JP2011014587A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子を覆い、半導体レーザ素子からの光を出射する貫通孔を有するキャップと、半導体レーザ素子からの光を吸収して異なる波長の光を発光する波長変換部材と、を有する発光装置であって、貫通孔の内壁面に、波長変換部材が配置される水平面を有し、水平面よりも下側の内壁面が、下側から上側に向かって貫通孔が広口となるように傾斜あるいは湾曲している。
【選択図】 図2
Description
例えば、特許文献1には、半導体レーザ素子と蛍光物質を有し、蛍光物質が半導体レーザ素子からの光を受光し、半導体レーザ素子からの光より長波長の光を発光することができるように構成された発光装置が開示されている。半導体レーザ素子は、金属製のステムに固定され、キャップで覆われている。キャップの上面の取り出し窓の上に蛍光物質層が形成されている。この構成により、半導体レーザ素子からの出射光は、キャップの取り出し窓を通過後、蛍光体により波長変換され、これらの混色光を外部へ出射することができる。
特許文献2には、複数の半導体レーザ素子をヒートシンクに搭載し、各半導体レーザ素子の前方に拡散レンズを配設し、アルゴンガス等を封入した真空ガラス管の内壁面に蛍光体を塗布したものが開示されている。半導体レーザ素子から出力されるレーザビーム光は拡散レンズで拡散され、この拡散光により蛍光体の蛍光物質が励起され、白色光等の可視光が得られる。
特許文献2の発光装置においては、蛍光体の分布領域がガラス管の全面に及ぶため、装置より得られる光の輝度が小さい問題がある。
また、蛍光体を介して、半導体レーザ素子からの光を外部に放出する場合、蛍光体が光に起因する熱により劣化してしまい、光源からの光を十分に外部に放出できなくなったり、場合によっては蛍光体が変色してしまい発光装置として使用できなくなったりする等の問題がある。
本願発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、光広がり角を調整可能にし、半導体レーザ素子からの出射光を効率良く発光装置から取り出すことができるとともに、波長変換部材の放熱性に優れた発光装置を提供することを目的とする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る発光装置を示す概略斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る発光装置を示す概略断面図である。図3は、第1の実施形態に係る発光装置の一部を拡大した概略断面図である。
ここで、台座底部121及び台座柱部122とは、便宜上、場所に応じて個々に命名したものであって異部材とは限らない。両者は同一部材とすることも可能であり、これにより製品の部品点数を削減することができる。本明細書では、台座底部121と台座柱部122とから構成される部材を台座と称す。
さらに、半導体レーザ素子110は、光出射面を上面(図2における上側)に備えており、光出射面がキャップ上部131と対向するよう離間して載置される。
また、半導体レーザ素子110の出射光軸は、キャップ上部131に形成された貫通孔140の中心軸とほぼ重なる。つまり、半導体レーザ素子110から出射される光が、貫通孔140内に設けられた波長変換部材150を介して外部に放出される。
以下に個々の部材について説明する。
キャップは、半導体発光素子を被覆するためのものであり、特に、台座に半導体発光素子が配置されたものにおいて、半導体発光素子を気密封止するためのものである。また、キャップは、波長変換部材を保持している。
反射部材は、発光素子から出射された光又は波長変換部材から放出された光を反射させる効果を持つ。反射部材を設けることで、光取り出し効率の高い発光装置が作成可能となる。反射部材は、台座全面、キャップ全面に設けることができる。特に、波長変換部材が配置される部位、つまり、キャップの貫通孔の内壁の一部又は全面に配置されていることが好ましい。反射部材は、例えば、Ag、Au、Al、Ni、In、Pd、Ti、Rh、Pt等の金属及びこれらの合金、AlN、SiO2、TiO2、Ta2O5、SiO、SiN、ZnO、Al2O3、Ti3O5、Ti2O3、TiO、Nb2O5、CeO5、ZnS、MgF2等の多層膜などを少なくとも1以上含むものが好ましい。
キャップの貫通孔は、半導体レーザ素子からの光を出射させる穴である。貫通孔は、キャップの上部又は側部等のいずれの部位に形成されていてもよい。貫通孔の数については、本実施形態では1つの貫通孔を形成したものを例示しているが、これに限らず、2以上の複数個設けてもよい。
本実施形態に係る発光装置では、半導体レーザ素子の光出射方向側からみて、キャップ上部のほぼ中央に貫通孔が形成されていることが好ましい。また、貫通孔の開口幅における中心軸は、半導体レーザ素子からの光出射軸とほぼ同一であることが好ましい。これにより、波長変換率の向上及び光損失の低減を図ることができる。
図2において、波長変換部材の下面のうち、貫通孔の水平面と接触する部分の面積S1の割合が、20%以上であることが好ましく、さらに70%以上であることがより好ましい。これにより、波長変換部材で発生する熱をキャップに伝達させやすくなり、放熱性を高めることができる。
貫通孔内において、水平面よりも下側を第1領域141とし、水平面よりも上側を第2領域142とする。貫通孔の第1領域141及び第2領域142は、開口幅における中心軸が略同一となることが好ましい。これにより、光を効率よく導光させることができる。
貫通孔の第1領域は、貫通孔内において、水平面よりも下側の領域である。貫通孔の第1領域は、下側から上側に向かって貫通孔が広口となるように傾斜あるいは湾曲した内壁面を有している。
第1領域の入光側の開口の大きさは、半導体レーザ素子の出射光の広がり角、発光素子とキャップとの距離等によって適宜調整することができる。特に、少なくとも第1領域の入光側においては、半導体発光素子の出射光の外形及び大きさに合わせたものが好ましい。つまり、半導体発光素子からの出射光がほぼ全て貫通孔に進入できるものであればよい。ここで、ほぼ全てとは、全体の出射光の80%以上を意味する。
貫通孔の第2領域は、貫通孔内において、水平面よりも上側の領域である。本実施形態においては、貫通孔の第2領域は、下側から上側に向かって貫通孔が広口となるように傾斜あるいは湾曲した内壁面を有していることが好ましい。
波長変換部材は、半導体レーザ素子から出射された光が照射されることで、その出射された光を異なる波長の光に変換させる機能を有する。
波長変換部材は、入射された光の少なくとも一部を波長変換可能な蛍光体を有するものである。具体的には、例えば、蛍光体の単結晶、多結晶もしくは蛍光体粉末の焼結体等の蛍光体インゴットから切り出したものや、樹脂、ガラス、無機物等に蛍光体粉末を混合して焼結したものが挙げられる。半導体レーザ素子からの光が波長変換部材を通過する際に、波長変換物質としての蛍光体を励起することで、半導体レーザ素子の発光波長とは異なった波長を持つ光が得られ、この結果、波長変換されない光との混色により、所望の色相を有する出射光とすることができる。
以下に、本実施形態に係る波長変換部材の応用例について説明する。
波長変換部材は、無機物粉末と蛍光体粉末を混合して焼結させ、焼結体としたものを用いることができる。波長変換部材は、外部に露出する表層近傍は凹凸状に形成されていることが好ましい。この凹凸を構成する凹部は、深さや内面の形状が一様ではなく、すなわち不規則とする。また表層における凹凸形成領域では、無機物粒子の粒子間に空隙を生じるように積層されており、つまり多孔質状に加工された表層を構成する。そして表層の最表面では、この空隙の少なくとも一部が外部に連通しており、すなわち開口した凹みを形成して波長変換部材の凹部を構成している。
半導体レーザ素子としては、種々のものが利用できる。半導体レーザ光は指向性が高いため、光を一方向へ導波しやすい。したがって、半導体レーザ素子から出射した光は、発光装置から効率よく外部へ取り出すことが可能となる。半導体レーザは、300nm〜500nmに発光ピーク波長を持つものを使用できるが、400nm〜470nmに発光ピーク波長を持つものが好ましい。本発明においては、半導体レーザ素子は、1つのみ配置されてもよいし、2以上配置されてもよい。複数の半導体レーザ素子が配置される場合は、それらの波長は、同じ波長帯でもよいし、異なっていても良い。特にRGBに対応する半導体レーザ素子を同じ放熱部材上に配置したものでもよい。
台座は、半導体レーザ素子を載置させる部材である。形状は特に限定されるものではないが、正方形、長方形、円盤、半円、多角形等が挙げられる。また、部材としては、Cu、Fe、Co、Ni、Au、Ag、Al、真鍮、コバール、CuW、ステンレス等のメタル、もしくは、Al2O3、SiC、AlN、ダイヤモンド等のセラミックが挙げられる。
また、台座は複数の部材、部位から構成されても構わない。部材、部位間はAu−Sn等の蝋付け、抵抗溶接、半田付け等で接合される。
また、台座内にリード等を設けるため、絶縁材を用いても構わない。絶縁材としては、ZrO2、Al2O3、AlN、SiC等のセラミックや、シリコーン、エポキシ、ポリエーテルエーテルケトン(peek)等の樹脂、または、低融点ガラス等を用いることができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る発光装置を示す概略断面図である。
第2の実施形態に係る発光装置は、前述した第1の実施形態の発光装置と比べて、キャップの貫通孔の構成が異なる。なお、第1の実施形態と重複するところもあり、一部説明を省略することもある。
本実施形態の発光装置は、水平面よりも上側において、波長変換部材よりも上に位置する内壁面を、下側から上側に向かって貫通孔が広口となるように傾斜あるいは湾曲させてもよい。これにより、この内壁面に照射された光を外部方向へ効率よく反射させることができる。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る発光装置を示す概略断面図である。
第3の実施形態に係る発光装置は、前述した第1の実施形態の発光装置と比べて、キャップの貫通孔の構成が異なる。なお、第1の実施形態と重複するところもあり、一部説明を省略することもある。
光反射性部材360は、発光素子310からの光を反射可能な部材からなる。貫通孔340内において、光反射性部材360は、波長変換部材350の側面を包囲するように設けられていることが好ましい。言い換えると、光反射性部材360は、水平面の上において、貫通孔350の内壁面と波長変換部材350との間に充填されていることが好ましい。これにより、波長変換部材350と光反射性部材360との界面で、波長変換部材からの光を波長変換部材350内に反射させる。このように、波長変換部材350内を光が伝播し、最終的に波長変換部材の上面から、外部へと出射される。
図6は、本発明の第3の実施形態の変形例に係る発光装置を示す概略断面図である。
光反射性部材360は、波長変換部材350の上面の一部を覆うように形成されていてもよい。この変形例において、光反射性部材360は、波長変換部材350の上面の周縁部を被覆する被覆部362を備えている。光反射性部材360の被覆部362は、波長変換部材350を係止可能であって、略中央に開口部364を有する。これにより、波長変換部材350の脱落を防止することができる。また、被覆部362の開口部364は、発光装置の外側に向かって拡開するように傾斜あるいは湾曲していてもよい。これにより、光取り出し効率の向上を図ることができる。
限定されないことは言うまでもない。
実施例1に係る発光装置は、半導体レーザ素子110と、半導体レーザ素子110を載置する台座120と、半導体レーザ素子110を覆い、半導体レーザ素子110からの光を出射する貫通孔140を有するキャップ130と、半導体レーザ素子110からの光を吸収して異なる波長の光を発光する波長変換部材150と、を備えて構成される。
この貫通孔140は、その内壁面に波長変換部材が配置される水平面145を有している。また、この水平面145よりも下側(第1領域141)の内壁面141aが、下側から上側に向かって貫通孔が広口となるように傾斜あるいは湾曲している。また、水平面145よりも上側(第2領域142)の内壁面142aにおいても、下側から上側に向かって貫通孔が広口となるように傾斜あるいは湾曲している。
貫通孔の第1領域141の直径は、入光側で350μm、出光側で1000μmであり、第1領域の内壁面の傾斜角は、30°である。貫通孔の第2領域142の直径は、入光側で3000μm、出光側で3150μmであり、第2領域の内壁面の傾斜角は、60°である。半導体レーザ素子の光出射面からキャップ130までの距離は、ほぼ150μmである。キャップ上部131の厚みは、820μm程度である。また、キャップ130の貫通孔140の内壁面から、キャップ130の外側の表面の一部に、Agからなる反射部材を設けている。反射部材の上には、SiO2からなる保護膜を形成している。
120、220、320 台座
121、221、321 台座底部
122、222、322 台座柱部
123、223、323 リード
130、230、330 キャップ
131、231、331 キャップ上部
132、232、332 キャップ側部
140、240、340 貫通孔
141 第1領域
142 第2領域
145、245、345 水平面
150、250、350 波長変換部材
360 光反射性部材
362 被覆部
364 開口部
Claims (6)
- 半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子を覆い、該半導体レーザ素子からの光を出射する貫通孔を有するキャップと、前記半導体レーザ素子からの光を吸収して異なる波長の光を発光する波長変換部材と、を有する発光装置であって、
前記貫通孔の内壁面に、前記波長変換部材が配置される水平面を有し、
前記水平面よりも下側の前記内壁面が、下側から上側に向かって前記貫通孔が広口となるように傾斜あるいは湾曲していることを特徴とする発光装置。 - 前記波長変換部材の下面の面積のうち、前記水平面に接触する面積の比率が20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
- 前記水平面よりも上側の前記内壁面が、下側から上側に向かって広口となるように傾斜あるいは湾曲していることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
- 前記水平面の上において、少なくとも前記内壁面と前記波長変換部材との間に、半導体レーザ素子からの光を反射させる光反射性部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記貫通孔は、前記水平面よりも上側において、少なくとも前記波長変換部材と対向する領域の内壁面が前記水平面に対して略垂直であり、
前記水平面よりも上側の貫通孔に、前記波長変換部材が嵌合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。 - 前記キャップの上面は、前記波長変換部材よりも上に位置していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
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