JP2011012206A - 樹脂組成物、そのペレット混合物及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ガラス繊維等の無機繊維を含有しても高い難燃性レベルを維持しながら耐衝撃性の低下を抑制し、更に剛性にも優れた成形体を形成可能なペレット混合物並びに成形体及び携帯電話筐体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、(A)ポリフェニレンエーテルと(B)ポリアミドと(C)ハロゲンを含まない難燃剤と(D)無機フィラーとを含む第1のペレットと、(B)ポリアミドと(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維とを含む第2のペレットとを含有するペレット混合物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペレットの混合物並びに成形体及び携帯電話筐体に関する。
従来、結晶性ポリアミドは、機械的強度及び耐薬品性などに優れており、溶融成形もしやすいことから、衣料用、産業資材用繊維、又は汎用のエンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。ところが、結晶性ポリアミドは、結晶性樹脂ゆえに、その成形品に反りやバリなどが生じやすく外観性に劣り、また、吸水に起因して寸法安定性に劣るなどの問題点も指摘されている。
一方、非晶性樹脂であるポリフェニレンエーテルは、低比重かつ低吸水性であり、寸法安定性、難燃性、耐衝撃性及び電気特性に優れているが、成型加工性及び耐薬品性に劣る。
これらそれぞれの欠点を改良するため、ポリフェニレンエーテルにポリアミドを配合するアロイ(ポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイ)技術が特許文献1で提案されている。さらにそれ以降、そのアロイに様々な改良が加えられ、現在では電気電子部品や自動車部品など様々な用途に用いられる材料となっている。これらの部品には、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に開示されているように、ガラス繊維などの各種繊維状フィラーを添加して更に剛性、耐衝撃性を改良した繊維強化樹脂材料が多く使用されている。
また、近年、電気電子業界において使用する全部品に対してハロゲンを含まない材料を要求する傾向にあり、ハロゲンを含まない難燃性に優れたポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイが提案されている(例えば特許文献5参照)。
特公昭45−997号公報 特開昭63−101452号公報 特開平7−207153公報 特開平9−124923公報 特開2008−38149号公報
ところで、最近の傾向として、携帯電話等のモバイル機器や自動車の小型軽量化に伴い、その薄肉化が急速に進んでいる。そのため、今まで以上に耐衝撃性及び剛性に優れた材料が求められており、さらに、高い難燃レベルも必須条件となってきている。しかしながら、従来のガラス繊維等の無機繊維を含有したポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイにおいて、剛性及び耐衝撃性と難燃性とは相反関係にあり、剛性、耐衝撃性及び難燃性の全ての要求物性を満足するポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイは得られていない。
本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、ガラス繊維等の無機繊維を含有しても高い難燃性レベルを維持しながら耐衝撃性の低下を抑制し、更に剛性にも優れた成形体を形成可能なペレット混合物並びに成形体及び携帯電話筐体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討した。その結果、ポリフェニレンエーテルとポリアミドとハロゲンを含まない難燃剤と無機フィラーとを含む樹脂ペレット、並びに、ガラス繊維等の無機繊維とポリアミドとを含む樹脂ペレットをそれぞれ作製し、その後、それらをペレット混合物とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1](A)ポリフェニレンエーテルと(B)ポリアミドと(C)ハロゲンを含まない難燃剤と(D)無機フィラーとを含む第1のペレットと、(B)ポリアミドと(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維とを含む第2のペレットと、を含有するペレット混合物。
[2]前記第1のペレットと前記第2のペレットとの合計量に対して、前記第1のペレットを40〜90質量%、前記第2のペレットを10〜60質量%含む、[1]のペレット混合物。
[3]前記第1のペレットと前記第2のペレットとの合計量に対して、前記(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を5〜60質量%含む、[1]又は[2]のペレット混合物。
[4]前記第1のペレットは、前記(A)ポリフェニレンエーテルと前記第1のペレットに含まれる前記(B)ポリアミドとの合計量に対して、前記(A)ポリフェニレンエーテルを40〜70質量%、前記(B)ポリアミドを30〜60質量%含む、[1]〜[3]のいずれか1つのペレット混合物。
[5]前記第1のペレットは、前記第1のペレットに含まれる前記(B)ポリアミド100質量部に対して、前記(C)ハロゲンを含まない難燃剤を20〜90質量%含む、[1]〜[4]のいずれか1つのペレット混合物。
[6]前記第1のペレットは、前記第1のペレットに含まれる樹脂成分の合計100質量部に対して、(D)無機フィラーを2〜50質量部含む、[1]〜[5]のいずれか1つのペレット混合物。
[7]前記第2のペレットは、前記(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を10〜90質量%含む、[1]〜[6]のいずれか1つのペレット混合物。
[8]前記第1のペレット及び/又は前記第2のペレットは、(F)衝撃改良材を更に含む、[1]〜[7]のいずれか1つのペレット混合物。
[9]前記(F)衝撃改良材を、前記(A)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0質量部を超え150質量部含む、[8]のペレット混合物。
[10]前記(F)衝撃改良材は、芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも1個のブロックと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個のブロックとを有するブロック共重合体、及び/又は、前記ブロック共重合体の水素添加物である、[8]又は[9]のペレット混合物。
[11]前記(B)ポリアミドは、主鎖の繰り返し構造単位中に芳香環を有するポリアミドである、[1]〜[10]のいずれか1つのペレット混合物。
[12]前記(C)ハロゲンを含まない難燃剤の数平均粒子径は、0.1〜100μmである、[1]〜[11]のいずれか1つのペレット混合物。
[13]前記(C)ハロゲンを含まない難燃剤の数平均粒子径は、5〜60μmである、[1]〜[11]のいずれか1つのペレット混合物。
[14]前記(C)ハロゲンを含まない難燃剤は、ホスフィン酸塩である、[1]〜[13]のいずれか1つのペレット混合物。
[15]前記(D)無機フィラーのモース硬度は、前記(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維のモース硬度以下である、[1]〜[14]のいずれか1つのペレット混合物。
[16]前記(D)無機フィラーは酸化亜鉛及び/又は硫化亜鉛である、[1]〜[15]のいずれか1つのペレット混合物。
[17]前記(D)無機フィラーの数平均粒子径は、0.1〜0.8μmである、[1]〜[16]のいずれか1項に記載のペレット混合物。
[18]前記(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維は、ガラス繊維である、[1]〜[17]のいずれか1項に記載のペレット混合物。
[19]前記第2のペレットのカット長さは2〜15mmである、[1]〜[18]のいずれか1項に記載のペレット混合物。
[20]前記第2のペレットのカット長さは5〜15mmである、[1]〜[18]のいずれか1項に記載のペレット混合物。
[21][1]〜[20]のいずれか1つのペレット混合物の成形体。
[22]重量平均繊維長が500〜5000μmである(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を含む、[21]の成形体。
[23]重量平均繊維長が2500〜4000μmである(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を含む、[21]の成形体。
[24][1]〜[20]のいずれか1つのペレット混合物を射出成形して得られる成形体。
[25][1]〜[20]のいずれか1つのペレット混合物を射出成形して得られる携帯電話筐体。
本発明によると、ガラス繊維等の無機繊維を含有しても高い難燃性レベルを維持しながら耐衝撃性の低下を抑制し、更に剛性にも優れた成形体を形成可能なペレット混合物並びに成形体及び携帯電話筐体を提供することができる。
実施例及び比較例に係るシャルピー衝撃強度と平均難燃時間との関係をプロットした図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。ただし、本発明は下記本実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本実施形態のペレット混合物は、(A)ポリフェニレンエーテルと(B)ポリアミドと(C)ハロゲンを含まない難燃剤と(D)無機フィラーとを含む樹脂組成物である第1のペレットと、(B)ポリアミドと(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維とを含む樹脂組成物である第2のペレットとを含有してなるペレット混合物であって、上記第1のペレットと第2のペレットとを混合することにより得られる。ここで、混合とは、一般的に公知の乾式混合法であってもよく、溶融混合であってもよい。
本実施形態では、上記第1及び第2のペレットを別々に溶融混練等により作製し、それらをペレット混合物として用いて成形体を得ることによって、本発明の目的を達成するという特徴を有する。そのため、第1及び第2のペレットに含まれる各材料を一つの押出機中で溶融混練しても、本発明の目的を達成することはできない。
本実施形態に係る第1のペレットは、(A)ポリフェニレンエーテルと第1のペレットに含まれる(B)ポリアミドとの合計量に対して、(A)ポリフェニレンエーテルを40〜70質量%、(B)ポリアミドを30〜60質量%含む。第1のペレットは、上記合計量に対して、より好ましくは、(A)ポリフェニレンエーテルを40〜60質量%、(B)ポリアミドを40〜60質量%含み、更に好ましくは、(A)ポリフェニレンエーテルを50〜60質量%、(B)ポリアミドを40〜50質量%含む。
本実施形態に係る第1のペレットは、第1のペレットに含まれる(B)ポリアミド100質量部に対して、(C)ハロゲンを含まない難燃剤を20〜90質量部含むと好ましく、より好ましくは、30〜85質量部、更に好ましくは、45〜80質量部、特に好ましくは55〜70質量部含む。第1のペレットは、より十分な難燃性を成形体に発現させるために(C)ハロゲンを含まない難燃剤を20質量部以上含むと好ましく、十分な機械物性を発現させるために(C)ハロゲンを含まない難燃剤を90質量部以下含むと好ましい。
本実施形態に係る第1のペレットは、第1のペレットに含まれる樹脂成分の合計量100質量部に対して、(D)無機フィラーを好ましくは2〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部、更に好ましくは8〜25質量部含む。第1のペレットは、より十分な難燃性、耐衝撃性を成形体に発現させるために、(D)無機フィラーを2質量部以上含むと好ましく、押出時の溶融粘度の上昇を抑制するために(D)無機フィラーを50質量部以下含むと好ましい。
本実施形態に係る第2のペレット中に含まれる(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維の含有量は、第2のペレットの全量に対して10〜90質量%であることが好ましい。良好な機械強度を発現させるために、その含有量のより好ましい下限としては20質量%であり、更に好ましくは35質量%、特に好ましくは45質量%である。また、生産性の観点から、より好ましい上限としては80質量%であり、更に好ましくは70質量%、特に好ましくは65質量%である。
また、第1及び/又は第2のペレットは、成形体の耐衝撃性を更に向上させる目的で、(F)衝撃改良材を含んでもよい。第1のペレット及び/又は第2のペレットに含まれる(F)衝撃改良材の好ましい含有量は、(A)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0質量部を超え150質量部以下であり、より好ましくは0質量部を超え100質量部以下であり、更に好ましくは0質量部を超え80質量部以下である。
本実施形態のペレット混合物は、第1のペレットと第2のペレットとの合計量に対して、第1のペレットを40〜90質量%、第2のペレットを10〜60質量%含むと好ましく、より好ましくは第1のペレットを60〜80質量%含み、第2のペレットを20〜40質量%含む。これにより、本発明による目的効果をより有効かつ確実に奏することができる。
本実施形態のペレット混合物に含まれる(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維の含有量は、第1及び第2のペレットの合計量に対して、5〜50質量%であると好ましく、より好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは10〜20質量%である。(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維の混合ペレット中の含有量が5質量%以上であることにより、成形体の機械強度及び耐衝撃性を高いレベルに保持することができ、また、50質量%以下であることにより、成形性及び成形体の外観が良好となる。
これより、本実施形態に係る第1のペレット及び第2のペレットに含まれる上記(A)〜(F)成分について詳細に説明する。
本実施形態に係る第1のペレットに含まれる(A)ポリフェニレンエーテルとしては、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有する、単独重合体及び/又は共重合体であると好ましい。
Figure 2011012206
ここで、式中、各Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、第1級若しくは第2級の炭素数1〜7のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜7のハロアルキル基、炭素数1〜7のアミノアルキル基、炭素数1〜7のヒドロカルビロキシ基、又は炭素数1〜7のハロヒドロカルビロキシ基(ただし、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てている)を示す。
本実施形態に係るポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、単独重合体として、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)が挙げられる。また、共重合体として、例えば、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール化合物との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されている2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)が挙げられる。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチル−1,4−フェノールと2,3,6−トリメチル−1,4−フェノールとの共重合体、又はこれらの混合物である。
ポリフェニレンエーテルとして、2,6−ジメチル−1,4−フェノールと2,3,6−トリメチル−1,4−フェノールとの共重合体を使用する場合、当該共重合体は、その全量を100質量%としたとき、10〜30質量%の2,3,6−トリメチル−1,4−フェノールを単量体ユニットとして含むと好ましく、より好ましくは、15〜25質量%であり、最も好ましくは20〜25質量%である。
また、2,6−ジメチル−1,4−フェノールと2,3,6−トリメチル−1,4−フェノールとの共重合体における好ましい分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)、分散度ともいう。)は、2.5〜4.0の範囲である。その分子量分布は、より好ましくは2.8〜3.8の範囲であり、更に好ましくは3.0〜3.5の範囲である。
本実施形態で用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は特に限定されず、公知の方法で得られるものであってもよい。そのポリフェニレンエーテルは、例えば、米国特許第3306874号明細書、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特開昭50−51197号公報、特公昭52−17880号公報及び同63−152628号公報等に記載された製造方法によっても得られる。
本実施形態に係るポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/C:0.5g/dLクロロホルム溶液、30℃、ウベローデ型粘度管で測定)は、0.15〜0.70dL/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.60dL/gの範囲、更に好ましくは0.27〜0.55dL/gの範囲である。
本実施形態において、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても用いることができる。そのようにポリフェニレンエーテルをブレンドした混合物としては、例えば、還元粘度0.45dL/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dL/g以上のポリフェニレンエーテルとの混合物、還元粘度0.40dL/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dL/g以上のポリフェニレンエーテルとの混合物が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
本実施形態に係るポリフェニレンエーテルは、第1のペレットを作製する際に下記ポリアミドと相溶するために相溶化剤により官能化されたものであると好ましい。相溶化剤としては、国際公開第01/81473号中に詳細に記載されているものを用いることができる。これらの相溶化剤の中でも、マレイン酸、フマル酸、クエン酸及びこれらの無水物並びにそれらの混合物が好ましく、より好ましくは、マレイン酸及び/又はその無水物である。
また、本実施形態に係る相溶化剤の使用量は、(A)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して、0.01〜8質量部の範囲が好ましい。その使用量は、より好ましくは0.05〜5質量部であり、更に好ましくは0.05〜3質量部である。樹脂組成物(成形体)としての耐衝撃性を低下させないために、相溶化剤の使用量は0.01質量部以上であることが好ましく、射出成形時のシルバーストリークスの発生や機械物性の低下を抑制するために、その使用量は8質量部以下であることが好ましい。
また、ポリフェニレンエーテルの安定化のために公知の各種安定剤も好適に使用することができる。安定剤の例としては、ヒンダードフェノール系安定剤、リン酸エステル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等の有機安定剤が挙げられる。これら安定剤の好ましい配合量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して5質量部未満である。
さらに、ポリフェニレンエーテルに添加することが可能な他の公知の添加剤も、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して10質量部未満の量で添加してもよい。
本実施形態に係る第1のペレット及び第2のペレットに含まれる(B)ポリアミドとしては、ポリマー主鎖の繰り返し構造中にアミド結合(−NH−C(=O)−)を有するものであれば、特に限定されるものではない。
(B)ポリアミドの具体的な例としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミドMXD(m−キシリレンジアミン)・6、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6,T/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,I、ポリアミド9,Tが挙げられる。ここで、例えば、ポリアミド6,Iは、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸との重合ポリアミド樹脂を意味し、ポリアミド6/6,Tは、ε−アミノカプロン酸と、ヘキサメチレンジアミンと、テレフタル酸との共重合ポリアミド樹脂を意味する。さらに、これらのポリアミド樹脂を2種類以上用いて、押出機等でさらに共重合化したポリアミドも使用することができる。
これらの中でも好ましいポリアミドとしては、主鎖の繰り返し構造単位中に芳香環を有するポリアミドである。具体的には、ポリアミドMXD(m−キシリレンジアミン)・6、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド6/6T、ポリアミド6/6I、ポリアミド66/6T、ポリアミド66/6I、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6/6T/6I、ポリアミド66/6T/6I、ポリアミド6/12/6T、ポリアミド66/12/6T、ポリアミド6/12/6I、ポリアミド66/12/6I、ポリアミド9Tなどが挙げられ、特に、ポリアミド66/6I、ポリアミド6T/6I、ポリアミド66/6T/6I、ポリアミド9Tが挙げられ、それらの中でもポリアミド9Tが特に好ましい。芳香族ポリアミドを使用することにより、ガラス繊維を配合することによる成形体の難燃性の低下を抑制できるとともに、吸水による寸法変化も大幅に抑えることができる。
本実施形態に係る(B)ポリアミドの製造方法としては、特に限定されるものではないが、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、アミノカルボン酸の重縮合等の方法が挙げられる。その他の製造方法として、ラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、及び/又はアミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合した後、押出機等で更に高分子量化してポリアミドを得る方法も挙げられる。
上記ラクタム類としては、例えば、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、及びω−ラウロラクタムが挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、及び芳香族ジアミンが挙げられる。それらの具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、及びp−キシリレンジアミンが挙げられる。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、及び芳香族ジカルボン酸が挙げられる。その具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、及びダイマー酸が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、例えば、ε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、及び13−アミノトリデカン酸が挙げられる。
本実施形態に係る(B)ポリアミドの粘度は、濃硫酸中30℃の条件下で測定した固有粘度[η]が、0.6〜2.0dL/gであることが好ましく、0.7〜1.4dL/gであることがより好ましく、0.7〜1.2dL/gであることが更に好ましい。特に、上記更に好ましい範囲として示した範囲の固有粘度を有するポリアミドをポリアミドとして使用することにより、射出成形時の金型内流動性を大幅に高め、ガラス繊維や無機フィラーを配合した際における成形体の外観を向上させることが可能となる。
ここでいう「固有粘度」とは、一般的に極限粘度と呼ばれる粘度と同義である。この固有粘度を求める具体的な方法は、96%濃硫酸中、30℃の温度条件下で、濃度の異なるいくつかの測定溶媒のηsp/Cを測定し、そのそれぞれのηsp/Cと濃度との関係式を導き出し、濃度ゼロを外挿して、そのときのnsp/Cを求める方法である。この濃度ゼロを外挿したときの値が固有粘度である。
これら固有粘度の求め方に関する詳細は、例えば、Polymer Process Engineering(Prentice−Hall,Inc 1994)の291ページ〜294ページ等に記載されている。
このとき濃度の異なるいくつかの測定溶媒の点数は、少なくとも4点とすることが精度の観点より好ましく、0.05g/dL、0.1g/dL、0.2g/dL、0.4g/dLの4点とすることが好ましい。
本実施形態に係る(B)ポリアミドの末端アミノ基の濃度の下限値は、3μmol/gであると好ましく、より好ましくは、5μmol/gである。また、その濃度の上限値は80μmol/gとすることが好ましく、より好ましくは70μmol/gであり、更に好ましくは60μmol/gであり、特に好ましくは55μmol/gである。
本実施形態に係る(B)ポリアミドの末端カルボキシル基濃度には特に制限はないが、下限値として、20μmol/gが好ましく、より好ましくは30μmol/gである。また、その濃度の上限値として、150μmol/gが好ましく、より好ましくは100μmol/gであり、更に好ましくは80μmol/gである。
本実施形態において、ポリアミドの末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度とのモル比(末端アミノ基濃度/末端カルボキシル基濃度)は、成形体の機械的特性に大きな影響を及ぼすため、好ましい範囲が存在する。その好ましい末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度とのモル比は、1.0以下であり、より好ましくは0.9以下であり、更に好ましくは0.8以下であり、特に好ましくは0.7以下である。そのモル比の下限は特に限定されないが、0.1であると好ましい。
ポリアミドの末端基濃度の調整方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、ポリアミドの重合時に所定の末端基濃度となるように、ジアミン、モノアミン、ジカルボン酸、モノカルボン酸、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル、モノアルコールなどの末端アミノ基と反応する末端調整剤及び/又は末端カルボキシル基と反応する末端調整剤の1種又は2種以上を添加する方法が挙げられる。
具体的には、末端アミノ基と反応する末端調整剤としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸、及びこれらから任意に選ばれる複数の混合物が挙げられる。これらのなかでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましく、安息香酸が最も好ましい。
また、末端カルボキシル基と反応する末端調整剤としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン及びこれらの任意の混合物が挙げられる。これらの中でも、反応性、沸点、封止末端の安定性、価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
これら、アミノ末端基及びカルボキシル末端基の濃度は、1H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値から求めるのが精度、簡便さの点で好ましい。それらの末端基の濃度を求める方法として、具体的に、特開平7−228775号公報に記載された方法が推奨される。この方法を用いる場合、測定溶媒としては、重トリフルオロ酢酸が有用である。また、1H−NMRの積算回数は、十分な分解能を有する機器で測定した際においても、少なくとも300スキャンは必要である。そのほかに、特開2003−055549号公報に記載されているような滴定による測定方法もあるが、混在する添加剤・潤滑剤等の影響をなるべく少なくするためには、1H−NMRによる定量がより好ましい。
モノアミンやモノカルボン酸で末端基を調節すると、ポリアミドの活性末端が封止された状態となる。例えば、モノカルボン酸として安息香酸を用いると、フェニル基末端で封止された末端基が生じる。この末端基の封止率、すなわち末端封止率には好ましい上限値と下限値とが存在する。その好ましい下限値は20%であり、より好ましくは40%であり、更に好ましくは45%であり、特に好ましくは50%である。好ましい上限値は95%であり、より好ましくは90%である。
上記末端封止率は、ポリアミドに存在する末端カルボキシル基、末端アミノ基及び末端封止剤によって封止された末端基の数をそれぞれ1H−NMR等により測定し、下記の式に従って求めることができる
末端封止率(%)=[(α−β)/α]×100
ここで、式中、αは分子鎖の末端基の総数(通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい)を示し、βは封止されずに残った末端カルボキシル基及び末端アミノ基の合計数を示す。
本実施形態に係るポリアミドは、その含水率が500ppm以上3000ppm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは500ppm以上2000ppm以下である。第1のペレットの色調悪化を抑制する観点から、その含水率は500ppm以上であることが好ましく、加工時の粘度低下を抑制する観点から、含水率は3000ppm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る第1のペレットに含まれる(C)ハロゲンを含まない難燃剤は、それ自体の分子内にハロゲン原子を有しない、及び/又は、不純物として分子内にハロゲン原子を有する化合物を含まない難燃剤であり、例えば、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、ホスフィン酸塩である。
以下にそのホスフィン酸塩について具体的に説明する。
本実施形態に係るホスフィン酸塩は、下記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で表される(I)ホスフィン酸塩、(II)ジホスフィン酸塩であると好ましく、これらの縮合物及び混合物であってもよい。なお、本明細書中では、ホスフィン酸塩の縮合物及び混合物を含め「ホスフィン酸塩」と略記することもある。
Figure 2011012206
ここで、式中、R1及びR2は、互いに同一であっても異なっていてもよく、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基(フェニル基を含む)を示し、R3は、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数6〜10のアルキルアリーレン基又は炭素数6〜10のアリールアルキレン基を示し、Mはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、ビスマスイオン、マンガンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、プロトン化された窒素塩基からなる群より選ばれる1種以上の化学種を示し、mは2又は3であり、nは1〜3の整数であり、xは1又は2である。
これらのホスフィン酸塩は、例えば、欧州特許出願公開第699708号公報や特開平08−73720号公報に記載されているように、ホスフィン酸と金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物とを用いて水溶液中で製造される。
上記ホスフィン酸の具体例としては、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸並びにこれらの混合物が挙げられる。
また、本実施形態のホスフィン酸塩を形成するための好ましい陽イオンとしては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、ビスマスイオン、マンガンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びプロトン化された窒素塩基からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。より好ましくは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び亜鉛イオンから選ばれる1種以上である。
ホスフィン酸塩の好ましい具体例としては、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
特に高い難燃性の発現の観点から、上述のホスフィン酸塩のなかでは、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
(C)ハロゲンを含まない難燃剤、例えばホスフィン酸塩、の数平均粒子径の下限値は0.1μmであると好ましく、より好ましい下限値は5μmであり、更に好ましい下限値は30μmである。好ましい(C)ハロゲンを含まない難燃剤の数平均粒子径の上限値は100μmであり、より好ましい上限値は80μmであり、更に好ましい上限値は60μmである。数平均粒子径をこれら好ましい範囲とすることにより第1のペレットの生産性を向上させることができ、ポリマーの熱劣化や(C)ハロゲンを含まない難燃剤の熱劣化を抑制することができる。
(C)ハロゲンを含まない難燃剤の数平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計(例えば、島津製作所社製、商品名:SALD−2000)を用い、メタノール/水=50/50質量%の溶媒中にホスフィン酸塩を分散させ測定解析することにより導出できる。
本実施形態に係る第1のペレットに含まれる(D)無機フィラーとしては、ウォラストナイト、タルク、カオリン、ゾノトライト、酸化チタン、チタン酸カリウム、炭化ケイ素ウィスカ、窒化珪素ウィスカ、グラファイト、繊維状酸化アルミ、針状酸化チタン、炭酸カルシウム、硫化亜鉛及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の無機フィラーを使用することができる。それらの中でもタルク、カオリン、炭酸カルシウム、硫化亜鉛及び酸化亜鉛が好ましく、硫化亜鉛及び酸化亜鉛がより好ましい。無機フィラーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記(D)無機フィラーのモース硬度は、第2のペレットに含まれる(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維のモース硬度以下であることが好ましい。例えば、(E)成分としてガラス繊維を用いた場合には、ガラス繊維のモース硬度である7以下のモース硬度を有する(D)無機フィラーを用いることが好ましい。これにより、第1のペレットと第2のペレットとを混合し成形する際に、第2のペレットに含まれる(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を折り曲げ、破損させることを抑制することができる。7以下のモース硬度を有する(D)無機フィラーとしては、例えば、ウォラストナイト、タルク、カオリンが挙げられる。
上記無機フィラーは、高級脂肪酸又はそのエステル、塩等の誘導体(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エチルエステル等)やカップリング剤(例えば、シラン系、チタネート系、アミン系、ポリエーテル系、アルミニウム系、ジルコニウム系等)など1種又は2種以上の公知の表面処理剤により表面処理を施されたものであってもよい。
シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられ、チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフェイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネートが挙げられる。
表面処理剤の使用量としては、(D)無機フィラー100質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましい。
本実施形態に係る(D)無機フィラーの粒子径は、本発明による目的効果を損なわない範囲内であれば特に制限はないが、無機フィラーとして硫化亜鉛を用いる場合、その数平均粒子径として0.1〜0.8μmであると好ましく、より好ましくは、0.15〜0.5μmであり、更に好ましくは0.2〜0.4μmである。無機フィラーの数平均粒子径はレーザー回折式粒度分布計により測定される。
本実施形態において、第1のペレットに(D)無機フィラーを添加することが、難燃性及び耐衝撃性を発現するための条件の一つとなっており、第1のペレット中に(D)無機フィラーを含むことは必須である。
本実施形態に係る第2のペレットに含まれる(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維としては、特に制限はなく、短繊維タイプのチョップドストランド、長繊維タイプのロービング等の各種無機繊維が使用できる。
ガラス繊維としては、例えば耐酸性、耐アルカリ性ガラス繊維が挙げられる。また、炭素繊維としては、例えばPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維が挙げられる。金属繊維としては、例えばステンレス繊維、アルミニウム繊維、ニッケル繊維、銅繊維が挙げられる。セラミック繊維としては、例えばアルミナとシリカを主成分として合成された繊維が挙げられる。
(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維の平均繊維直径は特に限定されるものではないが、集束性、樹脂の含浸性の観点から5μm以上であると好ましく、機械的強度向上の観点から20μm以下であると好ましく、6〜17μmがより好ましい。
また、(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維の長さは、ロービングタイプを用いる場合、特に制限されない。ロービングタイプの場合の無機繊維長さは、第2のペレットをカットする段階で決まり、その無機繊維長さはペレットのカット長さ以上の長さとなる。一方、チョップドストランドタイプを用いる場合、好ましい無機繊維の長さは、機械強度、耐衝撃性を保持する観点から、0.5mm以上であり、より好ましくは2mm以上である。また、押出性の観点から、無機繊維の長さは、10mm以下が好ましく、より好ましくは5mm以下、更に好ましくは4mm以下、特に好ましくは3.5mm以下、極めて好ましくは3mm以下である。
ここで、第2のペレットのカット長さは、ペレットカットの容易性や機械強度、耐衝撃性を高いレベルに保持する観点から2mm以上であると好ましく、より好ましくは3mm以上、更に好ましくは5mm以上である。また、成形性の観点から、そのカット長さは15mm以下であると好ましい。
本実施形態に係る(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維は、公知の収束剤を用いて収束された状態で用いられてもよい。
第1及び/又は第2のペレットに含んでもよい(F)衝撃改良材としては、芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体及びその水素添加物、並びにエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
なお、本実施形態に係る芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」とは、当該ブロックにおいて、50質量%以上が芳香族ビニル化合物であることを指す。より好ましくは、当該ブロックにおいて70質量%以上が芳香族ビニル化合物であり、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」とは、当該ブロックにおいて、50質量%以上が共役ジエン化合物であることを指す。より好ましくは、当該ブロックにおいて70質量%以上が共役ジエン化合物であり、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
これらの場合、例えば、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック中にランダムに少量の共役ジエン化合物又は他の化合物が結合されている場合であっても、該ブロックの50質量%以上が芳香族ビニル化合物から形成されていれば、芳香族ビニル化合物を主体とするブロック共重合体とみなす。また、共役ジエン化合物の場合においても同様である。
芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエンが挙げられ、これらからなる群より選ばれた1種以上の化合物が好ましく、中でもスチレンが特に好ましい。共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン及び1,3−ペンタジエンが挙げられ、これらからなる群より選ばれた1種以上の化合物が好ましく、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
共役ジエン化合物の結合形態には1,2−ビニル結合、3,4−ビニル結合及び1,4−ビニル結合の3種があることが知られている。本実施形態におけるブロック共重合体の共役ジエン化合物ブロック部分のミクロ構造は、1,2−ビニル結合量、又は1,2−ビニル結合量と3,4−ビニル結合量との合計量が、5〜80%であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましく、15〜40%であることが更に好ましい。ここでいうビニル結合量とは、上記3種の結合形態中の共役ジエン化合物の結合形態の割合を示すものであり、例えば、1,2−ビニル結合量は、上記3種の結合形態の合計に対する1,2−ビニル結合の割合を意味するものであり、FT−IR、1H−NMR等により容易に知ることができる。
本実施形態における上記ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック[A]と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック[B]とが、A−B型、A−B−A型、及びA−B−A−B型の中から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体であることが好ましく、これらの混合物であってもよい。これらの中でもA−B−A型、A−B−A−B型、又はこれらの混合物がより好ましく、A−B−A型が更に好ましい。
また、上記ブロック共重合体は、水素添加されたブロック共重合体であることがより好ましい。水素添加されたブロック共重合体とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を水素添加処理することにより、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族二重結合を0%を超えて100%以下の範囲で制御したものをいう。該水素添加されたブロック共重合体の好ましい水素添加率は80%以上であり、より好ましくは98%以上である。なお、水素添加率は1H−NMR等によって測定できる。
これらブロック共重合体は、水素添加されていないブロック共重合体と水素添加されたブロック共重合体との混合物であってもよい。
また、これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体は、本発明の趣旨に反しない限り、結合形式の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−結合ビニル含有量と3,4−結合ビニル含有量との合計量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分の含有量が異なるもの等の2種以上を混合して用いられてもよい。
本実施形態に係るブロック共重合体として、低分子量ブロック共重合体と高分子量ブロック共重合体との混合物が好ましく使用可能である。具体的には、数平均分子量120000未満の低分子量ブロック共重合体と、数平均分子量120000以上の高分子量ブロック共重合体との混合物である。より好ましくは、数平均分子量120000未満の低分子量ブロック共重合体と、数平均分子量170000以上の高分子量ブロック共重合体との混合物である。
各ブロック共重合体の数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置(GPC)を用いて、紫外分光検出器で測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量を指す。この時、重合時の触媒失活による低分子量成分が検出されることがあるが、その場合は分子量計算に低分子量成分を含めない。
また、該ブロック共重合体中の一つの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの分子量が、15000〜50000の範囲内であることがより好ましい。
1種類のブロック共重合体の芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量は、上述したブロック共重合体の数平均分子量を用いて、下記式(2)により求めることができる。
Mn(a),n={Mn×a/(a+b)}/N(a) (2)
ここで、上記式(2)中において、Mn(a),nはブロック共重合体nの芳香族ビニル化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量、Mnはブロック共重合体nの数平均分子量、aはブロック共重合体n中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの質量%、bはブロック共重合体n中の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの質量%、及びN(a)はブロック共重合体n中の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの数を示す。
上記低分子量ブロック共重合体と高分子量ブロック共重合体との質量比(低分子量ブロック共重合体/高分子量ブロック共重合体)は、95/5〜5/95であると好ましく、より好ましくは90/10〜10/90である。
上記ブロック共重合体として、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを55質量%以上90質量%未満の量で含有するブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックを20質量%以上55質量%未満の量で含有するブロック共重合体とから構成される2種類以上のブロック共重合体の混合物が好ましく使用可能である。また、全部が変性されたブロック共重合体であっても、未変性のブロック共重合体と変性されたブロック共重合体との混合物であってもよい。
ここでいう変性されたブロック共重合体とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合又は三重結合、及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたブロック共重合体をいう。
また、本実施形態に係る第1のペレット及び第2のペレットに含まれる上記(A)〜(F)成分以外にも、本発明の目的効果を損なわない範囲で必要に応じて種々の添加剤を、第1及び第2のペレットに任意の方法により配合することができる。第1及び/又は第2のペレットを構成する樹脂組成物は、ポリアミドの熱安定剤として、リン元素を含む化合物を含有すると好ましい。リン元素を含む化合物としては、例えば、リン酸金属塩、亜リン酸金属塩及び次亜リン酸金属塩が挙げられる。そのような化合物の好ましい含有量は、第1及び第2のペレット混合物中に含まれるポリアミド全量に対してリン元素換算で1〜5000ppmであると好ましく、より好ましくは5〜2500ppm、特に好ましくは50〜2000ppmである。
また、第1のペレット及び第2のペレットは、ポリアミドの耐熱安定性を向上させる目的で、特開平1−163262号公報に記載されているような金属系安定剤を含んでもよい。金属系安定剤としては、例えばCuI、CuCl2、酢酸銅、ステアリン酸セリウムが挙げられる。これらの中では、CuI、酢酸銅等に代表される銅化合物が好ましく、より好ましくはCuIである。
これら銅化合物の好ましい配合量は、ペレット混合物に含まれるポリアミドの全量に対して、銅元素として1〜400ppmであり、より好ましくは1〜300ppm、更に好ましくは1〜100ppmである。
さらに、添加剤として公知の滴下防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、各種過酸化物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤を第1及び/又は第2のペレット中に含んでもよい。これら添加剤の好ましい配合量は、第1のペレットに含まれる樹脂組成物、第2のペレットに含まれる樹脂組成物に対して、それぞれ15質量%を超えない範囲である。
ここで、第1のペレットの製造方法について詳細を説明する。
本実施形態に係る第1のペレットを得るための製造方法は、例えば、必要に応じて官能化されたポリフェニレンエーテルを製造する工程と、(官能化された)ポリフェニレンエーテルとポリアミドとを溶融混練する工程と、ポリフェニレンエーテル、官能化されたポリフェニレンエーテル又はポリフェニレンエーテル/ポリアミドアロイ中に(C)ハロゲンを含まない難燃剤及び(D)無機フィラー、必要に応じて(F)衝撃改良材を添加して溶融混練する工程とを含むことが好ましい。この際、より好ましくはこれらの工程の全てを一つの押出機中で実施する。
具体的な第1のペレットの製造方法としては、例えば、上流側に1ヶ所の供給口と下流側に少なくとも1ヶ所の供給口とを有する二軸押出機を使用し、上流側供給口より、少なくとも(A)ポリフェニレンエーテル及び/又は官能化されたポリフェニレンエーテルと必要に応じ相溶化剤と、必要に応じ(F)衝撃改良材とを供給して溶融混練する工程と、その工程を経て得られたポリフェニレンエーテルを含む溶融混合物と、下流側の供給口より供給された少なくとも(B)ポリアミドとを溶融混練する工程と、上流側供給口及び/又は下流側供給口より(C)ハロゲンを含まない難燃剤を供給して溶融混練する工程と、上流側供給口及び/又は下流側供給口より(D)無機フィラーを供給して溶融混練する工程と、得られた溶融混練物をペレタイズ(ペレット化)する工程とを有する方法が挙げられる。(C)ハロゲンを含まない難燃剤及び(D)無機フィラーをいずれのタイミングで添加してもよいが、(B)ポリアミドと同時又は(B)ポリアミドの溶融後に添加することが好ましい。官能化されたポリフェニレンエーテルを製造する工程を有する場合、その工程において、少量のポリアミド、具体的には第1のペレットに含まれるポリアミドに対して25質量%未満のポリアミドが混在していてもよい。
なお、本実施形態に係る(C)ハロゲンを含まない難燃剤は、予め(B)ポリアミドと混合した難燃剤マスターバッチの形態で用いてもよい。この難燃剤マスターバッチの製造方法は、特に制限されないが、具体例として、ポリアミドとハロゲンを含まない難燃剤とを溶融することなく予め混合した混合物を溶融混練する方法、ハロゲンを含まない難燃剤を、溶融したポリアミド中に添加して、更に溶融混練する方法が挙げられる。難燃剤マスターバッチには、更に(D)無機フィラーが含まれてもよい。
本実施形態に係る(D)無機フィラーは、(B)ポリアミド又は(A)ポリフェニレンエーテルの重合段階で添加されてもよく、予めポリアミドやポリフェニレンエーテル中に配合して得られる無機フィラー含有マスターバッチの形態で用いることも可能である。ただし、溶融したポリアミド又はポリフェニレンエーテル中に無機フィラーを添加して混練する方法が好ましい。
本実施形態に係る第1のペレットは、(B)ポリアミドが連続相を形成し、(A)ポリフェニレンエーテルが粒子状に分散相を形成する分散形態を有することが好ましい。特に、透過型電子顕微鏡で観察した際に、ポリフェニレンエーテルの粒子が平均粒子径0.1〜5μmの分散相として存在することが好ましい。より好ましくは、その粒子の平均粒子径は0.3〜3μmの範囲内であり、更に好ましくは0.5〜2μmである。樹脂組成物(成形体)としての耐衝撃性を低下させないために、その粒子の平均粒子径は5μm以下であることが好ましく、射出成形時の金型内流動性(スパイラルフロー距離)の悪化を抑制するために、その粒子の平均粒子径は0.1μm以上であることが好ましい。
なお、上記PPEの粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡写真法により求めることができ、次のように導出される。すなわち、ペレット又は成形体から切り取った超薄切片の透過電子顕微鏡写真(5000倍)を撮影し、PPEの個々の粒子の粒子径di、粒子数niを求め、その粒子の数平均粒子径(=Σdini/Σni)を算出して平均粒子径とする。この場合、粒子形状を球形とみなせない場合には、その短径と長径とを測定し、両者の和の1/2を粒子径とする。平均粒子径の算出には最低500個の粒子の粒子径を測定する。
次に、第2のペレットの製造方法について詳細を説明する。
本実施形態に係る第2のペレットを得るための製造方法は、例えば、単軸又は二軸押出機により(B)ポリアミドと(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維とを溶融混練する方法、特公昭52−3985号公報に記載されているようなガラス繊維のロービングから樹脂ストランドを引き抜きながらポリアミドを含浸させるプルトルージョン法が挙げられる。単軸又は二軸押出機を用いる場合、溶融混練する際に(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維長を保持する観点から、混練ゾーンを除き全て搬送ゾーンとなるような、せん断力が低減したスクリューパターンを有する押出機を用いる製造方法が好ましい。より好ましくは、せん断力が低減したスクリューパターンを有する単軸押出機を用いる製造方法であり、更に好ましくは、ロービングを用いた上記プルトルージョン法である。
単軸又は二軸押出機を用いる場合、第2のペレットの具体的な製造方法としては、上流側に1ヶ所の供給口と下流側に少なくとも1ヶ所の供給口とを有する二軸押出機を使用し、上流側供給口より、少なくとも(B)ポリアミドを供給して溶融混練する工程と、上流側供給口及び/又は下流側供給口から(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を供給する工程とを有する方法が挙げられる。例えば、下流側供給口を2ヶ所有する二軸押出機を使用する場合、上流側供給口から(B)ポリアミドの一部を供給し、残りのポリアミドと(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維とを、上流側供給口と下流側の2ヶ所の供給口とより任意に供給することができる。
ロービングを用いたプルトルージョン法による第2のペレットの具体的な製造方法としては、単軸又は二軸押出機を用いて少なくとも(B)ポリアミドを溶融混練して溶融混練物を得、その後、その溶融混練物を(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維のロービングに含浸させ、ストランドを得る。この際、溶融混練物を(E)無機繊維のロービングに含浸させるため、単軸又は二軸押出機の最も下流側に含浸ダイを設けること、並びに、ロービングのストランドに撚りを付与することが好ましい。
ここで、撚りを付与した場合の(E)無機繊維の長さは第2のペレットのカット長さよりも長くなり、ストランドに撚りを付与せず引き取った場合、(E)無機繊維の長さはペレットの長さと実質的に等しくなる。すなわち、ロービングを用いたプルトルージョン法を採用する場合、(E)無機繊維の長さは第2のペレットの長さ以上となる。
第2のペレットは、上記工程を経て得られた(E)無機繊維を含む溶融混練物をペレタイズ(ペレット化)することにより得られる。
本実施形態の成形体は、製造された第1のペレットと第2のペレットとを、例えば、ダブルコーン型などの乾式混合機により混合したペレット混合物を成形することにより得られるものである。そのペレット混合物を用いて成形体を製造するに当たっては、目的とする成形体の種類、用途、形状などに応じて、一般に用いられている種々の成形方法や成形装置を使用することができる。その成形方法及び成形装置は何ら限定されるものではないが、本実施形態のペレット混合物を、例えば、射出成形、押出成形、プレス成形、カレンダ−成形、溶液流延成形などの任意の成形法によって成形することにより、本実施形態の成形体を製造することができ、また、それらの成形技術の複合によっても製造することができる。上述の中でも薄肉の微細構造体の成形や製造サイクルに優れる観点から射出成形が好ましく、特に好ましくは機械物性や耐衝撃性を高いレベルに保持する観点から、長繊維用の射出成型機を用いた射出成形が好ましい。
本実施形態の成形体は、そこに含まれる(E)無機繊維の重量平均繊維長が500〜5000μmであると好ましく、より好ましくは800〜4000μm、更に好ましくは1000〜4000μm、特に好ましくは2500〜4000μmである。その重量平均繊維長が500μm以上であると、成形体の機械強度及び耐衝撃性を高いレベルに保持することができ、5000μm以下であると、成形性が良好となる。ここで、成形体に含まれる(E)無機繊維の重量平均繊維長は、下記実施例に記載の方法に準じて測定される。
本実施形態のペレット混合物は、多くの優れた特性を有するため、上述したような成形プロセスを経て、携帯電話筐体やモバイル機器の筐体、自動車部品、工業材料、産業資材、電気電子部品、機械部品、事務機器用部品、家庭用品、その他の任意の形状及び用途の各種成形体の製造に有効に用いられる。
その具体例としては、例えば、携帯電話筐体、ICトレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー、キャビネット、その周辺機器等のOA部品や機械部品、SMTコネクター等の電気電子部品、リレーブロック材料等に代表されるオートバイ・自動車の電装部品が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(使用した原料)
1.(A)ポリフェニレンエーテル(PPE)
(A−1)ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、商品名「S201A」、旭化成ケミカルズ社製、還元粘度:0.52dL/g(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃で測定)
(A−2)ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、商品名「S202A」、旭化成ケミカルズ社製、還元粘度:0.41dL/g(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃で測定)
(A−3)ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、旭化成ケミカルズ社製、還元粘度:0.29dL/g(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃で測定)
2.(B)ポリアミド(PA)
(B−1)テレフタル酸と1,9−ノナメチレンジアミンと2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミンとからなるポリアミド、融点:308℃、固有粘度[η]:0.80dL/g、末端封止率:90%、末端アミノ基濃度:19μmol/g
(B−2)テレフタル酸と1,9−ノナメチレンジアミンと2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミンとからなるポリアミド、融点:304℃、固有粘度[η]:1.20dL/g、末端封止率:90%、末端アミノ基濃度:10μmol/g
(B−3)アジピン酸とヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド、末端アミノ基濃度:45μmol/g、末端カルボキシル基濃度75μmol/g、蟻酸溶液粘度VR:46)、旭化成ケミカルズ社製
3.(C)ハロゲンを含まない難燃剤
(C−1)ジエチルホスフィン酸アルミニウム、商品名「Exolit OP930」、クラリアントジャパン社製、数平均粒子径:5μm
(C−2)ジエチルホスフィン酸アルミニウム、商品名「Exolit OP1230」、クラリアントジャパン社製、数平均粒子径:40μm
4.(D)無機フィラー
(D−1)硫化亜鉛、商品名「サクトリス HD−S」、ザハトレーベン社製、平均粒子径:0.3μm
(D−2)酸化亜鉛、商品名「銀嶺」、東邦亜鉛社製、平均粒子径:0.3μm
5.(E)無機繊維
(E−1)ノボラックエポキシ系化合物で集束されたチョップドストランド、商品名「ECS03T−747」、日本電気硝子社製、繊維径:13μm、チョップ長:3.1mm
(E−2)ガラス繊維ロービング、商品名「ER2400T―448N」、日本電気硝子社製、平均ガラス繊維径:17μm、繊度(tex):2400 g/1000m
6.(F)衝撃改良材
(F−1)ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体(SEBS)、商品名「H1387」、旭化成ケミカルズ社製、数平均分子量:246000、スチレン成分合計含有量:33%
(F−2)ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体(SEBS)、商品名「H1272」、旭化成ケミカルズ社製、数平均分子量:197000、スチレン成分合計含有量:35%
7.相溶化剤
無水マレイン酸(MAH)、商品名「CRYSTALMAN−AB」、日本油脂社製
(評価方法)
<曲げ強度及び曲げ弾性率>
得られたペレット混合物から、射出成形機「IS−80EPN(東芝機械社製)」(シリンダー温度を330℃、金型温度を130℃に設定)又は長繊維用スクリュー(圧縮比:1.8)を装備した成型機「IS−80EPN(東芝機械社製)」を用いて、厚み4mmの多目的試験片A型(長さ150mm、狭い部分の幅10.0mm)を成形した。得られた試験片を80×10×4mmの形状に加工し、ISO178に準じてその強度及び曲げ弾性率を測定した。
<シャルピー衝撃強度の測定>
得られたペレット混合物から、射出成形機「IS−80EPN(東芝機械社製)」(シリンダー温度を330℃、金型温度を130℃に設定)又は長繊維用スクリュー(圧縮比:1.8)を装備した成型機「IS−80EPN(東芝機械社製)」を用いて、厚み4mmの多目的試験片A型(長さ150mm、狭い部分の幅10.0mm)を成形した。得られた試験片を80×10×4mmの形状に加工し、得られた試験片にノッチを付与して、ISO179に準じてシャルピー衝撃強度を測定した。
<難燃性>
UL94(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)の方法を用いて、1つの実施例又は比較例当たりそれぞれ5本ずつ測定を行った。なお、試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚み1.6mm)は、射出成形機(東芝機械(株)製:IS−80EPN)又は長繊維用スクリュー(圧縮比:1.8)を装備した成型機「IS−80EPN(東芝機械社製)」を用いてペレット混合物を成形して得た。成形条件はシリンダー温度330℃、金型温度130℃とした。
難燃等級として、UL94垂直燃焼試験によって分類される難燃性のクラスを用いた。その概要は以下の通りであり、その他詳細はUL94規格に準じた。
V−0:平均燃焼時間5秒以下、最大燃焼時間10秒以下、綿着火なし
V−1:平均燃焼時間25秒以下、最大燃焼時間30秒以下、綿着火なし
V−2:平均燃焼時間25秒以下、最大燃焼時間30秒以下、綿着火あり
規格外:上記3項目に該当しないもの、及び、試験片を保持するクランプにまで燃え移ってしまったサンプル
平均燃焼時間(秒)は、各測定について10秒間接炎後の消炎時間を2回測定し、すなわち計10回接炎後の消炎時間を測定し、その相加平均燃焼時間を示す。また、最大燃焼時間(秒)は、同じく計10回接炎後の消炎時間のなかで最も長く燃焼が継続した測定における燃焼時間を示す。
<ガラス繊維の重量平均繊維長の測定>
ペレット2gを磁器るつぼに入れ、電気マッフル炉(FP−31型、ヤマト科学製、設定温度600℃)を用いて、ポリアミドを燃焼させた後、燃焼後のガラス繊維をスライドガラス上に移し、光学顕微鏡下で観察し、画像解析装置を用いて、任意に選んだガラス繊維400本の長さを測定し、下記式により求めた。
重量平均繊維長=ΣLi2/ΣLi
ここで、式中、Liは、ガラス繊維一本一本の長さ(L1、L2、・・・、L400)を示し、Li2は、対応するガラス繊維一本一本の長さの2乗(L12、L22、・・・、L4002)を示す。
[実施例1〜3、7]
第1のペレットを2軸押出機(東芝機械製「TEM−58SS」)を用いて以下のようにして作製した。供給口は、上流側に1ヶ所、下流側に1ヶ所設けた。
まず、(A)ポリフェニレンエーテルの粉末と、無水マレイン酸とをタンブラーで20分間攪拌して予備混合物を得た。その予備混合物を2軸押出機の上流側供給口から供給し、溶融混練した後、下流側供給口より(B)ポリアミド、(C)ハロゲンを含まない難燃剤、(D)無機フィラーをそれぞれ供給し、さらに溶融混練して押し出し、ペレタイズして第1のペレットを得た。その際の押出機のシリンダー温度は、上流側供給口から下流側供給口までを320℃、下流側供給口からダイスまでを300℃、ダイヘッドを330℃にそれぞれ設定した。また、この時の混練物の吐出量は500kg/時間、スクリュー回転数は500rpmであった。
第2のペレットを、2軸押出機「ZSK−25(コペリオン社製)」の最下流に樹脂の含浸ダイを設けた押出機を用い、(E−2)ガラス繊維ロービングに、樹脂ストランドを引き抜きながら(B)ポリアミドを含浸させるプルトルージョン法を経て、最終的にペレタイズして作製した。この際の押出機のシリンダー温度を全段340℃、含浸ダイの温度を350℃に設定した。また、この際のダイヘッドのノズルを2つとし、ノズル径を各2.9mmに設定した。この時のストランドの引き取り速度は20m/分、吐出量は23kg/時間であった。作製した第2のペレットのカット長さは10mmであった。
上記のように作製した第1のペレットと第2のペレットとを、均一に混合していることが確認されるまでタンブラーで混合してペレット混合物を得た。以上の工程における原材料の種類、配合割合を表1に示す。得られたペレット混合物を、射出成型機「IS−80EPN(東芝機械社製)」により上記所定の形状に成形して試験片を得、上述の各評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4〜6]
各原材料の種類、配合割合を代えた以外は実施例1〜3、7と同様にして、第1のペレットを得た。
第2のペレットを、2軸押出機(東芝機械製、商品名「TEM−58SS」)を用いて以下のようにして作製した。なお、供給口は、上流側に1ヶ所、下流側に1ヶ所設けた。
まず、(B)ポリアミドを上流側供給口へ供給し、溶融混練した。その後、下流側供給口より(E−1)チョップドガラス繊維を供給し、さらに溶融混練して押し出し、第2のペレットを得た。その際の押出機のシリンダー温度は、全段340℃に設定した。また、この時の混練物の吐出量は400kg/時間、スクリュー回転数は200rpmであった。作製した第2のペレットのカット長さは10mmであった。
上記のように作製した第1のペレットと第2のペレットとを、均一に混合していることが確認されるまでタンブラーで混合してペレット混合物を得た。以上の工程における原材料の種類、配合割合を表1に示す。得られたペレット混合物を、長繊維用スクリュー(圧縮比:1.8)を装備した成型機「IS−80EPN(東芝機械社製)」により上記所定の形状に成形して試験片を得、上述の各評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例8〜11]
各原材料の種類、配合割合を表2に示すように代えた以外は実施例1〜3、7と同様にして、第1のペレット及び第2のペレットを得た。
作製した第1のペレットと第2のペレットとを、均一に混合していることが確認されるまでタンブラーで混合してペレット混合物を得た。得られたペレット混合物を、長繊維用スクリュー(圧縮比:1.8)を装備した成型機「IS−80EPN(東芝機械社製)」により上記所定の形状に成形して試験片を得、上述の各評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例1〜11]
2軸押出機(東芝機械製、商品名「TEM−58SS」)のみを用いて、一つの押出機中に全ての原材料を供給し、以下のようにしてペレットを作製した。供給口は、上流側に1ヶ所、下流側に2ヶ所(より上流側に1ヶ所、より下流側に1ヶ所)設けた。
まず、(A)ポリフェニレンエーテルの粉末と、無水マレイン酸とをタンブラーで20分間攪拌して予備混合物を得た。その予備混合物を、2軸押出機の上流側供給口から供給し、溶融混練した後、下流側供給口のうち、より上流側の供給口より(B)ポリアミド、(C)ハロゲンを含まない難燃剤、(D)無機フィラーを供給し、さらに下流側供給口のうち、より下流側の供給口より(E−1)チョップドガラス繊維を供給し、溶融混練して押し出し、ペレットを得た。その際の押出機のシリンダー温度は、上流側供給口から下流側供給口のより上流側の供給口までを320℃、より下流側の供給口からダイスまでを300℃、ダイヘッドを330℃にそれぞれ設定した。この時の混練物の吐出量は500kg/時間、スクリュー回転数は500rpmであった。
以上の工程における原材料の種類、配合割合を表2、3に示す。得られたペレットを、射出成型機「IS−80EPN(東芝機械社製)」により上記所定の形状に成形して試験片を得、上述の各評価を行った。結果を表2、3に示す。
[比較例12]
第1のペレットに(D)無機フィラーを含めない他は実施例2と同様にしてペレット混合物を得た。得られたペレット混合物を、射出成型機「IS−80EPN(東芝機械社製)」により上記所定の形状に成形して試験片を得、上述の各評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2011012206
Figure 2011012206
Figure 2011012206
また、上記実施例及び比較例について、UL−94の平均燃焼時間とシャルピー衝撃強度との相関性を示すプロット図を図1に示す。
本発明のペレット混合物は、ハロゲンを含まず、高い難燃レベルを達成していることから、特に携帯電話の筐体、ICトレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー、キャビネット、その周辺機器等のOA部品や機械部品、SMTコネクター等の電気電子部品、リレーブロック材料等に代表されるオートバイ・自動車の電装部品等に好適に使用できる。

Claims (25)

  1. (A)ポリフェニレンエーテルと(B)ポリアミドと(C)ハロゲンを含まない難燃剤と(D)無機フィラーとを含む第1のペレットと、
    (B)ポリアミドと(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維とを含む第2のペレットと、
    を含有するペレット混合物。
  2. 前記第1のペレットと前記第2のペレットとの合計量に対して、前記第1のペレットを40〜90質量%、前記第2のペレットを10〜60質量%含む、請求項1に記載のペレット混合物。
  3. 前記第1のペレットと前記第2のペレットとの合計量に対して、前記(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を5〜60質量%含む、請求項1又は2に記載のペレット混合物。
  4. 前記第1のペレットは、前記(A)ポリフェニレンエーテルと前記第1のペレットに含まれる前記(B)ポリアミドとの合計量に対して、前記(A)ポリフェニレンエーテルを40〜70質量%、前記(B)ポリアミドを30〜60質量%含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  5. 前記第1のペレットは、前記第1のペレットに含まれる前記(B)ポリアミド100質量部に対して、前記(C)ハロゲンを含まない難燃剤を20〜90質量%含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  6. 前記第1のペレットは、前記第1のペレットに含まれる樹脂成分の合計100質量部に対して、(D)無機フィラーを2〜50質量部含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  7. 前記第2のペレットは、前記(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を10〜90質量%含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  8. 前記第1のペレット及び/又は前記第2のペレットは、(F)衝撃改良材を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  9. 前記(F)衝撃改良材を、前記(A)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0質量部を超え150質量部含む、請求項8に記載のペレット混合物。
  10. 前記(F)衝撃改良材は、芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも1個のブロックと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個のブロックとを有するブロック共重合体、及び/又は、前記ブロック共重合体の水素添加物である、請求項8又は9に記載のペレット混合物。
  11. 前記(B)ポリアミドは、主鎖の繰り返し構造単位中に芳香環を有するポリアミドである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  12. 前記(C)ハロゲンを含まない難燃剤の数平均粒子径は、0.1〜100μmである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  13. 前記(C)ハロゲンを含まない難燃剤の数平均粒子径は、5〜60μmである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  14. 前記(C)ハロゲンを含まない難燃剤は、ホスフィン酸塩である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  15. 前記(D)無機フィラーのモース硬度は、前記(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維のモース硬度以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  16. 前記(D)無機フィラーは酸化亜鉛及び/又は硫化亜鉛である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  17. 前記(D)無機フィラーの数平均粒子径は、0.1〜0.8μmである、請求項1〜16のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  18. 前記(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維は、ガラス繊維である、請求項1〜17のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  19. 前記第2のペレットのカット長さは2〜15mmである、請求項1〜18のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  20. 前記第2のペレットのカット長さは5〜15mmである、請求項1〜18のいずれか1項に記載のペレット混合物。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のペレット混合物の成形体。
  22. 重量平均繊維長が500〜5000μmである(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を含む、請求項21に記載の成形体。
  23. 重量平均繊維長が2500〜4000μmである(E)ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びセラミック繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を含む、請求項21に記載の成形体。
  24. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のペレット混合物を射出成形して得られる成形体。
  25. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のペレット混合物を射出成形して得られる携帯電話筐体。
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