JP2011024676A - 脈波伝播速度算出装置、血圧測定装置、脈波伝播速度算出装置の制御方法、脈波伝播速度算出装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

脈波伝播速度算出装置、血圧測定装置、脈波伝播速度算出装置の制御方法、脈波伝播速度算出装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】脈波伝播速度の算出に適した脈波波形を判定し、脈波伝播速度の算出に適した少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する。
【解決手段】本発明の脈波伝播速度算出装置1は、1つの生体の複数箇所から検出されたそれぞれの脈波波形から同一の算出期間の部分を取得する脈波データ取得部41と、脈波データ取得部41が取得した、算出期間のそれぞれの脈波波形が、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定する波形適否判定部43と、波形適否判定部43が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した脈波波形のうちの少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出部44と、を備えている。これにより、脈波伝播速度の算出に適した脈波波形を判定し、脈波伝播速度の算出に適した少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、検出された脈波の脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出装置、血圧測定装置、脈波伝播速度算出装置の制御方法、脈波伝播速度算出装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
近年、健康志向の高まりにより、日常生活下における、血圧などの生体情報を常時計測可能な計測機器が求められている。生体情報を常時計測することにより、ユーザの体調の変化や病気の予兆を察知することが可能となる。また、計測した結果を記録、蓄積することにより、病気の予防につなげることができる。
生体情報の1つである血圧を測定する場合、一般的に、オシロメトリック法や聴診法(コロトコフ音法)が用いられる。オシロメトリック法とは、四肢のいずれかにカフを巻き、カフを加圧した後、減圧していき、この加圧および減圧の過程におけるカフ圧の変化によって血圧測定を行う方法である。また、聴診法とは、動脈をカフで締め付けたときに発生する音であるコロトコフ音を用いて血圧測定を行う方法である。
したがって、オシロメトリック法や聴診法を用いて血圧を測定する場合、測定部位をカフで圧迫する必要があり、測定者に対し拘束感や不快感を与えてしまう。
そこで、測定部位をカフで圧迫することなく血圧測定を行う方法として、脈波伝播速度を用いる方法が知られている。脈波伝播速度の変化量と血圧の変化量とは強い相関関係あることが知られており、該相関関係を用いて血圧の測定を行うものである。しかしながら、脈波伝播速度は、脈波センサの装着状態、被測定者の生理状態、体動の影響等により脈波信号が乱れ、正確に測定できない場合がある。したがって、正確に脈波伝播速度を測定するために、脈波信号が正確に測定できているかを簡易に判別する方法が望まれている。
そこで、特許文献1には、脈波波形の振幅、周期、立ち上がり時間から特徴量を算出し、算出した特徴量を用いて、脈波波形を正常波形、体動波形、不整脈波形に分類する波形判別装置が記載されている。
また、特許文献2には、脈波の先鋭度と先鋭度の平均である平均先鋭度とを算出し、先鋭度と平均先鋭度との比較値が所定範囲内にある脈波を、適切な動脈狭窄の診断が可能な脈波として決定する装置が記載されている。
さらに、特許文献3には、脈波波形を1階微分して得られる波形の第1ピークの波高と、微分前の脈波波形での第1ピークの立ち上がりの波高との比と、脈波信号における脈波波形の立ち上がりから同波形におけるピークまでの時間との積が所定の範囲にあるか否かによって、脈波波形の良否判定を行う脈波信号解析装置が記載されている。
特開平4−285530号公報(1992年10月9日公開) 特開2004−136107号公報(2004年5月13日公開) 特開2006−263354号公報(2006年10月5日公開)
日常生活において、生体情報を常時計測するためには、計測装置の生体への装着性と拘束性に対する配慮、すなわち、生体の日常活動を極力妨げないことが求められる。一般的に用いられている脈波伝播速度算出装置は、心臓からの心電情報と1つの脈波センサから得られた脈波信号との時間差を算出し、心臓と脈波センサの測定部位との2点間の距離とその時間差から脈波伝播速度を算出している。
しかし、心電計は電極を胸に貼り付ける必要があり、日常生活下において容易に装着できるものではない。また、全体の装置も大きくなる。よって、生体の日常活動を極力妨げないようにするためには、心電計を用いずに2つの脈波センサを用いることが望ましい。また、装置を小型化するためには、2つの脈波センサの距離をできるだけ短くすることが望ましい。
しかしながら、2つの脈波センサの距離を短くすると、以下のような弊害を生じる。すなわち、例えば、実際に脈波センサを装着して実験を行うと、2つの脈波センサ間の距離が約15cmの場合、健常者では脈波伝播時間として約20msの値が得られる。しかしながら、何らかの原因により脈波波形に乱れが生じると、20ms程度の誤差が生じることがある。したがって、2つの脈波センサ間の距離が短い場合、脈波波形に乱れが生じると、脈波伝播時間の測定精度に影響してしまう。これは、脈波波形がみだれることにより、脈波波形の立ち上がり部分が微妙に変化してしまうことが原因と考えられる。
図12は、2つの所定の測定部位に装着された脈波センサの測定部位間の距離が短い場合において測定された脈波信号の立ち上がり部分だけを示した図である。
図12では、第1脈波センサによって測定された脈波信号の波形を脈波波形1101とし、第2脈波センサによって測定された脈波信号の波形を脈波波形1201としている。そして、理想的な測定条件の下で第1脈波センサによって測定された場合の脈波信号の波形を脈波波形1301として、破線で示す。すなわち、脈波波形1101は、何らかの原因により脈波波形に乱れが生じた場合を示している。
そして、脈波波形1101の極小点を極小点1102、脈波波形1301の極小点を極小点1302、脈波波形1201の極小点を極小点1202とする。
この場合において、脈波伝播速度を算出するための脈波伝播時間は、測定結果をそのまま用いると、極小点1102と極小点1202との差である脈波伝播時間PTTとなる。しかしながら、実際の脈波伝播時間は、極小点1302と極小点1202との差である脈波伝播時間PTT´なので、脈波伝播時間PTTと脈波伝播時間PTT´との差だけ誤差を生じることになる。
そして、上述したような波形の乱れは、脈波波形の振幅、周期、立ち上がり時間が大きく変化しているわけではなく、特許文献1に記載の技術では異常の判断を行うことができない。
また、脈波波形の先鋭度が大きく変化しているわけではなく、特許文献2に記載の技術でも異常の判断をすることができない。
さらに、脈波波形を1階微分して得られる波形の最初のピークである第1ピークの波高と、微分前の脈波波形での第1ピークの立ち上がりの波高との比と、脈波信号における脈波波形の立ち上がりから同波形におけるピークまでの時間との積が、所定の範囲にある可能性が高く、特許文献3に記載の技術でも異常と判断することは困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、脈波伝播速度の算出に適した脈波波形を判定し、脈波伝播速度の算出に適した少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出装置等を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る脈波伝播速度算出装置は、1つの生体の少なくとも2箇所から検出された脈波の脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出装置において、1つの生体の複数箇所から検出されたそれぞれの脈波波形から同一の算出期間の部分を取得する脈波波形取得手段と、上記脈波波形取得手段が取得した、上記算出期間のそれぞれの脈波波形が、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定する波形判定手段と、上記波形判定手段が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した脈波波形のうちの少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出手段と、を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る脈波伝播速度算出装置の制御方法は、1つの生体の少なくとも2ヶ所から検出された脈波の脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出装置の制御であって、1つの生体の複数箇所から検出されたそれぞれの脈波波形から同一の期間の部分を取得する脈波波形取得ステップと、上記脈波波形取得ステップで取得した、上記期間のそれぞれの脈波波形が、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定する波形判定ステップと、上記波形判定ステップで脈波伝播速度の算出に使用できると判定した脈波波形のうちの少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出ステップと、を含むことを特徴としている。
上記の構成または方法によれば、1つの生体の複数箇所から検出されたそれぞれの脈波波形の同一の算出期間の部分について、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かが判定され、脈波伝播速度の算出に使用できると判定された脈波波形のうちの少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度が算出される。なお、算出期間とは、脈波波形について脈波伝播速度の算出に使用する期間であり、例えば脈波1拍分の期間等である。
これにより、少なくとも2つの脈波伝播速度算出に適した脈波波形を用いて、脈波伝播速度を算出することができるので、脈波伝播速度を正確に算出することができる。
また、脈波の測定部位間の距離が短く、脈波波形の小さな乱れが測定精度に影響を及ぼす場合であっても、上記構成によれば、小さな乱れを生じている脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できる脈波波形としないので、脈波の測定部位間の距離に関わらず、脈波伝播速度の算出に適した脈波波形を用いて、正確に脈波伝播速度を算出することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記波形判定手段は、上記脈波波形を微分した微分波形が極大点となる時刻の当該脈波波形の点を微分極大点として、当該脈波波形の振幅に対する、当該脈波波形の極小点から該極小点の次の上記微分極大点までの変位の割合である振幅微分要素を求め、該振幅微分要素が第1の範囲にあるとき、当該脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定するものであってもよい。
上記の構成によれば、波形判定手段は、振幅微分要素が第1の範囲にある脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する。
そして、振幅微分要素は、脈波が理想的な状態で検出されていれば、1拍ごとに大きく変化しない。これに対し、何らかの理由により脈波が乱れ、理想的な状態で検出された場合と比較して脈波波形の極小点の位置が変化するような場合、上記振幅微分要素は変化する。よって、脈波が理想的な状態で検出されていれば振幅微分要素が取り得るような範囲に、第1の範囲を設定すれば、理想的な状態と比較して極小点の位置が変化していない脈波波形を、脈波伝播速度の算出に適した脈波波形と判定することができる。
そして、理想的な状態と比較して極小点の位置が変化していない脈波波形を用いることにより、正確に脈波伝播速度を算出することができる。
また、上記振幅微分要素は、脈波の測定箇所間の距離が長い場合であっても、短い場合であっても、脈波が理想的な状態で検出されていれば、1拍ごとに大きく変化しない。よって、上記振幅微分要素が上記第1の範囲に含まれている脈波波形を用いることにより、脈波の測定箇所間の距離に関わらず、正確に脈波伝播速度を算出することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記波形判定手段は、上記脈波波形を微分した微分波形が極大点となる時刻の当該脈波波形の点を微分極大点として、当該脈波波形の隣接する極小点間の時間に対する、該隣接する極小点のうちの先の極小点から該極小点の次の上記微分極大点までの時間の割合である間隔微分要素を求め、該間隔微分要素が第2の範囲にあるとき、当該脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定するものであってもよい。
上記の構成によれば、波形判定手段は、間隔微分要素が第2の範囲にある脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する。
そして、間隔微分要素は、脈波が理想的な状態で検出されていれば、1拍ごとに大きく変化しない。これに対し、何らかの理由により脈波が乱れ、理想的な状態で検出された場合と比較して脈波波形の極小点の位置が変化するような場合、上記間隔微分要素は変化する。よって、脈波が理想的な状態で検出されていれば、間隔微分要素が取り得るような範囲に、第2の範囲を設定すれば、理想的な状態と比較して極小点の位置が変化していない脈波波形を、脈波伝播速度の算出に適した脈波波形と判定することができる。
そして、理想的な状態と比較して極小点の位置が変化していない脈波波形を用いることにより、正確に脈波伝播速度を算出することができる。
また、上記間隔微分要素は、脈波の測定箇所間の距離が長い場合であっても、短い場合であっても、脈波が理想的な状態で検出されていれば、1拍ごとに大きく変化しない。よって、上記間隔微分要素が、上記第2の範囲に含まれている脈波波形を用いることにより、脈波の測定箇所間の距離に関わらず、正確に脈波伝播速度を算出することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記波形判定手段は、上記脈波波形の隣接する極小点間の時間に対する、該隣接する極小点のうちの先の極小点から該極小点の次の極大点までの時間の割合である間隔極大要素を求め、該間隔極大要素が第3の範囲にあるとき、当該脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定するものであってもよい。
上記の構成によれば、波形判定手段は、間隔極大要素が第3の範囲にある脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する。
そして、間隔極大要素は、脈波が理想的な状態で検出されていれば、1拍ごとに大きく変化しない。これに対し、何らかの理由により脈波が乱れ、理想的な状態で検出された場合と比較して脈波波形の極小点の位置が変化するような場合、上記間隔微分要素は変化する。よって、脈波が理想的な状態で検出されていれば間隔極大要素が取り得るような範囲に、第3の範囲を設定すれば、理想的な状態と比較して極小点の位置が変化していない脈波波形を、脈波伝播速度の算出に適した脈波波形と判定することができる。
そして、理想的な状態と比較して極小点の位置が変化していない脈波波形を用いることにより、正確に脈波伝播速度を算出することができる。
また、上記間隔極大要素は、脈波の測定箇所間の距離が長い場合であっても、短い場合であっても、脈波が理想的な状態で検出されていれば、1拍ごとに大きく変化しない。よって、上記間隔極大要素が、上記第3の範囲に含まれている脈波波形を用いることにより、脈波の測定箇所間の距離に関わらず、正確に脈波伝播速度を算出することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、上記脈波検出部が上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記振幅微分要素を求め、求めた振幅微分要素の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第1の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第1の上限値までを上記第1の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、脈波検出部が装着された後から第1の検出期間における脈波波形の振幅微分要素の平均値から第1の範囲を設定する。そして、脈波検出部を装着した後の脈波波形を用いることにより、脈波検出部の装着後の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。また、平均値から範囲決定値を減算した第1の下限値から、該平均値に範囲決定値を加算した第1の上限値までを第1の範囲とすることで、脈波検出部の装着の仕方、個人差、その時々の血管状態等を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、予め第1の範囲を設定した場合と比較して、より実態に即した範囲設定を行うことができ、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを、より実態に即して判定することができる。
なお、第1の検出期間とは、適切な平均値が算出でき、かつできるだけ短い期間であり、例えば、脈波が20拍する期間を挙げることができる。また、範囲決定値は、平均値に当該範囲決定値を減算した下限値から、平均値に当該範囲決定値を加算した上限値までを設定範囲としたときに、脈波伝播速度の算出に使用できる脈波波形が判定できるような値であり、例えば、上記平均値の10%の値を挙げることができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、上記脈波検出部が上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記間隔微分要素を求め、求めた間隔微分要素の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第2の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第2の上限値までを上記第2の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、脈波検出部が装着された後から第1の検出期間における脈波波形の間隔微分要素の平均値から第2の範囲を設定する。そして、脈波検出部を装着した後の脈波波形を用いることにより、脈波検出部の装着後の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。また、平均値から範囲決定値を減算した第2の下限値から該平均値に範囲決定値を加算した第2の上限値までを第2の範囲をすることで、脈波検出部の装着の仕方、個人差、その時々の血管状態等を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、予め第2の範囲を設定した場合と比較して、より実態に即した範囲設定を行うことができ、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを、より実態に即して判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、上記脈波検出部が上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記間隔極大要素を求め、求めた間隔極大要素の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第3の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第3の上限値までを上記第3の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、脈波検出部が装着された後から第1の検出期間における脈波波形の間隔極大要素の平均値から第3の範囲を設定する。そして、脈波検出部を装着した後の脈波波形を用いることにより、脈波検出部の装着後の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。また、平均値から範囲決定値を減算した第3の下限値から該平均値に範囲決定値を加算した第3の上限値までを第3の範囲をすることで、脈波検出部の装着の仕方、個人差、その時々の血管状態等を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、予め第3の範囲を設定した場合と比較して、より実態に即した範囲設定を行うことができ、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを、より実態に即して判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記振幅微分要素を求め、求めた振幅微分要素の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第4の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第4の上限値までを上記第1の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間における脈波波形の振幅微分要素の平均値から第1の範囲を設定する。そして、人間の血管の状態は、その時々によって変化するものなので、判定を行う直前の脈波波形を用いて範囲設定を行うことにより、そのときの血管の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、判定時点の実態に即して、脈波波形が脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定することができる。
なお、第2の検出期間とは、適切な平均値が算出でき、かつできるだけ短い期間であり、例えば、20秒程度の期間を挙げることができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記間隔微分要素を求め、求めた間隔微分要素の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第5の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第5の上限値までを上記第2の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間における脈波波形の間隔微分要素の平均値から第2の範囲を設定する。そして、人間の血管の状態は、その時々によって変化するものなので、判定を行う直前の脈波波形を用いて範囲設定を行うことにより、そのときの血管の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、判定時点の実態に即して、脈波波形が脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記間隔極大要素を求め、求めた間隔極大要素の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第6の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第6の上限値までを上記所定の第3の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間における脈波波形の間隔極大要素の平均値から第3の範囲を設定する。そして、人間の血管の状態は、その時々によって変化するものなので、判定を行う直前の脈波波形を用いて範囲設定を行うことにより、そのときの血管の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、判定時点の実態に即して、脈波波形が脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記波形判定手段は、上記脈波取得手段が取得した、上記算出期間の2つの脈波波形について、上記脈波波形を微分した微分波形が極大点となる時刻の当該脈波波形の点を微分極大点として、当該脈波波形の振幅に対する、当該脈波波形の極小点から該極小点の次の上記微分極大点までの変位の割合である振幅微分要素を求め、上記2つの脈波波形の該振幅微分要素の比が第4の範囲にあるとき、当該2つの脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定するものであり、上記脈波伝播速度算出手段は、上記波形判定手段が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出するものであってもよい。
上記の構成によれば、波形判定手段は、脈波取得手段が取得した2つの脈波波形について、振幅微分要素の比が第4の範囲にあるとき、該2つの脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する。
そして、2つの脈波波形の振幅微分要素の増減が同程度であった場合、振幅微分要素そのものを判定に用いると、脈波波形に異常はないにもかかわらず、該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できないと判定する可能性がある。
これに対し、2つの脈波波形に異常はないにもかかわらず、それぞれの脈波波形の振幅微分要素の増減が同程度であった場合、振幅微分要素の各値は増減しても、振幅微分要素の比はそれほど変化しないので、当該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定することができる。よって、振幅微分要素そのものを用いる場合と比較して、より正確に脈波伝播速度を算出することができる。
また、2つの脈波波形の振幅微分要素の一方が増加し他方が減少した場合、振幅微分要素そのものを用いると、脈波波形は異常であるにもかかわらず、該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する可能性がある。
これに対し、振幅微分要素の比は、2つの脈波波形の振幅微分要素の一方が増加し、他方が減少した場合、大きく変化するので、当該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できないと判定することができる。よって、振幅微分要素そのものを用いる場合と比較して、より正確に脈波伝播速度を算出することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記波形判定手段は、上記脈波取得手段が取得した、上記算出期間の2つの脈波波形について、上記脈波波形を微分した微分波形が極大点となる時刻の当該脈波波形の点を微分極大点として、当該脈波波形の隣接する極小点間の時間に対する、該隣接する極小点のうちの先の極小点から該極小点の次の上記微分極大点までの時間の割合である間隔微分要素を求め、上記2つの脈波波形の該間隔微分要素の比が第5の範囲にあるとき、当該2つの脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定するものであり、上記脈波伝播速度算出手段は、上記波形判定手段が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出するものであってもよい。
上記の構成によれば、波形判定手段は、脈波取得手段が取得した2つの脈波波形について、間隔微分要素の比が第5の範囲にあるとき、該2つの脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する。
そして、2つの脈波波形の間隔微分要素の増減が同程度であった場合、間隔微分要素そのものを判定に用いると、脈波波形に異常はないにもかかわらず、該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できないと判定する可能性がある。
これに対し、2つの脈波波形に異常はないにもかかわらず、それぞれの脈波波形の間隔微分要素の増減が同程度であった場合、間隔微分要素の各値は増減しても、間隔微分要素の比はそれほど変化しないので、当該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定することができる。よって、間隔微分要素そのものを用いる場合と比較して、より正確に脈波伝播速度を算出することができる。
また、2つの脈波波形の間隔微分要素の一方が増加し、他方が減少した場合、間隔微分要素そのものを用いると、脈波波形は異常であるにもかかわらず、該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する可能性がある。
これに対し、間隔微分要素の比は、2つの脈波波形の間隔微分要素の一方が増加し、他方が減少した場合、大きく変化するので、当該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できないと判定することができる。よって、間隔微分要素そのものを用いる場合と比較して、より正確に脈波伝播速度を算出することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記波形判定手段は、上記脈波取得手段が取得した、上記算出期間の2つの脈波波形について、上記脈波波形の隣接する極小点間の時間に対する、該隣接する極小点のうちの先の極小点から該極小点の次の極大点までの時間の割合である間隔極大要素を求め、上記2つの脈波波形の該間隔極大要素の比が第6の範囲にあるとき、当該2つの脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定するものであり、上記脈波伝播速度算出手段は、上記波形判定手段が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出するものであってもよい。
上記の構成によれば、波形判定手段は、脈波取得手段が取得した2つの脈波波形について、間隔極大要素の比が第6の範囲にあるとき、該2つの脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する。
そして、2つの脈波波形の間隔極大要素の増減が同程度であった場合、間隔極大要素そのものを判定に用いると、脈波波形に異常はないにもかかわらず、該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できないと判定する可能性がある。
これに対し、2つの脈波波形に異常はないにもかかわらず、それぞれの脈波波形の間隔極大要素の増減が同程度であった場合、間隔極大要素の各値は増減しても、間隔極大要素の比はそれほど変化しないので、当該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定することができる。よって、間隔極大要素そのものを用いる場合と比較して、より正確に脈波伝播速度を算出することができる。
また、2つの脈波波形の間隔極大要素の一方が増加し他方が減少した場合、間隔極大要素そのものを用いると、脈波波形は異常であるにもかかわらず、該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できると判定する可能性がある。
これに対し、間隔極大要素の比は、2つの脈波波形の間隔極大要素の一方が増加し、他方が減少した場合、大きく変化するので、当該脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できないと判定することができる。よって、間隔極大要素そのものを用いる場合と比較して、より正確に脈波伝播速度を算出することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、上記2つの脈波検出部が共に上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記振幅微分要素の比を求め、求めた振幅微分要素の比の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第7の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第7の上限値までを上記第4の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、脈波検出部が装着された後から第1の検出期間における脈波波形の振幅微分要素の比の平均値から第4の範囲を設定する。そして、脈波検出部を装着した後の脈波波形を用いることにより、脈波検出部の装着後の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。また、平均値から範囲決定値を減算した第7の下限値から該平均値に範囲決定値を加算した第7の上限値までを第4の範囲をすることで、脈波検出部の装着の仕方、個人差、その時々の血管状態等を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、予め第4の範囲を設定した場合と比較して、より実態に即した範囲設定を行うことができ、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを、より実態に即して判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、上記2つの脈波検出部が共に上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記間隔微分要素の比を求め、求めた間隔微分要素の比の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第8の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第8の上限値までを上記第5の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、脈波検出部が装着された後から第1の検出期間における脈波波形の間隔微分要素の比の平均値から第5の範囲を設定する。そして、脈波検出部を装着した後の脈波波形を用いることにより、脈波検出部の装着後の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。また、平均値から範囲決定値を減算した第8の下限値から該平均値に範囲決定値を加算した第8の上限値までを第5の範囲をすることで、脈波検出部の装着の仕方、個人差、その時々の血管状態等を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、予め第5の範囲を設定した場合と比較して、より実態に即した範囲設定を行うことができ、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを、より実態に即して判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、上記2つの脈波検出部が共に上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記間隔極大要素の比を求め、求めた間隔極大要素の比の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第9の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第9の上限値までを上記第6の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、脈波検出部が装着された後から第1の検出期間における脈波波形の間隔極大要素の比の平均値から第6の範囲を設定する。そして、脈波検出部を装着した後の脈波波形を用いることにより、脈波検出部の装着後の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。また、平均値から範囲決定値を減算した第9の下限値から該平均値に範囲決定値を加算した第9の上限値までを第6の範囲をすることで、脈波検出部の装着の仕方、個人差、その時々の血管状態等を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、予め第6の範囲を設定した場合と比較して、より実態に即した範囲設定を行うことができ、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを、より実態に即して判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記振幅微分要素の比を求め、求めた振幅微分要素の比の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第10の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第10の上限値までを上記第4の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間における脈波波形の振幅微分要素の比の平均値から第4の範囲を設定する。そして、人間の血管の状態は、その時々によって変化するものなので、判定を行う直前の脈波波形を用いて範囲設定を行うことにより、そのときの血管の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、判定時点の実態に即して、脈波波形が脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記間隔微分要素の比を求め、求めた間隔微分要素の比の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第11の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第11の上限値までを上記第5の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間における脈波波形の間隔微分要素の比の平均値から第5の範囲を設定する。そして、人間の血管の状態はその時々によって変化するものなので、判定を行う直前の脈波波形を用いて範囲設定を行うことにより、そのときの血管の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、判定時点の実態に即して、脈波波形が脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記間隔極大要素の比を求め、求めた間隔極大要素の比の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第12の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第12の上限値までを上記第6の範囲とする範囲設定手段と、を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、範囲設定手段は、波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間における脈波波形の間隔極大要素の比の平均値から第6の範囲を設定する。そして、人間の血管の状態はその時々によって変化するものなので、判定を行う直前の脈波波形を用いて範囲設定を行うことにより、そのときの血管の状態を考慮した範囲設定を行うことができる。これにより、判定時点の実態に即して、脈波波形が脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定することができる。
本発明に係る脈波伝播速度算出装置では、上記波形判定手段が、上記脈波取得手段が取得した脈波波形のいずれかを脈波伝播速度の算出に使用できないと判定した場合、判定結果を提示する提示手段を備えているものであってもよい。
上記の構成によれば、脈波取得手段が取得した脈波波形のいずれかを脈波伝播速度の算出に使用できない場合に判定結果を提示するので、ユーザは、脈波波形が脈波伝播速度の算出に使用できないことを認識することができる。
また、脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できないと判定された回数が所定の回数(例えば、5回)を超えたときは、脈波検出部の装着具合が不良であるとすることで、ユーザは、脈波検出部の装着具合が不良であることを認識することができる。
上記脈波伝播速度算出装置と、該脈波伝播速度算出装置が算出した脈波伝播速度を用いて血圧値を推定する血圧値推定手段と、を備えた血圧測定装置は、上述した効果を奏することができる。
なお、上記脈波伝播速度算出装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記脈波伝播速度算出装置をコンピュータにて実現させる脈波伝播速度算出装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明に係る脈波伝播速度算出装置は、1つの生体の複数箇所から検出されたそれぞれの脈波波形から同一の算出期間の部分を取得する脈波波形取得手段と、上記脈波波形取得手段が取得した、上記算出期間のそれぞれの脈波波形が、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定する波形判定手段と、上記波形判定手段が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した脈波波形のうちの少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出手段と、を備えている構成である。
また、本発明に係る脈波伝播速度算出装置の制御方法は、1つの生体の複数箇所から検出されたそれぞれの脈波波形から同一の期間の部分を取得する脈波波形取得ステップと、上記脈波波形取得ステップで取得した、上記期間のそれぞれの脈波波形が、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定する波形判定ステップと、上記波形判定ステップで脈波伝播速度の算出に使用できると判定した脈波波形のうちの少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出ステップと、を含む方法である。
これにより、少なくとも2つの脈波伝播速度算出に適した脈波波形を用いて、脈波伝播速度を算出することができるので、脈波伝播速度を正確に算出することができるという効果を奏する。
また、脈波の測定部位間の距離が短く、脈波波形の小さな乱れが測定精度に影響を及ぼす場合であっても、上記構成によれば、小さな乱れを生じている脈波波形を脈波伝播速度の算出に使用できる脈波波形としないので、脈波の測定部位間の距離に関わらず、脈波伝播速度の算出に適した脈波波形を用いて、正確に脈波伝播速度を算出することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を示すものであり、脈波伝播速度算出装置の要部構成を示すブロック図である。 上記実施の形態において、脈波データ取得部が取得した1拍分の脈波データの脈波波形を示す図である。 上記実施の形態において、振幅微分要素と脈波伝播時間との関係を示す図である。 上記実施の形態において、間隔微分要素と脈波伝播時間との関係を示す図である。 上記実施の形態において、間隔極大要素と脈波伝播時間との関係を示す図である。 上記実施の形態において、第1脈波波形と第2脈波波形との適否判定要素が同じ方向に変化する場合を示す図である。 上記実施の形態において、第1脈波波形および第2脈波波形の適否判定素が逆の方向に変化する場合を示す図である。 上記実施の形態において、脈波伝播速度算出装置の処理の流れを示すフローチャートである。 上記実施の形態において、範囲基準値の初期設定処理の流れを示すフローチャートである。 上記実施の形態において、脈波波形の適否判定処理の流れを示すフローチャートである。 上記実施の形態において、範囲基準値の更新処理の流れを示すフローチャートである。 本実施の形態に係る血圧測定装置の要部構成を示すブロック図である。 上記実施の形態において、血圧測定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 従来技術において、2つの所定の測定部位に装着された脈波センサの測定部位間の距離が短い場合において測定された脈波信号の立ち上がり部分だけを示した図である。
本発明の一実施の形態について図1から図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施の形態に係る脈波伝播速度算出装置1は、第1脈波センサ(脈波検出部)11および第2脈波センサ(脈波検出部)12で検出した脈波の脈波波形の算出期間における波形が、脈波伝播速度の算出に適しているか否かを、脈波伝播速度が異常となるときの脈波波形の要素を用いて判断し、適していると判断した脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出するものである。これにより、脈波伝播速度が異常となる場合を排除することができ、正確に脈波伝播速度を算出することができる。
図1は、本実施の形態にかかる脈波伝播速度算出装置1のブロック図である。図1に示すように、脈波伝播速度算出装置1は、第1脈波センサ11、第2脈波センサ12、記憶部13、制御部14、および表示部15を含む構成である。
第1脈波センサ11、および第2脈波センサ12は、生体から脈波を検出するためのセンサであり、LED(Light-emitting diode)等の発光素子とPD(Photo diode)等の受光素子により構成されている。なお、本実施の形態では、第1脈波センサ11によって検出された脈波の脈波波形を第1脈波波形、第2脈波センサ12によって検出された脈波の脈波波形を第2脈波波形と呼ぶ。
生体から脈波を検出する原理は以下の通りである。発光素子から放射した光が生体内に入射し、生体内の血管によって吸収される。そして、生体内の血管は、心拍に同期して血管の体積が変化するので、入射した光の吸収量も心拍に同期し変化する。よって、生体内に入射し、散乱および反射された光を受光素子で検出すれば、心拍に同期した脈波信号を得ることできる。なお、発光素子から発せられる光の波長は生体内を伝播しやすい波長である、700nmから1000nm程度の光が脈波検出にはよく用いられる。
また、第1脈波センサ11、第2脈波センサ12の装着位置としては、指、手首、腕、耳、頚動脈などが考えられる。常時計測を可能にするためにウェアラブルな生体センサを実現するためには、生体の末梢部に装着することが好ましい。抹消部に装着した方が、ユーザに対する拘束感や不快感が低いと考えられるためである。
そして、脈波伝播速度を算出するためには、最低2つの測定部位における脈波信号を検出する必要がある。なお、2つの測定部位間の距離が短くなればなるほど、2つの測定部位間の脈波伝播時間が小さくなり、正確な測定を行うためには、サンプリング周波数を高くする必要が生じる。また、2つの測定部位間の距離が短くなればなるほど、脈波信号の測定誤差が脈波伝播速度の算出結果に与える影響が大きくなる。すなわち、脈波伝播速度算出の精度に大きく影響する。
また、例えば、測定部位として指と手首を用いた場合、2つの測定部位間の距離は約15cmである。よって、脈波伝播速度が600cm/sであれば、脈波伝播時間として20msの値が得られる。なお、第1脈波センサ11、および第2脈波センサ12は、上述した方法に限られず、圧力センサ等によって脈波を検出するものであってもよい。
記憶部13は、情報を記憶するものであり、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性の記憶装置と、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置とによって構成される。不揮発性の記憶装置に記憶される内容としては、各種プログラム、各種動作設定値、各種データなどが挙げられる。一方、揮発性の記憶装置に記憶される内容としては、作業用ファイル、テンポラリファイルなどが挙げられる。本実施の形態では、記憶部13は、第1脈波データ記憶部31、および第2脈波データ記憶部32を含んでいる。
第1脈波データ記憶部31および第2脈波データ記憶部32は、それぞれ第1脈波センサ11および第2脈波センサ12が検出した脈波をその時刻とともに記憶しているものである。
表示部15は、脈波伝播速度算出装置1で算出した脈波伝播速度、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の装着の良否、および脈波の良否等の情報の表示を行うものである。この表示部15としては、情報の表示が可能な表示装置であればどのような装置によって実現されてもよいが、具体的な例としては、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等が挙げられる。また、表示部15とともに、振動で情報を伝達するバイブレータを備えていてもよい。
バイブレータを用いることにより、振動でユーザに対し情報を伝達することができるので、例えば、ウェアラブルな測定装置で、ユーザが表示部を常時見ることできない場合であっても、ユーザに対し測定エラー等の情報を伝達することができる。
制御部14は、脈波伝播速度を算出するものであり、脈波データ取得部(脈波波形取得手段)41、適否範囲基準値設定部(範囲設定手段)42、波形適否判定部(波形判定手段、範囲設定手段)43、脈波伝播速度算出部(脈波伝播速度算出手段)44、表示制御部45、および装着良否判定部46を含む構成である。
脈波データ取得部41は、第1脈波データ記憶部31および第2脈波データ記憶部32に記憶されている脈波データのうち、所定の期間の脈波データを取得し、適否範囲基準値設定部42、波形適否判定部43、および脈波伝播速度算出部44に送信するものである。なお、所定の期間としては、例えば、最新の脈波の1拍に相当する期間を挙げることができる。
適否範囲基準値設定部42は、波形適否判定部43で用いる範囲基準値を設定する。第1脈波センサ11および第2脈波センサ12から得られた脈波の脈波波形は、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の装着状態、個人差、装着者のその時の血管状態等によって変化する。よって、被測定者が第1脈波センサ11および第2脈波センサ12を装着した後に、範囲基準値を設定するのことが望ましい。また、装着後も、非測定者の血管状態等は変化する可能性があるので、範囲基準値を更新していくことが望ましい。そこで、適否範囲基準値設定部42は、範囲基準値の初期設定および更新を行う。なお、具体的な設定および更新の方法については後述する。
また、適否範囲基準値設定部42は、範囲基準値の設定が行えなかった場合に、その旨を示す情報を装着良否判定部46へ送信する。
装着良否判定部46は、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の装着の良否を判定するものである。具体的には、適否範囲基準値設定部42から範囲基準値の設定が行えなかったという情報を取得すると、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の少なくともいずれか一方が正しく装着されていないと判定し、判定結果を示す情報を表示制御部45へ送信する。なお、装着良否判定部46は、適否範囲基準値設定部42から範囲基準値の設定が行えなかったという情報を所定の回数取得すると、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の少なくともいずれか一方が正しく装着されていないと判定するものであってもよい。
これにより、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の装着具合(装着圧など)が正常でないために、脈波波形が安定せず脈波伝播速度が算出できない場合等に、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12を正しく装着し直すことを被測定者に対し促すことができる。
波形適否判定部43は、適否範囲基準値設定部42から範囲基準値を取得すると、該範囲基準値を用いて、脈波データ取得部41から取得した1拍分の脈波の波形が、脈波伝播速度の算出に適しているか否かを判定する。具体的には、取得した範囲基準値に予め定められた範囲決定値(本実施の形態では範囲基準値の10%の値)を減算、および加算した値で挟まれる範囲に適否判定要素があるか否かによって判定する。
また、波形適否判定部43は、波形の適否判定を行うために算出した適否判定要素を記憶部13に記憶させる。さらに、波形適否判定部43は、判定結果を、脈波伝播速度算出部44および表示制御部45へ送信する。なお、判定の具体的な方法については後述する。
次に、適否判定要素について図2を用いて説明する。図2は、脈波データ取得部41が取得した1拍分の脈波データの脈波波形205を示す図である。そして、図2に示すように、脈波波形205には、極小点201、202、極大点203、および微分極大点204が存在する。微分極大点とは、脈波波形を微分した微分波形の極大点をとる時間の微分前の脈波波形の点である。
また、脈波波形205の振幅を脈波振幅P、極小点201と微分極大点204との変位差を変位D、極小点201から次の極小点202までの時間を時間PT、極小点201から微分最大点204までの時間を時間DT、極小点201から極大点203までの時間を時間UTと定義する。
そして、本実施の形態における適否判定要素は、脈波波形205の脈波振幅Pに対する極小点201から微分極大点204までの変位Dの割合である振幅微分要素(D/P)、脈波波形205の極小点201から次の極小点202までの時間PTに対する極小点201から微分極大点204までの時間DTの割合である間隔微分要素(DT/PT)、脈波波形205の極小点201から次の極小点202まで時間PTに対する極小点201から極大点203までの時間UTの割合である間隔極大要素(UT/PT)の3つである。
そして、上記の振幅微分要素、間隔微分要素、および間隔極大要素の3つの要素は、理想的な状態で脈波が測定できている場合は1拍毎にほとんど変化しない。これに対し、図12に示すように、脈波が乱れ、極小点1302の位置が極小点1102の位置に変化したような場合、乱れた脈波における微分極大点1103の位置は本来の脈波波形1301の微分極大点1303の位置から大きく変化はしない。よって、脈波が乱れた場合は、上記3つの要素は変化する。
振幅微分要素の例について、図3を用いて説明する。図3は、振幅微分要素と脈波伝播時間との関係を示す図である。図3では、左の縦軸に脈伝播時間を、右の縦軸に振幅微分要素の値を示す。また、横軸は時間である。また、図3において、黒三角印が脈波伝播時間であり、白四角印が第1脈波波形の振幅微分要素、白丸印が第2脈波波形の振幅微分要素を示す。図3に示すように、2つの振幅微分要素がおよそ一定の値を示している場合は、脈波伝播時間は大きく変化はしない。しかしながら、いずれかの振幅微分要素が大きく変化すると、脈波伝播時間は、大きく変化し、異常な値を取ることがわかる。よって、振幅微分要素を用いることで、脈波波形の適否を判断することができる。
次に、間隔微分要素の例について、図4を用いて説明する。図4は、間隔微分要素と脈波伝播時間との関係を示す図である。図4では、左の縦軸に脈伝播時間を、右の縦軸に間隔微分要素の値を示す。また、横軸は時間である。また、図4において、黒三角印が脈波伝播時間であり、白四角印が第1脈波波形の間隔微分要素、白丸印が第2脈波波形の間隔微分要素を示す。図4に示すように、2つの間隔微分要素がおよそ一定の値を示している場合は、脈波伝播時間は大きく変化はしない。しかしながら、いずれかの間隔微分要素が大きく変化すると、脈波伝播時間は、大きく変化し、異常な値を取ることがわかる。よって、間隔微分要素を用いることで、脈波波形の適否を判断することができる。
さらに、間隔極大要素の例について、図4を用いて説明する。図4は、間隔極大要素と脈波伝播時間との関係を示す図である。図4では、左の縦軸に脈伝播時間を、右の縦軸に間隔極大要素の値を示す。また、横軸は時間である。また、図4において、黒三角印が脈波伝播時間であり、白四角印が第1脈波波形の間隔極大要素、白丸印が第2脈波波形の間隔極大要素を示す。図4に示すように、2つの間隔極大要素がおよそ一定の値を示している場合は、脈波伝播時間は大きく変化はしない。しかしながら、いずれかの間隔極大要素が大きく変化すると、脈波伝播時間は、大きく変化し、異常な値を取ることがわかる。よって、間隔極大要素を用いることで、脈波波形の適否を判断することができる。
また、適否判定要素は、第1脈波波形および第2脈波波形の、上記の振幅微分要素、間隔微分要素、および間隔極大要素(以下、適否判定要素と呼ぶ)の比であってもよい。比を用いることによる利点を図4、5を用いて説明する。
まず、図4は、第1脈波波形と第2脈波波形との適否判定要素が同じ方向に変化する場合を示す図である。そして、図5において、白丸印は第1脈波波形の適否判定要素を示し、黒四角印は第2脈波波形の適否判定要素を示す。また、黒三角印は第1脈波波形の適否判定要素と第2脈波波形の適否判定要素との比を示す。また、破線および一点鎖線は、それぞれの要素が適当と判定される範囲を示す。
図4において、第2脈波波形の適否判定要素の点401および第1脈波波形の適否判定要素の点402は、適当と判定される範囲から外れている。しかし、点401および点402のように適否判定要素が同じ方向に変化した場合は、血管の状態が変わった為に、それぞれの適否判定要素が同じ様に変化したと考えられる。よって、この場合に、点401および点402を不適とすることは好ましくない。そこで、第1脈波波形の適否判定要素と第2脈波波形の適否判定要素との比を求めると、比は、同方向に同程度変化した場合は変わらないので、点401と点402との比に対応する点403は、適当と判定される範囲に存在することになる。
よって、適当な脈波波形であるにもかかわらず、適否判定要素のみで脈波の適否を判定した場合は不適となるような場合に、比を用いると適当と判断することができ、より正確な脈波波形の適否判定を行うことができる。
次に、図5は、第1脈波波形および第2脈波波形の適否判定素が逆の方向に変化する場合を示す図である。そして、図5において、白丸印は第1脈波波形の適否判定要素を示し、黒四角印は第2脈波波形の適否手判定要素を示す。また、黒三角印は第1脈波波形の適否判定要素と第2脈波波形の適否判定要素との比を示す。また、破線および一点鎖線は、それぞれの要素が適当と判定される範囲を示す。
図5において、第2脈波波形の適否判定要素の点501および第1脈波波形の適否判定要素の点502は、適当と判定される範囲内に存在している。しかし、点501および点502のように適否判定要素が逆方向に変化した場合は、血管の状態が変わったというよりも、体動などの影響によって、それぞれの適否判定要素が変化したと考えられる。よって、この場合に点501および点502を適当と判定することは好ましくない。そこで、第1脈波波形の適否判定要素と第2脈波波形の適否判定要素との比を求めると、比は、逆方向に変化した場合は大きく変わるので、点501と点502との比に対応する点503は、適当と判定される範囲から外れることになる。
よって、不適な脈波波形であるにもかかわらず、適否判定要素のみで脈波の適否を判定した場合は適当となるような場合に、比を用いると不適と判断することができ、より正確な脈波波形の適否判定を行うことができる。
脈波伝播速度算出部44は、波形適否判定部43で脈波波形が適当と判定された脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する。具体的には、第1脈波センサ11によって検出された脈波の第1脈波波形と、第2脈波センサ12によって検出された脈波の第2脈波波形とがともに、波形適否判定部43によって適当と判定されると、適当と判定された第1脈波波形と第2脈波波形とから、脈波伝播時間を算出する。
脈波伝播時間の算出方法は、2つの脈波波形において、脈波伝播速度算出基準点を決定し、該基準点同士の時間差を算出することによって行う。脈波伝播速度算出基準としては、脈波の立ち上がり点(極小点)、脈波振幅の1/5の高さになる時の点などを挙げることができる。
そして、第1脈波センサ11と第2脈波センサ12との距離を算出した脈波伝播時間で割ることにより、脈波伝播速度を算出する。そして、算出した脈波伝播速度を表示制御部45へ送信する。
表示制御部45は、取得した情報を表示部15に表示させるものである。具体的には、装着良否判定部46から装着具合判定結果を取得すると、装着具合の判定結果を表示部15に表示させる。また、波形適否判定部43から、脈波波形の判定結果を取得すると、該判定結果を表示部15に表示させる。さらに、脈波伝播速度算出部44から脈波伝播速度を取得すると、脈波伝播速度を表示部15に表示させる。
次に、図6を用いて、脈波伝播速度算出装置1における処理の流れについて説明する。図6は、脈波伝播速度算出装置1の処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、脈波伝播速度算出装置1は、まず適否範囲基準値設定部42が、脈波波形の範囲基準値の初期設定処理を行う(S100)。範囲基準値の初期設定処理については後述する。そして、範囲基準値の初期設定が終了すると、波形適否判定部43は、設定された範囲基準値を用いて、脈波波形の適否判定処理を行う(S200、波形判定ステップ)。脈波波形の適否判定処理については後述する。そして、適否判定処理が終了すると、適否範囲基準値設定部42は、波形適否判定部43が適否判定を行った脈波波形の適否判定要素を用いて範囲基準値の更新処理を行う(S300)。範囲基準値の更新処理については後述する。そして、脈波伝播速度算出部44は、波形適否判定部43が適当と判定した脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出し(S400、脈波伝播速度算出ステップ)、表示部15は算出された脈波伝播速度を表示する(S500)。そして、ステップS200へ戻る。以上で、脈波伝播速度算出装置1の処理の流れは終了する。
次に、図7を用いて、範囲基準値の初期設定処理の流れについて説明する。図7は、範囲基準値の初期設定処理の流れを示すフローチャートである。
まず、脈波データ取得部41は、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12によって検出された脈波の1拍分(算出期間)の脈波波形を取得する(S101)。次に、適否範囲基準値設定部42は、第1脈波センサ11によって検出された脈波の波形である第1脈波波形および第2脈波センサ12によって検出された脈波の波形である第2脈波波形それぞれの脈波間隔を算出する(S102)。脈波間隔とは、脈波波形における隣接する極小点間の時間である。
そして、算出した第1脈波波形の脈波間隔の第2脈波波形の脈波間隔に対する比が所定の範囲内(例えば、0.95〜1.05)にあるか否かを判定する(S103)。脈波間隔は心拍と同期しており、通常、第1脈波波形の脈波間隔と第2脈波波形の脈波間隔とは、ほぼ等しくなる。したがって、第1脈波波形の脈波間隔の第2脈波波形の脈波間隔に対する比が所定の範囲内に入らなければ、体動などの影響により、当該1拍あたりの脈波が正確に検出できていないと判断することができる。
そして、第1脈波波形の脈波間隔の第2脈波波形の脈波間隔に対する比が所定の範囲内になければ(S103でNO)、適否範囲基準値設定部42は、測定エラー回数を1増加させて、記憶部13に記憶する(S104)。そして、測定エラー回数が所定の回数(例えば、5回)を超えているか否かを判断し(S107)、所定の回数を超えていなければ(S107でNO)、ステップS101へ戻る。一方、所定の回数を超えていれば(S107でYES)、装着良否判定部46は、第1脈波センサ11または第2脈波センサ12の装着具合が悪いと判断し、表示部15は装着具合のエラー表示を行う(S114)。そして、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12が再装着されるの待つ状態となる(S116)。
一方、第1脈波波形の脈波間隔の第2脈波波形の脈波間隔に対する比が所定の範囲内にあれば(S103でYES)、第1脈波波形および第2脈波波形それぞれの適否判定要素を算出する(S105)。適否判定要素は、上述したように振幅微分要素(D/P)、間隔微分要素(DT/PT)、および間隔極大要素(UT/PT)の少なくともいずれか1つである。また、上記各要素の比であってもよい。そして、第1脈波波形および第2脈波波形それぞれについて算出した適否判定要素が所定の範囲内(例えば、振幅微分要素の場合では0.2から0.6、間隔微分要素の場合では0.03から0.1、間隔極大要素の場合では0.1から0.25)に入っているかどうかを判定する(S106)。
適否判定要素が所定の範囲内になければ(S106でNO)、ステップ104に進み、測定エラー回数を1増加させて、記憶部13に記憶する。一方、適否判定要素が所定の範囲内にあれば(S106でYES)、算出した適否判定要素を記憶部13に記憶するとともに、測定回数を1増加させる(S108)。
そして、適否範囲基準値設定部42は、測定拍数が所定拍数(例えば、20拍、第1の検出期間)を超えたか否かを判定する(S109)。測定拍数が所定拍数を超えていなければ(S109でNO)、ステップS101に戻る。一方、測定拍数が所定拍数を超えていれば(S109でYES)、第1脈波波形および第2脈波波形それぞれの適否判定要素の所定拍数分の分散を算出する(S110)。そして、算出した分散がそれぞれ所定の値(例えば、振幅微分要素の場合では、0.02、間隔微分要素の場合では0.005、間隔極大要素の場合では0.01)以下か否かを判断する(S111)。そして、分散が、所定の値より大きければ(S111でNO)、表示部15で装着具合エラーの表示を行う(S114)。分散が所定の値より大きい場合、脈波波形が安定していない、すなわち、第1脈波センサ11または第2脈波センサ12の装着具合が悪いと判断できるためである。そして、再び脈波波形が取得されるのを待つ状態となり(S116)、範囲基準値の初期設定処理を初めから行う。
一方、分散が所定の値以下であれば(S111でYES)、表示部15は、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の装着具合を良と表示する(S112)。
そして、適否範囲基準値設定部42は、記憶されている所定の拍数の適否判定要素の平均値を算出し(S113)、算出した平均値を範囲基準値の初期値として設定する。以上で、範囲基準値の初期設定処理が終了する。
なお、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の装着具合を判定する場合において、公知の体動を検知するセンサ(例えば、加速度センサ)を用いてもよい。体動センサを用いることにより、より精度良く第1脈波センサ11および第2脈波センサ12の装着具合を判定できる。なぜなら、生体から得られる脈波は体動の影響を受けやすいので、脈波の乱れが、装着具合に起因するのか、体動に起因するのかが明確にできるためである。
次に、図8を用いて脈波波形の適否判定処理の流れについて説明する。図8は、脈波波形の適否判定処理の流れを示すフローチャートである。まず、波形適否判定部43は、第1脈波センサ11および第2脈波センサ12が検出した脈波の波形である脈波波形の1拍分(算出期間)を脈波データ取得部41から取得する(S201、脈波波形取得ステップ)。そして、取得した脈波波形から、図7のステップS105における処理と同じ適否判定要素を算出する(S202)。次に、波形適否判定部43は、算出した適否判定要素が範囲基準値の±X%(例えば、±10%、範囲決定値)の範囲内に入るか否かを判定する(S203)。
なお、上記範囲は、適否判定要素について、振幅微分要素を用いたときが第1の範囲、振幅微分要素の比を用いたときが第4の範囲、間隔微分要素を用いたときが第2の範囲、間隔微分要素の比を用いたときが第5の範囲、間隔極大要素を用いたときが第3の範囲、間隔極大要素の比を用いたときが第6の範囲となる。
そして、適否判定要素が範囲基準値の±X%の範囲内であれば(S203でYES)、脈波伝播速度算出に適した脈波波形と判断し、結果を脈波伝播速度算出部44へ送信するとともに、算出した適否判定要素を記憶部13へ記憶する(S204)。一方、適否判定要素が範囲基準値の±X%の範囲内でなければ(S203でNO)、脈波伝播速度算出に適した脈波波形ではないと判断し、脈波伝播速度算出に適した脈波波形ではないと判断した期間が所定期間(例えば、5分)を超えたかを判定する(S205)。そして、所定時間を超えていれば(S205でYES)、表示部15は、第1脈波センサ11または第2脈波センサ12の装着具合のエラー表示を行う(S206)。そして、再び脈波波形が取得されるのを待つ状態となり(S207)、範囲基準値の初期設定処理を初めから行うことになる。
一方、所定時間を超えていなければ(S205でNO)、ステップS201へ戻り、次の1拍分の脈波波形を取得する。以上で、脈波波形の適否判定処理の流れを終了する。
次に、図9を用いて、範囲基準値の更新処理の流れについて説明する。図9は、範囲基準値の更新処理の流れを示すフローチャートである。
まず、適否範囲基準値設定部42は、波形適否判定部43で適当と判定されたときの直前の所定期間(例えば、20秒間、第2の検出期間)に、波形適否判定部43が記憶部13に記憶した適否判定要素の平均値を算出する。そして、算出した平均値を範囲基準値として更新する(S302)。
また、脈波伝播速度算出装置1に対し、脈波伝播速度から血圧を推定する血圧値推定部61をさらに備えた血圧測定装置2について、図10および図11を用いて説明する。
図10は、本実施の形態に係る血圧測定装置2の要部構成を示すブロック図である。血圧値推定部61は、脈波伝播速度算出部44が算出した脈波伝播速度を取得し、取得した脈波伝播速度から血圧値を推定するものである。そして、推定した血圧値を表示制御部45へ送信する。
ここで、脈波伝播速度から血圧値を推定する方法について説明する。
脈波伝播速度(PWV)は、次に示すMoens−Kortewegの式で表される。PWV=(Eh/ρD)1/2。ここで、Eは弾性率、hは血管壁径、 ρは血液密度、Dは血管の直径を示す。よって、血管が硬くなり、血管壁が厚くなるほど、脈波伝播速度は速くなる。また、血管内径が小さくなり、血液密度が低くなるほど、脈波伝播速度は速くなる。
また、血圧が高くなるほど、血管が硬くなることが知られている。血圧が高いほど血管壁張力が増すため、血管が硬くなるのである。よって、血圧が高くなると脈波伝播速度も速くなる。
そして、脈波伝播速度(PWV)と血圧値(BP)の間には次式に示すような関係がある。BP=a×PWV+b。ここで、傾きaと切片bは、個人差がある。また、同じ人物であってもその日の血管の状態などによって異なる。よって、傾きaと切片bは、予め血圧値と脈波伝播速度との関係を求めることにより決定される。
よって、傾きaと切片bが予め決定されていれば、脈波伝播速度から血圧値を推定することができる。
次に、図11を用いて、血圧測定装置2における処理の流れを説明する。図11は、血圧測定装置2における処理の流れを示すフローチャートである。なお、図11において、ステップS100からステップS400までは、図7と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS400で脈波伝播速度を算出すると、血圧値推定部61は、算出された脈波伝播速度を用いて、予め設定された脈波伝播速度と血圧値の関係から血圧値を推定する(S600)。そして、表示部15は、血圧値推定部61が推定した血圧値を表示する(S700)。以上で、血圧測定装置2における処理の流れは終了する。
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、脈波伝播速度算出装置1および血圧測定装置2の各ブロック、特に脈波データ取得部41、適否範囲基準値設定部42、波形適否判定部43、脈波伝播速度算出部44、表示制御部45、装着良否判定部46、および血圧値推定部61は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPU(central processing unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、脈波伝播速度算出装置1および血圧測定装置2は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである脈波伝播速度算出装置1および血圧測定装置2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記の脈波伝播速度算出装置1および血圧測定装置2に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、脈波伝播速度算出装置1および第2脈波センサ12を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
脈波センサの測定距離に関わらず、正確に脈波伝播速度を算出できるので、脈波センサの装着部位を自由に決定できる脈波伝播速度算出装置に好適である。また、脈波伝播速度から血圧を推定する装置、例えば、手首と指先に脈波センサを取り付けた血圧測定装置に好適である。
1 脈波伝播速度算出装置
11 第1脈波センサ(脈波検出部)
12 第2脈波センサ(脈波検出部)
41 脈波データ取得部(脈波波形取得手段)
42 適否範囲基準値設定部(範囲設定手段)
43 波形適否判定部(波形判定手段、範囲設定手段)
44 脈波伝播速度算出部(脈波伝播速度算出手段)

Claims (18)

  1. 1つの生体の少なくとも2箇所から検出された脈波の脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出装置において、
    1つの生体の複数箇所から検出されたそれぞれの脈波波形から同一の算出期間の部分を取得する脈波波形取得手段と、
    上記脈波波形取得手段が取得した、上記算出期間のそれぞれの脈波波形が、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定する波形判定手段と、
    上記波形判定手段が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した脈波波形のうちの少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出手段と、を備えていることを特徴とする脈波伝播速度算出装置。
  2. 上記波形判定手段は、上記脈波波形を微分した微分波形が極大点となる時刻の当該脈波波形の点を微分極大点として、当該脈波波形の振幅に対する、当該脈波波形の極小点から該極小点の次の上記微分極大点までの変位の割合である振幅微分要素を求め、該振幅微分要素が第1の範囲にあるとき、当該脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定することを特徴とする請求項1に記載の脈波伝播速度算出装置。
  3. 上記波形判定手段は、上記脈波波形を微分した微分波形が極大点となる時刻の当該脈波波形の点を微分極大点として、当該脈波波形の隣接する極小点間の時間に対する、該隣接する極小点のうちの先の極小点から該極小点の次の上記微分極大点までの時間の割合である間隔微分要素を求め、該間隔微分要素が第2の範囲にあるとき、当該脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定することを特徴とする請求項1に記載の脈波伝播速度算出装置。
  4. 上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、
    上記脈波検出部が上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記振幅微分要素を求め、求めた振幅微分要素の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第1の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第1の上限値までを上記第1の範囲とする範囲設定手段と、を備えていることを特徴とする請求項2に記載の脈波伝播速度算出装置。
  5. 上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、
    上記脈波検出部が上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記間隔微分要素を求め、求めた間隔微分要素の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第2の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第2の上限値までを上記第2の範囲とする範囲設定手段と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の脈波伝播速度算出装置。
  6. 上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、
    上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記振幅微分要素を求め、求めた振幅微分要素の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第3の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第3の上限値までを上記第1の範囲とする範囲設定手段と、を備えていることを特徴とする請求項2に記載の脈波伝播速度算出装置。
  7. 上記生体に装着され、該生体から上記脈波を検出する脈波検出部と、
    上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記脈波検出部が検出した脈波の脈波波形から、上記算出期間毎の上記間隔微分要素を求め、求めた間隔微分要素の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第4の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第4の上限値までを上記第2の範囲とする範囲設定手段と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の脈波伝播速度算出装置。
  8. 上記波形判定手段は、上記脈波波形取得手段が取得した、上記算出期間の2つの脈波波形について、上記脈波波形を微分した微分波形が極大点となる時刻の当該脈波波形の点を微分極大点として、当該脈波波形の振幅に対する、当該脈波波形の極小点から該極小点の次の上記微分極大点までの変位の割合である振幅微分要素を求め、上記2つの脈波波形の該振幅微分要素の比が第3の範囲にあるとき、当該2つの脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定するものであり、
    上記脈波伝播速度算出手段は、上記波形判定手段が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出するものであることを特徴とする請求項1に記載の脈波伝播速度算出装置。
  9. 上記波形判定手段は、上記脈波波形取得手段が取得した、上記算出期間の2つの脈波波形について、上記脈波波形を微分した微分波形が極大点となる時刻の当該脈波波形の点を微分極大点として、当該脈波波形の隣接する極小点間の時間に対する、該隣接する極小点のうちの先の極小点から該極小点の次の上記微分極大点までの時間の割合である間隔微分要素を求め、上記2つの脈波波形の該間隔微分要素の比が第4の範囲にあるとき、当該2つの脈波波形は脈波伝播速度の算出に使用できると判定するものであり、
    上記脈波伝播速度算出手段は、上記波形判定手段が脈波伝播速度の算出に使用できると判定した2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出するものであることを特徴とする請求項1に記載の脈波伝播速度算出装置。
  10. 上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、
    上記2つの脈波検出部が共に上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記振幅微分要素の比を求め、求めた振幅微分要素の比の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第5の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第5の上限値までを上記第3の範囲とする範囲設定手段と、を備えていることを特徴とする請求項8に記載の脈波伝播速度算出装置。
  11. 上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、
    上記2つの脈波検出部が共に上記生体に装着された後から第1の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記間隔微分要素の比を求め、求めた間隔微分要素の比の上記第1の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第6の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第6の上限値までを上記第4の範囲とする範囲設定手段と、を備えていることを特徴とする請求項9に記載の脈波伝播速度算出装置。
  12. 上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、
    上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記振幅微分要素の比を求め、求めた振幅微分要素の比の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第7の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第7の上限値までを上記第3の範囲とする範囲設定手段と、を備えていることを特徴とする請求項8に記載の脈波伝播速度算出装置。
  13. 上記生体に装着され、該生体から脈波を検出する2つの脈波検出部と、
    上記波形判定手段が脈波波形の判定を行う直前の第2の検出期間に上記2つの脈波検出部が検出したそれぞれの脈波の脈波波形の上記算出期間毎の上記間隔微分要素の比を求め、求めた間隔微分要素の比の上記第2の検出期間における平均値を求め、該平均値から所定の範囲決定値を減算した第8の下限値から、該平均値に上記範囲決定値を加算した第8の上限値までを上記第4の範囲とする範囲設定手段と、を備えていることを特徴とする請求項9に記載の脈波伝播速度算出装置。
  14. 上記波形判定手段が、上記脈波波形取得手段が取得した脈波波形のいずれかを脈波伝播速度の算出に使用できないと判定した場合、判定結果を提示する提示手段を備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の脈波伝播速度算出装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の脈波伝播速度算出装置と、
    上記脈波伝播速度算出装置が算出した脈波伝播速度を用いて血圧値を推定する血圧値推定手段と、を備えていることを特徴とする血圧測定装置。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の脈波伝播速度算出装置を動作させる脈波伝播速度算出装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための脈波伝播速度算出装置制御プログラム。
  17. 請求項16に記載の脈波伝播速度算出装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 1つの生体の少なくとも2ヶ所から検出された脈波の脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出装置の制御方法であって、
    1つの生体の複数箇所から検出されたそれぞれの脈波波形から同一の期間の部分を取得する脈波波形取得ステップと、
    上記脈波波形取得ステップで取得した、上記期間のそれぞれの脈波波形が、脈波伝播速度の算出に使用できるか否かを判定する波形判定ステップと、
    上記波形判定ステップで脈波伝播速度の算出に使用できると判定した脈波波形のうちの少なくとも2つの脈波波形を用いて脈波伝播速度を算出する脈波伝播速度算出ステップと、を含むことを特徴とする脈波伝播速度算出装置の制御方法。
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