノードオフガスは、通路13により改質装置70の燃焼部71に供給される。スタック1のカソードから排出された発電反応後のカソードオフガス(オフエア)は、通路14により燃焼部71に供給される。アノードオフガスは燃焼部71で再燃焼された後、排気ガスとして、通路15を介して燃焼排ガス用凝縮器125を経て排気口15xから外部に排出される。
図7に示すように、貯湯系130は、温水を貯留する貯湯槽131と、貯湯槽131の吐出口131pと貯湯槽131の吸入口131iとを繋ぐ貯湯通路132と、貯湯通路132に順に配置された第3ポンプ133(水搬送源)、燃焼排ガス用凝縮器125とを有する。貯湯通路132において、凝縮器125の下流には温水温度センサ67が設けられ、凝縮器125の上流には温度センサ68が設けられている。
燃焼排ガス用凝縮器125から導出された燃焼排ガスを排気口15xを介して外部に排出させる通路15kが設けられている。燃焼排ガス用凝縮器125の底部から凝縮水通路125kが分岐する。凝縮水通路125kにより燃焼排ガス用凝縮器125の凝縮水をタンク30に供給させる。第3ポンプ133が作動すると、貯湯通路132を流れる水は、燃焼排ガス用凝縮器125の冷却部132rを流れ、更に、燃焼部71からの高温の燃焼排ガスと熱交換するため、加熱されて温水となり、吸入口131iから貯湯槽131に帰還する。このため排気ガスの排熱は、温水として貯湯槽131に回収される。
図7に示すように、貯湯系130の貯湯通路132には、燃焼排ガス用凝縮器125の下流部位125dと燃焼排ガス用凝縮器125の上流部位125uとを繋ぐバイパス通路50が、貯湯通路132の分岐部132mから分岐した状態で設けられている。分岐部132mは、貯湯通路132において、高温の排気ガスの熱を回収した凝縮器125よりも下流に位置しており、凝縮器125で加熱された温水をバイパス通路50を介して上流部位125uに供給させる。バイパス通路50には、バイパス通路50を開閉させるバイパスバルブ52(切替部)が設けられている。バイパスバルブ52はポート52a,52b,52cをもつ。バイパスバルブ52を二方弁としても良い。ポート52aは燃焼排ガス用凝縮器125の下流部位125dに繋がる。ポート52bはバイパス通路50を介して燃焼排ガス用凝縮器125の上流部位125uに繋がる。ポート52cは貯湯槽131の吸入口131iに繋がる。バイパスバルブ52は第1形態と第2形態とに切替可能である。第1形態では、ポート52a,52bの連通度を高めつつ、ポート52cの閉鎖度を高めることにより、吸入口131iに供給する温水を制限させつつ、ポート52aからバイパス通路50に流れる冷却液(熱媒体)を増加させ、冷却部132rを流れる冷却液(熱媒体)の温度を高める。具体的には、凍結抑制モードを実行する前よりも、温度センサ68が検知する温度T6(凝縮器125の入口温度)を高める。これにより凝縮器125で凝縮された凝縮水の温度が上昇する。
第2形態では、ポート52a,52cの連通度を高めつつ、ポート52bの閉鎖度を高めることにより、バイパス通路50を流れる冷却液(熱媒体)の流量を減少または0とし、貯湯通路132(熱媒体通路)を流れる冷却液(熱媒体)の温度を第1形態よりも低い温度に維持する。
本実施形態によれば、寒冷地または冬季等において、タンク30およびドレイン部32が凍結するおそれがあるとき、制御部55は、バイパスバルブ52を第1形態に切替える。これにより貯湯通路132の冷却液(熱媒体)はバイパス通路50および凝縮器125の双方を繰り返して通過するため、短時間で昇温される。このように貯湯通路132の冷却液が昇温されると、凝縮器125の入口側の温度T6が上昇して所定温度域(例えば20〜45℃)に維持されるため、この冷却液と熱交換して凝縮器125において凝縮された凝縮水が昇温される。この凝縮水は通路125kを介してタンク30に溜まるため、タンク30の凝縮水の温度も上昇し、タンク30およびドレイン部32における凍結抑制に貢献できる。
上記した凍結抑制モードは、貯湯通路132(熱媒体通路)の冷却液(熱媒体)の温度を高めるため、凝縮器125において生成させる凝縮水の生成量が減少するものの、凝縮水の温度が直接的に上昇する。このため凍結するおそれが高いとき、凍結防止効果を迅速に高めることができる。上記した凍結抑制モードは、凝縮水の温度を直接上昇できるため、凍結基準温度が第1所定温度未満で、凍結可能性が差し迫っているときに実行されることが好ましい。
(実施形態13)
図8は実施形態13を示す。本実施形態は、前記した実施形態9と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図7を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。図8は、制御部5が実行するフローチャートを示す。図8に示すように、制御部5はメインルーチンを実行しているとき、所定時間間隔で割り込み処理を行い、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)未満か否か判定する(ステップS302)。温度T3が閾値Tc未満であれば(ステップS302のYES)、凍結するおそれがあるため、制御部5は凍結抑制モードを開始し(ステップS304)、更に、温度センサ68の温度T6が目標温度(例えば20〜30℃)に維持されるように、バルブ52を第1形態に切り替える(ステップS306)。この状態で、制御部5は、凍結抑制モードを所定時間tk(例えば10分)実行する。所定時間tk経過すれば(ステップS308)、制御部5はバルブ52を第2形態に戻し(ステップS310)、凍結抑制モードを解除する(ステップS312)。なお、上記した凍結抑制モードは、前述したように、凍結基準温度が第1所定温度以上のときに実行されることが好ましい。
図8は実施形態13を示す。本実施形態は、前記した実施形態9と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図7を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。図8は、制御部5が実行するフローチャートを示す。図8に示すように、制御部5はメインルーチンを実行しているとき、所定時間間隔で割り込み処理を行い、第1温度センサ63が検知した温度T3が閾値Tc(例えば4℃)未満か否か判定する(ステップS302)。温度T3が閾値Tc未満であれば(ステップS302のYES)、凍結するおそれがあるため、制御部5は凍結抑制モードを開始し(ステップS304)、更に、温度センサ68の温度T6が目標温度(例えば20〜30℃)に維持されるように、バルブ52を第1形態に切り替える(ステップS306)。この状態で、制御部5は、凍結抑制モードを所定時間tk(例えば10分)実行する。所定時間tk経過すれば(ステップS308)、制御部5はバルブ52を第2形態に戻し(ステップS310)、凍結抑制モードを解除する(ステップS312)。なお、上記した凍結抑制モードは、前述したように、凍結基準温度が第1所定温度以上のときに実行されることが好ましい。
(実施形態14)
本実施形態は、前記した実施形態9,10と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図7,8を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態においても、制御部5は、凍結抑制モードにおいて、貯湯通路132(熱媒体通路)を流れる冷却液(熱媒体)の温度を凍結抑制モードの実行前よりも高めることにより、凝縮器125における凝縮水の温度を高める。すなわち、制御部5は、凍結抑制モードにおいて、他の条件をできるだけ維持させつつ、水ポンプ133(搬送源)の単位時間あたりの回転数(出力)を凍結抑制モードの前よりも低下させる。これにより、貯湯通路132(熱媒体通路)の冷却部132rを流れる冷却液(熱媒体)の速度が低下する。よって、冷却部132rの冷却液が凝縮器125において高温の燃焼排ガスから受熱する時間が長くなり、当該冷却液の温度が昇温される。従って、凝縮器125において凝縮された凝縮水の温度が昇温する。凝縮水は通路125kからタンク30に流れるため、タンク30の凝縮水の温度が上昇し、凍結抑制に貢献できる。この場合、バイパスバルブ52を第2形態に切替え、バイパス50への通水を制限しつつ、貯湯通路132の水を吸入口131iから貯湯槽131に戻す。
本実施形態は、前記した実施形態9,10と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図7,8を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態においても、制御部5は、凍結抑制モードにおいて、貯湯通路132(熱媒体通路)を流れる冷却液(熱媒体)の温度を凍結抑制モードの実行前よりも高めることにより、凝縮器125における凝縮水の温度を高める。すなわち、制御部5は、凍結抑制モードにおいて、他の条件をできるだけ維持させつつ、水ポンプ133(搬送源)の単位時間あたりの回転数(出力)を凍結抑制モードの前よりも低下させる。これにより、貯湯通路132(熱媒体通路)の冷却部132rを流れる冷却液(熱媒体)の速度が低下する。よって、冷却部132rの冷却液が凝縮器125において高温の燃焼排ガスから受熱する時間が長くなり、当該冷却液の温度が昇温される。従って、凝縮器125において凝縮された凝縮水の温度が昇温する。凝縮水は通路125kからタンク30に流れるため、タンク30の凝縮水の温度が上昇し、凍結抑制に貢献できる。この場合、バイパスバルブ52を第2形態に切替え、バイパス50への通水を制限しつつ、貯湯通路132の水を吸入口131iから貯湯槽131に戻す。
上記した凍結抑制モードは、生成させる凝縮水の生成量が減少するものの、凝縮水の温度が直接的に上昇する。このため凍結するおそれが高いとき、凍結防止効果を迅速に高めることができる。上記した凍結抑制モードは、凍結基準温度が第1所定温度未満で、凍結可能性差し迫っているときに実行されることが好ましい。
なお凍結抑制モードにおいては、スタック1の発電出力をなるべく低下させないよう他の条件を維持したり、調整したりすることが好ましいが、場合によっては、スタック1の発電出力の維持よりも、凍結防止を優先させても良い。
(実施形態15)
図9は実施形態15を示す。本実施形態は、前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。貯湯系130の貯湯通路132とタンク30のドレイン部32の中間部32bとを繋ぐ温水通路50Wが、貯湯通路132の分岐部132moから分岐した状態で設けられている。分岐部132moは、排熱回収系120で回収された熱で水を加熱される熱交換器127と,スタック1,凝縮器24で回収された熱で水を加熱させる熱交換器22の下流に位置している。この結果、熱交換器127および熱交換器22で加熱された温水を温水通路50Wを介してドレイン部32に供給させる。このため、できるだけ高温の温水をドレイン部32に供給させることができる。温水通路50Wには、温水通路50Wを開閉させるバイパスバルブ52Wが設けられている。バイパスバルブ52Wの入口ポート52iは貯湯通路132に繋がり、出口ポート52pはドレイン部32に繋がる。場合によっては、バイパスバルブ52Wは三方弁とすることもできる。貯湯通路132の温水の温度T8を検知する温水温度センサ67Wが設けられている。温水温度センサ67Wは、熱交換器127,22の下流であり且つ分岐部132mの上流に位置しており、熱交換器127,22で加熱され且つ温水通路50Wに流れる直前の温水の温度を検知する。このため温水温度センサ67Wは、ドレイン部32に流れる直前の温水温度を検知するのに有利である。
図9は実施形態15を示す。本実施形態は、前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。貯湯系130の貯湯通路132とタンク30のドレイン部32の中間部32bとを繋ぐ温水通路50Wが、貯湯通路132の分岐部132moから分岐した状態で設けられている。分岐部132moは、排熱回収系120で回収された熱で水を加熱される熱交換器127と,スタック1,凝縮器24で回収された熱で水を加熱させる熱交換器22の下流に位置している。この結果、熱交換器127および熱交換器22で加熱された温水を温水通路50Wを介してドレイン部32に供給させる。このため、できるだけ高温の温水をドレイン部32に供給させることができる。温水通路50Wには、温水通路50Wを開閉させるバイパスバルブ52Wが設けられている。バイパスバルブ52Wの入口ポート52iは貯湯通路132に繋がり、出口ポート52pはドレイン部32に繋がる。場合によっては、バイパスバルブ52Wは三方弁とすることもできる。貯湯通路132の温水の温度T8を検知する温水温度センサ67Wが設けられている。温水温度センサ67Wは、熱交換器127,22の下流であり且つ分岐部132mの上流に位置しており、熱交換器127,22で加熱され且つ温水通路50Wに流れる直前の温水の温度を検知する。このため温水温度センサ67Wは、ドレイン部32に流れる直前の温水温度を検知するのに有利である。
本実施形態によれば、ドレイン部32が凍結するおそれがあるとき、制御部55は上記した凍結抑制モードを実行すると共に、バイパスバルブ52Wを開放させる。これにより、貯湯系130の貯湯通路132の温水を、タンク30に供給させることなく、温水通路50Wを介してドレイン部32の中間部32bに供給する。この場合、温水を連続的に供給させても良いし、間欠的に供給させても良い。これにより、タンク30のドレイン部32の温度が上昇し、ドレイン部32の凍結が抑えられる。温水はドレイン部32から外部に排出される。出水口30pの高さ位置はドレイン部32よりも高いため、ドレイン部32に供給された温水(水道水等)がタンク30に逆流することが抑えられている。上記した全ての実施形態で実行される凍結抑制モードにおいて、貯湯通路132の温水をドレイン部32に供給させる操作を併用させても良い。
(その他)
システム100は、図1に示すシステムの配置および構造に限定されるものではなく、配置および構造は、必要に応じて適宜変更できるものである。必ずしも加湿器が搭載されていなくても良い。循環通路128において、アノードオフガス用凝縮器93、カソードオフガス用凝縮器97、燃焼排ガス用凝縮器125の順に配置されているが、これに限定されるものではない。図1に示す凝縮器93,97,24等は必要に応じて設ければ良い。ポンプ81、空気ポンプ72は、ファン、ブロア、コンプレッサとしても良い。燃料ポンプ73は、ファン、ブロア、コンプレッサとしても良い。水ポンプ74は、ファン、ブロア、コンプレッサとしても良い。
システム100は、図1に示すシステムの配置および構造に限定されるものではなく、配置および構造は、必要に応じて適宜変更できるものである。必ずしも加湿器が搭載されていなくても良い。循環通路128において、アノードオフガス用凝縮器93、カソードオフガス用凝縮器97、燃焼排ガス用凝縮器125の順に配置されているが、これに限定されるものではない。図1に示す凝縮器93,97,24等は必要に応じて設ければ良い。ポンプ81、空気ポンプ72は、ファン、ブロア、コンプレッサとしても良い。燃料ポンプ73は、ファン、ブロア、コンプレッサとしても良い。水ポンプ74は、ファン、ブロア、コンプレッサとしても良い。
各実施形態においても、凍結抑制モードの初期において、制御部5は、凝縮器において凝縮される凝縮水の温度を高め、凍結抑制モードの初期以降において、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量を高めるようにことができる。この場合、温度が高い凝縮水をタンク30に優先的に供給してタンク30などの凍結を緊急的に防止し、その後、凝縮水の生成量を増加させて凝縮水全体の熱量を高めることができる。
または、タンクの容量、ドレイン部の排水構造などの如何によっては、凍結抑制モードの初期において凝縮水の生成量を高めることが凍結抑制に好ましい場合もある。そこで、各実施形態においても、凍結抑制モードの初期において、制御部は、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量を増加させ、凍結抑制モードの初期以降において、凝縮器において凝縮される凝縮水の温度を高めることができる。
改質装置70に供給される燃料原料は、都市ガスやバイオガス等のガスに限定されず、灯油、メタノール、ジメチルエーテル、ガソリン等の液体燃料でも良い。燃焼部71に供給される燃料は、ガスに限定されず、灯油、メタノール、ジメチルエーテル、ガソリン等の液体燃料でも、固形燃料でも良い。燃料電池は固体高分子形、固体酸化物形に限定されず、溶融炭酸塩形、りん酸形でも良い。凝縮器24,93,97,125は図2および図3に示す構造に限定されない。ヒータ43f,43sを廃止しても良い。
各実施形態において凍結抑制モードの実行により、万一、スタック1において存在する水分量が過剰に増加し、スタックの発電出力が低下するおそれがある場合には、必要に応じて、制御部5は、ポンプ81の単位時間あたりの出力を増加させて、スタック1のカソードに供給されるカソードガスの流量を凍結抑制モードの実行前よりも増加させることもできる。これによりスタック1のカソードに存在している余剰の水分を持ち去ることが好ましい。
また各実施形態において凍結抑制モードの実行により、万一、スタック1において存在する水分量が過剰に減少し、スタックの発電出力が低下するおそれがある場合には、必要に応じて、制御部5は、ポンプ81の単位時間あたりの出力を減少させて、スタック1のカソードに供給されるカソードガスの流量を凍結抑制モードの実行前よりも減少させることもできる。これによりスタック1のカソードに存在している水分を持ち去る量を低減することが好ましい。
万一、凍結抑制モードの実行によりスタック1の発電出力が低下することがあるとしても、冬季や寒冷地などでは、凍結抑制モードの実行を優先させて凍結懸念部位の凍結を抑えることができる。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。ある実施形態に特有の構造および機能は他の実施形態についても適用できる。
本明細書の記載から次の技術的思想が把握される。
[付記項1]アノードガスおよびカソードガスが供給されて発電するための燃料電池と、前記燃料電池の運転時において単数または複数の水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させるための少なくとも1個の凝縮器と、凝縮器において凝縮された凝縮水を溜めるためのタンクと、タンクに連通しタンクの余剰の凝縮水をタンク外に排出させるためのドレイン部と、タンクおよびドレイン部のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、凝縮器において凝縮される凝縮水熱量を増加させる凍結抑制モードを実行する制御部とを具備する燃料電池システム。
[付記項2]アノードガスおよびカソードガスが供給されて発電するための燃料電池と、前記燃料電池の運転時において単数または複数の水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させるための少なくとも1個の凝縮器と、前記凝縮器において凝縮された凝縮水を溜めるためのタンクと、タンクが凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を高める凍結抑制モードを実行する制御部とを具備する燃料電池システム。
[付記項3]発電するための発電装置と、発電装置の運転時において単数または複数の水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させる凝縮器と、凝縮器で生成された凝縮水を溜めるタンクと、前記タンクに連通しタンクの余剰の凝縮水をタンク外に排出させるドレイン部と、タンクおよびドレイン部のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、凝縮器において凝縮される凝縮水熱量を高める凍結抑制モードを実行する制御部とを具備するコージェネシステム。
[付記項1]アノードガスおよびカソードガスが供給されて発電するための燃料電池と、前記燃料電池の運転時において単数または複数の水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させるための少なくとも1個の凝縮器と、凝縮器において凝縮された凝縮水を溜めるためのタンクと、タンクに連通しタンクの余剰の凝縮水をタンク外に排出させるためのドレイン部と、タンクおよびドレイン部のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、凝縮器において凝縮される凝縮水熱量を増加させる凍結抑制モードを実行する制御部とを具備する燃料電池システム。
[付記項2]アノードガスおよびカソードガスが供給されて発電するための燃料電池と、前記燃料電池の運転時において単数または複数の水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させるための少なくとも1個の凝縮器と、前記凝縮器において凝縮された凝縮水を溜めるためのタンクと、タンクが凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を高める凍結抑制モードを実行する制御部とを具備する燃料電池システム。
[付記項3]発電するための発電装置と、発電装置の運転時において単数または複数の水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させる凝縮器と、凝縮器で生成された凝縮水を溜めるタンクと、前記タンクに連通しタンクの余剰の凝縮水をタンク外に排出させるドレイン部と、タンクおよびドレイン部のうちの少なくとも一方が凍結するおそれがあるとき、凝縮器において凝縮される凝縮水熱量を高める凍結抑制モードを実行する制御部とを具備するコージェネシステム。
本発明は例えば定置用、車両用、電気機器用、電子機器用、携帯用、可搬用の燃料電池システムに適用できる。
図中、1はスタック(燃料電池)、10は冷却通路、2は主冷却通路(熱媒体通路)、30はタンク(凍結懸念部位)、32はドレイン部(凍結懸念部位)、32aは導出管、32bは中間部、32cはドレイン管、4は改質水供給系、41は水ポンプ、42は水精製器、5は制御部、50は温水通路、52はバイパスバルブ52(切替部)、6は筐体、60は収容室、62は外気取入口、63は第1温度センサ、65はドレイン温度センサ、67は温水温度センサ、7はアノードガス供給系、70は改質装置、70aは改質部、71は燃焼部、72は空気ポンプ(燃焼用空気供給系)、73は燃料ポンプ(燃焼用空気供給系)、76はアノードガス通路、77はCO低減部、78はCOシフト部、78はCO酸化部、80はカソードガス通路、81はポンプ(カソードガス搬送源)、82は加湿器、85はカソード入口バルブ(入口開閉部)、87はカソード出口バルブ、91はアノードオフガス通路、96はカソードオフガス通路、75はアノード入口バルブ、92はアノード出口バルブ、128は循環通路(熱媒体通路)、130は貯湯系、131は貯湯槽、132は貯湯通路(熱媒体通路)、133は第3ポンプを示す。
Claims (10)
- アノードガスおよびカソードガスが供給されて発電する燃料電池と、
前記燃料電池の運転時において水蒸気含有ガスを冷却させて凝縮水を生成させるための少なくとも1個の凝縮器と、
前記凝縮水で生成された凝縮水が供給されるように前記凝縮器に連通すると共に、凍結する可能性がある凍結懸念部位と、
前記凍結懸念部位が凍結するおそれがあるとき、あるいは、凍結しているとき、前記凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量および/または温度を高める凍結抑制モードを実行する制御部とを具備する燃料電池システム。 - 請求項1において、改質水を用いて燃料原料を改質反応により改質させて前記アノードガスを生成させる改質部と、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを燃焼し前記改質部を加熱する燃焼部と、前記燃料原料を前記改質部に供給する燃料原料供給系と、前記アノードオフガスを燃焼させる燃焼用空気を前記燃焼部に供給する燃焼用空気供給系と、前記燃料原料を改質させるための液相および/または気相状の改質水を前記改質部に供給する改質水供給系とを具備する燃料電池システム。
- 請求項2において、前記水蒸気含有ガスは、前記改質装置で生成されたアノードガスであり、前記凝縮器は、アノードガスを冷却させて凝縮水を生成させるアノードガス用凝縮器を備えており、
前記制御部は、前記凍結抑制モードにおいて、前記改質装置に供給される改質水の単位時間あたりの供給量を前記凍結抑制モードの実行前よりも高めることにより、前記アノードガス用凝縮器において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高める燃料電池システム。 - 請求項2または3において、前記水蒸気含有ガスは、前記改質装置の燃焼部から排出された燃焼排ガスであり、前記凝縮器は、燃焼排ガスを冷却させて凝縮水を生成させる燃焼排ガス用凝縮器を備えており、
前記制御部は、前記凍結抑制モードにおいて、前記燃焼部に供給される燃焼用空気の単位時間あたりの供給量を前記凍結抑制モードの実行前よりも減少させることにより、前記燃焼部から放出される燃焼排ガスの単位時間あたりの生成量を減少させ、燃焼排ガスがシステム外に持ち去る水分量を低下させ、前記燃焼排ガス用凝縮器において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高める燃料電池システム。 - 請求項1〜4のうちの一項において、前記水蒸気含有ガスは、前記燃料電池のカソードから排出されたカソードオフガスであり、前記凝縮器は、カソードオフガスを冷却させて凝縮水を生成させるカソードオフガス用凝縮器を備えており、
前記制御部は、前記燃料電池のカソードに供給されるカソードガスの単位時間当たりの供給量を前記凍結抑制モードの実行前よりも減少させることにより、カソードオフガスの単位時間あたりの生成量を減少させ、カソードオフガスがシステム外に持ち去る水分量を低下させ、前記カソードオフガス用凝縮器において凝縮される凝縮水の単位時間あたりの生成量を高める燃料電池システム。 - 請求項1〜5のうちの一項において、前記凝縮器を流れる水蒸気含有ガスと熱交換して凝縮水を前記凝縮器において生成させる熱媒体を流す熱媒体通路が設けられ、
前記制御部は、前記凍結抑制モードにおいて、前記熱媒体通路を流れる熱媒体の温度を前記凍結抑制モードの実行前よりも上昇または低下させることにより、前記凝縮器において凝縮される凝縮水の温度または生成量を高める燃料電池システム。 - 請求項6において、前記熱媒体通路を熱媒体が流れるように熱媒体を移動させる搬送源が設けられており、前記制御部は、前記凍結抑制モードにおいて、前記搬送源の単位時間あたりの出力を前記凍結抑制モードの前よりも低下または高めることにより、前記凝縮器において凝縮される凝縮水の温度または生成量を高める前記熱媒体通路を流れる熱媒体の温度を高める燃料電池システム。
- 請求項6において、前記熱媒体通路は切替部を有しており、前記切替部は、前記熱媒体通路を流れる熱媒体の温度を高める第1形態と、前記熱媒体通路を流れる熱媒体の温度を前記第1形態よりも低い温度に維持する第2形態とに切り替え可能であり、前記制御部は、前記凍結抑制モードにおいて前記切替部を前記第1形態に切り替える燃料電池システム。
- 請求項1〜8のうちの一項において、前記凍結抑制モードにおいて、前記制御部は、(i)前記凍結懸念部位の凍結可能性との相関性がある凍結基準温度が第1所定温度未満のときには、前記凝縮器において凝縮される凝縮水の温度を高め、(ii)前記凍結基準温度が前記第1所定温度以上のときには、前記凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量を高める燃料電池システム。
- 請求項1〜8のうちの一項において、前記制御部は、前記凍結抑制モードの初期において、前記凝縮器において凝縮される凝縮水の温度を高め、前記凍結抑制モードの初期以降において、前記凝縮器において凝縮される凝縮水の生成量を高める燃料電池システム。
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