JP2011021098A - 蛍光体組成物およびそれを用いた蛍光体器具並びにその蛍光体器具の使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤色に発光するとともに、良好な残光特性を有する、蛍光体組成物を提供する。
【解決手段】蛍光体組成物は、(Ln1-xEux)MO3を含み、0.00001≦x≦0.01である。ここで、Lnは、La、Y、GdおよびLuのうちの1種または2種以上からなる元素であり、Mは、AlおよびGaのうちの1種または2種からなる元素である。さらに、蛍光体組成物には、(Ln1-xEux)MO31molに対して、3価より大きな価数を有する金属元素、たとえば、4価または5価である金属元素としてTi、GeまたはTaを含む金属元素が、合計で0.0003mol〜0.02molの範囲で添加されている。
【選択図】なし

Description

この発明は、蛍光体組成物およびそれを用いた蛍光体器具並びにその蛍光体器具の使用方法に関し、特に、たとえば紫外線照射など紫外領域の光照射によって可視発光し、たとえば照明、表示装置や停電時の非常照明、視野誘導、案内表示、警告灯などの蛍光体器具の蛍光体部分に用いられる蛍光体組成物などに関する。
紫外領域の光照射によって可視発光する蛍光体は、照明や表示装置に利用されている。このような蛍光体としては、赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体が知られている。たとえば赤色に発光するものとして、(La、Eu)AlO3系のものが知られている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載されている蛍光体組成物は、具体的には、(Ln、R)xMO3において、LnがY、LaおよびGdの1種以上であり、Rが発光中心となり得る希土類元素の1種以上であり、MがAlおよびGaの1種以上であり、0.850<x<0.999を満たし、Rが(Ln、R)中の0.1mol%〜10mol%の範囲にある蛍光体組成物である。この蛍光体組成物は、不純物の残留による発光強度(輝度)の低下を抑制することを目的として発明されたものである。
一方、紫外領域の光照射などによる刺激を停止した後も暗闇で長時間発光を続ける材料である長残光蛍光体または蓄光性蛍光体は、停電時の非常照明、視野誘導、案内表示、警告灯などに広く利用されている。長残光蛍光体には、エネルギーを一時的に貯めて徐々に解放していくトラップが存在することが、そのような残光現象を示す要因であると考えられている。このような長残光蛍光体は、緑色に発光するものが広く用いられている(たとえば特許文献2参照)。特許文献2に開示されている蓄光性蛍光体は、たとえば、アルミン酸ストロンチウムを母材としてEuおよびDyを添加した蓄光性蛍光体である。この蓄光性蛍光体は、緑色に発光するものである。
特開2005−89496号公報 特許第2543825号公報
従来の長残光蛍光体または蓄光性蛍光体としては、たとえば特許文献2に開示されている蓄光性蛍光体ように、緑色に発光するものが広く知られているが、たとえば特許文献1に開示されている蛍光体組成物のように、赤色に発光するものについては、残光特性などの発光特性などに問題があり、広く用いられるには至っていない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、赤色に発光するとともに、良好な残光特性を有する、蛍光体組成物およびそれを用いた蛍光体器具並びにその蛍光体器具の使用方法を提供することである。
この発明にかかる蛍光体組成物は、(Ln1-xEux)MO3(ここで、LnはLa、Y、GdおよびLuのうちの1種または2種以上からなる元素、MはAlおよびGaのうちの1種または2種からなる元素)を含む蛍光体組成物において、0.00001≦x≦0.01であり、(Ln1-xEux)MO31molに対して、3価より大きな価数を有する金属元素を合計で0.0003mol〜0.02molの範囲で添加したことを特徴とする、蛍光体組成物である。
この発明にかかる蛍光体組成物では、たとえば、LnはLaであり、MはAlであることが好ましい。
また、この発明にかかる蛍光体組成物では、金属元素は、たとえば4価または5価である金属元素である。この場合、金属元素は、たとえばTi、GeまたはTaを含む。
この発明にかかる蛍光体器具は、蛍光体部分を有する蛍光体器具において、蛍光体部分にこの発明にかかる蛍光体組成物が用いられていることを特徴とする、蛍光体器具である。
この発明にかかる蛍光体器具の使用方法は、この発明にかかる蛍光体器具を使用するための蛍光体器具の使用方法であって、蛍光体部分に紫外線を照射することによって蛍光体部分を発光させることを特徴とする、蛍光体器具の使用方法である。
(Ln1-xEux)MO3(ここで、LnはLa、Y、GdおよびLuのうちの1種または2種以上からなる元素、MはAlおよびGaのうちの1種または2種からなる元素)を含む蛍光体組成物において、0.00001≦x≦0.01である場合には、たとえば紫外線照射など紫外領域の光照射によって赤色に発光する長残光蛍光体としても働く。
さらに、そのような蛍光体組成物において、(Ln1-xEux)MO31molに対して、3価より大きな価数を有する金属元素を合計で0.0003mol〜0.02molの範囲で添加することによって、残光特性が改善される。
そのため、この発明にかかる蛍光体組成物は、たとえば紫外線照射など紫外領域の光照射によって赤色に発光するとともに、良好な残光特性を有する。
また、この発明にかかる蛍光体組成物では、LnがLaであり、MがAlである場合、特に良好な残光特性が得られる。
さらに、この発明にかかる蛍光体組成物では、金属元素は4価または5価である金属元素であることが好ましく、この場合、金属元素はたとえばTi、GeまたはTaを含むことが好ましい。
また、この発明にかかる蛍光体器具では、その蛍光体器具の蛍光体部分にこの発明にかかる蛍光体組成物が用いられているので、上述のように、たとえば紫外線照射など紫外領域の光照射によって赤色に発光するとともに、良好な残光特性を有する。
さらに、この発明にかかる蛍光体器具の使用方法では、この発明にかかる蛍光体器具の蛍光体部分に紫外線を照射することによって蛍光体部分を発光させるので、赤色に発光するとともに、良好な残光特性を有する。
この発明によれば、たとえば紫外線照射など紫外領域の光照射により赤色に発光するとともに、良好な残光特性を有する、蛍光体組成物および蛍光体器具並びに蛍光体器具の使用方法が得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
実験例において試料番号1の基板について励起波長465nm照射時の蛍光スペクトルの測定結果を示す図である。 実験例において試料番号1、3、5、7、9、14および19の基板について593nmの発光強度の経時変化を示すグラフである。 図2に示すグラフにおける残光曲線を、経過時間と発光強度の逆数との関係に改めて示したグラフである。
この発明にかかる蛍光体組成物は、(Ln1-xEux)MO3を含み、0.00001≦x≦0.01である。ここで、Lnは、La、Y、GdおよびLuのうちの1種または2種以上からなる元素である。また、Mは、AlおよびGaのうちの1種または2種からなる元素である。
さらに、この発明にかかる蛍光体組成物には、(Ln1-xEux)MO31molに対して、3価より大きな価数を有する金属元素、たとえば、4価または5価である金属元素としてTi、GeまたはTaを含む金属元素が、合計で0.0003mol〜0.02molの範囲で添加されている。
本願発明者は、この発明にかかる蛍光体組成物では、たとえばLaを0.001mol%〜1mol%の範囲(0.00001≦x≦0.01の範囲)でEuに置換した(La1-xEux)AlO3(ストイキオメトリ組成)において、紫外線照射による赤色の長残光特性が発現することを見出した。この場合、特に254nm照射下での励起においては、暗室内において20分間程度の赤色の残光の視認が可能である。
さらに、本願発明者は、上述の(La1-xEux)AlO3(0.00001≦x≦0.01)1molに対して、Ti4+、Ge4+、Ta5+など価数が4価以上のカチオン元素を0.0003mol〜0.02mol共添加することにより、上述の残光が長寿命化することを見出した。これによって、たとえば数時間の赤色の残光の視認が可能となる。
この発明にかかる蛍光体組成物に関しては、精密なメカニズムは不明であるが、以下のことが考えられる。
<(La1-xEux)AlO3(0.00001≦x≦0.01)の長残光特性について>
長残光特性の現れる励起帯(250〜400nm)は電荷移動吸収帯であり、つまり、Eu−O結合において、酸素の2p電子がEu3+の電子軌道に移動することに伴う吸収であるとされている。したがって、紫外線照射時においては、電荷移動によりEu3+は、Eu2+に類似した状態のイオンとなり、酸素2p軌道に正孔hが生じる。この正孔は、酸素サイトから脱離し、LaAlO3母材に存在する欠陥にトラップされる。これが、蓄光過程にあたる。
一方、紫外線を停止すると、欠陥にトラップされていた正孔が室温程度の熱エネルギーにより徐々に開放され、Eu3+に移動していた電子と再結合し、励起状態のEu3+となる。この励起Eu3+からの赤色発光が残光過程となる。
<共添加物による残光寿命の変化について>
4価や5価の金属元素の添加により残光が長寿命化する傾向があるのに対して、1価または2価の金属元素の添加により残光が短寿命化する傾向がある。
4価や5価の金属元素の添加による長寿命化については、母材構成元素より価数の大きな金属元素の存在により、Euによる正孔量が増加したため、または、正孔のトラップが促進されたためである可能性がある。
一方、1価または2価の金属元素の添加による短寿命化については、母材構成元素より価数の小さな金属元素の存在により、母材中の正孔が増加し、Euによる正孔量が減少したため、または、正孔のトラップが生じにくくなったためである可能性がある。
共添加物の添加量について、母材1molに対して0.0003molより少ない場合または0.02molより多い場合、残光の長寿命化に十分な効果が得られない。これにより、添加量の上下限が決定される。
<母材組成条件について>
母材組成LaAlO3については、仕上がり品のメイン組成がLaAlO3のペロブスカイトになっていればよい。主成分がLaAlO3であれば、多少の副成分を含んでいても残光特性には影響しないため、ストイキオメトリ組成からの多少のずれは許容される。この場合、LaサイトとAlサイトとの比が1から多少ずれても本発明の効果を奏するので、LaサイトとAlサイトとの比が1から多少ずれてもよい。
<Eu置換量条件について>
Euに1mol%を超えて置換すると、紫外線照射中の発光強度は上昇するが、残光特性は低下する。これは、何らかの原因で正孔の欠陥へのトラップが生じにくくなっているためと考えられ、これにより添加量の上限値が決定される。
また、Euへの置換量を0.001mol%未満にすると、発光自体が弱くなって、長残光体としての機能を十分果たさない。これにより、置換量の下限値が決定される。
以上のことは、この発明にかかる他の蛍光体組成物に対しても同様に考えられる。
さらに、この発明にかかる蛍光体組成物では、以下の効果も奏する。
この発明にかかる蛍光体組成物では、SrSなどの硫化物を用いておらず、耐湿性や耐水性の劣化が生じにくい。つまり、この発明にかかる蛍光体組成物では、大気中での特性劣化が生じにくい。
また、この発明にかかる蛍光体組成物では、CaOなどのアルカリ土類酸化物を用いておらず、耐湿性や耐水性の劣化が生じにくい。つまり、この発明にかかる蛍光体組成物では、この点においても、大気中での特性劣化が生じにくい。
さらに、この発明にかかる蛍光体組成物では、塩化物などのフラックスを用いる必要がないので、焼成中に塩素ガスが発生する危険性を防止することができるとともに、焼成後にそのようなフラックスを除去する作業を省略することができる。
また、この発明にかかる蛍光体組成物では、Y22Sなどの酸硫化物やNaCO3などの融剤を用いる必要がないので、作製過程においては硫酸を用いる必要がなく、有毒ガスが発生する危険性を防止することができ、焼成後においてはそのような融剤を除去する作業を省略することができる。
以上のように、この発明にかかる蛍光体組成物は、容易に作製することが可能であるとともに、耐湿性や耐水性を有することも可能である。
次に、この発明にかかる蛍光体組成物を用いた蛍光体器具の一例としての情報表示装置およびその使用方法について説明する。
蛍光体器具の一例としての情報表示装置は、たとえば箱形のケースを含む。ケースの前面には、可視波長で透光性を有する前面板が設けられる。この前面板の裏面には、蛍光体部分として、たとえば、文字、図形、記号などからなる情報表示部分が設けられる。この場合、情報表示部分は、この発明にかかる蛍光体組成物を用いて形成される。そのため、情報表示部分は、たとえば紫外線照射など紫外領域の光照射によって可視発光する。さらに、ケースの中には、紫外線を含む光を発生する蛍光灯ランプが設けられる。そのため、この蛍光灯ランプによって、情報表示部分には紫外線などの光を照射することができる。この場合、前面板は紫外線などの目に有害な波長を遮断するものが好ましい。
この情報表示装置は、たとえば時間帯によって暗くなる場所に設置される。この情報表示装置では、設置された場所が明るいときには、情報表示部分を外部から容易に認識することができる。また、この情報表示装置では、設置された場所が暗くなれば、内部の蛍光灯ランプから光を発生することによって、情報表示部分を明るくして外部から容易に認識することができる。ここで、しばらくしてたとえば停電などによって蛍光灯ランプから光が発生されなくなってしまった場合、この情報表示装置では、情報表示部分にすでに紫外線が照射されているので、その後、情報表示部分が長時間可視発光する。そのため、この情報表示装置では、停電などがあっても、情報表示部分を外部から長時間、容易に認識することが可能である。情報表示部分の形成物について、EuをドープしたSrAl24等の発光波長の異なる蛍光体組成物と本発明の蛍光体組成物とを混合して用いた場合、白色を含む種々の発色を得ることができる。さらには、発光波長に加え、残光時間も異なる長残光体を混合して用いた場合、経時的な発色の変化が生じ、停電発生からの経過時間を色で知らせるような使用法もある。
(実験例)
まず、原料として、高純度のLa(OH)3、Al23、Eu23、Y23、Ga23、Li2CO3、MgCO3、CaCO3、TiO2、GeO2およびTa25を準備した。
これらの原料を表1の試料番号1〜37のそれぞれの組成になるように秤量し、ボールミルで20時間湿式混合して、それぞれの混合物を得た。
Figure 2011021098
たとえば、表1の試料番号8については、(La0.999Eu0.001)AlO3+Ti0.0003の組成になるように秤量した。同様に、その他の資料番号1〜7および9〜37についても、それぞれの組成が表1から明らかである。
そして、これらの混合物をそれぞれ乾燥した後、1200℃で3時間仮焼して、それぞれの仮焼物を得た。これらの仮焼物をそれぞれ水および有機分散剤とともにボールミルに入れ、12時間湿式粉砕して、それぞれの粉砕物を得た。これらの粉砕物を、湿式成形によって、直径30mm、厚さ5mmの円板状に成形して、それぞれの成形物を得た。これらの成形物を、それぞれ、それと同じ組成からなる粉体に埋め、酸素雰囲気下(約98%酸素濃度)で、1600℃で20時間焼成して、それぞれの焼結体を得た。
得られた焼結体について、それぞれの厚みtが1.0mmになるように、研磨加工を行って、それぞれの基板を得た。得られた基板について、それぞれ蛍光測定を行った。この場合、蛍光測定を行うための装置として、たとえば堀場製作所製の蛍光分光光度計FuoroMax−4Pを用いた。
そして、試料番号1の基板について励起波長465nm照射時の蛍光スペクトルの測定結果を図1に示した。図1には、試料番号1の基板についての測定結果を示すが、他の試料番号2〜37の基板についても、図1に示す試料番号1の基板についての測定結果と同様の測定結果が得られた。これより、試料番号1〜37の基板では、593nm、615nmおよび618nmをピークとした赤色蛍光体が得られていることがわかる。
次に、得られた全ての基板について、254nm(2.05mW/cm2)の紫外光を5分間照射し、その593nmの発光強度(cps)の経時変化を測定した。ここで、紫外光には市販のブラックライトを用い、蛍光測定装置には堀場製作所製の蛍光分光光度計FuoroMax−4Pを用いた。そして、その測定結果を図2に示した。図2は、試料番号1、3、5、7、9、14および19の基板について593nmの発光強度(cps)の経時変化を示すグラフである。
次に、図2に示すグラフにおける残光曲線を、経過時間と発光強度の逆数との関係に改めて示した結果、図3に示すグラフが得られた。図3に示すグラフでは、各プロットが直線的にふるまうことから、残光曲線を以下の式で近似し、パラメータaおよびbを求めた。
I=1/(a*t+b) (ここで、Iは発光強度、tは時間)
次に、求めたパラメータaおよびbを用いて、発光強度I=50000cpsにおける時間tを算出し、残光時間(秒)とした。その結果を表1に示した。ここで、発光強度I=50000cpsを用いた理由は、暗所における発光強度の視認限界が約50000cpsであったためである。
表1などより、以下のことがわかった。
1.母材中のLaに対して、0.001mol%〜1mol%の範囲でEuに置換することによって、紫外線励起による赤色の長残光特性が発現する。
2.Ti、GeまたはTaなど価数が3価より大きな金属元素を、母材1molに対して0.0003mol〜0.02mol共添加することによって、残光が長寿命化する。
3.Euへの置換量が1mol%を超えると、残光特性が低下する。
4.Li、MgまたはCaなど1価または2価の金属元素を、母材1molに対して0.0003mol〜0.003mol共添加することによって、残光が短寿命化する。
5.Laの一部をYに置換しても、Alの一部をGaに置換しても、同様の優れた効果が得られる。
6.LnがLaであり、MがAlである場合、特に良好な残光特性が得られる。
7.Ti、GeまたはTaをそれぞれ同じ量で添加した場合、TiまたはGeを添加した場合よりもTaを添加した場合の方が、残光時間が長くなる。
上述の実験例では、LnとしてLaのみやLaおよびYが用いられているが、この発明では、LnとしてLa、Y、GdおよびLuのうちの1種または2種以上からなる元素が用いられていればよい。言い換えれば、Lnに関して、次のことがいえる。
1.Gd、Luも、La、Yと同様に3価のイオンが安定な元素である。
2.Gd、Luの最外殻電子軌道は、5d16s2であり、Laのものと同じである。
3.イオン半径は、例えば6配位にて、La3+が1.03オングストロームであり、Y3+が0.90オングストロームであるのに対して、Gd3+が0.94オングストロームであり、Lu3+が0.86オングストロームであって、それらが比較的近い。
以上の1.、2.および3.より、Gd、Luを用いても、La、Yを用いるのと同様の特性が得られると考えられる。
また、上述の実験例は、MとしてAlのみやAlおよびGaが用いられているが、この発明では、MとしてAlおよびGaのうちの1種または2種からなる元素が用いられていればよい。
さらに、この発明にかかる蛍光体器具は、上述の情報表示装置のようにケースや前面板、蛍光灯ランプなどを必ずしも有するものである必要はない。例えば紫外光源は、蛍光灯ランプではなく、太陽光であっても良い。また、表示装置は蛍光体単独からなるたとえばプレート状のものであってもよく、さらにペースト状にした蛍光体をビルの壁面、標識などに直接塗布したものでも良い。
この発明にかかる蛍光体組成物は、たとえば、紫外線照射など紫外領域の光照射によって赤色に発光する、照明、表示装置や停電時の非常照明、視野誘導、案内表示、警告灯などの蛍光体器具の蛍光体部分に利用される。

Claims (6)

  1. (Ln1-xEux)MO3(ここで、LnはLa、Y、GdおよびLuのうちの1種または2種以上からなる元素、MはAlおよびGaのうちの1種または2種からなる元素)を含む蛍光体組成物において、
    0.00001≦x≦0.01であり、
    (Ln1-xEux)MO31molに対して、3価より大きな価数を有する金属元素を合計で0.0003mol〜0.02molの範囲で添加したことを特徴とする、蛍光体組成物。
  2. LnはLaであり、MはAlであることを特徴とする、請求項1に記載の蛍光体組成物。
  3. 前記金属元素は、4価または5価である金属元素であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の蛍光体組成物。
  4. 前記金属元素は、Ti、GeまたはTaを含むことを特徴とする、請求項3に記載の蛍光体組成物。
  5. 蛍光体部分を有する蛍光体器具において、前記蛍光体部分に請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の蛍光体組成物が用いられていることを特徴とする、蛍光体器具。
  6. 請求項5に記載の蛍光体器具を使用するための蛍光体器具の使用方法であって、
    前記蛍光体部分に紫外線を照射することによって前記蛍光体部分を発光させることを特徴とする、蛍光体器具の使用方法。
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