JP2010536576A - 短パルスレーザを用いた固体材料切断方法およびシステム - Google Patents

短パルスレーザを用いた固体材料切断方法およびシステム Download PDF

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Abstract

パルスレーザを用いて固体材料を切断する方法であって、パルスレーザビームを提供する工程、固体材料内の目標地点を選択する工程、固体材料内の目標地点でパルスレーザビームが少なくとも固体材料を削磨するのに必要な最小エネルギー密度を有しているように、パルスレーザビームを固体材料上で集束させる工程、および、パルスレーザビームが第1経路をトレースして固体材料に第1スクライブ線を形成しその後第2経路をトレースして固体材料に第2スクライブ線を形成するように、パルスレーザビームに、固体材料に対する相対運動を生じさせる工程、を含み、第1経路および第2経路が実質的に平行であり、かつ第1および第2スクライブ線が重複して固体材料に単一切断線を形成する。

Description

関連出願の説明
本出願は、参照することにより本書に引用する、2007年8月15日に出願された米国特許出願第11/893,185号明細書の優先権の利益を主張するものである。
本発明は一般に、大きなバンドギャップを有する、および/または透明である固体材料のレーザ加工に関する。本書で使用される「透明な」という用語は、その固体材料が任意の周波数の電磁放射に対して透過であることを意味するものであり、この周波数は可視領域内でもよいし、可視領域内でなくてもよい。
バンドギャップが大きいおよび/または透明な固体材料を精密に切断することは、特に所望の切断が高アスペクト比を有する、および/または曲線である場合には難しい課題となり得る。スクライブ・ブレーク技術を用いて固体材料に線形の切断部を形成することはできるが、精度の高いものではない。結晶性材料の場合には、スクライブ・ブレーク技術は材料の一結晶面に沿った切断に限定される。任意の曲線での切断は、一般にスクライブ・ブレーク技術では不可能である。レーザ切断技術を用いると、固体材料に線形および曲線の切断部を高精密に形成することができる。しかしながら、レーザを用いて、バンドギャップが大きいおよび/または透明な固体材料に高アスペクト比で切断部を形成するには課題がある。
バンドギャップが大きいおよび/または透明な固体材料のアブレーションにレーザを用いるときには、典型的には、アブレーション閾値に達し材料を除去するのに必要なエネルギー密度を得るために、レーザビームを強く集束させることが必要である。この強く集束されたレーザビームは、材料に薄いスクライブ線を生じさせる。高アスペクト比を有する切断には、所望の深度に達するために引続きレーザビームをスクライブ線に沿って複数回通過させることが必要となるであろう。強く集束されたレーザビームが材料のより深い位置に進められると、レーザビームは切断部の両側面に沿った材料の一部を通って集束し始める。結果として、切断部の両側面に沿った材料により、ビーム焦点に収差および歪曲が生じる。深度がいくらか進むと、ビーム焦点は材料を除去するほどの強度ではなくなる可能性がある。ゆるく集束されたビームを用いることによりビームの収差を解決することは可能であるが、ゆるく集束されたビームは、アブレーション閾値を解決して材料を除去するのに必要なエネルギー密度を有していない可能性がある。高エネルギー密度のレーザビームを用いれば、ビームの収差および歪曲にもかかわらず恐らくアブレーションは達成されるであろうが、除去を所望していない領域もアブレーションされることになる可能性がある。
一態様において、本発明は、パルスレーザを用いて固体材料を切断する方法に関し、パルスレーザビームを提供する工程、固体材料内の目標地点を選択する工程、固体材料内の目標地点でパルスレーザビームが少なくとも固体材料を削磨するのに必要な最小エネルギー密度を有しているように、パルスレーザビームを固体材料上で集束させる工程、および、パルスレーザビームが第1経路をトレースして固体材料に第1スクライブ線を形成しその後第2経路をトレースして固体材料に第2スクライブ線を形成するように、パルスレーザビームに、固体材料に対する相対運動を生じさせる工程、を含み、この第1経路および第2経路が実質的に平行であり、かつ第1および第2スクライブ線が部分的にまたは完全に重複して固体材料に単一切断線を形成することを特徴とする。
この方法は、固体材料内のより深い位置に目標地点を移動させる工程、およびパルスレーザビームを集束しかつパルスレーザビームに相対運動を生じさせて単一切断線を深くすることを繰り返す工程、をさらに含んでもよい。この方法は、単一切断線が固体材料内で所望の深度に達するまで、目標地点を移動させ、パルスレーザビームを集束し、かつパルスレーザビームに相対運動を生じさせること、を繰り返す工程を含んでもよい。所望の深度は、固体材料の厚さと等しくてもよい。一実施の形態では、所望の深度は200μmより大きい。一実施の形態では、単一切断線の切り口幅に対する所望の深度の比率は5以上である。
一実施の形態では、パルスレーザビームによってトレースされる実質的に平行な経路は線形である。別の実施の形態では、パルスレーザビームによってトレースされる実質的に平行な経路は曲線である。
一実施の形態において、パルスレーザビームのパルス持続時間は、10フェムト秒から200ピコ秒の範囲である。
一実施の形態において、固体材料はバンドギャップが大きい材料である。別の実施の形態において、固体材料は透明材料である。
別の態様において、本発明は固体材料を切断するシステムに関し、パルスレーザビームを生成するレーザ素子、固体材料をその上に取り付ける支持材、およびパルスレーザビームが第1経路をトレースして固体材料に第1スクライブ線を形成しその後第2経路をトレースして固体材料に第2スクライブ線を形成するように、パルスレーザビームに、固体材料に対する相対運動を生じさせる機構、を備え、この第1経路および第2経路が実質的に平行であり、かつ第1および第2スクライブ線が部分的にまたは完全に重複して固体材料に単一切断線を形成することを特徴とする。
このシステムは、固体材料内の目標地点でパルスレーザビームが少なくとも固体材料を削磨するのに必要な最小エネルギー密度を有しているように、パルスレーザビームを集束させる光学系を含んでもよい。
このシステムは、固体材料に対する相対運動をパルスレーザビームに生じさせる機構の運転を制御する制御装置を含んでもよい。
パルスレーザビームは、10フェムト秒から200ピコ秒の範囲の持続時間を有するパルスを生成することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、以下の説明および添付の請求項から明らかになるであろう。
以下で説明される添付の図面は本発明の典型的な実施形態を示すものであるが、本発明はその他の同等の有効な実施形態を許容し得るものであるから、これらは本発明の範囲を制限するものであると考えるべきではない。形状は必ずしも測定されたものではなく、明瞭かつ簡潔にするため、形状のある特徴やある見え方は縮尺上または概略的に誇張して示されている可能性がある。
パルスレーザビームを用いて固体材料を切断するシステムを示す概略図 2つの実質的に平行な経路をパルスレーザビームでトレースすることにより固体材料を切断する方法を示す図 2つの実質的に平行な経路をパルスレーザビームでトレースすることにより固体材料を切断する方法を示す図 図2A〜2Bに示した方法に従って形成された単一切断線を有する固体材料を示す斜視図 2つの曲線経路をパルスレーザビームでトレースすることにより固体材料を切断する方法を示す図 図2A〜2Bに示した方法に従って固体材料に形成される単一切断線を深くする工程を示す図 図2A〜2Bに示した方法に従って固体材料に形成される単一切断線を深くする工程を示す図
ここで本発明に関し、添付の図面に示すいくつかの好ましい実施の形態を参照して詳細に説明する。好ましい実施の形態の説明では、本発明を十分に理解することができるように多数の具体的詳細について説明する。しかしながら、当業者には明らかであろうが、本発明はこういった具体的詳細のいくつかあるいは全てを含まずに実施することも可能である。この他、本発明を不必要に不明瞭にすることがないように、既知の特徴および/または処理工程については詳細な説明を行わなかった。なお、共通または類似の要素を識別するために同様または同一の参照符号を用いている。
図1は、集束されたパルスレーザビーム103を用いて固体材料102を切断する例示的なシステム100を示している。一実施の形態では、固体材料102は、バンドギャップが大きい材料、透明材料、およびバンドギャップが大きい透明材料の中から選択される。バンドギャップが大きいおよび/または透明な材料は、結晶、半導体、ガラス、セラミック、有機物、およびプラスチックから選択してもよい。また、固体材料102は金属でもよい。固体材料102は、単一材料からなるものでもよいし、または、全体でバンドギャップが大きいおよび/または透明な材料となって機能する複数材料からなるものでもよい。固体材料102として使用することができるバンドギャップが大きいおよび/または透明な材料の例としては、例えば、サファイア(Al)、ダイアモンド、窒化ガリウム、炭化ケイ素、セレン化亜鉛、シリコン、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、サファイア基板上窒化ガリウム、およびガラス(例えば、溶融石英すなわち溶融シリカ)が挙げられる。
システム100は、その上に固体材料102が取り付けられる支持材104を含む。支持材104は、固体材料102に並進運動を与えるように配置された1次元、2次元、または3次元の並進台106を備えてもよく、これにより固体材料102を集束されたパルスレーザビーム103に対して動かすことができる。並進台106は、手動で操作してもよいし、または制御装置107からの命令を受けてもよい。制御装置107を用いる場合には、この制御装置は必要に応じて並進台106と通信するために必要な処理回路を含む。
支持材104の上方に、すなわち支持材104と相対する関係で、レーザアセンブリ108が取り付けられる。レーザアセンブリ108は、パルスレーザビームを発生するレーザ素子110と、パルスレーザビームを固体材料102の表面114上、その上方、またはその下方で集束させる光学系112とを含む。光学系112は、独立ユニットでもよいし、レーザ素子110と一体化したものでもよい。光学系112は、当技術において既知であるような、ビームを集束させるための1以上のレンズおよび/またはその他の光学素子を含んでもよい。レーザ素子110は、短パルスレーザ素子であることが好ましい。一実施の形態において、短パルスレーザ素子は、ピコ秒(10-12s)および/またはフェムト秒(10-15s)体制の持続時間を有するレーザパルスを提供する超短パルスレーザ素子である。一実施の形態において、超短パルスレーザ素子は、10フェムト秒(fs)から200ピコ秒(ps)の範囲のパルス持続時間を有するパルスレーザを発生する。このパルスレーザは、パルスを紫外線、可視、または赤外範囲の波長で発生するものでもよい。パルス繰り返し数の例は1Hzから10MHzまでである。バンドギャップが大きい透明材料は、例えば連続波や長パルスレーザとは対照的な短パルスレーザでより効果的に処理される。短パルスレーザによって生成される短パルスは、バンドギャップが大きい材料の分子結合を破壊するために必要とされる極めて高いエネルギー密度を有している。また短パルスは材料と非線形的に相互作用し、その結果、大きなバンドギャップを埋めて吸収性のレーザ波長で操作する必要性を回避する多光子吸収に繋がる。非吸収の短パルスはまた材料における熱的効果を減少させ、より滑らかで正確な切断と熱影響部を最小限に抑えることを可能とした。
レーザアセンブリ108が固体材料102に対して可動となるように、このレーザアセンブリを1次元、2次元、または3次元の並進台116と連結してもよい。並進台116は、手動で制御してもよいし、または上述の並進台106と同様の手法で制御装置107からの命令を受けてもよい。図示されていないが、システム100は、レーザ素子110を用いて固体材料に形成される切断部の深度を監視するための、センサや他の手段を含んでもよい。システム100が自動化されている場合、深度監視手段は制御装置107と通信するものでもよく、制御装置107は深度監視手段から受信した情報を用いて、レーザアセンブリ108またはパルスレーザビーム103の焦点面と固体材料102との間の相対的間隔を制御する。レーザ素子110は固体材料102の真上に図示されているが、これは必ずしも必要なことではない。例えば、レーザ素子110を他の場所に設置してもよく、光ファイバ、レンズ、およびミラーのような適切な光学素子を用いてレーザ素子110の出力を固体材料102に導くこともできる。パルスレーザビーム103を固体材料102に対して動かすために、並進台106、116に替えて光学式走査技術を用いることもできる。
固体材料102を切断する方法は、レーザ素子110を動作させてパルスレーザビームを発生させる工程と、パルスレーザビームを固体材料102の表面114に導く工程を含む。この方法は、例えば光学系112内の集束レンズを用いて、パルスレーザビーム103を集束させる工程を含む。パルスレーザビーム103の焦点面でのエネルギー密度は、少なくとも固体材料102を削磨するのに必要な最小エネルギー密度と等しい。この最小エネルギー密度は、固体材料102の種類とレーザパルスの持続時間に依存する。固体材料102に対するパルスレーザビーム103の焦点面の位置は、固体材料102における目標地点でパルスレーザビームが少なくとも固体材料102を削磨するために必要な最小エネルギー密度を有しているような位置である。最初、目標地点は固体材料102の表面114近傍である。さらに深い切断部を形成するため、目標地点は固体材料102内のより深い位置に設定される。目標地点において所望のエネルギー密度を得るため、パルスレーザビーム103の焦点は強力なものでなければならないであろう。一般に、焦点面でのビームのスポットサイズが100μmより小さい場合、または集束レンズの直径に対する焦点距離が50より小さい場合、焦点は強力であると考えられる。
図2Aおよび2Bは、単一切断線がどのようにして固体材料102に形成されるのかを示したものである。集束されたパルスレーザビーム103は、固体材料102の表面114(x−y平面)上で第1経路200(図2A)をトレースし、その後第2経路202(図2B)をトレースする。ここで、第1および第2経路200、202は実質的に平行である。「実質的に平行」とは、経路200、202が、単一切断線が形成される、または形成される予定の範囲において交差しないことを意味する。第1および第2経路200、202は別々にトレースされ、所望の単一切断線の輪郭に適合する。集束されたレーザビーム103のトレースは、第1経路200から連結経路203に沿って第2経路202に移動し、その後連結経路205に沿って第1経路200に戻るようにして、閉ループを形成してもよい。第1経路200に沿ったトレースは、固体材料102において第1スクライブ線200aとなる(図2A、2B)。第2経路202に沿ったトレースは、固体材料102において第2スクライブ線200bとなる(図2B)。第1経路200と第2経路202の間の間隔(図2AのS)は、第1および第2スクライブ線200a、200bが(完全にまたは部分的に)重複し、すなわち結合して、図2Cに208で示したような単一切断線を形成するようなものである。典型的には、このために、第1および第2経路200、202間の間隔は、集束されたパルスレーザビーム103の焦点面でのビームスポットサイズと略同等である必要がある。一般にパルスレーザビーム103は、2以上の実質的に平行な経路をトレースすることができるが、その隣接する実質的に平行な経路間の間隔は、各トレース中に形成された個々のスクライブ線が重複すなわち結合して単一切断線を形成するようなものとすることができる。第1および第2経路200、202(さらに、使用するのであれば、追加の実質的に平行な経路)は、線形または曲線とすることができ、所望の切断線に適合するものとなる。図2Dは、第1および第2経路200、202が曲線である場合のトレースのパターンを示している。実質的に平行な経路をトレースしスクライブ線を形成するように、集束されたパルスレーザビーム103を固体材料102に対して動かすのは、手動で行ってもよいし、制御装置(図1の107)を通して自動的に行ってもよい。逆に、パルスレーザビーム103を固定して、固体材料102を動かしてもよい。
上述の手順で形成された単一切断線(図2Cの208)は十分な深度を有し得るため、レーザビーム(図2Aおよび2Bの103)をさらに固体材料102に通過させる必要はない。しかしながら、単一切断線208が十分な深度を有していない場合には、上述の手順を固体材料102の異なる深度で繰り返すことにより、固体材料102の全厚さまで深くすることができる。切断線208を深くするためには、パルスレーザビーム103の焦点を固体材料102内のより深い位置に進める。すなわち、固体材料102内のより深い目標地点で、パルスレーザビームが少なくとも固体材料102を削磨するのに必要な最小エネルギー密度を有しているように、パルスレーザビーム103は集束される。パルスレーザビーム103の焦点が固体材料内のより深い位置に進められると、集束されたレーザビーム103は再び第1経路(図2Aの200)をトレースし、図3Aに300として示すように第1経路に沿って単一切断線208を深くする。集束されたレーザビーム103はその後第2経路をトレースし、図3Bに302として示すように第2経路に沿って単一切断線208を深くする。最終的に、より深い単一切断線208となる。
パルスレーザビーム103の焦点を固体材料102内のより深い位置に進め、集束されたパルスレーザビームで第1および第2の実質的に平行な経路をトレースする工程は、単一切断線208が所望の深度となるまで繰り返すことができ、その深さは固体材料102の厚さと等しくてもよいし異なってもよい。このため、固体材料102の各切断深度では、単一切断線を形成するように部分的または全体的に重複している少なくとも2つの実質的に平行な切断部が形成される。同じレーザパラメータに対し、切断深度ごとの2以上の重複切断部は、図2A〜2Bおよび3A〜3Bに示すように、切断深度ごとの単一の切断部と比較するとより広い切り口(図3BのK)を生成する。このより広い切り口は、パルスレーザビーム103が固体材料102内のより深い位置に移動するとき、パルスレーザビームの収差および歪曲を最小限に抑え、あるいは防ぐ。切断深度ごとの複数平行切断方法では、所望のエネルギーを得るために必要な強さにパルスレーザビーム103を集束させて、固体材料102のより深い位置に進める間、固体材料102を削磨することができる。このため、この方法は、固体材料102に高アスペクト比および/または任意の形状を有する切断部を形成することを可能とする。切り口に対して切断深度が5以上である場合には、切断は高アスペクト比を有していると考えられる。一実施の形態において、単一切断線は、100μmより小さい切り口幅と、500μm以内の切断精度を有する。
一実施の形態において、繰り返し数1kHz、50fs、870μJのパルスで動作し、40μmスポットに集束されたレーザビームを用いてサファイアサンプルを切断した。集束されたパルスレーザビームはサンプルを横切り、すなわち2つの実質的に平行な経路を0.2mm/sの速さでトレースし、おおよその深さが40μmの溝(単一切断線)を形成した。0.5mm厚のサファイアサンプルを切断するために、最小精度が2μmであり併行精度が1μmより大きいxyz並進台上にサファイアサンプルが取り付けられた。パルスレーザビームは10倍対物レンズを用いてサンプルの表面で集束され、第1組の実質的に平行な切断部が形成された。実質的に平行な経路間の間隔は20〜50μmの範囲であった。パルスレーザビームは引き続いてサンプル内のより深い位置に進められ、サンプルが分離されるまで、各切断深度で実質的に平行な切断部が形成された。同じレーザパラメータを用いて切断深度ごとに単一の切断を行った場合には、サファイアサンプルを分離することはできなかった。
別の例において、厚さ0.5mm、直径50mmの4分の1円形のサファイアウエハを、上述の切断深度ごとの複数平行切断方法を用いて分離した。このサンプルは、800nm付近の動作波長を有するチタンサファイアレーザからの50fsのパルスを用いて分離した。850μJのパルスを使用し、その焦点を、固体材料を横切って0.2mm/sで平行移動させた。2つの実質的に平行な切断部の間隔は40μmであった。各切断の後、焦点をサンプル内のさらに20μm深い位置に進めた。このウエハをスクライブ、劈開技術を用いて分割することは不可能であった。結晶軸に沿って1つの切断部を形成することはできるが、その垂直の切断部が別の劈開面に沿うことは不可能であった。
本発明について、ここまで限られた数の実施の形態を参照して説明してきたが、ここで開示された本発明の範囲から逸脱することなくその他の実施形態を考案できることは、この開示に関して利益を有する当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ制限されるべきである。
102 固体材料
103 パルスレーザビーム
106、116 並進台
107 制御装置
110 レーザ素子
112 光学系
200 第1経路
202 第2経路
208 単一切断線

Claims (10)

  1. パルスレーザを用いて固体材料を切断する方法であって、
    パルスレーザビームを提供する工程、
    前記固体材料内の目標地点を選択する工程、
    前記固体材料内の前記目標地点で前記パルスレーザビームが少なくとも前記固体材料を削磨するのに必要な最小エネルギー密度を有しているように、パルスレーザビームを前記固体材料上で集束させる工程、および、
    前記パルスレーザビームが第1経路をトレースして前記固体材料に第1スクライブ線を形成し、その後第2経路をトレースして前記固体材料に第2スクライブ線を形成するように、前記パルスレーザビームに、前記固体材料に対する相対運動を生じさせる工程、
    を含み、該第1経路および第2経路が実質的に平行であり、かつ前記第1および第2スクライブ線が重複して前記固体材料に単一切断線を形成することを特徴とする方法。
  2. 前記固体材料内のより深い位置に前記目標地点を移動させる工程、および前記パルスレーザビームを集束しかつ該パルスレーザビームに相対運動を生じさせて前記単一切断線を深くすることを繰り返す工程、をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記単一切断線が前記固体材料内で所望の深度に達するまで、前記目標地点を移動させ、前記パルスレーザビームを集束し、かつ前記パルスレーザビームに相対運動を生じさせること、を繰り返す工程をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記所望の深度が、前記固体材料の厚さと等しいことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記所望の深度が200μmより大きいことを特徴とする請求項3記載の方法。
  6. 前記単一切断線の切り口幅に対する、前記所望の深度の比率が、5以上であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  7. 前記パルスレーザビームのパルス持続時間が10フェムト秒から200ピコ秒の範囲であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 固体材料を切断するシステムであって、
    パルスレーザビームを提供するレーザ素子、
    前記固体材料をその上に取り付ける支持材、および、
    前記パルスレーザビームが第1経路をトレースして前記固体材料に第1スクライブ線を形成しその後第2経路をトレースして前記固体材料に第2スクライブ線を形成するように、前記パルスレーザビームに、前記固体材料に対する相対運動を生じさせる機構、
    を備え、該第1経路および第2経路が実質的に平行であり、かつ前記第1および第2スクライブ線が重複して前記固体材料に単一切断線を形成することを特徴とするシステム。
  9. 前記固体材料内の目標地点で前記パルスレーザビームが少なくとも前記固体材料を削磨するのに必要な最小エネルギー密度を有しているように、前記パルスレーザビームを集束させる光学系をさらに備えていることを特徴とする請求項8記載のシステム。
  10. 前記固体材料に対する相対運動を前記パルスレーザビームに生じさせる前記機構を制御する制御装置をさらに備えていることを特徴とする請求項8記載のシステム。
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