JP2011026284A - (メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】触媒が充填された反応管を備えた反応器を用い、プロピレン、イソブチレン、TBAおよびMTBEからなる群より選ばれた少なくとも1種を反応原料として含む原料ガスを反応管に供給し、酸素含有ガスとの気相接触酸化反応を行うに際して、下記条件(1)、(2)を満たすように反応原料の供給量を段階的に増やして定常運転に移行させる。反応原料の供給量が、(1)定常運転時における供給量の10〜60%のときに、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が100〜98%であり、(2)定常運転時における供給量の90〜100%のときに、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が97%以下である。
【選択図】なし
Description
従って、スタートアップ中のホットスポットの温度を抑制することは、工業的に高収率で(メタ)アタクロレインや(メタ)アクリル酸を生産する上で非常に重要である。
(1)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の10〜60%のときに、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が100〜98%である。
(2)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の90〜100%のときに、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が97%以下である。
(3)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の60%超、90%未満のときに、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が99〜97%である。
また、前記固定床管型反応器は反応管の外側に熱媒浴を備え、反応管に形成された触媒層と、熱媒浴との温度差(触媒層の温度−熱媒浴の温度)が最大となる位置から、触媒層の原料ガス入口側の端部までの距離が、当該触媒層の全長の0.5倍以下であることが好ましい。
また、反応器は、反応管の外側に該反応管を加熱または除熱するための熱媒浴を備えることが好ましい。熱媒としては特に限定されないが、例えば、硝酸カリウムおよび亜硝酸ナトリウムを含む塩溶融物が挙げられる。
なお、本発明において「(メタ)アクロレイン」はメタクロレインとアクロレインの両方を示し、「(メタ)アクリル酸」はメタクリル酸とアクリル酸の両方を示す。
MoaBibFecAdXeYfZgOh ・・・(I)
ただし、a、b、c、d、e、f、gおよびhは各元素の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦5、0.1≦c≦5、1≦d≦12、0≦e≦10、0≦f≦10、0.01≦g≦3であり、hは前記各元素の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。特に好ましい各元素の原子比は、a=12のとき、0.2≦b≦3、0.5≦c≦4、2≦d≦10、0.1≦g≦2である。
また、触媒の調製に用いる原料としては特に限定されず、各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、酸化物、ハロゲン化物等を組み合わせて使用することができる。例えばモリブデンの原料化合物としてはパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、塩化モリブデン等が挙げられる。ビスマスの原料化合物としては、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、酢酸ビスマス、水酸化ビスマス等が挙げられる。触媒成分の原料化合物は、触媒成分を構成する各元素に対して1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明において「触媒層」とは、反応管内において少なくとも触媒が含まれている領域を指す。すなわち、触媒だけが充填されている領域だけでなく、触媒が不活性担体等で希釈されている領域も触媒層とする。ただし、反応管の両端部など、何も充填されていない空間部分や不活性担体等だけが充填されている領域は、触媒が実質的に含まれないので触媒層には含まない。
反応原料としては、プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコール(TBA)、およびメチル第三級ブチルエーテル(MTBE)からなる群より選ばれた少なくとも1種を用いる。
(1)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の10〜60%のとき(以下、この間を「供給期間10〜60%」という。)に、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が100〜98%である。
(2)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の90〜100%のとき(以下、この間を「供給期間90〜100%」という。)に、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が97%以下である。
転化率(%)=A/B×100 ・・・(i)
ここで、「A」は反応したプロピレンおよび/またはイソブチレンのモル数、「B」は供給したプロピレンおよび/またはイソブチレンのモル数である。
また、条件(1)において、供給期間10〜60%のときのプロピレンおよび/またはイソブチレンの転化率の下限値は、95%以上が好ましい。
また、条件(2)において、供給期間90〜100%のときのプロピレンおよび/またはイソブチレンの転化率の上限値は、98%以下が好ましく、下限値は、90%以上が好ましい。
「反応原料の転化率を高める」とは、触媒層の原料ガス入口側の反応を促進することを意味する。逆に、反応原料の転化率が低い場合は、触媒層の原料ガス出口側で主に酸化反応が進行することとなる。そのため、ホットスポットの発生位置が触媒層の原料ガス出口側に移動しやすくなる。ホットスポットの発生位置が触媒層の原料ガス出口側に移動すると、該ホットスポットで局所的に発熱する傾向があり、触媒の暴走反応が起こりやすくなる。そのため、ホットスポットの温度が下がるまで反応原料の供給量を増やすことができないので、スタートアップが完了するまでに長時間を費やすこととなる。
(3)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の60%超、90%未満のとき(以下、この間を「供給期間60%超〜90%未満」という。)に、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が99〜97%である。
また、条件(3)において、供給期間60%超〜90%未満のときのプロピレンおよび/またはイソブチレンの転化率の上限値は、99.5%以下が好ましく、下限値は、94%以上が好ましい。
熱媒浴の温度は、280〜450℃が好ましく、300〜400℃がより好ましい。
反応圧力は、常圧から数気圧程度が好ましい。
熱媒浴の温度や反応圧力が高くなるに連れて、プロピレンおよび/またはイソブチレンの転化率は上がる傾向にある。
本発明に用いる原料ガスは、上述した反応原料と、酸素源として酸素含有ガスを含む。酸素含有ガスには、通常、酸素と水蒸気が含まれる。
特に、反応原料としてイソブチレンおよび/またはTBAを用いる場合、原料ガス中の酸素の濃度は、反応原料1モルに対して0.3〜4.0モルが好ましく、0.4〜3.0モルが好ましい。反応原料1モルに対する酸素の濃度が大きくなるに連れて、プロピレンおよび/またはイソブチレンの転化率は上がる傾向にある。
また、原料ガスには、本反応に対して実質的に影響を与えない低級アルデヒド等の不純物を少量含んでいてもよいし、原料ガスを窒素、水蒸気、二酸化炭素等の不活性ガスを加えて希釈してもよい。
また、定常運転時に供給される原料ガスの流量は、反応管1本あたり、空間速度が300〜3000hr−1となるような流量が好ましく、より好ましくは500〜2000hr−1である。なお、スタートアップ中の原料ガスの流量は、反応原料の供給量が上述した条件(1)および(2)を満たせば、特に制限されない。
距離(d)が触媒層の全長の0.5倍以下であれば、触媒層の長さ方向の発熱を均一化でき、ホットスポットの温度が局所的に上昇することをより効果的に抑制できる。そのため、反応原料の供給量を減らしたり供給量の上昇を止めたりする必要がなく、短時間でスタートアップできる。
なお、工業的に用いられる多管式反応器の場合には、全ての反応管内の触媒層の温度を測定することは実際上困難であるため、実質的に反応器全体を代表する反応管を複数選択し、選択された反応管内の触媒層について温度を測定すればよい。
従って、本発明の(メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸の製造方法は、スタートアップ中に反応原料の供給量を減らしたり供給量の上昇を止めたりする必要がなく、短時間でスタートアップでき、結果として(メタ)アクロレインおよび(メタ)アクリル酸を高い収率で製造できる。
なお、実施例および比較例中の「部」は「質量部」を意味する。
ΔTmaxは、以下のように定義される。
触媒層の温度は、反応管の管軸方向に対して垂直な断面の中心に設置した保護管に挿入した熱電対により測定した。なお、保護管は反応系と隔離されており、温度を測定する位置は挿入する熱電対の長さを調節して変えることができる。このとき測定した触媒層の温度と熱媒浴の温度との差(ΔT=触媒層の温度−熱媒浴の温度)を測定することでホットスポットを検出した。このとき検出されたΔT分布のうち、最も高温のΔTをΔTmaxとして示した。
また、ΔTmaxの位置は、触媒層の原料ガス入口側の端部から測定した距離(d)として示した。
実施例および比較例におけるスタートアップは以下のように行った。
スタートアップ中はΔTmaxが高温になると触媒が暴走反応を起こすことがあるため、ΔTmaxが50℃を超えた場合は反応原料の供給量を上昇させず、ΔTmaxが50℃以下に下がったのを確認した後、反応原料の供給量を上昇させることとした。また、ΔTmaxの管理上限値を60℃とし、上限値を超える場合は直ちに反応原料の供給を止め、反応を停止することとした。
反応原料の供給量は、0%から定常運転時における供給量まで10%ずつ段階的に上昇させた。また、反応原料の供給量はΔTmaxが一定になった後、上昇させた。ここで「ΔTmaxが一定になる」とは、ΔTmaxの温度変化が、30分以上にわたり±1.0℃の範囲の状態を意味する。
なお、反応原料の供給量が定常運転時の供給量に達し、ΔTmaxが一定に後を定常運転とした。
原料ガス及び反応生成ガスは、ガスクロマトグラフィーにより分析した。実施例および比較例の反応原料(イソブチレン)の転化率は、下記式(i)により算出した。
イソブチレンの転化率(%)=A/B×100 ・・・(i)
ここで、「A」は反応したイソブチレンのモル数、「B」は供給したイソブチレンのモル数である。
純水1000部に、パラモリブデン酸アンモニウム500部、パラタングステン酸アンモニウム6.2部、硝酸セシウム23.0部、三酸化アンチモン34.3部および三酸化ビスマス28.5部を加え、加熱攪拌した(A液)。
別途、純水1000部に、硝酸第二鉄209.8部、硝酸ニッケル102.9部、硝酸コバルト412.1部、硝酸鉛15.7部および85%リン酸2.8部を順次加え、溶解した(B液)。
ついで、A液にB液を加えて水性スラリーとした後、この水性スラリーをスプレー乾燥機にて乾燥させ、平均粒径60μmの乾燥球状粒子とした。この乾燥球状粒子を300℃で1時間、510℃で3時間焼成を行い、球状粒子形状の触媒材料を製造した。
この触媒材料5000部に対して、ヒドロキシプロピルメチルセルロース150部およびカードラン50部を加え、乾式混合した。ここに純水1900部を混合し、混練り機で粘土状物質になるまで混合(混練り)した後、得られた混練物をピストン式押出し成形機を用いて外径5mm、内径2mm、高さ5mmのリング状に押出成形し、粒状の固体酸化触媒とした。
得られた固体酸化触媒の酸素以外の元素組成は、次の通りであった。なお、元素組成は触媒原料の仕込み量から求めた。
Mo12W0.1Bi0.7Fe2.2Sb1.0Ni1.5Co6.0Pb0.2P0.1Cs0.5
<触媒の充填>
気相接触酸化反応には、内径26.5mm、長さ6mの反応管を1本備え、該反応管の外側に熱媒浴を有する固定床管型反応器を用いた。熱媒としては、硝酸カリウム50質量%および亜硝酸ナトリウム50質量%からなる塩溶融物を用い、熱媒浴の温度を180℃に設定した。
反応管の原料ガス入口側に、先に調製した固体酸化触媒500gと、SUS304製のラシヒリング(外径5mm、外径と内径の差0.4mm、長さ5mm)400gとを混合したものを充填した。さらにその上から固体酸化触媒800gを充填し、全長4085mmの触媒層を形成した。
この触媒層に、酸素9容量%、水蒸気10容量%、および窒素81容量%からなる酸素含有ガスを、空間速度240hr−1で流通させながら、熱媒浴の温度を350℃まで50℃/時間で昇温した。
熱媒浴の温度を325℃に設定した。
反応原料としてイソブチレンと、酸素、水蒸気および窒素からなる酸素含有ガスとを含む原料ガスを反応管に供給し、イソブチレンの供給量を定常運転時における供給量の0〜60%まで増やした。供給期間10〜60%(すなわち、定常運転時における反応原料の供給量に対するスタートアップ中の反応原料の供給量の割合が10〜60%)のときのイソブチレン、酸素、水蒸気および窒素の濃度と、原料ガスの空間速度を表1に示す。
供給期間10〜60%のとき、イソブチレンの平均転化率99.4%であった。
また、供給期間10〜60%のときのΔTmax、ΔTmaxの位置、第1工程の所要時間を表2に示す。
第1工程に引き続き、イソブチレンの供給量を定常運転時における供給量の60%超〜90%未満まで増やした。なお、熱媒浴の温度は325℃に設定した。供給期間60%超〜90%未満のときのイソブチレン、酸素、水蒸気および窒素の濃度と、原料ガスの空間速度を表1に示す。
供給期間60%超〜90%未満のとき、イソブチレンの平均転化率98.0%であった。
供給期間60%超〜90%未満のときのΔTmax、ΔTmaxの位置、第2工程の所要時間を表2に示す。
第2工程に引き続き、イソブチレンの供給量を定常運転時における供給量の90〜100%まで増やした。なお、熱媒浴の温度は325℃に設定した。供給期間90〜100%のときのイソブチレン、酸素、水蒸気および窒素の濃度と、原料ガスの空間速度を表1に示す。
供給期間90〜100%のとき、イソブチレンの平均転化率96.8%であった。
供給期間90〜100%のときのΔTmax、ΔTmaxの位置、第3工程の所要時間を表2に示す。
また、各供給期間における、熱媒浴の温度、イソブチレンの供給量、イソブチレンの転化率、およびΔTmaxと、時間(原料ガスの供給開始からの経過時間)とのそれぞれ関係(推移)を図1に示す。
第1工程〜第3工程において、熱媒浴の温度を322℃に設定した以外は、実施例1と同様にして第1工程〜第3工程を行った。
各供給期間におけるイソブチレンの平均転化率、ΔTmax、ΔTmaxの位置、および第1工程〜第3工程の所要時間を表2に示す。
また、各供給期間における、熱媒浴の温度、イソブチレンの供給量、イソブチレンの転化率、およびΔTmaxと、時間とのそれぞれ関係を図2に示す。
熱媒浴の温度を308℃に設定し、供給期間10〜60%のときのイソブチレンの転化率が95%で一定になるように、イソブチレンの供給量を増やした際に熱媒浴の温度を調節した以外は、実施例1と同様にして第1工程を行った。
ついで、供給期間60%超〜90%未満のときのイソブチレンの転化率が95%で一定になるように、イソブチレンの供給量を増やした際に熱媒浴の温度を調節した以外は、実施例1と同様にして第2工程を行った。
ついで、供給期間90〜100%のときのイソブチレンの転化率が95%で一定になるように、イソブチレンの供給量を増やした際に熱媒浴の温度を調節した以外は、実施例1と同様にして第3工程を行った。
また、各供給期間における、熱媒浴の温度、イソブチレンの供給量、イソブチレンの転化率、およびΔTmaxと、時間とのそれぞれ関係を図3に示す。
比較例1と同様にして第1工程を行った。
ついで、ΔTmaxが50℃を超えてもイソブチレンの供給量の上昇を続けた以外は、比較例1と同様にして第2工程、第3工程を行った。
その結果、イソブチレンの供給量が定常運転時の供給量の90%に達したときに、ΔTmaxが60℃を超えたため、原料ガスの供給を止め、反応器を停止した。反応器を開放して触媒を確認したところ、触媒の一部が変色し、失活していた。
各供給期間におけるイソブチレンの転化率が97%で一定になるように、イソブチレンの供給量を増やした際に熱媒浴の温度を調節した以外は、比較例1と同様にして第1工程〜第3工程を行った。
各工程終了時の熱媒浴の温度、各供給期間におけるイソブチレンの平均転化率、ΔTmax、ΔTmaxの位置、および第1工程〜第3工程の所要時間を表2に示す。
また、各供給期間における、熱媒浴の温度、イソブチレンの供給量、イソブチレンの転化率、およびΔTmaxと、時間とのそれぞれ関係を図4に示す。
比較例3と同様にして第1工程を行った。
ついで、ΔTmaxが50℃を超えてもイソブチレンの供給量の上昇を続けた以外は、比較例3と同様にして第2工程、第3工程を行った。
その結果、イソブチレンの供給量が定常運転時の供給量の90%に達したときに、ΔTmaxが60℃を超えたため、原料ガスの供給を止め、反応器を停止した。反応器を開放して触媒を確認したところ、触媒の一部が変色し、失活していた。
第1工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして第2工程を行った。なお、「第1工程を行わない」とは、定常運転時におけるイソブチレンの供給量の60%に相当する量にて、原料ガスの供給を開始したことを意味する。
その結果、イソブチレンの供給量が定常運転時の供給量の90%に達したときに、ΔTmaxが60℃を超えたため、原料ガスの供給を止め、反応器を停止した。反応器を開放して触媒を確認したところ、触媒の一部が変色し、失活していた。
比較例3の場合、表2、および図4から明らかなように、第2工程においてイソブチレンの供給量が定常運転時における供給量の80%に達したときに、ΔTmaxが50℃を越えたため、ΔTmaxが50℃以下に下がるまでイソブチレンの供給量の上昇をやめざるをえず、第2工程の所要時間が18時間と大幅に長くなった。その結果、スタートアップが完了するまでに25時間も要した。なお、ΔTmaxの位置は、原料ガスの供給開始から21時間目に、その位置が原料ガス入口側に大きく移動した。
なお、比較例1、3において第3工程が終了した後、反応器を開放して触媒を確認したところ、異常は認められなかった。
Claims (4)
- 少なくともモリブデンおよびビスマスを触媒成分として含む固体酸化触媒が充填され触媒層が形成された反応管を備えた固定床管型反応器を用い、プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコール、およびメチル第三級ブチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種を反応原料として含む原料ガスを前記反応管に供給し、酸素含有ガスとの気相接触酸化反応により(メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸を製造する方法において、
前記原料ガスの供給開始から定常運転に移行するまでの間に、下記条件(1)および(2)を満たすように反応原料の供給量を段階的に増やし、その後、定常運転を行うことを特徴とする(メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸の製造方法。
(1)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の10〜60%のときに、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が100〜98%である。
(2)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の90〜100%のときに、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が97%以下である。 - 前記原料ガスの供給開始から定常運転に移行するまでの間に、さらに下記条件(3)を満たすように反応原料の供給量を段階的に増やすことを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸の製造方法。
(3)反応原料の供給量が、定常運転時における供給量の60%超、90%未満のときに、プロピレンおよび/またはイソブチレンの平均転化率が99〜97%である。 - 前記原料ガスは酸素含有ガスとして酸素および水蒸気を含み、定常運転時における当該原料ガス中の反応原料の濃度が4〜10容量%、酸素の濃度が7〜16容量%、水蒸気の濃度が5〜50容量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の(メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸の製造方法。
- 前記固定床管型反応器は反応管の外側に熱媒浴を備え、反応管に形成された触媒層と、熱媒浴との温度差(触媒層の温度−熱媒浴の温度)が最大となる位置から、触媒層の原料ガス入口側の端部までの距離が、当該触媒層の全長の0.5倍以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸の製造方法。
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