JP2010537139A - ブラインドファスナとその据え付け用のノーズアセンブリ - Google Patents
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Abstract
複数のワークピースを締結するためのブラインドファスナを開示する。ブラインドファスナは、いくつかの構成要素と、コアボルトと、本体スリーブ部材およびバックルスリーブ部材を備える。コアボルトは、据え付け工具におけるドライバのヘッドに係合するための工具係合部を備える。バックルスリーブ部材は、ワークピースをともに締結する膨出部を形成するように設計したバックル部分を有する。いくつかの実施形態においては、ブラインド側膨出部の形成を助長するため、バックル部分を局所的に焼鈍する。本体スリーブ部材のヘッドに対する整合回転防止係合部を有するノーズアセンブリもまた開示する。
Description
本出願は、2007年8月20日に出願した米国特許第11/841,822号の優先権を主張し、当該特許に言及するため本明細書に全体を組み込む。
複数の工作物を締結するためのブラインドファスナおよび関連する据え付け方法を開示する。より詳細には、コアボルト、本体スリーブ部材およびバックルスリーブ部材を備えるブラインドファスナを開示する。
ブラインドファスナは、一般的に、これがなければ複数個のワークピースのうちブラインド側における一つのワークピースに接近(アクセス)できないときに、ワークピースをともに締結するのに使用する。末端利用者(エンドユーザー)が接近可能なワークピースを接近可能側ワークピースと称し、末端利用者が接近(アクセス)できないワークピースをブラインド側ワークピースと称する。
ブラインドファスナは航空宇宙産業に広い用途がある。航空宇宙産業での用途においては、本発明によるブラインドファスナ組立体(アセンブリ)を使用して、アルミニウム合金、他の金属合金、複合材、またはそれらの任意な組み合わせにより形成したワークピースを締結することができる。
現在、多数のタイプのブラインドファスナが航空宇宙産業で使用されている。これらファスナのいくつかは、製造が非効率かつ高価である。さらに、航空宇宙産業で使用される製品には常に重量の制限がある。
したがって、より多様なタイプの材料に適合するブラインドファスナを得る必要がある。さらに、ブラインドファスナの製造の効率性および費用効率を増大させるブラインドファスナを得る必要がある。
本発明の一つの態様として、少なくとも接近可能側ワークピースおよびブラインド側ワークピースを有する複数のワークピースを締結するためのブラインドファスナアセンブリを開示する。コアボルト、本体スリーブ部材、およびバックルスリーブ部材により構成するブラインドファスナを開示する。
典型的態様においては、コアボルトは、円筒形のシャンク部分およびネジ付き部分を有する細長シャンクを備える。コアボルトの一方の端部には、円筒形のシャンク部分に隣接する拡大ヘッドを設ける。拡大ヘッドに隣接する工具係合部を、コアボルトに設け、拡大ヘッドと工具係合部との間をブレーク用の首溝で連結する。いくつかの典型的実施形態において、工具係合部は、据え付け工具の整合するスプライン付きドライバと係合するらせん状スプライン付きヘッドを備える。
他の態様においては、中空円筒の本体スリーブ部材はコアボルトの細長シャンク部分に嵌合するよう構成する。本体スリーブ部材は、据え付け工具のノーズと係合するよう構成した回転防止パターンを有する接近可能側端縁と、ブラインド側端縁とを備える。典型的実施形態においては、スリーブにおける回転防止パターンは、全体として円形パターン状に配列した複数の窪みを備える。
別の態様においては、バックルスリーブ部材は、その外方端部に雌ネジを、他方の端部にバックル部分を有する。平滑なスリーブ内面をバックル部分と雌ネジのネジ付き部分との間に延在させる。
別の態様においては、バックルスリーブ部材のバックル部分はブラインド側ワークピースに隣接して、ファスナのコアボルトに付与する回転力に応答して、複数のワークピースを締結するために、膨出部として変形する。別の態様においては、スリーブのバックル分を、膨出部形成を容易にするために、局所的に焼鈍する。
他の典型的実施形態においては、バックルスリーブ部材のバックル部分は、バックルスリーブ部材のネジ付き部分の厚さと比較して、減少した壁厚を有する。別の実施形態においては、バックルスリーブ部材の平滑部分は、より薄い壁厚のスリーブを得るために、ネジ付き部分から、膨出部形成を容易にするためにブラインド側ワークピースに隣接するスリーブ部分にかけて、段差を付ける。
別の態様においては、本体スリーブ部材は、バックルスリーブ部材と回転防止形状で連結する。典型的実施形態においては、本体スリーブ部材のブラインド側テーパ付き端部と係合するために、バックルスリーブ部材に、導入部分を設ける。ブラインド側テーパ付き端部はバックルスリーブ部材に対して、本体スリーブ部材が回転することを防ぐために、複数の刻み目を設けることができる。
別の態様においては、バックルスリーブ部材のバックル部分内に設けるナイロンインサートは、ブラインド側の膨出部形成を容易にするために役立つ。
別の態様においては、本体スリーブ部材およびバックルスリーブ部材を異なる材料で構成する。他の実施形態においては、本体スリーブ部材およびバックルスリーブ部材を同一材料で構成する。典型的実施形態においては、本体スリーブの材料をチタンとする。
他の態様では、バックルスリーブ部材の本体に配置した複数のディンプルは、バックルスリーブ部材の部分をコアボルトにロックする。
別の態様においては、ブラインドファスナと併用する据え付け工具のためのノーズアセンブリを開示する。ノーズアセンブリの一方の端部には、本体スリーブ部材と係合する整合回転係合部を設ける。ノーズアセンブリの他方の端部は、据え付け工具に取り付けるよう構成する。
据え付け工具は内部ボア内のドライバとし、ドライバの一方の端部は、内部ボアの一部に、コアボルト部材のスプライン付きヘッドに係合するように配置したスプラインを設けたものとして構成し、ドライバに係合するファスナに付与する相対回転力に応答して、バックルスリーブに対するコアボルトのネジ込みを容易にするようにし、ドライバの他方の端部は据え付け工具に取り付けるよう構成し、ドライバをノーズアセンブリの内部ボア内に配置し、ノーズアセンブリに対して内部ボア内で回転可能に移動できるようにする。
典型的実施形態においては、複合ノーズアセンブリは、据え付け工具の作動中に窪みから外れることなく、本体スリーブ部材を保持する整合回転係合部を有する。
本開示の他の目的、特徴、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲により明らかとなるであろう。
本発明の上述の態様および利点は、添付図面につき行う以下の詳細な説明を参照することで、明らかになり理解されるであろう。
接近可能側ワークピースおよびブラインド側ワークピースを有する複数のワークピースを固定するためのブラインドファスナ10を開示する。ブラインドファスナ10は少なくともコアボルト12、本体スリーブ部材14およびバックルスリーブ部材16を備える。
ファスナ10のコアボルト12は、互いに固定すべき接近可能側ワークピース24およびブラインド側ワークピース26の1対のワークピースにおける互いに整列する開口20および22に貫通する細長シャンク18を有する。細長シャンクは平滑部分32およびシャンクの一方の端におけるネジ付き部分28を有する。シャンク18のネジ付き部分28は、このネジ付き部分28に隣接するシャンク18の平滑部分32の直径と同様な直径を有する。コアボルト12には、平滑部分32に隣接するヘッド34を設ける。
様々な構成をコアボルト12のヘッド34に用いることができる。図4に示すように、コアボルトのヘッドはテーパ付き部分および突出ヘッドを有する。他の実施形態においては、ヘッド34は截頭円錐形状とし、また本体スリーブ14のヘッドの皿穴内に埋没させる。
ヘッド34に隣接して、コアボルト12の一部を形成する工具係合部分38を設け、この工具係合部分38はスプラインまたはネジ40を有し、据え付け工具に取り付ける適切なドライバが係合できるようにする。ヘッド34と工具係合部分38との間にブレーク用の首溝41を設け、この首溝41は、コアボルト12の最も脆弱な部分を画定し、据え付け中にファスナ10のヘッド38に加える回転力に応答する、ねじり剪断により破断するよう構成する。したがって、コアボルト12は、ファスナ10の据え付け後に接近可能側ワークピースに対して同一平面を付与する。
典型的な実施形態においては、本体スリーブ部材14は平滑な外面を有する円筒形状であり、ワークピース24および26における整列した孔に対して僅かなクリアランスを有して嵌合する。本体スリーブ部材14はコアボルト12を収容する軸線方向貫通孔を有する。本体スリーブ部材14の一方の端部にヘッド48を設け、他方の端部にはテーパ付きのブラインド側端部42を設け、このブラインド側端部42は刻み目付き外面44を有する。本体スリーブ部材14の刻み目付き外面44はバックルスリーブ部材16との接触を維持し、また据え付け中における共回りを防ぐ。
本体スリーブ部材14のヘッド部分の外側端部には、据え付け工具のノーズ58の対応する回転防止係合パターン部分を収容可能に構成して配置した回転防止パターン54を設ける。回転防止係合パターン部分54は据え付け工具のノーズにおける対応する回転防止パターンと相互作用して係合して、ブラインドファスナ10の据え付け中における本体スリーブ部材14の回転を防ぐ。
本体スリーブ部材14の外側端部に、環状であり外方に対面する着座部36を設け、この着座部はコアボルト12のヘッド34を収容するよう構成する。図示の特別な構成においては、ヘッド34は截頭円錐形状であり、着座部36は補完形状の皿穴にし、これによりコアボルト12のヘッドがスリーブ14の皿穴内に埋没する。着座部36は、コアボルトの突出ヘッドに整合する円筒状部分、およびコアボルト12のヘッドにおけるテーパ付き部分に整合するテーパ付き部分98としてテーパを付けたポケット窪み96を有する。ボルトおよびスリーブ用に他の従来のヘッドタイプも使用することができる。
バックルスリーブ部材16には、雌ネジのネジ付き部分30をバックルスリーブ部材16の外方またはブラインド側の端部に設け、このネジ付き部分30は、コアボルト12のネジ付き部分28にネジ係合するよう構成する。ネジ付き部分30に隣接して内面平滑部分17を設け、この内面平滑部分17はバックルスリーブ部材16の端部の導入テーパ部まで延在する。ネジ付き部分30は、バックルスリーブ部材16の内部平滑部分17よりも大きな厚みを有する。一つの典型的な実施形態においては、平滑部分の厚さ部分にはブラインド側ワークピース26の外側面に隣接する位置50に段差部48を設け、バックルスリーブ部材16のためのバックル部分を生ずる。このような位置50に、バックルスリーブ部材16のバックル部分の壁厚は、スリーブ部材14の導入テーパ部分23に達するまではほぼ一定に維持する。
バックルスリーブ部材16のバックル部分44は局所的に焼鈍(アニール)することで、膨出部52の形成を容易にする。バックルスリーブ部材16のバックル部分44を加熱処理し、これによりその区域における強度および硬度を低下させる材料の構造変化を生ずる。典型的実施形態においては、バックルスリーブ部材14のバックル部分44を、誘導加熱により局所的に焼鈍し、この焼鈍は、バックル部分を加熱コイル内に約3分間配置することり行う。強度が低下した結果として、バックルスリーブ部材16のバックル部分44は、据え付け中に膨出部52として変形する。
他の実施形態においては、バックルスリーブ部材16を完全に焼鈍する。この実施形態においては、バックルスリーブ部材16に長いネジ付き部分を設け、これにより焼鈍過程により生ずるネジ付き部分の強度低下を補償する。
他の典型的実施形態では、薄い壁厚を有する段差付きのバックル部分48は、ファスナ10のグリップ範囲のほぼ全体にわたりブラインド側ワークピース26に対して、膨出部52の形成を容易にする。他の実施形態においては、バックルスリーブ部材16のバックル部分44は、バックルスリーブ部材16の平滑部分17の厚みと比較して、減少した壁面厚さを有する。
典型的実施形態においては、ナイロンインサート90をバックルスリーブ部材16のバックル部分44に挿入する。典型的実施形態においては、ナイロンインサート90はブラインド側膨出部52の形成開始を容易にするのに役立つ。
バックルスリーブ部材16は、バックルスリーブ部材のヘッドに導入部分23をさらに備えることができる。本体スリーブ部材14の刻み目付き部分44は、本体スリーブ部材をバックルスリーブ部材に接続するために導入部分23と係合する。
一つの典型的実施形態においては、本体スリーブ部材14のヘッドにある回転防止係合パターン54は、スリーブのヘッドに形成した複数の窪みを備える。好適には、窪み55はブラインド側ワークピースに向かって後方に傾斜させ、比較的浅くする。くぼみ55の比較的浅い構造は、先行技術のブラインドファスナで使用される深い窪みのように、本発明のスリーブ14を著しく脆弱化するものではない。複数の窪み55を、スリーブ14のヘッド42に、ほぼ円形に配列する。円形配列は十字窪みを用いることによりヘッド42を脆弱化しないという点で、円形配列は特に有利である。代替案として、窪み55は任意の構造で形成することができ、この場合、スリーブ14のヘッド42が整合する回転防止係合部56とに係合できるようにする。例えば、窪み55は、ノーズ58の整合回転防止係合部56が整合構成を有する限り、六角形、四角形、プラス穴構造またはマイナス穴構造の配向とすることができる。
他の実施形態において、本体スリーブ部材14のヘッドに形成した複数の突起57を、工具60のノーズにおける複数の窪みと係合するようにする。他の実施形態においては、1組の傾斜平面59の半径方向セットを、本体スリーブ部材の回転を防止するために使用することができる。さらに他の実施形態においては、本体スリーブ部材14のヘッドにおけるパターンは、摩擦を生ずるスターバースト状または点描状のパターンとすることができる。ブラインドファスナの据え付け中、本体スリーブ部材14の回転を防止するために据え付け工具60のノーズ上における対応する回転防止要素と相互作用して係合する任意の摩擦回転防止パターン54を使用することができる。
図示のように、ブラインドファスナ10はせん断面区域内にネジ付き部分を持たず、当該区域は、少なくとも接近可能側ワークピースおよびブラインド側ワークピースを有する複数のワークピース24,26にわたる区域を構成する。したがって、完全なせん断強度を持つ構造のブラインドファスナ10を生じ、あたかも中実ファスナであるかのように、より強固なファスナを得る。さらに、このブラインドファスナは高いレベルの予負荷を生ずる。
ファスナを据え付けるために、ブラインドファスナ10はまず組み立てなければならない。次に、コアボルトをバックルスリーブ部材16のネジ付き部分にネジ係合させる。据え付けるファスナを準備するために、つぎに、バックルスリーブ部材16の本体にディンプル(凹み)を付け、このディンプルは、バックルスリーブ部材16の本体外面における小さい部分に、コアボルト12に向かうよう物理的に変形させる。ディンプル81は、バックルスリーブ部材16のごく一部の材料を、コアボルト12に向けて変位させ、据え付け後の振動による緩みを防止するために十分な係合を生ずる。典型的実施形態においては、ディンプル81はバックルスリーブの外面上であって、コアボルト12とネジ係合する部分に隣接する位置でバックルスリーブ部材16に設ける。
この組み立てたファスナ10を使用して、複数のワークピース24および26を固定する。ファスナ10をワークピース24および26における互いに整列する開口20および22に挿入し、この場合、スリーブ14のヘッド42が接近可能側ワークピース24の外面に着座し、またスリーブ14のネジ付き部分の一部がワークピース26から外方に突出し、かつブラインド側ワークピース26の外面に隣接する。
ノーズアセンブリ60を有する回転式据え付け工具を使用して、ファスナ10を据え付ける。コアボルト12のスプラインまたはネジ40は、ドライバ62の補完的なスプラインまたはネジ72に係合する。工具を作動させる際に、ドライバ62はノーズ58のボア68内で回転駆動され、一方ノーズ58はドライバ62に対して静止状態に保持する。コアボルト12とノーズアセンブリ60との間のスプライン接続により、工具の作動中にノーズアセンブリをファスナ10方向に引っ張り、整合する回転防止係合部56と窪み54との適切な連結を確かにし、またファスナ10の膨出部52を効率的に形成するようコアボルト12に回転トルクを加える。ヘッド38の軸線方向への相対移動により、スプラインを持たないドライバ62の内部ボア70内へエジェクタ64を押し込み、図7に示すようにばね66を圧縮する。コアボルト12に回転トルクを加えて、相対的な軸線方向力を据え付け工具が作動する間ノーズアセンブリに加えるとき、ノーズ58の整合回転防止係合部56はスリーブ14の回転防止係合パターン54と係合して、スリーブ14がノーズ58に対して回転するのを防止する、すなわちノーズ58を回転駆動するドライバ62に対して静止状態に保持する。さらに、ブラインド側ワークピース26に向けて整合回転防止係合部56およびノーズ58を押し付けることにより、ファスナ10の据え付け中に、回転防止係合部54のカム作用からノーズ58が外れることを防止する。
据え付け工具がコアボルト12を回転し、本体スリーブ部材14およびバックルスリーブ部材16を固定するが、ノーズ58の整合回転防止係合部56によりスリーブ14のヘッド42が磨耗したり傷がついたりしないことは重要である。ファスナ10を据え付ける間の摩擦接合を維持する係合のおかげで、本体スリーブ部材14のノーズ58に対するスリップは起こらない。このことはカム作用のために本体スリーブ部材14とノーズ58の間に、着実および予測可能な結果を得て、スリップを生じない。
据え付け工具により加える据え付け負荷は、コアボルト12をバックルスリーブ部材に一層ネジ込み、同時にバックルスリーブ部材のネジ付き部部分30と比較して壁厚さが減少したバックルスリーブ部材16の部分を変形し、ブラインド側ワークピース26の外面に隣接して図7に示すような膨出部52を形成する。膨出部52を完全に形成したとき、コアボルトのこれ以上の回転をやめる。典型的実施形態においては、ブラインド側膨出部はシャンク直径より1.5倍大きい直径を有する。ナイロンインサート90もまた膨出部52の一部となる。
この時点で、コアボルト12にねじり荷重を生じ、ブレーク用の首溝41がねじり剪断により破断し、図6に示すようにヘッド38を切り離す。この時点で、バネ66はエジェクタ64に対して力を加えて、ノーズアセンブリ60から切り離したヘッド38を押し出す。第1直径部78は、スプライン72に配置する内部ボア70よりも大きい直径を有して、ファスナ10を据え付けた後もエジェクタ64は内部ボア内にとどまる。図6に示すように、ヘッド38はヘッド42になんら損傷を与えることなく、コアボルト12から切り離す。
据え付け工具は、5°のカッタ角度および尖鋭部87を有する首折カッタを使用する。カッタの尖鋭部87は、破断面を生ずる。従来は、ラジアスカッタをカッタとして使用して、0.005〜0.020インチの高さの破断表面を形成する。対照的に、本発明の据え付け工具によれば、コアボルト12の残部は本体スリーブ部材14のヘッド42の外面とほぼ同一平面をなす。
本発明のブラインドファスナおよび据え付け工具は、適合性がよく、極めてユーザーフレンドリな(ユーザが扱い易い)据え付け工具システムである。ノーズおよび本体スリーブ部材は回転方向の工具調整を必要とせず、工具のカムの外れ、およびこれに関連する誤動作がなく、自動的に確実な工具係合を生ずるよう作用する。手動の据え付けに加えて、ロボットフレンドリな(ロボットが扱い易い)締結システムを使用して、ファスナを据え付けることができる。
複数の構成要素を有するファスナを設けることにより、ファスナはより多用途向けに使用できる。個々の構成要素のための材料は異なる材料であってよい。このことはファスナをより多用途向けにし、複合材料、チタンおよび他の材料を含む異なる材質のワークピースにも適用可能である。
いくつかの実施形態では、コアボルトをチタンにより構成することができ、本体スリーブ部材およびバックルスリーブ部材をA−286ニッケル合金により構成することができる。さらに他の実施形態においては、ファスナのバックルスリーブ部材を市販の純チタンで構成することができる。この実施形態においては、市販の純チタンの使用によって、より大きな膨出部直径を生ずる。さらに他の典型的実施形態においては、ブラインドファスナはすべてをチタンで構成することができる。チタンを使用してファスナ全体を製造することは、ファスナをより軽量にして、航空宇宙産業で広く使用することができる。
上述の説明は多くの特別な実施例を含んでいるが、本発明の範囲を制限するもではなく、むしろ実施形態の実施例としてみなすべきである。本明細書に記載したブラインドファスナおよび使用法は、開示した異なる種類または実施形態の任意の組み合わせを含む。したがって、本発明の範囲を上記の説明によりなんら制限する意図はない。特許請求の範囲における様々な要素および特許請求の範囲自体は、請求項を含む本発明の手順に従って、任意の組み合わせを複合することができる。
Claims (42)
- 少なくとも接近可能側ワークピースおよびブラインド側ワークピースを有する複数のワークピースを締結するため、
細長シャンクを有するコアボルトであって、前記細長シャンクは円筒形のシャンク部分およびネジ付き部分を有し、前記コアボルトは、平滑な前記シャンク部分に隣接する拡大ヘッドおよび前記拡大ヘッドに隣接する工具係合部を有し、前記拡大ヘッドと前記工具係合部との間にブレーク用の首溝を設けた、該コアボルトと、
前記コアボルトの細長シャンク部分に嵌合するよう構成した中空の本体スリーブ部材であって、据え付け工具のノーズと係合するための回転防止係合部である接近可能側端部を有し、またブラインド側テーパ付き端縁を有する、該前記本体スリーブ部材と、
一方の端部にバックル部分を有し、他方の端部に雌ネジのネジ付き部分を有するバックルスリーブ部材であって、前記バックル部分を局所的に焼鈍した、該バックルスリーブ部材と、
を備えるブラインドファスナアセンブリであって、
前記コアボルトの雄ネジのネジ付き部分が前記バックルスリーブの雌ネジに係合し、これにより、据え付け中のコアボルトの回転に応答し、ブラインド側ワークピースに隣接してブラインド側膨出部を形成する、
ブラインドファスナアセンブリ。 - 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、さらに、前記本体スリーブ部材のブラインド側テーパ付き端部に係合するよう、前記バックルスリーブ部材に導入部分を備えた、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、さらに、前記ブラインド側膨出部の形成を開始する目的のため、前記バックル部分内にナイロンインサートを備えた、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記本体スリーブ部材および前記バックルスリーブ部材を互いに異なる材料で構成した、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記本体スリーブ部材および前記バックルスリーブ部材を同一の材料で構成した、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項4に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記材料をチタンとした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記バックルスリーブ部材のバックル部分は、前記バックルスリーブ部材のネジ付き部分に比べてより減少した壁厚を有する構成とした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記バックルスリーブ部材の前記バックル部分を、膨出部形成を容易にするため局所的に焼鈍した、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記バックルスリーブ部材の前記平滑部分は、前記ブラインド側膨出部の形成を容易にするため減少した壁厚を得るために段差付き形状とした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記ブラインド側テーパ付き端部には、前記本体スリーブ部材に対する前記バックルスリーブ部材の回転を防止するために複数の刻み目を設けた、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、さらに、前記バックルスリーブ部材のネジ付き区域に複数のディンプルを備えて、これらディンプルにより、前記バックルスリーブ部材のネジと前記コアボルトのネジとの間に摩擦ロックを生じて、使用中の分解を防止するようにした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記コアボルトの工具係合部は、据え付け工具のスプライン付きドライバと係合するためのらせん状スプラインヘッドを有する構成とした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記スリーブにおける前記回転防止係合部は、全体として円形パターンに配列した複数の窪みを備える、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記スリーブにおける前記回転防止係合部は、全体として円形パターンに配列した複数の突起を備える、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記スリーブにおける前記回転防止係合部は、全体として円形パターンに配列した点描状のパターンを備える、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアアセンブリであって、前記スリーブにおける前記回転防止係合部は、全体として円形パターンに配列したスターバースト状のパターンを備える、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記ブレーク用の首溝は、スプライン付きドライバに取り付けた前記据え付け工具の作動中に、前記コアボルト部材のネジを前記スリーブのネジにネジ込むのを容易にするよう、前記スプライン付きドライバを前記スプライン付きヘッドに係合させた状態で前記ファスナに加える相対回転力に応答して、ねじれ剪断で破断するよう構成した、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記ブラインド側膨出部はシャンク直径よりも約1.5倍大きい直径を有する、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、ネジ山がない平面剪断区域で、完全な剪断強度能力を有する、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記据え付け工具は、5°のカッタ角度を有するブレーク用首カッタを使用する、ブラインドファスナアセンブリ。
- 少なくとも接近可能側ワークピースおよびブラインド側ワークピースを有する複数のワークピースを締結するため、
細長シャンクを有するコアボルトであって、前記細長シャンクは円筒形のシャンク部分およびネジ付き部分を有し、前記コアボルトは、平滑な前記シャンク部分に隣接する拡大ヘッドおよび前記拡大ヘッドに隣接する工具係合部を有し、前記拡大ヘッドと前記工具係合部との間にフレーム用の首溝を設けた、該コアボルトと、
前記コアボルトの細長シャンク部分に嵌合するよう構成した中空の本体スリーブ部材であって、据え付け工具のノーズと係合するための回転防止係合部である接近可能側端部を有し、またブラインド側テーパ付き端縁を有する、該本体スリーブ部材と、
一方の端部にバックル部分を有し、他方の端部に雌ネジのネジ付き部分を有するバックルスリーブ部材であって、前記バックルスリーブ部材全体を完全に焼鈍して、長いネジ付き部分を有する、該バックルスリーブ部材と、
を備えるブラインドファスナアセンブリであって、
前記コアボルトの雄ネジのネジ付き部分が前記バックルスリーブの雌ネジに係合し、これにより、据え付け中のコアボルトの回転に応答し、ブラインド側ワークピースに隣接してブラインド側膨出部を形成する、
ブラインドファスナアセンブリ。 - 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、さらに、前記本体スリーブ部材のブラインド側テーパ付き端部に係合するよう、前記バックルスリーブ部材に導入部分を備えた、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、さらに、前記ブラインド側膨出部の形成を開始する目的のため、前記バックル部分内にナイロンインサートを備えた、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記本体スリーブ部材および前記バックルスリーブ部材を互いに異なる材料で構成した、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記本体スリーブ部材および前記バックルスリーブ部材を同一の材料で構成した、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項25に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記材料をチタンとした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記バックルスリーブ部材のバックル部分は、前記バックルスリーブ部材のネジ付き部分に比べてより減少した壁厚を有する構成とした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記バックルスリーブ部材の前記バックル部分を、膨出部形成を容易にするために局所的に焼鈍した、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記バックルスリーブ部材の前記平滑部分は、前記ブラインド側膨出部の形成を容易にするため減少した壁厚を得るために段差付き形状とした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項1に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記ブラインド側テーパ付き端部には、前記本体スリーブ部材に対する前記バックルスリーブ部材の回転を防止するために複数の刻み目を設けた、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、さらに、前記バックルスリーブ部材のネジ付き区域に複数のディンプルを備えて、これらディンプルにより、前記バックルスリーブ部材のネジと前記コアボルトのネジとの間に摩擦ロックを生じて、使用中の分解を防止するようにした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記コアボルトの工具係合部は、据え付け工具のスプライン付きドライバと係合するためのらせん状スプラインヘッドを有する構成とした、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記スリーブにおける前記回転防止係合部は、全体として円形パターンに配列した複数の窪みを備える、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記スリーブにおける前記回転防止係合部は、全体として円形パターンに配列した複数の突起を備える、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記スリーブにおける前記回転防止係合部は、全体として円形パターンに配列した点描状のパターンを備える、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記スリーブにおける前記回転防止係合部は、全体として円形パターンに配列したスターバースト状のパターンを備える、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記ブレーク用の首溝は、前記スプラインドライバに取り付けた前記据え付け工具の作動中に、前記コアボルト部材のネジを前記スリーブのネジにネジ込むのを容易にするよう、前記スプライン付きドライバを前記スプラインヘッドに係合させた状態で前記ファスナに加える相対回転力に応答して、ねじれ剪断で破断するよう構成した、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記ブラインド側膨出部はシャンク直径よりも約1.5倍大きい直径を有する、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、ネジ山がない平面剪断区域で、完全な剪断強度能力を有する、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記据え付け工具は、5°のカッタ角度を有するブレーク用首カッタを使用する、ブラインドファスナアセンブリ。
- 請求項21に記載のブラインドファスナアセンブリであって、前記バックルスリーブ部材全体を完全に焼鈍して、より長いネジ付き部分を有する、ブラインドファスナアセンブリ。
- 少なくとも接近可能側ワークピースおよびブラインド側ワークピースを有する複数のワークピースを締結するための据え付け工具に固定したノーズアセンブリと組み合わせて使用するブラインドファスナであって、前記組み合わせは、
コアボルトを有する前記ブラインドファスナであって、前記コアボルトは細長シャンクを有し、前記細長シャンクは円筒形のシャンク部分およびネジ付き部分を有し、前記コアボルトは、平滑な前記シャンク部分に隣接する拡大ヘッドおよび前記拡大ヘッドに隣接する工具係合部を有し、前記拡大ヘッドと前記工具係合部との間にブレーク用の首溝を設けた、該コアボルトと、
前記コアボルトの細長シャンク部分に嵌合するよう構成した円筒形の本体スリーブ部材であって、据え付け工具のノーズと係合するための回転防止係合部である接近可能側端部を有し、ブラインド側テーパ付き端縁を有する、該本体スリーブ部材と、
一方の端部にバックル部分を有し、他方の端部に雌ネジのネジ付き部分を有するバックルスリーブ部材であって、前記バックル部分を局所的に焼鈍した、該バックルスリーブ部材と、
を有し、
前記コアボルトの雄ネジのネジ付き部分が前記バックルスリーブの雌ネジのネジ付き部分に係合し、これにより、据え付け中のコアボルトの回転に応答し、ブラインド側ワークピースに隣接してブラインド側膨出部を形成するよう構成し、
前記ノーズアセンブリは、内部ボアを有し、前記ノーズアセンブリの一方の端部には前記本体スリーブ部材に配置した回転係合部と係合する整合回転係合部を設け、前記ノーズアセンブリの他方の端部は据え付け工具に取り付けるよう構成し、
そして、内部ボアを有するドライバを設け、前記ドライバの一方の端部は内部ボア内に配置したスプラインを有し、前記スプラインは、前記コアボルトのスプライン付きヘッドに係合して、前記ドライバにより前記ファスナに加える相対回転力に応答して前記コアボルトを前記バックルスリーブにネジ込むことを容易にするよう構成し、また前記ドライバの他方の端部は前記据え付け工具に取り付けるよう構成し、前記ドライバを前記ノーズアセンブリの内部ボア内に配置し、かつ前記ノーズアセンブリに対して前記内部ボア内回転可能に移動できるようにし、
前記整合回転係合部は窪みから外れることなく、前記スリーブ部材を前記据え付け工具の作動中保持する、ブラインドファスナ。
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