JP2010524443A - 微生物集団の分析 - Google Patents

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Abstract

本発明は、細菌を含むと思われる環境における異なる分類群の微生物集団(例えば細菌集団)を分析する方法と、かかる方法における使用に適切なプライマー、プライマーセット及びプライマーセット対と、異なる分類群の細菌集団に対する薬剤、栄養素及び殺虫剤等の外的因子の効果の決定におけるかかる方法の使用とに関する。

Description

本発明は、微生物を含むと思われる環境における異なる分類群の細菌集団等の微生物集団を分析する方法と、かかる方法を使用に適切なプライマー、プライマーセット及びプライマーセット対と、かかる集団に対する薬剤、栄養素及び殺虫剤等の外的因子の効果の決定におけるかかる方法の使用とに関する。
最近の論文(非特許文献1)でEckburg他は、ヒト腸内微生物叢の膨大な多様性について述べた。彼らは少なくとも395種類の細菌の系統型の存在を報告し、それらのうち少なくとも244種類は新規であり80%は培養されたことのない種由来の系列を表した。
推定された生物のほとんどはファーミキューテス(Firmicutes)門及びバクテロイデス(Bacteroidetes)門のメンバーであり、ファーミキューテスの系列のほとんどはクロストリジウム(Clostridia)綱のメンバーであった。検出された他の門は、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、アクチノバクテリア(Actinobacteria)、フソバクテリウム(Fusobacteria)及びベルコミクロビア(Verrucomicrobia)であった。
腸内微生物叢の組成についてのより良い理解が、健康及び疾患(例えばクローン病、免疫、代謝性疾患、アレルギー、プロバイオティクスの活動の阻害、細胞傷害に対する保護、宿主の脂肪貯蔵の調節と、腸内血管新生の刺激等)におけるこの微生物叢の基本的な役割を理解する上で決定的に重要であることは一般に受け入れられているが、これらのタイプの生態系の特徴づけは不完全なままであり、その多様性の定義は全く不十分である。
主な欠点は、Eckburgにより説明されたかかるデータを取得するためには、極めて労力を要し時間のかかる実験を行うことが必要であることである。得られる情報は科学界にとっては貴重なものだが、例えば医療業務において、定期的且つ日常的にかかる分析を行うことは労力も時間もかかりすぎる。さらに、時間、食事及び健康状態に関連する微生物の組成の変動は、十分に研究されていない。
かかる細菌集団についての理解は、これらの微生物集団の分析を可能とする、信頼性があり、再現性があり、時間又は労力もかかりすぎない方法がないことにより、制限され妨げられている。
微生物群集の組成の重要性が高いと考えられる環境の別の例は、水である。例えば、Ibekweは、50%が植物で覆われた湿地帯は、表面の水において化学汚染物質の分解を促進する多様な微生物群集の増殖を促進し、水質を向上させる場合があると述べる(非特許文献2)。かかる系と、これらの系の外的因子による影響のされ方とについてのより良い理解は、水質の向上の助けとなるだろう。
さらに別の例は、食料品における細菌生態系である。例えば、El−Baradeiは、伝統的なエジプトのドミアチチーズ(Domiati cheese)中の細菌生態系の生物多様性について述べる(非特許文献3)。チーズ中の生物多様性が、PCR−経時的温度勾配ゲル電気泳動(temporal temperature gel electrophoresis、TTGE)及びPCR−変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)により研究された。支配的な乳酸菌が同定されたが、一方で乳酸菌でないものも見出された。El−Baradeiは、熟成過程においてこれらの細菌が重要な役割を有することを示唆する。換言すると、チーズの熟成に関与する微生物集団についてのより良い理解は、さらなる製品の向上に有用である。
しかし微生物集団についての理解と、その利用及び研究とは、組成が未知のかかる複雑な微生物叢の適切な分析を可能とする、信頼性があり、再現性があり、時間がかかりすぎない方法がないことにより、現在のところ制限されている。
既知の細菌の同定のために適切な複数の方法が、当該技術分野において説明されている。
特許文献1は、一のプライマーとして、5’GCGATTTCYGAAYGGGGRAACCCという配列を有するDNAから本質的に成る1つ又は複数のDNA分子を含む縮重プライマーセット、5’TTCGCCTTTCCCTCACGGTACTという配列を有するDNAから成る他のプライマーを使用して、試料中に存在する23S rDNAの一部分を増幅すること、及び1つ又は複数の細菌を同定するために設計された1つ又は複数のオリゴヌクレオチドプローブへのハイブリダイゼーションにより得られた単位複製配列を試験することを含む、細菌を同定する方法を説明する。本方法は、既知の細菌の同定に限定され、かかる細菌を特異的に対象とするプローブの使用を要求する。
特許文献2は、マイコバクテリア(mycobacteria)の23S/5S空間領域に基づくマイコバクテリアを検出する方法に関する。該マイコバクテリアの分析のためには、その属に対して特異的な第1のプライマーが選択され得る一方で、種特異的な第2のプライマーが選択され得ることが説明される。
特許文献3は、細菌又は細菌群の同定を可能とする核酸分子に関する。23S/5S rDNAを含みその細菌のゲノムに関する領域が、その細菌を検出するための標的配列として使用される。発明者によれば、16S/23s rDNAは、細菌の同定における使用のための領域に関して精査中である。細菌群はコンセンサスPCR法を行うことにより同定され、その後、異なる分類レベルでの細菌のその後の同定のためのより特異的なプライマーの使用により、取得したDNAが増幅される。かかるコンセンサスPCR法は、同じ分類レベル(例えば属、それにより1回のPCRで2つの異なる属を増幅する)内の異なる群に対するプライマーを用意することにより、行うことができる。欠点は、その後の反応を行う必要があり、分析の緻密さ又は正確性に関して不確実性を導く一方で、例えばかかる集団における特定の微生物の相対量に関して、データを与えることができないことである。
国際公開第00/52203号パンフレット 国際公開第02/090582号パンフレット 国際公開第01/23606号パンフレット
Science(2005)Volume308(5728):1635-8 J.Appl.Microbiol.102(4):921-936(2007) Appl Environ Microbiol.2007Feb;73(4):1248-55 Gurtler et al. Microbiology.1995;141:1255-65 Schloss:Microbiology and Molecular Biology Reviews, Dec 2004, volume 68 (4) : 686-91 Bergey Manual, Second Edition 2004, Release 5.0.
換言すれば、上述の方法は、既知のものを探す場合には有用であり得るが、研究対象の集団が、多くの及び/又は未知の細菌の存在の結果として高い複雑性を有する場合にはあまり有用でない。加えて、個々の微生物ではなく、集団における微生物の複雑な相互作用及び相対量が重要であるという考え方が、主流になりつつある。しかし説明される方法は、かかる理解における使用を制限してきただけである。したがって、微生物集団(の組成)を分析するための、労力がかからず、信頼できる方法に対する明確な要求が存在する。かかる方法は日常的に適用可能であるべきであり、集団の全体の組成に関して少なくとも情報を提供するべきである。
現在、驚くべきことに、本発明者らにより、上述の問題の少なくとも1つを、添付した特許請求の範囲に記載した主題により解決することができることが見出された。
より詳細には、微生物を含むと思われる環境における異なる分類群の細菌集団等の微生物集団を分析する方法であって、該方法は、
a.上記環境から取得されるDNAと、それに加えて少なくとも
i.門、綱、目又は科から成る群から選択される第1の分類群に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置L1を対象とする少なくとも1つのプライマーp1を含む第1のプライマーセットP1と、
ii.門、綱、目又は科から成る群から選択される第2の分類群に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置L2を対象とする少なくとも1つのプライマーp2を含む第2のプライマーセットP2と、
iii.少なくとも第1の分類群に属する微生物に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置L3を対象とする少なくとも1つのプライマーp3を含む第3のプライマーセットP3と、
iv.少なくとも第2の分類群に属する微生物に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置L4を対象とする少なくとも1つのプライマーp4を含む第4のプライマーセットP4と、
を用意する工程であって、
プライマーセットP1及びプライマーセットP3は上記保存領域L1と上記保存領域L3との間の領域を増幅するのに適切であり、プライマーセットP2及びプライマーセットP4は該保存領域L2と該保存領域L4との間の領域を増幅するのに適切である、用意する工程と、
b.上記プライマーセットを使用して増幅反応を行う工程であって、それにより大きさ、数、ヌクレオチド配列及び/又は標識において検出可能な差異を有する断片を生成する、増幅反応を行う工程と、
c.上記差異を検出する工程と、
を含む、方法が、上述の問題の少なくとも1つを解決することが見出された。
驚くべきことに、この方法により、現在、微生物集団、例えば細菌集団の、全体の組成を検出することが、信頼性があり労力がかからない様式で、可能であることが見出された。
当業者には明らかなように、本発明による方法で使用されるプライマー及びプライマーセットは、当該技術分野で利用可能な方法とは対照的に、集団中の個々の微生物(細菌)の同定を対象とせず、特定の分類群の観点と、取得した断片の長さ、大きさ及び配列における差異等の他の差異の観点との両方から全体の集団が分析されるようなものである。
当業者により理解されるように、「少なくとも1つのプライマー」という用語は、存在するプライマーのコピー数を指さず、使用されるプライマーのタイプ(その配列により規定される)を指す。
かかる分析は、容易且つ直接的な様式で、微生物集団、例えば細菌集団の「フィンガープリント」を取得することを、現在、初めて可能とする。かかるフィンガープリントは、少なくとも、微生物集団中に存在するさまざまな分類群、及び例えば上述の方法において言及したかかる分類群の全体の組成(取得した断片の、長さ、配列等における差異により表現される)に関する情報を含む。
上記より明らかなように、或る試料中に同時に存在する本発明によるプライマーセットを使用して、実験が有利に行われ得る。換言すれば、DNAを含む試料に対して、本発明によれば、有利に、少なくともプライマーセットP1、P2、P3及びP4(又は少なくとも本発明によるプライマーp1、p2、p3及びp4)が同じ試料中に存在する(又は添加される)。結果として、有利に、全てのプライマーに対して同等の条件下でPCRが行われる。
本開示を通じたさまざまな用語の使用に関して、以下の定義を適用する。
「細菌集団」は、特定の環境に生息する細菌群である。既知の例は、胃腸の集団、バイオフィルム、微生物マット、土壌中、又は植物の根圏中、及び水等の水生環境中に生存する細菌群である。
「微生物集団」は、本発明との関連の範囲内で使用する場合、特定の環境に生息する微生物群である。
「分類群」は、その全ての従属的分類単位を有する分類単位と、それらの個々の従属的分類単位である。当業者に既知の分類群の例は、(一般的なものからより具体的なものへ)ドメイン、界、門、綱、目及び科である。属及び種も分類単位である。
「環境」は、微生物集団が位置する周囲の状況、条件、又は影響の複合したものを指す。非限定的な例は、胃腸管、歯周ポケット、土壌、根圏である。
「プライマー」は、DNAの複製のための開始点の役割を果たす核酸鎖(又は関連する分子)である。特にプライマーは、3個〜50個のヌクレオチド、典型的には且つ好ましくは10個〜30個のヌクレオチドから成り得る。
「プライマーセット」は、少なくとも1つのプライマーを含むセットである。本発明との関連の範囲内では、該プライマーセットは、少なくとも1つの保存位置を対象とし得る。
「保存位置」は、複数のヌクレオチドを含み、プライマーが対象とする分類群の範囲内では高い相同性を有する配列である。一般的にはこれは、該分類群に属する既知の微生物の少なくとも60%、好ましくは70%、より好ましくは80%、さらにより好ましくは90%において該配列が本質的に同一であると解釈することが意味され、ここで本質的に同一であるとは、8個のみ、より好ましくは7個のみ、6個のみ、5個のみ、4個のみ、3個のみ、2個のみ又は1個のみのヌクレオチドが異なることを意味する。いずれの場合でも、或る位置がプライマーの結合のために適切に使用することができ、一の分類群由来の微生物を他の分類群由来のものから識別することを可能とするとき、本発明との関連の範囲内ではその位置は保存されると考えられる、すなわち、或るプライマーが別の分類群の既知の微生物由来の配列の実質的な一部と結合せず又は本質的に結合せず、それが本発明による方法で分析されるとき、そのプライマーは少なくとも1つの分類群に対して特異的である。例えば、或るプライマーが、A門及びB門を検出し得るが、C門を検出し得ない。かかる場合、このプライマーはA門及び(en)B門に対して特異的であるのでA門及びB門における保存位置を対象とするが、一方で該保存位置はC門にはない。
「門」、「綱」、「目」又は「科」という用語と、用語の関係とは、当業者には既知である。
上述の方法において使用する場合、「対象とする」は、そのプライマーが目的とする特定の分類群の微生物の既知のゲノムの少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%とハイブリダイズするプライマー又はプライマーセットに関する(上の「保存位置」の記載も参照されたい)。
上述の方法において記載される「領域」は、2つの保存位置の間のヌクレオチド配列を指す。典型的には該配列は、10個〜1500個のヌクレオチドを含み得る。
「増幅反応」は、本明細書で記載される2つの保存位置の間の領域のDNA配列の増幅のために適切に使用され得るいずれかの手順を指す。適切な例はPCRを含む。
「大きさにおける差異」又は「長さにおける差異」は、例えば細菌等の異なる微生物の間の長多型の増幅による異なるヌクレオチドの長さの断片を指す(例えば、非特許文献4を参照されたい)。
「量における差異」は、微生物集団中に見出された断片のコピー数における差異を指す。該差異は、特定の集団における微生物の相対量の指標となる。
「ヌクレオチド配列における差異」は、例えば取得した断片のシーケンシング後に観察される、増幅した断片における差異を指す。
「該差異を検出する工程」は、当業者に既知のいずれかの適切な手段により行うことができる。
「微生物」という用語は、本発明との関連で使用する場合、細菌、古細菌、原生生物、真菌、及び、またウイルスを含む。本発明との関連の範囲内では、「細菌の」、「細菌集団」又は「細菌」という用語が使用されるときには、特に明示のない限り、上述の微生物の集団又は種も包含され得る。
本明細書に記載されるプライマー及びオリゴヌクレオチドの配列は、標準的なIUB/IUPACの核酸コードで表現される。
「フィンガープリント」という用語は、本開示を通じて使用する場合、本発明による方法を適用することにより取得される、微生物の分析に関する実験結果の一セットを指す。典型的にはかかる「フィンガープリント」は、門等の微生物集団、微生物の相対量に関する情報を含み、例えば、図1及び図2に示されるような密度曲線においてグラフで表わされ得る。したがって、かかるフィンガープリントは微生物集団を説明するものであり、それ自体はかかる集団の範囲内の個々の細菌を説明しないが、例えば特定の個々の細菌種を含む参照試料と比較することにより、かかる情報が取得され得ることは明らかである。
本発明の微生物集団の分析方法の適用例を示す図で、ヒトの腸から取得した5つの生検試料の断片分析結果を示している。 本発明の微生物集団の分析方法の適用例を示す図で、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis:ファーミキューテスに属する)とバクテロイデス・フラジリス(バクテロイデス門に属する)の2つの異なる細菌の間の識別へ適用した例を示している。 本発明の微生物集団の分析方法を5人の被験者の大腸生検及び糞便の分析に用い、その結果のクラスター分析結果を示す図である。 本発明の微生物集団の分析方法を消化管の微生物群ゲノムの発達、及び抗生物質の介入の効果の検証への適用例を示す図で、5人の児童の糞便による分析結果をUPGMAにより作成したデンドログラムである。
好ましい一実施形態では、第1の分類群及び/又は第2の分類群は門である。
本発明による方法は、第1の分類群及び/又は第2の分類群が門であるときには、有利に適用され得ることが見出された。プライマーセットP1又はプライマーセットP2がそれぞれ保存位置L1又は保存位置L2を対象とし、且つ門に対して特異的であるときには、大きさ、数及び/又はヌクレオチド配列における検出可能な差異を有する断片を検出することだけでなく、適切な検出方法(以下を参照されたい)を適用することにより異なる門の間を識別することも、現在、可能であることが見出された。
かかる方法を行うことにより、微生物集団、例えば細菌集団の分析の感度は著しく向上する。例えば、大きさ及び数における差異に関して増幅断片間で識別することだけでなく、特定の断片を特定の門に割り当てることも、現在、可能である。換言すれば、異なる門に対して特異的な上記プライマーを使用しない場合には、取得した増幅断片の例えば大きさにおける差異のレベルで分析が可能であるにすぎなかったが、現在、同じ方法で、同じ試料中における異なる門の間を識別することも可能である。これは、環境中に存在する細菌集団等の微生物集団(の組成)に関して、したがって該集団の「フィンガープリント」に関して、付加的且つ本質的な情報を提供する。加えて、現在、未知の細菌種等の未知の微生物を、特定の分類群に、例えば未知の種が属する門に、直接割り当てることができる。
その方法の別の好ましい実施形態では、プライマーセットP3とプライマーセットP4とは同一である。
「同一」という用語により、本発明との関連の範囲内では、第1の分類群に対して特異的な少なくとも1つの保存位置L3を対象とするプライマーセットP3は、該プライマーセットP3のプライマーが同時に第2の分類群にも特異的である場合には、少なくとも1つのプライマーから成ること、換言すれば、検出されるべき両方の分類群についてのプライマーとして使用され得ることが意図される。
上記プライマーセットP3とプライマーセットP4とが同一であるときには、該プライマーセットP3とプライマーセットP4とが同一でないときと比較して、細菌集団等の微生物集団の分析(「フィンガープリンティング」)のための方法のさらなる向上が実現され得ることが見出された。
いずれかの理論に制限又は拘束されるものではないが、該プライマーセットP3とプライマーセットP4とが同一であるときには、試料中の断片の増幅の非特異性又は誤りが減少するようだと考えられる。結果として、より信頼性及び再現性がある集団の分析が実現される。
加えて、プライマーセットP3とプライマーセットP4とが同一である場合、集団中に存在する微生物の量に関するときには、この方法で取得した情報の信頼性が向上することが見出された。これは主に、該プライマーセットが同一であるときには、プライマーセットP3及びプライマーセットP4の保存位置への結合効率において生じ得る差異が消失するという事実によるものと考えられる。
別の好ましい実施形態では、環境中に存在する(例えば)細菌集団等の微生物集団の変化を検出する方法であって、
a.第1の時点t0で該環境から取得したDNAに対して本発明による方法を行う工程と、
b.第2の時点t1で該環境から取得したDNAに対して本発明による方法を行う工程と、
c.工程a及び工程bにより取得した結果を比較する工程と、
を含む、方法が提供される。
本明細書を通じて説明するように、該方法を行うことにより、環境中に存在する微生物集団(例えば細菌集団)の変化を検出することが、現在、可能である。特に、例えば食事(例えば、母乳対人工乳児栄養及び乳児用調合乳)又は薬剤治療の結果として、例えば乳児における胃腸管で生じる変化における変動を、効率的に且つ確実にモニタリングすることが、現在、可能である。
例えば、例えば抗生物質での治療後の、微生物集団の回復をモニタリングすることも、現在、可能である。
実施例で示すように、同じ器官(例えば、大腸又は皮膚又は口腔)上の、又は同じ器官における異なる場所における微生物集団の組成の変動を検出することも、現在、さらに可能であるが、一方で同時に、かかる組織からサンプリングした細菌の培養等の古典的な方法はそれができていない(例えば試料の収集後にはその微生物は生存できないという事実による)。
第1の時点で環境から取得した増幅断片を、後の時点で環境から取得した結果と比較することにより、これらの2つの時点の間に、例えば薬剤等の外的因子の結果として、この集団に変化が生じたかどうかを決定することができる。
同様に、上記方法を適用することにより、微生物集団(例えば細菌集団)が安定的なのかどうか、変動するのかどうか、又は例えば既知の健康的又は有益な微生物集団(例えば、細菌集団)(の組成)へと向かう等の特定の方向に発達しているのかどうかを、例えば、時間内にモニタリングすることができる。換言すれば、取得した結果の比較は、例えば疾患又は汚染等の既知の条件に関連する微生物集団の特定の「フィンガープリント」との比較とすることもできる。
特に、比較は、門、綱、目、科、属又は種のレベルで、好ましくは門のレベルで、行うことができることが見出された。
本発明との関連の範囲内では、「のレベルで」という用語は、取得した結果の間の比較は、言及した分類群に関して取得した情報を比較することにより、例えば、特定の分類群についての異なる断片の数、量、及び大きさにおける差異に関する時点t0と時点t1とでの異なる門の比較により、行われることを意味する。
本発明による方法では、該比較は、異なる時点で取得した「フィンガープリント」を比較することにより、現在、可能である。
特定の分類群、好ましくは門、の範囲内の比較により、集団中に存在する個々の微生物(例えば細菌種)を詳細に知る必要なく、例えば集団中に変化が生じたのかどうかを、どの特定の微生物(例えば細菌)が増加又は変動したかを詳細に知る必要なく、現在、有利に、また日常的に、決定することができる。
例えば門のレベルでの情報は現在容易に利用することができ、該情報をかかる有益な条件に関連する既知の(例えば細胞集団等の)微生物集団(の組成)と比較することにより、例えば、時間内に有益な変化が生じているかどうかを分析することができる。
例えば、抗生物質等の薬剤での治療後に、微生物集団(例えば細菌集団)(の組成)が回復し健康的又は有益な集団へ向かって発達しているかどうかを現在、容易にモニタリングすることができる。
本発明の好ましい一方法によれば、プライマーセットP1は1つのプライマーから成り、及び/又はプライマーセットP2は1つのプライマーから成る。
上述したように、プライマーセットP1及び/又はプライマーセットP2は、特定の第1の分類群に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置を対象とする2つ以上のプライマーを含み得る(が、また、特定の第1の分類群に対して特異的な、2つ以上のプライマーを含み得る、又は相異なる保存位置を対象とするプライマーを含み得る)。該プライマーセットが2つ以上のプライマーを含むときには有利な結果が取得されるが、プライマーセットP1及び/又はプライマーセットP2が1つのプライマーから成るときには特に有益な結果が取得されることが見出された。
明らかにプライマーセットP1とプライマーセットP2とは同一でない(プライマーセットP3及びプライマーセットP4についての場合では同一であり得ることとは対照的に)ことが当業者には理解されるだろう。
プライマーセットP1が1つのプライマーから成るときには、プライマーセットP1が2つ以上のプライマーを含むときと比較して、本発明による方法は取得される結果に関して向上することが見出された。上で説明したように、これは、プライマーセット中に存在する異なるプライマーの、試料中に存在する異なるDNAにおける保存位置L1への結合効率において生じ得る差異の減少であって、例えば、試料中に存在する特定の増幅した断片の量/濃度に関する結果に不確実性をもたらす可能性がある、差異の減少によるものであると考えられる。該不確実性は、プライマーセットが1つのプライマーから成るときには低減する。
この方法の好ましい別の実施形態では、この方法は、プライマーセットP3及び/又はプライマーセットP4は、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの異なるプライマーから成ることを特徴とする。
プライマーセットが、少なくとも1つの保存位置を対象とする少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのプライマーを含むときには、微生物集団(例えば細菌集団)の組成の分析は向上することが見出された。
かかるプライマーセットを適用することにより、そのプライマーセットは、プライマーセットが1つのプライマーから成るときと比較して、試料中に存在する、より異なる微生物(細菌等)における異なる保存位置と結合し得ることが見出された(「保存位置」に関する上記を参照されたい)。
上で説明したように、「保存位置を対象とする」という用語は、特定のプライマーセットに含まれるプライマーが、例えば門等の特定の分類群に属することが既知の異なる微生物(例えば細菌)の少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは80%、さらにより好ましくは90%を検出するために効率的に使用され得ることを意味する。換言すれば、少なくとも上述の百分率の、或る特定の分類群に属することが既知の微生物のタイプが検出され得る。
少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの異なる上述のプライマーを組み合わせることにより、或る分類群に属する検出可能な微生物の百分率が増大し得ることが、現在、見出された。
例えば、第1のプライマーp3は、特定の分類群に属する細菌の異なるタイプの75%までを検出するために適用され得るが、例えば、プライマーのヌクレオチド配列のミスマッチによりそのプライマーが該細菌中に存在する保存位置に効率的に結合しないという事実により、少なくともその細菌の未検出の25%の部分を検出するためには適用し得ないことが見出され得る。
該第1のプライマーp3を第2のプライマーp3及び好ましくは第3のプライマーp3と組み合わせることにより、プライマーセットP3は、現在、集団中の特定の分類群に属する異なる細菌(微生物)のタイプの少なくとも90%を検出し得る。
このために、プライマーセットに含まれる異なるプライマーの配列は、少なくとも1つのヌクレオチド(A、T、C又はG)に関してお互いに異なる。プライマーセット中にかかるプライマーを有することにより、プライマーセットは、現在、また、特定の分類群に少なくとも特異的な保存位置を含む微生物と効率的に結合し得るが、同じ分類群に属する別の微生物と比較して、例えば、1つ、2つ、3つ又はより多くのヌクレオチドにおいて異なり得る。
このように取得した結果は、プライマーセットP3が1つのプライマーから成るときと比較してより代表的であり、より信頼性がある。
当業者には明らかな状況下においては、すなわち、少なくとも2つのプライマーを含むプライマーセットP1及びプライマーセットP2が同様に適用され得る条件下では、このことはプライマーセットP1及びプライマーセットP2にも適合し得ることを予想することができる。
さらに、より好ましい一実施形態では、プライマーセットP3及びプライマーセットP4は同一であるが、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの異なるプライマーを含むことは記載から明らかである。
本発明は特定の環境由来の微生物集団(例えば細菌集団)に限定されるようなものではないが、本発明による方法は、好ましくは、ヒト、植物、動物、水、食品(乳製品等)、酵母培養液(例えば工業上使用される)又は土壌に存在する環境から成る群から選択される環境から、より好ましくは胃腸管、皮膚、肺、痰、大腸、口、歯周ポケット、腹水、糞便、化膿、膿瘍、創傷液(wound fluid)、創傷、血液又は循環器系由来の環境から得られるDNAに対して行われる。
当業者は、これらの環境が包含するもの、及びこれがそれ自体についていかなるさらなる説明も要しないことを理解する。
上記環境由来のDNAに対して本発明による方法を行うことにより、詳細が広範にわたる場合にはかかる試料中に存在し得る異なる種を分析する必要なく、有用性、信頼性及び再現性がある上記環境中に存在する微生物集団(例えば細菌集団)(の組成)のデータを提供することができることが、現在、見出された。しかし、当業者には明らかであるように、かかる分析は、適切には及び好ましくは、本発明による方法を使用することにより行うこともできる。
例えば、このようにして取得した「フィンガープリント」は、特定の条件(例えば汚染または疾患)に関連する過去に取得した結果(フィンガープリント)と比較すること、又は経時変動を追跡することのいずれかにより、微生物集団(例えば細菌集団)の変化又は発達の間の差異を研究するために効率的に使用され得る。
代替的に、例えば環境中の病原細菌の存在を一度決定すること(個々の細菌を同定することを対象とする当該技術分野で既知の方法をさらに適用することによる)により、少なくとも最初は当該技術分野で現在既知の方法で該細菌の存在を証明する必要なく、かかる病原細菌が存在し得るのかどうかを確定させるために、かかるデータを新しく取得したフィンガープリントと比較することができる。
別の好ましい実施形態では、上記第1のプライマーセットP1及び上記第2のプライマーセットP2は標識され、蛍光標識、好ましくはFAM、TET、HEX、Cy5、Cy5.5、Cy3、Cy3.5、Cy7、Tamra、ROX、JOE、FITC、TRITC、又は放射性標識、好ましくは3H、14C、32P又は33P、35Sから成る群から選択される標識を含む。
本発明による増幅反応を行った後、大きさ、数及び/又はヌクレオチド配列における検出可能な差異を有する断片が取得される。該差異は、当業者に既知のさまざまな方法により検出することができる。
例えば、ヌクレオチド配列における差異は、個々の取得した断片のシーケンシングにより決定することができる。代替的に、断片はエンドヌクレアーゼでの処理により分析することができ、それにより例えば取得した断片の一部分を含む特異的なパターンを提供することができる。これらのパターンは、断片をさらに分析するために、その後既知のパターンと比較することができる。代替的に、例えば門等の或る特定の分類群に対して特異的な特定の配列から成るプローブを使用することができる。例えば、異なる断片を取得した後に、その分類群のうちの1つと特異的に結合する放射性プローブ又は蛍光プローブを試料に添加することができる。この特定の分類群のフィンガープリントは、その後、そのプローブがどの断片にハイブリダイズした(結合した;付着した)かということだけでなく、よって標識した断片の大きさの差異も分析することにより取得され得る。同様に、上記検出は、試料中に存在するいずれかの他の分類群について行うことができ、さまざまなプライマーの使用により増幅することができる。他の検出の方法は、質量分析を含む。
しかしこれらの方法は、分析の再現性及び信頼性に関して不確実性をもたらし得る。対照的に、プライマーセットP1及び/又はプライマーセットP2に含まれるプライマーが、例えば放射性標識で、又は蛍光標識と共に、標識されているとき(及び両方のプライマーセットが標識されている場合には、明らかにそのプライマーセットはお互いに識別することができる標識で標識されている;実施例を参照されたい)は、上記の問題は生じないようであることが見出された。
増幅したDNAは、例えば、標準的な酵素的取り込みのために未標識ヌクレオチドのみを要する、これらのフルオロフォア標識プライマーを使用することにより標識することができる。巨大な色素分子はヌクレオチドの取り込みを妨げないので、標識プライマーでの標識はヌクレオチドの効率的且つ不偏的な取り込みを確実にするが、その一方で、加えて、その後の検出が非常に向上し、これは、標識した取得したDNA断片は、代替的な方法が当業者には既知且つ利用可能であるものの、例えば、Applied BiosystemsのABI Prism 3130xl Genetic Analyzerと、Genescan Analysisソフトウェア(Applied Biosystems)と、ソフトウェアパッケージBioNumerics 4.61(Applied Maths)とを使用して容易に分析することができるので、検出に工程があまり必要とされないという事実による可能性が最も高い。
上述の標識は当業者に既知であり、例えば、Invitrogen(Carlsbad, California)から取得できる。当業者には理解されるように、好ましくはプライマーセットP1及びプライマーセットP2の両方が異なる標識で標識されており、増幅した断片の間で容易に識別することを可能とする。
したがって、本発明による方法の別の好ましい実施形態によれば、プライマーセットP1の標識はプライマーセットP2の標識と異なる。例えばプライマーセットP1の標識が蛍光性であり、プライマーセットP2の標識は放射性である。より好ましくは、両方の標識が蛍光性だが、お互いに識別することができる。
上で説明したように、本発明による方法は、例えば門等の分類群に対して特異的なプライマーセットP1及びプライマーセットP2に限定されず、付加的なプライマーセットPがこの方法に導入され得る。
例えば、第1の門を対象とする第1のプライマーセットP1と、第2の門を対象とする第2のプライマーセットP2と、別の門を対象とする付加的なプライマーセットのP−付加1と、言うまでもなく適切なプライマーセットP3及びプライマーセットP4と、付加的なプライマーセットのP−付加2とであり、これらは保存位置L1−L3、L2−L4の間の領域と、P−付加1及びP−付加2に対するL−付加保存位置の間の領域との増幅を可能とするためのものである。
本発明による方法のさらなる一実施形態では、また、第1の分類群又は第2の分類群が門であるときには、その門は、ファーミキューテス、フソバクテリウム(fusobacterium)、デフェリバクター(deferribacteres)、スピロヘータ(spirochaetes)、シアノバクテリア(cyanobacteria)、アシドバクテリア(acidobacteria)、ニトロスピナ(nitrospina)、ニトロスピラ(nitrospirae)、カルディスリクス(caldithrix)、ハロアネロビアル(haloanaerobiales)、ベルコミクロビア、クラミジア(chlamydiae)、プランクトミセス(planctomycetes)、ジェミモナス(gemmimonas)、フィブロバクター(fibrobacteres)、クロロビウム(chlorobi)、バクテロイデス、プロテオバクテリア、サーモトーガ(thermotogae)、コープロサーモバクター(corprothermobacter)、シネルジテス(synergites)、サーモデスルフォバクテリア(thermodesulfobacteria)、デスルフロバクテリウム(desulfurobacterium)、アクイフェックス(aquificae)、デイノコッカス−サーマス(deinococcus−thermus)、クロロフレクサス(chloroflexi)及びアクチノバクテリアから成る門の群から選択される。特に、ファーミキューテス、バクテロイデス、プロテオバクテリア及びアクチノバクテリアが好ましい門である。
これらの門は当業者に既知であり、例えば、Schlossによる非特許文献5に、又は名高い非特許文献6に記載されている。
例えば、バクテロイデス門は、土壌中と、堆積物中と、海水と、動物の消化管中とを含む環境中に広範に分布する3つの大きな綱の細菌から構成される。中でも、バクテロイデス綱(Bacteroidales class)は最もよく研究されており、バクテロイデス属(genus Bacteroides、ヒトを含む温血動物の糞便中に豊富な生物;例えばバクテロイデス・アシディファシェンス(B. acidifaciens)、バクテロイデス・ジスタソニス(B. distasonis)、バクテロイデス・グラシリス(B. gracilis)、バクテロイデス・フラジリス(B. fragilis)、バクテロイデス・オリス(B. oris)、バクテロイデス・オバツス(B. ovatus)、バクテロイデス・プトレジニス(B. putredinis)、バクテロイデス・ピオゲネス(B. pyogenes)、バクテロイデス・ステルコリス(B. stercoris)、バクテロイデス・スイス(B. suis)、バクテロイデス・テクツス(B. tectus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(B. thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ブルガータス(B. vulgatus)を含む)と、ヒトの口腔に生息する生物群であるポルフィロモナス(Porphyromonas)属とを含む。バクテロイデス属のメンバーは、日和見病原体である。他の2つの綱のメンバーは、稀に、ヒトに対し病原性を有する。
例えば、現在、ファーミキューテス門の範囲内には274を超える属が存在するが、ファーミキューテスの注目すべき属は、バチルス(Bacilli)、バチルス目(order Bacillales)(バチルス(Bacillus)、リステリア(Listeria)、スタフィロコッカス(Staphylococcus));バチルス、ラクトバチルス目(order Lactobacillales)(エンテロコッカス(Enterococcus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、ペクチナタス(Pectinatus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus));クロストリジウム(アセトバクテリウム(Acetobacterium)、クロストリジウム(Clostridium)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、ヘリオバクテリウム(Heliobacterium)、ヘリオスピリルム(Heliospirillum)、スポロムサ(Sporomusa));モリキュート(Mollicutes)(マイコプラズマ(Mycoplasma)、スピロプラズマ(Spiroplasma)、ウレアプラズマ(Ureaplasma)、エリシペロスリクス(Erysipelothrix))を含む。
特に、本発明による方法は、上記門が存在すると予想される微生物集団(例えば細菌集団)(の組成)の分析をするために適切に利用することができることが見出された。特に異なる門のレベルで、その方法は、例えばヒトの胃腸管における、微生物集団(例えば、細菌集団)の発達に対する例えば外的因子の効果を研究する際に有利に利用することができる実験結果/データを提供することが見出された。門のレベルでの分析は、試料中に存在する多数の異なる種を詳細に研究する必要なく、十分であり、信頼性があり、有用性があるデータを提供すると考えられる。
したがって、本発明による方法では、単純な手順により、属又は種のレベルでの詳細な分析を要さずに、環境中に存在する微生物集団(例えば細菌集団)の組成に関して詳細な情報を取得することが、現在可能であり、それにより実験工程及び所要プライマーの量が低減し、微生物集団(例えば細菌集団)に関して取得される量的データ及び質的データの両方の信頼性、再現性を強力に向上させる。本発明による方法は、微生物集団(例えば細菌集団)(の組成)の分析を可能とするだけでなく、加えて、集団中の微生物(細菌等)(同定されている又は同定されていない)の相対的な存在の分析も可能とする。
さらに、プライマーセット対P1−P3、及び/又はプライマーセット対P2−P4が下記のように設計されることを特徴とする、本発明による方法が開示される。
特に、プライマーセット対P1−P3、及び/又はプライマーセット対P2−P4が、
a)少なくともプライマーA及びプライマーBを含む第1のプライマーセット対P1−P3であって、
i)該プライマーAは少なくとも3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドを含むプライマーであり、該プライマーは第1の分類群に対して特異的な保存位置を対象とし、
ii)該プライマーBは少なくとも3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドを含むプライマーであり、プライマーAとプライマーBとの間の領域は、第1の分類群に属する微生物における10個〜5000個のヌクレオチドである、第1のプライマーセット対P1−P3と、
b)少なくともプライマーC及びプライマーDを含む第2のプライマーセット対P2−P4であって、
i)該プライマーCは少なくとも3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドを含むプライマーであり、該プライマーは第2の分類群に対して特異的な保存位置を対象とし、
ii)該プライマーDは少なくとも3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドを含むプライマーであり、プライマーCとプライマーDとの間の領域は、第2の分類群に属する微生物における10個〜5000個のヌクレオチドである、第2のプライマーセット対P2−P4と、
を用意することにより設計されることを特徴とする、本発明による方法が提供される。第1の分類群及び第2の分類群がお互いに異なることは明らかである。
下記のように設計されるプライマーセットで、特に有利な結果を取得することができることが見出された。
かかるプライマーは、各々が或る分類群に対して特異的な、すなわち異なる分類群の間を識別することができる、2つのプライマーセット対P1−P3とプライマーセット対P2−P4とを形成することを特徴とする。これは、各々が異なる分類群に対して特異的なプライマーセットP1及びプライマーセットP2を有することにより実現することができるが、一方でプライマーセットP3及びプライマーセットP4は特定の分類群に必ずしも特異的である必要はない(例えば、P3がP4と同一であってもよい)。加えて、プライマーセット対は、特定の分類群に属する既知の微生物の配列の直接的な比較と、第2の分類群に対して取得されるプライマーセットとの比較とにより決定することができる。プライマーは典型的には3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドの長さを有するのに対して、本発明による方法における使用のための特定のプライマーセット対の間の領域は、例えば10個〜5000個のヌクレオチドであり得る。プライマーの長さとプライマーセット対(例えば、P1−P3)における2つのプライマーの間の領域の長さとの両方を設定することにより、例えばコンピュータ等による微生物の既知の配列の分析と、必要な場合には領域のその後の分析(例えば、長さ、大きさ又は配列における差異に関する)とにより、当業者は、本明細書で提供される開示を用いて、本発明による方法における使用のためのプライマーセットに使用するための適切なプライマーを決定することができる。
したがって、かかるプライマーと、プライマーセットと、プライマーセット対と、その使用とは、本発明に包含されることが明確に意味される。
一般的には、適切なプライマーセット対は、以下のように設計され得る。
上述したようにプライマーセットP1には、保存位置L1を対象とする第1のプライマーp1(本発明との関連ではプライマーA)が少なくとも含まれる。この保存位置L1は第1の分類群に対して、例えば特定の門に対して特異的である。したがって、適切なプライマーセットを設計するための第1の工程では、配列データベースから入手可能な配列情報に基づき、第1の門の既知の種の少なくとも実質的な部分において保存され、プライマーが対象とし得る、位置が決定される。例えば該配列は、第1の分類群に属する少なくとも3種類、4種類、5種類、好ましくは少なくとも10種類、又はより多くの既知の種において決定される。
本発明において見出されたように、好ましくはプライマーは、少なくとも3個〜50個のヌクレオチド、より好ましくは10個〜30個のヌクレオチドの長さであることが好ましい。換言すれば、決定されるべき保存位置(本発明との関連の範囲内での)も、好ましくは、少なくとも3個〜50個のヌクレオチド、より好ましくは10個〜30個のヌクレオチドの長さである。
例えば以下に示すヌクレオチド配列の場合には、適切なプライマーが決定され得る。
Figure 2010524443
したがって、このような場合、適切なプライマーの例は、X1、X2及びX3の配列に見出される保存位置L1であるacgを対象とするプライマーである。
同様に、第2のプライマー(本発明との関連ではプライマーB;及びしたがって位置L3)が、既知の系列の細菌X1、X2及びX3の分析により見出され得る。本発明に関して、好ましくはL1とL3との間の領域は少なくとも約10個、多くとも約5000個のヌクレオチドであるべきことが見出された。当業者は、例えば、長多型の場合には、かかる領域は、異なる微生物、例えば異なる細菌X1、X2及びX3に対しては異なる長さを有することを知る。換言すれば、本発明によるプライマーセットにおいて適切な第2のプライマーに対しては、第1のプライマーの上流又は下流の多くとも約5000個のヌクレオチドの分析をすれば十分であることが見出された。
本発明による方法における使用のための適切なプライマーセットを第1のプライマーと共に形成し得る適切な第2のプライマーの例は、以下に示される。
Figure 2010524443
したがって、このような場合、適切なプライマーの例は、X1、X2及びX3の配列に見出される保存位置L3であるtttを対象とするプライマーである。
上の例から証明され得るように、位置L1と位置L3との間の領域を増幅するためにかかるプライマーを使用するときには、大きさにおける差異を有する領域が取得される。本例では、その領域は、24個、18個及び21個のヌクレオチドの長さである。当業者には理解されるように、上記のプライマーセットは、同じ分類群の微生物と、かかる分類群の範囲内の異なる種とを検出するために適切に使用することができる。
しかし、或る分類群を別の分類群と識別するために、次の工程において、或る保存領域を対象とする特定のプライマーセットが第1の門に対して特異的であるかどうかが決定される。
上述したように、いずれかの場合において、或る位置が或る分類群由来の微生物を別の分類群由来の微生物から識別することを可能とするプライマーの結合のために適切に使用され得るときには、本発明との関連の範囲内ではその位置は保存される、すなわち、或るプライマーが本発明による方法で分析すべき別の分類群の実質的な部分と結合しない又は本質的に結合しないときには(又は増幅生成物を取得することができないときには)、そのプライマーは少なくとも1つの分類群に対して特異的である。例えば或るプライマーがA門及びB門を検出し得るが、C門を検出し得ない。かかる場合、このプライマーはA門及びB門に対して特異的であるのでA門及びB門における保存位置を対象とするが、一方で該保存位置はC門にはない。
上で設計したプライマー対が、或る分類群の生物を別の分類群の生物から識別するために適切に使用することができるかどうかを確定させるために、第2の分類群の既知の配列の全てではなくともほとんどにおいて保存位置L1又は保存位置L3のうち少なくとも1つがないこと、又は本発明による方法での増幅反応を行うために保存領域L1と保存領域L3との間の領域が不適切な長さを有する(例えば10000個のヌクレオチドを超える等)ことが決定されなければならない。
例えば、細菌X1、X2、X3及びX4の第1の門に適切なプライマーセットを決定するときには、以下の候補が同定され得る(F−プライマーはフォワードプライマーであり、R−プライマーはリバースプライマーである):
Figure 2010524443
したがって、証明され得るように、例におけるプライマーセットは、上記門に属する種の分析のために適切に使用することができる。所定の例において、長さにおける差異を有する断片が取得され、したがって分析すべき微生物集団のフィンガープリントの一部分を提供するために使用することができる。
同様に、細菌Z1、Z2、Z3及びZ4を含む第2の門に適切なプライマーセット(本発明のこの態様との関連の範囲内ではプライマーC及びプライマーD)を決定するときには、以下の候補が同定され得る(F−プライマーはフォワードプライマーであり、R−プライマーはリバースプライマーである):
Figure 2010524443
したがって、このプライマーに基づき、この例においてリバースプライマーatagatagが両方の門において見出され得ることを容易に確定させることができる。加えて、第1の門由来のフォワードプライマーAcatcgacは該第1の門に対して特異的であり、フォワードプライマーtgatcgatgは第2の位置に対して特異的である。換言すれば、プライマーacatcgac及びatagatagを含むプライマーセット対P1−P3と、プライマーtgatcgatg及びatagatagを含むプライマーセット対P2−P4とは、この例においては、かかるプライマーの使用により異なる門がお互いに識別される一方で、加えて長さ(大きさ)における差異に基づき容易に識別することができる断片が取得されるので、本発明による方法における使用のために適切なプライマーであろう。この例ではプライマーセットP3はプライマーセットP4(すなわちatagatag)と同一であるが、他の例ではP3とP4とが同一であるかは分かり得ないことには留意する必要がある。
上の開示により当業者は、本発明における使用に適切なプライマーをどのようにして設計すればよいか、又は特定のプライマーが本発明による方法に使用すべきプライマーセットにおける適切なプライマーかどうかをどのようにして決定すればよいかを、理解するだろう。
上で説明したように当業者は、本発明による方法に使用すべきプライマーを容易に確定させることができ、又は特定のプライマー又はプライマーセットが本発明による方法においてうまく適用することができるかどうかを決定することができるが、プライマーセットP1又はプライマーセットP2が配列番号1及び2から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むときには、特に良好な結果が取得された。
配列番号1を有する第1のフォワードプライマーはファーミキューテス(Firmicuta)門及びアクチノバクテリア門に対して特異的であり、例えば蛍光標識FAMで標識され得る。該プライマーのヌクレオチド配列は以下である。
Figure 2010524443
配列番号2を有する第2のプライマーはバクテロイデス門に対して特異的であり、例えば蛍光標識HEXで標識され得る。該プライマーのヌクレオチド配列は以下である。
Figure 2010524443
当業者には理解されるように、記載の配列を本質的に有するプライマーも包含される。即ち、これらのプライマーには、例えば1個、2個、3個又は4個のヌクレオチドが変化したプライマー、又は例えば上に記載のプライマーの長さより1個、2個、3個、4個又は5個のヌクレオチド分だけ長い又は短い長さを有するプライマーも包含される。
別の好ましい実施形態では、本方法は、プライマーセットP3又はプライマーセットP4が、配列番号3、4及び5(3〜5)から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むことを特徴とする。
これらのリバースプライマーは、標識されていないことがある。
Figure 2010524443
当業者には理解されるように、記載の配列を本質的に有するプライマーも包含される。即ち、これらのプライマーには、例えば1個、2個、3個又は4個のヌクレオチドが変化したプライマー、又は例えば上に記載のプライマーの長さより1個、2個、3個、4個又は5個のヌクレオチド分だけ長い又は短い長さを有するプライマーも包含される。
当業者には理解されるように、特に、プライマーセットP3又はプライマーセットP4に含まれる2つ以上のプライマーの組合せが、上で詳細に論じられたように、有利に適用され得る。
特に、プライマーセットP1が配列番号1の配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むとき、及び、プライマーセットP2が配列番号2の配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むときには、プライマーセットP3又はプライマーセットP4は配列番号3、4及び5から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むことが好ましい。
かかる組合せにより、例えば実施例に示すように、微生物集団(例えば細菌集団)の組成の良好な分析結果が取得され得る。
さらなる例として、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)に属するメンバーの組成を検出するのに適切なプライマーが提供され得る(配列番号6)。このプライマーは、本発明による方法における使用に適切なプライマーを見出すための上述の方法を使用することにより、設計された。
配列番号6を有するフォワードプライマーは、例えば蛍光標識NEDで標識され得る。該プライマーのヌクレオチド配列は以下である。
Figure 2010524443
別の好ましい実施形態では、方法は、上述のプライマー(配列番号6)に対しては、プライマーセットP3又はプライマーセットP4が、配列番号7の配列を有するDNAから本質的に成るプライマーをさらに含むことを特徴とする。
Figure 2010524443
当業者には理解されるように、記載の配列を本質的に有するプライマーも包含される。即ち、これらのプライマーには、例えば1個、2個、3個又は4個のヌクレオチドが変化したプライマー、又は例えば上に記載のプライマーの長さより1個、2個、3個、4個又は5個のヌクレオチド分だけ長い又は短い長さを有するプライマーも包含される。
本発明による方法の別の好ましい実施形態では、保存位置L1、保存位置L2、保存位置L3又は保存位置L4は、16S rDNA領域、23S rDNA領域、5S rDNA領域、16S−23S中間領域及び5S−23S中間領域における保存領域から成る群から選択される。
該領域は当業者には既知であり、例えばプライマーセットP1、プライマーセットP2における、又はプライマーセットP3及びプライマーセットP4におけるプライマーとして適切に使用されるプライマーを確定させるために特に適切な位置であることが見出されている。
例えば配列番号1〜5に記載されるプライマーは、かかる適切なプライマーの例である。
上で説明したように、本発明による方法で取得される断片は、当該技術分野で既知のいくつかの方法(シーケンシング、質量分析等)を使用して分析され得る。
好ましくは取得した断片は大きさにおける差異を含み、かかる差異は検出される。換言すれば、本発明による異なるプライマーセット中で使用されるプライマーは、特定の分類群に属する異なるタイプの微生物に対しては、取得した断片に関して大きさにおける差異が存在するように選択される。
したがって本発明による好ましい一方法は、取得した断片が少なくとも大きさにおける差異を含む方法である。
本発明の別の態様では、本発明による方法における使用に適切なプライマー又はプライマーセットが提供される。
上で説明したように、本明細書での開示を知っている当業者は、いかなる発明技能がなくとも、特定のプライマー、プライマーの群、又はプライマーセット、別のプライマーセットと組合せたいずれかが、本発明による方法における使用に適切であるかどうかを決定することができる。
例えば、配列番号1〜7に記載のプライマーは、本発明による方法において適切に使用され得る。
したがって別の好ましい実施形態では、配列番号1〜7から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成る少なくとも1つのプライマーが、本発明において使用される。
本発明の別の態様によれば、本発明による方法におけるプライマーセット対P1−P3又はプライマーセット対P2−P4としての使用に適切なプライマーセットの組合せが提供される。
当業者には理解されるように、また本明細書に記載されるように、本発明による方法は、少なくとも、2つの保存位置L1とL3との間の、及び/又はL2とL4との間の、領域の増幅に基づく。換言すれば、プライマーセット対P1−P3又はプライマーセット対P2−P4としての使用に適切なプライマーセットの組合せが提供されなければならない(ここで、P4はP3と同一であってもよい)。
特に、そのプライマーの少なくとも1つが配列番号1〜7から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成ることを特徴とする、上述のプライマーセットの組合せが提供される。
別の態様では、少なくとも、本発明による方法における使用に適切なプライマーセット対P1−P3、及び/又はプライマーセット対P2−P4を含むキットが提供される。
かかるキットは、標識プライマー、緩衝液、ヌクレオチド、ポリメラーゼ、インキュベーションチューブ等のような本発明による方法において適切に使用される他の成分、又は本発明による方法の行い方についての取扱説明書をさらに含み得る。
別の態様では、環境中における微生物集団(例えば、細菌集団)の組成に対する外的因子の効果を研究するための、本発明による方法の使用、本発明による方法における使用に適切なプライマー又はプライマーセットの使用であって、該外的因子は食事、食品、薬剤、抗生物質、温度、プロバイオティクス、汚染物質、殺虫剤又は薬物治療から成る群から選択される、使用が提供される。
本明細書で説明されるように、本発明による方法は、信頼性のある様式で、微生物集団(例えば、細菌集団)の組成を研究するために適切に使用され得る。このようにして取得された微生物集団(例えば、細菌集団)のフィンガープリントは、例えば、他の環境であるが比較可能な環境由来のフィンガープリントとの比較(例えば健康な被験者及び特定の病状を患っている被験者由来の微生物集団(例えば細菌集団)の間の比較)により、又は、同じ環境からであるが異なる時点において取得した微生物集団(例えば細菌集団)の組成の比較(例えば、これは、例えば抗生物質治療後の、又は土壌が殺虫剤等で処理された後の、細菌集団の組成の発達を容易に研究することを可能とする)され得る。
このようにして、微生物集団(例えば、細菌集団)の組成に影響を及ぼし得る外的因子の効果を、本発明による方法で、有利に分析することができる。
特に、食事、食品、薬剤、抗生物質、温度、プロバイオティクス、汚染物質、殺虫剤又は薬物治療から成る群から選択される外的因子は、微生物集団(例えば、細菌集団)の組成の発達又は変化に関して、容易にモニタリングされ得る。
記載される実施例で理解されるように、本発明による方法の特定の実施形態を行うときには、例えば増幅した断片の大きさにおける差異だけでなく、該断片が属する例えば門等の特定の分類群に関しても、情報が提供される。したがって本方法により、該取得した断片が属する特定の微生物を決定する必要なく、環境中に存在する微生物集団(例えば、細菌集団)の組成の総合的な概観が取得され得る。
しかし、取得した結果を或る特定の微生物(例えば、細菌)から取得したDNAに本発明による方法を適用することにより取得した結果と単純に比較することにより、微生物集団(例えば、細菌集団)のさらに詳細な分析を行うことができることが、当業者には理解される。
加えて、例えば、例えば健康な個体から、及び特定の病状を患っている個体からというような、異なる被験者から取得した試料の間において取得した結果を比較することにより、特定の病状が特徴的な微生物集団(例えば、細菌集団;フィンガープリント)(の組成)に付随したものであるのかどうかを、現在、容易に分析することができることが、当業者には理解される。例えば、病状Xにおいて、例えば門等の異なる分類群に属する細菌の間の例えば比率に変動があることが検出され得る一方で、加えて、特定の門に属する特定の細菌(未知)が集団中で大きく増加するが健康な被験者中に存在する集団と比較すると他のものは存在しないことが見出され得る。換言すれば、集団のフィンガープリントが変動した。
同様に本発明による方法は、微生物集団(例えば、細菌集団)の組成に対する、食事、薬剤、殺虫剤等のような外的因子の効果を分析するために有利に使用され得る。
同様に、微生物集団(例えば、細菌集団)の組成に関して取得した情報を、健康状態、食事、又は環境中における殺虫剤等の存在等の特定の条件に関連する又は関連した組成と比較すると、分析した微生物集団(例えば、細菌集団)においてかかる特定の条件が存在する/生じている可能性もあるのかどうかを、現在、初めて、予想することができる。
例えば、ガラクトオリゴ糖又はフルクトオリゴ糖等の特定の繊維の消費が、例えばバクテロイデス(Bacteriodetes)門に属するより多くの細菌を含む胃腸管の特定の部分における微生物集団(例えば、細菌集団)の組成に影響を及ぼすとき、微生物集団(例えば、細菌集団)の組成のかかる特定のフィンガープリントは、胃腸管の該部分における微生物集団(例えば、細菌集団)の組成に影響を及ぼす食品因子を、かかる人が同様に、例えば、消費していたかどうかを確定させるために、個体から取得したフィンガープリントと比較することができる。
したがって、本発明による方法により、微生物集団(例えば、細菌集団)(の組成)とそれに対する外的因子の影響との間の関係をより良く理解することが、現在、可能である。したがって、この方法は、特定の微生物が試料中に存在することを知る必要なく、微生物集団(例えば、細菌集団)に対する外的因子及び/又は条件の役割、並びにその逆(visa versa)を研究し、分析し、予想するために有利に使用することができる。本発明による方法により取得される微生物集団(例えば、細菌集団)のフィンガープリントは、上記目標のために有利に使用することができる。
ここで、本発明を、以下の非限定的な実施例により、さらに説明する。以下の実施例は本発明を限定しないということは当業者には理解されるだろうが、言及される使用される方法と、材料と、温度及び濃度等の条件と、プライマーと、標識とは、実施例の範囲内の構成とは独立して、また本発明の範囲内において、本発明との関連の範囲内の好ましい一実施形態を示すためのものとみなされ得るということも理解されるべきである。例えば、或る反応を2mM〜50mMの濃度で37℃〜40℃において行うことができることに言及したとき、37℃〜40℃と2mM〜50mMとの両方が、お互いに独立して、本発明との関連の範囲内では好ましい条件及び実施形態であると考えられるべきである。
[実施例1]
試料
ヒト胃腸管:
ヒトの腸由来の生検試料を、大腸鏡検査の間に取得した(試料は、小腸を含む腸の他の部分の生検によって、同様に取得され得る)。取得した試料を25mg未満に秤量し、0.9%のNaClで直ぐに洗浄し、液体窒素中で凍結し、使用するまで−80℃で保存した。
[実施例2]
DNAの単離
取得した試料からDNAを単離するために、取得した試料をまず溶解させる。このためにQIAGENのQIAamp DNA Mini Kitを使用するが、当業者は他の溶解プロトコルが利用可能であることを理解するだろう。
実施例1で取得した試料の解凍後、試料を、360μLのATL緩衝液を含むチューブに移す。約40μLのプロテイナーゼKを添加する。得られた混合物を、試料中の組織が溶解するまで(約1時間〜2時間)、56℃でインキュベーションする。14000rpmで5秒間遠心した後、400μLのAL緩衝液を添加する。混合物を15秒間徹底的にボルテックスし、振とう下、70℃で10分間インキュベーションする。
次に、easyMAG(Biomerieux)の使用によりDNAの単離を継続する。このために、内部溶解工程を有する内部標準プロトコルを使用して、約800μLの混合物を使用する。easyMAG中にある状態でこのプロトコルを行った後、計約110μLの緩衝液中のDNAを取得する。
[実施例3]
プライマー
工程2で取得した約10μL〜100μLのDNAを、本発明による分析のために使用した。
このためにPCR反応を行ったが、当業者は他のDNAの増幅の手段が利用され得ることを理解するだろう。
本発明によるこの実施例における増幅に使用するプライマー(0.1μM〜1μM以上)は、フォワードプライマーが、限定的な量の門のみに対して、例えば1つの門のみ又は2つの異なる門のみに対して、特異的なようなものであることを特徴とする。加えて、このプライマーは、異なる蛍光標識で標識されている。DNA:プライマーの比は、1:1〜1:50の間で変化し得る。
本実施例における第1のフォワードプライマーは、ファーミキューテス門及びアクチノバクテリア門に対して特異的であり、蛍光標識FAMで標識されている。該プライマーのヌクレオチド配列は、以下である。
Figure 2010524443
第2のプライマーは、バクテロイデス門に対して特異的であり、蛍光標識HEXで標識されている。該プライマーのヌクレオチド配列は、以下である。
Figure 2010524443
さらに、3つの標識されていないリバースプライマーを、混合物に添加した。
これらは、以下である。
Figure 2010524443
PCR反応を、Applied BiosystemsのGeneAmp PCR System 9700で行った。以下の混合物を、各々の独立のPCR反応のために調製した。
Figure 2010524443
PCRサイクルは、以下のようである。
7分94℃:
30秒94℃、45秒56℃、1分72℃を35回:
5分72℃
[実施例4]
断片分析
PCRの後、取得した断片を、Applied BiosystemsのABI Prism 3130xl Genetic Analyzerと、Genescan Analysisソフトウェア(Applied Biosystems)と、ソフトウェアパッケージBioNumerics 4.61(Applied Maths)とを使用して分析した。
[実施例5]
本発明による方法の典型的な実施の結果
以下の図1に示す結果を、上述のヒト腸から取得した5つの生検試料から取得した。
図1では、左から右へ進むにつれて、0塩基対から1000塩基対まで断片の長さが大きくなる。「s」で表示された小さいピークはサイズマーカーの例であり、さまざまな取得した断片の大きさを関連づけることを可能とする。
「B」で表示されたピークは、バクテロイデス門由来の細菌のHex標識断片を表わす。
「F」で表示されたピークは、ファーミキューテス門及びアクチノバクテリア門由来の細菌のFAM標識生成物の例である。
X軸上の位置をサイズマーカーと関連づけることにより、断片の正確な長さが決定される。かかるデータは、1つ又は複数の特定の細菌属の種に関して既に得られた特定の情報と例えば関連づけることができる。それらのピークの高さは、集団中に存在する特定の細菌の量を表わすと考えられる。
異なる被験者は異なるフィンガープリントを表示すること、及びいくつかの被験者におけるフィンガープリントの範囲内ではピークが存在するが他の被験者ではこれらが存在しない一方で、同時に異なる被験者の間の類似性が観察され得ることが、結果から明らかである。
[実施例6]
図2では、上述の本発明による方法が、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis:ファーミキューテスに属する)とバクテロイデス・フラジリス(バクテロイデス門に属する)とのいわゆる混合培養液に対して適用される。図から理解されるように、本方法は2つの異なる細菌の間の識別を可能とするが、取得した「フィンガープリント」を微生物集団(例えば、細菌集団)のフィンガープリントと比較することにより、現在、より重要な上記データを容易に使用することができ、かかる細菌に対する特異的なプライマーの必要なく、微生物集団(例えば、細菌集団)中に存在するかかる微生物(例えば、細菌)の容易且つ直接的な同定を可能とする。
[実施例7]
或る実験を、「フィンガープリント」、すなわち大腸中の異なる位置から採取した細菌集団の複雑な組成を研究するために行った。加えて糞便を、本発明による方法で分析した。
このために、当該技術分野で既知の方法による大腸鏡検査を、20人の健康な被験者に対して行った。この手順を、腸疾患に対する遺伝的素因に基づき行った。この分析に使用した全ての被験者に対して、大腸生検について行った大腸鏡検査及び組織学的検査は、異常を示さなかった。全大腸及び直腸の全体を通じて各患者について5つの生検を行った。生検の位置は、盲腸(CC)、肝湾曲部(HC)、脾湾曲部(LC)、S字結腸(SC)及び直腸(RC)であった。
大腸鏡検査の数日(例えば3日)後、糞便を回収した。全試料からのDNA単離及びプロファイル生成を、本出願に記載したプライマー及びプライマー対を使用して、上述のように行った。結果のクラスター分析(ピアソン相関及びUPGMAを使用)は、どの被験者についても、大腸及び直腸の全体を通じて微生物プロファイル(本発明による方法により生成される)がほぼ同一であることを示した。
しかし、プロファイルの個体間の変動は非常に大きかった。どの患者も、独自の、独特なプロファイルを有していた。糞便から取得したプロファイルは生検との有意な差異を示したが、糞便プロファイルはまだ患者特異的であった。他の糞便試料とのクラスターよりもむしろ、プロファイルはまだ、同じ患者の生検プロファイルとクラスターを形成した(図3;図3は、5人の被験者の大腸生検及び糞便のクラスター分析結果を示す。有意に異なってはいるが、糞便プロファイルはまだ、同じ被験者由来の大腸プロファイルとクラスターを形成する)。
この実施例は、本発明による方法が、生検の解剖学的部位にかかわらず、大腸生検検体の分析にとって優秀であることを明らかに示す。さらに、糞便プロファイルは、同じ被験者の生検プロファイルと相関し、本発明による方法のための入力情報として極めて適切でもある(IS−Pro)。このデータは、本発明による方法の再現性を確認するものでもある。
[実施例8]
フィンガープリント、すなわち例えば糞便中に存在する試料中に存在する微生物の組成を(詳細に及び事前にその微生物を実際に知る必要なく)研究及び決定するための本発明による方法の適切性のさらなる評価を行った。その実験の目標は、微生物群ゲノムの組成の変動(例えば、食事、薬物、アルコール等の外的因子により誘発される)を検出することができるかどうかを確定させることであった。
このために、健康な被験者由来の7つの糞便試料を、2週間の期間にわたって取得した。本発明による方法により生成したプロファイルの分析を、BioNumericsソフトウェアパッケージを使用することにより行った。この分析は、糞便中に存在するバクテロイデスが長時間安定であるが、一方でファーミキューテスがその期間を通じて変動を示すことを明らかにした。この変動は、試料を採取する前の日における被験者のアルコール消費と相関することがあった。このデータは、本発明による方法が、微生物群ゲノムの組成における変動(アルコール、食事及び又は薬剤等の外的因子により誘発される)を検出するのに非常に適した、高感度な方法であることを強調及び証明する。
[実施例9]
消化管の微生物群ゲノムの発達、及び抗生物質の介入の効果
5人の新生児の群において、誕生後7日目、14日目及び30日目に糞便を回収した。乳児のうち1人(児童5)が、研究期間の大部分の間、抗生物質の投与を受けた。本発明による方法を使用して、プロファイル(フィンガープリント)を、全ての試料から生成した。プロファイルを分析し、上述のようにクラスター分析を行った。
結果は、児童1〜児童4のプロファイルが期間中通じてお互いに相関関係を示し、児童1と児童2とが、また児童3と児童4とが、強い対での類似性を示すことを示した。30日目でプロファイルに違いが出始める。児童5(抗生物質の投与を受けた児童)由来のプロファイルは、他の児童から取得したプロファイルと、又は研究期間全体を通じてお互いに、何の相関関係も示さなかった(図4;図4はUPGMAにより作成したデンドログラムであり、児童5(抗生物質の投与を受けた児童)を除く全児童について期間中通じて強い相関関係を示す)。
この実験は、抗生物質の介入が腸の微生物群ゲノム組成に多大な影響を有し得ること、及び本発明による方法によりかかる変動を容易に評価することができることを示す。
[実施例10]
皮膚の微生物群ゲノム
皮膚の微生物群ゲノムの分析に対する本発明による方法の適用可能性を評価するために、5人の被験者から耳介後部皮膚スワブを採取した。これらの5人の被験者のうち1人は、感染した皮膚病変を有していた。この病変からも、スワブを採取した。これらの皮膚スワブからDNAを上述のように単離し、プロファイルを本発明による方法で生成した。プロファイルの分析結果は、皮膚の微生物群ゲノムが被験者間で非常に類似することを示した。感染した皮膚病片から取得したプロファイルは、その被験者の耳介後部スワブ、及び他の全ての被験者と有意に異なっていた。このことから、本発明者らは、本発明による方法が皮膚上に見出される複雑な微生物群ゲノムの分析に適切であること、及び例えば皮膚の病変において見出されるこのプロファイルの変動の検出がこの方法を使用すると非常に簡単であることを結論する。
[実施例11]
口腔の微生物群ゲノム
口腔の微生物群ゲノムの分析に対する本発明による方法の適用可能性を評価するために、5人の健康な被験者から口腔スワブを採取した。これらの5人の被験者のうち1人は、口腔粘膜のアフタ様潰瘍を有していた。この病変からも、スワブを採取した。これらの口腔スワブからDNAを上述のように単離し、プロファイルを生成した。プロファイルの分析結果は、口腔の微生物群ゲノムが、皮膚の微生物群ゲノムよりも被験者間でより変動しやすいが、腸の微生物群ゲノムよりもはるかに変動しにくいことを示した。アフタ様病片から取得したプロファイルは、その被験者の非潰瘍性粘膜から採取した口腔スワブと有意に異なっていた。このことから、本発明者らは、本発明による方法が口腔の微生物群ゲノムの分析に適切であること、及び例えばアフタ様病変において見出されるこのプロファイルの変動の検出がこの方法を使用すると非常に簡単であることを結論する。

Claims (25)

  1. 細菌を含むと思われる環境における異なる分類群の細菌集団等の微生物集団を分析する方法であって、該方法が、
    a)前記環境から取得されるDNAと、それに加えて少なくとも
    i)門、綱、目又は科から成る群から選択される第1の分類群に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置L1を対象とする少なくとも1つのプライマーp1を含む第1のプライマーセットP1と、
    ii)門、綱、目又は科から成る群から選択される第2の分類群に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置L2を対象とする少なくとも1つのプライマーp2を含む第2のプライマーセットP2と、
    iii)少なくとも前記第1の分類群に属する微生物に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置L3を対象とする少なくとも1つのプライマーp3を含む第3のプライマーセットP3と、
    iv)少なくとも前記第2の分類群に属する微生物に対して特異的な、少なくとも1つの保存位置L4を対象とする少なくとも1つのプライマーp4を含む第4のプライマーセットP4と、
    を用意する工程であって、
    前記プライマーセットP1及び前記プライマーセットP3が前記保存位置L1と前記保存位置L3との間の領域を増幅するのに適切であり、前記プライマーセットP2及び前記プライマーセットP4が該保存位置L2と該保存位置L4との間の領域を増幅するのに適切である、用意する工程と、
    b)前記プライマーセットを使用して増幅反応を行う工程であって、それにより大きさ、数及び/又はヌクレオチド配列において検出可能な差異を有する断片を生成する、増幅反応を行う工程と、
    c)前記差異を検出する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記微生物集団が細菌を含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法において、前記第1の分類群及び/又は前記第2の分類群が門であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法において、前記プライマーセットP3と前記プライマーセットP4とが同一であることを特徴とする方法。
  5. 環境中に存在する微生物集団の変化を検出する方法であって、
    a)第1の時点t0で前記環境から取得したDNAに対して請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法を行う工程と、
    b)第2の時点t1で前記環境から取得したDNAに対して請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法を行う工程と、
    c)前記工程a)及び前記工程b)により取得した結果を比較する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、前記比較を、門、綱、目、科、属又は種のレベルで、好ましくは門のレベルで、行うことを特徴とする方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法において、前記プライマーセットP1が1つのプライマーから成り、及び/又は前記プライマーセットP2が1つのプライマーから成ることを特徴とする方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法において、前記プライマーセットP3及び/又は前記プライマーセットP4が、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの異なるプライマーから成ることを特徴とする方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法において、前記DNAが、ヒト、植物、動物、水、食品又は土壌に存在する微生物環境から成る群から選択される環境から、より好ましくは胃腸管、皮膚、肺、痰、大腸、口、腹水、糞便、膿瘍、化膿、歯周ポケット、創傷液、創傷、血液又は循環器系由来の微生物環境から得られることを特徴とする方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法において、前記第1のプライマーセットP1及び前記第2のプライマーセットP2が、標識され、蛍光標識、好ましくはFAM、TET、HEX、Cy5、Cy5.5、Cy3、Cy3.5、Cy7、Tamra、ROX、JOE、FITC、TRITC、放射性標識、好ましくは3H、14C、32P又は33P、35Sから成る群から選択される標識を含むことを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、前記プライマーセットP1の標識が前記プライマーセットP2の標識と異なることを特徴とする方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法において、前記第1の分類群及び/又は前記第2の分類群が門であり、該門が、ファーミキューテス、フソバクテリウム、デフェリバクター、スピロヘータ、シアノバクテリア、アシドバクテリア、ニトロスピナ、ニトロスピラ、カルディスリクス、ハロアネロビアル、ベルコミクロビア、クラミジア、プランクトミセス、ジェミモナス、フィブロバクター、クロロビウム、バクテロイデス、プロテオバクテリア、サーモトーガ、コープロサーモバクター、シネルジテス、サーモデスルフォバクテリア、デスルフロバクテリウム、アクイフェックス、デイノコッカス−サーマス、クロロフレクサス及びアクチノバクテリアから成る門の群から選択されることを特徴とする方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法において、
    プライマーセット対P1−P3、及び/又はプライマーセット対P2−P4が、
    a)少なくともプライマーA及びプライマーBを含む第1のプライマーセット対P1−P3であって、
    i)前記プライマーAが少なくとも3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドを含むプライマーであり、該プライマーが第1の分類群に対して特異的な保存位置を対象とし、
    ii)前記プライマーBが少なくとも3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドを含むプライマーであり、前記プライマーAと該プライマーBとの間の領域が、前記第1の分類群に属する微生物における10個〜5000個のヌクレオチドである、第1のプライマーセット対P1−P3と、
    b)少なくともプライマーC及びプライマーDを含む第2のプライマーセット対P2−P4であって、
    i)前記プライマーCが少なくとも3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドを含むプライマーであり、該プライマーが第2の分類群に対して特異的な保存位置を対象とし、
    ii)前記プライマーDが少なくとも3個〜50個、好ましくは10個〜30個のヌクレオチドを含むプライマーであり、前記プライマーCと該プライマーDとの間の領域が、前記第2の分類群に属する微生物における10個〜5000個のヌクレオチドである、第2のプライマーセット対P2−P4と、
    を用意することにより設計されることを特徴とする方法。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法において、前記プライマーセットP1又は前記プライマーセットP2が、配列番号1及び2から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むことを特徴とする方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法において、前記プライマーセットP3又は前記プライマーセットP4が、配列番号3〜5から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むことを特徴とする方法。
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法において、前記プライマーセットP1又は前記プライマーセットP2が、配列番号6の配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法において、前記プライマーセットP3又は前記プライマーセットP4が、配列番号7の配列を有するDNAから本質的に成るプライマーを含むことを特徴とする方法。
  18. 請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法において、前記保存位置L1、前記保存位置L2、前記保存位置L3又は前記保存位置L4が、16S rDNA領域、23S rDNA領域、5S rDNA領域、16S−23S中間領域及び5S−23S中間領域における保存領域から成る群から選択されることを特徴とする方法。
  19. 請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法において、前記取得した断片が、大きさにおける差異を少なくとも含むことを特徴とする方法。
  20. 請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法における使用に適切なプライマー又はプライマーセット。
  21. 配列番号1〜7から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成ることを特徴とするプライマー。
  22. 請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法におけるプライマーセット対P1−P3又はプライマーセット対P2−P4としての使用に適切な、プライマーセットの組合せ。
  23. 請求項20に記載のプライマーセットの組合せにおいて、前記プライマーの少なくとも1つが、配列番号1〜7から成る群から選択される配列を有するDNAから本質的に成ることを特徴とするプライマーセットの組合せ。
  24. 少なくとも、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法による使用に適切なプライマーセット対P1−P3及び/又はプライマーセット対P2−P4を含むことを特徴とするキット。
  25. 環境中における微生物集団、好ましくは細菌集団の組成に対する外的因子の効果を研究するための、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法の使用または請求項20乃至24のいずれか一項に記載のプライマー又はプライマーセットの使用であって、該外的因子は食事、食品、薬剤、抗生物質、温度、プロバイオティクス、汚染物質、殺虫剤又は薬物治療から成る群から選択されることを特徴とする使用。
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