JP2010529852A - 癌治療のためのNuMAのRNAi媒介ノックダウン - Google Patents
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Abstract
本発明は、核有糸***装置タンパク質(NuMA)の遺伝子発現を抑制するための短鎖干渉核酸分子(siRNA)の使用、及びそれらの癌などの疾患の治療における使用に関する。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
関連特許出願への相互参照
本出願は、2007年6月15日に出願された、インド国仮出願第1130/MUM/2007号(その全体を参考として本明細書に援用する)の出願日の利益を主張する。
本出願は、2007年6月15日に出願された、インド国仮出願第1130/MUM/2007号(その全体を参考として本明細書に援用する)の出願日の利益を主張する。
発明の分野
本発明は、NuMA遺伝子の発現を下方制御することができる短鎖干渉リボ核酸(siRNA)分子、及びそれらの癌治療における使用の分野に関する。
本発明は、NuMA遺伝子の発現を下方制御することができる短鎖干渉リボ核酸(siRNA)分子、及びそれらの癌治療における使用の分野に関する。
核有糸***装置タンパク質(NuMA)は、球状頭部及び尾部を有する大きな236KDaのコイルドコイルタンパク質であり、間期核に存在する主な核タンパク質であり、そして有糸***細胞の紡錘体極中に濃縮されている。NuMAは、セントロフィリン、SPN、SP-H、1H1/1F1及びW1としても知られている(Tang et al. “Nuclear mitotic apparatus protein (NuMA): spindle association, nuclear targeting and differential subcellular localization of various NuMA isoforms.” Journal of Cell Science 107: 1389-1402 (1994))。NuMAは微小管のマイナス端に集中し、その機能は紡錘体形成(組織化)に必須である。***細胞において、リン酸化時にNuMAは細胞質中に分散し、細胞質ダイニン/ダイナクチンと会合して複合体を形成し、そして紡錘体極に向かって微小管に沿って移行し、そこでそれが組織化し、微小管を紡錘体極につなぐ。NuMAは脱リン酸化され、そのダイニン/ダイナクチンとの会合を失い、後期の開始後に紡錘体極から遊離して、紡錘体の脱集合(disassembly)と間期娘核の再構成が起こる。NuMAの細胞周期依存的リン酸化は、プロテインキナーゼ及びホスファターゼの活性の均衡によって調節される。サイクリンB/cdc2キナーゼによるNuMAのリン酸化により、NuMAが核から放出され、中心体及び/又は紡錘体極における微小管と会合することができる一方、サイクリンB分解によるNuMAの脱リン酸化によって、NuMAが後期の開始後に紡錘体極から解離することが示されている。NuMAの過剰発現は紡錘体と会合したダイニンの局在化を妨害し、多極紡錘体の形成及び癌を促進する。他方で、NuMAは多くの種の非増殖細胞及び高度に分化した細胞には存在しない。NuMAはまた、雄及び雌生殖細胞における減数***紡錘体形成の間にも機能する。NuMAの分解は、正常な核構造の破綻を生じ、細胞アポトーシスのマーカーとして使用されている。
NuMAの機能の不一致により、紡錘体極における微小管集束の破壊に至り、微小管末端の溶射(splaying)につながる。NuMAは、間期には核中に存在し、複数ステップのリン酸化の後に有糸***中心体と一過的に会合する。NuMAは、細胞***を誘導するホルモン又はアポトーシスを誘導する熱ショックなどの外部シグナルに応答する。NuMAは、前期には細胞質中に分散し、微小管と会合する。NuMAは、中期又は後期にはクロマチンと会合し、最終的に再構成された核と会合する。NuMAは、初期アポトーシス中に分解される、正常な有糸***に必須の細胞周期関連タンパク質である。NuMAは細胞質ダイニン及びダイナクチンと複合体を形成する。この複合体の枯渇は、有糸***紡錘体の正常な集合の不成功につながる。NuMAは有糸***の間にタンキラーゼ-1によりPAR付加される。
Comptom and Cleveland (1993)により行われた研究では、NuMAが有糸***時の染色体分離及び/又は核再構成の正確な最終段階に必要であることが示唆された。Yang et al. “An unusually long coiled-coil related protein in the mammalian nucleus.”J Cell Biol. 116(6): 1303-1317 (1992)により、抗NuMA抗体の初期有糸***又は中期細胞へのマイクロインジェクションは、有糸***紡錘体装置の形成を防止又はその分解を生じることが見出され、それゆえNuMAが有糸***時に重要な役割を果たす可能性があることが示唆された。
NuMAと癌とを関連付ける複数の研究が記載されているが、NuMAの抑制が癌を治療しうることは実証されていない。NuMAはアポトーシス中の細胞から放出され(Miller et al., Biotechniques, 15:1042, 1993)、広範な癌の患者の血清中に検出され(Miller et al., Cancer Res., 52:422, 1992)、膀胱癌の患者の尿中に特異的に検出されている(Stampfer et al., J. Urol., 159:394, 1998)。
WO/2005/014846号では、NuMAは、対象及び/又は乳癌のリスクのある対象において乳癌のリスクを同定する方法、該方法を実施するための試薬及びキット、乳癌の治療のための候補治療薬を同定する方法、並びに対象における乳癌の治療のための治療方法における、関連する標的とみなされている。NuMA遺伝子の変化は家族性乳癌のリスクと関連していた。
米国特許第6,287,790号には、NuMA特異的抗体を用いた細胞免疫染色により悪性細胞と増殖する非悪性細胞とを区別する方法、及び各核内のNuMA分布の顕微鏡分析が記載されている。
米国特許第6,864,238号には、微小管の脱安定に有用であるポリペプチド及びかかるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが記載されている。微小管は、細胞***(腫瘍細胞ではより高頻度で起こる)に必須の役割を果たすため、該ポリペプチド及びポリヌクレオチドは、腫瘍を治療するための細胞増殖の抑制のための組成物の調製において有用である可能性がある。
US 20030125290には、細胞における応答の誘導、例えば限定されるものではないが、癌細胞又は滑膜細胞における、細胞増殖の抑制、細胞周期停止の誘導、カスパーゼ活性化の誘導、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの切断、アポトーシスの誘導若しくは細胞外マトリックス−細胞相互作用の調節、又はそれらの組み合わせのための、有用なトリエチレングリコールコレステリルオリゴヌクレオチドを含む組成物、並びにこの組成物を用いた疾患の治療のための方法が記載されている。NuMAの放出はアポトーシスの尺度として用いられている。
WO9640917Aには、細胞においてNuMAと非共有結合で相互作用するタンパク質を同定するための方法及び組成物、該方法により同定された新規タンパク質、並びにこのin vivoでの相互作用を干渉するための方法及び組成物が記載されている。
El Bashir et al. “Duplexes of 21-nucleotide RNAs mediate RNA interference in cultured mammalian cells” Nature 411: 494-498 (2001)には、in vitroにおけるNuMAタンパク質発現のNuMA下方制御に対する21ヌクレオチドのsiRNAが記載されている。
Chang et al., “NuMA is a major acceptor of poly(ADP-ribosyl)ation by tankyrase 1 in mitosis” Biochem. J.:391:117-184 (2005)には、in vitroでヒト細胞におけるNuMA機能を研究するための、NuMAに対するsiRNAの使用が記載されている。
現在まで、従来の研究では、NuMAに対して、乳癌への個体の傾向のリスク評価のための診断マーカーとして、そして腫瘍の予後を理解するための生物学的マーカーとしてより多く焦点が当てられていた。
本発明は、治療的介入を提供する目的で、短鎖干渉核酸(siRNA)によるNuMA遺伝子の発現の調節に焦点を当てている。
本発明の基本的な目的は、短鎖干渉核酸(siRNA)分子によるNuMA遺伝子の発現の調節を提供することである。
本発明の目的は、NuMA遺伝子の発現の調節のための21、23及び27merの短鎖核酸分子を提供することである。
本発明の目的は、種々のタイプの癌、特に乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、表皮癌及び口腔癌を治療するための、21、23又は27merの短鎖核酸分子を有する化合物を提供することである。
本発明の目的は、21、23及び27merの短鎖核酸分子の標的に対する部位を提供することである。
本発明の目的は、NuMAの不具合(indisposition)を有する患者にオーダーメード治療を提供するためのSNP特異的siRNA分子を提供することである。
本発明の目的は、癌の治療の有効な管理のために、単独で又は他の治療と組み合わせて用いることができる、21、23及び27merの短鎖核酸分子を提供することである。
本発明の目的は、コンジュゲート、限定されるものではないが、脂質、ポリマー及びモノクローナル抗体などと組み合わせることができる、21、23及び27merの短鎖干渉核酸分子を提供することである。
本発明の目的は、模擬処理対照と比較して、その作用部位に同時局在化するNuMAの量を測定することに関する。
本発明は、短鎖干渉核酸(siRNA)分子によるNuMA遺伝子の発現の調節に関する。特に本発明は、NuMAに対する21、23又は27merの短鎖干渉核酸(SiRNA)分子の化合物、組成物及びその発現の調節における用途に関する。本発明の化合物は、単独で又は他の処置若しくは治療と組み合わせて、癌の治療に有用である。
一実施形態では、本発明の短鎖核酸分子は、短鎖干渉核酸(SIRNA)、短鎖干渉RNA(SiRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(mRNA)、デオキシリボース核酸干渉(DNAi)及び短鎖ヘアピンRNA(shRNA)分子である。短鎖核酸分子は、未修飾であってもよいし又は化学的に修飾されてもよい。好ましい実施形態では、本発明は、21、23又は27merの短鎖干渉RNAに関する。本発明では、SIRNAの有効性は、標的タンパク質と関連する機能的特性が損なわれるように、標的タンパク質の量を低減する能力により判定する。
別の実施形態において、21、23又は27merのSIRNAは、化学的に若しくは酵素的に合成してもよいし、又はベクターから発現させてもよい。好ましい実施形態において、本発明は、NuMAの発現レベルを、単独で又は種々の癌の調節の原因となる遺伝子に対する他のSIRNAと組み合わせて低減するための、化学合成された21、23又は27merの長さのSIRNAに関する。
好ましい実施形態において、本発明は、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、表皮癌、口腔癌、神経膠腫及び白血病などの種々のタイプの癌を治療するための短鎖核酸分子を提供する。
一実施形態において、本発明は、癌のバイオマーカーを用いて、21、23又は27merのsiRNAの有効性を検証するために使用する技術を提供する。本発明は、PCNA、KI-67及びBCL-2抗原の発現などの癌の特定のバイオマーカーを用いる有効性試験を提供する。
一実施形態では、本発明は、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、表皮癌、口腔癌、神経膠腫及び白血病などの種々のタイプの癌を治療するための、NuMAにターゲティングするSIRNA及びそれらの組み合わせを提供する。
本発明は、NuMA mRNAにターゲティングするsiRNAに関する。一実施形態において、本発明は、NuMAのGenbankアクセッション番号NM_006185のヌクレオチド20〜40、578〜598又は905〜928にターゲティングするsiRNAを含む。関連する実施形態では、siRNAには、そのNuMA分子のSNPに対するものが含まれる。
関連する実施形態において、siRNAは、配列番号1、配列番号2及び配列番号3からなる群より選択される配列にターゲティングする。
一実施形態において、本発明のsiRNAの少なくとも1つの鎖が19〜30ヌクレオチド長である。関連する実施形態において、siRNAは、
配列番号4及び配列番号5;
配列番号6及び配列番号7;
配列番号8及び配列番号9;並びに
配列番号10及び配列番号11
からなる群より選択される構造を有する。
配列番号4及び配列番号5;
配列番号6及び配列番号7;
配列番号8及び配列番号9;並びに
配列番号10及び配列番号11
からなる群より選択される構造を有する。
本発明はまた、本発明のsiRNAを含むsiRNAを投与することにより標的細胞におけるNuMAの発現を低減する方法に関する。
本発明はまた、NuMAに対するsiRNAの投与により癌を治療する方法を含む。一実施形態において、siRNAは、Genbankアクセッション番号NM_006185のヌクレオチド20〜40、578〜598又は905〜928にターゲティングする。別では、siRNAは、その等価のSNPにターゲティングする。関連する実施形態において、siRNAは、配列番号1、配列番号2及び配列番号3からなる群より選択される配列にターゲティングする。
さらなる実施形態において、癌の治療方法は、少なくとも1つのヌクレオチド鎖が19〜30ヌクレオチドであるsiRNAを使用する。関連する実施形態において、siRNAは、
配列番号4及び配列番号5;
配列番号6及び配列番号7;
配列番号8及び配列番号9;並びに
配列番号10及び配列番号11;
からなる群より選択される構造を有する。
配列番号4及び配列番号5;
配列番号6及び配列番号7;
配列番号8及び配列番号9;並びに
配列番号10及び配列番号11;
からなる群より選択される構造を有する。
癌の治療方法は、任意の癌に実施することができる。一実施形態において、癌は、子宮頸癌、表皮癌、口腔癌、神経膠腫、白血病、脳腫瘍、食道癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頸癌、頭部及び頸部癌、卵巣癌、メラノーマ、リンパ腫及び多剤耐性癌からなる群より選択される。別の実施形態において、癌は、結腸直腸癌、乳癌、肺癌及び前立腺癌からなる群より選択される。
また本発明は、本発明のsiRNAと医薬として許容される担体とを含む、癌の治療に適した医薬組成物を含む。
下記の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示の特定の態様をさらに説明するために含められ、本発明は、本明細書に示された具体的な実施形態の説明とともに、これらの図面の1以上を参照することによりより良く理解され得る。
定義:
本明細書において使用する用語「短鎖干渉核酸」、「siNA」又は「SINA分子」、「短鎖干渉RNA」、「siRNA」、「短鎖干渉核酸分子」、「短鎖干渉オリゴヌクレオチド分子」とは、RNA干渉機構により遺伝子発現を抑制するか又は下方制御することができる任意の核酸分子を指す。
本明細書において使用する用語「短鎖干渉核酸」、「siNA」又は「SINA分子」、「短鎖干渉RNA」、「siRNA」、「短鎖干渉核酸分子」、「短鎖干渉オリゴヌクレオチド分子」とは、RNA干渉機構により遺伝子発現を抑制するか又は下方制御することができる任意の核酸分子を指す。
本明細書において使用する用語「RNA」とは、少なくとも1つのリボヌクレオチド残基を含む分子を意味し、これには、二本鎖RNA、一本鎖RNA、単離されたRNA、部分的に精製されたか、純粋であるか又は合成されたRNA、組換えにより生成されたRNA、並びに天然に存在するRNAの改変されたRNA又は類似体が含まれる。
本明細書において使用する用語「調節する」とは、1以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードしている遺伝子の発現又はRNA分子若しくは同等のRNA分子のレベル、あるいは1以上のタンパク質サブユニットの活性が、調節因子のない場合に観察されるよりも大きく又は小さくなるように、上方制御又は下方制御されることを意味する。用語「調節する」には「抑制する」が含まれるが、この用語の使用はこの定義に限定されるものではない。
本明細書において使用する用語「遺伝子」とは、RNA配列をコードする核酸を意味し、ポリペプチドをコードする構造遺伝子が挙げられるが、これに限定されない。
本明細書において使用する用語「核関連有糸***タンパク質」又は「NuMA」とは、Genbankアクセッション番号NM_006185によってコードされるような、NuMA又はセントロフィリン(Centrophilin)活性を有する任意のNuMAタンパク質、ペプチド、又はポリペプチドを指す。これはまた、アイソフォーム、変異遺伝子、スプライス変異体及び多型を有するNuMAタンパク質、ペプチド又はポリペプチドをコードする核酸配列を指す。
本明細書において使用する用語「標的核酸」とは、その発現又は活性が調節されるべき任意の核酸配列を意味する。この標的核酸は、DNA又はRNAとすることができる。
本明細書において使用する用語「センス領域」とは、標的核酸配列と同じ配列を有するsiNA分子のヌクレオチド配列を意味する。さらに、siRNA分子のセンス領域は、該siNA分子のアンチセンス領域に相補的な核酸配列を含むことができる。
本明細書において使用する用語「アンチセンス領域」とは、標的核酸配列に相補性を有するsiRNA分子のヌクレオチド配列を意味する。また、この用語は、siRNA分子のセンス領域に相補性を有する核酸配列を含むことができる。
本明細書において使用する用語「相補性」とは、ある核酸が別の核酸分子と水素結合(例えばA-T、A-U、G-C)を形成し得ることを意味する。
本明細書において使用する用語「癌」又は「増殖性疾患」とは、当技術分野において知られている無秩序な細胞増殖又は複製を特徴とする任意の疾患、状態、形質、遺伝子型又は表現型を意味する。それには、細胞又は組織における疾患に関連したNuMA遺伝子発現の調節に、単独で又は他の治療と併用して応答可能な全てのタイプの癌、腫瘍、リンパ腫、癌腫が含まれる。
特に明示しない限り、不定冠詞「a」又は「an」は「1又はそれ以上」を意味する。
本発明は、短鎖干渉核酸(siRNA)分子によるNuMA遺伝子の発現の調節に関する。特に本発明は、NuMAに対する19〜30mer、例えば21、23又は27merの短鎖干渉核酸(siRNA)分子の化合物、組成物及びその発現の調節における用途に関する。本発明の化合物は、単独で又は他の処置若しくは治療と組み合わせて、癌の治療に有用である。
一実施形態において、本発明は、NuMAに対する、19〜30merを含む、特に21、23及び27merを含む短鎖干渉核酸(siRNA)分子によるNuMA遺伝子の発現の調節を提供する。別の実施形態において、本発明は、患者にオーダーメード治療を提供するためのSNP特異的siRNA分子を提供する。癌に関連するSNPは公知である。例えば、WO 2005/014846A2(特に145〜150頁)を参照されたい。SNPの例としては、以下(乳癌関連SNPには下線を付している):A-2315bp(T/A)、G-2337 bp(A/G)、C-2381bp(G/C)、G-2617bp(A/G)、G-2932bp(T/C)、G-3369bp(A/G)、G-4422bp(G/A)、G-5896bp(C/T)、C-5981(C/A)、G-5473bp(T/C)、G-5516bp(G/T)、C-6034bp(C/T)、C-6048bp(C/A)、G-6145(C/T)、C-6288bp(G/A)、T-5288bp(C/T)が挙げられる。
関連する実施形態において、このような19〜30mer、例えば21、23又は27merのsiRNA分子は、種々のタイプの癌、例えば乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、表皮癌及び口腔癌などの治療に有用である。別の実施形態において、本発明のsiRNA分子は、癌の治療の有効な管理のために、単独で又は他の治療と組み合わせて用いることができる。
本発明はまた、コンジュゲート、限定されるものではないが、脂質、ポリマー及びモノクローナル抗体などと組み合わせることができる19〜30mer、例えば21、23及び27merのsiRNAの組成物を含む。
本発明のいくつかの実施形態はsiRNAに焦点をあてているが、本開示は、siRNAに限定されると解釈されるべきではなく、短鎖核酸分子の二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(mRNA)、デオキシリボース核酸干渉(DNAi)及び短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、酵素的核酸分子又はアンチセンス核酸分子を用いて実施される関連する組成物及び方法も包含する。
短鎖核酸分子は、未修飾であってもよいし又は化学的に修飾されてもよい。特定の実施形態では、本発明は、19〜30mer、例えば21、23又は27merのsiRNAに関する。siRNAの有効性は、標的タンパク質と関連する機能的特性が損なわれるように、標的タンパク質の量を低減する能力により判定しうる。
別の実施形態において、19〜30mer、例えば21、23又は27merのsiRNA分子は、化学的に若しくは酵素的に合成してもよいし、又はベクターから発現させてもよい。特定の実施形態において、NuMAの発現レベルを、単独で又は種々の癌の調節の原因となる遺伝子に対する他のsiRNAと組み合わせて低減するために使用することができる、化学合成されたsiRNAを提供する。
特定の実施形態において、本発明は、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、表皮癌、口腔癌、神経膠腫及び白血病などの種々のタイプの癌を治療するためのsiRNA分子を提供する。
一実施形態において、本発明は、癌のバイオマーカーを用いて、19〜30mer、例えば21、23又は27merのsiRNA分子の有効性を検証するために使用する技術を提供する。本発明は、PCNA、Ki-67及びBCL-2抗原の発現などの癌の特定のバイオマーカーを用いる有効性試験を提供する。
一実施形態において、本発明は、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、表皮癌、口腔癌、神経膠腫及び白血病などの種々のタイプの癌を治療するための、NuMAにターゲティングするsiRNAの組み合わせを提供する。
また別の実施形態において、本発明は、単独で、あるいはNuMA発現を抑制することができる他のsiRNA若しくは小分子、又は癌若しくは細胞や組織中のNuMAのレベルに応答する他の症状や疾患と関連しているタンパク質と組み合わせて使用することができるsiRNA分子を提供する。一実施形態は、Genbankアクセッション番号NM_006185に対応する、表1に示すNuMAの配列をコードする遺伝子の治療における本発明のsiRNAの使用である。
本発明はNuMA発現の調節に関連するものであるが、本実施形態には、NuMAのホモログ、一塩基多型(SNP)及び転写変異体、並びにNuMA調節経路に関与する他の遺伝子のすべてが含まれる。
一実施形態において、本発明の核酸分子は、少なくとも1つの鎖において19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30塩基対を含む。
別の実施形態において、本発明の核酸分子は、NuMA核酸配列を有するRNAに相補的な19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29及び30塩基対を含む。
一実施形態において、本発明のsiRNA分子は、RNAの一方の鎖がNuMAのRNAに相補的である二本鎖RNAを含む。別の実施形態において、本発明のsiRNA分子は、RNAの一方の鎖がNuMA配列を有するRNAの配列の一部を含む二本鎖RNAを含む。
別の実施形態において、発現ベクターは、本発明の核酸分子の発現をコードしている。別の実施形態において、本発明の発現ベクターはさらに、NuMAのサブユニットのRNAに相補的なアンチセンス核酸分子を含む。また別の実施形態において、本発明の発現ベクターは、同じであっても異なってもよい、2以上の酵素的核酸分子をコードする核酸配列を含む。
一実施形態において、本発明は、本発明の核酸分子を含む哺乳動物細胞、例えばヒト細胞を提供する。
本発明は、細胞においてNuMA活性を下方制御する方法であって、NuMA活性の下方制御に適した条件下において該細胞を本発明の核酸分子と接触させるステップを含む方法を提供する。
本発明はまた、高レベルのNuMAと関連する状態を有する対象の治療方法であって、かかる治療に適した条件下において該対象と本発明の核酸分子とを接触させるステップを含む方法を提供する。
一実施形態において、本発明はまた、NuMAのあるレベルと関連した状態を有する対象の治療方法であって、かかる治療に適した条件下において該対象と本発明の核酸分子とを接触させるステップを含む方法を提供する。
一実施形態において、本発明の治療方法はさらに、該治療に適した条件下における1又は複数の薬物療法の使用を含む。本発明が意図する薬物療法としては、モノクローナル抗体、化学療法、若しくは放射線療法、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明はまた、癌、例えば限定されるものではないが、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸直腸癌、脳腫瘍、食道癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頸癌、頭部及び頸部癌、卵巣癌、メラノーマ、リンパ腫、神経膠腫及び多剤耐性癌などの癌の治療方法であって、その治療に適した条件下で本発明の核酸分子を対象に投与することを含む方法を提供する。
本発明は、本発明の核酸分子を医薬として許容される担体中に含む組成物を提供する。
また本発明は、培養中の又は哺乳動物(ヒトなど)中にある細胞、例えば哺乳動物細胞(例としてヒト細胞)に本発明の核酸分子を投与する方法であって、かかる投与に適した条件下において該細胞を該核酸分子と接触させるステップを含む方法を提供する。この投与方法は、送達試薬、例えば脂質、カチオン性脂質、リン脂質又はリポソームの存在下で行ってもよい。
本発明は、siRNAの化合物とNuMA遺伝子発現の調節におけるそれらの使用を提供する。以下のように化合物を設計し、研究した:
1. siRNAの設計
2. siRNAの調製
3. 化合物の有効性試験
4. 21、23及び27merのsiRNA分子の比較データ
5. 動物モデルでの効力評価。
1. siRNAの設計
2. siRNAの調製
3. 化合物の有効性試験
4. 21、23及び27merのsiRNA分子の比較データ
5. 動物モデルでの効力評価。
siRNAの設計は、NuMAを調節するための21、23及び27ヌクレオチドの分子の設計を含んだ。全てのsiRNAについて、それらの長さに関係なく、下記の一般的な要件を考慮した:
i)4個以上連続するA、T、G又はUヌクレオチドの実験は許容されない;
ii)下記の配列は、インターフェロン応答の誘導の原因となるため回避した:(A) 5’-UGUGU-3’ 及び(B) 5’-GUCCUUCAA-3’;
iii)各々のsiRNA二本鎖は、下記のパラメータでBLAST検索を利用して、オフターゲット作用のサイレンシングを回避するためにインシリコ(in silico)で検証した:
A. 低複雑性フィルタリングは、限定又はクエリーなしのシークエンサーに帰着するBLASTによる無意味性を避けるために除外した
B. 語長は、アルゴリズムの最小値である7文字に設定した
C. 期待される閾値は、短鎖配列出現の可能性を避けるために1000に設定した。さらに、標的遺伝子NuMAは接触可能な部位についてスクリーニングし、siRNAをORF配列を考慮して合成した。
i)4個以上連続するA、T、G又はUヌクレオチドの実験は許容されない;
ii)下記の配列は、インターフェロン応答の誘導の原因となるため回避した:(A) 5’-UGUGU-3’ 及び(B) 5’-GUCCUUCAA-3’;
iii)各々のsiRNA二本鎖は、下記のパラメータでBLAST検索を利用して、オフターゲット作用のサイレンシングを回避するためにインシリコ(in silico)で検証した:
A. 低複雑性フィルタリングは、限定又はクエリーなしのシークエンサーに帰着するBLASTによる無意味性を避けるために除外した
B. 語長は、アルゴリズムの最小値である7文字に設定した
C. 期待される閾値は、短鎖配列出現の可能性を避けるために1000に設定した。さらに、標的遺伝子NuMAは接触可能な部位についてスクリーニングし、siRNAをORF配列を考慮して合成した。
siRNAの合成は、市販されている方法により行った。最も一般的には、Qiagenにより提供されている標準的な化学技法により合成することができる。化学的方法は、化学的に保護されたホスホロアミダイトと呼ばれる単量体単位を連続的に付加して所望のオリゴヌクレオチド配列を生成することを含む。この合成には、主に4つのステップ、例えばカップリング、キャッピング、酸化及び5'脱保護が含まれる。siRNA分子の精製は、PAGE、脱塩、又はIE-HPLCのいずれかによって行った。各siRNAの量は、MALDI-TOFによって分析し、収率は、統合された分光光度計によって測定した。
siRNA分子の有効性試験は、種々の細胞系において行った。下記の細胞系は、ATCCから入手し、ATCCの推奨通りに培養した:MCF-7(乳癌)、SKBR-3(乳癌)、PC3(前立腺癌)、A549(肺癌)、A431(皮膚癌)、及びHeLa(子宮頸癌)。細胞系にsiRNAをトランスフェクトし、インキュベートした。
トランスフェクション効率は、トランスフェクションの16時間後のCy3標識されたsiRNAを示す細胞の数をカウントすることによって、各細胞について得た。
トランスフェクション率(%)とは別に、非処理細胞系と比較してこれらの細胞系の形態学的特徴も観察した。
種々の長さのsiRNAの効力は、癌細胞系の増殖を抑制するそれらの効率により試験した。72時間のsiRNAのトランスフェクション後、Calbiochemのプロコールに従って、細胞を5-ブロモ-2-デオキシウリジン(BrdU)と共にインキュベートした。この試験は、活発に増殖している細胞のDNAへのBrdU取り込みの能力を判定する。取り込まれたBrdUの量は、吸光度値によって評価し、模擬処理された細胞と比較した。BrdUの取り込みはDNA合成の場合にのみ起こるということが知られている。有糸***のS期の間に、DNAの合成は染色体の倍化を生じる。癌細胞においては、DNA合成の過程を経る細胞数は、腫瘍の成長を生じる細胞の成長能を示す。従って、細胞に取り込まれたBrdUの量は、腫瘍細胞の成長能と直接比例している。
siRNAを用いてトランスフェクトされた細胞は、リアルタイム定量的PCR分析を用いて特異的なmRNAノックダウン効果について分析した。NuMAに特異的なsiRNA又はスクランブルsiRNA(scrambled siRNA)のいずれかをトランスフェクトした細胞におけるNuMAの相対的mRNA量を測定し、mRNAレベルの変化倍率を、Kenneth JL and Thomas DS “Analysis of relative gene expression data using real-time quantitative PCR and 2-ΔCt method” Methods 25: 402-408 (2001)のプロトコールにより決定した。
siRNA分子で処理された癌細胞系の増殖能及び転移能は、PCNA(増殖性細胞核抗原)又はKi-67抗原のレベルを測定することによって得た。
NuMAのタンパク質レベルをウェスタンブロットによって分析した。siRNAのトランスフェクションは標的mRNAレベルのノックダウンの成功をもたらすが、細胞は、mRNAの喪失を補填し得る様々なメカニズム、例えば細胞の必要なタンパク質要求を満たすように遺伝子発現を増強することによるメカニズムなどを有する。そのため、本発明におけるsiRNAの有効性は、mRNAのレベルのみを測定するのではなく、標的タンパク質に関連する機能的特性が損なわれるように標的タンパク質の量を低減する能力により決定している。
上述したように、NuMAのタンパク質レベルの抑制は、細胞の機能障害を導く細胞の代謝活性に種々の影響を及ぼす。これは、単一の癌細胞が細胞周期プロセスを開始して、細胞が転移する場合には腫瘍の成長を生じる能力を基本的に特定する、コロニー形成アッセイにより測定することができる。
siRNAによるトランスフェクト細胞系の細胞傷害活性は、膜の完全性の損傷に起因する培地へのLDH放出量を分析することにより研究した。上述したように、NuMAのノックダウンによって、紡錘体極が正確に形成できない結果として、細胞は***することができない。これは、有糸***チェックポイントの活性化を生じ、細胞周期の停止に至る。これらの細胞は膜の完全性を喪失し、細胞質LDHの放出を生じる。
NuMAは、紡錘体極に局在化することがわかっており、紡錘体極における微小管のマイナス端の集束に寄与する。細胞***時に機能的であるためには、NuMAは適当な位置及び量で局在化する必要がある。紡錘体極とのNuMAの同時局在化の不在は、紡錘体集合の欠陥に至る。mRNAの定量及びタンパク質の定量などの方法が利用可能であるが、これらの方法は、正常な細胞機能に必要なNuMAの最低閾値レベルを示すものではない。従って、本発明は、模擬処理対照と比較して、その作用部位に同時局在化するNuMAの量を決定することを目的とする。
外来核酸の導入に対する望ましくない応答が存在するかどうかを決定するためのインターフェロン産生に対するsiRNAの影響を評価した。
siRNAの前臨床評価は、siRNAが腫瘍成長を抑制する又は腫瘍の退縮を引き起こす能力を測定することにより実施した。6〜8週齢のヌードマウスに、直腸結腸癌細胞系CCL-247(ATCCより入手)を100μL体積中の細胞107個の密度で、皮下又は静脈内に注射した。異種移植腫瘍が80〜100mmの体積サイズ(mm3)に達した後、この腫瘍をNuMAに対するsiRNAで処置した。
RINA 25で処置した動物は、NuMAタンパク質のノックダウンを示し、3匹の処置動物のうち1匹において腫瘍の退縮が観察された。
下記の実施例は、本発明の特定の実施形態を示すために含まれている。実施例に開示された技術は、本発明の実施において十分に機能するように本発明者によって見出された技術を表すことが当業者には明らかだろう。しかしながら、当業者であれば、本開示の観点から、多くの変更が、開示されている特定の実施形態においてなされ、さらに、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに同等の又は類似の結果が得られることを理解するだろう。
実施例1:NuMAを調節するための21、23及び27merのsiRNAの設計
21、13又は27merは、文献Henshel, A et al., “DEQOR: A web based tool for the design and quality control of siRNAs,” Nucleic Acids Res. 2004; 32: W113-W120; Ui-Tei, K, et al., “Guidelines for the selection of highly effective siRNA sequences for mammalian and chick RNA interference,” Nucleic Acid Res. 2004; 32(3): 936-48; Sui, G., et al., “A DNA vector based RNAi technology to suppress gene expression in mammalian cells,” Proc. Natl. Acad. Sci USA 2002; 26(2): 199-213; Kim, D. H., et al., “Synthetic dsRNA dicer-substrates enhance RNAi in plasmacytoid dendritic cells through TLR7,” Nature Medicine 2005; 11: 263-270; Judge, A. D., et al., “Sequence dependent stimulation of the mammalian innate immune response by synthetic siRNA,” Nat. Biotechnol. 2005; 23(4): 457-62に基づいて設計した。siRNAを設計する場合に下記の基本的な要件を満たした。
21、13又は27merは、文献Henshel, A et al., “DEQOR: A web based tool for the design and quality control of siRNAs,” Nucleic Acids Res. 2004; 32: W113-W120; Ui-Tei, K, et al., “Guidelines for the selection of highly effective siRNA sequences for mammalian and chick RNA interference,” Nucleic Acid Res. 2004; 32(3): 936-48; Sui, G., et al., “A DNA vector based RNAi technology to suppress gene expression in mammalian cells,” Proc. Natl. Acad. Sci USA 2002; 26(2): 199-213; Kim, D. H., et al., “Synthetic dsRNA dicer-substrates enhance RNAi in plasmacytoid dendritic cells through TLR7,” Nature Medicine 2005; 11: 263-270; Judge, A. D., et al., “Sequence dependent stimulation of the mammalian innate immune response by synthetic siRNA,” Nat. Biotechnol. 2005; 23(4): 457-62に基づいて設計した。siRNAを設計する場合に下記の基本的な要件を満たした。
21mer siRNAの設計に関して:
1. 全てのsiRNAのGC含有率は、30〜50%である
2. 各siRNAの3’-はdTdTの突出部を有する。
1. 全てのsiRNAのGC含有率は、30〜50%である
2. 各siRNAの3’-はdTdTの突出部を有する。
23mer siRNAの設計に関して:
1. 全てのsiRNAはG又はCの5’-で開始する
2. 各siRNA鎖の3’-はdTdTの突出部を有する
3. 二本鎖のGC含有率は、40〜50%である。
1. 全てのsiRNAはG又はCの5’-で開始する
2. 各siRNA鎖の3’-はdTdTの突出部を有する
3. 二本鎖のGC含有率は、40〜50%である。
27mer siRNAの設計に関して
1. 二本鎖のGC含有率は、40〜55%である
2. センス鎖は25ヌクレオチドであり、アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖の3’-で突出部を生じる27ヌクレオチドである
3. 3’-センス鎖の最後の2ヌクレオチドはリボ糖骨格の代わりにデオキシ糖を含む
4. センス鎖の5’-は突出部を含み、3’-は平滑末端である。
1. 二本鎖のGC含有率は、40〜55%である
2. センス鎖は25ヌクレオチドであり、アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖の3’-で突出部を生じる27ヌクレオチドである
3. 3’-センス鎖の最後の2ヌクレオチドはリボ糖骨格の代わりにデオキシ糖を含む
4. センス鎖の5’-は突出部を含み、3’-は平滑末端である。
NuMAの配列は、オンラインで利用可能である様々なアルゴリズム及び追加的な手作業分析を用いて、上述した基準を満たすことのできる接触可能な部位についてスクリーニングした。これらの基準に基づいて、下記の部位が同定された。
実施例2:siRNA分子の調製
RNAi分子は、Applied Biosystems、Beckmanなどの様々な会社から市販されている機械類を用いて化学的手段により合成した。これらは、下記の標準的な化学的方法のいずれかによって合成するか、又はQiagenから入手可能であった。化学的方法は、リボース糖の2’-炭素位置で取り込まれる保護基のタイプに基づいて分類した:
1. 2’-t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)
2. 2’-O-トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)
3. 2’-アセトキシエトキシ化学(ACE)。
RNAi分子は、Applied Biosystems、Beckmanなどの様々な会社から市販されている機械類を用いて化学的手段により合成した。これらは、下記の標準的な化学的方法のいずれかによって合成するか、又はQiagenから入手可能であった。化学的方法は、リボース糖の2’-炭素位置で取り込まれる保護基のタイプに基づいて分類した:
1. 2’-t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)
2. 2’-O-トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)
3. 2’-アセトキシエトキシ化学(ACE)。
サイクルは、最も3'側のヌクレオシドを固相支持体材料又はビーズに付着することで開始した。2番目のヌクレオチドを最初のヌクレオシドの5-ヒドロキシルにカップリングした。キャッピングにより、失敗した又は短いヌクレオシドの生成を防止した。続いて、ヌクレオチド間リン酸結合を酸化して最終P(V)状態とした。最後に、新たなヌクレオチドの5'-保護基を除去して、伸長したオリゴヌクレオチドを次のヌクレオチドの付加のために準備した。核酸分子が所望の長さに達した後は、さらに脱保護を行い、固相支持体から切り出し、純度及び収率について分析した。
精製:
siRNAは、脱塩又はPAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)又はイオン交換−高速液体クロマトグラフィー(IE-HPLC)によって精製した。各ヌクレオチド鎖の品質は、MALDI-TOFによって分析し、収率は、統合された分光光度計を用いて30nmの吸光度で測定した。MALDI-TOFによる品質管理中に、4原子質量単位の差異は、予測されるものからの差異を許容する最大のものであった。各鎖に対して同程度の収率を得た後、センス鎖及びアンチセンス鎖をアニーリングし、次に、真空で凍結乾燥した。使用時に、凍結乾燥した粉末を、RNA懸濁バッファー(100mM KCl、30mM HEPESバッファー(pH7.5)及び1mM MgCl2)中に懸濁し、1分間、90℃で加熱し、凍結乾燥した粉末を溶解するために37℃で1時間インキュベートした。これらの製造プロトコールに従って、下記のsiRNAを合成した(表2)。
siRNAは、脱塩又はPAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)又はイオン交換−高速液体クロマトグラフィー(IE-HPLC)によって精製した。各ヌクレオチド鎖の品質は、MALDI-TOFによって分析し、収率は、統合された分光光度計を用いて30nmの吸光度で測定した。MALDI-TOFによる品質管理中に、4原子質量単位の差異は、予測されるものからの差異を許容する最大のものであった。各鎖に対して同程度の収率を得た後、センス鎖及びアンチセンス鎖をアニーリングし、次に、真空で凍結乾燥した。使用時に、凍結乾燥した粉末を、RNA懸濁バッファー(100mM KCl、30mM HEPESバッファー(pH7.5)及び1mM MgCl2)中に懸濁し、1分間、90℃で加熱し、凍結乾燥した粉末を溶解するために37℃で1時間インキュベートした。これらの製造プロトコールに従って、下記のsiRNAを合成した(表2)。
RINA 10は、スクランブル配列であり、これはこれが対象とするいずれの遺伝子にもターゲティングしないことを意味する。これは、陰性対照として使用し、模擬処理実験において参照した。
実施例3:種々の癌細胞系におけるNuMAの発現分析
A)定量的リアルタイムPCRによる遺伝子発現分析:
種々の癌細胞系におけるNuMAのレベルを正常な2倍体細胞(レチノイド色素上皮細胞(RPE-19)及びヒト繊維芽細胞(HFF-2))のレベルと比較した。遺伝子の発現レベルは、定量的リアルタイムPCRによって比較した。この試験で使用した癌細胞系には、乳癌細胞系(HTB-26、MCF-7及びSKBR-3)、直腸結腸癌細胞(CCL-247及びHTB-38)、非小細胞肺癌細胞系(A549)、並びに子宮頸癌細胞系(HeLa)が含まれる。リアルタイムPCR分析用の第1鎖cDNAの調製は、わずかな変更を含むが、Qiagen Fast lane cell cDNAキットを用いて行った。簡単に説明すると、20,000個の細胞をペレットにし、バッファーFCW(Qiagen, Germany)で一回洗浄した。細胞をバッファーFCP(Qiagen,Germany)を用いて室温で15分かけて溶解した。gDNAワイプアウト(wipeout)バッファー(Qiagen,Germany)を添加し、42.5℃で30分間インキュベートすることによってゲノムDNA汚染を取り除いた。第1鎖cDNAは、42.5℃、45分間でQuantiscript逆転写酵素を添加し、次に、95℃で3分間インキュベーションすることによって合成した。調製された第1鎖cDNAは、定量的リアルタイムPCR用に即座に用いるか又はさらに使用するまで−20℃で保存した。
A)定量的リアルタイムPCRによる遺伝子発現分析:
種々の癌細胞系におけるNuMAのレベルを正常な2倍体細胞(レチノイド色素上皮細胞(RPE-19)及びヒト繊維芽細胞(HFF-2))のレベルと比較した。遺伝子の発現レベルは、定量的リアルタイムPCRによって比較した。この試験で使用した癌細胞系には、乳癌細胞系(HTB-26、MCF-7及びSKBR-3)、直腸結腸癌細胞(CCL-247及びHTB-38)、非小細胞肺癌細胞系(A549)、並びに子宮頸癌細胞系(HeLa)が含まれる。リアルタイムPCR分析用の第1鎖cDNAの調製は、わずかな変更を含むが、Qiagen Fast lane cell cDNAキットを用いて行った。簡単に説明すると、20,000個の細胞をペレットにし、バッファーFCW(Qiagen, Germany)で一回洗浄した。細胞をバッファーFCP(Qiagen,Germany)を用いて室温で15分かけて溶解した。gDNAワイプアウト(wipeout)バッファー(Qiagen,Germany)を添加し、42.5℃で30分間インキュベートすることによってゲノムDNA汚染を取り除いた。第1鎖cDNAは、42.5℃、45分間でQuantiscript逆転写酵素を添加し、次に、95℃で3分間インキュベーションすることによって合成した。調製された第1鎖cDNAは、定量的リアルタイムPCR用に即座に用いるか又はさらに使用するまで−20℃で保存した。
細胞系は、コンフルエントの60〜70%で維持した。回収の24時間前に新鮮な培地を添加した。第1鎖cDNAは、Fast lane cell cDNAキット(Qiagen)のプロトコールに従って、上述されるように実験細胞から調製した。
癌細胞におけるNuMAの発現は、正常な2倍体の細胞と比較して数倍変化した。表3に示すように、試験した癌細胞系のうち、乳癌細胞系SKBR-3が最も高い発現を示した(HFF-2及びARPE-19細胞のそれぞれ365%及び308%)。一方、子宮頸癌細胞系Helaの場合には、NuMAは過少発現であった(正常細胞系HFF-2及びARPE-19のそれぞれ61.61%及び51.95%)。
実施例4:有効性の試験
A)種々の細胞系において:
オリゴヌクレオチドのトランスフェクション/siRNAトランスフェクション:
HTB-26、MCF-7、HCC-38及びSKBR-3(乳癌細胞)、CCL-247及びHTB-38(結腸直腸癌)、A549(肺癌)、HeLa(子宮頸癌)、PC-3(前立腺癌)、A431(表皮癌)、HFF-2(正常な2倍体繊維芽細胞)、並びにARPE-19(正常な2倍体網膜色素上皮細胞)の細胞系をATCCから入手し、T-25フラスコ中で、トランスフェクションの24時間前に培地を交換して、70〜80%のコンフルエントで維持した。細胞系は、継代数が10に到達する前にsiRNAのトランスフェクションのために用いた。トランスフェクション時に、細胞をトリプシン処理し、24ウェルプレート又は任意の他の標準的な組織培養のディスポーザブルプラスチック製品に適切な細胞密度で再度播種した。他に記載がなければ、全てのトランスフェクションは、所定の実験に用いられる細胞系に応じて細胞密度を変化させて、24ウェルプレート中で行った。24ウェルプレートの各ウェルに、400μLを超えない増殖培地を用いて、トランスフェクションの1時間前に適切な細胞密度で細胞を播種し、5%CO2、37℃インキュベーター中でインキュベートした。希釈したsiRNAを最終濃度10nM(20μMストックから0.3μLのsiRNAを添加した97μLのOpti-MEM I中)まで添加し、これに、Hiperfectトランスフェクション試薬(Qiagen)3μLを添加し、ボルテックスによって混合し、室温で10分間インキュベートした。全ての実験では、RINA 10の陰性対照を用いた。
A)種々の細胞系において:
オリゴヌクレオチドのトランスフェクション/siRNAトランスフェクション:
HTB-26、MCF-7、HCC-38及びSKBR-3(乳癌細胞)、CCL-247及びHTB-38(結腸直腸癌)、A549(肺癌)、HeLa(子宮頸癌)、PC-3(前立腺癌)、A431(表皮癌)、HFF-2(正常な2倍体繊維芽細胞)、並びにARPE-19(正常な2倍体網膜色素上皮細胞)の細胞系をATCCから入手し、T-25フラスコ中で、トランスフェクションの24時間前に培地を交換して、70〜80%のコンフルエントで維持した。細胞系は、継代数が10に到達する前にsiRNAのトランスフェクションのために用いた。トランスフェクション時に、細胞をトリプシン処理し、24ウェルプレート又は任意の他の標準的な組織培養のディスポーザブルプラスチック製品に適切な細胞密度で再度播種した。他に記載がなければ、全てのトランスフェクションは、所定の実験に用いられる細胞系に応じて細胞密度を変化させて、24ウェルプレート中で行った。24ウェルプレートの各ウェルに、400μLを超えない増殖培地を用いて、トランスフェクションの1時間前に適切な細胞密度で細胞を播種し、5%CO2、37℃インキュベーター中でインキュベートした。希釈したsiRNAを最終濃度10nM(20μMストックから0.3μLのsiRNAを添加した97μLのOpti-MEM I中)まで添加し、これに、Hiperfectトランスフェクション試薬(Qiagen)3μLを添加し、ボルテックスによって混合し、室温で10分間インキュベートした。全ての実験では、RINA 10の陰性対照を用いた。
siRNA−リポソーム複合体を十分に混合し、細胞を含む各ウェルに静かに滴下し、混合し、次に、37℃、5%CO2でインキュベートした。トランスフェクション効率は、トランスフェクションの16時間後に、Cy3標識されたsiRNAを示す細胞数をカウントすることによって各細胞系について得た。細胞をトリプシン処理し、PBSで1回洗浄し、PBS中に懸濁した。倒立蛍光顕微鏡で細胞を観察し、15の異なる視野で蛍光細胞の数と細胞の総数をカウントした。Cy3標識細胞の割合(%)は、トランスフェクション効率に対応し、肺癌細胞系A549の70%から乳癌細胞系MCF-7の99%の範囲であった。
B)直腸結腸癌細胞系CCL-247におけるNuMAのノックダウンは紡錘体極に局在化させない:
細胞の形態及びその分布に対するNuMAノックダウンの影響を、RINA 25及びRINA 10を用いた結腸直腸癌細胞CCL-247のトランスフェクションにより試験した。72時間のトランスフェクションの終了時に細胞をエタノール中で5分かけて固定し、その後、Goding JW., “Monoclonal Antibodies: principles and practice,” 3rd ed. London: Academic Press. p 141-191; 352-399 (1996)のプロトコールに従って免疫蛍光染色を行った。細胞を蛍光顕微鏡下で観察し、非処理細胞をRINA 25又はRINA 10で処理した細胞と比較した。NuMAのノックダウンは細胞の形態に何ら影響を及ぼさなかった。RINA 25処理細胞は、細胞質中又は紡錘体極のいずれかにおけるNuMAタンパク質のレベルの低減のために染色されなかった。RINA 10処理細胞又は非処理細胞では、NuMAは、図1に示されるように、有糸***時に紡錘体極に局在化し、そうでない場合には細胞質全体に存在することが観察された。得られた結果は、RINA 25がNuMA発現のノックダウンに成功したことを示している。
細胞の形態及びその分布に対するNuMAノックダウンの影響を、RINA 25及びRINA 10を用いた結腸直腸癌細胞CCL-247のトランスフェクションにより試験した。72時間のトランスフェクションの終了時に細胞をエタノール中で5分かけて固定し、その後、Goding JW., “Monoclonal Antibodies: principles and practice,” 3rd ed. London: Academic Press. p 141-191; 352-399 (1996)のプロトコールに従って免疫蛍光染色を行った。細胞を蛍光顕微鏡下で観察し、非処理細胞をRINA 25又はRINA 10で処理した細胞と比較した。NuMAのノックダウンは細胞の形態に何ら影響を及ぼさなかった。RINA 25処理細胞は、細胞質中又は紡錘体極のいずれかにおけるNuMAタンパク質のレベルの低減のために染色されなかった。RINA 10処理細胞又は非処理細胞では、NuMAは、図1に示されるように、有糸***時に紡錘体極に局在化し、そうでない場合には細胞質全体に存在することが観察された。得られた結果は、RINA 25がNuMA発現のノックダウンに成功したことを示している。
C)癌細胞系の増殖抑制における、設計された種々のsiRNAの効力の同定
SKBR-3及びHCC-38(乳癌)細胞系には、RINA 1、9、25又は10をトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、96ウェルプレートに1ウェル当たり8000個の細胞密度で細胞を播いた(3連試験)。72時間後、BrdUとともに細胞を3時間インキュベートした。BrdUの取り込みは、固定試薬の添加によって停止し、細胞を透過性にして、抗BrdU抗体により標識した。この抗体は、540nmの参照フィルターによって、450nmでの吸光度によって測定される発色生成物にH2O2を変換する西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートしている。吸光度は、陰性対照siRNAであるRINA 10で処理された細胞と比較して、siRNAでの処理後にS期にある細胞の比率を推定する。全ての実験は、3連試験で行い、それらの中間平均値及び標準偏差を得た。統計的有意性は、対応のある両側t検定(P≦0.05)によって、RINA 10処理細胞とRINA 25処理細胞との間で判定した。RINA 25を用いたトランスフェクション後のBrdUの取り込みは、癌細胞系SKBR-3及びHCC-38に対してそれぞれ69%及び41%であった。また、RINA 1又はRINA 9を用いた細胞の処理により、RINA 10処理細胞と比較してBrdU取り込みが減少したが、RINA 25処理細胞ほどではなかった(表5)。統計的有意性は、RINA 10処理細胞と全てのsiRNA処理細胞との間、RINA 1と25との間、RINA 9と25との間、RINA 1と9との間、並びにRINA 25と10との間に見られた。これらの結果は、RINA 25がRINA 1及びRINA 9よりも強力であることを示している。
SKBR-3及びHCC-38(乳癌)細胞系には、RINA 1、9、25又は10をトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、96ウェルプレートに1ウェル当たり8000個の細胞密度で細胞を播いた(3連試験)。72時間後、BrdUとともに細胞を3時間インキュベートした。BrdUの取り込みは、固定試薬の添加によって停止し、細胞を透過性にして、抗BrdU抗体により標識した。この抗体は、540nmの参照フィルターによって、450nmでの吸光度によって測定される発色生成物にH2O2を変換する西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートしている。吸光度は、陰性対照siRNAであるRINA 10で処理された細胞と比較して、siRNAでの処理後にS期にある細胞の比率を推定する。全ての実験は、3連試験で行い、それらの中間平均値及び標準偏差を得た。統計的有意性は、対応のある両側t検定(P≦0.05)によって、RINA 10処理細胞とRINA 25処理細胞との間で判定した。RINA 25を用いたトランスフェクション後のBrdUの取り込みは、癌細胞系SKBR-3及びHCC-38に対してそれぞれ69%及び41%であった。また、RINA 1又はRINA 9を用いた細胞の処理により、RINA 10処理細胞と比較してBrdU取り込みが減少したが、RINA 25処理細胞ほどではなかった(表5)。統計的有意性は、RINA 10処理細胞と全てのsiRNA処理細胞との間、RINA 1と25との間、RINA 9と25との間、RINA 1と9との間、並びにRINA 25と10との間に見られた。これらの結果は、RINA 25がRINA 1及びRINA 9よりも強力であることを示している。
D)リアルタイム定量的PCR分析:
理論に拘束されるものではないが、siRNAを用いた細胞のトランスフェクションは、結果としてRNAi経路を活性化させ、そこではこのsiRNAに相補的なmRNAが分解され、それによりmRNAレベルを低下させると考えられる。siRNAの効力は、siRNAトランスフェクション後のmRNAレベルを測定することによって決定することができる(ただし有効性の最終的な決定はタンパク質レベルで確認する必要がある)。定量的リアルタイムPCRを用いて、siRNAでトランスフェクトした種々の細胞系の中でNuMAのmRNAレベルを測定し、非処理細胞と比較した。
理論に拘束されるものではないが、siRNAを用いた細胞のトランスフェクションは、結果としてRNAi経路を活性化させ、そこではこのsiRNAに相補的なmRNAが分解され、それによりmRNAレベルを低下させると考えられる。siRNAの効力は、siRNAトランスフェクション後のmRNAレベルを測定することによって決定することができる(ただし有効性の最終的な決定はタンパク質レベルで確認する必要がある)。定量的リアルタイムPCRを用いて、siRNAでトランスフェクトした種々の細胞系の中でNuMAのmRNAレベルを測定し、非処理細胞と比較した。
概して、乳癌細胞系MCF-7及びHTB-26は、RINA 25でトランスフェクトした場合に最大のノックダウン効率を示した。
E)NuMAタンパク質レベルの分析:
siRNAでトランスフェクトしたA549、HFF-2、A431及びPC3細胞を、トランスフェクションの72時間後に総タンパク質抽出に供した。siRNA処理により、陰性siRNA処理サンプルと比較して、NuMAタンパク質発現のレベルが90%程度(例えば、図2)まで低下した。タンパク質発現の減少は、リアルタイムPCRで見られたmRNAレベルの減少を反映している。
siRNAでトランスフェクトしたA549、HFF-2、A431及びPC3細胞を、トランスフェクションの72時間後に総タンパク質抽出に供した。siRNA処理により、陰性siRNA処理サンプルと比較して、NuMAタンパク質発現のレベルが90%程度(例えば、図2)まで低下した。タンパク質発現の減少は、リアルタイムPCRで見られたmRNAレベルの減少を反映している。
別のRINAのうち、RINA 25は、図2で観察されたように、微量のタンパク質が観察されたRINA 1及び9と比較して、タンパク質レベルを完全にノックダウンした。
実施例5:抗癌特性についてのin vitro検査
A)コロニー形成アッセイ:
コロニー形成アッセイを用いて、腫瘍を引き起し、成長させるsiRNA処理細胞の能力を評価した。24ウェルプレートで細胞(HeLa、A549及びCCL-247)のトランスフェクトの24時間後、これらの細胞をトリプシン処理し、カウントし、6ウェルプレート当たり300個の細胞の濃度で再度播種した(3連試験)。模擬処理及び非処理の細胞系の対照も調製した。10日のインキュベーション後、細胞をPBSで1回洗浄し、300μLの0.1%クリスタルバイオレットで5分間染色し、その後、PBSで3回洗浄した。これは、CCL-247癌細胞を示す図3において容易に見ることができる。
A)コロニー形成アッセイ:
コロニー形成アッセイを用いて、腫瘍を引き起し、成長させるsiRNA処理細胞の能力を評価した。24ウェルプレートで細胞(HeLa、A549及びCCL-247)のトランスフェクトの24時間後、これらの細胞をトリプシン処理し、カウントし、6ウェルプレート当たり300個の細胞の濃度で再度播種した(3連試験)。模擬処理及び非処理の細胞系の対照も調製した。10日のインキュベーション後、細胞をPBSで1回洗浄し、300μLの0.1%クリスタルバイオレットで5分間染色し、その後、PBSで3回洗浄した。これは、CCL-247癌細胞を示す図3において容易に見ることができる。
少なくとも60個の細胞を含むコロニーの数を光学顕微鏡でカウントした。コロニー形成阻害率(%)は下記の式を用いて得た:
コロニー形成阻害率=(対照のコロニー形成率−実験のコロニー形成率)/対照のコロニー形成率×100
コロニー形成阻害率=(対照のコロニー形成率−実験のコロニー形成率)/対照のコロニー形成率×100
種々の細胞系の処理によって、細胞系に応じて、非処理細胞に対して56から78%でコロニー形成能が抑制された(表6)。HeLa細胞は最小コロニー形成(56%)を示し、A549細胞は最大コロニー形成(78%)を示した。
B)癌細胞傷害活性及び/又は膜の完全性に対するsiRNAトランスフェクションの影響:
LDH放出を用いて、トランスフェクト細胞に対する低下したレベルのNuMAの細胞傷害活性を測定した。癌細胞系にsiRNAをトランスフェクトし、これを24ウェルプレートに20,000細胞/ウェルの密度で播種した(3連試験)。72時間後、細胞を簡単に遠心分離して、死んで浮遊した細胞を取り除き、100μLの使用済みの培地を別の96ウェルプレートに回収し、Sigma LDHアッセイキット(TOX-7)のプロトコールに従ってLDHを評価した。690nmの参照フィルターを用いて490nmでの吸光度値を測定した。平均及び標準偏差は、3連のウェルから計算し、表7に示されるように非処理細胞系と比較した。
LDH放出を用いて、トランスフェクト細胞に対する低下したレベルのNuMAの細胞傷害活性を測定した。癌細胞系にsiRNAをトランスフェクトし、これを24ウェルプレートに20,000細胞/ウェルの密度で播種した(3連試験)。72時間後、細胞を簡単に遠心分離して、死んで浮遊した細胞を取り除き、100μLの使用済みの培地を別の96ウェルプレートに回収し、Sigma LDHアッセイキット(TOX-7)のプロトコールに従ってLDHを評価した。690nmの参照フィルターを用いて490nmでの吸光度値を測定した。平均及び標準偏差は、3連のウェルから計算し、表7に示されるように非処理細胞系と比較した。
得られた結果は、RINA 10処理細胞と比較して、試験した細胞系からのLDHの有意な放出はなかったことを示した。これは、NuMA発現の抑制が細胞傷害性ではないことを示す。
C)癌細胞系の細胞周期に対するsiRNAトランスフェクションの影響:
癌細胞は、常に増殖状態を維持しているので、所定時間に細胞周期のS期で維持している細胞の数が腫瘍の増殖能を決定する。siRNAでトランスフェクトした細胞(乳癌細胞HTB-26、MCF-7、HCC-38、直腸結腸癌細胞CCL-247、肺癌細胞A549、子宮頸癌細胞HeLa、及び前立腺癌細胞PC3)を、96ウェルプレートにウェル当たり8000個の細胞の密度で播種し、細胞周期に対するRINA 25の影響、したがって、腫瘍細胞系の増殖指標を制御する能力を測定した。トランスフェクションの72時間後、細胞をBrdU取り込みに供し、上述したように細胞周期のS期にある細胞の数を測定した。吸光度値から、細胞周期のS期にある細胞の割合(%)を、模擬処理細胞と比較して得た。全ての実験は、3連試験で行い、それらの中間平均値及び標準偏差を得た。
癌細胞は、常に増殖状態を維持しているので、所定時間に細胞周期のS期で維持している細胞の数が腫瘍の増殖能を決定する。siRNAでトランスフェクトした細胞(乳癌細胞HTB-26、MCF-7、HCC-38、直腸結腸癌細胞CCL-247、肺癌細胞A549、子宮頸癌細胞HeLa、及び前立腺癌細胞PC3)を、96ウェルプレートにウェル当たり8000個の細胞の密度で播種し、細胞周期に対するRINA 25の影響、したがって、腫瘍細胞系の増殖指標を制御する能力を測定した。トランスフェクションの72時間後、細胞をBrdU取り込みに供し、上述したように細胞周期のS期にある細胞の数を測定した。吸光度値から、細胞周期のS期にある細胞の割合(%)を、模擬処理細胞と比較して得た。全ての実験は、3連試験で行い、それらの中間平均値及び標準偏差を得た。
試験した細胞系のうち、模擬処理細胞と比較して、乳癌細胞系HCC-38はそのわずか41%の細胞が細胞周期のS期にあったのに対し、子宮頸癌細胞Helaは85%がS期にあった。
D)細胞周期に対するNuMAノックダウンの影響:
RINA 25及びRINA 10でトランスフェクトした癌細胞系を72時間後に回収した。細胞をPBSで洗浄し、70%氷冷エタノール中で4℃で60分間固定した。次に、細胞をPBSで洗浄し、ヨウ化プロピジウムで30分間、4℃で処理した。ヨウ化プロピジウム染色した細胞は、FACS caliber(Becton Dickinson)を用いてフロー分析に供した。Cell questソフトウェアを用いて10,000回のゲートイベント(gated event)についてデータを取得し、ModfitLT2.0(Verity Software House, Topsham, Me)を用いて分析した。NuMAのノックダウンはアポトーシスの誘導を生じる。
RINA 25及びRINA 10でトランスフェクトした癌細胞系を72時間後に回収した。細胞をPBSで洗浄し、70%氷冷エタノール中で4℃で60分間固定した。次に、細胞をPBSで洗浄し、ヨウ化プロピジウムで30分間、4℃で処理した。ヨウ化プロピジウム染色した細胞は、FACS caliber(Becton Dickinson)を用いてフロー分析に供した。Cell questソフトウェアを用いて10,000回のゲートイベント(gated event)についてデータを取得し、ModfitLT2.0(Verity Software House, Topsham, Me)を用いて分析した。NuMAのノックダウンはアポトーシスの誘導を生じる。
NuMAの(RINA 25を用いた)ノックダウンにより、表10及び11並びに図4に示されるように、非小細胞肺癌細胞A549、乳癌細胞MCF-7及び直腸結腸癌細胞系CCL-247においてアポトーシスが誘導された。さらに、NuMAのノックダウンはまた、癌細胞の増殖能の指標である細胞周期のS期を抑制した。
E)種々の癌細胞系のsiRNAトランスフェクションによるインターフェロン応答の誘導:
他に記載したように、種々の癌細胞系にRINA 25及び10をトランスフェクトし、24ウェルプレートで72時間インキュベートした。72時間の終わりに、プレートを遠心分離し、死細胞を除去し、100μLの上清を丸底ELISAプレート中で4℃でインキュベートした。次に、ウェルをPBST(0.1%Tween 20を含むリン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、非結合の抗原を取り除き、5%スキムミルク粉末と共に30分間室温でインキュベートした。ウエルを前と同じようにPBSTで3回洗浄し、その後、HRPコンジュゲートヤギ抗ウサギ抗体と共にさらに1時間、室温でインキュベートした。インキュベーション時間の終わりに、HRP基質を添加した。吸光度の値を3連試験で測定し、結果を表10及び11に示す。
他に記載したように、種々の癌細胞系にRINA 25及び10をトランスフェクトし、24ウェルプレートで72時間インキュベートした。72時間の終わりに、プレートを遠心分離し、死細胞を除去し、100μLの上清を丸底ELISAプレート中で4℃でインキュベートした。次に、ウェルをPBST(0.1%Tween 20を含むリン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、非結合の抗原を取り除き、5%スキムミルク粉末と共に30分間室温でインキュベートした。ウエルを前と同じようにPBSTで3回洗浄し、その後、HRPコンジュゲートヤギ抗ウサギ抗体と共にさらに1時間、室温でインキュベートした。インキュベーション時間の終わりに、HRP基質を添加した。吸光度の値を3連試験で測定し、結果を表10及び11に示す。
siRNAトランスフェクションは、多くの場合、IFNα及びIFNβの産生と関連付けられる。しかしながら、RINA処理又は非処理の細胞において、IFNα又はIFNβのいずれも統計的に有意な放出はなく、これは、RINA 25がいずれのIFNα応答も誘発しないことを示している。
F)転写に対する影響:
siRNAの特異性を試験するために、上述のように乳癌細胞HTB-26をsiRNAでトランスフェクトした。72時間のトランスフェクションの最後に、総RNAをQiagenの総RNA単離キット(RNeasy Mini kit)のプロトコールに従って調製した。2μgの総RNAを10μLの水に懸濁した。RNAの量は、ナノチップを用いたBioanalyzer(Agilent technologies製)で確認した。1μgの総RNAを、Illumina Sentrixアレイを用いたハイブリダイゼーションのためにビオチニル化された増幅RNAに変換した。この手順には、T7プロモーターを有するオリゴ(dT)プライマーによる総RNAのArray Scriptを用いた逆転写のステップが含まれる。第2鎖の合成は、DNAポリメラーゼ及びRNaseを用いて行った。二本鎖cDNAを精製し、in vitro転写を行って、ビオチニル化cRNAを合成した。cRNAを一晩かけてハイブリダイズ(ヒト全ゲノムの8サンプルチップ)させ、ストレプトアビジン-Cy3を有するプローブで検出した。検出の最後に、Illumina Beadチップを乾燥し、Bead Studio analyzerソフトウエアを用いてスキャンした。得られた結果を、非処理、RINA 10処理及びRINA 25処理サンプルの間の示差的な遺伝子発現について分析した。
siRNAの特異性を試験するために、上述のように乳癌細胞HTB-26をsiRNAでトランスフェクトした。72時間のトランスフェクションの最後に、総RNAをQiagenの総RNA単離キット(RNeasy Mini kit)のプロトコールに従って調製した。2μgの総RNAを10μLの水に懸濁した。RNAの量は、ナノチップを用いたBioanalyzer(Agilent technologies製)で確認した。1μgの総RNAを、Illumina Sentrixアレイを用いたハイブリダイゼーションのためにビオチニル化された増幅RNAに変換した。この手順には、T7プロモーターを有するオリゴ(dT)プライマーによる総RNAのArray Scriptを用いた逆転写のステップが含まれる。第2鎖の合成は、DNAポリメラーゼ及びRNaseを用いて行った。二本鎖cDNAを精製し、in vitro転写を行って、ビオチニル化cRNAを合成した。cRNAを一晩かけてハイブリダイズ(ヒト全ゲノムの8サンプルチップ)させ、ストレプトアビジン-Cy3を有するプローブで検出した。検出の最後に、Illumina Beadチップを乾燥し、Bead Studio analyzerソフトウエアを用いてスキャンした。得られた結果を、非処理、RINA 10処理及びRINA 25処理サンプルの間の示差的な遺伝子発現について分析した。
Bead studio analyzer differential expressionソフトウエアを用いて、平均シグナルを正規化し、±13.6の示差(「diff」)スコアにおける「t検定」を実施した。RINA 25、RINA 10及び非処理サンプルの間で示差的に発現された遺伝子を全て同定した。示差的に発現したプローブIDを、下方制御又は非制御のいずれかの遺伝子の数についてソートした。トランスクリプトーム発現レベルの変化を図5に示す。これは、陰性siRNA処理対照と比較して上方制御又は下方制御された多数の遺伝子を示している。
G)ヌードマウスにおける有効性試験
in vivoでsiRNAの有効性を試験するために、異種移植片の結腸直腸癌腫瘍を、体積100μLのPBSに含まれる107細胞の密度でヒト直腸結腸癌細胞系CCL247を一方の脇腹に皮下注射することによって、6〜8週齢の雌ヌードマウスに誘導した。マウスは、2週間の終わりまでに、約80〜100mm3の腫瘍を発生させた。マウスを2つのグループに分けた。グループBは、RINA 25で処置した3匹の動物からなっていた。グループAは、プラセボで処置した3匹の動物からなっていた。動物は、体重1kg当たり10mgのRINAで隔日で処置した。5回用量の後、腫瘍を回収し、タンパク質ブロットによりNuMAのノックダウンについて分析した。RINA 25処置動物では、プラセボ処置動物よりもNuMAレベルが低減していた(図6)。これは、RINA 25が結腸直腸癌においてin vivo条件下でNuMAをノックダウンすることができることを示している。3匹の動物のうち、動物B-11は、他の全ての動物と比較して、7日目及び11日目に最も低い増殖率(%)を示した(表12)。
in vivoでsiRNAの有効性を試験するために、異種移植片の結腸直腸癌腫瘍を、体積100μLのPBSに含まれる107細胞の密度でヒト直腸結腸癌細胞系CCL247を一方の脇腹に皮下注射することによって、6〜8週齢の雌ヌードマウスに誘導した。マウスは、2週間の終わりまでに、約80〜100mm3の腫瘍を発生させた。マウスを2つのグループに分けた。グループBは、RINA 25で処置した3匹の動物からなっていた。グループAは、プラセボで処置した3匹の動物からなっていた。動物は、体重1kg当たり10mgのRINAで隔日で処置した。5回用量の後、腫瘍を回収し、タンパク質ブロットによりNuMAのノックダウンについて分析した。RINA 25処置動物では、プラセボ処置動物よりもNuMAレベルが低減していた(図6)。これは、RINA 25が結腸直腸癌においてin vivo条件下でNuMAをノックダウンすることができることを示している。3匹の動物のうち、動物B-11は、他の全ての動物と比較して、7日目及び11日目に最も低い増殖率(%)を示した(表12)。
* グループA:動物に非特異的核酸を投与したプラセボ処置動物を示す。グループB:RINA 25を投与した動物を示す。
本明細書に開示され、特許請求の範囲に記載されている全ての組成物及び方法は、本開示に照らして過度の実験を行なうことなく作製し実施することができる。本発明の組成物及び方法は、特定の実施形態に関して記載されているが、当業者には、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、変更が、本明細書に記載された組成物及び/又は方法、並びに方法のステップ又はステップの順序に適用されてもよいことは明らかである。より具体的には、化学的又は生理学的に関連するある種の薬物は、本明細書に記載された薬物と置換することができ、同じであるか又は類似した結果が達成されることは明らかである。当業者に明らかであるこのような類似の置換及び改変の全ては、本発明の精神、範囲及び概念に含まれるものとみなされる。
Claims (19)
- Genbankアクセッション番号NM_006185のNuMA mRNAにターゲティングするsiRNA。
- Genbankアクセッション番号NM_006185のNuMA mRNAのヌクレオチド20〜40、578〜598又は905〜928及びそのSNPにターゲティングする、請求項1に記載のsiRNA。
- 配列番号1、配列番号2及び配列番号3からなる群より選択される配列にターゲティングする、請求項1に記載のsiRNA。
- 少なくとも1つの鎖が19〜30ヌクレオチド長のヌクレオチド鎖からなる、請求項1に記載のsiRNA。
- siRNAが、
配列番号4及び配列番号5;
配列番号6及び配列番号7;
配列番号8及び配列番号9;並びに
配列番号10及び配列番号11;
からなる群より選択される構造を有する、請求項1に記載のsiRNA。 - 請求項1に記載のsiRNAを投与することにより標的細胞におけるNuMAの発現を低減する方法。
- 請求項4に記載のsiRNAを投与することにより標的細胞におけるNuMAの発現を低減する方法。
- 癌の治療方法であって、その必要のある対象に、Genbankアクセッション番号NM_006185のNuMAのヌクレオチド20〜40、578〜598又は905〜928及びそのSNPにターゲティングするsiRNAを投与することによる、癌の治療方法。
- siRNAが、配列番号1、配列番号2及び配列番号3からなる群より選択される配列にターゲティングする、請求項8に記載の方法。
- siRNAが19〜30ヌクレオチドのヌクレオチド鎖からなる、請求項8に記載の方法。
- siRNAが、
配列番号4及び配列番号5;
配列番号6及び配列番号7;
配列番号8及び配列番号9;並びに
配列番号10及び配列番号11;
からなる群より選択される構造を有する、請求項8に記載の方法。 - 癌が、子宮頸癌、表皮癌、口腔癌、神経膠腫、白血病、脳腫瘍、食道癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頸癌、頭部及び頸部癌、卵巣癌、メラノーマ、リンパ腫及び多剤耐性癌からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
- 癌が、結腸直腸癌、乳癌、肺癌及び前立腺癌からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
- 請求項1に記載のsiRNAと医薬として許容される担体とを含む、癌の治療のための組成物。
- 癌が、子宮頸癌、表皮癌、口腔癌、神経膠腫、白血病、脳腫瘍、食道癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮頸癌、頭部及び頸部癌、卵巣癌、メラノーマ、リンパ腫及び多剤耐性癌からなる群より選択される、請求項14に記載の組成物。
- 癌が、結腸直腸癌、乳癌、肺癌及び前立腺癌からなる群より選択される、請求項14に記載の組成物。
- 癌の治療方法であって、その必要のある対象にNuMAの発現を抑制するsiRNAを投与することを含む癌の治療方法。
- NuMAの発現を抑制するsiRNAと医薬として許容される担体とを含む、癌の治療のための組成物。
- 実施例及び図面において実質的に本明細書に記載された、請求項1〜18に記載の、NuMA mRNAの発現をターゲティングするsiRNA並びにその方法及び組成物。
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