JP2011027815A - 電気光学装置、および機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な耐久性能を確保した電気光学装置を提供すること。
【解決手段】表示装置100によれば、表示パネル18は、一対のガラス基板間に有機EL層を含む機能層を挟持した構成となっている。無機物であるガラスは、PETなどの樹脂よりも水分に対するバリア性が優れているため、高いバリア性を確保することができる。さらに、マグネットシート30上に、表示パネル18が重ねられてなる積層構造は、2枚の樹脂フィルム25a,25bによって表裏面からラミネートされている。つまり、マグネットシート30も、ラミネート構造体25内に入っているため、マグネットシート30の劣化を抑制することができる。従って、実使用に耐え得る信頼性を確保した表示装置100を提供することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた機器に関する。
自発光デバイスである有機EL(Electro Luminescence)表示装置は、バックライトなどの照明装置を必要とする液晶表示装置よりも薄型化が容易であるため、その薄さと、軽さとを利用した様々な用途が提案されている。
例えば、特許文献1には、白色光を発する有機ELパネルを面光源として、当該パネルの表面には広告などのメッセージが記載された透光性のパネルを貼り付け、裏面にはマグネットシートを備えた表示装置が開示されている。当該表示装置によれば、マグネットシートを自動車のボディーの側面などに貼り付けることにより、昼夜を問わず屋外での宣伝活動を行うことができるとしている。また、ボディー側面が曲面であっても、追従性良く着脱可能であるとしている。
当該表示装置は、表面(対向基板)がPETシートから構成された有機ELパネル全体を、さらに2枚の外装PETフィルムにより表裏面から挟み込んで、封止固着する構成となっていた。また、マグネットシートは、裏面の外装PETフィルムの外側に貼り付けられていた。
特開2004−151629号公報
しかしながら、従来の表示装置では、実際の使用に耐え得る信頼性を確保することが困難であるという課題があった。詳しくは、有機ELパネルに使用される発光層を含む有機薄膜層は、水分を嫌うため、十分な封止構造が必要であるが、樹脂フィルムを2枚重ねした程度の封止構造では不十分であり、有機薄膜層の劣化を防止することは困難であった。換言すれば、有機物からなる有機バリア層のみの封止構造では、水分の浸入を防ぐ十分なバリア性を確保することは難しかった。
また、マグネットシートが外部に露出しているため、当該シートも劣化してしまうという課題もあった。詳しくは、マグネットシートは、ゴムやエラストマーなどのバインダー樹脂に、磁性粉末を混ぜ合せて形成されているため、例えば、高磁力が得られる希土類金属を含む磁性粉末を用いていた場合、磁性粉末が錆びて、表面に露出してしまうことがあった。
また、マグネットシートは、外気にさらされた状態で着脱にともなう屈曲が繰り返されることになるため、バインダー樹脂が劣化し易く、亀裂が生じ易いという問題があった。亀裂が生じると、磁性粉末が表面に露出したり、飛散してしまうという問題もあった。このように、従来の表示装置では、十分な耐久性能を有していないという課題があった。
また、従来の表示装置で表示内容を変更するためには、変更の都度、広告などが記載された透光性のパネルを取り替える必要があり、使い勝手が良くないという課題もあった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例又は形態として実現することが可能である。
(適用例)
マグネットシートと、一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、マグネットシート上に、表示パネルが重ねられてなる積層構造を表示領域側の第1の面側、および第1の面と対向する第2の面側から覆い、ラミネートする樹脂フィルムと、を備えることを特徴とする電気光学装置。
この電気光学装置によれば、表示パネルは、一対のガラス基板間に電気光学層を挟持した構成となっている。無機物であるガラスは、PETなどの樹脂よりも水分に対するバリア性が優れているため、有機薄膜層などの電気光学層を一対のガラス基板間で挟持した構成とすることにより、表面の基板にPETシートを用いていた従来の有機ELパネルよりも、高いバリア性を確保することができる。
さらに、マグネットシート上に、表示パネルが重ねられてなる積層構造は、2枚の樹脂フィルムによって表裏面からラミネートされている。
これによれば、単品でも優れたバリア性を有する表示パネルを、さらに2枚の樹脂フィルムによって表裏面からラミネートする構造であるため、実使用に耐え得る十分なバリア性を確保することができる。
従って、十分な信頼性を確保した電気光学装置を提供することができる。
また、マグネットシートも、2枚の樹脂フィルムからなるラミネート構造内に入っているため、マグネットシートが外部に露出していた従来の表示装置よりも、当該シートの劣化を抑制することができる。
従って、十分な耐久性能を確保した電気光学装置を提供することができる。
さらに、表示パネルは、複数の画素が形成された表示領域を有しているため、表示内容の変更の都度、透光性のパネルを取り替える必要があった従来の表示装置と異なり、表示領域に供給する画像信号を変更するだけで表示内容を変更することができる。
従って、使い勝手の良い電気光学装置を提供することができる。
また、平面的にマグネットシートと略同じ大きさの磁性を有する板部材を、さらに有し、積層構造は、マグネットシートと、表示パネルとの間に板部材を挟持した構成であることが好ましい。
また、表示パネルには、一対のガラス基板のうち、いずれか一方のガラス基板の一辺が他方のガラス基板よりも張出した張出し領域が形成されてなり、張出し領域には、フレキシブル基板の一端が接続されており、フレキシブル基板の一端は、樹脂フィルムによって覆われるとともに、フレキシブル基板の他端は、一辺において、樹脂フィルムの外形からはみ出していることが好ましい。
マグネットシートと、一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、表示パネルの少なくともいずれか一辺の隣にマグネットシートを配置した構造体を表示領域側の第1の面側、および第1の面と対向する第2の面側から覆い、ラミネートする樹脂フィルムと、を備えることを特徴とする電気光学装置。
また、表示パネルには、一対のガラス基板のうち、いずれか一方のガラス基板の一辺が他方のガラス基板よりも張出した張出し領域が形成されてなり、マグネットシートは、表示パネルの張出し領域を除いた三辺のうちの、少なくともいずれか一辺の隣に配置されていることが好ましい。
また、張出し領域には、フレキシブル基板の一端が接続されており、フレキシブル基板の一端は、樹脂フィルムによって覆われるとともに、フレキシブル基板の他端は、一辺において、樹脂フィルムの外形からはみ出していることが好ましい。
また、マグネットシートは、磁性粉末を含有したシート状のバインダー樹脂からなり、樹脂フィルムは、ポリエチレン系共重合材料から構成され、表示パネルの一対のガラス基板は、それぞれの厚さが100μm以下に設定されていることが好ましい。
また、バインダー樹脂は、ポリエチレン系共重合材料であることが好ましい。
また、電気光学層は、有機発光層を含む有機EL層であることが好ましい。
また、ラミネートされた樹脂フィルムには、その周縁部から平面的に張出した取っ手部が形成されていることが好ましい。
上記記載の電気光学装置と、電気光学装置に画像信号と、電力とを少なくとも供給するコントローラーとを備えることを特徴とする機器。
実施形態1に係る表示装置の一態様を示す斜視図。 図1のf−f断面における表示装置の側断面図。 図2におけるd部の拡大図。 (a)〜(c)マグネットシートの着磁態様を示す図。 表示装置の製造方法の流れを示すフローチャート図。 (a)、(b)各工程における製造態様を示す図。 実施形態2に係る表示装置の側断面図。 (a)実施形態3に係る表示装置の平面図、(b)(a)のi−i断面における側断面図、(c)(a)のj−j断面における側断面図。 (a)〜(c)異なる配置態様における表示装置の平面図。 (a)機器としての電気冷蔵庫を示す斜視図、(b)機器としてのホワイトボードを示す平面図。 (a)変形例1に係る表示装置の平面図、(b)(a)のk−k断面における側断面図。 変形例2に係る表示パネルの側断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならしめてある。
(実施形態1)
「表示装置の概要」
図1は、本実施形態に係る表示装置の一態様を示す斜視図である。図2は、図1のf−f断面における表示装置の側断面図である。
まず、本発明の実施形態1に係る電気光学装置としての表示装置100の概要について説明する。
表示装置100は、薄型の有機ELパネルである表示パネル18を備えたフレキシブルな有機EL表示装置である。また、表示パネル18の裏面に、マグネットシート30を備えているため、ホワイトボードの盤面など、磁性を有する板状部材に貼り付けて使用することができる。詳しくは、マグネットシート30上に、表示パネル18を重ねた積層構造を2枚の樹脂フィルム25a,25bによりラミネートした構造の有機EL表示装置である。なお、以下の説明において、当該積層構造をラミネートした状態の構造体のことをラミネート構造体25という。
表示パネル18は、マトリックス状に配置された複数の画素からなる表示領域Vを備えている。また、柔軟性を確保するためにその総厚が100μm以下に設定されている。表示領域Vには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色画素が周期的に配置されており、各画素が出射する表示光によりフルカラーの画像が表示される。なお、カラー表示を行う表示パネルに限定するものではなく、モノクロ表示を行う表示パネルであっても良い。表示領域Vは、縦長の長方形をなしており、図1を含む各図においては、当該縦方向をY軸方向とし、縦方向よりも短い横方向をX軸方向と定義している。また、表示パネル18の厚さ方向をZ軸方向としている。また、表示領域V側の面を第1の面としての表面、その反対側の面を第2の面としての裏面という。
表示パネル18の外形は、後述する張出し領域1e分、X軸方向の幅の割合が広くなるが、表示領域Vを一回り大きくした縦長の長方形となっている。そして、ラミネート構造体25も、縦長の長方形をなしており、その大きさは、表示パネル18の外周を覆うサイズとなっている。
図2に示すように、マグネットシート30は、表示パネル18と略同じ大きさに形成されている。換言すれば、平面的なマグネットシート30のサイズは、表示パネル18と略同じに設定されている。
また、詳しくは後述するが、表示パネル18や、マグネットシート30などの材質や、厚さが最適化されているため、十分なバリア性と、ホワイトボードの盤面などに貼り付ける際に適度に曲がることが可能な柔軟性とを実現している。
また、表示パネル18は、素子基板1と、CF(カラーフィルター)基板16とから構成されており、その一端には、素子基板1の一辺がCF基板16から張出した張出し領域1eが形成されている。
張出し領域1eには、フレキシブル基板20が接続されている。なお、フレキシブル基板とは、例えば、ポリイミドフィルムの基材に鉄箔の配線などが形成された柔軟性を有するフレキシブルプリント回路基板の略称である。また、フレキシブル基板20には、駆動用IC(Integrated Circuit)21が実装され、その端部には、専用のコントローラーや、外部機器(いずれも図示せず)と接続するための複数の端子が形成されている。
表示装置100は、フレキシブル基板20を介して、外部機器から電力や画像信号を含む制御信号の供給を受けることにより、表示領域Vに画像や文字などを表示する。
「表示パネルの詳細な構成」
図3は、図2の表示パネル18におけるd部の拡大図である。
続いて、表示パネル18の詳細な構成について説明する。
表示パネル18は、素子基板1、素子層2、平坦化層4、画素電極6、隔壁7、電気光学層としての有機EL層8、共通電極9、電極保護層10、緩衝層11、ガスバリア層12、充填剤13、CF層14、CF基板16などから構成されている。また、素子基板1とCF基板16とに挟持された部位のことを機能層17という。換言すれば、素子層2からCF層14までの積層構造を機能層17という。
素子基板1は、透明な無機ガラスから構成されている。本実施形態では、好適例として、無アルカリガラスを用いている。
素子層2には、各画素をアクティブ駆動するための画素回路が形成されている。画素回路には、TFT(Thin Film Transistor)からなる画素を選択するための選択トランジスターや、有機EL層8に電流を流すための駆動トランジスター3などが含まれており、画素ごとに対応して形成されている。なお、画素回路は、好適例として、活性層に低温ポリシリコンを用いているが、アモルファスシリコンを活性層として用いた構成であっても良い。
素子層2の上層(Z軸(−)方向)には、例えば、アクリル樹脂などからなる絶縁層である平坦化層4が形成されている。
平坦化層4の上層には、画素ごとに区画されて、反射層5と、画素電極6とがこの順番で積層されている。反射層5は、例えば、アルミニウムなどからなる反射層であり、有機EL層8から素子基板1側に向かう光を反射して、表示に寄与する光にする。
画素電極6は、ITO(Indium Tin Oxide)や、ZnOなどの透明電極から構成されており、画素ごとに素子層2の駆動トランジスター3のドレイン端子と平坦化層4を貫通するコンタクトホールにより接続されている。
隔壁7は、光硬化性の黒色樹脂などから構成され、平面的に各画素を格子状に区画している。なお、素子層2における駆動トランジスター3を含む画素回路は、光による誤動作を防止するために、平面的に隔壁と重なるように配置されている。
有機EL層8は、画素電極6、および隔壁7を覆って形成されている。また、図3においては一層の構成となっているが、実際は、それぞれが有機物の薄膜からなる正孔輸送層、発光層、電子注入層などから構成されており、画素電極6上にこの順番に積層されている。正孔輸送層は、芳香族ジアミン(TPAB2Me−TPD,α−NPD)などの昇華性の材料から構成されている。発光層は、赤、緑、青の3色を組み合わせて形成される白色光を放射する多層からなる有機発光材料薄膜から構成されている。電子注入層は、LiF(フッ化リチウム)などから構成されている。
共通電極9は、MgAgなどの金属を、光を透過するようにごく薄く成膜した金属薄膜層である。さらに、抵抗を下げるため、ZnOなどの金属酸化物やTiNなどの金属窒化物層など透明導電膜を積層しても良い。
電極保護層10は、SiO2や、Si34、SiOxNyなどの透明で、かつ、高密度により水分を遮断する機能を有する材質から構成されている。
緩衝層11は、熱硬化性のエポキシ樹脂などの透明な有機緩衝層である。
ガスバリア層12は、SiO2や、Si34、SiOxNyなどの透明で、かつ、高密度により水分を遮断する機能を有する封止層であり、有機EL層8への水分の浸入を防止する機能を担う。
充填剤13は、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂などからなる透明な接着層であり、ガスバリア層12とCF層14との間の凹凸面に充填されるとともに、両者を接着する。また、外部から、有機EL層8への水分の浸入を防ぐ機能も果たす。
CF基板16は、素子基板1と同様な無機ガラスから構成されており、有機EL層8側(Z軸(+)側)には、CF層14が形成されている。
CF層14には、赤色カラーフィルター14r、緑色カラーフィルター14g、青色カラーフィルター14bが画素配置と同様に配置されている。詳しくは、各色のカラーフィルターは、それぞれが対応する画素電極6と重なるように配置されており、各カラーフィルター間には、ハッチングで示した遮光部が形成されている。遮光部は、平面的に隔壁7と重なるように格子状に形成されており、光学的には、ブラックマトリックスの機能を果たす。
そして、CF基板16と素子基板1とは、CF基板16の周縁部に形成されたシール剤15によって接着および封止されている。シール剤15としては、エポキシ系の接着剤や、紫外線硬化樹脂などを用いる。
このように構成された各画素からは、カラーフィルターの色調に対応した表示光が出射される。例えば、赤色画素の場合、有機EL層8で放射された白色光は、赤色カラーフィルター14rによって赤色光が選択されて、赤色の表示光としてCF基板16から出射される。また、緑色、青色の画素においても同様である。
これにより、表示領域Vでは、CF基板16から出射される複数のカラー画素からの表示光によりフルカラーの画像が表示されることになる。
なお、表示パネル18の構成は、トップエミッション型に限定するものではなく、2枚のガラス基板間に、電気光学層を挟持した構成であれば良い。例えば、有機EL層8が発する光を素子基板1側から出射するボトムエミッション型の有機EL表示装置であっても良い。また、無機ELを光源として備えた無機EL表示装置であっても良い。
また、図2で説明したように、素子基板1の一辺がCF基板16から張出した張出し領域1eには、フレキシブル基板20が接続されている。フレキシブル基板20は、素子基板1に形成された透明電極との間で、異方性導電接着フィルムなどにより、電気的な接続が取られている。
ここで、異方性導電接着フィルムによる接続だけでは、機械的強度が不足しているため、従来は、フレキシブル基板20の接続部を覆ってシリコン樹脂(接着剤)などでモールドし、補強していたが、剥離し易いという問題があった。
本実施形態では、この補強構造の替わりに、樹脂フィルム25a,25bを接着剤(充填剤)として機能させることによって、十分な実用強度と柔軟性とを確保している。なお、樹脂フィルムの接着方法(ラミネート方法)については、後述する。
「マグネットシートの材質、および磁力について」
図2に戻る。
続いて、マグネットシート30の材質、および必要とされる磁力について説明する。
マグネットシート30には、貼り付け時に表示装置100全体を支えることが可能な磁力と、表示パネル18が発する熱を吸収および放熱する放熱性と、柔軟性などの機能が必要となる。
本実施形態では、磁性粉末を配合した熱可塑性樹脂を加熱成形して形成されたシート部材をマグネットシート30に用いている。換言すれば、バインダーとしての熱可塑性樹脂に磁石粉末を添加し、押出し成形により形成したシート状のボンド磁石を所定のサイズに裁断して、マグネットシート30としている。
好適例として、熱可塑性樹脂には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いている。また、磁性粉末は、優れた磁気特性を有するNd−Fe−B系や、Sm−Co系、またはSm−Fe−N系などの希土類金属を含む希土類系磁性粉末を用いている。
図4(a)〜(c)は、マグネットシートの着磁態様を示す図である。
本実施形態では、好適例として、図4(a)に示すように、マグネットシート30に片面多極着磁を施している。なお、図4の各図は、図2からマグネットシート30のみを抜粋したマグネットシートの側断面図である。
片面多極着磁とは、マグネットシート30の片方の面に対して磁力を印加して着磁する方法であり、図4(a)の場合、マグネットシート30の裏面において、X軸方向にN極/S極が交互に現れるように着磁されている。
また、磁性粉末の結晶におけるN極/S極の配向方向は、Z軸方向に略揃った状態となっている。換言すれば、磁性粉末の結晶配列が異方性を有している。
なお、上記構成に限定するものではなく、後述する厚さにおいて、所期の磁力が得られる構成であれば良い。例えば、熱可塑性樹脂としては、オレフィン系、ポリアミド系、ナイロン系、スチレン系などの熱可塑性エラストマーを用いることであっても良い。または、バインダーとしてゴムを用いることであっても良い。この場合、磁性粉末を添加したゴムを加硫硬化などして、シート状のボンド磁石を形成する。
また、磁性粉末としては、合金磁石や、フェライト磁石などの磁性粉末を用いることであっても良い。
また、着磁態様についても、図4(b)に示すように、マグネットシート30の表裏両面にそれぞれ着磁した両面多極着磁であっても良い。詳しくは、マグネットシート30の表面においてX軸方向にN極/S極が交互に現れるように着磁されるとともに、裏面においてはX軸方向にS極/N極が交互に配置され、表裏で重なる部分がS極/N極で対となるように着磁されている。また、図4(c)に示すように、マグネットシート30の表面全体がN極、裏面全体がS極となるように着磁した両面着磁であっても良い。
マグネットシート30の磁力については、表示装置100の重量や、面積、曲げ剛性などを鑑みて設定する。換言すれば、表示装置100の重量、面積、曲げ剛性などを鑑みて、マグネットシート30のサイズや、使用する磁性粉末の種類、添加量などを適宜設定する。また、マグネットシート30と被着体との距離となる樹脂フィルムの厚さも考慮する必要がある。
本実施形態では、好適例として、マグネットシート30の磁力が、表示装置100の重量の約50倍の範囲内の吸引力となるように設定している。これは、表示装置100を会社内(室内環境)において、例えば、図10(b)のホワイトボードに貼り付けたり、金属性のファイルキャビネットに貼り付けたりというように、かなりの頻度で着脱する用途で用いることを想定しているからである。
なお、上記構成に限定するものではなく、表示装置100の用途における要求仕様に応じて、表示装置100の重量の30〜300倍の範囲内の吸引力となるように設定すれば良い。
つまり、マグネットシート30に求められる磁力(吸引力)は、着脱のし易さを重視するか、外れ(取れ)難さを重視するかといった、表示装置100の用途によって異なるため、当該用途における要求仕様に応じて、30〜300倍の範囲内で適宜定めれば良い。
「樹脂フィルムの材質について」
図2に戻る。
ここでは、ラミネート構造体25を構成する2枚の樹脂フィルム25a,25bの材質について説明する。
マグネットシート30上に、表示パネル18を重ねた積層構造を表裏面から覆い、ラミネートする樹脂フィルム25a,25bには、ガラス基板およびマグネットシート30との接着性、柔軟性、透明性(光取り出し性)、フレキシブル基板20のモールド性(絶縁性と耐熱性)、および内部への水分侵入を防ぐ耐水性などの機能が必要となる。
これらの機能を満たすため、樹脂フィルム25a,25bの材料としては、耐水性(低吸水率)や絶縁性、柔軟性、透明性、低温溶着性を有するポリエチレンをベースとした樹脂が好ましい。また、接着性を向上させるため一部極性基を持たせた共重合体であることがより好ましい。
本実施形態では、好適例として、ポリエチレン系共重合体の一種であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を樹脂フィルム25a,25bの材料に採用している。
なお、EVAに限定するものではなく、同様な機能を有するポリエチレン系共重合体であれば良い。
例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、エチレン−メタクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、エチレン−メタクリル酸アルコキシエチル共重合体、エチレン−メタクリル酸アミノエチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ヒドロキシグリシジル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸アルキル共重合のうち、いずれかを用いることが好ましい。または、これらを2つ以上組み合わせた共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体などはガラスとCFRP双方の接着性に優れた共重合体である)、または混合物を用いることであっても良い。
また、耐熱性を高めるためにエポキシ化合物やイソシアネート化合物、ポリエチレンイミンなどのアミン化合物などの硬化成分を架橋剤として含んでいても良い。なお、エチレン共重合体の中でも、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)やエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などエステル化されていないカルボキシル基を有する材料を用いる場合には、低温溶着性や接着性に優れるもののフレキシブル基板20の鉄配線などを腐食する可能性があるため、エポキシ系硬化剤などの架橋成分と組み合わせて熱により架橋させ、アクリル酸が残留しないようにすることが好ましい。
「各部の厚さについて」
ここでは、表示装置100がフレキシブル性と、バリア性(封止構造)と、着脱性とを兼ね備えるために必要な各部の最適な厚さについて説明する。
まず、マグネットシート30の厚さについて説明する。
本実施形態では、好適例として、マグネットシート30の厚さを約100μmとしている。なお、これに限定するものではなく、表示装置100の用途における要求仕様に応じて、厚さと磁力のバランスを考慮して、その厚さを50〜350μmの範囲内で適宜設定すれば良い。
図3に戻る。
続いて、表示パネル18の厚さについて説明する。表示パネル18は、フレキシブル性に耐えられる接着強度を得るため、基板間に中空構造を持たない全固体物質で充填されている。
図3では、各構成部位の積層関係を明確にするために、特に、機能層17における縮尺を他の部位よりも拡大しているが、実際は、機能層17の部分が最も薄く構成されることになる。機能層17の厚さは、数μm〜20μm程度の厚さである。このうち、緩衝層11が半分以上の厚さを占めている。ちなみに、厚さがnmオーダーの複数の薄膜からなる有機EL層8の厚さは1μmに満たない。
本実施形態では、好適例として、素子基板1およびCF基板16の厚さをそれぞれ約40μmとしている。また、表示パネル18の総厚は、好適例として約90μmとしている。発明者等の実験結果によれば、有機ELパネルの信頼性を確保するためには、ガスバリア層12などの封止構造に加えて、素子基板1およびCF基板16の厚さが約10μm以上必要であることが解っている。換言すれば、素子基板1およびCF基板16の厚さを各々約10μm以上に設定することによって、フレキシブル性に耐えられるだけの衝撃強度と、十分な防湿性を確保することが可能となる。
他方、素子基板1、およびCF基板16の厚さが約100μm以上となると、柔軟性が損なわれて来ることも解っている。
このため、素子基板1、およびCF基板16の厚さは、それぞれ10〜100μmの範囲内に設定することが好ましい。また、強度と柔軟性とのバランスを考慮すると、20〜80μmの範囲内とすることがより好ましい。
さらに、素子基板1とCF基板16とを重ね合せた表示パネル18の総厚は、強度と柔軟性とのバランスを考慮して、50〜120μmの範囲内に設定することが好ましい。
なお、素子基板1、およびCF基板16は、それぞれが初期段階で0.3〜0.7mm程度の厚さであったものを研磨、またはエッチングして薄くしたものである。好適には、表裏のガラス基板が厚い状態の表示パネルを製造した後、フッ酸(フッ化水素酸)を溶解したエッチング溶液(水溶液)として用いたエッチングにより、所期の厚さの表示パネル18を製造する。なお、この方法に限定するものではなく、所期の厚さの表示パネル18を形成可能な方法であれば良く、例えば、機械的研磨法を用いることであっても良い。
図2に戻る。
次に、ラミネート構造体25を構成する樹脂フィルム25a,25bの厚さについて説明する。
本実施形態では、好適例として、厚さが約50μmのEVAフィルムを樹脂フィルム25a,25bに用いている。発明者等の実験結果によれば、マグネットシート30、および表示パネル18の周縁部における隙間を含む段差の被覆性(充填性)を満たすためには、約20μm以上の厚さが必要となることが解っている。
この被覆性と、表示装置100としての総厚とのバランスを考慮すると20〜100μmの範囲内であることが好ましい。また、樹脂フィルムのコストや、ラミネートのし易さ(作業性)を加味すると、40〜80μmの範囲内であることが好ましい。
また、上述した好適例による厚さの各部を積層して形成される表示装置100の総厚は、約290μmとなる。
なお、上記好適例の寸法は、発明者等が実験結果や、物性データなどから創意工夫の末に導出した好適事例の一つであり、これに限定するものではなく、上述した各部の推奨寸法範囲内において、用途に応じた寸法設定をすることができる。
「表示装置の製造方法」
図5は、表示装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。図6(a)、(b)は、各工程における製造態様を示す図である。
ここでは、表示装置100の製造方法について、図5のフローチャートに沿って詳細に説明する。
ステップS1では、図6(a)に示すように、各部材を重ね合わせた状態(準備体)とし、ラミネート装置にセットする。詳しくは、樹脂フィルム25b上に、マグネットシート30と、表示パネル18と、樹脂フィルム25aとを、この順番で重ね合わせる。なお、図6(a)では省略しているが、各部材の重ね合わせは専用の案内板を用いて行われ、平面的な位置合わせもなされている。この工程は、好適例としては、通常環境下で行うが、後述の減圧環境下で行っても良い。なお、樹脂フィルム25a,25bの内面(表示パネル18側の面)に、あらかじめ透明な接着剤を塗布しておいても良い。接着剤としては、例えば、エポキシ系、ウレタン系、ナイロン系などの熱硬化型接着剤や、SBR系、クロロプレン系、ニトリルゴム系などのゴム柔接着剤、またはアクリル系、合成ゴム系の感圧性接着剤などを用いることができる。
そして、準備体をラミネート装置にセットする。なお、図6(a)では、ラミネート装置の加圧ローラー81,82のみを図示している。
ステップS2では、ラミネート装置および準備体が設置された環境を減圧し、減圧環境とする。なお、ラミネート装置は、内部環境を所望の気圧環境に設定可能なチャンバー装置(室)内に設置してある。この工程によって、準備体内部の空気(気泡)が除去(脱泡)される。
また、平行して、加圧ローラー81,82の加熱が行われ、伝熱性のあるエラストマーから構成されたローラー面が80〜120℃の温度に熱せられる。
ステップS3では、図6(a)の矢印で示すように、準備体におけるフレキシブル基板20の反対側の一辺から、一対の加圧ローラー81,82の間に準備体が挿入されて、ラミネートが行われる。加圧ローラー81,82に挟持された部分では、ローラーの熱によって樹脂フィルム25a,25bが溶解し、さらに加圧されて相互に接着される。また、溶解した当該樹脂フィルムは、接着剤(充填剤)として機能し、マグネットシート30、表示パネル18、およびフレキシブル基板20を覆って接着する。換言すれば、被着面が溶解した樹脂フィルムは、各部を一体にラミネートする。
また、準備体の一辺から他端に向かってラミネートが行われるため、各部材に気泡(空気)が残っていたとしても、気泡は、ラミネート順に沿って他端側に押し出されることになる。そして、図6(b)に示すように、ラミネートされた表示装置100が加圧ローラー81,82間から押し出されてラミネートが完了する。
ステップS4では、ラミネートされた表示装置100における残留応力を取り除くためにアニーリング処理を行う。アニーリング処理は、引き続き減圧環境で行っても良いし、通常環境下で行っても良い。特に、樹脂フィルム25a,25bが架橋成分を含む場合には、約100℃でアニーリング処理し、架橋を完全なものとすることが好ましい。
なお、ラミネート装置は、一対の加圧ローラー81,82を備えたロールラミネート方式に限定するものではなく、準備体を表示装置100の完成状態にラミネート可能な装置であれば良い。例えば、1枚の板状加熱板(ホットプレート)上に準備体をセットし、変形するゴムシートを気圧差により当該準備体に押し当てて、加熱および加圧するダイアフラム方式による真空ラミネート装置を用いても良い。
上述した通り、本実施形態に係る表示装置100、および製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
表示装置100によれば、表示パネル18は、一対のガラス基板間に有機EL層を含む機能層を挟持した構成となっている。無機物であるガラスは、PETなどの樹脂よりも水分に対するバリア性が優れているため、表面の基板にPETシートを用いていた従来の有機ELパネルよりも、高いバリア性を確保することができる。
さらに、マグネットシート30上に、表示パネル18が重ねられてなる積層構造は、2枚の樹脂フィルム25a,25bによって表裏面からラミネートされている。
これによれば、単品でも優れたバリア性を有する表示パネル18を、さらに2枚の樹脂フィルム25a,25bによって表裏面からラミネートする構造であるため、実使用に耐え得る十分なバリア性を確保することができる。換言すれば、一対のガラス基板による封止構造を備えた表示パネル18を、さらに2枚の樹脂フィルムによってラミネートした封止構造によれば、有機EL層を含む機能層への水分の浸入を確実に防止することができる。
また、マグネットシート30も、ラミネート構造体25内に入っているため、マグネットシートが外部に露出していた従来の表示装置よりも、マグネットシート30の劣化を抑制することができる。
さらに、バリア性が確保されたラミネート構造体25内にマグネットシート30を収める構成としているため、水分による発錆を懸念することなく、磁力の強い希土類金属を含む希土類系磁性粉末を用いることができる。また、希土類系磁性粉末を採用したことに加えて、磁性粉末の結晶配列が異方性を有しているため、薄くても十分な磁力を得ることができる。
他方、マグネットシート30の裏面のみに着磁する片面多極着磁としているため、表面側の表示パネル18に対する磁界の影響を抑制することができる。
また、マグネットシート30のバインダーはEVAであるが、樹脂よりも熱伝導率が高い希土類金属を含む磁性粉末を含有しているため、マグネットシート30の熱伝導率は、EVAからなる樹脂フィルムよりも、高くなっている。
よって、画像表示時に表示パネル18が発する熱を効率良く吸収することができる。また、一般的な使用時において、表示装置100は、金属板などの被着体に貼り付いた状態で用いられるため、吸収した熱を薄い樹脂フィルムを介して、効率良く被着体に放熱することができる。
従って、十分な放熱性を確保することができる。そして、過度の発熱による表示パネル18の劣化を防止することができ、表示装置100の信頼性を高めることができる。
従って、実使用に耐え得る信頼性を確保した表示装置100を提供することができる。換言すれば、実使用において必要な耐久性能を確保した表示装置100を提供することができる。
さらに、表示パネル18は、複数の画素が形成された表示領域Vを有しているため、表示内容の変更の都度、透光性のパネルを取り替える必要があった従来の表示装置と異なり、表示領域Vに供給する画像信号を変更するだけで表示内容を変更することができる。
従って、使い勝手の良い表示装置100を提供することができる。
また、好適例における総厚が約290μmと薄く形成されているため、表示装置100は十分なフレキシブル性を有している。
また、表示パネル18のガラス基板に曲げ力が加わった場合、その周縁部から亀裂が生じるが、略同じサイズのマグネットシート30によって補強(支持)されていることに加えて、樹脂フィルムによって周縁部がラミネートされているため、表示パネル18の曲げ耐性(限界)を高めることができる。換言すれば、表示パネル18がマグネットシート30によって裏打ちされ、さらに樹脂フィルムによって周縁部がラミネートされているため、クラックの発生を抑制することができる。
そして、前述したように、マグネットシート30は薄くても十分な磁力を有しているため、所望の被着体に対して、着脱が容易で、かつ、十分な吸着力を備えた表示装置100を提供することができる。
従って、フレキシブル性と、実用強度(強靭さ)とを兼ね備え、使い勝手が良く、かつ、信頼性の高い表示装置100を提供することができる。
また、フレキシブル基板20の接続部を覆ってシリコン樹脂(接着剤)などでモールドし、補強していた従来の補強構成と異なり、樹脂フィルム25a,25bによるラミネートによって、当該補強構成を兼ねているため、製造効率が良い。また、当該接続部、および表示パネル18を含めて同一の樹脂によって接着(充填)されるため、柔軟性を損なわずに、十分な実用強度(強靭さ)を確保することができる。
さらに、樹脂フィルム25a,25bに用いられるポリエチレン系接着層は、絶縁性、耐水性、耐熱性に優れるため、十分な電気的信頼性を確保することができる。
また、製造方法においては、ポリエチレン系接着層は、アクリル系粘着層に見られるような室温での初期粘着性がほとんど無いため、気泡が抜けやすいだけでなく、あらかじめ積み重ねた準備体の状態での位置合わせも容易にできる。そのため、減圧雰囲気において、1回の熱ラミネートで多層構造が形成できるため製造効率が良い。また、量産性に優れている。
特に、マグネットシート30のバインダーとして、樹脂フィルムと同じEVAを用いているため、マグネットシートと樹脂フィルムとの融合が良好に行われ、両者を略一体化することができる。
さらに、ポリエチレン系接着層は室温での初期粘着がほとんど無いため、異物の貼りつきが少なく、また、異物が付いても除去が容易である。また、異物があった場合でも、加熱により軟化した際に、小さな異物であれば接着層内に埋め込まれるため、一般に用いられるアクリル系粘着層よりも異物混入による不良を抑えることができる。また、ポリエチレン系樹脂は汎用樹脂であるため、部材コストを抑えることができる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る表示装置の斜視図であり、図2に対応している。
以下、本発明の実施形態2に係る表示装置110について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示装置110は、実施形態1の表示装置100にヨーク35を加えた構成となっている。詳しくは、マグネットシート30と表示パネル18の間に、板部材としてのヨーク35が挟持されている。それ以外は、実施形態1での説明と略同様である。
図7に示すように、表示装置110は、マグネットシート30上に、ヨーク35と表示パネル18とを重ねた積層構造を2枚の樹脂フィルム25a,25bによりラミネートした構造となっている。
ヨーク35は、継鉄であり、鉄やニッケルなどの透磁率が高い薄板から構成されている。本実施形態では、好適例として、ヨーク35として厚さが約15μmのスチール箔を用いている。詳しくは、大判のマグネットシート30の一面に当該スチール箔を貼り付けた後、それを表示パネル18と略同じ大きさに切断した部材を用いている。換言すれば、マグネットシート30とヨーク35とをあらかじめ一体化した部材として形成し、それを用いている。
なお、ヨーク35の材質は、鉄やニッケルに限定するものではなく、飽和磁束密度が高い材質であれば良い。例えば、PBパーマロイ(Ni-Fe)や、PCパーマロイ(Ni-Mo,Cu-Fe)などの合金を用いることであっても良い。また、これらの金属や、合金の線材を編み込んで織物(織布)状態としたものをヨーク35として用いても良い。また、厚さについても、上記厚さに限定するものではなく、表示装置110の用途における要求仕様に応じて、その厚さを10〜200μmの範囲内で適宜設定すれば良い。
上述した通り、本実施形態によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示装置110によれば、マグネットシート30と表示パネル18の間に、ヨーク35が配置されているため、表示パネル18側の磁束をヨーク35に閉じ込めることができる。換言すれば、ヨーク35によって、表示パネル18側における磁束のリターンパスが形成される。
仮に、マグネットシート30から表示パネル18側への漏れ磁束が発生していた場合、その磁束の強さにもよるが、磁性を帯びた埃や塵が表示パネルに付着してしまったり、磁気カードの磁気データを壊してしまうという問題があった。
表示装置110によれば、ヨーク35の作用によって、表示パネル18側への漏れ磁束を抑制することができるため、埃などの付着や、磁気カードの磁気データの破壊といった、漏れ磁束に起因する弊害を低減することができる。
従って、電磁妨害(EMI:Electro Magnetic Interference)を抑制した使い勝手の良い表示装置110を提供することができる。
また、金属、または合金からヨーク35を構成した場合、ヨーク35の熱伝導率は、マグネットシート30、および樹脂フィルム25a,25bよりも高い。
よって、画像表示時に表示パネル18が発する熱を効率良く吸収することができる。また、一般的な使用時において、表示装置110は、金属板などの被着体に貼り付いた状態で用いられるため、吸収した熱をマグネットシート30、および薄い樹脂フィルムを介して、効率良く被着体に放熱することができる。
よって、十分な放熱性を確保することができる。そして、過度の発熱による表示パネル18の劣化を防止することができ、表示装置110の信頼性を高めることができる。
従って、実使用に耐え得る信頼性を確保した表示装置110を提供することができる。
また、好適例では、ヨーク35として薄く、かつ、フレキシブルなスチール箔を用いているため、表示装置100と略同様な厚さと柔軟性とを確保できている。
さらに、大判のマグネットシート30の一面に当該スチール箔を貼り付けた後、それを表示パネル18と略同じ大きさに切断した部材をヨーク35として用いているため、表示装置100と同様な製造方法で製造することができる。また、製造コストも抑制することができる。
従って、製造効率に優れた表示装置110を提供することができる。
(実施形態3)
図8(a)は実施形態3に係る表示装置の平面図であり、(b)は(a)のi−i断面における要部の側断面図、(c)は(a)のj−j断面における側断面図である。
以下、本発明の実施形態3に係る表示装置120について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示装置120は、実施形態1の表示装置100とはマグネットシートの配置を異ならせている。詳しくは、表示パネル18の背面ではなく、表示パネル18の隣にマグネットシート31を配置している。それ以外は、実施形態1での説明と略同様である。
図8(a)に示すように、表示装置120では、表示パネル18の平面的な周縁部にマグネットシート31を配置している。詳しくは、表示パネル18のY軸(+)側の上方(上隣)には、マグネットシート31aが配置され、X軸(+)側の右方(右隣)には、マグネットシート31bが配置されている。同様に、Y軸(−)側の下方(下隣)には、マグネットシート31cが配置され、X軸(−)側の左方(左隣)には、マグネットシート31d,31eが配置されている。換言すれば、表示パネル18の上辺に沿ってマグネットシート31aが配置され、右辺に沿ってマグネットシート31bが配置され、下辺に沿ってマグネットシート31cが配置され、左辺に沿ってマグネットシート31d,31eが配置されている。
なお、マグネットシート31a〜31eの総称をマグネットシート31としている。
マグネットシート31a〜31cは、それぞれが平面的に長方形をなしており、その長辺方向の長さは対応する辺の長さと略同じに形成されている。
マグネットシート31e,31dは、それぞれが平面的に長方形をなしており、張出し領域1eに沿って、フレキシブル基板20を跨いで(避けて)配置されている。換言すれば、Y軸方向におけるフレキシブル基板20の両側には、マグネットシート31dとマグネットシート31eとが配置されている。
このように、表示パネル18の周縁部にマグネットシート31を配置した構成となっているため、ラミネート構造体25の平面的なサイズは、実施形態1の表示装置100よりも一回り大きくなっている。
本実施形態では、好適例として、マグネットシート31の幅(短辺長さ)を約5mmとしている。なお、上記寸法に限定するものではなく、表示装置120のサイズや、重さ、用途などに応じて、その幅を約2mm以上で適宜設定すれば良い。
また、好適例におけるマグネットシート31bの厚さを約100μmとしている。なお、この寸法に限定するものではなく、表示パネル18の厚さと略同じか、少し厚く設定すれば良い。
図8(b)には、表示パネル18の右辺に沿って配置されたマグネットシート31bが樹脂フィルム25a,25bによって、ラミネートされた状態が示されている。
ここで、好適例における表示パネル18の厚さが約90μmで、マグネットシート31bの厚さが約100μmと薄く形成されているため、当該マグネットシートのX軸(+)側の端部は、溶融した樹脂フィルム25a,25bによって略充填された状態となっている。換言すれば、マグネットシート31bのX軸(+)側の端部には、隙間が殆どない状態となっている。また、図8(c)に示すように、マグネットシート31eのX軸(−)側の端部にも、隙間が殆どない状態となっている。
また、その他のマグネットシート31における端部でも同様である。
図9(a)〜(c)は、異なる態様の表示装置の平面図であり、図8(a)に対応している。マグネットシート31の配置態様は、図8(a)の配置態様に限定するものではなく、図9(a)〜(c)の配置態様であっても良い。
図8(a)では、表示パネル18の4辺それぞれに対応してマグネットシート31を配置していたが、表示装置120のサイズや、重さ、用途などに応じて、マグネットシート31の配置態様を変更しても良い。
例えば、風雨に晒される恐れのある屋外用途には、4辺全てにマグネットシート31が配置され、自動車のボディーなどの被着面への吸着力に優れた図8(a)の表示装置120が適しているが、オフィスなどの一定の安定した環境化で使われる屋内用途では、マグネットシート31の配置が図9(a)〜(c)の配置態様であっても良い。
詳しくは、図9(a)の表示装置121では、表示装置120と比べて、表示パネル18の左辺に沿ったマグネットシートが省略されている。
また、図9(b)の表示装置122では、表示パネル18の左右の辺に沿ったマグネットシートが省略されている。換言すれば、表示パネル18の上下の辺に沿ったマグネットシート31a,31cのみを備えている。
また、図9(c)の表示装置123では、表示パネル18の左右の辺、および下辺に沿ったマグネットシートが省略されている。換言すれば、表示パネル18の上辺に沿ったマグネットシート31aのみを備えている。なお、必要な吸着力を得るために、マグネットシート31aの幅は、表示装置120よりも、幅広に(太く)設定されている。なお、表示装置121,122においても、同様に、マグネットシートの幅を広げても良い。
上述した通り、本実施形態によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示装置120によれば、厚さが約90μmの表示パネル18と、厚さが約100μmのマグネットシート31とを平面的に並べた状態でラミネートする構成であるため、マグネットシート31部における総厚が約200μmとなり、実施形態1の表示装置100よりも薄型化を図ることができる。
特に、表示パネル18よりも、マグネットシート31を厚くしているため、ラミネート後の最厚部がマグネットシート31と重なる部分となり、換言すれば、被着体と密着する部分がマグネットシート31と重なる部分となるので、吸着力を高めることができる。
また、表示装置120の周縁部では、マグネットシート31のみをラミネートした構成となるため、その端部は、溶融した樹脂フィルム25a,25bによって略充填されて、隙間が殆どない状態となる。よって、バリア性に優れている。
従って、フレキシブル性を有しながらも、信頼性の高い表示装置120を提供することができる。
また、帯状のマグネットシート31を表示パネル18の周縁部に配置する構成であるため、表示パネルの背面全体にマグネットシートを設けていた実施形態1の表示装置100よりも、マグネットシートの平面積を小さくすることができる。つまり、その分、重量が軽くなっているため、帯状のマグネットシート31を用いた構成であっても、十分な吸着力を得ることができる。
従って、軽量で、使い勝手の良い表示装置120を提供することができる。
また、図9(a)の表示装置121によれば、表示装置120と比べて、左辺側のマグネットシートが省略されているため、その分、X軸方向の幅を狭くすることができる。
また、図9(b)の表示装置122によれば、表示装置120と比べて、左右の辺に対応するマグネットシートが省略されているため、その分、X軸方向の幅を狭くすることができる。
また、図9(c)の表示装置123によれば、表示装置120と比べて、左右の辺に対応するマグネットシート、および下辺側のマグネットシートが省略されているため、その分、X軸方向の幅と、Y軸方向の高さとを狭くすることができる。
よって、表示装置120のサイズや、重さ、用途などに応じて、表示装置121〜123を適宜選択することにより、狭額縁化を実現することができる。また、表示装置120と比べて、マグネットシートの使用枚数が削減されるため、コストを抑制することができる。
(機器1)
図10(a)は、上述の表示装置を搭載した電気冷蔵庫を示す斜視図である。
上述した表示装置100は、例えば、第1の機器としての電気冷蔵庫200に搭載して用いることができる。なお、表示装置100を各実施形態、および変形例における表示装置と置き換えても良い。
図10(a)に示すように、電気冷蔵庫200の前面に配置されたドア201には、表示装置100が貼り付けられている。被着体としてのドア201は、鋼板製であり、その表面には、大きな曲面が形成されている。
ドア201の内面には、表示装置100を駆動制御するためのコントローラー150が配置されている。コントローラー150は、リチウムイオン電池などの充電型の電源部や、表示装置100に供給する画像データを生成する画像処理部、様々な処理や表示態様を規定したプログラム、およびデータを記憶した記憶部、当該プログラムを実行して各部を制御するCPU(Central Processing Unit)、外部機器と接続して画像信号などを受信するインターフェイス部などを含んで構成されている。なお、コントローラー150が電気冷蔵庫200の構成にあらかじめ組み込まれていても良い。
表示装置100のフレキシブル基板20には、コントローラー150から画像信号を含む複数の制御信号や、電力を供給するための配線が接続されている。
電気冷蔵庫200は、家庭内LAN(Local Area Network)に接続されており、コントローラー150も、当該LANに接続されている。
表示装置100には、例えば、コントローラー150に記憶されているカレンダープログラムによる日時の表示や、家庭内LANから送られてきた家族へのメッセージなどの様々な情報が表示される。
上述した通り、電気冷蔵庫200によれば、以下の効果を得ることができる。
ドア201には、実使用に耐え得る信頼性を確保した表示装置100が貼り付けられている。従って、信頼性が高い表示装置100を備えた電気冷蔵庫200を提供することができる。
特に、ドア201には、その表面に大きな曲面が形成されていることに加えて、日常生活において、食材の出し入れにともない頻繁に開閉されるため、開閉に応じた衝撃が生じるため、強い吸着力が必要となるが、表示パネル18の背面全面にマグネットシート30が配置された表示装置100によれば、ずり落ちることもなく、安定して使用することができる。
(機器2)
図10(b)は上述の表示装置を搭載した第2の機器としてのホワイトボード250を示す平面図である。
上述した表示装置121は、例えば、第2の機器としてのホワイトボード250に搭載して用いることができる。なお、表示装置121を各実施形態、および変形例における表示装置と置き換えても良い。
なお、電気冷蔵庫200と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図10(b)に示すように、ホワイトボード250の盤面の左側には、表示装置121が貼り付けられている。また、被着体としての盤面は、鋼板から構成されている。
ホワイトボード250盤面の裏面には、コントローラー160が配置されている。コントローラー160は、コントローラー150の構成に加えて、インターフェイス部として、無線LAN端末と、当該端末用のアンテナ161を備えている。なお、無線LAN端末に限定するものではなく、無線通信が可能な端末であれば良い。
表示装置121のフレキシブル基板20には、コントローラー160から画像信号を含む複数の制御信号や、電力を供給するための配線が接続されている。アンテナ161は、当該配線部の近傍で、ホワイトボード250盤面の側端部から露出した状態で配置されている。
上述した通り、ホワイトボード250によれば、電気冷蔵庫200での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
コントローラー160には、インターフェイス部として無線LAN端末が搭載されているため、通信エリア内において、どこにホワイトボード250を設置した場合であっても、配線処理などを必要とせずに、所望の情報を表示することができる。
従って、使い勝手が良く、耐久性に優れた表示装置121を備えたホワイトボード250を提供することができる。
また、機器は、電気冷蔵庫200や、ホワイトボード250に限定するものではなく、被着体を備えた機器であれば良い。例えば、金属性のファイルキャビネットや、机、柱、壁面、ロッカーなどに適用することができる。また、これらの構成であっても、同様な作用効果を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図11(a)は、変形例1に係る表示装置の平面図であり、図8(a)に対応している。図11(b)は、(a)のk−k断面における側断面図であり、図8(b)に対応している。
上記各実施形態における表示装置の構成に、取っ手部55を追加しても良い。
以下、本変形例に係る表示装置124について説明する。なお、実施形態3における表示装置120と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図11(a)に示すように、表示装置124における右側の辺には、取っ手部55が形成されている。換言すれば、表示装置124におけるフレキシブル基板20の反対側の辺には、取っ手部55が形成されている。
図11(b)に示すように、取っ手部55は、表示装置124の右側の辺における中央部を当該辺から突出させ、当該突出部を表面側に湾曲させた取っ手である。換言すれば、ラミネート構造体25の一部を右側の辺から突出させて形成した取っ手である。なお、湾曲は、ラミネート後に専用の治具で挟んだ状態で加熱処理することによって癖付けすることができる。
また、取っ手部55の形成位置は、右側の中央に限定するものではなく、ラミネート構造体25の周縁部であれば、どこでも良い。
また、取っ手部55のサイズは、指で摘むことが可能な大きさであれば良く、表示装置120のサイズや、重さ、用途などに応じて適宜設定すれば良い。
上述した通り、表示装置124によれば、以下の効果を得ることができる。
表示装置124によれば、取っ手部55を備えているため、被着体への着脱を容易に行うことができる。
従って、使い勝手が良い表示装置124を提供することができる。
(変形例2)
図12は、変形例2に係る表示パネルの断面図であり、図3に対応している。
上記各実施形態では、表示パネル18は、有機ELパネルであるものとして説明したが、これに限定するものではない。一対の基板間に、電気光学層を挟持した薄型の表示パネルであれば良い。例えば、電気光学層として、電気泳動層を備えた電気泳動パネルであっても良い。
以下、変形例2に係る表示パネル98について説明する。なお、図3と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示パネル98は、電気光学層として電気泳動層97を備えた反射型の電気泳動パネルである。
表示パネル98は、素子基板1と対向基板95との間に電気泳動層97を挟持した構成となっている。また、素子基板1から画素電極6までの積層構造は、図3の構成と同一である。
対向基板95は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板95における素子基板1側には、対向電極94が複数の画素電極6と対向して全面(ベタ状)に形成されている。対向電極94は、ITO等の透明導電材料から形成されている。
電気泳動層97は、複数のマイクロカプセル90、当該マイクロカプセルを保持するバインダー92、および接着層91などから構成されている。なお、表示パネル98は、電気泳動層97が予め対向基板95側にバインダー92によって固定されてなる電気泳動シートと、当該シートとは別途製造され、画素電極6などが形成された素子基板1とを、接着層91により接着することによって形成されている。
マイクロカプセル90は、画素電極6、および対向電極94間に挟持され、1つの画素内に(言い換えれば、1つの画素電極6に対して)1つ又は複数配置されている。
図12の右上の拡大図に示すように、マイクロカプセル90は、被膜75の内部に分散媒78と、複数の白色粒子76と、複数の黒色粒子77とを封入した構成となっている。マイクロカプセル90は、例えば、50μm程度の粒径を有する球状に形成されている。
被膜75は、アクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
分散媒78は、白色粒子76及び黒色粒子77をマイクロカプセル90内(言い換えれば、被膜75内)に分散させる媒質である。
白色粒子76は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
黒色粒子77は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
これにより、白色粒子76および黒色粒子77は、画素電極6と対向電極94との間の電位差によって発生する電場(電位差)によって分散媒78中を移動するため、対向電極94側に集まった粒子の色調が表示されることになる。
なお、白色粒子76、黒色粒子77に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色などのカラー表示をすることもできる。
また、上述したマイクロカプセル方式に限定するものではなく、帯電性を有する電子粉流体を画素内に入れ、プラス・マイナスを切り替えることで表示の切り替え・オンオフを制御する電子粉流体方式の電気泳動パネルであっても良い。または、コレステリック液晶を用いた電気泳動パネルであっても良い。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
また、電気泳動層を備えた電気泳動パネルは、電源を切っても画像表示が可能な保持特性を有するので、静止画データ書き込み後に、当該パネルを備えた表示装置を単品で使用することもできる。また、着脱可能な専用のコントローラーや、バッテリー部をオプションとして準備すれば、より使い勝手を向上させることができる。
(変形例3)
図3を用いて説明する。
上記各実施形態では、表示パネル18は、全画素共通で白色光を出射し、表示面側に白色光からRGBの各色光を選択的に透過するカラーフィルターを設けた構成であるものとして説明したが、これに限定するものではない。色画素ごとに、RGBの色光が出射可能な構成であれば良い。
例えば、有機EL層8においてRGBの色画素ごとに、RGBの各色の発光層を形成した、いわゆる3色塗り分け方式による構成の表示パネルであっても良い。
また、上記各実施形態では、表示装置100は、アクティブマトリックス型であるものとして説明したが、パッシブ(単純)マトリックス型であっても良い。
この場合、素子層2は不要となり、有機EL層8を走査電極とデータ電極とで挟持する構成となる。例えば、走査電極は素子基板1側に形成し、データ電極はCF基板16側に形成する。なお、走査電極とデータ電極とは、平面視において格子状になるように、交差する方向にそれぞれ延在して形成される。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
1…ガラス基板としての素子基板、8…電気光学層としての有機EL層、16…ガラス基板としてのCF基板、18…表示パネル、20…フレキシブル基板、25…ラミネート構造体、25a,25b…樹脂フィルム、30,31,31a,31b,31c,31d,31e…マグネットシート、35…板部材としてのヨーク、55…取っ手部、100,110,120,121,122,123,124…電気光学装置としての表示装置、150,160…機器としてのコントローラー、200…機器としての電気冷蔵庫、250…機器としてのホワイトボード、V…表示領域。

Claims (11)

  1. マグネットシートと、
    一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、
    前記マグネットシート上に、前記表示パネルが重ねられてなる積層構造を前記表示領域側の第1の面側、および前記第1の面と対向する第2の面側から覆い、ラミネートする樹脂フィルムと、を備えることを特徴とする電気光学装置。
  2. 平面的に前記マグネットシートと略同じ大きさの磁性を有する板部材を、さらに有し、
    前記積層構造は、前記マグネットシートと、前記表示パネルとの間に前記板部材を挟持した構成であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記表示パネルには、前記一対のガラス基板のうち、いずれか一方の前記ガラス基板の一辺が他方の前記ガラス基板よりも張出した張出し領域が形成されてなり、
    前記張出し領域には、フレキシブル基板の一端が接続されており、
    前記フレキシブル基板の一端は、前記樹脂フィルムによって覆われるとともに、前記フレキシブル基板の他端は、前記一辺において、前記樹脂フィルムの外形からはみ出していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. マグネットシートと、
    一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、
    前記表示パネルの少なくともいずれか一辺の隣に前記マグネットシートを配置した構造体を前記表示領域側の第1の面側、および前記第1の面と対向する第2の面側から覆い、ラミネートする樹脂フィルムと、を備えることを特徴とする電気光学装置。
  5. 前記表示パネルには、前記一対のガラス基板のうち、いずれか一方の前記ガラス基板の一辺が他方の前記ガラス基板よりも張出した張出し領域が形成されてなり、
    前記マグネットシートは、前記表示パネルの前記張出し領域を除いた三辺のうちの、少なくともいずれか一辺の隣に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  6. 前記張出し領域には、フレキシブル基板の一端が接続されており、
    前記フレキシブル基板の一端は、前記樹脂フィルムによって覆われるとともに、前記フレキシブル基板の他端は、前記一辺において、前記樹脂フィルムの外形からはみ出していることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
  7. 前記マグネットシートは、磁性粉末を含有したシート状のバインダー樹脂からなり、
    前記樹脂フィルムは、ポリエチレン系共重合材料から構成され、
    前記表示パネルの前記一対のガラス基板は、それぞれの厚さが100μm以下に設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記バインダー樹脂は、ポリエチレン系共重合材料であることを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置。
  9. 前記電気光学層は、有機発光層を含む有機EL層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記ラミネートされた樹脂フィルムには、その周縁部から平面的に張出した取っ手部が形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気光学装置と、
    前記電気光学装置に画像信号と、電力とを少なくとも供給するコントローラーとを備えることを特徴とする機器。
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