JP2010524960A - カペシタビンを調製するためのプロセス - Google Patents

カペシタビンを調製するためのプロセス Download PDF

Info

Publication number
JP2010524960A
JP2010524960A JP2010504240A JP2010504240A JP2010524960A JP 2010524960 A JP2010524960 A JP 2010524960A JP 2010504240 A JP2010504240 A JP 2010504240A JP 2010504240 A JP2010504240 A JP 2010504240A JP 2010524960 A JP2010524960 A JP 2010524960A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
deoxy
capecitabine
isopropylidene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010504240A
Other languages
English (en)
Inventor
ラガベンドラチャリュル ベンカタ パレ,
アナント マダブラオ マラセ,
スリニバス アルル,
ラメシュ ボッカ,
ラジャセカー カダボイナ,
セカール ミナスワミー ナリヤム,
アニール パトニ,
Original Assignee
ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ・リミテッド
ドクター レディズ ラボラトリーズ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ・リミテッド, ドクター レディズ ラボラトリーズ, インコーポレイテッド filed Critical ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ・リミテッド
Publication of JP2010524960A publication Critical patent/JP2010524960A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D401/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
    • C07D401/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings
    • C07D401/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D239/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings
    • C07D239/02Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings
    • C07D239/24Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D239/28Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D239/46Two or more oxygen, sulphur or nitrogen atoms
    • C07D239/47One nitrogen atom and one oxygen or sulfur atom, e.g. cytosine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D401/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
    • C07D401/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/06Pyrimidine radicals
    • C07H19/067Pyrimidine radicals with ribosyl as the saccharide radical

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

カペシタビンの化学名は、5’−デオキシ−5−フルオロ−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−シチジンであり、カペシタビンは抗腫瘍活性を持つフルオロピリミジンカルバマートである。中間体およびカペシタビンのプロセスに関する開示の多さから判断すると、改良された調製技法を用いて、商業生産に使用できる所望の純度および収率を持つカペシタビンおよびその中間体を調製する簡便なプロセスが依然として求められているのは明らかである。カペシタビンおよびその中間体を調製するプロセスを提供する。

Description

本特許出願はカペシタビンの調製プロセスに関する。さらに、本出願はカペシタビンの中間体の調製プロセスにも関する。
カペシタビンの化学名は、式Iの化学構造で表される5’−デオキシ−5−フルオロ−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−シチジンである。
Figure 2010524960
カペシタビンは抗腫瘍活性を持つフルオロピリミジンカルバマートであり、XELODA(登録商標)という商品名で市販されている。
Fuziuらは、米国特許第4,966,891号でカペシタビン全般と、その調製プロセスとを開示している。さらに、この特許にはこの医薬組成物と、肉腫および線維肉腫を処置する方法とが開示されている。
Kamiyaらは、米国特許第5,453,497号でカペシタビンを調製するプロセスであって、5−デオキシ−1,2,3−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノースを塩化メチレン中で無水塩化第二スズを用いてシリル化5−フルオロシトシンと反応させることを含む、プロセスについて記載している。
Arasakiらは、米国特許第5,472,949号でカペシタビンについて具体的に開示し、カペシタビンの調製に有用な2’,3’−O−アセチル−5’−デオキシ−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル−5−フルオロシチジンを調製するプロセスであって、2’,3’−O−アセチル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジンをn−ペンチルクロロホルマートと反応させることを含む、プロセスを開示している。
Erionらは、特許文献1において、従来技術で1,2ジオール保護として知られる方法を用いてL−リキソースのような五炭糖類の2,3ヒドロキシル基をその2,3イソプロピリデン誘導体として保護することを開示している。
Jinliangらは、特許文献2でカペシタビンの調製プロセスを開示している。本出願も、n−ペンチルクロロホルマートで5−フルオロシトシンの窒素原子をアシル化してN−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンを形成するプロセスを提供する。
非特許文献1には、D−リボースからの1,2,3−トリ−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボフルナオースの合成が開示されている。この学術誌には、触媒量の濃硫酸を用いてリボースから2,3−イソプロピリデン−D−リボースを調製するプロセスも開示されている。
非特許文献2には、カペシタビンの調製に有用な中間体化合物−5−デオキシ−D−リボースの調製プロセスが開示されている。
非特許文献3には、カペシタビンの調製に有用な2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンの調製プロセスであって、5−フルオロシトシンを2,2−ジメトキシプロパンと反応させることを含む、プロセスが開示されている。
中間体およびカペシタビンのプロセスに関する開示の多さから判断すると、改良された調製技法を用いて、商業生産に使用できる所望の純度および収率を持つカペシタビンおよびその中間体を調製する簡便なプロセスが依然として求められているのは明らかである。
国際公開第94/18215号パンフレット 国際公開第2005/0080351号パンフレット
Carbohydrate Research 338(2003)pages 303−306 Journal of American Chemical Society,1955,volume 77,pages.2210−2212 Journal of Medicinal Chemistry,1977,volume 20,pages 344−348
本発明は、カペシタビンおよびその中間体の調製プロセスを提供する。
一態様では、本発明は、式II
Figure 2010524960
の5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを調製するプロセスであって、
a)式V:
Figure 2010524960
の5−デオキシ−D−リボースを好適な有機溶媒の存在下で2,2−ジメトキシプロパンと反応させて式IV
Figure 2010524960
の化合物2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを得ることと、
b)式IVの化合物2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを好適な有機溶媒の存在下で酢酸無水物と反応させて式III
Figure 2010524960
の化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを得ることと、
c)式IIIの化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを好適な有機溶媒の存在下で式IIIB:
Figure 2010524960
の2−O−トリメチルシリルN−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンと反応させて式II
Figure 2010524960
の化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを得ることと
を含む、プロセスを提供する。
別の実施形態では、式IIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを調製する別のプロセスであって、
i)式III:
Figure 2010524960
の化合物2,3−O−イソプロピリデン−1−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを塩化第二スズおよび好適な有機溶媒の存在下で式IIIC:
Figure 2010524960
の化合物と反応させて式IV
Figure 2010524960
の化合物5’−デオキシ−2,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを得ることと、
ii)式VIの化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを好適な有機溶媒の存在下でn−ペンチルクロロホルマートと反応させて式II
Figure 2010524960
の5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを得ることと
を含む、プロセスを提供する。
別の態様では、式Iのカペシタビンを調製するプロセスを提供する。
本発明の一実施形態では、カペシタビンを調製するプロセスであって、式IIまたは式Cをカペシタビンに変換することを含み、変換の前に本明細書では選択的な脱保護ともいう脱保護を行うプロセスを提供する。リボース環の2’位および3’位の−OH基が式IIに示されるように共に保護されている保護分子からの変換である場合、前記選択的な脱保護は、Amberlyst(商標)15触媒を用いて行われる。この選択的な脱保護は、式IIの化合物の2’位および3’位の脱保護に選択的である。
別の実施形態では、本発明は、カペシタビンの改良された調製プロセスであって、
a)式A
Figure 2010524960
の5’−デオキシ−2’,3’−O−アセチル−5−フルオロシチジンをピリジンおよび有機溶媒の存在下で式B
Figure 2010524960
のn−ペンチルクロロホルマートと反応させて式C
Figure 2010524960
の5’−デオキシ−2’,3’−O−アセチル−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを形成することと、
b)式Cのヒドロキシル保護基をメタノールの存在下で水酸化ナトリウムなどの塩基を用いて脱保護して式Iのカペシタビンを形成することと
を含む、プロセスを提供する。
なお別の態様では、本発明は、式IIIB
Figure 2010524960
の中間体−2−O−トリメチルシリルN−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンを調製するプロセスであって、式IIIA
Figure 2010524960
の化合物N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンを好適なシリル化試薬と反応させることを含む、プロセスを提供する。
本発明の他の実施形態では、カペシタビンの結晶形の製造方法と、結晶性カペシタビンと、結晶性カペシタビンの粉砕プロセスと、様々な結晶形のカペシタビンの製造プロセスと、粒度分布が異なるカペシタビンとを提供する。さらに、本発明は、概ね図1で示したようなPXRD(powder X−ray diffraction pattern)を持つカペシタビンおよび概ね図5で示したようなPXRDを持つカペシタビンも含む。こうした態様は、式I
Figure 2010524960
の化合物の調製プロセスであって、2’位および3’位のOH基が保護されている式Iの化合物を脱保護することを含む、プロセスを含む。
このプロセスの特に好ましい態様では、2’位および3’位のOH基が保護されている式Iの化合物は、式II
Figure 2010524960
の化合物の構造または式C
Figure 2010524960
の化合物の構造を持つ。
式IIの化合物を脱保護することで生成される式Iの化合物は、反応混合物を溶媒に溶解し、続いてこの溶液を冷却することを含む、結晶化により単離することができる。
式Iの化合物は、概ね図1に従うX線粉末回折パターン(XRPD:X−ray powder diffraction pattern)を特徴としてもよい。
本発明の別の態様は、微粉砕機において設定供給圧力約2Kg/cm〜約5Kg/cmでカペシタビンの結晶材料を粉砕することを含む、微粉化カペシタビンの調製プロセスである。得られた微粉化カペシタビンは、概ね図5に従うX線粉末回折パターン(XRPD)を特徴とする。
他の態様では、本発明は、式II
Figure 2010524960
の化合物の調製プロセスであって、
a)式V:
Figure 2010524960
の化合物5−デオキシ−D−リボースを有機溶媒中で2,2−ジメトキシプロパンと反応させて式IV;
Figure 2010524960
の2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを得ることと、
b)式IVの化合物2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを有機溶媒の存在下で酢酸無水物と反応させて式III
Figure 2010524960
の2,3−O−イソプロピリデン−1−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを得ることと、
c)式IIIの化合物2,3−O−イソプロピリデン−1−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを有機溶媒の存在下で式IIIB:
Figure 2010524960
の2−O−トリメチルシリル,N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンと反応させて式IIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを得ることと
を含む、プロセスについて記載する。
なお別の態様では、本発明は、式IIの中間体−5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンの調製プロセスであって、
i)式III:
Figure 2010524960
の化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを塩化第二スズおよび有機溶媒の存在下で式IIIC:
Figure 2010524960
の2−O−トリメチルシリル,N−(トリメチルシリル)−5−フルオロシトシンと反応させて式VI
Figure 2010524960
の化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを得ることと、
ii)式VIの化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを有機溶媒の存在下でn−ペンチルクロロホルマートと反応させて式IIの化合物を得ることと
を含む、プロセスを提供する。
別の実施形態では、粒度分布がD90で25ミクロン未満、D50で約15ミクロン未満の微粉化カペシタビンが得られる。
この微粉化カペシタビンは、概ね図5に従うX線粉末回折パターン(XRPD)を持っていてもよい。
実施例9に従って調製されたカペシタビン(微粉砕化前)のX線粉末回折パターンの例図を示す。 実施例9に従って調製されたカペシタビン(微粉砕化前)の示差走査熱量測定曲線の例図を示す。 実施例9に従って調製されたカペシタビン(微粉砕化前)の熱重量分析の例図を示す。 実施例9に従って調製されたカペシタビン(微粉砕化前)の偏光顕微鏡観察像の例図を示す。 実施例9に従って調製されたカペシタビン(微粉砕化後)のX線粉末回折パターンの例図を示す。 実施例9に従って調製されたカペシタビン(微粉砕化後)の偏光顕微鏡観察像の例図を示す。
他に記載がない限り、本明細書で使用する技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解しているのと同じ意味を有する。本発明の実施または試験には本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法および材料を用いてもよいが、好ましい方法および材料について記載されている。
異なる記載がない限り、「含む(including)」、「含む(containing)」、「含む(comprising)」、「持つ(having)」および同種のものなどの語を使用する場合、「含むが、これに限定されるものではない」ことを意味し、そうした用語の前に記載された任意の一般的な表現を、そうした用語の直後に記載された具体的もしくは類似の項目または内容に限定するものと解釈してはならない。本発明の実施形態は相互に排他的なものではなく、様々に組み合わせて実行してもよい。記載した本発明の実施形態および開示した実施例は例示のために提供するものであり、添付の特許請求の範囲に記載の本発明を限定するために提供するものではない。
「化合物」という語は、明確な化学構造を持つ分子的実体という意味で用いる。
「溶媒」という語は、個々の溶媒または溶媒の混合物など、成分(単数または複数)を溶解する任意の液体媒体と定義する。
特に、記載の粉末X線回折パターン(PXRD)を引用する場合、本書は、「概ね」示したような、「概ね」従う、あるいは、そうした趣旨の他の表現のPXRDパターンを、ある材料が持つことをいう場合がある。そうした場合、当業者が知っている多くの要因が原因でPXRDパターンの全部または一部が変化する場合がある理解されるであろう。こうした要因として、以下に限定されるものではないが、装置の違い、手法の違い、較正の違い、サンプル調製の違い、分析時間および誤差が挙げられる。こうした要因は、相対ピーク強度に影響する場合もある。「概ね」という語は、そうしたばらつきを考慮して使用した。PXRDの分野の当業者がカペシタビンの未知の形態について図およびパターンを調べて、実際に同じ形態であるか否かを評価できる場合、その形態は、発明を実施するための形態および特許請求の範囲に包含されるには十分である。本発明は、カペシタビンおよびその中間体の調製プロセスを提供する。
一態様では、式IIの化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンの調製プロセスを提供する。
一実施形態では、式IIの化合物の調製プロセスであって、
a)式V:
Figure 2010524960
の5−デオキシ−D−リボースを好適な有機溶媒の存在下で2,2−ジメトキシプロパンと反応させて式IV;
Figure 2010524960
の2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを得ることと、
b)式IVの化合物2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを好適な有機溶媒の存在下で酢酸無水物と反応させて式III
Figure 2010524960
の化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを得ることと、
c)式IIIの化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを好適な有機溶媒の存在下で式IIIB:
Figure 2010524960
の2−O−トリメチルシリル,N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンと反応させて式II
Figure 2010524960
の中間体化合物−5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを得ることと
を含む、プロセスを提供する。
全体的なプロセスについては、本明細書で以下に記載するスキームに要約することができる:
Figure 2010524960
ステップa)では、式Vの化合物5−デオキシ−D−リボースの2位および3位の−OH基を好適な有機溶媒の存在下で2,2−ジメトキシプロパンと反応させて式IVの化合物2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを得る。このヒドロキシル基の保護については選択的に行う。
この保護ステップは酸の存在下で行ってもよい。−OH基の選択的保護に使用してもよい酸として、塩酸、硫酸および同種のものなどの無機酸;およびシュウ酸、酒石酸、ギ酸、酢酸およびp−トルエンスルホン酸などの有機酸があるが、これに限定されるものではない。
温度および時間は、使用する酸の選択および出発材料の量など、多くの要因によって異なる場合がある。温度は、約0〜約50℃あるいはそれ以上の範囲であってもよい。生成物で所望の収率および純度を得る時間は、約1〜20時間あるいはそれ以上で十分である場合が多い。
保護を行うのに使用してもよい好適な有機溶媒には、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素および同種のものなどのハロゲン化溶媒;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチルおよび同種のものなどのエステル;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、メチル第三級ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよび同種のものなどのエーテル溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサンおよび同種のものなどの炭化水素溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF:N,N−dimethylformamide)、ジメチルスルホキシド(DMSO:dimethyl sulfoxide)および同種のもの;ならびにこれらの混合物があるが、これに限定されるものではない。
反応の終了後、生成物は、当該技術分野において公知の任意の手段により反応混合物から回収することができる。
ステップb)では、式IVの化合物2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを好適な有機溶媒の存在下で酢酸無水物と反応させて式IIIの化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを得る。
この反応は、好適な塩基を用いて塩基性条件下で行うことができる。使用してもよい塩基には、ピリジン、トリエチルアミンおよびメチルアミンなどの有機塩基;および水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムなどの無機塩基があるが、これに限定されるものではない。
反応温度は、約−25〜約60℃あるいはそれ以上の範囲であってもよい。
ステップb)は、溶媒の存在下で行ってもよいし、非存在下で行ってもよい。
使用してもよい好適な有機溶媒として、ピリジン、トリエチルアミン、メチルアミン、ジクロロメタン、クロロホルムおよび四塩化炭素;トルエン、キシレン、ヘプタンおよびヘキサンなどの炭化水素溶媒;および酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチルおよび酢酸t−ブチルなどのエステルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
この反応は、生成物で所望の収率および純度を得るのに望ましい任意の時間で行ってもよく、約1〜10時間あるいはそれ以上で十分である場合が多い。
ステップc)では、式IIIの化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを好適な有機溶媒の存在下で式IIIBの化合物シリル化N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンと反応させて式IIの化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを得る。
ステップc)の反応は、触媒量の塩化第二スズを用いて行ってもよい。使用してもよい他の触媒として、濃硫酸に加えた塩化第一スズ、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート、白金、パラジウムまたはロジウムが挙げられるが、これに限定されるものではない。
使用してもよい好適な有機溶媒として、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素および同種のものなどの塩素系溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサンおよび同種のものなどの炭化水素溶媒;ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ステップc)の反応を行うのに好適な温度は、約−20〜約50℃あるいはそれ以上の範囲であってもよい。
反応の終了後、式IIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを含む、反応混合物の濃縮により得られた反応残留物はカラムクロマトグラフィー法または貧溶媒法を用いて精製してもよいし、好適な溶媒で再結晶により精製してもよい。
精製に好適な溶媒として、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素および同種のものなどのハロゲン化溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよび同種のものなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチルおよび同種のものなどのエステル;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテルおよび同種のものなどの炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、メチル第三級ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよび同種のものなどのエーテル溶媒;アセトン、メチルエチルケトンおよび同種のものなどのケトン溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水および同種のもの;ならびにこれらの混合物があるが、これに限定されるものではない。実際に、こうした溶媒は、本明細書に記載の任意の結晶化プロセスで使用できるのが通常である。
この反応については、生成物で所望の収率および純度を得るのに望ましい任意の時間で行ってもよく、約1〜10時間あるいはそれ以上で十分である場合が多い。
別の実施形態では、式IIの化合物−5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを調製する別のプロセスであって、
i)式III:
Figure 2010524960
の化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを塩化第二スズおよび好適な有機溶媒の存在下で式IIIC:
Figure 2010524960
の化合物と反応させて式VI
Figure 2010524960
の化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを得ることと、
ii)式VIの化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを好適な有機溶媒の存在下でn−ペンチルクロロホルマートと反応させて式II
Figure 2010524960
の化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを得ることと
を含む、プロセスを提供する。
全体的なプロセスを以下のスキームに要約する:
Figure 2010524960
ステップi)では、式IIIの化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを好適な条件下、塩化第二スズおよび好適な有機溶媒の存在下で式IIICの化合物シリル化5−フルオロシトシンと反応させて式VIの化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを得る。
この縮合反応は、触媒量の塩化第二スズを用いて行ってもよい。縮合反応には、濃硫酸および同種のものに加えた塩化第一スズ、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート、白金、パラジウムまたはロジウムなどの他の触媒も有用である。
この反応に使用する塩化第二スズの量は、式IIIの化合物の1モル等量当たり約0.5〜約2モル等量の範囲であってもよい。
使用してもよい好適な有機溶媒には、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素および同種のものなどの塩素系溶媒;トルエン、キシレン、n−ヘプタン、ヘキサンおよび同種のものなどの炭化水素溶媒;ならびにこれらの混合物があるが、これに限定されるものではない。
縮合反応の好適な温度は、約−20〜約50℃あるいはそれ以上である。
この反応については、生成物で所望の収率および純度を得るのに望ましい任意の時間で行ってもよく、約1〜10時間あるいはそれ以上で十分である場合が多い。
反応の終了後、式VIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを含む反応混合物は、カラムクロマトグラフィー法または貧溶媒法を用いて精製してもよいし、好適な溶媒で再結晶により精製してもよい。
精製に好適な溶媒として、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素および同種のものなどのハロゲン化溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよび同種のものなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチルおよび同種のものなどのエステル;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテルおよび同種のものなどの炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、メチル第三級ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよび同種のものなどのエーテル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水および同種のもの;ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ステップii)では、化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを好適な条件下、好適な有機溶媒の存在下でn−ペンチルクロロホルマートと反応させて、式IIの化合物5’−デオキシ−2’、3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを得る。
式IIの形成に使用するn−ペンチルクロロホルマートなどのアシル化剤の量は、式VIの化合物の1モル等量当たり約1〜約4モル等量の範囲であってもよい。
ステップii)の反応は、溶媒の存在下で行ってもよいし、非存在下で行ってもよい。
使用してもよい好適な有機溶媒として、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素および同種のものなどのハロゲン化溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテルおよび同種のものなどの炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、メチル第三級ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよび同種のものなどのエーテル溶媒;ならびにこれらの混合物があるが、これに限定されるものではない。
ステップii)の反応は、約−30〜約45℃または約−15〜約0℃の温度範囲で行ってもよい。
この反応については、生成物で所望の収率および純度を得るのに望ましい任意の時間で行ってもよく、約1〜10時間あるいはそれ以上で十分である場合が多い。
式IIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを含む反応混合物については、次の処理ステップで直接使用してもよいし、濃縮して残留物を形成してもよい。
なお別の態様では、本発明は、カペシタビンの調製で中間体として用いる式IIIBの化合物の調製プロセスを提供する。このプロセスは、下記のスキームのように式IIIAの化合物N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンを好適なシリル化試薬と反応させて式IIIBの化合物を得ることを含む。
Figure 2010524960
本発明の式IIIAのN−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンについては、当該技術分野において公知の方法により調製することができる。たとえば、国際公開第2005/0080351号に開示されたプロセスを用いて調製してもよいし、本発明のプロセスに従って5−フルオロシトシンをN−ペンチルクロロホルマートと反応させて調製してもよい。
使用してもよい好適なシリル化試薬には、ヘキサメチルジシラザン(HMDS:hexamethyldisilazane)、ヘキサメチルジシロキサン、メチルトリクロロシラン、トリメチルシリルクロリド(TMS−Cl)、ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン溶液、ジメチルクロロシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザンおよび同種のものならびにこれらの混合物があるが、これに限定されるものではない。
シリル化反応は、溶媒の存在下で行ってもよいし、非存在下で行ってもよい。
使用してもよい好適な溶媒には、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素および同種のものなどの塩素系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチルおよび同種のものなどのエステル;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサンおよび同種のものなどの炭化水素溶媒;ならびにこれらの混合物があるが、これに限定されるものではない。
シリル化の反応温度は、約20〜約100℃あるいはそれ以上の範囲であってもよい。
シリル化N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンを含む、得られた反応溶液については、次の処理ステップで直接用いてもよいし、炭化水素溶媒を用いて抽出してもよい。使用してもよい好適な炭化水素溶媒として、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンおよび同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
この反応に関しては、生成物で所望の収率および純度を得るのに望ましい任意の時間で行ってもよく、約1〜10時間あるいはそれ以上で十分である場合が多い。
別の態様では、大量調製に好適な式Iのカペシタビンの調製プロセスを提供する。
本発明の一実施形態では、式IIを変換することでカペシタビンを調製するプロセスであって、好ましくは本発明のプロセスのいずれかによりカペシタビンを調製するが、変換の前に選択的な脱保護ともいう脱保護を行う任意のプロセスによりカペシタビンが得られる、プロセスを提供する。前記選択的な脱保護は、Amberlyst(商標)15触媒を用いて行う。
全体的なプロセスは、以下のスキームに要約される:
Figure 2010524960
本発明の発明者らは、Amberlyst(商標)15触媒など、再利用できるため比較的安価になり、かつ入手しやすい試薬を用いて保護されたカペシタビンの保護基を選択的に脱保護する新規なプロセスを開発した。
保護基の脱保護には、乾燥材料または湿潤材料の形でAmberlyst15イオン交換樹脂を用いてもよい。触媒の量は、化合物式IIの重量の約0.5〜約2倍の範囲であってもよい。
脱保護反応は、有機溶媒を添加して、あるいは添加せずに溶液中で行っても、水性懸濁液中で行ってもよい。使用してもよい好適な有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールおよび同種のものである。
この反応に関しては、温度約20〜約50℃または約25〜約35℃で行うことができる。
この反応については、生成物で所望の収率および純度を得るのに望ましい任意の時間で行ってもよく、約1〜10時間あるいはそれ以上で十分である場合が多い。
反応の終了後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で完全に濃縮する。濃縮された残留物については、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチルおよび酢酸t−ブチルなどのエステル;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、メチル第三級ブチルエーテル、テトラヒドロフランおよび1,4−ジオキサンなどのエーテル溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタンおよびヘキサンなどの炭化水素溶媒;ならびにこれらの混合物から選択される好適な溶媒に溶解する。溶液を約−20〜約0℃まで冷却して純粋なカペシタビンを沈殿させる。
本発明の別の実施形態では、カペシタビンの調製プロセスであって、
a)式A
Figure 2010524960
の5’−デオキシ−2’,3’−O−アセチル−5−フルオロシチジンをピリジンおよび有機溶媒の存在下で式B
Figure 2010524960
のn−ペンチルクロロホルマートと反応させて式C
Figure 2010524960
の5’−デオキシ−2’,3’−O−アセチル−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを形成することと、
b)式Cのヒドロキシル保護基をメタノールの存在下で水酸化ナトリウムなどの塩基を用いて脱保護して式Iのカペシタビンを形成することと
を含む、プロセスを提供する。
式Aの5’−デオキシ−2’,3’−O−アセチル−5−フルオロシチジンについては、ピリジンのような塩基および有機溶媒の存在下で式Bのn−ペンチルクロロホルマートと反応させる。この反応塊に温度5℃未満でn−ペンチルクロロホルマートをゆっくりと加える。好適には、n−ペンチルクロロホルマートの添加を約30分から5時間あるいはそれ以上かけてゆっくり行う。前記反応塊は、式Aの化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−アセチル−5−フルオロシチジンと、ピリジンと、有機溶媒とを好適な反応槽に加えて形成する。
式Cの形成に使用するn−ペンチルクロロホルマートの量は、式Aの化合物の1モル等量当たり約1〜約4モル等量であってもよく、好ましくは2〜3モル等量である。
式Cの形成に使用するピリジンの量は、式Aの化合物の1モル等量当たり約1〜約4モル等量であってもよく、好ましくは2〜3モル等量である。
この反応に用いる有機溶媒には、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化溶媒があり、好ましくはジクロロメタンであるが、これに限定されるものではない。
反応を行う温度および時間は、使用する塩基の選択および出発材料(式A)の量など、多くの要因によって異なる場合がある。温度は、約−40〜約40℃あるいはそれ以上、好ましくは−15〜5℃の範囲であってもよい。生成物で所望の収率および純度を得る時間は、約1〜20時間で十分な場合が多く、好ましくは1〜2時間である。
反応の終了後、反応混合物をメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびn−プロパノールなどのアルコールでクエンチし、次いで反応混合物を水および有機溶媒の混合物で希釈する。さらに、反応混合物を有機層に抽出し、次いで有機層を濃縮する。有機溶媒は、ジクロロメタンおよびクロロホルムから選択される。
ステップb)では、ステップa)で得られた式Cのヒドロキシル保護基をメタノールの存在下で水酸化ナトリウムなどの塩基を用いて脱保護して(deprotection of)式Iのカペシタビンを形成する。ステップb)の反応は、温度約−30℃〜約20℃またはそれ以上で行ってもよい。
水酸化ナトリウム(1NのNaOH)の量は、式Cとほぼ等モル量またはそれ以上であり、好ましくは1〜2モルである。水酸化ナトリウムは水溶液として用いてもよい。
好ましくは、水酸化ナトリウム溶液の添加をゆっくりと行い、反応の反応熱を抑え、反応媒体の温度を低温に、好ましくは約−20℃未満から約5℃未満に保つ。温度が上昇すると、副生物およびプロセス由来の不純物が形成される原因になる場合がある。
反応の終了後、反応混合物を塩酸でpHの範囲を3〜6に調整してから有機溶媒に抽出し、次いで得られた有機層を完全に濃縮して粗生成物を得る。有機溶媒は、ジクロロメタンおよびクロロホルムから選択してもよい。
この固体は、酢酸エチル/n−ヘキサン、酢酸エチル/n−ヘプタン、アセトン/n−ヘプタン、ジクロロメタン/n−ヘプタン、ジクロロメタン/トルエン、酢酸エチル/トルエン、アセトン/脱イオン水、アセトン/メチル第三級ブチルエーテル、アセトン/ジイソプロピルエーテル、アセトン/トルエン、ジクロロメタン/ジイソプロピルエーテルおよび酢酸エチルから選択される溶媒または溶媒の混合物を用いて、式Iのカペシタビンを含む、得られた粗生成物から単離することができる。
この固体生成物については任意にさらに乾燥させてもよい。乾燥は、棚型乾燥機、真空オーブン、エアオーブン、流動層乾燥機、スピンフラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーおよび同種のもので好適に行うことができる。乾燥は、減圧してあるいは減圧せずに温度約35℃〜約90℃で行うことができる。乾燥は、必要な生成物純度が得られるまで任意の所望の時間で行ってもよく、約1〜20時間あるいはそれ以上で十分である場合が多い。
カペシタビンは、カラムクロマトグラフィー法、再結晶法またはその組み合わせを用いてさらに精製してもよい。
一実施形態では、本発明のプロセスに従って調製されたカペシタビンは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC:high performance liquid chromatography」)で判定した場合、個々のプロセスまたは構造に応じて不純物を約0.5重量%未満含むか、あるいは、別の実施形態では、約0.1重量%未満含む。
本出願の任意のプロセスで得られたカペシタビンは、他に記載がない限り、概ね各図に示すようなX線粉末回折(「XRPD」)パターン、示差走査熱量測定(「DSC:differential scanning calorimetry」)曲線および熱重量分析(TGA:thermogravimetric analysis)曲線を特徴とする。「概ね」は、PXRDパターンで使用する場合と同じ様な意味を持つ。
本明細書で報告したXRPDデータはすべて、Bragg−Berntano型Φ:Φゴニオメーターを備えたBruker AXS社製の粉末X線回折装置D8 ADVANCEを用いて得た。パターンは、ステップサイズ0.013°、ステップ当たりの時間0.1秒を用いて、管電圧40kV、管電流40mAで2θ測定角度を3〜45°として記録した。サンプルをトップローディング法でサンプルホルダーに穏やかに充填して満たし、サンプルにCu K−α線(波長1.5406Å)を照射した。2θ角度および格子面間隔の設定で多少の誤差が生じる場合があるため、X線粉末回折パターンを比較して個々の結晶形を特定する好ましい方法は、未知形態のX線粉末回折パターンを既知形態のX線粉末回折パターンに重ねる方法である。本出願で考察したすべての解析データにおける具体的な値は、たとえば、機器の種類、サンプル調製および個々の操作者など、多くの要因によって異なることを念頭に置いておく必要がある。
本発明で得られたTGA曲線はすべて、TA instruments(Lukens Drive,Delaware,USA)社のTGAQ500で作成した。このサーモグラムは、昇温速度5℃/min、窒素ガスパージ下、バランス流量40mL/min、サンプル流量60mL/minで40〜150℃を記録した。示差走査熱量測定分析はTAQ1000で行った。サーモグラムは、昇温速度5℃/min、窒素流量50mL/minで40〜150℃を記録した。サンプル約3〜4mgをアルミニウムパンに秤量し、サンプルを薄層として均一に分散させた。倍率50倍でNikon製の80/偏光光学顕微鏡Eclipseにより偏光顕微鏡観察(以下PLM:polarizing light microscopyという)像を撮影して粒子の形を観察した。
一実施形態では、上述のプロセスまたは他のプロセスで得られたカペシタビンは、概ね図1に従うXRPDパターンを持つ。この形態のカペシタビンは、図2に示す、約119.8℃に吸熱ピークを持つDSCサーモグラムを特徴とする。したがって、このカペシタビンは図3に示すような特徴的な熱重量(TGA)曲線を示し、100℃まで明らかな重量の減少が見られない。これは、本発明で得られたカペシタビンが無水であることを示す。さらに、カペシタビンは長針形状のPLMも特徴としており、これを図4に示す。このプロセス(微粉砕化前)で生成されたカペシタビンの平均粒度はD90で約100ミクロン未満、D50で約50ミクロン未満、D10で約10ミクロン未満である。
一実施形態では、粒度または粒径の中央値が減少した固体粒子を生成する方法であって、微粉砕機で固体を粉砕して微粒子を得ることを含む、方法を提供する。微粉砕機は、供給に必要な供給源の圧力を2〜5Kg/cmに設定し、供給圧力を3〜4Kg/cmに設定した。粉砕または微粉砕化については生成物の乾燥前に行っても、生成物の乾燥の終了後に行ってもよい。事前に設定した条件下で、粉砕操作を行い、粒子の大きさ(直径)を所望のレベルまで小さくし、粒子の表面積を拡大させる。粉砕の仕組みは、事前に設定した粉砕条件で一定の高速で粒子を相互に衝突させる。粉砕は、エアジェットミルのようなジェットミル装置または他の従来の粉砕装置を用いて好適に行う。
微粉砕化後に得られたカペシタビンは、概ね図5に従うXRPDパターンを持っていた。さらに、カペシタビンは、比較的小さい粒子形状を示すPLMを特徴としており、これを図6に示す。
残留溶媒の最終レベルは、好ましくは約1wt%以下、一層好ましくは約0.1wt%以下である。
別の実施形態では、本発明のプロセスで得られたカペシタビンの平均粒度は、粉砕後、D90で約25ミクロン未満、および/またはD50で約15ミクロン未満、および/またはD10で約10ミクロン未満である。この医薬組成物の調製では、粒度分布がD90で約25ミクロン未満、D50で約15ミクロン未満、D10で約10ミクロン未満であると、望ましい溶解プロファイルを示した。他の実施形態では、微粉化された式Iの化合物の平均粒度は、D90で約100ミクロン未満、D50で約50ミクロン未満、D10で約25ミクロン未満である。さらに別の実施形態では、微粉化された式Iの化合物の平均粒度は、D90で約10ミクロン未満、および/またはD50で約10ミクロン未満、D10で約5ミクロン未満(0.5ミクロンのスクリーンを通り抜ける)を意図している。
10値、D50値およびD90値は、粒度分布を示す方法として有用である。D90とは、粒子の少なくとも90重量百分率の大きさがD90値よりも小さいことを示す粒度値をいう。同様に、D50およびD10は、粒子の50重量百分率および10重量百分率の大きさがD50およびD10よりも小さいことを示す粒度値である。D10、D50およびD90の判定方法として、たとえば、Malvern,Worcestershire,United KingdomのMalvern Instruments Ltd.製のレーザー光散乱装置などを用いたレーザー回折が挙げられる。任意のDの値に特定の下限はない。
別の実施形態では、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を用いて本発明のプロセスで製造したカペシタビンを含む医薬組成物を提供する。
この医薬組成物は、たとえば、水、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコールまたは流動パラフィンなどの不活性な希釈剤液 溶媒またはビヒクルを含む、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル剤およびエマルジョンなど、経口投与用の液体組成物として製剤化してもよい。
非経口投与用の組成物は、懸濁液、エマルジョン、滅菌水溶液または滅菌非水溶液でもよい。溶媒またはビヒクルとして、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特にオリーブ油およびオレイン酸エチルのような注射用有機エステルを用いてもよい。こうした組成物は、特に湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含んでも構わない。滅菌については、たとえば、細菌フィルターの使用、組成物への滅菌剤の導入、照射または加熱など、いくつかのやり方で行うことができる。非経口投与用の組成物は使用時に滅菌水または他の任意の注射用の滅菌媒体に溶解する無菌組成物の形で調製してもよい。
軟カプセル材料の中でカペシタビンがビヒクルに懸濁、溶解、分散または乳化した硬ゼラチンカプセル、圧縮錠、ジェルカプセルなどの経口用固形剤形も意図している。こうした経口用「固形」剤形の場合、カペシタビンを上記のような薬学的に許容される賦形剤および/または溶媒ビヒクルと混合してもよい。
本発明に有用な薬学的に許容される賦形剤として、デンプン、アルファ化デンプン、ラクトース、粉末セルロース、微結晶性セルロース、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、マンニトール、ソルビトール、糖および同種のものなどの希釈液;アカシア、グアーガム、トラガント、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファ化デンプンおよび同種のものなどのバインダー;デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素および同種のものなどの錠剤分解物質;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛および同種のものなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素および同種のものなどの流動促進剤;アニオン性またはカチオン性または中性界面活性剤などの溶解促進剤または湿潤強化剤、様々な種類のシクロデキストリン、樹脂などの複合体形成剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、様々な種類のメタクリル酸メチル、ワックスおよび同種のものなどの放出速度制御剤があるが、これに限定されるものではない。薬学的に許容される他の有用な賦形剤には、膜形成剤、可塑剤、色素、着香剤、甘味料、粘度増強剤、防腐剤、酸化防止剤および同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
使用用量は、以下に限定されるものではないが、患者の年齢、健康状態、癌のタイプ、癌の程度および/または位置、患者の体格および/または体表面積および医師の適切な判断など、多くの要因によって異なる。しかしながら、1日用量としては1,000mg/m/day、1,500mg/m/day、1,750mg/m/day、1,875mg/m/day、2,000mg/m/day、2,500mg/m/day、3,000mg/m/day、4,000mg/m/dayおよび5,000mg/m/dayを意図している。こうした用量を1日1回または複数回投与するが、ほとんどの場合、12時間間隔で2回投与する。各剤形は、単位剤形当たり100、150、200、250、500、1000、2000mgのカペシタビンを含んでもよい。
以下で実施例を参照しながら本発明のいくつかの具体的な態様および実施形態を詳細に説明する。実施例は例示のみを目的としており、いかなる意味でも本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
(実施例1)
2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボース(式IV)の調製
式Vの5−デオキシ−D−リボース(15g)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;60ml)、p−トルエンスルホン酸(385mg)および2,2−ジメトキシプロパン(30ml)を清浄な乾燥した4首丸底フラスコに仕込んだ。得られた反応混合物を25〜30℃で14時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(「TLC:thin layer chromatography」)を用いてD−リボースの消費を判定した。反応の終了後、反応混合物を約600mmHgの減圧下40℃で完全に蒸留した。濃縮された反応混合物に脱イオン水(25ml)を加え、25〜30℃で10分間撹拌した。反応混合物のpHを5mlの20%炭酸ナトリウム溶液を用いて約6.8に調整してから、反応混合物に100mlの酢酸エチルを加えた。反応混合物を15分撹拌し、有機相と水層を分離させた。水層を20mlの酢酸エチルで抽出した。2つの有機層を合わせて、全有機層を25mlの水で洗浄した。有機相と水層を分離させ、その有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。得られた有機層を減圧下40℃で濃縮乾固し、12.8gの表題化合物を得た。
Figure 2010524960
MASS:m/z 192.4(mH)+NH
(実施例2)
2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボース(式III)の調製
式IVの2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボース(12.8g)およびピリジン(51.2ml)を清浄な乾燥した4首丸底フラスコに仕込み、続いて0〜5℃まで冷却した。0〜5℃で約40分かけて酢酸無水物(10.24ml)を加え、次いでこの反応混合物を42℃に加熱した。得られた反応混合物を42℃で1.5時間撹拌した。TLCを用いて2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースの変換を判定した。反応の終了後、反応混合物を25〜30℃まで冷却し、7%重炭酸ナトリウム水溶液(300ml)を用いてpHを6.5に調整した。反応混合物をジクロロメタンで抽出(2×150ml)し、続いて有機相と水層を分離させた。有機層を10%塩酸水溶液で洗浄(2×175ml)し、続いて飽和塩化ナトリウム溶液(150ml)で洗浄した。有機相と水層を分離させ、有機層を水で洗浄(2×175ml)し、続いて有機相と水層を分離させた。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。最後に、有機層を約600mmHgの減圧下40℃で完全に蒸留した。得られた濃縮された反応残留物をn−ヘプタン(2×50ml)で抽出して11.4gの表題化合物を得た。
Figure 2010524960
MASS:m/z 234.0(mH)+NH
(実施例3)
N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシン(式IIIA)の調製
5−フルオロシチジン(10g)を清浄な乾燥した4首丸底フラスコに仕込み、続いてピリジン(60ml)を仕込んだ。この反応混合物に25〜30℃で10分かけてn−ペンチルクロロホルマート(5.9ml)を加えた。添加の終了後、反応溶液を100〜110℃に加熱し、続いて2時間撹拌した。TLCにより5−フルオロシチジンの変換をモニターした。反応の終了後、反応溶液を25〜30℃の温度まで放冷した。反応溶液を濾過し、濾液を水(200ml)を含むフラスコに仕込み、続いて20分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、この固体をイソプロピルアルコール(50ml)で洗浄した。得られた固体を約600mmHgで吸引して10.5gの表題化合物を得た。
(実施例4)
5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジン(式II)の調製
式IIIAのN−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシン(2.65g)をフラスコに仕込み、続いてヘキサメチルジシラザン(HMDS;15ml)およびトリメチルシリルクロリド(TMS−Cl;0.06ml)を仕込んだ。この反応混合物を80℃に加熱し、2時間撹拌した。得られた反応溶液を50℃まで冷却してから、この反応混合物をトルエン(25ml)で2回抽出し(striped)、次いで25〜30℃まで冷却し、式IIIBのシリル化N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンを得た。
上記で得られた式IIIBのシリル化N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシン化合物に式IIIのジクロロメタン(30ml)および2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボース(2.5g)を加えた。この反応混合物を25〜35℃で10分間撹拌してから、0〜5℃まで冷却した。上記の反応混合物に0〜5℃で10分かけて塩化第二スズ(1.6ml)を加え、2時間撹拌した。反応混合物の温度を25〜30℃まで昇温し、1時間撹拌した。TLCにより変換をモニターした。反応の終了後、反応物を、重炭酸ナトリウム(5g)を加えて分解し、25〜30℃で1時間撹拌した。この反応懸濁液を濾過してから、得られた濾液を2つの層に分離した。水層をジクロロメタンで抽出(2×50ml)し、続いて有機相と水層を分離させた。2つの有機層を合わせて、全有機層を5%塩酸水溶液(100ml)で洗浄した。有機相と水層を分離させ、有機層を10%水性塩酸(100ml)で洗浄した。有機相と水層を分離させ、有機層を水で洗浄(2×100ml)してから、有機層を40℃で完全に蒸留した。得られた残留物を、溶離液として石油エーテルに加えた30%酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーで精製し、1.23gの表題化合物を得た。
MASS:m/z 399.9[m+H]
Figure 2010524960
(実施例5)
カペシタビン(式I)の調製
実施例4で得られた式IIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジン(460mg)、無水エタノール(22ml)、Amberlyst(商標)15触媒(3.5g)および脱イオン水(0.6ml)を清浄な乾燥した4首丸底フラスコに仕込み、続いて25〜30℃で9時間撹拌した。TLCにより5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンの変換をモニターした。反応の終了後、反応混合物をセライトベッドで濾過し、セライトをエタノール(5ml)で洗浄した。得られた濾液を40℃で完全に蒸留した。この残留物にジイソプロピルエーテル(10ml)を加え、25〜30℃で15分撹拌し、600mmHgの減圧下40℃で完全に蒸留した。残留物に酢酸エチル(1.5ml)を加え、0〜5℃まで冷却した。この溶液を30分間撹拌し、n−ヘキサン(2ml)を加え、固体を沈殿させ、25〜30℃で30分間撹拌した。形成された固体を濾過し、この固体を、冷やしておいた酢酸エチル(0.5ml)で洗浄し、0.12gの表題化合物を得た。
Figure 2010524960
Mass:m/z359.9[m+H]
(実施例6)
5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジン(式VI)の調製
5−フルオロシトシン(0.58g)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS;0.95ml)、トリメチルシリルクロリド(TMS−Cl;0.1ml)およびトルエン(6ml)を窒素雰囲気下で清浄な乾燥した4首丸底フラスコに仕込んだ。この反応混合物を窒素雰囲気下で110〜120℃に加熱し、続いて30分間撹拌した。反応溶液を55〜65℃まで冷却し、溶媒トルエンを600mmHgの減圧下で完全に蒸留した。残留物を窒素雰囲気下で25〜30℃まで冷却し、残留物にジクロロメタン(10ml)を加えた。得られた反応残留物(シリル化化合物)を0〜5℃まで冷却した。式IIIの2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボース1gをジクロロメタン(2ml)に溶解してから、上記のシリル化残留物に0〜5℃で10分かけて滴下した。上記の反応懸濁液に塩化第二スズ(0.6ml)を0〜5℃で加えた。得られた反応溶液を25〜30℃の温度まで昇温し、続いて2時間撹拌した。TLCにより反応物が生成物に変換するのをモニターした。反応の終了後、上記の反応溶液に重炭酸ナトリウム(1.6g)を加え、次いで脱イオン水(0.6ml)を加えた。この反応懸濁液を25〜30℃で2時間撹拌し、懸濁液をセライトベッドで濾過し、濾液を5%重炭酸ナトリウム水溶液(10ml)で洗浄した。この有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで600mmHgの減圧下45℃で完全に蒸留した。得られた残留物を、溶離液としてジクロロメタンに加えた10%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーで精製し、0.4gの表題化合物を得た。
Mass:m/z286.2[m+H]
Figure 2010524960
(実施例7)
5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジン(式II)の調製
式VIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジン(5.5g)およびジクロロメタン(19.25ml)を清浄な乾燥した4首丸底フラスコに仕込み、続いて5分間撹拌した。上記の反応混合物にピリジン(3.14ml)を加え、続いて−10〜−15℃まで冷却した。この反応溶液にn−ペンチルクロロホルマート(5.9ml)を2時間かけて加えた。得られた反応溶液を25〜30℃の温度まで昇温し、30分間撹拌した。反応の終了後、反応混合物にメタノール(0.35ml)、ジクロロメタン(22ml)および水(11ml)を加えた。この反応懸濁液を15分間撹拌し、続いて有機相と水層を分離させた。有機層を水(1ml)で洗浄し、続いて有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。有機層を600mmHgの減圧下40℃で完全に蒸留し、7gの表題化合物を得た。
Mass:m/z399.9[m+H]
Figure 2010524960
(実施例8)
カペシタビン(式I)の調製
実施例7で得られた式IIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−n−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジン(5.5g)を清浄な乾燥した4首丸底フラスコに仕込んだ。エタノール(110ml)および水(5ml)を加え、続いて約10分間撹拌した。この反応溶液にAmberlyst(商標)15触媒(5.5g)を加え、8時間撹拌した。反応の終了後、反応混合物を濾過し、次いで得られた濾液を600mmHgの減圧下45℃で完全に蒸留した。この残留物に酢酸エチル(9.3ml)を加え、45〜50℃で15分間加熱した。この溶液を25〜30℃まで冷却し、30分間撹拌した。溶液を0℃までさらに冷却し、この懸濁液を1時間撹拌した。形成された固体を濾過し、この固体を、冷やしておいた酢酸エチル(3ml)で洗浄した。得られた固体を600mmHgの減圧下35℃で4時間乾燥させ、1gの表題化合物を得た。
(実施例9)
式Iのカペシタビンの調製プロセス
反応器に5’−デオキシ−2’,3’−O−アセチル−5−フルオロシチジン(33kg)およびジクロロメタン(115.5リットル)を室温で仕込み、10分間撹拌した。得られた反応塊にピリジン(16.5リットル)を加え、反応器に窒素ガスを導入し、続いて反応器のジャケットにメチレングリコール溶液を流して−10〜−15℃まで冷却した。この反応混合物にn−ペンチルクロロホルマート(33リットル)を温度5℃未満で3〜5時間かけてゆっくりと加え、1時間30分撹拌した。反応の終了後、反応混合物に0〜5℃の温度でメタノール(2リットル)を加え、反応混合物を15分間撹拌した。この反応塊にジクロロメタン(132リットル)および脱イオン水(66リットル)を加え、5分間撹拌した。得られた溶液から2つの層を分離した。得られた有機層を硫酸ナトリウム(14.5kg)で乾燥させてから、溶媒が留去されなくなるまで650mmHg以上の減圧下40℃未満の温度で濃縮し、続いて窒素ガスを導入してピリジンの痕跡を除去した。反応粗生成物を30〜35℃の温度まで冷却し、窒素で減圧を解除した。
純度:HPLCで96.4%。
上記のプロセスの結果得られた反応粗生成物にメタノール(99リットル)を25〜30℃で加え、30〜45分間撹拌した。この反応溶液を−5〜−15℃まで冷却した。この反応混合物に水酸化ナトリウム溶液(158リットルの脱塩(deminaralized)水に6.3kgの水酸化ナトリウムを溶解して得た)を窒素雰囲気下、温度−5〜−15℃で1.5〜2時間かけてゆっくりと加え、続いて15分間撹拌した。この反応塊に塩酸(17リットル)を滴下し、温度−5〜−15℃でpHを4〜5に調整した。反応塊を温度25〜30℃に昇温し、続いて反応塊にジクロロメタン(297リットル)を加え、反応混合物全体を15分間撹拌した。2つの層を分離し、得られた有機層を脱イオン水(99リットル)で洗浄した。有機層に硫酸ナトリウム(19kg)を加え、5分間撹拌してから、15分間沈降させた。反応溶液を濾過し、ケークをジクロロメタン(30リットル)で洗浄した。濾液に活性炭(5kg)を加え、溶液全体を15分間撹拌した。得られた溶液をハイフロースーパーセルで濾過し、このハイフロースーパーセルベッドをジクロロメタン(30リットル)で洗浄した。全濾液を溶媒が留去されなくなるまで600mmHg以上の減圧下で温度45℃未満にて濃縮した。反応粗生成物を温度30〜35℃まで冷却し、酢酸エチル(74リットル)に溶解した。反応溶液を温度30〜35℃に昇温し、反応混合物を15分間撹拌した。この反応混合物にn−ヘキサン(111.5リットル)を加え、15〜20℃まで冷却し、続いて1時間撹拌した。反応混合物を遠心分離に付し、次いでこの湿ったケークを酢酸エチルおよびn−ヘキサンの混合物(14.6リットル+22.5リットル)で洗浄し、続いてn−ヘキサン(25リットル)で洗浄した。得られた固体を650mmHg以上の減圧下で温度35〜40℃にて12時間乾燥させて22.6kgの表題化合物を得た。
篩い分け(Seiving):
カペシタビン(25kg)を、シフターを備えた容器に仕込んだ。この材料をシフターで篩にかけてから秤量したところ22.5kgであった。
XRPDパターン−図1に示す通り
DSC:119.84℃
TGA:100℃まで重量減少なし
粒度分布:
10:1.82μm
50:5.53μm
90:40.51μm
含水量:Karl Fisher法(KF方法)により0.06%
純度:99.6%w/w HPLCアッセイ。(単一不純物:0.005%;総不純物:0.15%)
微粉砕化:
上記のプロセスにより得られたカペシタビン(3.9kg)を微粉砕機に仕込んだ。供給速度2〜3kg/時間でホッパーから微粉砕機の供給漏斗を通して微粉砕化をゆっくりと開始し、材料を供給圧3〜4kg/cm2でコレクターに集めた。最後にコレクターを微粉砕機から取り外し、材料を取り出して3.83kgを得た。
XRPDパターンは図5に示す通り
DSC:120.07℃
TGA:100℃まで重量減少なし
粒度分布:
1.08μm 10%未満
2.46μm 50%未満
5.04μm 90%未満
含水量:0.05%w/w
純度:HPLCアッセイにより99.8%。(単一の最大不純物:0.05%;総不純物:0.13%)
(実施例10)
式Iのカペシタビンの調製プロセス
式Cの5’−デオキシ−2’,3’−O−アセチル−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジン(20g)をメタノール(40ml)に溶解し、全溶液を−10〜−15℃まで冷却した。得られた反応溶液に1Nの水酸化ナトリウムを温度−5〜−10℃で30分かけて加えた。反応の終了後、反応混合物のpHを濃塩酸(hydroxhloric)(6.1ml)を用いて4.24に調整した。この反応混合物にジクロロメタン(200ml)を加え、続いて2つの層を分離した。得られた有機層を脱イオン水(100ml)で洗浄してから、有機層を、反応溶液中で2容(32ml)の溶媒になるまで濃縮した。次いで、この反応溶液を室温まで冷却した。反応溶液にトルエン(160ml)を加え、2〜3時間撹拌してから、懸濁液を濾過した。固体をトルエン(16ml)で洗浄し、次いで40℃で4〜5時間乾燥させて11.4gの表題化合物を得た。
純度:HPLCにより99.74%。

Claims (27)

  1. 式I
    Figure 2010524960
    の化合物を調製するプロセスであって、2位と3位のOH基が保護されている式Iの化合物を脱保護することを含む、プロセス。
  2. 2’位および3’位のOH基が保護されている式Iの前記化合物は、式II
    Figure 2010524960
    の化合物の構造または式C
    Figure 2010524960
    の化合物の構造を持つ、請求項1に記載のプロセス。
  3. 式IIの前記化合物の脱保護はAmberlyst(商標)15触媒を用いて行われる、請求項2に記載のプロセス。
  4. 式IIの式Iへの変換におけるAmberlyst(商標)15触媒の量は、式IIの化合物に対し重量/重量で約0.5〜約2倍の範囲にある、請求項3に記載のプロセス。
  5. 式IIの式Iへの変換は水性アルコール溶媒中で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  6. 式IIの前記化合物を脱保護して生成される式Iの前記化合物は、反応混合物を溶媒に溶解し、続いて前記溶液を冷却することを含む結晶化により単離される、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記溶媒はエステル、エーテルおよび炭化水素からなる群から選択される、請求項6に記載のプロセス。
  8. 式Cの前記化合物の脱保護は極性溶媒中で塩基を用いて行われる、請求項2に記載のプロセス。
  9. 前記塩基は式Cの前記化合物の等モル量以上で使用される、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記塩基の添加は反応媒体の温度を約−40℃〜約40℃未満に制御するように調節される、請求項8に記載のプロセス。
  11. 前記塩基の添加は前記反応媒体の温度を約−20℃〜約5℃未満に保つように行われる、請求項10に記載のプロセス。
  12. 酢酸エチル、n−ヘキサン、n−ヘプタン、アセトン、ジクロロメタン、トルエン、脱イオン水、メチル第三級ブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)またはこれらの混合物から選択される有機溶媒を用いて式Iの前記化合物を結晶化するプロセス。
  13. 前記化合物式Iは概ね図1に従うX線粉末回折パターン(XRPD)を特徴とする、請求項1、2および12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. 微粉化カペシタビンを調製するプロセスであって、微粉砕機において設定供給圧力約2Kg/cm〜約5Kg/cmでカペシタビンの結晶材料を粉砕することを含む、プロセス。
  15. カペシタビンの結晶材料は、2位と3位のOH基が保護されている式I
    Figure 2010524960
    の化合物を脱保護するステップに続いて結晶化するステップにより調製される、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記微粉化カペシタビンは、概ね図5に従うX線粉末回折パターン(XRPD)を特徴とする、請求項14に記載のプロセス。
  17. 前記微粉化カペシタビンは、概ね図6に従う偏光光学顕微鏡観察(PLM)像をさらに特徴とする、請求項16に記載のプロセス。
  18. 式II
    Figure 2010524960
    の化合物を調製するプロセスであって、
    a)式V
    Figure 2010524960
    の化合物5−デオキシ−D−リボースを有機溶媒中で2,2−ジメトキシプロパンと反応させて式IV
    Figure 2010524960
    の2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを得ることと、
    b)式IVの前記化合物2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−D−リボースを有機溶媒の存在下で酢酸無水物と反応させて式III
    Figure 2010524960
    の2,3−O−イソプロピリデン−1−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを得ることと、
    c)式IIIの前記化合物2,3−O−イソプロピリデン−1−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを有機溶媒の存在下で式IIIB
    Figure 2010524960
    の2−O−トリメチルシリル,N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシトシンと反応させて式IIの5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを得ることとを
    含む、プロセス。
  19. ステップa)は、パラ−トルエンスルホン酸、シュウ酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、塩酸および硫酸から選択される酸の存在下で行われる、請求項18に記載のプロセス
  20. ステップb)は、ピリジン、トリエチルアミン、メチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選択される塩基の存在下で行われる、請求項18に記載のプロセス。
  21. 式IIの中間体−5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−5−フルオロシチジンを調製するプロセスであって、
    i)式III:
    Figure 2010524960
    の化合物2,3−O−イソプロピリデン−3−O−アセチル−5−デオキシ−D−リボースを塩化第二スズおよび有機溶媒の存在下で式IIIC:
    Figure 2010524960
    の2−O−トリメチルシリル,N−(トリメチルシリル)−5−フルオロシトシンと反応させて式VI
    Figure 2010524960
    の化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを得ることと、
    ii)式VIの化合物5’−デオキシ−2’,3’−O−イソプロピリデン−5−フルオロシチジンを有機溶媒の存在下でn−ペンチルクロロホルマートと反応させて式IIの前記化合物を得ることとを
    含む、プロセス。
  22. ステップi)の前記有機溶媒は、塩素化炭化水素もしくは炭化水素またはそれらの混合物から選択される、請求項21に記載のプロセス。
  23. ステップi)で使用される塩化第二スズの量は、式IIIの前記化合物の1モル等量当たり約0.5〜約2モル等量の範囲にある、請求項21に記載のプロセス。
  24. ステップii)の前記有機溶媒は、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、エーテルおよびそれらの混合物から選択される、請求項21に記載のプロセス。
  25. 平均粒度がD90で約100ミクロン未満、D50で約50ミクロン未満およびD10で約25ミクロン未満のカペシタビン。
  26. 平均粒度がD90で約25ミクロン未満、D50で約15ミクロン未満およびD10で約10ミクロン未満の微粉化カペシタビン。
  27. 概ね図5に従うX線粉末回折パターン(XRPD)を持つ、請求項26に記載の微粉化カペシタビン。
JP2010504240A 2007-04-20 2008-04-17 カペシタビンを調製するためのプロセス Withdrawn JP2010524960A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IN850CH2007 2007-04-20
US3082708P 2008-02-22 2008-02-22
PCT/US2008/060573 WO2008131062A2 (en) 2007-04-20 2008-04-17 Process for preparing capecitabine

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010524960A true JP2010524960A (ja) 2010-07-22

Family

ID=39645378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010504240A Withdrawn JP2010524960A (ja) 2007-04-20 2008-04-17 カペシタビンを調製するためのプロセス

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20100130734A1 (ja)
EP (1) EP2137201A2 (ja)
JP (1) JP2010524960A (ja)
KR (1) KR20100015568A (ja)
BR (1) BRPI0810067A2 (ja)
MX (1) MX2009011255A (ja)
WO (1) WO2008131062A2 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AR064165A1 (es) * 2007-12-06 2009-03-18 Richmond Sa Com Ind Y Financie Un procedimiento para la preparacion de capecitabina e intermediarios utilizables en dicho procedimiento
US9174970B2 (en) 2008-01-22 2015-11-03 Dow Agrosciences Llc 5-fluoro pyrimidine derivatives
WO2010061402A2 (en) * 2008-11-25 2010-06-03 Vishwanath Kannan An improved process for the preparation of capecitabine
WO2010065586A2 (en) * 2008-12-02 2010-06-10 Dr. Reddy's Laboratories Ltd. Preparation of capecitabine
WO2011010967A1 (en) * 2009-07-23 2011-01-27 Scinopharm Taiwan Ltd. Process for producing flurocytidine derivatives
WO2011067588A1 (en) 2009-12-04 2011-06-09 Generics [Uk] Limited Cyclic sulphinyl esters of cytidine
WO2011104540A1 (en) 2010-02-24 2011-09-01 Generics [Uk] Limited One step process for the preparation of capecitabine
CN101830953A (zh) * 2010-05-26 2010-09-15 南京亚东启天药业有限公司 一种卡培他滨及其中间体的制备方法
CN101928314A (zh) * 2010-08-27 2010-12-29 广东肇庆星湖生物科技股份有限公司 一种卡培他滨的制备方法
CN102140124B (zh) * 2011-02-26 2013-05-15 湖南欧亚生物有限公司 一种新型的卡培他滨的合成工艺
CN103509072B (zh) * 2012-06-19 2016-01-13 齐鲁制药有限公司 一种微粉型卡培他滨的制备方法
CN102977169A (zh) * 2012-12-20 2013-03-20 齐鲁天和惠世制药有限公司 一种2'3'-二-o-乙酰基-5'-脱氧-5-氟-n4-(戊氧羰基)胞苷制备方法
CN103897005B (zh) * 2012-12-27 2017-07-28 鲁南制药集团股份有限公司 一种连续操作合成卡培他滨的方法
US10308597B2 (en) 2014-04-30 2019-06-04 Rgenix, Inc. Inhibitors of creatine transport and uses thereof
CN104650160A (zh) * 2015-01-13 2015-05-27 济南大学 卡培他滨关键中间体1,2,3-o-三乙酰基-5-脱氧-d-核糖的合成新方法
CN105566419A (zh) * 2015-12-28 2016-05-11 上海金和生物技术有限公司 卡培他滨的制备方法
CN106496294B (zh) * 2016-09-21 2018-10-30 齐鲁天和惠世制药有限公司 一种制备微粉型卡培他滨的方法
CN106699825A (zh) * 2016-12-01 2017-05-24 齐鲁天和惠世制药有限公司 一种以卡培他滨废水提取物制备卡培他滨的方法
CN107805274B (zh) * 2017-11-08 2021-02-09 上海皓元生物医药科技有限公司 一种抗体偶联药物连接子中间体的工业化生产方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1327358C (en) * 1987-11-17 1994-03-01 Morio Fujiu Fluoro cytidine derivatives
AU671491B2 (en) * 1992-12-18 1996-08-29 F. Hoffmann-La Roche Ag N-oxycarbonyl substituted 5'-deoxy-5-fluorcytidines
TW254946B (ja) * 1992-12-18 1995-08-21 Hoffmann La Roche
CA2550299C (en) * 2003-12-22 2010-03-30 Christopher R. Roberts Process for fluorocytidine derivatives
CN100383128C (zh) 2004-02-23 2008-04-23 上海迪赛诺医药发展有限公司 N4-氧羰基胞嘧啶衍生物及制备方法与应用
CN100425617C (zh) * 2006-10-31 2008-10-15 浙江海正药业股份有限公司 一种含氟嘧啶类化合物烷氧羰酰化的方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008131062A2 (en) 2008-10-30
US20100130734A1 (en) 2010-05-27
KR20100015568A (ko) 2010-02-12
MX2009011255A (es) 2009-11-23
WO2008131062A3 (en) 2008-12-18
BRPI0810067A2 (pt) 2014-10-21
EP2137201A2 (en) 2009-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010524960A (ja) カペシタビンを調製するためのプロセス
JP5086267B2 (ja) 臭化チオトロピウムの新規な形態およびそれを製造する方法
JP4414237B2 (ja) ケチアピンヘミフマレートの結晶形
US20090298947A1 (en) Polymorphic and amorphous forms of lacosamide and amorphous compositions
EP2321302A2 (en) Azacitidine process and polymorphs
CN113698405A (zh) 一种核苷类化合物的晶型及其制备方法
WO2008104512A2 (en) Novel polymorphs of aprepitant and processes for preparation
US20110224422A1 (en) Preparation of capecitabine
JP4356998B2 (ja) ピリミジンヌクレオシド誘導体の結晶を含有する医薬
CN113121498A (zh) 一种受体激动剂的晶型及其制备方法和药物组合物
JP2015524840A (ja) 抗ウイルス化合物の固体形態
WO2008088779A2 (en) Solid state forms of 5-azacytidine and processes for preparation thereof
EP1968588A2 (en) Crystalline forms of dolasetron base and processes for preparation thereof
WO2012072689A1 (en) Optimized synthesis of pure, non-polymorphic, crystalline bile acids with defined particle size
WO2010016931A2 (en) Polymorphs of fluticasone furoate and process for preparation thereof
TWI773987B (zh) 二胺基嘧啶類化合物或其水合物的固體形式及其製備方法和用途
IL291855A (en) Solid forms of [(1s)-1-[(2s,4r,5r)-5-(5-amino-2-oxo-thiazolo[5,4-d]pyrimidin-3-yl)-4-hydroxy-tetrahydrofuran -2-yl]propyl]acetate
WO2011153221A1 (en) Solid state forms of ixabepilone
CA3206864A1 (en) Process for preparation of mavacamten and solid state forms thereof
JP2000503977A (ja) プリン誘導体の製造方法
US20220119415A1 (en) Solid forms of [(1s)-1-[(2s,4r,5r)-5-(5-amino-2-oxo-thiazolo[4,5-d]pyrimidin-3-yl)-4-hydroxy-tetrahydrofuran-2-yl]propyl] acetate
TW202404938A (zh) 麩醯胺酸拮抗劑的多晶型及其用途
JP5192807B2 (ja) シュードウリジン保護体の安定結晶

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110705