JP2011016454A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアバッグ装置25は、車両用ドア内に折畳状態のエアバッグ42が設けられ、エアバッグ42がカバー44で覆われ、カバー44がドアライニング22に設けられている。カバー44は、エアバッグ42の膨張時に破断する前後の破断脆弱部71,72で区画され、エアバッグ42を上方に向けて展開可能な展開開口手段66と、展開開口手段66の前後に隣接して設けられ、衝撃荷重Fによる変形を許容する前後の変形許容部67,68とを備えている。
【選択図】図3
Description
このため、カバーと開口部との間から浸入した水滴(例えば、雨滴)がインフレータ側に滴下することが考えられる。
しかし、カバーを大きく形成した場合、ドアが衝撃荷重で変形する際にカバーも変形することが考えられる。
カバーが変形することで、カバーをエアバッグで円滑に押し上げ難くなり、エアバッグを開口部から上方に展開させることが難しくなる虞がある。
よって、車両用ドアに衝撃荷重が作用した場合に、変形許容部を変形させることで展開開口手段の外側の部位を変形させて、展開開口手段が変形することを防ぐことができる。
これにより、エアバッグを展開開口手段から上方に向けて良好に展開することができる。
すなわち、カバーを大きく形成した場合、カバーに備えた展開開口手段が衝撃荷重で変形しやすくなることが考えられる。しかし、カバーに変形許容部を備えて変形許容部を変形させることで、展開開口手段が衝撃荷重で変形することを防ぐことができる。
これにより、カバーでエアバッグやインフレータ側に雨滴などの水滴が滴下することを確実に防ぐことができる。
これにより、変形許容部を小さく抑えることができるので、車両用ドアに対する意匠上への影響を小さく抑えることができる。
このように、応力集中部を変形の起点とすることで、変形許容部の変形方向や変形開始時などを制御することが可能になる。
これにより、変形許容部を一層良好に変形させて、展開開口手段が変形することを確実に防ぐことができる。
なお、実施例1〜3においてはエアバッグ装置25を取り付ける(配設する)車両用ドアとしてサイドドア10を例示するが、エアバッグ装置25を取り付けるドアはサイドドア10に限定するものではない。
図1に示すように、サイドドア10は、サイドドア10の外装面がアウタパネル11で形成され、アウタパネル11の車室12側に窓ガラス13が昇降自在に設けられ、窓ガラス13の車室12側にエアバッグ装置の配設構造15を備えている。
このサイドドア10は、車両のルーフが開閉可能または着脱可能なコンバーチブルタイプの車両に用いられている。
外側シール部材17の外側リップシール18を窓ガラス13の外面13aに接触させることで、窓ガラス13の外面13aおよびアウタパネル11間が密封(シール)されている。
ドアライニング22は、上部に開口部35が形成されている。この開口部35は、インナパネル21の凹部31(すなわち、エアバッグ装置25)に相当する部位に形成されている。
このエアバッグ装置25は、インナパネル21の凹部31に設けられたリテーナ41と、リテーナ41に折畳状態で保持されたエアバッグ42と、エアバッグ42にガスを供給するインフレータ43と、インフレータ43およびエアバッグ42を覆うカバー44とを備えている。
よって、インナパネル21の凹部31(すなわち、インナパネル21の車室12側の側面21a)にリテーナ41が収容された状態に取り付けられている。
開口部56は、収納空間55を上方に向けて開口し、上方がカバー44で覆われている。
リテーナ41の収納空間55にエアバッグ42が折り畳まれた状態で収納されている。
ガス導入パイプ57は、インフレータ43に連通されている。
このインフレータ43は、高圧ガスを発生することで、発生した押圧ガスをガス導入パイプ57を経てエアバッグ42に充填するガス充填手段である。
エアバッグ42に高圧ガスが充填されることでエアバッグ42が開口部56から上方に向けて展開される。
カバー44は、ライニング心材63および表皮材64で2層に形成され、エアバッグ42およびインフレータ43の略上方に設けられ、エアバッグ42を上方に向けて展開可能な展開リッド74を備えている。
ライニング心材63の表面は表皮材64で覆われている。
カバー44をドアライニング22に設けることで、ドアライニング22の開口部35がカバー44で塞がれるとともに、カバー44が車体前後方向に向けて延出されている。
このカバー44は、車幅方向の車外側端部から下方へ向けて下向き張出部45が張り出されている。
よって、雨滴などの水滴(雨滴など)がエアバッグ42やインフレータ43側に滴下することをカバー44で確実に防ぐことができる。
後破断脆弱部72は、前破断脆弱部71と同様に、カバー44の裏面(すなわち、ライニング心材63)に略V字状に形成された切欠である。
図2に示すように、折曲脆弱部73は、カバー44の裏面(すなわち、ライニング心材63)に略V字状に形成された切欠である。
展開リッド74が上方に押し上げられることで、エアバッグ42を開口部56から窓ガラス13に沿って上方に展開させることができる。
この前変形許容部67は、サイドドア10(図1参照)に衝撃荷重が作用した場合に、作用した衝撃荷重で変形を許容するように形成された部位である。
この後変形許容部68は、サイドドア10(図1参照)に衝撃荷重が作用した場合に、作用した衝撃荷重で変形を許容するように形成された部位である。
同様に、後変形許容部68を衝撃荷重で変形させることで、展開開口手段66の後側(外側)の部位92を変形させることができる。
これにより、展開開口手段66が衝撃荷重で変形することを防ぐことができるので、展開開口手段66の展開リッド74を良好に開く(開口する)ことができる。
これにより、前後の変形許容部67,68を小さく抑えることができるので、サイドドア10(図1参照)に対する意匠上への影響を小さく抑えることができる。
そして、内側挟持片82の車室12側の面のうち、残りの面がリテーナ41の外壁46に接触されている。
この状態で、ショルダ部83がカバー44の下向き張出部45の下方に設けられている。
さらに、窓ガラス13の内面13bに内側リップシール84が接触して、窓ガラス13の内面13bおよびインナパネル21間が密封(シール)されている。
このショルダ部83に向けて下向き張出部45が張り出されている。
外突出部86は、ショルダ部83の車幅方向外端部から上方へ向けて突出されている。さらに、この外突出部86は、下向き張出部45の外面に接触した状態で、下向き張出部45に対して車幅方向外側に配置されている。
規制凹部88は、上向きに開口するとともに車体前後方向に延びる空間を備えた溝部である。
この規制凹部88の空間に下向き張出部45の下端部が配置されている。
さらに、下向き張出部45は、内突出部85に対して車幅方向外側で、かつ外突出部86に対して車幅方向内側の部位(すなわち、内外の突出部85,86間の部位)に配置され、ショルダ部83に向けて下方に張り出されている。
規制凹部88に滴下した水滴を排水口87に導き、排水口87からインナパネル21およびリテーナ41間の空間79を経て車外に排水することができる。
あるいは、規制凹部88に滴下した水滴を規制凹部88に沿って車体前後方向に導き、サイドドア10の前後端側から車外に排水することができる。
これにより、エアバッグ42やインフレータ43側に水滴が滴下することを防ぐことができる。
図6(a)に示すように、サイドドア10の右側方から衝撃荷重Fが作用する。
衝撃荷重Fで前変形許容部67が変形して展開開口手段66の前側の部位91が変形する。同時に、衝撃荷重Fで後変形許容部68が変形して展開開口手段66の後側の部位92が変形する。
この状態で、インフレータ43で発生した押圧ガスをガス導入パイプ57を経てエアバッグ42に充填する。
展開するエアバッグ42が展開リッド74に当接して、展開リッド74にエアバッグ42の押上力が作用する。展開リッド74に押上力が作用することで、展開開口手段66の前後の破断脆弱部71,72(図4、図5参照)が破断する。
よって、展開開口手段66の展開リッド74を良好に開く(開口する)ことができる。
これにより、エアバッグ42をリテーナ41の開口部56を経て展開開口手段66から上方に向けて良好に展開することができる。
カバー94は、実施例1のカバー44に備えた前変形許容部67に代えて前変形許容部(変形許容部)97を備えたもので、その他の構成は実施例1のカバー44と同様である。
前変形許容部97は、展開開口手段66の前端部66a前方に隣接して設けられた取付穴部(穴部)である。
前変形許容部97として利用する取付穴部は、スピーカ(車両装備品)98を取り付け可能な開口部である。
前変形許容部97を衝撃荷重で変形させることで、展開開口手段66の前側(外側)の部位99を変形させることができる。
これにより、展開開口手段66が衝撃荷重で変形することを防ぐことが可能になり、展開開口手段66の展開リッド74を良好に開く(開口する)ことができる。
カバー104は、実施例1のカバー44に備えた前変形許容部67に代えて前変形許容部(変形許容部)107を備えたもので、その他の構成は実施例1のカバー44と同様である。
応力集中部108は、一例として、略V字状のスリット状に形成され、衝撃荷重による変形の際に変形の起点となる部位である。
よって、前変形許容部107を一層良好に変形させて、展開開口手段66の前側(外側)の部位109を良好に変形させることができる。
これにより、展開開口手段66が衝撃荷重で変形することを一層確実に防ぐことが可能になり、展開開口手段66の展開リッド74を良好に開く(開口する)ことができる。
例えば、前記実施例1〜3では、コンバーチブルタイプの車両に用いたサイドドア10に本発明を適用する例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、クーペタイプの車両に用いたサイドドアに本発明を適用することも可能であり、リヤドアなどの他のドアに本発明を適用することも可能である。
Claims (4)
- 車両用ドア内に折畳状態のエアバッグが設けられ、前記エアバッグがカバーで覆われ、前記カバーがドアライニングに設けられたエアバッグ装置であって、
前記カバーは、
前記エアバッグの膨張時に破断する脆弱部で区画され、前記エアバッグを上方に向けて展開可能な展開開口手段と、
前記展開開口手段の両側の少なくとも一方に隣接して設けられ、衝撃荷重による変形を許容する変形許容部と、
を備えたことを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記変形許容部は、
前記カバーの一部を切欠形成した切欠部であることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。 - 前記変形許容部は、
前記カバーに形成され、車両装備品を取り付け可能な穴部であることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。 - 前記変形許容部は、
前記衝撃荷重による変形の際に変形の起点となる応力集中部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のエアバッグ装置。
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