JP2011023608A - 配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材表面上における意図せぬ基材領域への金属ナノインクの濡れ広がりおよび滲みを容易に防止できるとともに、所望の配線パターンの回路配線を安定的に形成できる配線基板を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる配線基板1は、自己粘着性を有する絶縁性の基材2を備える。この基材2の表面には、金属ナノインクの塗布によって所望パターンの回路配線3が描画される。基材2は、その基材表面に着液した金属ナノインクを自己粘着性によって着液位置に止める。回路配線3は、2つの電極パッド部3b,3cと、これらの電極パッド部3b,3cを電気的に接続するコの字形状の配線部3aとを含む。かかる回路配線3は、基材2の自己粘着性の表面に塗布された配線パターン状の金属ナノインクを所定の温度で所定の時間加熱処理することによって形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁性の基材上に配線回路を有する配線基板に関し、特に、ナノサイズの金属粒子(以下、金属ナノ粒子という)を含有する液体である金属ナノインクを用いて回路配線が形成された配線基板に関するものである。
従来から、絶縁性の基材上に各種パターンの回路配線が形成された配線基板が登場している。配線基板の回路配線は、一般に、絶縁性の基板表面に銅板を積層し、この銅板を配線パターンにエッチング処理して回路に不要な銅板部分を除去することによって形成される。また、近年においては、金属ナノインクを用いて回路配線が形成された配線基板が登場している。かかる金属ナノインクを用いた配線基板の回路配線は、インクジェット、印刷または転写等の塗布技術によって絶縁性の基材表面に金属ナノインクを塗布して配線パターンを描画し、この配線パターン状に金属ナノインクを塗布した基材を加熱炉等によって所定の温度で所定の時間加熱処理して形成される。
なお、上述した絶縁性の基材として、例えば、ガラス材料またはエポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられることが多い。このような材料の基材表面に塗布された金属ナノインクは、所定の加熱処理が施されなければ基材に定着し難いため、加熱処理前に、基材表面上における意図しない基板領域に濡れ広がり、あるいは、毛細管現象等によって基材表面の微小な傷等の凹部に滲んでしまう場合がある。このため、かかる絶縁性の基材表面に金属ナノインクを塗布して所望のサイズ(特に幅狭)の回路配線を描画することは困難である。
このような問題点を解消するために、絶縁性の基材表面に撥水加工膜を形成した配線基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された導体回路の形成方法では、絶縁基体の表面に撥水加工膜を形成した後、この絶縁基体上に形成すべき導体回路の配線パターンに応じてこの撥水加工膜にレーザ光を照射して、このレーザ光照射部位の撥水加工膜を除去し、この撥水加工膜の除去によって露出した絶縁基体領域に金属ナノインク(導電性の独立分散超微粒子を含むインク)を噴射して、この絶縁基体上に導体回路の配線パターンを描画している。
特開2003−188497号公報
しかしながら、上述した従来技術では、絶縁性の基材表面に塗布した金属ナノインクは撥水加工膜の除去部分に沿って流れてしまう可能性があり、例えば、金属ナノインクの塗布面が水平面に対して傾斜している場合、この塗布面の下方向に金属ナノインクが流れてしまう。これに起因して、基材表面上に金属ナノインクの液溜まりが発生して金属ナノインクの斑が生じ、この結果、所望の配線パターンの回路配線を安定的に形成することが困難になる。
また、絶縁性の基材表面に金属ナノインクを塗布する前に、この基材表面に撥水加工膜を形成し、レーザ光の照射によって基材表面上の撥水加工膜を除去する等の前処理が必要であり、このため、配線基板の製造工程を複雑化せずに、基材表面上における意図せぬ基材領域への金属ナノインクの濡れ広がりおよび滲みを防止することは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基材表面上における意図せぬ基材領域への金属ナノインクの濡れ広がりおよび滲みを容易に防止できるとともに、所望の配線パターンの回路配線を安定的に形成できる配線基板を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる配線基板は、自己粘着性を有する絶縁性の基材を備え、金属ナノ粒子を含有する液体を前記基材の表面に塗布して、前記基材の表面に回路配線が描画されることを特徴とする。
また、本発明にかかる配線基板は、上記の発明において、前記基材は、前記基材の表面に対して傾斜する傾斜部を有し、前記回路配線は、前記傾斜部に前記液体を塗布して描画される配線部を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる配線基板は、上記の発明において、前記基材の表面のうちの少なくとも前記液体の非塗布部分を被覆する非粘着性の絶縁膜を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる配線基板は、上記の発明において、前記回路配線は、1以上の電極パッド部を含み、前記絶縁膜は、前記回路配線のうちの前記電極パッド部以外を被覆することを特徴とする。
また、本発明にかかる配線基板は、上記の発明において、前記基材は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂であることを特徴とする。
本発明にかかる配線基板は、自己粘着性を有する絶縁性の基材を備え、金属ナノ粒子を含有する液体を前記基材の表面に塗布して前記基材の表面に回路配線が描画されるので、基材表面上における意図せぬ基材領域への前記液体の濡れ広がりおよび滲みを容易に防止できるとともに、所望の配線パターンの回路配線を安定的に形成できるという効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態である配線基板の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる配線基板の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる配線基板の一構成例を示す模式図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかる配線基板1は、自己粘着性を有する基材2を備える。また、かかる配線基板1の基材2の表面には、金属ナノインクの塗布によって描画される回路配線3が形成される。
基材2は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂等の自己粘着性を有する絶縁性の部材であり、図1に示すように板状に形成される。基材2は、少なくともその表面に自己粘着性を有し、さらには、切断加工または切削加工等が施された場合、加工によって新たに外部に露出した表面(切断面等)にも自己粘着性を有する。かかる基材2の自己粘着性の表面には、金属ナノインクの塗布によって回路配線3が描画される。この場合、基材2は、回路配線3の配線パターン状に塗布された金属ナノインクの各液滴を自己粘着性によって各着液位置(塗布位置)に各々止め、これによって、着液位置以外への金属ナノインクの濡れ広がり、滲みおよび流れをこの金属ナノインクの液滴毎に防止する。
なお、かかる自己粘着性を有する絶縁性の基材2は、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂等の部材であってもよいが、ウレタン樹脂に例示されるように高い弾力性を有する部材であることが望ましい。何故ならば、ウレタン樹脂等の自己粘着性および高い弾力性を有する部材を用いて基材2を形成することによって、基材2の耐衝撃性を高めることができ、この結果、外部からの衝撃を軽減するための部材を基材2に組み込まなくても、基材2上の回路配線3が受ける外部からの衝撃を容易に軽減できるからである。
回路配線3は、上述した基材2の自己粘着性の表面に形成される。具体的には、回路配線3は、矩形状の電極パッド部3b,3cと、これら2つの電極パッド3b,3cを電気的に接続するコの字形状の配線部3aと、を含む。かかる回路配線3は、上述した基材2の表面に金属ナノインクを回路配線3の配線パターン状に塗布することによって描画され、この配線パターン状に塗布した金属ナノインクを加熱処理することによって形成される。
ここで、かかる回路配線3を形成する部材である金属ナノインクについて説明する。金属ナノインクは、ナノサイズの金属粒子(すなわち金属ナノ粒子)を溶媒中に含有する溶液である。この金属ナノ粒子は、金、銀、銅、パラジウムまたはニッケル等の金属粒子であり、常温において粒子同士が焼結しないように分散剤によって被覆される。金属ナノインクは、水、アルコールまたは高沸点溶媒等の所定の溶媒中に、かかる分散剤によって被覆された状態の金属ナノ粒子を多数含有する。この場合、金属ナノインク内の多数の金属ナノ粒子は、かかる分散剤の作用によって溶媒中に一様に分散する。なお、かかる金属ナノインクの溶液に対する金属ナノ粒子の構成比は、多種多様であるが、インクジェット方式によって上述した基材2に金属ナノインクを塗布する場合、大凡10〜30重量%に設定される。このような構成の金属ナノインクは、上述したように基材2の表面に回路配線3の配線パターン状に塗布された後、所定の温度および所定の時間の加熱処理によって、内部の各金属ナノ粒子の分散剤を除去されるとともに各金属ナノ粒子を互いに焼結させ、この結果、基材2の表面に完全に定着して、図1に示した回路配線3に変化する。
なお、図1に示した回路配線3の配線パターンは、本発明にかかる配線基板における配線パターンの一例である。すなわち、この実施の形態1にかかる配線基板1の回路配線3の配線パターンは、矩形状またはコの字形状のものに限らず、直線状、ジグザグ状、分岐状等の所望のパターンであってもよい。また、この実施の形態1にかかる配線基板1の回路配線3は、上述した2つの電極パッド部3b,3cに限らず、1つ以上の電極パッド部を含むものであってもよい。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる配線基板1の回路配線3の形成方法について説明する。図2は、基材の表面に金属ナノインクの液滴を塗布する状態を示す模式図である。図3は、基材の表面に既に着液した前回の液滴の近傍に金属ナノインクの液滴を追加塗布する状態を示す模式図である。図4は、基材の表面に金属ナノインクの液滴を連続的に塗布する状態を示す模式図である。なお、図2〜4において、塗布装置11は、ノズル11aを備えたインクジェット方式の塗布装置であり、ノズル11aから金属ナノインクの液滴を所望の間隔で吐出可能である。一方、ステージ12は、上述した基材2を支持した状態で移動可能な可動式のステージである。かかるステージ12は、この基材2とノズル11aとの間隔を一定に維持しつつ、塗布装置11に対して相対的に移動する。
まず、図2に示すように、ステージ12に基材2を載置し、このステージ12上の基材2の表面と塗布装置11のノズル11aとを対向させて金属ナノインクを塗布し始める。この場合、塗布装置11は、このステージ12上の基材2の表面に向けてノズル11aから金属ナノインクの液滴10aを吐出する。かかるノズル11aから吐出された金属ナノインクの液滴10aは、基材2の表面に着液する。このように基材2の表面に着液した液滴10aは、この基材2の自己粘着性によって基材2上の着液位置に定着し、この着液位置に止まる。かかる液滴10aは、たとえ基材2が水平面に対して傾いた場合であっても、この着液位置の外部に濡れ広がらず、滲まず且つ流れない。
つぎに、このステージ12を塗布装置11に対して相対的に水平移動し、これによって、塗布装置11のノズル11aの吐出口と対向する基材2の表面上の位置(すなわち金属ナノインクの液滴の着液予定位置)を所望のパターンに沿って移動する。続いて、この移動後の基材2の表面に塗布装置11によって金属ナノインクの液滴を追加塗布する。この場合、かかるステージ12の移動量は、この基材2の表面に既に着液した前回の液滴10aの直径に比して小さい。一方、塗布装置11は、この移動後の基材2の表面における着液予定位置に向けてノズル11aから金属ナノインクの液滴10bを吐出する。かかるノズル11aから吐出された金属ナノインクの液滴10bは、図3に示すように、この基材2の表面であって前回の液滴10aの近傍に着液するとともに、この液滴10aと合体して一体化する。
このように基材2の表面上において一体化した金属ナノインクの液滴10a,10bは、上述した単独の液滴10aの場合と同様に、この基材2の自己粘着性によって基材2上の着液位置に定着し、この着液位置に止まる。すなわち、かかる一体化した液滴10a,10bは、たとえ基材2が水平面に対して傾いた場合であっても、この着液位置の外部に濡れ広がらず、滲まず且つ流れない。
その後、上述したようにステージ12が所望のパターンに沿って基材2上の着液予定位置を移動する都度、塗布装置11は、図4に示すように、この移動後の基材2の表面に金属ナノインクの液滴を追加塗布する。このような基材2の表面への金属ナノインクの追加塗布工程を繰り返し行うことによって、この基材2の表面には、目標とする回路配線3の配線パターンをなす金属ナノインクの液滴群10が形成される。このようにして、基材2の表面には、金属ナノインクによる回路配線3の配線パターンが描画される。
なお、かかる配線パターンをなす金属ナノインクの液滴群10は、上述した単独の液滴10aの場合と同様に、この基材2の自己粘着性によって基材2上の着液位置に定着し、この着液位置に止まる。すなわち、かかる液滴群10は、たとえ基材2が水平面に対して傾いた場合であっても、この着液位置の外部に濡れ広がらず、滲まず且つ流れない。
上述したように配線パターンをなす金属ナノインクの液滴群10が表面に形成された基材2は、所定の加熱装置(図示せず)によって、所定の温度(例えば120℃)で所定の時間(例えば30分間)加熱処理される。この加熱処理によって、かかる金属ナノインクの液滴群10の溶媒を蒸発させるとともに、この液滴群10に含有の各金属ナノ粒子の分散剤を分解、除去し、さらに、これらの各金属ナノ粒子を互いに焼結する。この結果、かかる配線パターンをなす金属ナノインクの液滴群10は、目的とする回路配線3に変化して基材2の表面に完全に定着する。以上のようにして、かかる基材2の表面に所望の配線パターンの回路配線3を形成することができる。
なお、上述した自己粘着性を有する基材2の代わりにガラス基材またはエポキシ基材等の非自己粘着性の基材を用い、本発明の実施の形態1と同様の方法によって、この非自己粘着性の基材表面に金属ナノインクの液滴群を塗布して同様の配線パターンの回路配線を形成した。その後、計測顕微鏡を用いて、この非自己粘着性の基材表面上の回路配線の配線幅を計測した。この結果、かかる非自己粘着性の基材面上の回路配線の配線幅は、160μmであった。これに対し、上述したように自己粘着性を有する基材2の表面に回路配線3を形成した場合、この回路配線3の配線部3aの線幅は、60μmであった。このように、自己粘着性を有する基材表面に金属ナノインクを塗布して回路配線を描画した場合、非自己粘着性の基材表面に金属ナノインクを塗布して回路配線を描画する場合に比して細い線幅の回路配線を形成できる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1では、自己粘着性を有する絶縁性の基材の表面に金属ナノインクを塗布して回路配線の配線パターンを描画している。このため、撥水膜形成等の特殊な表面処理を基材表面に施さなくても、この基材表面の自己粘着性によって配線パターン状の金属ナノインクをその着液位置に止めることができる。これによって、基材表面上における意図せぬ基材領域への金属ナノインクの濡れ広がりおよび滲みを容易に防止できるとともに、金属ナノインクの液滴毎に着液位置からの金属ナノインクの流れを防止して、金属ナノインクの塗布斑なく所望の配線パターンの回路配線を安定的に形成可能な配線基板を実現することができる。
また、基材表面に塗布した金属ナノインクの各液滴を基材の自己粘着性によって各着液位置に止めているので、たとえ基材表面が水平面に対して傾斜する場合であっても、金属ナノインクの液滴毎に基材表面における着液位置からの金属ナノインクの濡れ広がり、滲みおよび流れを防止でき、この結果、配線基板の製造工程における基材の取り扱いが容易になるとともに、基材の表面処理工程等を省略して配線基板の製造工程を簡略化することができる。
さらに、ウレタン樹脂等の高い弾力性と自己粘着性とを兼ね備える基材を配線基板の基材として用いることによって、基材の耐衝撃性を高めることができる。この結果、たとえ落下衝撃または振動衝撃が発生した場合であっても、基材表面の回路配線が受ける衝撃を容易に軽減でき、外部からの衝撃を軽減するための部材を配線基板に組み込まなくても、基材自体によって配線基板の耐衝撃性を確保することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、基材2の表面に回路配線3を2次元的に形成していたが、この実施の形態2では、基材表面に対して傾斜する傾斜部を基材に形成し、この傾斜部を含む基材表面に回路配線を3次元的に形成している。
図5は、本発明の実施の形態2にかかる配線基板の一構成例を示す模式図である。図6は、図5に示す配線基板のA−A線断面模式図である。図5,6に示すように、この実施の形態2にかかる配線基板21は、上述した実施の形態1にかかる配線基板1の基材2に代えて、基板面に凹部22a,22bが形成された自己粘着性の基材22を備える。この基材22には、かかる凹部22a,22bを含む基材表面に回路配線23が3次元的に形成され、この回路配線23上であって凹部22a,22bの内部に電子部品24,25が各々実装される。
基材22は、上述した実施の形態1における基材2と同様に、ウレタン樹脂、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂等の自己粘着性を有する絶縁性の部材である。基材22は、少なくともその表面に自己粘着性を有し、さらには、切断加工または切削加工等が施された場合、加工によって新たに外部に露出した表面(切断面等)にも自己粘着性を有する。かかる基材22の表面には、切削加工等によって凹部22a,22bが形成される。凹部22aは、基材22の表面に対して傾斜する傾斜部28aと傾斜部28aに連続する底部28bとからなる。同様に、凹部22bは、基材22の表面に対して傾斜する傾斜部29aと傾斜部29aに連続する底部29bとからなる。かかる凹部22a,22bの各傾斜部28a,29aおよび各底部28b,29bは、基材22の表面の一部分であり、自己粘着性を有する。すなわち、基材22は、かかる凹部22a,22bを含む全表面に自己粘着性を有する。かかる凹部22a,22bを含む基材22の表面には、金属ナノインクの塗布によって回路配線23が描画される。この場合、基材22は、回路配線23の配線パターン状に塗布された金属ナノインクの各液滴を自己粘着性によって各着液位置(塗布位置)に各々止め、これによって、着液位置以外への金属ナノインクの濡れ広がり、滲みおよび流れをこの金属ナノインクの液滴毎に防止する。
なお、かかる自己粘着性を有する絶縁性の基材22は、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂等の部材であってもよいが、ウレタン樹脂に例示されるように高い弾力性を有する部材であることが望ましい。何故ならば、ウレタン樹脂等の自己粘着性および高い弾力性を有する部材を用いて基材22を形成することによって、基材22の耐衝撃性を高めることができ、この結果、外部からの衝撃を軽減するための部材を基材22に組み込まなくても、基材22上の回路配線23が受ける衝撃を容易に軽減できるからである。
回路配線23は、上述した凹部22a,22bを含む基材22の表面に3次元的に形成される。具体的には、回路配線23は、図5,6に示すように、2つの凹部22a,22bを通る3次元的な配線パターンの回路配線であり、凹部22a,22bの各傾斜部28a,29aに金属ナノインクを塗布して描画される配線部を含む。かかる回路配線23は、凹部22a,22bの各傾斜部28a,29aおよび各底部28b,29bを含む基材22の自己粘着性の表面に回路配線23の配線パターン状に金属ナノインクを塗布することによって描画され、この配線パターン状に塗布した金属ナノインクを加熱処理することによって形成される。なお、かかる回路配線23を形成する金属ナノインクは、上述した実施の形態1における金属ナノインクと同様である。
なお、図5,6に示した回路配線23の配線パターンは、本発明にかかるは配線基板における配線パターンの一例である。すなわち、この実施の形態2にかかる配線基板21の回路配線23の配線パターンは、直線的なものに限らず、ジグザグ状、分岐状等の所望のパターンであってもよい。また、この実施の形態2にかかる配線基板21の回路配線23は、1つ以上の電極パッド部を含むものであってもよい。
電子部品24,25は、上述した回路配線23と電気的に接続するように基材22の表面に実装される。具体的には、電子部品24は、回路配線23上であって凹部22aの底部28bに導電性接着剤26によって接着される。電子部品25は、回路配線23上であって凹部22bの底部29bに導電性接着剤27によって接着される。なお、かかる電子部品24,25を回路配線23に接着する導電性接着剤26,27は、銀フレークを含有する銀ペースト剤に例示されるように、金属フレークを含有する熱硬化性接着剤である。
なお、本発明の実施の形態2にかかる配線基板21の回路配線23の形成方法は、上述した実施の形態1の場合と略同様である。すなわち、実施の形態1の場合と略同様に、基材22の表面への金属ナノインクの液滴の吐出工程と所望の配線パターンに応じた基材22の移動工程とを順次繰り返し行うことによって、上述した凹部22a,22bを含む基材22の表面に、目標とする回路配線23の配線パターンをなす金属ナノインクの液滴群を塗布し、これによって、この基材22の表面に金属ナノインクによる回路配線23の配線パターンを描画する。その後、かかる配線パターンをなす金属ナノインクの液滴群が表面に形成された基材22は、上述した実施の形態1の場合と同様に、所定の加熱装置(図示せず)によって、所定の温度(例えば120℃)で所定の時間(例えば30分間)加熱処理される。この結果、基材22の表面に所望の配線パターンの回路配線23が形成される。
このような実施の形態2における回路配線23の形成工程においては、上述した塗布装置11(図2〜4参照)によって凹部22aまたは凹部22bに金属ナノインクを塗布する際、ノズル11aまたはステージ12を鉛直方向に適宜移動し、これによって、ノズル11aと基材22の表面との距離を一定に維持する。
上述したように回路配線23が形成された基材22には、さらに電子部品24,25が実装される。具体的には、回路配線23上であって基材22の凹部22aの底部28bに導電性接着剤26を必要量塗布し、この塗布した導電性接着剤26上に電子部品24を押し付けて配置する。同様に、回路配線23上であって基材22の凹部22bの底部29bに導電性接着剤27を必要量塗布し、この塗布した導電性接着剤27上に電子部品25を押し付けて配置する。その後、所定の加熱装置(図示せず)によって、所定の温度で基材22を所定の時間加熱処理し、これによって、かかる導電性接着剤26,27を熱硬化させる。この結果、電子部品24は、導電性接着剤26を介して回路配線23と電気的に接続されるとともに凹部22aの底部28bに固定される。同様に、電子部品25は、導電性接着剤27を介して回路配線23と電気的に接続されるとともに凹部22bの底部29bに固定される。
ここで、上述した回路配線23の形成工程において、基材22の表面に着液した金属ナノインクの各液滴は、実施の形態1の場合と同様に、この基材22の自己粘着性によって基材22の表面に定着して自身の着液位置に止まる。かかる金属ナノインクの各液滴は、たとえ基材22が水平面に対して傾いた場合であっても、自身の着液位置の外部に濡れ広がらず、滲まず且つ流れない。特に、基材22の凹部22aの傾斜部28aに着液した金属ナノインクの各液滴は、傾斜部28aの下方側、すなわち凹部22aの底部28b側に流れることなく、傾斜部28aの自己粘着性によって自身の着液位置に止まる。同様に、基材22の凹部22bの傾斜部29aに着液した金属ナノインクの各液滴は、傾斜部29aの下方側、すなわち凹部22bの底部29b側に流れることなく、傾斜部29aの自己粘着性によって自身の着液位置に止まる。
このような自己粘着性を有する基材22の表面に金属ナノインクを塗布することによって、所望の線幅を有する3次元的な配線パターンを描画できる。また、かかる3次元的な配線パターン状の金属ナノインクを加熱処理することによって、非自己粘着性の基材表面に金属ナノインクを塗布して回路配線を描画する場合に比して細い配線幅を有する3次元的な回路配線を基材22の表面に形成できる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2では、実施の形態1と同様の自己粘着性を有する絶縁性の基材の表面に、この表面に対して傾斜する傾斜部を形成し、かかる傾斜部を含む自己粘着性の基材表面に、金属ナノインクを塗布して3次元的な回路配線の配線パターンを描画している。このため、上述した実施の形態1の場合の作用効果を享受するとともに、基材表面における傾斜部の下方への金属ナノインクの流れを防止して、金属ナノインクの塗布斑なく所望の3次元的配線パターンの回路配線を安定的に形成可能な配線基板を実現することができる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、回路配線3が形成された基材2の表面を露出していたが、この実施の形態3では、回路配線3の電極パッド3b,3cを除く基材2の表面を絶縁膜によって被覆している。
図7は、本発明の実施の形態3にかかる配線基板の一構成例を示す模式図である。図8は、図7に示す配線基板のB−B線断面模式図である。図7,8に示すように、この実施の形態3にかかる配線基板31は、基材2の表面に絶縁膜34を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
絶縁膜34は、絶縁性を有する非粘着性の膜であり、基材2の表面のうちの少なくとも金属ナノインクの非塗布部分(すなわち、回路配線3が形成されていない部分)を被覆する。具体的には、絶縁膜34は、図7,8に示すように、基材2の表面のうちの回路配線3を除く部分である自己粘着性の基材表面と、回路配線3のうちの電極パッド部3b,3cを除く部分である配線部3aとを被覆する。かかる非粘着性の絶縁膜34は、回路配線3の形成後に基材2の自己粘着性部分を覆って基材2のべたつきを防止するとともに、回路配線3の配線部3aを覆って配線部3aを保護する。なお、かかる絶縁膜34は、さらに撥水性を有することが望ましく、これによって、不要な液体が基板表面に付着することを抑制できる。
ここで、かかる絶縁膜34の形成方法について説明する。上述した実施の形態1の場合と同様に基材2の表面に回路配線3を形成した後、この回路配線3の電極パッド部3b,3cを除く基材2の全面に、インクジェット方式の塗布装置等によって非粘着性の絶縁性液体を塗布する。その後、かかる非粘着性の絶縁性液体を表面に液着した状態の基材2を加熱装置によって所定の温度で所定の時間加熱処理する。この結果、基材2の自己粘着性部分と回路配線3の配線部3aとを被覆する絶縁膜34が基材2の表面に形成される。
以上、説明したように、本発明の実施の形態3では、回路配線が形成された自己粘着性の基材の表面に非粘着性の絶縁膜を形成し、この非粘着性の絶縁膜によって、この基材表面のうちの少なくとも回路配線の非形成部分(すなわち基材の自己粘着性部分)を被覆するようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、上述した実施の形態1と同様の作用効果を享受するとともに、基材のべたつきを防止でき、この結果、配線基板の取り扱い作業を容易に行えるとともに、ゴミ等の異物が基板表面に付着することを抑制可能な配線基板を実現することができる。
また、かかる基材の自己粘着部分とともに回路配線の配線部を絶縁膜によって被覆するので、基材上の回路配線の配線部を保護することができ、この結果、基材表面からの配線部の隔離および配線部の断線を防止することができる。さらに、かかる絶縁膜が撥水性を有することによって、不要な液体が基板表面に付着することを抑制できる。
なお、上述した実施の形態1〜3では、基材表面が水平面に対して略平行になるように自己粘着性の基材を配置して、この基材表面に金属ナノインクを塗布していたが、これに限らず、基材表面が水平面に対して傾斜するように自己粘着性の基材を配置して、この傾斜した状態の基材表面に金属ナノインクを塗布してもよい。この場合、自己粘着性の基材表面が水平面に対して傾斜していても、この基材の自己粘着性によって金属ナノインクの着液位置からの濡れ広がり、滲みおよび流れを防止できる。
また、上述した実施の形態1〜3では、インクジェット方式の塗布装置11によって自己粘着性の基材表面に金属ナノインクを塗布していたが、これに限らず、槽内に収容した金属ナノインクに自己粘着性の基材表面を浸すことによって、この基材表面に金属ナノインクを塗布してもよい。この場合、自己粘着性の基材表面に予め撥水膜を形成し、この形成した撥水膜を所望の配線パターン状にエッチング処理して自己粘着性の基材表面を配線パターン状に露出させ、その後、この基材表面を槽内の金属ナノインクに浸せばよい。一方、転写方式によって自己粘着性の基材表面に金属ナノインクを塗布してもよい。
さらに、上述した実施の形態2では、自己粘着性の基材表面に凹部を形成し、この凹部を通る配線パターンの回路配線を形成していたが、これに限らず、自己粘着性の基材表面に切削加工等によって自己粘着性の凸部を形成し、この凸部を通る配線パターンの回路配線を形成してもよい。すなわち、上述した自己粘着性の基材表面に対して傾斜する傾斜部は、この基材表面に形成された凹部の傾斜部であってもよいし、凸部の傾斜部であってもよい。
また、上述した実施の形態3では、実施の形態1にかかる配線基板1の基材2の表面に絶縁膜34を形成した構造の配線基板31を例示したが、これに限らず、実施の形態2にかかる配線基板21における基材22の3次元的な基材表面に絶縁膜34を形成してもよい。すなわち、本発明にかかる配線基板は、上述した実施の形態2と実施の形態3とを適宜組み合わせた配線基板であってもよい。
本発明の実施の形態1にかかる配線基板の一構成例を示す模式図である。 基材の表面に金属ナノインクの液滴を塗布する状態を示す模式図である。 基材の表面に既に着液した前回の液滴の近傍に金属ナノインクの液滴を追加塗布する状態を示す模式図である。 基材の表面に金属ナノインクの液滴を連続的に塗布する状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態2にかかる配線基板の一構成例を示す模式図である。 図5に示す配線基板のA−A線断面模式図である。 本発明の実施の形態3にかかる配線基板の一構成例を示す模式図である。 図7に示す配線基板のB−B線断面模式図である。
1,21,31 配線基板
2,22 基材
3,23 回路配線
3a 配線部
3b,3c 電極パッド部
10 液滴群
10a,10b 液滴
11 塗布装置
11a ノズル
12 ステージ
22a,22b 凹部
24,25 電子部品
26,27 導電性接着剤
28a,29a 傾斜部
28b,29b 底部
34 絶縁膜

Claims (5)

  1. 自己粘着性を有する絶縁性の基材を備え、
    金属ナノ粒子を含有する液体を前記基材の表面に塗布して、前記基材の表面に回路配線が描画されることを特徴とする配線基板。
  2. 前記基材は、前記基材の表面に対して傾斜する傾斜部を有し、
    前記回路配線は、前記傾斜部に前記液体を塗布して描画される配線部を含むことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記基材の表面のうちの少なくとも前記液体の非塗布部分を被覆する非粘着性の絶縁膜を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 前記回路配線は、1以上の電極パッド部を含み、
    前記絶縁膜は、前記回路配線のうちの前記電極パッド部以外を被覆することを特徴とする請求項3に記載の配線基板。
  5. 前記基材は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の配線基板。
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WO2018198897A1 (ja) * 2017-04-27 2018-11-01 コニカミノルタ株式会社 発光デバイス、表示装置、発光デバイスの製造方法、及び、表示装置の製造方法
WO2018207547A1 (ja) * 2017-05-12 2018-11-15 コニカミノルタ株式会社 発光装置

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