JP2011023609A - 非接触加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路基板と実装部品との加熱接合部分の温度を正確に測定し且つ良好に回路基板と実装部品とを加熱接合することができること。
【解決手段】本発明にかかる非接触加熱装置1は、レーザ光L1を射出するレーザ光源2と、レーザ光源2が射出したレーザ光によって加熱処理される加熱目的部位10から放射された赤外線L2を検出して加熱目的部位10の温度を測定する放射温度測定部3と、かかるレーザ光L1を照射し且つ赤外線L2を集光する光路合成集光部4とを備える。光路合成集光部4は、加熱目的部位10に照射したレーザ光L1の光軸と同じ光軸の赤外線L2を放射温度測定部3に集光する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回路基板に実装部品を加熱接合する際に回路基板と実装部品との接合部分を非接触に加熱する非接触加熱装置に関するものである。
従来から、電子部品等の実装部品を回路基板に実装する際、一般に、回路基板と実装部品との接合部分に半田等の接合部材を介在させ、この接合部材を加熱処理することによって回路基板に実装部品を加熱接合している。かかる実装部品の加熱接合工程において、回路基板に実装部品を確実に加熱接合するためには、回路基板と実装部品との接合部温度を正確に測定して、かかる回路基板と実装部品との接合部分に介在する接合部材を適切に加熱処理する必要がある。
なお、このような実装部品の加熱接合技術において、例えば、電子部品と実装基板との半田付け部に加熱用レーザ光を照射して半田付け部を非接触に加熱し、この加熱された半田付け部に測定用レーザ光を照射したときに起こる測定用レーザの偏光面の回転を検出して、この半田付け部の良否を判定する装置が登場している(特許文献1参照)。
特開平11−94782号公報
しかしながら、上述した従来技術では、回路基板と実装部品との接合部分に加熱用のレーザ光を照射してこの接合部分を非接触に加熱処理し、且つ、この加熱処理部分から放射される赤外線の検出結果をもとに、この接合部分の温度を非接触に測定する場合、この接合部分に照射するレーザ光の光軸と検出赤外線の光軸とのなす角度が大きいため、他の部品(例えば、接合対象の実装部品の近傍に存在する他の実装部品等)によって、かかるレーザ光または検出赤外線の光束が阻害される可能性があった。このため、回路基板と実装部品との加熱接合部分の温度を正確に測定し且つ良好に回路基板と実装部品とを加熱接合することは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、回路基板と実装部品との加熱接合部分の温度を正確に測定し且つ良好に回路基板と実装部品とを加熱接合することができる非接触加熱装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる非接触加熱装置は、レーザ光を射出するレーザ光射出部と、前記レーザ光によって加熱処理される加熱目的部位から放射された赤外線を検出して前記加熱目的部位の温度を測定する放射温度測定部と、前記加熱目的部位に前記レーザ光を照射し、この照射した前記レーザ光の光軸と同じ光軸の前記赤外線を前記放射温度測定部に集光する照射集光部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる非接触加熱装置は、上記の発明において、前記照射集光部は、前記レーザ光の光路と前記赤外線の光路とを合成する光路合成部を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる非接触加熱装置は、上記の発明において、前記照射集光部は、前記加熱目的部位に前記レーザ光を集光するレンズを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる非接触加熱装置は、上記の発明において、前記加熱目的部位からの可視光を受光して前記加熱目的部位の可視光画像を撮像する可視光撮像部を備え、前記照射集光部は、前記レーザ光の光軸と同じ光軸の前記赤外線を前記放射温度測定部に集光するとともに、前記レーザ光の光軸と同じ光軸の前記可視光を前記可視光撮像部に集光することを特徴とする。
また、本発明にかかる非接触加熱装置は、上記の発明において、前記照射集光部は、前記加熱目的部位に対して垂直に前記レーザ光を照射し、この照射した前記レーザ光の光軸と同じ光軸であって前記加熱目的部位に対して垂直な光軸の前記赤外線を前記放射温度測定部に集光することを特徴とする。
また、本発明にかかる非接触加熱装置は、上記の発明において、前記加熱目的部位の温度範囲を規定する複数の温度閾値を記憶する記憶部と、前記放射温度測定部が測定した前記加熱目的部位の温度と前記温度閾値とを比較処理し、該比較処理の結果をもとに、前記レーザ光射出部のレーザ光出力を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる非接触加熱装置では、レーザ光射出部が、加熱目的部位にレーザ光を射出し、放射温度測定部が、前記レーザ光によって加熱処理される前記加熱目的部位から放射された赤外線を検出して前記加熱目的部位の温度を測定し、照射集光部が、前記加熱目的部位に前記レーザ光を照射し、この照射した前記レーザ光の光軸と同じ光軸の前記赤外線を前記放射温度測定部に集光している。このため、回路基板と実装部品との加熱接合部分の温度を正確に測定し且つ良好に回路基板と実装部品とを加熱接合することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明にかかる非接触加熱装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかる非接触加熱装置1は、レーザ光を射出するレーザ光源2と、測温対象物の温度を非接触に測定する放射温度測定部3と、レーザ光源2と放射温度測定部3とに光学的に接続される光路合成集光部4とを備える。また、非接触加熱装置1は、操作部5と、表示部6と、記憶部7と、制御部8とを備える。
レーザ光源2は、加熱目的部位10を加熱処理するためのレーザ光を射出するレーザ光射出部として機能する。具体的には、レーザ光源2は、光学部材(例えば、後述する光路合成集光部4の光ファイバ4a)によって光路合成集光部4と光学的に接続され、制御部8の制御に基づいてレーザ光を射出する。かかるレーザ光源2によって射出されたレーザ光L1は、光路合成集光部4を介して加熱目的部位10に照射される。なお、かかるレーザ光L1によって加熱処理される加熱目的部位10として、例えば、プリント配線基板等の実装基板と電子部品等の実装部品との加熱接合部分等が挙げられる。
放射温度測定部3は、加熱目的部位10の温度を非接触に測定する非接触温度測定部として機能する。具体的には、放射温度測定部3は、光路(例えば、後述する光路合成集光部4の光ファイバ4b等)によって光路合成集光部4と光学的に接続される。放射温度測定部3は、制御部8の制御に基づいて、上述したレーザ光源2からのレーザ光L1によって加熱処理される加熱目的部位10から放射された赤外線L2を、光路合成集光部4を介して検出して、この加熱目的部位10の温度を測定する。
詳細には、放射温度測定部3は、赤外線を検出可能な赤外線撮像部3aを備える。赤外線撮像部3aは、CCDまたはCMOS等の固体撮像素子等を用いて実現される。赤外線撮像部3aは、光路合成集光部4に内蔵された光ファイバ4b等の光路によって加熱目的部位10を捉えた視野を有する。赤外線撮像部3aは、上述したレーザ光源2からのレーザ光L1によって加熱処理される加熱目的部位10から放射された赤外線L2を、光路合成集光部4を介して受光して、この加熱目的部位10の温度分布を示す温度画像を撮像する。この場合、赤外線撮像部3aは、光路合成集光部4内のレンズ(図示せず)によって結像された赤外線L2を受光し、この受光した赤外線L2のエネルギーを加熱目的部位10の表面温度に換算して加熱目的部位10の温度分布を取得する。放射温度測定部3は、かかる赤外線撮像部3aによって取得した加熱目的部位10の温度分布をもとに加熱目的部位10の温度を算出し、この算出した温度を加熱目的部位10の測定温度データとして制御部8に送信する。また、放射温度測定部3は、加熱目的部位10の測定温度データの一つとして、かかる赤外線撮像部3aによって撮像した加熱目的部位10の温度画像の画像信号を制御部8に送信する。
なお、かかる放射温度測定部3によって算出される加熱目的部位10の測定温度は、赤外線撮像部3aによる加熱目的部位10の温度分布の平均温度であってもよいし、最高温度であってもよいし、最低温度であってもよいし、中央値であってもよい。
光路合成集光部4は、レーザ光源2によるレーザ光L1を加熱目的部位10に照射し、この照射したレーザ光L1の光軸と同じ光軸の赤外線L2(詳細には加熱目的部位10から放射された赤外線L2)を放射温度測定部3に集光する照射集光部として機能する。具体的には、光路合成集光部4は、レーザ光源2から射出されたレーザ光L1の光路を形成する光ファイバ4aと、加熱目的部位10から放射された赤外線L2の光路を形成する光ファイバ4bと、かかるレーザ光L1および赤外線L2の共通光路を形成する光ファイバ4cと、かかるレーザ光L1と赤外線L2とを分岐する光分波器4dとを備える。
光ファイバ4aは、レーザ光源2と光路合成集光部4とを光学的に接続して、レーザ光源2からのレーザ光L1の光路を形成する。光ファイバ4aは、レーザ光源2がレーザ光L1を射出した場合、このレーザ光L1を光路合成集光部4内の光分波器4dに導波する。光ファイバ4bは、放射温度測定部3と光路合成集光部4とを光学的に接続して、放射温度測定部3に導波する赤外線L2の光路を形成する。光ファイバ4bは、加熱目的部位10から放射された赤外線L2を放射温度測定部3の赤外線撮像部3aに導波する。光ファイバ4cは、光分波器4dを介して光ファイバ4a,4bと光学的に接続され、上述したレーザ光L1および赤外線L2の共通光路を形成する。この場合、光ファイバ4cの一端は、光分波器4dとの接続端部であり、この光ファイバ4cの他端は、光路合成集光部4における光入出力端部4eである。かかる光路合成集光部4の光入出力端部4eは、図1に示すように、加熱目的部位10と対向する。
光分波器4dは、例えば光導波路型またはフィルタ型の光分波器であり、レーザ光源2によるレーザ光L1の光路と加熱目的部位10からの赤外線L2の光路とを合成する光路合成部としての機能を有する。具体的には、光分波器4dは、光ファイバ4aによる光路を伝搬したレーザ光源2からのレーザ光L1を光ファイバ4cに導波する。この場合、レーザ光L1は、光ファイバ4cによる光路を伝搬して光入出力端部4eから光路合成集光部4の外部に射出され、その後、加熱目的部位10に照射される。一方、この加熱目的部位10から放射された赤外線L2は、この光入出力端部4eから光路合成集光部4内に入射して光ファイバ4cによる光路を伝搬する。この場合、光分波器4dは、かかる光ファイバ4cによる光路を伝搬した加熱目的部位10からの赤外線L2を放射温度測定部3側の光ファイバ4bに導波する。その後、この赤外線L2は、光ファイバ4bによる光路を伝搬して放射温度測定部3の赤外線撮像部3aに受光される。光分波器4dは、このようにレーザ光L1と赤外線L2とを分岐することによって、レーザ光L1の射出光路と赤外線L2の入射光路とを合成する。
このような構成を有する光路合成集光部4は、光分波器4dによってレーザ光L1の光路と赤外線L2の光路とを合成して、このレーザ光L1と同軸の赤外線L2を集光する。すなわち、光路合成集光部4は、少なくとも光入出力端部4eと加熱目的部位10との間の空間、具体的には光分波器4dと加熱目的部位10との間の光路において、加熱目的部位10に照射するレーザ光L1の光軸と加熱目的部位10から集光する赤外線L2の光軸とを同軸にする。
操作部5は、非接触加熱装置1の各種操作を行うためのものである。具体的には、操作部5は、キーボードおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、ユーザによる入力操作に対応して制御部8に各種操作情報を入力する。なお、かかる操作部5によって制御部8に入力される操作情報として、例えば、レーザ光源2のレーザ光出力を制御部8に指示するレーザ光出力指示情報、加熱目的部位10の温度測定を制御部8に指示する測温指示情報、加熱目的部位10の温度測定結果等の各種情報の表示を制御部8に指示する表示指示情報等が挙げられる。
表示部6は、CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の画像表示が可能なディスプレイを用いて実現され、制御部8によって表示指示された各種情報を表示する。なお、かかる表示部6が表示する各種情報として、例えば、放射温度測定部3によって測定された加熱目的部位10の温度、赤外線撮像部3aによって撮像された加熱目的部位10の温度画像等が挙げられる。
記憶部7は、EEPROMまたはハードディスク等の再書き込み可能な不揮発性の記憶媒体を用いて実現される。記憶部7は、制御部8によって書き込み指示された各種データを保存し、制御部8によって読み出し指示された保存データを制御部8に送信する。具体的には、記憶部7は、制御部8の制御に基づいて、放射温度測定部3による加熱目的部位10の測定温度データ、赤外線撮像部3aによる加熱目的部位10の温度画像データ等を記憶する。
制御部8は、この実施の形態1にかかる非接触加熱装置1の各構成部を制御する。具体的には、制御部8は、非接触加熱装置1の機能を実現するためのプログラム等を記憶する記憶部およびこの記憶部内のプログラムを実行するコンピュータ等を用いて実現される。制御部8は、非接触加熱装置1の構成部であるレーザ光源2、放射温度測定部3、操作部5、表示部6、および記憶部7の各動作を制御し、且つ、かかる各構成部間における信号の入出力を制御する。より具体的には、制御部8は、操作部5によって入力されたレーザ光出力指示情報に基づいて、加熱目的部位10を加熱処理するためのレーザ光を射出するようにレーザ光源2を制御する。この場合、制御部8は、かかるレーザ光出力指示情報によって指示された出力のレーザ光を射出するようにレーザ光源2を制御する。一方、制御部8は、操作部5によって入力された測温指示情報に基づいて、加熱目的部位10の温度画像を撮像し且つ加熱目的部位10の温度を測定するように放射温度測定部3を制御する。この場合、制御部8は、赤外線撮像部3aが撮像した加熱目的部位10の温度画像の画像信号およびこの加熱目的部位10の測定温度データを放射温度測定部3から取得する。また、制御部8は、操作部5によって入力された表示指示情報に基づいて、かかる加熱目的部位10の温度画像および測定温度データを表示するように表示部6を制御する。なお、制御部8は、かかる加熱目的部位10の温度画像データおよび測定温度データを記憶するように記憶部7を制御し、必要に応じて、かかる記憶データを記憶部7から読み出す。
また、制御部8は、放射温度測定部3から取得した画像信号を処理する画像処理部8aを備える。画像処理部8aは、赤外線撮像部3aが撮像した加熱目的部位10の温度画像の画像信号を放射温度測定部3から取得し、この取得した画像信号に対して所定の画像処理を行って、この加熱目的部位10の温度分布を示す温度画像を生成する。なお、かかる画像処理部8aが生成した温度画像は、上述したように、制御部8の制御に基づいて、記憶部7に記憶され且つ表示部6に表示される。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる非接触加熱装置1の作用について説明する。図2は、レーザ光の照射による加熱目的部位の加熱処理および放射赤外線の検出による加熱目的部位の温度測定処理を具体的に示す模式図である。
図2において、回路基板11は、所定の回路をパターン形成したリジッド回路基板または容易に湾曲可能なフレキシブル回路基板であり、例えば、ガラスエポキシ基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、ポリイミド基板等である。実装部品12は、表面実装型または挿入実装型の各種部品であり、例えば、コンデンサ等の電子部品であってもよいし、放熱板等の非電子部品であってもよい。また、かかる回路基板11には、実装部品12を電気的に接続するための基板電極11a,11bが形成されている。基板電極11a,11bは、かかる回路基板11の種類、実装部品12の種類、または部品実装後の用途に応じて、金、銅等の各種金属部材を用いて形成される。かかる基板電極11a,11bの表面には、実装部品12を加熱接合するための半田等の接合部材13が設けられる。
なお、基板電極11a,11bは、かかる金属部材による単層電極であってもよいし、金層、ニッケル層、チタン層等の複数の金属層を積層して形成される多層電極であってもよい。一方、接合部材13は、鉛含有の半田であってもよいし、Sn−3.0Ag−0.5Cu等の半田組成である鉛フリー半田であってもよいし、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂であってもよい。かかる接合部材13は、ペースト状態にして基板電極11a,11b上に塗布されてもよいし、プリコートされてもよいし、糸状半田等によって適宜供給されてもよい。
以下では、この実施の形態1にかかる非接触加熱装置1の加熱目的部位10の一具体例として、かかる回路基板11の基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分を例示して、非接触加熱装置1による加熱目的部位10の加熱処理および温度測定処理を具体的に説明する。
かかる回路基板11に実装部品12を加熱接合する際の非接触加熱装置1において、図2に示すように、光路合成集光部4は、上述した加熱目的部位10の一具体例である回路基板11の基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分に光入出力端部4eを対向させた状態に配置される。レーザ光源2は、かかる状態の光路合成集光部4にレーザ光L1を所定の時間入射する。この場合、レーザ光源2から射出されたレーザ光L1は、図2の実線矢印に示されるように、光路合成集光部4の光ファイバ4a、光分波器4dおよび光ファイバ4cの各内部を順次導波して光入出力端部4eから光路合成集光部4外に射出する。その後、この射出したレーザ光L1は、図2に示すように、実装部品12自体等の意図しない物体に遮断されることなく、この基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分に所定の時間照射される。
このように基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分に照射されたレーザ光L1は、所定の時間、この基板電極11a上の接合部材13を加熱処理する。この接合部材13は、かかるレーザ光L1の作用によって、室温から融点程度(例えば半田組成がSn−3.0Ag−0.5Cuである鉛フリー半田である場合、約220℃)まで加熱処理され、これによって溶融し、その後、温度低下に伴って凝固する。この結果、回路基板11の基板電極11aおよび実装部品12は、かかる接合部材13によって加熱接合されるとともに電気的に接続される。このようにして、非接触加熱装置1による加熱目的部位10の加熱処理が達成される。
一方、かかるレーザ光L1の作用によって接合された基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分(すなわち加熱目的部位10)からは、この加熱接合部分の部材に応じた赤外線が放射される。この状態において、光路合成集光部4は、かかる基板電極11aと実装部品12と加熱接合部分から放射された赤外線のうち、上述したレーザ光L1の光軸と同じ光軸の赤外線L2を集光する。この場合、かかる加熱接合部分からの赤外線L2は、図2の破線矢印に示されるように、上述したレーザ光L1と同軸の光路を導波して光入出力端部4eから光路合成集光部4内に入射する。その後、この入射した赤外線L2は、光路合成集光部4の光ファイバ4cおよび光分波器4dの各内部を順次導波し、この光分波器4dによって放射温度測定部3側に分岐される。かかる光分波器4dによって分岐された赤外線L2は、光路合成集光部4の光ファイバ4b内を導波し、最終的に、放射温度測定部3の赤外線撮像部3aに受光される。
このように赤外線L2を受光した赤外線撮像部3aは、この赤外線L2の放射元である加熱目的部位10、すなわち基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分の温度分布を示す温度画像を撮像する。また、放射温度測定部3は、かかる加熱目的部位10の温度分布をもとに、この基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分の温度を測定する。このようにして、非接触加熱装置1による加熱目的部位10の温度測定処理が達成される。
ここで、放射温度測定部3が、仮に図2の2点破線に示すように、上述したレーザ光L1の光軸と異なる光軸の赤外線L20を実装部品12側から受光する位置に配置された場合、この実装部品12側からの赤外線L20の光軸とレーザ光L1の光軸との間に所定以上の角度が生じ、且つ、かかる赤外線L20の光路とレーザ光L1の光路との間に所定以上の離間距離が生じる。この場合、上述したレーザ光L1の作用によって加熱処理された加熱目的部位10である基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分からの赤外線L2の光束の少なくとも一部は、かかる配置状態の放射温度測定部3に到達する前に、例えば実装部品12自体等によって遮断されてしまう。このため、かかる配置状態の放射温度測定部3は、この基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分からの赤外線L2を確実に受光することが困難になる。これに起因して、かかる配置状態の放射温度測定部3は、この基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分の温度分布を正確に示す温度画像を撮像することが困難になり、この結果、かかる加熱接合部分の温度を正確に測定することが困難になる。
これに対し、本発明の実施の形態1にかかる非接触加熱装置1において、光路合成集光部4は、図2に示したように、少なくとも光入出力端部4eと加熱目的部位10との間の空間、具体的には、少なくとも基板電極11aおよび実装部品12の加熱接合部分と光入出力端部4eとの間の光路において、この加熱接合部分に照射するレーザ光L1の光軸とこの加熱接合部分から集光する赤外線L2の光軸とを同軸にする。このため、放射温度測定部3は、実装部品12自体等の意図しない物体によって赤外線L2の光束を遮断されることなく、かかる光路合成集光部4を介して加熱目的部位10からの赤外線L2を受光でき、この結果、この加熱目的部位10の温度を正確に測定できる。
一方、特に図2には図示しないが、レーザ光源2からのレーザ光L1の光軸と放射温度測定部3に受光される実装部品12側からの赤外線L20の光軸とが異なる場合、加熱目的部位10である基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分に照射すべきレーザ光L1の光束の少なくとも一部が、例えば実装部品12自体等によって遮断される可能性がある。この場合、レーザ光源2は、かかる加熱目的部位10にレーザ光L1を正確に照射することが困難になり、この結果、上述した基板電極11aと実装部品12とを確実に加熱接合することが困難になる。これに対して、本発明の実施の形態1にかかる非接触加熱装置1は、上述したように、光路合成集光部4によって、少なくとも光入出力端部4eと加熱目的部位10との間の光路においてレーザ光L1の光軸と赤外線L2の光軸とを同軸にしている。このため、レーザ光源2は、実装部品12自体等の意図しない物体によってレーザ光L1の光束を遮断されることなく、かかる光路合成集光部4を介して加熱目的部位10に確実にレーザ光L1を照射でき、この結果、上述した加熱目的部位10である基板電極11aと実装部品12とを確実に加熱接合できる。
なお、かかる回路基板11に実装部品12を加熱接合する際の非接触加熱装置1は、他方の基板電極11bと実装部品12との加熱接合部分に光路合成集光部4の光入出力端部4eを対向させた状態にして、この加熱接合部分にレーザ光L1を照射し、且つ、この加熱接合部分からの赤外線L2を受光することによって、上述した基板電極11aの場合と同様に、基板電極11bと実装部品12との加熱接合部分の温度を正確に測定し且つ基板電極11bと実装部品12とを確実に加熱接合できる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1では、射出レーザ光の光路と検出赤外線の光路とを合成する光路合成集光部を介して加熱目的部位にレーザ光源からのレーザ光を照射し、このレーザ光の照射によって加熱処理した加熱目的部位から放射された赤外線であってこのレーザ光の光軸と同じ光軸の赤外線を、この光路合成集光部によって放射温度測定部に集光するように構成した。このため、少なくとも光路合成集光部の光入出力端部と加熱目的部位との間の空間において、加熱目的部位への照射レーザ光の光軸と加熱目的部位からの検出赤外線の光軸とのなす角度を可能な限り小さい値(例えば略零°)にすることができるとともに、かかる照射レーザ光の光路と検出赤外線の光路との離間距離を可能な限り小さい値(例えば略零)にすることができる。これによって、実装部品自体等の意図しない物体によって、加熱目的部位への照射レーザ光の光束が阻害されることを防止できるとともに加熱目的部位からの検出赤外線の光束が阻害されることを防止することができる。この結果、回路基板と実装部品との加熱接合部分の温度を正確に測定し且つ良好に回路基板と実装部品とを加熱接合することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、光路合成集光部4の光分波器4dによってレーザ光源2からのレーザ光L1の光路と加熱目的部位10からの赤外線L2の光路とを合成していたが、この実施の形態2では、かかるレーザ光L1の光路と赤外線L2の光路とをビームスプリッタによって合成している。
図3は、本発明の実施の形態2にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。図3に示すように、この実施の形態2にかかる非接触加熱装置21は、上述した実施の形態1にかかる非接触加熱装置1の光路合成集光部4に代えて光路合成集光部24を備える。この光路合成集光部24は、実施の形態1における光路合成集光部4の光ファイバ4b,4cおよび光分波器4dに代えてビームスプリッタ24bを備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
光路合成集光部24は、上述したようにビームスプリッタ24bを備え、実施の形態1における光路合成集光部4と同様に、レーザ光源2によるレーザ光L1を加熱目的部位10に照射し、この照射したレーザ光L1の光軸と同じ光軸の赤外線L2(詳細には加熱目的部位10から放射された赤外線L2)を放射温度測定部3に集光する照射集光部として機能する。なお、光路合成集光部24は、かかるビームスプリッタ24bの機能以外、上述した実施の形態1にかかる非接触加熱装置1の光路合成集光部4と同様の機能を有する。
ビームスプリッタ24bは、レーザ光源2によるレーザ光L1の光路と加熱目的部位10からの赤外線L2の光路とを合成する光路合成部としての機能を有する。具体的には、ビームスプリッタ24bは、レーザ光源2が射出したレーザ光L1を透過し且つ加熱目的部位10から放射された赤外線L2を反射する光学特性を有し、放射温度測定部3側に赤外線L2を反射するように光路合成集光部24内に配置される。かかる光学特性を有するビームスプリッタ24bは、加熱目的部位10に照射されるレーザ光L1の光路を遮断することなく、この加熱目的部位10からの赤外線L2の光路とレーザ光L1の光路とを合成する。すなわち、レーザ光源2から射出されたレーザ光L1は、光ファイバ4a内を伝搬して光路合成集光部24内に入射し、その後、ビームスプリッタ24bを通過して光路合成集光部24の光入出力端部24eから光路合成集光部24の外部に射出される。かかる光路合成集光部24から射出したレーザ光L1は、加熱目的部位10に照射される。なお、かかる光路合成集光部24の光入出力端部24eは、図3に示すように、加熱目的部位10と対向する。一方、この加熱目的部位10から放射された赤外線L2は、上述したレーザ光L1と同じ光軸の光路を伝搬して光入出力端部24eから光路合成集光部24内に入射し、その後、ビームスプリッタ24bに到達する。ビームスプリッタ24bは、かかる加熱目的部位10からの赤外線L2を放射温度測定部3側に反射する。すなわち、かかる赤外線L2の入射光路は、加熱目的部位10からビームスプリッタ24bまでの空間においてレーザ光L1の射出光路と合成され、このビームスプリッタ24bによって放射温度測定部3側に分岐される。なお、かかるビームスプリッタ24bによって分岐された赤外線L2は、上述した実施の形態1の場合と同様に、放射温度測定部3の赤外線撮像部3aに受光される。
このような構成を有する光路合成集光部24は、ビームスプリッタ24bによってレーザ光L1の光路と赤外線L2の光路とを合成して、このレーザ光L1と同軸の赤外線L2を集光する。すなわち、光路合成集光部24は、少なくとも光入出力端部24eと加熱目的部位10との間の空間、具体的にはビームスプリッタ24bと加熱目的部位10との間の光路において、加熱目的部位10に照射するレーザ光L1の光軸と加熱目的部位10から集光する赤外線L2の光軸とを同軸にする。
かかる光路合成集光部24を備えた非接触加熱装置21は、例えば図2に示した回路基板11の基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分(加熱目的部位10の一具体例)に光入出力端部24eを対向させた状態にして、この加熱接合部分にレーザ光L1を所定の時間射出する。この場合、非接触加熱装置21は、上述した実施の形態1の場合と同様に、実装部品12自体等の意図しない物体にレーザ光L1の光束を遮断されることなく、所定の時間、この基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分にレーザ光L1を確実に照射できる。この結果、非接触加熱装置21は、実施の形態1の場合と同様に、かかる基板電極11aと実装部品12とを確実に加熱接合できる。
また、非接触加熱装置21は、実施の形態1の場合と同様に、少なくとも光入出力端部24eと加熱目的部位10(例えば図2に示した回路基板11の基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分)との間の空間において、光路合成集光部24によってレーザ光L1の光軸と赤外線L2の光軸とを同軸にする。このため、非接触加熱装置21は、実装部品12自体等の意図しない物体によって赤外線L2の光束を遮断されることなく、この加熱目的部位10からの赤外線L2を受光でき、この結果、実施の形態1の場合と同様に、放射温度測定部3によって加熱目的部位10の温度を正確に測定できる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2では、射出レーザ光を透過し且つ検出赤外線を反射する光学特性を有するビームスプリッタを光路合成集光部の内部に配置し、このビームスプリッタによって、射出レーザ光の光路と検出赤外線の光路とを合成するとともに、加熱目的部位からの赤外線の光路をレーザ光の射出光路から放射温度測定部側に分岐するようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を享受する非接触加熱装置を簡易な構成によって実現することができる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態2では、レーザ光源2によって射出したレーザ光L1がビームスプリッタ24bを透過して加熱目的部位10に照射されるようにしていたが、この実施の形態3では、さらに、レンズによってレーザ光L1を集光し、この集光状態のレーザ光L1を加熱目的部位10に照射するようにしている。
図4は、本発明の実施の形態3にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。図4に示すように、この実施の形態3にかかる非接触加熱装置31は、上述した実施の形態2にかかる非接触加熱装置21の光路合成集光部24に代えて光路合成集光部34を備え、制御部8に代えて制御部38を備える。また、この光路合成集光部34は、実施の形態2における光路合成集光部24の内部であって光入出力端部24eの近傍に、射出レーザ光を集光するレンズ34cをさらに備える。その他の構成は実施の形態2と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
光路合成集光部34は、上述したように、射出レーザ光を集光するレンズ34cを備え、レーザ光源2によるレーザ光L1を加熱目的部位10に照射し、この照射したレーザ光L1の光軸と同じ光軸の赤外線L2(詳細には加熱目的部位10から放射された赤外線L2)を放射温度測定部3に集光する照射集光部として機能する。レンズ34cは、図4に示すように、光路合成集光部34の内部であって光入出力端部24eの近傍に配置される。レンズ34cは、光ファイバ4aを介して光路合成集光部34内に入射してビームスプリッタ24bを透過したレーザ光源2からのレーザ光L1を集光する。かかるレンズ34cによって集光されたレーザ光L1は、光束密度を高めた状態で光入出力端部24eから光路合成集光部34の外部に射出され、その後、集光前に比してスポット径を小径化した状態で加熱目的部位10に照射される。この結果、加熱目的部位10は、このように高光束密度化に伴ってスポット径が小径化したレーザ光L1の作用によって短時間に効率よく加熱処理される。なお、光路合成集光部24は、かかるレンズ34cの機能以外、上述した実施の形態2にかかる非接触加熱装置21の光路合成集光部24と同様の機能を有する。
制御部38は、レーザ光源2の動作タイミングと放射温度測定部3の動作タイミングとを同期制御する。具体的には、制御部38は、操作部5によって入力されたレーザ光出力指示情報に基づいてレーザ光L1を射出するようにレーザ光源2を制御するとともに、このレーザ光L1の射出期間、すなわち加熱目的部位10に対するレーザ光L1の照射期間に、この加熱目的部位10の温度画像の撮像動作および温度測定処理を実行するように放射温度測定部3を制御する。制御部38は、かかるレーザ光源2および放射温度測定部3の同期制御によって、レーザ光L1の照射による加熱目的部位10の加熱処理と加熱目的部位10の温度測定処理とを同時に実現する。この場合、制御部38は、かかる加熱処理中の加熱目的部位10の温度画像データおよび測定温度データを取得することができる。なお、制御部38は、かかるレーザ光源2および放射温度測定部3の制御機能以外、上述した実施の形態2にかかる非接触加熱装置21の制御部8と同様の機能を有する。
ここで、光路合成集光部34は、上述した実施の形態2における光路合成集光部24と同様にレーザ光L1の光軸と赤外線L2の光軸とを同軸にするとともに、レンズ34cによって高光束密度に集光したレーザ光L1を加熱目的部位10に照射することができる。かかる光路合成集光部34を備えた非接触加熱装置31は、制御部38によるレーザ光源2および放射温度測定部3の制御機能に基づいて、高光束密度のレーザ光L1の作用によって加熱目的部位10を加熱処理しつつ、この加熱目的部位10の温度画像データおよび温度測定データを取得することができる。
具体的には、非接触加熱装置31は、例えば図2に示した回路基板11の基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分(加熱目的部位10の一具体例)に光入出力端部24eを対向させた状態にして、この加熱接合部分に高光束密度のレーザ光L1を所定の時間照射する。この場合、非接触加熱装置31は、実装部品12自体等の意図しない物体にレーザ光L1の光束を遮断されることなく、所定の時間、この基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分に高光束密度のレーザ光L1を確実に照射できる。この結果、非接触加熱装置21は、上述した実施の形態2の場合に比して小径化したスポット径のレーザ光L1をこの加熱接合部分に照射して、かかる基板電極11aと実装部品12とを確実且つ短時間に加熱接合できる。
また、非接触加熱装置31は、上述したレーザ光L1の照射による加熱接合部分の加熱処理と同時に、光路合成集光部34によって、かかるレーザ光L1の光軸と同じ光軸の赤外線L2をこの加熱接合部分から集光する。この場合、非接触加熱装置31は、実装部品12自体等の意図しない物体によって赤外線L2の光束を遮断されることなく、この加熱接合部分からの赤外線L2を受光でき、この結果、加熱処理中または加熱処理後の加熱接合部分の温度を放射温度測定部3によって正確且つリアルタイムに測定できる。
なお、この実施の形態3にかかる非接触加熱装置31において、上述した光路合成集光部34内のレンズ34cを可動式にして、加熱目的部位10におけるレーザ光L1のスポット径を調整できるように構成してもよい。この場合、光路合成集光部34は、レンズ34cを保持する可動式レンズ枠(図示せず)と、この可動式レンズ枠を駆動するモータ等の駆動部(図示せず)とを備え、制御部38の制御に基づいて、レンズ34cの位置を変化させる。光路合成集光部34は、かかるレンズ34cの変位動作によって加熱目的部位10におけるレーザ光L1のスポット径を調整することができる。例えば、図2に示した加熱目的部位10内の接合部材13が加熱エネルギーの過大化によって飛散等を起こした場合、光路合成集光部34は、かかるレンズ34cの変位動作によって加熱目的部位10におけるレーザ光L1のスポット径を大きくし、これによって接合部材13に印加される加熱エネルギーを弱める。一方、加熱目的部位10内の接合部材13が溶融し難い場合、光路合成集光部34は、かかるレンズ34cの変位動作によって加熱目的部位10におけるレーザ光L1のスポット径を小さくし、これによって接合部材13に印加される加熱エネルギーを高める。
また、かかる可動式のレンズ34cを備える光路合成集光部34は、上述したレンズ34cの変位動作に伴ってビームスプリッタ24bおよび放射温度測定部3(詳細には赤外線撮像部3a)を変位動作可能にし、レンズ34cとビームスプリッタ24bと赤外線撮像部3aとの相対的な位置関係を維持してもよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態3では、射出レーザ光を集光するレンズを光路合成集光部の光入出力端部近傍に内蔵し、このレンズによって集光されたレーザ光を加熱目的部位に照射しつつ、この加熱目的部位からの赤外線を検出するようにし、その他を実施の形態2と同様に構成した。このため、上述した実施の形態2の場合と同様の作用効果を享受するとともに、高光束密度のレーザ光を加熱目的部位に照射して回路基板と実装部品とを短時間且つ確実に加熱接合しつつ、この加熱目的部位の温度を正確且つリアルタイムに測定することが可能な非接触加熱装置を実現することができる。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態1〜3では、加熱目的部位10の温度画像を撮像していたが、この実施の形態4では、加熱目的部位10の可視光画像をさらに撮像している。
図5は、本発明の実施の形態4にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。図5に示すように、この実施の形態4にかかる非接触加熱装置41は、上述した実施の形態2にかかる非接触加熱装置21の光路合成集光部24に代えて光路合成集光部44を備え、制御部8に代えて制御部48を備える。また、非接触加熱装置41は、加熱目的部位10の可視光画像を撮像する可視光撮像部43と、加熱目的部位10の可視光画像を表示する表示部46とをさらに備える。なお、かかる非接触加熱装置41の光路合成集光部44は、加熱目的部位10からの可視光L3を可視光撮像部43側に分岐するビームスプリッタ44bをさらに備える。その他の構成は実施の形態2と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
可視光撮像部43は、加熱目的部位10からの可視光L3を受光して加熱目的部位10の可視光画像を撮像する。具体的には、可視光撮像部43は、CCDまたはCMOS等のカラー撮像素子43aを備え、光路合成集光部44と光学的に接続される。カラー撮像素子43aは、光路合成集光部44に内蔵されたビームスプリッタ44b等の光学部材によって加熱目的部位10を捉えた視野、すなわち上述した赤外線撮像部3aと同じ撮像視野を有する。カラー撮像素子43aは、上述したレーザ光源2からのレーザ光L1によって加熱処理される加熱目的部位10からの可視光L3を、光路合成集光部44を介して受光する。この場合、カラー撮像素子43aは、光路合成集光部44内のレンズ(図示せず)によって結像された可視光L3を受光し、この受光した可視光L3を光電変換処理して加熱目的部位10のカラー画像である可視光画像を撮像する。可視光撮像部43は、かかるカラー撮像素子43aによる加熱目的部位10の可視光画像の画像信号を制御部48に送信する。
光路合成集光部44は、上述したように、加熱目的部位10からの可視光L3を可視光撮像部43側に分岐するビームスプリッタ44bを備え、レーザ光源2によるレーザ光L1を加熱目的部位10に照射し、このレーザ光L1の光軸と同じ光軸の赤外線L2(詳細には加熱目的部位10から放射された赤外線L2)を放射温度測定部3に集光し、このレーザ光L1の光軸と同じ光軸の可視光L3(詳細には加熱目的部位10から反射または発生した可視光L3)を可視光撮像部43に集光する照射集光部として機能する。なお、光路合成集光部44は、かかるビームスプリッタ44bの機能以外、上述した実施の形態2にかかる非接触加熱装置21の光路合成集光部24と同様の機能を有する。
ビームスプリッタ44bは、レーザ光源2によるレーザ光L1の光路と加熱目的部位10からの赤外線L2の光路と加熱目的部位10からの可視光L3の光路とを合成する光路合成部としての機能を有する。具体的には、ビームスプリッタ44bは、レーザ光源2からのレーザ光L1および加熱目的部位10からの赤外線L2を透過し且つ加熱目的部位10からの可視光L3を反射する光学特性を有し、可視光撮像部43側に可視光L3を反射するように光路合成集光部44内に配置される。かかる光学特性を有するビームスプリッタ44bは、上述したレーザ光L1および赤外線L2の各光路を遮断することなく、加熱目的部位10からの可視光L3の光路とレーザ光L1および赤外線L2の各光路とを合成する。
すなわち、レーザ光源2から射出されたレーザ光L1は、光ファイバ4a内を伝搬して光路合成集光部44内に入射し、その後、ビームスプリッタ24b,44bを順次通過して光路合成集光部44の光入出力端部24eから光路合成集光部44の外部に射出され、加熱目的部位10に照射される。なお、かかる光路合成集光部44の光入出力端部24eは、図5に示すように、加熱目的部位10と対向する。一方、この加熱目的部位10から放射された赤外線L2は、上述したレーザ光L1と同じ光軸の光路を伝搬して光入出力端部24eから光路合成集光部44内に入射し、ビームスプリッタ44bを通過後、ビームスプリッタ24bによって放射温度測定部3側に反射される。その後、かかるビームスプリッタ24bによって分岐された赤外線L2は、上述した実施の形態2の場合と同様に、放射温度測定部3の赤外線撮像部3aに受光される。他方、この加熱目的部位10からの可視光L3は、上述したレーザ光L1および赤外線L2と同じ光軸の光路を伝搬して光入出力端部24eから光路合成集光部44内に入射し、その後、ビームスプリッタ44bに到達する。ビームスプリッタ44bは、かかる加熱目的部位10からの可視光L3を可視光撮像部43側に反射する。すなわち、かかる可視光L3の入射光路は、加熱目的部位10からビームスプリッタ44bまでの空間においてレーザ光L1の射出光路あるいは赤外線L2の入射光路と合成され、このビームスプリッタ44bによって可視光撮像部43側に分岐される。なお、かかるビームスプリッタ44bによって分岐された可視光L3は、上述した可視光撮像部43のカラー撮像素子43aに受光される。
このような構成を有する光路合成集光部44は、上述した実施の形態2の場合と同様にビームスプリッタ24bによってレーザ光L1の光路と赤外線L2の光路とを合成するとともに、ビームスプリッタ44bによってレーザ光L1の光路と赤外線L2の光路と可視光L3の光路とを合成して、このレーザ光L1と同軸の赤外線L2および可視光L3を集光する。すなわち、光路合成集光部44は、少なくとも光入出力端部24eと加熱目的部位10との間の空間において、加熱目的部位10に照射するレーザ光L1の光軸と加熱目的部位10から集光する赤外線L2および可視光L3の各光軸とを同軸にする。
具体的には、光路合成集光部44は、ビームスプリッタ44bと加熱目的部位10との間の光路において、かかるレーザ光L1の光軸と赤外線L2の光軸と可視光L3の光軸とを同軸にし、ビームスプリッタ24b,44b間の光路において、かかるレーザ光L1の光軸と赤外線L2の光軸とを同軸にする。
表示部46は、CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の画像表示が可能なディスプレイを用いて実現され、制御部48によって表示指示された可視光画像情報を表示する。具体的には、表示部46は、制御部48の制御に基づいて、可視光撮像部43による加熱目的部位10の可視光画像をカラー表示する。なお、表示部46は、かかる可視光画像とともに加熱目的部位10の測定温度情報を表示してもよい。
制御部48は、上述した実施の形態2にかかる非接触加熱装置21の画像処理部8aに代えて画像処理部48aを備え、上述した可視光撮像部43の制御機能と表示部46の制御機能とを有する。具体的には、制御部48は、加熱目的部位10の可視光画像を撮像するように可視光撮像部43を制御し、この結果、上述したカラー撮像素子43aによる加熱目的部位10の可視光画像の画像信号を可視光撮像部43から取得する。この場合、制御部48は、操作部5によって入力された撮像指示情報に基づいて、可視光撮像部43に加熱目的部位10の可視光画像を撮像させてもよいし、上述した赤外線撮像部3aによる加熱目的部位10の温度画像の撮像タイミングに同期して、可視光撮像部43に加熱目的部位10の可視光画像を撮像させてもよい。あるいは、制御部48は、レーザ光源2によるレーザ光L1の射出期間、すなわちレーザ光L1の作用による加熱目的部位10の加熱処理期間に同期して、可視光撮像部43に加熱目的部位10の可視光画像を撮像させてもよい。
また、制御部48は、上述した可視光撮像部43による加熱目的部位10の可視光画像を表示するように表示部46を制御する。具体的には、制御部48は、可視光撮像部43を制御して、カラー撮像素子43aによる加熱目的部位10の可視光画像の画像信号を可視光撮像部43から取得する。画像処理部48aは、可視光撮像部43から取得した加熱目的部位10の可視光画像の画像信号を処理する。詳細には、画像処理部48aは、かかる加熱目的部位10の可視光画像の画像信号に対して所定の画像処理を行って、この加熱目的部位10のカラー画像である可視光画像を生成する。制御部48は、かかる画像処理部48aが生成した可視光画像を表示するように表示部46を制御する。また、制御部48は、かかる可視光画像のデータを記憶するように記憶部7を制御し、必要に応じて記憶部7から可視光画像の保存データを読み出す。
なお、画像処理部48aは、上述した加熱目的部位10の可視光画像の処理機能以外、上述した実施の形態2にかかる非接触加熱装置21の画像処理部8aと同様の機能を有する。また、制御部48は、上述した可視光撮像部43および表示部46の制御機能以外、上述した実施の形態2にかかる非接触加熱装置21の制御部8と同様の機能を有する。
ここで、上述した光路合成集光部44は、実施の形態2における光路合成集光部24と同様にレーザ光L1の光軸と赤外線L2の光軸とを同軸にするとともに、加熱目的部位10からビームスプリッタ44bまでの空間においてレーザ光L1の光軸と赤外線L2の光軸と可視光L3の光軸とを同軸にする。かかる光路合成集光部44を備えた非接触加熱装置41は、制御部48による可視光撮像部43および表示部46の制御機能に基づいて、レーザ光L1の作用によって加熱処理された加熱目的部位10の可視光画像データを取得し、表示出力することができる。
具体的には、非接触加熱装置41は、例えば図2に示した回路基板11の基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分(加熱目的部位10の一具体例)に光入出力端部24eを対向させた状態にして、この加熱接合部分からの可視光L3を集光する。この場合、非接触加熱装置41は、実装部品12自体等の意図しない物体に可視光L3の光束を遮断されることなく、この基板電極11aと実装部品12との加熱接合部分の可視光画像を確実に撮像および表示できる。この結果、非接触加熱装置41は、かかる可視光画像の視認を通した操作者等のユーザによる加熱目的部位10の観察を可能にする。ユーザは、かかる加熱目的部位10の可視光画像を観察することによって、この加熱目的部位10の状態(例えば回路基板11と実装部品12との加熱接合状態)を容易且つ正確に把握することができる。非接触加熱装置41は、かかるユーザの操作に基づいて、非接触の加熱処理による回路基板11と実装部品12との加熱接合を一層良好に行うことができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態4では、射出レーザ光および検出赤外線を透過し且つ加熱目的部位からの可視光を反射する光学特性を有するビームスプリッタ等の光学部材を光路合成集光部の内部に配置し、この光学部材によって、射出レーザ光および検出赤外線の同軸光路と加熱目的部位からの可視光の光路とを合成するとともに、この加熱目的部位からの可視光の光路をこの同軸光路から可視光撮像部側に分岐するようにし、その他を実施の形態2と同様に構成した。このため、上述した実施の形態2の場合と同様の作用効果を享受するとともに、実装部品自体等の意図しない物体によってこの可視光の光束が阻害されることを防止でき、これによって、回路基板と実装部品との加熱接合部分の可視光画像を確実に撮像および表示でき、かかる可視光画像を通して回路基板と実装部品との加熱接合状態を容易且つ正確に把握可能な非接触加熱装置を実現できる。この実施の形態4にかかる非接触加熱装置を用いることによって、回路基板と実装部品との加熱接合状態を容易且つ正確に把握しつつ、この回路基板と実装部品とを一層良好に加熱接合することができる。
また、この実施の形態4にかかる非接触加熱装置は、回路基板と実装部品との加熱接合部分の可視光画像を拡大出力してもよい。この場合、上述した可視光撮像部43は、光学的なズーム機能を備え、制御部48の制御に基づいて加熱目的部位10の撮像倍率を調整しつつ可視光L3を受光して、加熱目的部位10の可視光画像を拡大撮像してもよい。または、画像処理部48aが、ソフトウエア処理によって可視光撮像部43による加熱目的部位10の可視光画像を拡大処理してもよい。一方、表示部46は、制御部48の制御に基づいて、かかる拡大撮像または拡大処理された加熱目的部位10の可視光画像を通常表示してもよいし、上述した可視光撮像部43による加熱目的部位10の可視光画像を拡大表示してもよい。かかる可視光画像の拡大出力によって、上述した加熱目的部位10、具体的には回路基板と実装部品との加熱接合部分を容易に拡大観察することができ、この結果、回路基板と実装部品との加熱接合状態を一層容易且つ正確に把握することができる。
(実施の形態5)
つぎに、本発明の実施の形態5について説明する。上述した実施の形態1〜4では、加熱目的部位に対する光路合成集光部の配置角度、すなわち加熱目的部位に対する射出レーザ光および検出赤外線の光軸角度を特に規定していなかったが、この実施の形態5では、加熱目的部位に対する射出レーザ光および検出赤外線の光軸角度をともに直角にしている。
図6は、本発明の実施の形態5にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。図6に示すように、この実施の形態5にかかる非接触加熱装置51は、加熱目的部位10に対するレーザ光L1の照射角度およびこの加熱目的部位10からの赤外線L2および可視光L3の各集光角度が直角になるように、加熱目的部位10に対して直角に配置された光路合成集光部44を備える。その他の構成は実施の形態4と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
光路合成集光部44は、上述したように、加熱目的部位10に対して相対的に直角に配置される。すなわち、光路合成集光部44の光入出力端部24eは、加熱目的部位10を含む平面(例えば、上述した回路基板11の基板電極11a)に対して平行になるように加熱目的部位10に対向する。かかる配置状態の光路合成集光部44は、レーザ光源2によるレーザ光L1を加熱目的部位10に対して垂直に照射し、このレーザ光L1の光軸と同じ光軸の赤外線L2を加熱目的部位10から垂直に集光し、このレーザ光L1の光軸と同じ光軸の可視光L3を加熱目的部位10から垂直に集光する照射集光部として機能する。この場合、かかる光路合成集光部44から加熱目的部位10に射出されるレーザ光L1の光軸と加熱目的部位10の平面とのなす角度は直角である。これと同様に、かかる加熱目的部位10から光路合成集光部44に集光される赤外線L2および可視光L3の各光軸と加熱目的部位10の平面とのなす角度は各々直角である。
なお、この実施の形態5における光路合成集光部44は、かかる加熱目的部位10に対してレーザ光L1を垂直に照射する照射機能および加熱目的部位10から赤外線L2および可視光L3を垂直に集光する集光機能以外、上述した実施の形態4にかかる非接触加熱装置41の光路合成集光部44と同様の機能を有する。
つぎに、本発明の実施の形態5にかかる非接触加熱装置51の作用について説明する。図7は、加熱目的部位に対してレーザ光を直角に照射する状態および加熱目的部位から赤外線および可視光を直角に集光する状態を具体的に示す模式図である。
図7において、回路基板11には、複数の実装部品12a〜12cを電気的に接続するための基板電極11a,11bの対が複数形成されている。複数の実装部品12a〜12cの各々は、上述した実装部品12と同様の部品である。なお、これら複数組の基板電極11a,11bの表面には、上述した実装部品12を加熱接合する場合と同様に接合部材13が形成されている。以下では、この実施の形態5にかかる非接触加熱装置51の加熱目的部位10の一具体例として、かかる回路基板11の基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分を例示して、非接触加熱装置51の作用を具体的に説明する。
かかる回路基板11に実装部品12aを加熱接合する際の非接触加熱装置51において、図7に示すように、光路合成集光部44は、加熱目的部位10の一具体例である回路基板11の基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分に対して相対的に垂直な状態に配置されて、この加熱接合部分に光入出力端部24eを対向させる。
このように垂直配置された状態の光路合成集光部44は、レーザ光源2から所定の時間射出されたレーザ光L1を基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分に垂直に照射する。この場合、レーザ光L1の光軸は、図7の実線矢印に示されるように、この加熱目的部位10の一部である基板電極11aに対して垂直である。かかるレーザ光L1は、たとえ回路基板11上に複数の実装部品12a〜12cが高密度に配置された場合であっても、実装部品12a自体または隣の実装部品12b等の意図しない物体によってその光束を遮断されることなく、この基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分に確実に照射される。この結果、非接触加熱装置51は、たとえ回路基板11上に複数の実装部品12a〜12cが高密度に配置された場合であっても、レーザ光L1の照射によって接合部材13を確実に加熱処理して、この加熱目的部位10である基板電極11aと実装部品12aとを確実に加熱接合できる。
一方、上述した垂直配置状態の光路合成集光部44は、かかる加熱目的部位10である基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分からの赤外線L2を垂直に集光する。この場合、赤外線L2の光軸は、上述したレーザ光L1の光軸と同軸であって、この加熱目的部位10の一部である基板電極11aに対して垂直である。かかる赤外線L2は、たとえ回路基板11上に複数の実装部品12a〜12cが高密度に配置された場合であっても、実装部品12a自体または隣の実装部品12b等の意図しない物体によってその光束を遮断されることなく、この基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分から光路合成集光部44に集光される。このように光路合成集光部44に集光された赤外線L2は、上述した実施の形態4の場合と同様に、ビームスプリッタ44bを透過後にビームスプリッタ24bによって放射温度測定部3側に反射され、この放射温度測定部3の赤外線撮像部3aに受光される。この結果、非接触加熱装置51は、たとえ回路基板11上に複数の実装部品12a〜12cが高密度に配置された場合であっても、赤外線L2の検出によって加熱目的部位10すなわち基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分の温度を正確に測定できる。
他方、上述した垂直配置状態の光路合成集光部44は、かかる加熱目的部位10である基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分からの可視光L3を垂直に集光する。この場合、可視光L3の光軸は、上述した赤外線L2と同様に、この加熱目的部位10の一部である基板電極11aに対して垂直である。かかる可視光L3は、たとえ回路基板11上に複数の実装部品12a〜12cが高密度に配置された場合であっても、実装部品12a自体または隣の実装部品12b等の意図しない物体によってその光束を遮断されることなく、この基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分から光路合成集光部44に集光される。このように光路合成集光部44に集光された可視光L3は、上述した実施の形態4の場合と同様に、ビームスプリッタ44bによって可視光撮像部43側に反射され、この可視光撮像部43のカラー撮像素子43aに受光される。この結果、非接触加熱装置51は、たとえ回路基板11上に複数の実装部品12a〜12cが高密度に配置された場合であっても、可視光L3の検出によって加熱目的部位10すなわち基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分の可視光画像を確実に撮像できる。なお、かかる加熱接合部分の可視光画像は、上述した実施の形態4の場合と同様に、表示部46に表示出力される。
なお、この実施の形態5にかかる非接触加熱装置51は、上述した基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合の場合と同様に、実装部品12aと基板電極11bとの加熱接合部分、実装部品12bと基板電極11a,11bとの各加熱接合部分、実装部品12cと基板電極11a,11bとの各加熱接合部分について、レーザ光L1の垂直照射と赤外線L2および可視光L3の各垂直集光とを順次繰り返す。この結果、非接触加熱装置51は、たとえ回路基板11上に複数の実装部品12a〜12cが高密度に配置された場合であっても、意図しない物体によってレーザ光L1と赤外線L2と可視光L3との各光束を阻害されることなく、回路基板11に実装部品12a〜12cを確実に加熱接合できるとともに、かかる回路基板11と実装部品12a〜12cとの各加熱接合部分の温度を正確に測定でき且つこれら各加熱接合部分の可視光画像を確実に表示出力できる。なお、かかる回路基板11上に実装される部品数は、特に図7に例示する3つに限定されず、1以上であってもよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態5では、加熱目的部位に対して相対的に光路合成集光部を垂直に配置して、この光路合成集光部を介して加熱目的部位にレーザ光を垂直に照射し、且つ、この光路合成集光部によって加熱目的部位から赤外線および可視光を垂直に集光するようにし、その他を実施の形態4と同様に構成した。このため、上述した実施の形態4の場合と同様の作用効果を享受するとともに、たとえ回路基板上に複数の実装部品が高密度に配置された場合であっても、意図しない物体による照射レーザ光、検出赤外線および検出可視光の各光束の阻害を防止でき、この結果、回路基板と高密度な実装部品との各加熱接合部分の温度および可視光画像を正確に取得できるとともに、かかる回路基板と実装部品とを高密度且つ良好に加熱接合可能な非接触加熱装置を実現できる。
(実施の形態6)
つぎに、本発明の実施の形態6について説明する。上述した実施の形態1〜5では、加熱目的部位10に照射するレーザ光L1の出力を操作部5の操作に基づいて手動調整していたが、この実施の形態6では、加熱目的部位10の測定温度に応じてレーザ光L1の出力を自動調整している。
図8は、本発明の実施の形態6にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。図8に示すように、この実施の形態6にかかる非接触加熱装置61は、上述した実施の形態5にかかる非接触加熱装置51の制御部48に代えて制御部68を備える。また、この実施の形態6にかかる非接触加熱装置61において、制御部68は、加熱目的部位10の測定温度と閾値とを比較処理する比較処理部68bをさらに備え、記憶部7は、かかる比較処理に用いられる閾値データ7aを記憶する。その他の構成は実施の形態5と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
制御部68は、上述したように比較処理部68bをさらに備え、加熱目的部位10の測定温度に応じてレーザ光L1の出力を増減するようにレーザ光源2を制御する。具体的には、比較処理部68bは、上述した放射温度測定部3による加熱目的部位10の測定温度データと記憶部7内の閾値データ7aとを比較する。制御部68は、かかる比較処理部68bによる加熱目的部位10の測定温度データと閾値データ7aとの比較処理の結果をもとに、レーザ光源2のレーザ光出力を制御する。すなわち、制御部68は、かかる比較処理の結果に対応してレーザ光L1の出力を決定し、この決定した出力のレーザ光L1を射出するようにレーザ光源2を制御する。なお、制御部68は、かかる比較処理部68bの機能およびレーザ光L1の出力制御機能以外、上述した実施の形態5にかかる非接触加熱装置51の制御部48と同様の機能を有する。
ここで、この実施の形態6において、記憶部7は、上述したように、加熱目的部位10の測定温度データとの比較処理に用いられる閾値データ7aを記憶する。閾値データ7aは、加熱目的部位10の温度範囲を規定する複数の温度閾値を含むデータであり、例えば加熱目的部位10の上限温度に対応する閾値および下限温度に対応する閾値等を含む。記憶部7は、かかる閾値データ7aを予め記憶していてもよいし、操作部5の入力操作によって適宜入力され、制御部68の制御に基づいて閾値データ7aを更新してもよい。
つぎに、加熱目的部位10の測定温度データに対応してレーザ光L1の出力を制御する際の非接触加熱装置61の動作について詳細に説明する。図9は、本発明の実施の形態6にかかる非接触加熱装置の処理手順を例示するフローチャートである。この実施の形態6にかかる非接触加熱装置61は、図8に示したように加熱目的部位10に光路合成集光部44の光入出力端部24eを対向させた状態において、加熱目的部位10の温度に応じてレーザ光L1の出力を制御しつつ加熱目的部位10にレーザ光L1を照射して、加熱目的部位10の加熱接合を実行する。
すなわち、図9に示すように、非接触加熱装置61は、まず、加熱目的部位10を加熱処理するためのレーザ光L1を射出する(ステップS101)。このステップS101において、制御部68は、操作部5によって入力されたレーザ光出力指示情報によって指示された初期出力のレーザ光L1を所定の時間射出するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいてレーザ光出力を初期出力に調整し、光路合成集光部44を介してこの初期出力のレーザ光L1を加熱目的部位10に所定の時間照射する。
つぎに、非接触加熱装置61は、この加熱目的部位10の温度測定および撮像を行う(ステップS102)。このステップS102において、制御部68は、加熱目的部位10の温度測定および温度画像の撮像を行うように放射温度測定部3を制御するとともに、加熱目的部位10の可視光画像を撮像するように可視光撮像部43を制御する。
放射温度測定部3は、かかる制御部68の制御に基づいて、上述したレーザ光L1の照射によって加熱処理された加熱目的部位10からの赤外線L2を、光路合成集光部44を介して受光し、この受光した赤外線L2をもとに、この加熱目的部位10の温度を測定する。この場合、赤外線撮像部3aは、上述したように、この赤外線L2を受光してこの加熱目的部位10の温度分布を示す温度画像を撮像する。放射温度測定部3は、かかる加熱目的部位10の測定温度データおよび温度画像の画像信号を制御部68に送信する。一方、可視光撮像部43は、かかる制御部68の制御に基づいて、この加熱目的部位10からの可視光L3を、光路合成集光部44を介して受光し、この受光した可視光L3をもとに、この加熱目的部位10の可視光画像を撮像する。この場合、カラー撮像素子43aは、この受光した可視光L3を光電変換処理して、この加熱目的部位10の可視光画像の画像信号を生成する。可視光撮像部43は、かかる加熱目的部位10の可視光画像の画像信号を制御部68に送信する。
その後、非接触加熱装置61は、この加熱目的部位10の温度および画像を表示する(ステップS103)。このステップS103において、制御部68は、放射温度測定部3から加熱目的部位10の測定温度データおよび温度画像の画像信号を取得し、且つ、可視光撮像部43から加熱目的部位10の可視光画像の画像信号を取得する。画像処理部48aは、この放射温度測定部3から取得した画像信号をもとに加熱目的部位10の温度画像を生成し、且つ、この可視光撮像部43から取得した画像信号をもとに加熱目的部位10の可視光画像を生成する。制御部68は、かかる加熱目的部位10の測定温度データおよび温度画像を表示するように表示部6を制御するとともに、かかる加熱目的部位10の可視光画像を表示するように表示部46を制御する。
かかる制御部68の制御に基づいて、表示部6は、上述したレーザ光L1によって加熱処理された加熱目的部位10の測定温度データである現在の温度と、この加熱目的部位10の現在の温度分布を示す温度画像を表示し、表示部46は、この加熱目的部位10の現在の可視光画像を表示する。
つぎに、非接触加熱装置61は、現在の加熱目的部位10の温度と閾値とを比較し(ステップS104)、この比較結果をもとにレーザ光の出力を判断する(ステップS105)。このステップS104,S105において、制御部68は、記憶部7から閾値データ7aを読み出す。比較処理部68bは、上述したステップS102において放射温度測定部3が測定した加熱目的部位10の測定温度データと、この読み出した閾値データ7aとを比較処理する。制御部68は、かかる測定温度データと閾値データ7aとの比較結果をもとに、レーザ光L1の出力増減または出力維持を判断する。
非接触加熱装置61は、ステップS105において制御部68がレーザ光L1の出力を増加すると判断した場合(ステップS105,増)、加熱目的部位10に照射するレーザ光L1の出力を増加する(ステップS106)。このステップS106において、制御部68は、レーザ光L1の出力を現在の出力から所定のレベル分だけ増加するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいて、次回射出するレーザ光L1の出力を増加する。
一方、非接触加熱装置61は、ステップS105において制御部68がレーザ光L1の出力を減少すると判断した場合(ステップS105,減)、加熱目的部位10に照射するレーザ光L1の出力を減少する(ステップS107)。このステップS107において、制御部68は、レーザ光L1の出力を現在の出力から所定のレベル分だけ減少するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいて、次回射出するレーザ光L1の出力を減少する。
他方、非接触加熱装置61は、ステップS105において制御部68がレーザ光L1の出力を維持すると判断した場合(ステップS105,維持)、加熱目的部位10に照射するレーザ光L1の出力を維持する(ステップS108)。このステップS108において、制御部68は、レーザ光L1の出力を現在の出力に維持するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいて、次回射出するレーザ光L1の出力を現在のレベルに維持する。
その後、非接触加熱装置61は、この加熱目的部位10の加熱接合が完了したか否かを判断する(ステップS109)。このステップS109において、制御部68は、加熱目的部位10に対するレーザ光L1の累積照射時間、加熱目的部位10の温度が所定の温度範囲内に維持された累積維持時間等をもとに、この加熱目的部位10の加熱接合が完了したか否かを判断する。例えば、制御部68は、かかる累積照射時間または累積維持時間等の判定値が所定の閾値以上である場合に加熱接合が完了であると判定し、閾値未満である場合に加熱接合が未完了であると判定する。
非接触加熱装置61は、ステップS109において加熱接合が完了であると判断した場合(ステップS109,Yes)、本処理を終了する。一方、非接触加熱装置61は、ステップS109において加熱接合が未完了であると判断した場合(ステップS109,No)、この加熱接合が未完状態の加熱目的部位10にレーザ光L1を射出する(ステップS110)。
このステップS110において、制御部68は、この加熱目的部位10の温度に応じて調整した出力のレーザ光L1を射出するようにレーザ光源2を制御する。すなわち、制御部68は、上述したステップS106を実行した場合、出力を増加してレーザ光L1を所定の時間射出するようにレーザ光源2を制御し、上述したステップS107を実行した場合、出力を減少してレーザ光L1を所定の時間射出するようにレーザ光源2を制御する。一方、制御部68は、上述したステップS108を実行した場合、現在のレベルに出力を維持してレーザ光L1を所定の時間射出するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいて、レーザ光出力を増減または維持し、光路合成集光部44を介してこの出力調整後のレーザ光L1を加熱目的部位10に所定の時間照射する。
かかるステップS110を行った後、非接触加熱装置61は、上述したステップS102に戻り、このステップS102以降の処理手順を繰り返す。この場合、制御部68は、ステップS102〜S110の処理手順を適宜繰り返す。
つぎに、この実施の形態6における加熱目的部位10の一具体例として、上述した回路基板11の基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分を例示し、また、この加熱接合部分の温度と比較処理する閾値データ7aの一具体例として、回路基板11および実装部品12aの耐熱温度等の上限温度に対応する閾値Th1と、この基板電極11aと実装部品12aとの接合部材13の融点等の下限温度に対応する閾値Th2と、これらの閾値Th1,Th2によって規定される温度範囲内の温度に対応する閾値Th3,Th4とを例示して、この実施の形態6にかかる非接触加熱装置61の作用を具体的に説明する。
なお、閾値Th3は、レーザ光L1の出力減少を判断するための温度閾値であり、上限の閾値Th1を超過しないように予め実験等によって設定される。閾値Th4は、レーザ光L1の出力増加を判断するための温度閾値であり、下限の閾値Th2を超過し且つ閾値Th3未満の範囲内に、予め実験等によって設定される。また、実装部品12aとして半導体素子がパッケージされた電子部品を実装する場合、上限の閾値Th1は、電子部品固有の耐熱温度に基づく値(例えば260〜270℃)に設定される。一方、接合部材13がSn3.0−Ag0.5−Cu組成の半田である場合、下限の閾値Th2は、この組成の半田の融点(215〜225℃)に設定される。
図10は、加熱目的部位の温度に応じてレーザ光出力を制御しつつ加熱目的部位にレーザ光を照射して加熱目的部位を加熱接合する状態を具体的に例示する模式図である。図11は、レーザ光の作用によって加熱処理される加熱目的部位の温度プロファイルの一例を示す模式図である。この図11には、加熱目的部位10の一具体例である基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分の温度プロファイルTPと、この温度プロファイルTPに対する閾値Th1〜Th4の相関関係とが図示されている。
回路基板11に実装部品12aを加熱接合する際の非接触加熱装置61において、図10に示すように、光路合成集光部44は、加熱目的部位10の一具体例である回路基板11の基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分に対して、上述した実施の形態5の場合と同様に相対的に垂直な状態に配置されて、この加熱接合部分に光入出力端部24eを対向させる。
この状態において、レーザ光源2は、制御部68の制御に基づいて、まず、光路合成集光部44を介して初期出力のレーザ光L1を基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分に所定の時間照射する。この場合、この加熱接合部分の接合部材13は、照射された初期出力のレーザ光L1の作用によって加熱処理され、この結果、温度上昇する。
放射温度測定部3は、この加熱処理された加熱接合部分からの赤外線L2を光路合成集光部44を介して受光し、この受光した赤外線L2をもとに、この加熱接合部分(例えば接合部材13)の温度を測定する。この場合、赤外線撮像部3aは、この受光した赤外線L2を光電変換処理して、この加熱接合部分の温度分布を示す温度画像の画像信号を生成する。制御部68は、かかる加熱接合部分の測定温度データおよび温度画像の画像信号を放射温度測定部3から取得する。
一方、可視光撮像部43は、この加熱接合部分からの可視光L3を、光路合成集光部44を介して受光し、この受光した可視光L3をもとに、この加熱接合部分(例えば接合部材13)の可視光画像を撮像する。この場合、カラー撮像素子43aは、この受光した可視光L3を光電変換処理して、この加熱接合部分の可視光画像の画像信号を生成する。制御部68は、かかる加熱接合部分の可視光画像の画像信号を可視光撮像部43から取得する。
なお、特に図10に図示しないが、かかる加熱接合部分の測定温度データおよび温度画像は、制御部68の制御に基づいて表示部6に表示され、かかる加熱接合部分の可視光画像は制御部68の制御に基づいて表示部46に表示される。
ここで、制御部68は、図10に示す基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分(例えば接合部材13)の測定温度データと閾値Th1〜Th4との比較処理結果をもとに、レーザ光L1の出力の増減または維持を判断する。具体的には、かかる基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分の接合部材13は、図11の温度プロファイルTPに示されるように、レーザ光L1の射出開始時刻tから時系列の順方向に沿って温度上昇する。この時点において、制御部68は、かかる加熱接合部分の測定温度データが閾値Th4以下であるため、レーザ光L1の出力増加を決定し、次回射出するレーザ光L1の出力を現在の出力から所定のレベル分だけ増加するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいて出力増加したレーザ光L1をこの加熱接合部分に所定の時間照射する。この結果、この加熱接合部分の接合部材13は、更に温度上昇する。
その後、この基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分の温度が閾値Th3以上に上昇した場合(図11の点A1参照)、制御部68は、かかる加熱接合部分の測定温度データが閾値Th3以上であるため、レーザ光L1の出力減少を決定し、次回射出するレーザ光L1の出力を現在の出力から所定のレベル分だけ減少するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいて出力減少したレーザ光L1をこの加熱接合部分に所定の時間照射する。この結果、この加熱接合部分の接合部材13の温度上昇は抑制され、その後、この加熱接合部分の接合部材13は温度下降する。
一方、図11の温度プロファイルTPに示すように、この基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分の温度が閾値Th4以下に下降した場合(図11の点A2参照)、制御部68は、かかる加熱接合部分の測定温度データが閾値Th4以下であるため、レーザ光L1の出力増加を決定し、次回射出するレーザ光L1の出力を現在の出力から所定のレベル分だけ増加するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいて出力増加したレーザ光L1をこの加熱接合部分に所定の時間照射する。この結果、この加熱接合部分の接合部材13の温度下降は抑制され、その後、この加熱接合部分の接合部材13は温度上昇する。
制御部68は、上述したようにレーザ光L1の出力増減の制御を繰り返し行い、これによって、この基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合部分の温度を閾値Th3と閾値Th4との間の温度範囲内の温度に調整する。そして、制御部68は、この加熱接合部分の測定温度データが閾値Th4以上、閾値Th3以下である場合、レーザ光L1の出力維持を決定し、次回射出するレーザ光L1の出力を現在の出力に維持するようにレーザ光源2を制御する。レーザ光源2は、かかる制御部68の制御に基づいて出力維持したレーザ光L1をこの加熱接合部分に所定の時間照射する。この結果、この加熱接合部分の接合部材13の温度は、図11の温度プロファイルTPに示されるように、閾値Th4以上、閾値Th3以下の温度範囲内に収まる。
上述したように出力制御されたレーザ光L1の作用によって加熱処理される加熱接合部分の温度は、制御部68が閾値Th3以上の温度測定データを取得した場合にレーザ光L1の出力を減少するようにレーザ光源2を制御するので、この加熱処理の上限の閾値Th1の温度、すなわち回路基板11および実装部品12aの耐熱温度を超過することはない。また、かかる加熱接合部分の温度は、制御部68が閾値Th4以下の温度測定データを取得した場合にレーザ光L1の出力を増加するようにレーザ光源2を制御するので、この回路基板11と実装部品12aとの加熱接合処理期間に、下限の閾値Th2の温度、すなわち接合部材13の融点未満の温度に低下することはない。さらに、かかる加熱接合部分の温度は、制御部68が閾値Th3,Th4間の温度測定データを取得した場合にレーザ光L1の出力を維持するようにレーザ光源2を制御するので、接合部材13による回路基板11と実装部品12aとの加熱接合処理に好適な状態に所定の時間以上維持される。
その後、制御部68は、かかる加熱接合部分の接合部材13に対するレーザ光L1の累積照射時間または接合部材13の温度が所定の温度範囲内に維持された累積維持時間をもとに、この回路基板11の基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合が完了したか否かを判断する。制御部68は、加熱接合未完である場合、この加熱接合が完了するまでレーザ光L1の出力制御を繰り返し実行し、加熱接合完了である場合、レーザ光L1の射出を停止するようにレーザ光源2を制御して本加熱接合処理を終了する。
なお、この実施の形態6にかかる非接触加熱装置61は、上述した基板電極11aと実装部品12aとの加熱接合の場合と同様に、実装部品12aと基板電極11bとの加熱接合部分等の他の加熱目的部位10について、加熱接合部分の測定温度データに応じたレーザ光L1の出力制御を繰り返し行う。この結果、非接触加熱装置61は、上述した実装部品12aの加熱接合の場合と同様に回路基板11に複数の実装部品を良好に加熱接合することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態6では、加熱目的部位の温度範囲を規定する複数の温度閾値を設定し、これら複数の温度閾値と加熱目的部位の測定温度データとの比較処理結果をもとに、この加熱目的部位に対する照射レーザ光の出力を制御するようにし、その他を実施の形態5と同様に構成した。このため、上述した実施の形態5の場合と同様の作用効果を享受するとともに、加熱目的部位の温度を加熱接合処理に好適な温度に維持するように照射レーザ光の出力を制御することができ、この結果、最適な熱供給によって一層良好に回路基板と実装部品とを加熱接合することが可能な非接触加熱装置を実現できる。
なお、上述した実施の形態2では、図3に示したように、光路合成集光部24内部におけるレーザ光L1の光軸と赤外線撮像部3aによる赤外線L2の受光角度(すなわちビームスプリッタ24b後段における赤外線L2の光軸)とが平行ではない(例えば垂直である)が、これに限らず、光路合成集光部24内部におけるレーザ光L1の光軸と赤外線撮像部3aによる赤外線L2の受光角度は平行であってもよい。図12は、レーザ光の光軸と赤外線撮像部による赤外線の受光角度とが平行となる場合の光路合成集光部の一例を示す模式図である。
図12に示すように、この場合の光路合成集光部24は、光ファイバ4aを接続した筐体本体から延出する分岐筐体を有し、この分岐筐体内部にビームスプリッタ24cを備える。また、この分岐筐体の出力端部には、上述した放射温度測定部3が光学的に接続される。ビームスプリッタ24cは、この筐体本体内部のビームスプリッタ24bと同様の光学特性を有し、ビームスプリッタ24bからの反射赤外線を放射温度測定部3側に反射する。かかる光路合成集光部24においては、加熱目的部位10からの赤外線L2は、レーザ光L1と同軸の光路を伝搬して光入出力端部24eから光路合成集光部24内に入射し、その後、図12の破線矢印に示されるように、ビームスプリッタ24b,24cによって順次反射されて、赤外線撮像部3aに受光される。この場合、かかる赤外線撮像部3aによる赤外線L2の受光角度、すなわち、ビームスプリッタ24c後段の赤外線L2の光軸は、光路合成集光部24の筐体本体内におけるレーザ光L1の光軸(図12に示す実線矢印参照)に対して平行である。
一方、上述した実施の形態1,4〜6では、加熱目的部位10に対してレーザ光L1を所定の時間、断続的に照射し、加熱目的部位10にレーザ光L1を照射していない期間に、この加熱目的部位10からの赤外線L2を集光して加熱目的部位10の温度を測定していたが、これに限らず、上述した実施の形態3の場合と同様に、加熱目的部位10にレーザ光L1を照射している期間に、この加熱目的部位10からの赤外線L2を集光して加熱目的部位10の温度を測定してもよい。すなわち、上述した実施の形態1,4〜6では、実施の形態3の場合と同様に、レーザ光L1の照射によって加熱目的部位10を加熱処理しつつ、この加熱目的部位10からの赤外線L2をもとに加熱目的部位10の測定温度データおよび温度画像を取得してもよい。この場合、上述した実施の形態1,4〜6にかかる非接触加熱装置は、実施の形態3の場合と同様に、光路合成集光部内にレンズ34cを備え、実施の形態3における制御部38と同様にレーザ光源2および放射温度測定部3の各動作タイミングを同期制御すればよい。
特に、実施の形態6にかかる非接触加熱装置61では、制御部68は、図9に示したステップS101〜S109の処理手順の実行期間内において、加熱目的部位10の測定温度データに応じてレーザ光L1の出力を制御しつつ連続的にレーザ光L1を射出するようにレーザ光源2を制御し、加熱接合完了後にレーザ光L1の射出を停止するようにレーザ光源2を制御してもよい。この場合、制御部68は、上述したステップS110の処理手順は省略してもよい。また、制御部68は、レーザ光L1の射出制御を実行しつつ、加熱目的部位10の測定温度データおよび温度画像を取得するように放射温度測定部3を制御してもよいし、この加熱目的部位10の可視光画像を撮像するように可視光撮像部43を制御してもよい。この結果、実施の形態6にかかる非接触加熱装置61は、加熱目的部位10の温度に応じてレーザ光L1の出力を制御しつつ連続的なレーザ光L1の照射によって加熱目的部位10を連続的に加熱処理できるとともに、かかる加熱処理中の加熱目的部位10の測定温度データ、温度画像および可視光画像をリアルタイムに表示出力できる。
また、上述した実施の形態6では、ステップS101の処理手順において初期出力のレーザ光L1を出力し、その後、加熱目的部位10の温度に応じてレーザ光L1の出力を制御していたが、これに限らず、まず、加熱目的部位10からの赤外線L2をもとに放射温度測定部3によって加熱目的部位10の測定温度データおよび温度画像を取得し、その後、この取得した測定温度データに応じて出力制御したレーザ光L1を加熱目的部位10に照射してもよい。例えば、図9に示したステップS101〜S110の処理手順のうち、ステップS101を省略して、ステップS102以降の処理手順を実行してもよい。
さらに、上述した実施の形態6では、加熱目的部位10の温度範囲を規定する複数の温度閾値として4つの閾値Th1〜Th4を例示したが、かかる複数の温度閾値は、特に4つの温度閾値に限らず、加熱目的部位10の加熱温度範囲を適切な範囲に調整可能であれば、所望数の温度閾値であってもよい。
また、上述した実施の形態4〜6では、加熱目的部位10の測定温度データおよび温度画像を表示する表示部6と加熱目的部位10の可視光画像を表示する表示部46とを別体にしていたが、これに限らず、加熱目的部位10の測定温度データ、温度画像および可視光画像を単一の表示部に表示してもよい。この場合、かかる測定温度データ、温度画像および可視光画像を並べて表示してもよいし、適宜重畳して表示してもよい。
本発明の実施の形態1にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。 レーザ光の照射による加熱目的部位の加熱処理および放射赤外線の検出による加熱目的部位の温度測定処理を具体的に示す模式図である。 本発明の実施の形態2にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態3にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態4にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態5にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。 加熱目的部位に対してレーザ光を直角に照射する状態および加熱目的部位から赤外線および可視光を直角に集光する状態を具体的に示す模式図である。 本発明の実施の形態6にかかる非接触加熱装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態6にかかる非接触加熱装置の処理手順を例示するフローチャートである。 加熱目的部位の温度に応じてレーザ光出力を制御しつつ加熱目的部位にレーザ光を照射して加熱目的部位を加熱接合する状態を具体的に例示する模式図である。 レーザ光の作用によって加熱処理される加熱目的部位の温度プロファイルの一例を示す模式図である。 レーザ光の光軸と赤外線撮像部による赤外線の受光角度とが平行となる場合の光路合成集光部の一例を示す模式図である。
1,21,31,41,51,61 非接触加熱装置
2 レーザ光源
3 放射温度測定部
3a 赤外線撮像部
4,24,34,44 光路合成集光部
4a,4b,4c 光ファイバ
4d 光分波器
4e,24e 光入出力端部
5 操作部
6,46 表示部
7 記憶部
7a 閾値データ
8,38,48,68 制御部
8a,48a 画像処理部
10 加熱目的部位
11 回路基板
11a,11b 基板電極
12、12a,12b,12c 実装部品
13 接合部材
24b,24c,44b ビームスプリッタ
34c レンズ
43 可視光撮像部
43a カラー撮像素子
68b 比較処理部
L1 レーザ光
L2,L20 赤外線
L3 可視光
TP 温度プロファイル
Th1,Th2,Th3,Th4 閾値(温度閾値)

Claims (6)

  1. レーザ光を射出するレーザ光射出部と、
    前記レーザ光によって加熱処理される加熱目的部位から放射された赤外線を検出して前記加熱目的部位の温度を測定する放射温度測定部と、
    前記加熱目的部位に前記レーザ光を照射し、この照射した前記レーザ光の光軸と同じ光軸の前記赤外線を前記放射温度測定部に集光する照射集光部と、
    を備えたことを特徴とする非接触加熱装置。
  2. 前記照射集光部は、前記レーザ光の光路と前記赤外線の光路とを合成する光路合成部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の非接触加熱装置。
  3. 前記照射集光部は、前記加熱目的部位に前記レーザ光を集光するレンズを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の非接触加熱装置。
  4. 前記加熱目的部位からの可視光を受光して前記加熱目的部位の可視光画像を撮像する可視光撮像部を備え、
    前記照射集光部は、前記レーザ光の光軸と同じ光軸の前記赤外線を前記放射温度測定部に集光するとともに、前記レーザ光の光軸と同じ光軸の前記可視光を前記可視光撮像部に集光することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の非接触加熱装置。
  5. 前記照射集光部は、前記加熱目的部位に対して垂直に前記レーザ光を照射し、この照射した前記レーザ光の光軸と同じ光軸であって前記加熱目的部位に対して垂直な光軸の前記赤外線を前記放射温度測定部に集光することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の非接触加熱装置。
  6. 前記加熱目的部位の温度範囲を規定する複数の温度閾値を記憶する記憶部と、
    前記放射温度測定部が測定した前記加熱目的部位の温度と前記温度閾値とを比較処理し、該比較処理の結果をもとに、前記レーザ光射出部のレーザ光出力を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の非接触加熱装置。
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