JP2011017169A - 跨座式モノレール桁および跨座式モノレール桁の構築方法 - Google Patents

跨座式モノレール桁および跨座式モノレール桁の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質な跨座式モノレール桁を簡易に構成することを可能とした跨座式モノレール桁および跨座式モノレール桁の構築方法を提案する。
【解決手段】上面に複数の定着部材11,11,…が固定された鋼製の桁本体10と、桁本体10の上面に敷設されたプレキャスト製のコンクリート床版20と、コンクリート床版20と桁本体10との間に充填された充填材20と、を備えた跨座式モノレール桁1であって、定着部材11の位置に対応して形成されたコンクリート床版20の貫通孔22に定着部材11を挿通させた状態でコンクリート床版20を敷設し、コンクリート床版20と桁本体10との間に介設された袋状の布型枠31内に充填材30を充填する。
【選択図】図1

Description

本発明は、跨座式モノレール桁および跨座式モノレール桁の構築方法に関する。
跨座式モノレール桁には、鋼製桁とコンクリート桁とがある(例えば、特許文献1参照)。鋼製桁はコンクリート桁と比較して軽量化が可能なため、長大スパンのモノレール桁に有効である。
ところが、跨座式モノレールはゴムタイヤ製の走行輪により桁の上面の走行面を走行するため、鋼製桁の上面が鋼板の場合、走行輪と桁上面との間に十分な摩擦係数を確保することができない場合がある。
一方、コンクリート桁を採用する場合は、コンクリート床版の上面の走行面に、容易に凹凸仕上げを施すことができるため、所望の摩擦係数を確保することが可能であるものの、自重が大きいために、桁のスパン長に制限があった。
そのため、長大スパンの桁ですべり抵抗の大きな桁として、鋼製桁の上面にコンクリート床版を打設した、合成桁を採用する場合がある。
このような合成桁は、鋼製桁の上面にスタッドボルト等の定着部材を固定し、この面にコンクリートを打設した後、コンクリート表面に凹凸仕上げを行うことで構成されている。
特開2002−212903号公報
ところが、合成桁は、現場打ちコンクリートにより形成されたコンクリートスラブの重量が大きくなることで桁全体の重量が大きくなるので、大掛かりな基礎が必要となる場合があった。
また、桁が曲線桁の場合には、現場打ちコンクリートの床版に対して、高精度のカント勾配の仕上げを行う必要性や現場養生等に対し、高精度の施工管理を行う必要があり、施工に手間を要していた。
さらに、現場打ちコンクリートは、時間の経過とともにコンクリートの乾燥収縮が進行するため、スタッドボルトにより変形が拘束された床版コンクリートに引張応力が発生して、ひび割れが生じるおそれがあった。
本発明は、前記課題を解決するものであって、高品質な跨座式モノレール桁を簡易に構成することを可能とした跨座式モノレール桁および跨座式モノレール桁の構築方法を提案することを課題とする。
このような課題を解決する本発明の跨座式モノレール桁は、上面に複数の定着部材が固定された鋼製の桁本体と、前記桁本体の上面に敷設されたプレキャスト製のコンクリート床版と、前記コンクリート床版と前記桁本体との間に充填された充填材と、を備えた跨座式モノレール桁であって、前記コンクリート床版は、前記定着部材の位置に対応して形成された貫通孔に前記定着部材を挿通させた状態で敷設されており、前記充填材は、前記コンクリート床版と前記桁本体との間に介設された袋状の布型枠内に充填されていることを特徴としている。
かかる跨座式モノレール桁によれば、コンクリート床版が、製品工場等において、高品質に製作されているため、強度や寸法精度などにばらつきが少ない。そのため、モノレールの走行面を高い仕上げ精度で構築することができる。
また、プレキャスト部材を使用することで、軽量化したコンクリート床版を高い剛性を持って構築することができる。さらに、長期的な錆、ひびわれ、磨り減りなどの耐久性の低下が少なく、維持管理費の低減化が可能となる。
また、織布や不織布等からなる布型枠を利用することで、充填材を充填する際に、型枠内の空気が織り目から押し出されるため、内部に空気が残留することを防止できる。そのため、未充填部が発生しにくく、高品質施工が可能となる。
また、前記コンクリート床版が、セメントと、ポゾラン系反応粒子と、最大骨材粒径2.5mm以下の骨材の粉体と、高性能減水剤と、水と、を混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1mm〜0.3mm、長さが10mm〜30mmの形状を有する繊維を容積で1%〜4%混入して得られるものの硬化体であって、前記硬化体の圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にあるものであってもよい。
このような超高強度の繊維補強コンクリートは、通常の繊維補強コンクリートよりも弾性係数が高く(例えばE=50〜55kN/mm程度)、引張力に対する抵抗力も期待できるので、コンクリート床版の板厚を小さくすることができる。
また、前記布型枠の内面に、ガラス繊維、ビニロン繊維またはポリエステル繊維により作られた網状部材が固定されていてもよい。
かかる跨座式モノレール桁によれば、充填材が補強されるため、供用後のモノレールの走行による繰り返し荷重によるひびわれを抑止することができる。また、充填材に亀裂が生じたとしても、充填材の形状を維持することができるので、走行面の平坦性を維持することが可能となる。
また、前記コンクリート床版が、桁軸方向に沿って連設された複数の床版部材により構成されていれば、取り扱い性が向上するので、施工性の向上を図ることが可能となる。
また、コンクリート床版の貫通孔に、耐久性の高いセメント系モルタル等からなる間詰め材を充填することで、コンクリート床版と鋼製桁との一体化をより強固なものとしてもよい。
また、前記床版部材同士の隙間に変形性能が優れた隙間材(例えば、無収縮モルタル等にラテックスゴムのエマルジョンが混入されたもの等)を充填することで、鋼製桁の温度変形等に対して追従可能なものとしてもよい。
また、本発明の跨座式モノレール桁の構築方法は、鋼製桁の上面に複数の定着部材を固定する工程と、前記鋼製桁の上面に布型枠を配置する工程と、前記布型枠の上面にプレキャスト製のコンクリート床版を配置する工程と、前記コンクリート床版の高さ調整を行う工程と、前記布型枠内に充填材を注入する工程と、を備える跨座式モノレール桁の構築方法であって、前記布型枠および前記コンクリート床版には前記定着部材の配置に対応した貫通孔が形成されており、前記定着部材を前記貫通孔に挿通させた状態で前記布型枠および前記コンクリート床版を配置することを特徴としている。
本発明の跨座式モノレール桁および跨座式モノレール桁の構築方法によれば、簡易に高品質な跨座式モノレール桁を構成することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態に係る跨座式モノレール桁を示す横断面図である。 同跨座式モノレール桁を部分的に示す斜視図である。 同跨座式モノレール桁の拡大断面図であって、(a)は貫通孔、(b)ボルト孔を示している。 (a)は布型枠を示す斜視図、(b)は(a)の布型枠の変形例を示す斜視図である。 (a)は跨座式モノレール桁の平面図、(b)は同縦断面図、(c)は同横断面図、(d)は(a)のX−X断面図である。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、図1に示すように、車両Mが軌道の上方を走行するように構成された跨座式モノレール桁1について説明する。
跨座式モノレール桁1は、上面と両側面にそれぞれ車輪Mwの走行路が形成されている。跨座式モノレール桁1は、その上面において車両重量を支え、側面において車両Mを案内するように構成されている。
跨座式モノレール桁1は、図2に示すように、上面に複数の定着部材11,11,…が固定された鋼製の桁本体(鋼製桁)10と、桁本体10の上面に敷設されたプレキャスト製のコンクリート床版20と、桁本体10とコンクリート床版20との間に充填された充填材30と、を備えて構成されている。
桁本体10は、図1に示すように、上面鋼板12と下面鋼板13と側面鋼板14,14とにより内部に空洞を備えて箱状に形成されている。
上面鋼板12は、コンクリート床版20の敷設が可能であって、かつ、モノレールの車両の重量に対して十分な耐力を有している。
上面鋼板12には、図2に示すように、複数の定着部材11,11,…が固定されている。
本実施形態では、定着部材11として、スタッドボルトを上面鋼板12の表面に溶接しているが、定着部材11の構成は限定されるものではない。
定着部材11には、ネジ加工が施されており、コンクリート床版20の貫通孔22に定着部材11を挿通させた状態でナットを螺着することでコンクリート床版20を固定する。
定着部材11は、所定の間隔により配設されており、本実施形態では、2列配置している。なお、定着部材11の配置や本数は限定されるものではない。
桁本体10の左右の側面には、図1に示すように、案内路15,15がそれぞれ上下に2段形成されている。
案内路15は、図1に示すように、車両Mの車輪Mwが当接することで車両Mの走行を案内する走行路である。
案内路15は、上面鋼板12または下面鋼板13と、側面鋼板14の表面に突設された支持鋼板16により、桁本体10の側面から張り出した状態で固定されている。案内路15の固定方法は前記の方法に限定されるものではない。
桁本体10として、鋼板を組み合わせて構成されているため、車両Mの走行に対して十分な耐力を有している。また、内部に空洞を備えた箱状であるため、軽量化を図ることができ、長大スパンのモノレール桁を構成することを可能としている。
コンクリート床版20は、図1に示すように、桁本体10の上方に敷設されて、車輪Mwの走行路として機能する。
本実施形態のコンクリート床版20は、図2に示すように、桁軸方向に沿って連設された複数の床版部材21,21により構成されている。
床版部材21は、製品工場において、強度や製作寸法精度のばらつきを所定に精度に収まるように厳密に品質管理されて製作されたプレキャスト部材である。走行面のレベル管理や凹凸精度管理についても高品質に製造されている。
床版部材21は、セメントと、ポゾラン系反応粒子(シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ等)と、最大骨材粒径2.5mm以下の骨材の粉体と、高性能減水剤と、水と、を混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1mm〜0.3mm、長さが10mm〜30mmの形状を有する繊維を容積で1%〜4%混入して得られるものの硬化体からなる板材である。
床版部材21は、圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にあるように構成されている。
そのため、鉄筋による補強を必要とせず、薄肉断面部材の実現が可能となる。
また、床版部材21として、製作時に90℃で48時間熱養生したものを使用する。そのため、床版部材21は、製作後に乾燥収縮が発生しにくく、桁本体10に設置後に、乾燥収縮が原因によるひびわれの発生が抑制される。
また、床版部材21は、前記配合により製造されているため、弾性係数が50〜55GPaと高く、弾性係数が21〜35GPaの一般的なコンクリート部材よりも部材厚を薄く製造することができる。
各床版部材21には、図2に示すように、桁本体10に固定された定着部材11,11,…に対応して複数の貫通孔22,22,…が所定の間隔により2列形成されている。
なお、貫通孔22の配置や箇所数等は限定されるものではなく、定着部材11の配置等に応じて適宜設定すればよい。
貫通孔22は、図3(a)に示すように、上側部分と下側部分とで段差を有して形成されており、上側の拡径部22aが下側の一般部22bよりも大きな内径を有している。
拡径部22aの底部には、支圧板22cが埋め込まれており、ナット16の締め付け力により破損が生じないように構成されている。なお、拡径部22aは、ナット16の螺着時に設置する穴あき支圧板17よりも大きな外径を有している。
一般部22bは、定着部材11の外径よりも大きな内径を有して形成されている。また、一般部22bの内径は、孔あき支圧板17よりも小さく形成されている。
床版部材21は、図2に示すように、貫通孔22,22,…に定着部材11,11,…を挿通させた状態で桁本体10の上面に充填材30を介して敷設される。
定着部材11の頭部にはナット16を螺着する。このようにすると、上面鋼板12と床版部材21の間に充填材30を充填した際の浮き上がりを防止することができる。
また、床版部材21の角部には、図1に示すように、桁本体10の上方に設置した際に、レベル調整に使用する調整ボルト41を挿通するためのボルト孔23,23,…が形成されている。
ボルト孔23は、図3(b)に示すように、調整ボルト41の外径よりも大きな内径を有して形成されており、下側端部には、調整ボルト41の螺着が可能な調整ナット23aが予め埋設されている。
また、床版部材21の中央部には、図2に示すように、床版部材21と上面鋼板12との間に充填材30を注入するための注入孔24,24が貫通している。本実施形態では、床版部材21に注入孔24を2ヶ所形成するが、注入孔24の数は限定されるものではない。また、注入孔24の形成箇所も限定されるものではない。
コンクリート床版20を、所定の長さに分割された床版部材21を連設することにより形成しているため、長大スパンのモノレール桁を簡易に構築することが可能である。また、床版部材21は、搬送が可能な形状に形成されているため、製品工場において生産されたものを使用することができる。
充填材30は、図2に示すように、桁本体10とコンクリート床版20との間に介設された袋状の布型枠31内に充填されている。
充填材30を構成する材料は限定されるものではないが、本実施形態では、セメント系材料である無収縮モルタル、あるいは無収縮モルタルにガラス短繊維、ビニロン短繊維、ポリエステル短繊維、ポリプロピレン短繊維等の繊維を混入したものを使用する。
布型枠31は、不織布により構成されており、充填材30を布型枠31の内部に充填する際に、内部の空気が追い出されることで、未充填箇所が発生しにくいように構成されている。また、布型枠31の繊維の間から充填材30が染み出すことで接着効果を得ることができる。なお、布型枠31を構成する材料は不織布に限定されるものではなく、例えば織布であってもよい。
図2に示すように、布型枠31は、充填材30が充填された状態で、床版部材21の幅の半分の幅を有している。本実施形態では、二つの布型枠31,31を並設することによい、桁本体10と床版部材21との間を充填するものとする。なお、布型枠31の形状寸法は限定されるものではなく、例えば、床版部材21(コンクリート床版20)と同じ幅に形成されていてもよいし、床版部材21の1/3の幅に形成されていてもよく、適宜設定することが可能である。
布型枠31には、図4(a)に示すように、定着部材11の位置に対応して複数の挿通孔33,33,…が所定の間隔で配置されている。
また、布型枠31には、床版部材21のボルト孔23の位置に対応して調整ボルト41を挿通するための挿通孔34が形成されている。
本実施形態の布型枠31には、布型枠31の桁軸方向中間付近に、充填材30を注入するための管状の注入口35が形成されている。注入口35は、床版部材21を上面に敷設する際に、床版部材21に形成された注入孔24に挿通することができる形状に形成されている。
なお、注入口35の形成箇所は限定されるものではなく、例えば、図4(b)に示すように、布型枠31の端部に形成されていてもよい。また、布型枠31内への充填材の注入が可能であれば、必ずしも管状に形成されている必要はない。
布型枠31の内面には、ガラス繊維、ビニロン繊維またはポリエステル繊維により作られた網状部材32が固定されている。
布型枠31に網状部材32に固定されていることにより、モノレール走行による繰り返し荷重が作用した際に、充填材30のひびわれ防止効果が得られる。また、充填材30にひび割れが発生したとしても、充填材30がばらばらに壊れることが防止される。
布型枠31は、挿通孔33に定着部材11を挿通させた状態で、桁本体10の上面に敷設され、注入口35を介して内部に充填材30が充填されることで、床版部材21と桁本体10との間の隙間を埋める。
また、布型枠30を利用することで、コンクリート床版20の上面にカント勾配や縦断勾配が存在しているような場合であっても、充填材30が漏れ出すことなく、桁本体10とコンクリート床版20との間を充填することができる。
本実施形態では、貫通孔22、ボルト孔23および注入孔24に、耐久性の高い間詰め材42が充填されており、隣接する床版部材21同士の隙間には変形性能が優れた隙間材43が充填されている(図1および図5(d)参照)。
このような間詰め材42としては、長期的に耐久性のあるセメント系モルタルを使用するものとし、例えば、無収縮モルタルや樹脂モルタル、あるいは超高強度繊維補強コンクリートを使用するのが望ましい。
また、間詰め材42による間詰めの際に、貫通孔22等の周囲に予めエポキシ系樹脂等の接着剤を塗布しておくのが望ましい。これにより、界面からの水の浸入を防ぐことが可能となる。
また、隙間材43としては、無収縮モルタルなどのセメント系モルタル材料にラテックスゴムのエマルジョンを混入して得られたものなど、弾性係数を低減させた材料を使用することが望ましい。これにより、鋼製の桁本体10に温度変形等が生じたとしても変形追従すること可能となる。
跨座式モノレール桁1の構築は、以下の手順により行う。
まず、鋼製の桁本体(鋼製桁)10の上面鋼板12に複数の定着部材11を所定の間隔により固定する。定着部材11は、スタッドボルトを溶接することにより、上面鋼板12に固定する(図1参照)。
次に、上面鋼板12の表面に布型枠31を配置する。このとき、布型枠31の挿通孔33に定着部材11を挿通させておく(図1参照)。
桁本体10の上面に配置された布型枠31の上面に床版部材21を配置する。
このとき、図5(a)および(b)に示すように、床版部材21の貫通孔22に定着部材11を挿通させて、定着部材11の頭部に孔あき支圧板17(図3(a)参照)とナット16をセットする。また、図5(d)に示すように、床版部材21の注入孔24に布型枠31の管状の注入口35を挿通させておく。
そして、図3(b)に示すように、調整ボルト41をボルト孔23に挿入し、調整ボルト41を利用して、床版部材21の高さを調整する。
床版部材21の高さ調整が完了したら、注入口35にから充填材30を布型枠31に注入する。
充填材30による充填が完了したら、貫通孔22、ボルト孔23および注入孔24に、間詰め材42を充填するとともに、隣接する他の床版部材21との間に形成された隙間(目地)に隙間材43を充填する。
貫通孔22に配置された孔あき支圧板17には貫通穴17aが2ヶ所形成されているため、一方の貫通穴17aが注入穴、他方の貫通穴17aが空気抜き穴として機能することで、一般部22bに間詰め材42が充填される。すなわち、拡径部22aに注入された間詰め材42が一方の貫通穴17aを通って一般部22bに流入することで、他方の貫通穴17aから一般部22b内の空気が押し出されるため、一般部22b内に隙間なく間詰め材42が充填される。なお、一般部22bへの間詰め材42の注入は、貫通穴17aに注入用のチューブ等を挿通させた状態で直接行ってもよい。ここで、支圧板17に形成される貫通穴17aの数は限定されるものではない。
以上、本実施形態の跨座式モノレール桁1によれば、長大スパンに適用した鋼製桁について、桁上面の車輪Mwの走行面に、複数のプレキャスト製の床版部材21を連設してなるコンクリート床版20を採用しているため、モノレール走行面を高い仕上げ精度に構築することができる。
また、コンクリート床版20として、高強度の繊維補強コンクリートにより構築することで、薄肉化、軽量化を可能とし、かつ、高い剛性をもって構築することを可能としている。
また、長期的に錆や、ひびわれ、磨り減りなどに対する耐久性が向上するとともに、モノレール走行に必要な摩擦係数を長期的に保持することができるため、維持管理に要する費用を削減することができる。
また、布型枠31を利用することで、縦断勾配や曲線に伴うカント勾配を備えるような場合であっても、桁本体10とコンクリート床版20との間が密実に充填される。
以下、本実施形態に係る床版部材21(コンクリート床版20)の走行表面の磨り減りに対する耐久性(耐磨耗性)について行った2種類の試験結果について記載する。
(1)回転ディスク法
2個の研磨材を回転ディスクに固定して、試験体の表面に当接させた状態で、試験荷重を作用させつつ回転させて、試験体(300×300×50mm)の磨り減り深さを測定する。
本試験では、圧縮強度214N/mmの試験体A(床版部材21)と、圧縮強度69N/mmの試験体B(従来の高強度コンクリート)について、試験時間を120分として測定を行った。
試験の結果、試験体Aの磨り減り深さが1.0mmであったのに対し、試験体Bの磨り減り深さが2.3mmであった。
この結果、圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にあるように構成されている本実施形態に係る床版部材21によれば、従来の高強度コンクリートにより製造された床版の磨り減り抵抗よりも、2.3倍の抵抗性を備えていることが解る。
(2)サンドブラスト法
次に、試験体に667g/minの硅砂を高さ7.62cmから4.2kg/cmの圧力で、異なる9箇所に1分間ずつ噴射して、試験体表面をすり減らせ、その後、磨り減った部分に粘土を充填し、その容積と噴射面積との比から、磨り減り量を算出する試験を実施した。
本試験では、圧縮強度208N/mmの試験体C(床版部材21)と、圧縮強度38N/mmの試験体D(従来の普通コンクリート)について実施した。
結果、試験体Cが0.011cm/cmの磨り減り量であるのに対し、試験体Dは0.074cm/cmとなった。
したがって、圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にあるように構成されている本実施形態に係る床版部材21が、従来の普通コンクリートに比べて、約6.7倍の磨り減り抵抗性を備えていることが解る。
以上の結果、本実施形態に係るコンクリート床版20が、長期的にわたるモノレールの繰り返し走行に対して、走行面の磨り減り抵抗性が高く、摩擦係数の低下が抑制されることが実証された。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、コンクリート床版20を複数の床版部材21,21,…を桁軸方向に連設することにより構成したが、床版部材20は一体に形成されていてもよい。また、コンクリート床版20は、跨座式モノレール桁1の横断方向に対しても分割されていてもよい。
また、網状部材32は必要に応じて固定すればよく、省略することも可能である。網状部材32は、布型枠31の内面の上下に配置されていてもよいし、内面全体を覆うように固定されていてもよい。
1 跨座式モノレール桁
10 桁本体(鋼製桁)
11 定着部材
20 コンクリート床版
21 床版部材
22 貫通孔
30 充填材
31 布型枠
32 網状部材
42 間詰め材
43 隙間材

Claims (6)

  1. 上面に複数の定着部材が固定された鋼製の桁本体と、
    前記桁本体の上面に敷設されたプレキャスト製のコンクリート床版と、
    前記コンクリート床版と前記桁本体との間に充填された充填材と、を備えた跨座式モノレール桁であって、
    前記コンクリート床版は、前記定着部材の位置に対応して形成された貫通孔に前記定着部材を挿通させた状態で敷設されており、
    前記充填材は、前記コンクリート床版と前記桁本体との間に介設された袋状の布型枠内に充填されていることを特徴とする跨座式モノレール桁。
  2. 前記コンクリート床版が、セメントと、ポゾラン系反応粒子と、最大骨材粒径2.5mm以下の骨材の粉体と、高性能減水剤と、水と、を混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1mm〜0.3mm、長さが10mm〜30mmの形状を有する繊維を容積で1%〜4%混入して得られるものの硬化体であって、
    前記硬化体の圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の跨座式モノレール桁。
  3. 前記布型枠の内面に、ガラス繊維、ビニロン繊維またはポリエステル繊維により作られた網状部材が固定されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の跨座式モノレール桁。
  4. 前記コンクリート床版は、桁軸方向に沿って連設された複数の床版部材からなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の跨座式モノレール桁。
  5. 前記貫通孔に、耐久性の高い間詰め材が充填されており、
    前記床版部材同士の隙間に変形性能が優れた隙間材が充填されていることを特徴とする、請求項4に記載の跨座式モノレール桁。
  6. 鋼製桁の上面に複数の定着部材を固定する工程と、
    前記鋼製桁の上面に布型枠を配置する工程と、
    前記布型枠の上面にプレキャスト製のコンクリート床版を配置する工程と、
    前記コンクリート床版の高さ調整を行う工程と、
    前記布型枠内に充填材を注入する工程と、を備える跨座式モノレール桁の構築方法であって、
    前記布型枠および前記コンクリート床版には前記定着部材の配置に対応した貫通孔が形成されており、前記定着部材を前記貫通孔に挿通させた状態で前記布型枠および前記コンクリート床版を配置することを特徴とする、跨座式モノレール桁の構築方法。
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