JP2011006046A - 回生機構を備えた電動補助自転車 - Google Patents

回生機構を備えた電動補助自転車 Download PDF

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Abstract

【課題】内装変速機を備えたセンタモータ式の電動補助自転車において、装置を複雑化することなく、回生充電を可能とする。
【解決手段】駆動輪に設けたハブ1内部に変速機構5とツーウェイクラッチ2と回転抵抗付与手段30とを備え、前記変速機構5は、2段階以上に変速可能な遊星歯車機構によって構成され、駆動力及び逆入力に対して、車軸11に対し太陽歯車5f,5g,5hの何れか一つを回転不能に他を回転可能に切り替える変速制御機構40を備え、前記踏力又は前記モータの出力による駆動力をスプロケット7を通じて前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記ツーウェイクラッチ2は、前記駆動時には駆動方向の回転を伝達するワンウェイクラッチとして機能し、非駆動時には前記駆動輪からの逆入力を前記スプロケット7に伝達できる機能を有し、その逆入力により生じた回生電力を前記二次電池に還元する回生機構を備える構成とした。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させる電動補助自転車に関するものである。
電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させる電動補助自転車には、電動補助力を与えるためのモータ用電源としてバッテリが搭載される。このバッテリは、1回の充電で長時間走行できることが望ましいことから、自走中のエネルギーを有効に利用し、その自走中の回生発電により、バッテリを充電する機能を備えた電動補助自転車が開発されている。
その回生発電によるバッテリの充電装置として、例えば、特許文献1に、ブレーキレバーの操作を検出して回生装置に回生作動を指令する回生制御装置の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の電力回生機能を搭載する場合、例えば、特許文献2に示すように、車軸周辺にモータ及び変速機を設けた電動補助自転車(ハブモータ方式)の場合は、車軸とモータのロータを直結とすることで、電力回生は比較的容易に実現できる(例えば、特許文献2参照)。
しかし、このハブモータ方式の場合、モータから二次電池までの距離が遠くなりがちであり、その二次電池までの配線の取り回しが煩雑になる傾向がある。また、モータをフロントの車軸に配置すると操作性が悪化し、リア側に配置すると変速機との両立が困難になるという問題もある。
このため、電力回生機能を搭載する場合、操作性と構造の簡素化を求めるならば、例えば、特許文献3のように、クランク軸及びその軸受等を含む人力駆動系と、モータによる補助動力をクランク軸に合力させる駆動系とを単一のハウジングに収容した駆動装置、いわゆるセンタモータユニットを備えた構造(センタモータ方式)とするのが有利である(例えば、特許文献3参照)。
センタモータ方式で、電力回生機能を搭載した電動補助自転車として、例えば、特許文献4に示すものがある。
この電動補助自転車では、モータ出力軸と駆動スプロケットとの間に第一ワンウェイクラッチを設け、踏力が入力されるペダルクランク軸と駆動スプロケットとの間に第二のワンウェイクラッチを設け、さらにブレーキ操作に応じて第一ワンウェイクラッチをロックする直結手段を設けることで、制動時の電力回生を実現している。なお、リアハブとリアスプロケットとは、回生時にタイヤからの逆入力トルクをモータに伝えることができるように直結されている。
また、同じく、電力回生機能を搭載した電動補助自転車として、例えば、特許文献5に示すものがある。
この電動補助自転車では、センタモータユニット内で、モータの出力軸にブレーキ操作に連動してロック方向を切り替えることが出来るツーウェイクラッチを設け、制動時の電力回生を実現している。
すなわち、モータアシスト時には、ツーウェイクラッチを正回転方向でロックさせることにより、モータの出力を車軸に伝達することができ、モータアシストが可能となる。また、乗員のブレーキ操作に連動してツーウェイクラッチロック方向を切替え、ツーウェイクラッチを逆回転方向でロックさせれば、車軸側からの逆入力トルク(正回転方向)をモータに伝達することができ、これによって回生発電およびブレーキアシストが可能となる。この構成では、回生時に車軸側からの逆入力トルクをモータ側に伝達させる必要があるため、リアハブとリアスプロケットとは直結としている。
特開平8−140212号公報 特開2003−166563号公報 特開平10−250673号公報 特開2001−213383号公報 特開2004−268843号公報
前述のように、電動補助自転車は、モータを、クランク軸周辺に設けたセンタモータ方式と、モータを、フロントハブ若しくはリアハブに内装したハブモータ方式とに大別できる。
ハブモータ方式では、モータの他、減速機も併せてリアハブ内に組み込む必要があるが、スペース的に高減速比とすることが困難で、大きなトルクを得ることが出来ないという問題がある。また、重量物が、自転車の重心から離れた位置に配置されることで、操縦性が悪く、モータと電池が離れることで配線の取り回しも複雑になるという問題がある。さらには、タイヤからの衝撃が直接減速機及びモータに伝わるため、故障が起きやすいという欠点がある。そのため、現在ではセンタモータ方式が主流となっている。
センタモータ方式の駆動系において、電力回生機能を搭載する場合、車輪からの逆入力トルクをモータ軸に伝えるため、上記特許文献4や特許文献5では、リアハブとリアスプロケットは直結されている。
この点、一般的な自転車の変速機構は、クランク軸又はリア車軸の何れか一方、もしくは両方の同軸上に多段のスプロケットを設け、ディレイラーによってチェーンをスプロッケット間で移動させることによって変速する方式(外装変速機)とリアハブの内部に設けた歯車を掛けかえることによって変速する方式(内装変速機)がある。内装変速機内には通常ワンウェイクラッチが設けられており、タイヤからの逆入力はリアハブからリアスプロケットに伝わらない。
外装変速機は構造が簡単で軽量であるが、スプロケットやチェーンが摩耗する原因になり、チェーン外れの原因にもなる。一方、内装変速機は防塵、防水性があり、メンテナンスフリーであるためシティサイクルに使われることが多い。現在のところ、電動アシスト自転車はシティサイクル自転車を中心に展開しており、その殆どが内装変速機を採用している。
しかし、このように、内装変速機を採用すると、そのままでは、車輪からの逆入力はリアハブからリアスプロケットに伝わらない。このため、車輪からの逆入力によりセンタモータを回転、回生することができない。
逆入力に対応するため、例えば、車軸からクランク軸、及び車軸からモータ軸をそれぞれ別々の動力伝達要素で結合することも可能であるが、2本の伝達要素を用いることはレイアウト的にもコスト的にも商品価値の大幅な低下を招く。
そこで、この発明は、内装変速機を備えたセンタモータ式の電動補助自転車において、できる限り装置を複雑化することなく、回生充電を可能とすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、前輪と後輪とを結ぶフレームに二次電池及び補助駆動用のモータを取り付け、クランク軸から伝達された踏力又は前記モータの出力による駆動力を駆動輪に伝達可能とし、非駆動時には、前記駆動輪から前記モータの出力軸への逆入力により生じた回生電力を前記二次電池に還元する回生機構を備えた電動補助自転車において、前記駆動輪に設けたハブに変速機構とツーウェイクラッチと回転抵抗付与手段とを備え、前記変速機構は、2段階以上に変速可能な遊星歯車機構によって構成され、駆動力及び逆入力の両者に対して、車軸に対し太陽歯車の何れか一つを回転不能に他を回転可能に任意に切り替えることにより前記変速の切り替えを可能とする変速制御機構を備え、前記踏力又は前記モータの出力による駆動力をスプロケットを通じて前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記ツーウェイクラッチは、前記踏力又は前記モータの出力による駆動時には係合してその駆動力を駆動輪に伝達し、非駆動時には、前記駆動輪からの逆入力を前記スプロケットに伝達できる機能を有し、前記回転抵抗付与手段は、前記ツーウェイクラッチの係合子を周方向に沿って保持する保持器に対し、そのツーウェイクラッチの係合の際に必要となる回転抵抗を付与する機能を有することを特徴とする回生機構を備えた電動補助自転車とした。
上記構成により、駆動前進時には、ツーウェイクラッチを介して駆動輪のスプロケットからハブに駆動力が伝達され、自転車は前進する。非駆動前進時には、同じく、ツーウェイクラッチを介して、駆動輪のハブからの逆入力がスプロケットに伝達され、さらに、スプロケットから動力伝達要素を通してモータ駆動スプロケットにトルクが伝わることで、回生発電が可能となる。
このように、ツーウェイクラッチを採用することで、駆動力の伝達と逆入力の伝達とを一つのクラッチで果たすことができるから、その構造を単純化することができる。
この構成において、前記回転抵抗付与手段による前記保持器に対する回転抵抗の付与が、ブレーキ操作と連動して行われるものとすることができる。回生発電を必要とするのは、主に非駆動状態であるから、このような非駆動状態において頻繁に使用するブレーキ操作と、前記保持器に対する回転抵抗の付与とを連動させることで、効果的な回生発電が可能である。
なお、ブレーキ操作時以外において、前記回転抵抗付与手段による前記保持器に対する回転抵抗の付与を行う構成とすることも可能である。例えば、踏力やモータによる駆動力の入力が遮断された段階で、その入力の遮断を検知して自動的に前記保持器に対する回転抵抗の付与を行う機能を前記回転抵抗付与手段に備えさせてもよい。すなわち、駆動力の入力がある場合には、回転抵抗の付与を行わないようにし、駆動力の入力が無くなれば、自動的に回転抵抗を付与する機能を備えさせたものが考えられる。
これらの各構成において、前記回転抵抗付与手段は、車軸に対して軸方向へ進退自在の操作部と、その操作部と一体に進退可能に設けられた摩擦部とを備え、その操作部が前記摩擦部とともに車軸に対して軸方向一方へ相対移動することにより、前記摩擦部が保持器に接触して前記回転抵抗が付与される構成とすることができる。
なお、保持器に対して回転抵抗を付与する機能を有する回転抵抗付与手段の構成としては、そのハブ内外に配置し得る種々の構成を採用し得る。
例えば、ツーウェイクラッチの保持器がハブケース外に露出している場合であれば、その露出している部分において、保持器に対して適宜の部材を宛がう(接触させる)ことで、前記回転抵抗を付与することが比較的容易に可能である。この宛がう部材は、ハブケース外において、車軸に対して軸方向へ移動可能な部材、あるいは、径方向へ移動可能な部材等を採用できる。
しかし、ツーウェイクラッチの保持器がハブケース内に収容されているような場合は、走行とともにハブが回転するため、どのようにして、回転抵抗を付与したり、その付与を遮断したりするかが問題となる。
そこで、特に、保持器がハブ内部に収容されている場合は、上記のように、車軸とともに軸方向に伸びる操作部を設け、その操作部を車軸に対して軸方向へ進退可能とすれば、操作部は車軸とともにハブ外へ引き出されるから、ハブ内部への水や泥の侵入や、保持器に傷や変形を生じさせる事態を回避しつつ、安定的に保持器に対する回転抵抗の付与を実現できる。なお、操作部を車軸に対して軸方向へ進退可能とする構成は、保持器がハブケース外に露出している構成においても、採用することができる。
この操作部の態様としては、例えば、筒状の部材で形成された操作部を車軸の外周側に同軸に配置した構成も考えられるが、それ以外にも、例えば、車軸内に軸方向へ延びる孔部を形成して、その孔部に軸状の部材で形成された操作部を同軸に挿通した構成が考えられる。操作部が車軸の内部に位置していれば、予期せぬ事故等により、操作部に異物が当たって損傷することを防止することができる。
さらに、前記操作部を備えた構成において、前記摩擦部は、前記車軸の外周面よりも外径側に立ち上がるフランジ状の部材とすることができる。保持器は、車軸よりも外径側に位置しているから、摩擦部は、その保持器に接触可能な位置、すなわち保持器に設けられた当たり面に対して軸方向に対向する位置にある必要がある。このため、上記のように、車軸の外周面よりも外径側に立ち上がるフランジ状の部材とすることが有効である。フランジ状の部材であれば、その部材厚を軸方向に薄くし、軽量化、省スペース化に寄与し得る。特に、保持器がハブケース内に収容されている場合は、このような摩擦部の構成とすることが有利である。
なお、重量の制限やスペースの問題等を克服できる場合は、摩擦部はフランジ状の部材に限定されず、例えば、保持器に設けられた当たり面に対して軸方向に対向し得るように、操作部の軸方向一端部に形成され、外径方向に突出する突起や膨出部とすることができる。
また、前記操作部を備えた各構成において、前記保持器は、前記係合子を保持するポケット部を周方向に沿って複数備える環状部と、その環状部から径方向へ立ち上がる端面板部とを備え、前記摩擦部は、前記端面板部に接触する構成を採用することができる。
一般に、保持器は径方向に薄い部材で構成されるから、回転抵抗付与手段の摩擦部によって回転抵抗を付与するに際し、その接触面積を大きく確保しにくいという問題がある。
そこで、上記のように、環状部から径方向へ立ち上がる端面板部を備えることで、接触面を径方向に拡大し、両者の間に安定した摩擦抵抗を発生させることができる。なお、端面板部は、環状部から外径方向に立ち上がるようにしてもよいし、内径方向に立ち上がるようにしてもよいが、内径方向に立ち上がる構成とする方が、摩擦部との当たり面をより車軸の軸心に近づけることができるので、部材や装置のコンパクト化の面で有利である。
もちろん、摩擦部と保持器との間において、所定の回転抵抗の付与が可能である場合は、保持器の端面板部に摩擦部を接触させるのではなく、保持器の環状部の軸方向端部に対して、摩擦部を接触させる構成とすることもできる。このとき、端面板部は省略することもできる。
また、保持器に端面板部を設けた構成において、前記ツーウェイクラッチの内輪と前記保持器とが軸受部を介して相対回転可能に支持され、その軸受部が、前記保持器を前記端面板部で支持している構成とすることができる。
端面板部は、環状部から径方向に立ち上がっているから、ここに回転抵抗付与手段の摩擦部が当たると、その端面板部に軸方向力が作用する。このため、その端面板部と内輪との間に軸受部を備えておけば、その軸受部が、いわゆるスラスト方向への軸受として機能して、端面板部は摩擦部から受ける軸方向力に対抗することができる。これにより、保持器の大型化を回避することができる。
なお、前記ツーウェイクラッチとしては、係合子としてのローラを、環状の保持器によって周方向に保持したローラクラッチからなる構成を採用することができる。
また、前記ツーウェイクラッチとして、係合子としてのスプラグを、環状の保持器によって周方向に保持したスプラグクラッチからなる構成を採用することもできる。
これらの各構成において、前記変速制御機構は、スナップキーを備え、前記変速機構の変速の切り替えを、前記車軸内を通って外部からの操作で前記スナップキーを軸方向へ移動させることにより行い、前記スナップキーが前記太陽歯車の何れか一つに噛み合うことにより、駆動力及びタイヤからの逆入力の両者に対して、車軸に対し前記太陽歯車の何れか一つを回転不能に他を回転可能に任意に切り替える構成を採用することができる。
なお、センタモータユニット内においては、モータ出力軸とモータ駆動スプロケットとを直結することにより、駆動力及び逆入力の両方向のトルクを伝達することができ、また、クランク軸とクランクスプロケット(人力駆動スプロケット)との間には、駆動力のみ伝達し、逆入力時は空回りするセンタワンウェイクラッチを組み込むことにより、逆入力によりペダルが強制的に回転するのを防止することができる。
このセンタワンウェイクラッチとしては、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、ラチェットクラッチ等を採用することができる。
この発明は、回生エネルギーを二次電池に蓄えることができ、回生充電しない場合と比較して充電1回当たりの航続距離を大幅に延ばすことができる。また、現行の回生機能付き電動補助自転車は、フロント若しくはリアハブ内に重量の大きなモータを配置しているが、この発明によれば、モータを重心に近いクランク軸付近に配置することができるため、自転車全体の操縦性がよい。また、変速機構を備えているためにスタート時の踏力が少なくて済み、バランスを崩し難い上にアシストパワーも節約でき、更に航続距離が延びる。逆入力伝達用の第一ワンウェイクラッチの作動をブレーキ操作と連動させれば、制動力を高めることができる。
さらに、ツーウェイクラッチを採用することで、駆動力の伝達と逆入力の伝達とを一つのクラッチで果たすことができるから、その構造を単純化することができる。
第一の実施形態を示し、(a)は側面図、(b)は正面図 同実施形態の保持器に対して回転抵抗が付与された状態を示し、(a)は側面図、(b)は正面図 第二の実施形態を示す正面図 第三の実施形態を示す正面図 第四の実施形態を示す正面図
(第一の実施形態)
この発明の第一の実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。この実施形態の電動補助自転車は、前輪と後輪間の中央部付近において、その前輪と後輪とを結ぶフレームに二次電池及び補助駆動用のモータ(センタモータユニット)を取り付けたセンタモータ方式である。
駆動時、すなわち、ペダルを通じてクランク軸から伝達された踏力、又は前記モータの出力による駆動力が入力された場合は、図示しないセンタモータユニットのクランクスプロケットと、駆動輪である後輪のリアスプロケット(スプロケット)7とを結ぶチェーン等の動力伝達要素を介して、その後輪に駆動力が伝達可能となっている。また、非駆動時には、後輪のリアハブ1から前記モータの出力軸への逆入力により生じた回生電力を、前記センタモータユニットの二次電池に還元する回生機構を備えている。
リアハブ1は、図1に示すように、後輪の車軸11と同軸に設けたハブケース12内に、変速機構5及び変速制御機構40と、駆動力伝達用及び逆入力伝達用のツーウェイクラッチ2、及びそのツーウェイクラッチ2の係合及びその係合解除を制御する機能を有する回転抵抗付与手段30等を備えている。なお、図中の符号8は、ハブフランジを示している。
ツーウェイクラッチ2の構成は、周知の係合子クラッチを用いることができる。この実施形態では、図1に示すように、ローラクラッチを採用しており、同軸上に配置された内輪2cと外輪2bとが軸周り相対回転可能であり、その内輪2cの外周面と、外輪2bの溝2fとの間に設けられた周方向両側に伸びる楔空間に、ローラ2aが配置されている。
この実施形態では、外輪2bの溝2fは外径方向に向かって凸状を成す側面視V字状であり、楔空間は、そのV字状の溝2fの底の部分、すなわち、周方向中央部から正逆両回転方向に向かうにつれて、それぞれ半径方向の幅が縮小する形状となっている。
また、ローラ2aは、環状の保持器4によって周方向に保持されているとともに、弾性部材2eによって、その保持器4を介して前記正回転方向(後述する後輪への駆動力伝達を可能とする方向)の楔が狭まる側へ付勢されている。
この実施形態では、保持器4は、前記ローラ2aを収容するポケット部を周方向に沿って複数備えた環状部4bと、その環状部4bから全周に亘って内径方向に立ち上がるフランジ状の端面板部4aとを備えている。また、保持器4の前記端面板部4aの内側面と前記内輪2cの端面との間には、両者を軸方向に支持する軸受部15が設けられている。この軸受部15を介して、保持器4と内輪2cとは互いに軸周り相対回転可能に支持されている。
ハブケース12と車軸11との間には、その軸方向両端に軸受部13が設けられ、互いに軸周り相対回転可能に支持されている。また、リアスプロケット7と一体に回転可能に設けられた遊星キャリア5cと前記ハブケース12とが、軸受部14を介して相対回転可能となっている。この遊星キャリア5cは、変速機構5の一部を構成する。
変速機構5は、図1に示すように、3段増速切り替えの遊星歯車機構で構成し、前記変速機構5は、前記車軸11の外周に同軸上に回転可能に支持された三つの太陽歯車5f,5g,5hを備えている。
また、前記各太陽歯車5f,5g,5hに噛み合う3段の歯車を有する遊星歯車5e、その遊星歯車5eを保持する遊星キャリア5c、及び前記遊星歯車5eに噛み合う外輪歯車5dとを備えている。
さらに、前記外輪歯車5dとハブケース12との間に、前記ツーウェイクラッチ2が組み込まれている。ツーウェイクラッチ2の前記内輪2cは、前記外歯歯車5dと一体に形成されている。また、ツーウェイクラッチ2の前記外輪2bは、ハブケース12の内径面に圧入固定されている。
前記太陽歯車5f,5g,5hは、変速制御機構40によって、いずれか一つを選択的に車軸11に対して回転不能とすることにより変速することができる。
例えば、太陽歯車5hを車軸11に対して回転不能とした場合、太陽歯車5hの歯数をa、外輪歯車5dの歯数をdとすると、遊星キャリア5cから外輪歯車5dへの増速比は(a+d)/dとなる。このとき、太陽歯車5f及び5gは空転状態であり、トルク伝達に関与しない。
すなわち、前記各太陽歯車5f,5g,5hは異なる歯数であり、いずれか一つを車軸11に対し回転不能とすることで、増速比を変化させることができる。
前記変速制御機構40は、車軸11内に設けた軸方向穴11bに挿通された操作軸40bと、その操作軸40bに設けられたスナップキー40a、及び弾性部材40bによって構成されている。スナップキー40aは、操作軸40bの外面から径方向外側に突出し、また、弾性部材40cは、前記軸方向穴11bの奥部11cに収容されて、操作軸40bの一端の係止部40dに係止されている。
また、その操作軸40b及びスナップキー40aは、前記弾性部材40cによって、軸方向穴11bの奥部11cから開口部11d側へと(図1(b)に示す右側から左側へと)付勢されている。
なお、遊星歯車5eが噛み合う前記太陽歯車5f,5g,5hの選択は、外部より車軸11内を通してスナップキー40aを軸方向に操作することによって行うことができる。
すなわち、このスナップキー40aが、操作軸40bを通じて外部からの操作により軸方向へ移動し、太陽歯車5f,5g,5hのいずれか一つに噛み合うことで、その噛み合った一つの態様歯車を選択的に車軸11に対して回転不能とする。
したがって、駆動力と逆入力の両者に対して、太陽歯車5f,5g,5hのいずれか一つを車軸11に対して回転不能とすることができる。
いま、リアスプロケット7に駆動力が入力されると、遊星キャリア5c、遊星歯車5e、外輪歯車5d、ツーウェイクラッチ2の内輪2cの順にトルクが伝達される。
このとき、リアスプロケット7からの駆動力の入力によって、ツーウェイクラッチ2の内輪2cが外輪2bに対して正回転方向、すなわち、図1(a)に示す時計回りに回転する。
ローラ2aは、予め弾性部材2eによって、図中右側に示す正回転方向の楔が狭まる側に付勢されているから、内輪2cの外輪2bに対する正回転方向への相対回転によって、ローラ2aが楔空間に噛み込み内輪2cと外輪2bとを結合しロックする。
これにより、リアスプロケット7からの駆動力が、駆動輪である後輪に伝達される。
また、外輪2b及びハブケース12が、リアスプロケット7、外輪歯車5d、遊星歯車5e,遊星キャリア5c、及び、内輪2cに対して前進方向に回転すると(前進非駆動時)、ツーウェイクラッチ2のローラ2aが溝2f内を楔空間の拡がる方向へ移動して内輪2cと外輪2bとの結合が解除され、ロックが外れる機構となっている。
なお、外輪2bが内輪2cに対して逆回転方向に回転する状態は、内輪2cが外輪2bに対して正回転方向に回転する状態と等しい。従って、両状態ともツーウェイクラッチ2がロックしトルクが伝達される。
これにより、ツーウェイクラッチ2は、通常は、リアスプロケット7に入力された駆動力を伝えるワンウェイクラッチとして機能する。
しかし、ハブケース12内に設けた前記回転抵抗付与手段30から、保持器4に対して外力、すなわち回転抵抗が加わり、保持器4が弾性体2eの付勢に打ち勝って、外輪2bに対して後退方向に相対回転すると、ローラ2aは、図2(a)に示すように、楔空間のうち、左側に示す逆回転方向における楔の狭まる側において、その楔空間の浅い位置でスタンバイ状態となる。この時に、タイヤ側からの逆入力があると、ローラ2aは内輪2cと外輪2bの溝2fとの間で楔契合し、ツーウェイクラッチ2の内輪2cと外輪2bが結合しロックするのである。
すなわち、ツーウェイクラッチ2は、前進駆動時には駆動力を後輪に伝達し、また、前進非駆動時(自転車で坂道をペダルを漕がずに下るような状況)において、前記回転抵抗付与手段30から保持器4に対して回転抵抗が加わった状態下では、タイヤからの逆入力トルクをリアスプロケット7に伝達することができる。
なお、回転抵抗付与手段30の構成については、この実施形態では、図1及び図2に示す構成としている。
その構成は、車軸11の外周に係止部33が設けられており、その係止部33から軸方向へ所定距離隔てたところに、全周に亘って外径側に突出するフランジ状の部材からなる摩擦部31a(以下、「摩擦板31a」と称する。)が設けられている。この実施形態では、係止部33は段部で構成されているが、それ以外にも、例えば、外径側に突出するフランジで構成してもよい。
また、係止部33と摩擦板31aとの間には、弾性部材32を配置している。この実施形態では、弾性部材32はコイルバネを採用し、そのコイルバネを車軸11の外周に嵌めて前記係止部33と摩擦板31aとの間に挟んでいるが、コイルバネ以外の弾性部材32を用いることや車軸11の内部に軸方向に沿って設けられた孔部11a内に配置することも可能である。また、前記摩擦板31aを全周に亘って外径側に突出するフランジ状としているが、前記弾性体2eの付勢に打ち勝つだけの回転抵抗を与えることができれば、棒状等にすることも可能である。
摩擦板31aは、車軸11の内部に軸方向に沿って設けられた孔部11a内に、軸方向へ進退可能に挿入された軸状の操作部31の軸方向一端部に設けられている。摩擦板31aと操作部31は一体に形成されているが、別体に形成した部材同士を固定してもよい。操作部31は孔部11a内に、がたつきの無い状態でしっくりと挿入されていることが望ましく、また、操作部31の軸心は、車軸11の軸心に一致している。
その操作部31は、車軸11外に設けたクラッチ切り換え装置(図示せず)からの操作により、その車軸11に対して軸方向への進退が制御されるようになっている。
操作部31の車軸11に対する軸方向移動により、その操作部31の軸方向一端部の前記摩擦板31aがツーウェイクラッチ2に近づく方向へ移動する。そして、摩擦板31aの端面が、図2(b)に示すように、保持器4の環状部4bから内径方向に突出するように設けた端面板部4aの外側面に接触すると、その接触による摩擦抵抗で、保持器4に対し、その回転を抑制するように回転抵抗を付与するのである。
この回転抵抗の付与により保持器4の回転が抑えられ、その保持器4が弾性体2eの付勢に打ち勝って、外輪2bに対して後退方向に相対回転することで、ローラ2aは前記スタンバイ状態(逆回転側における楔空間の浅い位置で待機する状態)となるのである。
なお、この実施形態では、前記クラッチ切り換え装置による操作部31の軸方向移動の制御は、運転者が行うブレーキ操作に連動して行われるようになっている。ブレーキレバーを引くなどしてブレーキを動作させれば(ブレーキが効いた状態になれば)、クラッチ切り換え装置の機能により操作部31に押圧力が付与されて、その操作部31及び摩擦板31aが第一ワンウェイクラッチ21に近づく方向へ移動し、その摩擦板31aの端面が、保持器4に接触するようになっている。また、ブレーキの動作が解除されれば(ブレーキが効いていない状態になれば)、操作部31への押圧力が解除され、弾性部材32の弾性力で摩擦板31aが保持器4から離脱し、摩擦抵抗が付与されない状態に戻るのである。
このように、操作部31を車軸11に対して軸方向へ相対移動させるクラッチ切り換え装置としては、車軸11の内部に挿通された軸状の操作部31に対し、軸方向への押圧力を付与することができる周知の手段を採用できる。
例えば、操作部31に外径方向に突出する軸部を設け、車軸11の外周と前記孔部11a内の空間とを径方向に貫通する長孔を形成する。この長孔は、軸方向に沿って伸びるように形成する。
操作部31から外径方向に突出する軸部を、その長孔から車軸11外に引き出しておけば、その軸部を、適宜の手段で車軸11に対して軸方向へ押圧することで、軸部が長孔内を移動して、操作部31の車軸11に対する軸方向移動が制御できる。また、その押圧力を維持すれば、保持器4と摩擦板31aとの接触も維持される。
また、その押圧力を解除すれば、前述の弾性部材32の弾性力で、操作部31が保持器4から離脱する方向へ軸方向移動するようにする。
また、その他の構成として、操作部31の軸方向他端部を、車軸11の軸方向端部よりもさらに軸方向外側に引き出して、その引き出された操作部31の軸方向端部を介して、前記軸方向移動に必要な押圧力を付与するようにしてもよい。
なお、この実施形態では、係止部33と摩擦板31aとの間に、弾性部材32を配置しているので、摩擦板31aの保持器4からの離脱は、その弾性力を利用できるようになっているが、弾性部材32の設置を省略し、前述のクラッチ切り換え装置に、摩擦板31aを保持器4から離脱させる方向へ操作部31を押圧する機能を備えさせてもよい。
上記の構成により、前進駆動時において、リアスプロケット7に駆動力が入力されると、遊星キャリア5c、遊星歯車5e、外輪歯車5d、ツーウェイクラッチ2(内輪2c、ローラ2a、外輪2b)、ハブケース12の順にトルクが伝達される。
また、前進非駆動時には、ブレーキ操作等により回転抵抗付与手段30が動作すれば、タイヤからの逆入力トルクを、ハブケース12、ツーウェイクラッチ2(外輪2b、ローラ2a、内輪2c)、外輪歯車5d、遊星歯車5e、遊星キャリア5c、リアスプロケット7の順に伝達することができる。
その前進非駆動時において、ツーウェイクラッチ2をロックした場合、例えば、太陽歯車5hを固定し、太陽歯車5hの歯数をa、外輪歯車5dの歯数をdとすると、外輪歯車5dから遊星キャリア5cへの減速比は(a+d)/dとなる。この減速比で、ハブケース12から、外輪歯車5d、遊星歯車5e、遊星キャリア5c、リアスプロケット7へと回転が伝達される。
すなわち、この実施形態の変速機構5は、前記遊星歯車5e及び遊星キャリア5cを入力部材、前記外輪歯車5dを出力部材、前記太陽歯車5f,5g,5hのいずれかを固定部材とし、前記太陽歯車5f,5g,5hのいずれかと、前記3段の遊星歯車5eとの噛み合わせにより、これらの歯数比が複数となるギアの組み合わせを備えた増速機の構成である。
この構成により、リアスプロケット7からの駆動力は増速されてタイヤに伝達される。また、タイヤからの逆入力トルクは減速され、リアスプロケット7からチェーン等の動力伝達要素を通してモータ軸に伝わり、回生充電が可能な状態となる。
また、この実施形態では、駆動力伝達用及び逆入力伝達用として機能するツーウェイクラッチ2は、ハブケース12内に設けられた回転抵抗付与手段30によって保持器4に回転抵抗が付与されて、その回転抵抗の付与により係合及び係合解除が制御されるから、すべての装置がハブケース12内に配置されて、外部の水や泥によってクラッチの保持器4が腐食したり、外部からの不要な入力により、保持器4に傷や変形を受けることがない。
なお、図示していないが、クランク軸とクランクスプロケットの間には、駆動力を伝達する方向にロックし、逆入力に対して空転するセンターワンウェイクラッチが設けられている。このため、逆入力によって、クランク軸やペダル等に対して駆動力が伝達されないようになっている。このセンターワンウェイクラッチとしては、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、ラチェットクラッチ等、周知のワンウェイクラッチを採用できる。
また、後進非駆動時(自転車を降りて、後方に引くような状況)では、絶対的な回転方向は逆となるが、リアスプロケット7とハブケース12との相対回転の関係は、前進駆動時と同じである。
(第二の実施形態)
この発明の第二の実施形態を図3に示す。この第二の実施形態は、変速機構5を、3段減速切り替えの遊星歯車機構で構成している。また、駆動力伝達用及び逆入力伝達用のツーウェイクラッチ2を、ハブケース12と遊星キャリア5c(内輪2cと一体に回転)との間のローラクラッチで構成している。
このツーウェイクラッチ2の構成として、ローラクラッチの他、スプラグクラッチ等、他の構成からなるツーウェイクラッチを採用することは差し支えない点は、第一の実施形態と同様である。
また、ハブケース12と車軸11との間には、その軸方向両端に軸受部13が設けられ、互いに相対回転可能に支持されている点も、第一の実施形態と同様である。
しかし、ここでは、第一の実施形態とは異なり、リアスプロケット7と一体に回転可能に設けられた外輪歯車5dと前記ハブケース12とが、軸受部14を介して相対回転可能となっている。この外輪歯車5dは、変速機構5の一部を構成する。
変速機構5は、前記各太陽歯車5f,5g,5hに対して噛み合う3段の歯車を有する遊星歯車5e、その遊星歯車5eを保持する前記遊星キャリア5c、及び前記遊星歯車5eに噛み合う前記外輪歯車5dとを備えている。
前記太陽歯車5f,5g,5hは、変速制御機構40によって、いずれか一つを選択的に車軸11に対して回転不能とすることにより変速することができる。なお、変速制御機構40の構成は、第一の実施形態と同様である。
なお、この実施形態では、前記ツーウェイクラッチ2の内輪2cが、前記変速機構5の前記遊星キャリア5cと一体に回転可能に設けられ、外輪2bが、前記ハブケース12の内径側に圧入固定されて設けられている。また、係合子は、その内輪2cと外輪2bとの間に配置された前記ローラ2aで構成されている。さらに、この実施形態では、前記遊星キャリア5cと前記内輪2cとは、一体の部材となっている。
リアスプロケット7に駆動力が入力されると、外輪歯車5d、遊星歯車5e、遊星キャリア5c、ツーウェイクラッチ2(内輪2c、ローラ2a、外輪2b)、ハブケース12の順にトルクが伝達される。
また、非駆動時において、回転抵抗付与手段30により保持器4に抵抗が与えられた場合、ツーウェイクラッチ2のローラ2aが溝2f内を、楔空間内の逆回転方向における楔の狭まる側へ移動して内輪2cと外輪2bとを結合しロックし、逆回転入力をリアスプロケット7へ伝達できるようになっている。
すなわち、ツーウェイクラッチ2は、リアスプロケット7に入力された前進方向のトルクをタイヤに伝達する機能を有するとともに、回転抵抗付与手段30により保持器4に抵抗が与えられた場合においては、後退方向のトルク(前進非駆動時の逆入力トルクを含む)をリアスプロケット7に伝達する機能を有するのである。
その他の主たる構成及び作用については、第一の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
(第三、第四の実施形態)
この発明の第三の実施形態を図4に、第四の実施形態を図5に示す。この第三の実施形態及び第四の実施形態は、変速機構5を及びツーウェイクラッチ2、変速制御機構40の主たる構成は、それぞれ、第一の実施形態、第二の実施形態と同様である。
第一の実施形態、第二の実施形態との差異点を中心に説明すると、図4に示す第三の実施形態では、駆動力伝達用及び逆入力伝達用のツーウェイクラッチ2の内輪2cと、変速機構5の外輪歯車5dとを別体で形成し、それらをギヤで噛み合わせることにより、一体に回転可能としている。また、図5に示す第四の実施形態では、駆動力伝達用及び逆入力伝達用のツーウェイクラッチ2の内輪2cと、変速機構5の遊星キャリア5cとを別体で形成し、それらをギヤで噛み合わせることにより、一体に回転可能としている。
第三、第四の各実施形態において、ツーウェイクラッチ2の内輪2cは、ハブケース12に対して、その内輪2cとハブケース12との間に配置した軸受部16によって相対回転可能に支持されている。
また、ツーウェイクラッチ2の係合子2a(ローラ等)を保持する保持器4は、その軸方向端部がハブケース12外に露出するように引き出されており、前記内輪2cとの間に配置した軸受部15によって、その内輪2cに対して相対回転可能に支持されている。
保持器4が、ハブケース12外に露出しているから、その保持器4に対して外力、すなわち回転抵抗を加わる回転抵抗付与手段30(前記摩擦部31a等)を、ハブケース12外に配置することができる。図4、図5に示す符号2gはシールであり、その図4、図5において、回転抵抗付与手段30が外部からの操作により、保持器4に接触、離反の動作が可能となっている。なお、その回転抵抗付与手段30を動作させるクラッチ切り換え手段の構成については、その回転抵抗付与手段30を保持器4に向かって径方向へ、又は軸方向へ移動させ、その移動により接触させる周知の動作手段を採用できる。前述の各実施形態と同様のものを採用してもよい。
なお、これらの実施形態では、保持器4に加えられる外力(回転抵抗)として、回転抵抗付与手段30の動作による、摩擦板と保持器4との摩擦抵抗を利用し、その摩擦抵抗の付与を運転者が行うブレーキ操作に連動させたが、その摩擦力の付与はブレーキ操作に限定されず、他の要素に連動させてもよい。例えば、摩擦抵抗の付与及びその解除を、運転者が行うブレーキ操作以外の専用の手動操作に連動させてもよい。
1 リアハブ
2 ツーウェイクラッチ
2a ローラ(係合子)
2b 外輪
2c 内輪
2e 弾性体
2f 溝
2g シール
4 保持器
4a 端面板部
4b 環状部
5 変速機構
5c 遊星キャリア
5d 外輪歯車
5e 遊星歯車
5f,5g,5h 太陽歯車
7 リアスプロケット
8 ハブフランジ
11 車軸
11a 孔部
12 ハブケース
13,14,15,16 軸受部
30 回転抵抗付与手段
31 操作部
31a 摩擦部(摩擦板)
32 弾性部材
33 係止部
40 変速制御機構
40a スナップキー
40b 操作軸
40c 弾性部材

Claims (14)

  1. 前輪と後輪とを結ぶフレームに二次電池及び補助駆動用のモータを取り付け、クランク軸から伝達された踏力又は前記モータの出力による駆動力を駆動輪に伝達可能とし、非駆動時には、前記駆動輪から前記モータの出力軸への逆入力により生じた回生電力を前記二次電池に還元する回生機構を備えた電動補助自転車において、
    前記駆動輪に設けたハブ(1)に変速機構(5)とツーウェイクラッチ(2)と回転抵抗付与手段(30)とを備え、前記変速機構(5)は、2段階以上に変速可能な遊星歯車機構によって構成され、駆動力及び逆入力の両者に対して、車軸(11)に対し太陽歯車(5f,5g,5h)の何れか一つを回転不能に他を回転可能に任意に切り替えることにより前記変速の切り替えを可能とする変速制御機構(40)を備え、前記踏力又は前記モータの出力による駆動力をスプロケット(7)を通じて前記駆動輪に伝達する機能を有し、前記ツーウェイクラッチ(2)は、前記踏力又は前記モータの出力による駆動時には係合してその駆動力を駆動輪に伝達し、非駆動時には、前記駆動輪からの逆入力を前記スプロケット(7)に伝達できる機能を有し、前記回転抵抗付与手段(30)は、前記ツーウェイクラッチ(2)の係合子(2a)を周方向に沿って保持する保持器(4)に対し、そのツーウェイクラッチ(2)の係合の際に必要となる回転抵抗を付与する機能を有することを特徴とする回生機構を備えた電動補助自転車。
  2. 前記回転抵抗付与手段(30)による前記保持器(4)に対する回転抵抗の付与が、ブレーキ操作と連動して行われることを特徴とする請求項1に記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  3. 前記回転抵抗付与手段(30)は、車軸(11)に対して軸方向へ進退自在の操作部(31)と、その操作部(31)と一体に進退可能に設けられた摩擦部(31a)とを備え、その操作部(31)が前記摩擦部(31a)とともに車軸(11)に対して軸方向一方へ相対移動することにより、前記摩擦部(31a)が保持器(4)に接触して前記回転抵抗が付与されることを特徴とする請求項1又は2に記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  4. 前記操作部(31)は、前記車軸(11)内に形成された軸方向に伸びる孔部(11a)に同軸に挿通されていることを特徴とする請求項3に記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  5. 前記摩擦部(31a)は、前記車軸(11)の外周面よりも外径側に立ち上がるフランジ状の部材であることを特徴とする請求項3又は4に記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  6. 前記保持器(4)は、前記係合子(2a)を保持するポケット部を周方向に沿って複数備える環状部(4b)と、その環状部(4b)から径方向へ立ち上がる端面板部(4a)とを備え、前記摩擦部(31a)は、前記端面板部(4a)に接触することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一つに記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  7. 前記ツーウェイクラッチ(2)の内輪(2c)と前記保持器(4)とは、軸受部(15)を介して相対回転可能に支持されており、その軸受部(15)は、前記保持器(4)を前記端面板部(4b)で支持していることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一つに記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  8. 前記ツーウェイクラッチ(2)が、係合子としてのローラ(2a)を、環状の保持器(4)によって周方向に保持したローラクラッチからなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  9. 前記ツーウェイクラッチ(2)が、係合子としてのスプラグを、環状の保持器(4)によって周方向に保持したスプラグクラッチからなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  10. 前記変速制御機構(40)は、スナップキー(40a)を備え、前記変速機構(5)の変速の切り替えを、前記車軸(11)内を通って外部からの操作で前記スナップキー(40a)を軸方向へ移動させることにより行い、前記スナップキー(40a)が前記太陽歯車(5f,5g,5h)の何れか一つに噛み合うことにより、駆動力及びタイヤからの逆入力の両者に対して、車軸(11)に対し前記太陽歯車(5f,5g,5h)の何れか一つを回転不能に他を回転可能に任意に切り替えることを特徴とする請求項1乃至9に記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  11. クランク軸とクランクスプロケットの間に、駆動輪に対して駆動力を伝達する方向にロックし、駆動輪からの逆入力に対して空転するセンタワンウェイクラッチを設けたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  12. 前記センタワンウェイクラッチが、ローラクラッチからなることを特徴とする請求項11に記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  13. 前記センタワンウェイクラッチが、スプラグクラッチからなることを特徴とする請求項11に記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
  14. 前記センタワンウェイクラッチが、ラチェットクラッチからなることを特徴とする請求項11に記載の回生機構を備えた電動補助自転車。
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