JP2010521488A - 癌を処置するための経尿道的切除術後の膀胱内アパジクオン投与 - Google Patents

癌を処置するための経尿道的切除術後の膀胱内アパジクオン投与 Download PDF

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Abstract

膀胱癌処置には、経尿道的切除術直後(例えば、約6時間以内)のアパジクオン(apaziquone)の膀胱内投与が含まれる。
【選択図】なし

Description

関連出願のクロス・リファレンス
本出願は、2007年3月13日出願の米国仮特許出願第60/894,610号の恩典を主張する。
本明細書中に記載の方法は、膀胱癌の処置に関する。より詳しくは、記載の方法は、経尿道的切除術後のアパジクオン(apaziquone)の膀胱内投与に関する。
膀胱癌は、世界的に7番目の最も一般的な癌である。2006年に、欧州では、推定280,000の膀胱癌症例があったし、米国では、60,000を超える新たな症例が予想された。最も一般的なタイプの膀胱癌(90%)は、尿道系(尿管、膀胱および尿道)の細胞内層である尿路上皮に由来する移行上皮細胞癌(TCC)である。新たに検出された膀胱癌の約75%は、初期症候において表在性であり、それら全体が、尿路上皮の表面近くにとどまっているということになる。より詳しくは、表在性腫瘍は、粘膜にとどめられている乳頭腫(Ta)、粘膜固有層に伸長している乳頭腫または無茎腫瘍(T1)および上皮内癌(CIS)から成る。全てのタイプが、筋浸潤を伴うことなく、粘膜層または粘膜下層に限られている。
表在性膀胱癌は、腫瘍の病期、グレード、サイズ、数および再発パターンにしたがって、複数の予後リスククラスに分類することができる。低病期、低グレードの原発性腫瘍(病期Ta、グレードG1〜G2)は、2年間で30%の再発率を有し、通常は、筋浸潤へと進行しないが、他の極端な、多発性の高再発性または大型のT1 G3腫瘍は、70%〜80%までの再発率および筋浸潤期への10%〜30%の進行率を有する。上皮内癌(CIS)は、最も高い腫瘍進行リスクを示す。
病期TaおよびT1にある乳頭状TCCのための初期処置は、通常は、全ての可視病変についての完全な経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR−BT)(すなわち、外科的除去)であるが、CISの存在は、概して、その高い進行リスクゆえに、他の追加の処置が必要とされる。例えば、CIS患者は、しばしば、細胞障害性薬または免疫薬(一般的には、カルメット・ゲラン桿菌(Bacillus Calmette-Guerin)(BCG))の膀胱内点滴注入での補助的処置を与えられる。BCG処置は、再発のない生存という点で、TUR−BT単独にまさる利点を一貫して示した。BCGでの補助的処置は、侵襲性疾患への進行率を低下させることもありうる。
浸潤期への進行リスクは、低リスク腫瘍では低いとしても、これら表在性膀胱癌の多発性再発パターンは、しばしば、繰り返しの介入を必要とするし、しかも患者をかなり苦しめる。
したがって、表在性膀胱癌の再発を減少させる一層有効な処置は、これら腫瘍の処置に重要な進歩を与えると考えられる。
本開示は、癌を処置する方法であって、それを必要としている患者に、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR−BT)後に、治療的有効量のアパジクオン(EO9)を含む組成物を投与することを含む方法に関する。
一つの態様において、本開示は、癌を処置する方法であって、それを必要としている患者にTUR−BTを実施後、治療的量のアパジクオンを含む治療的組成物を膀胱内点滴注入によって投与する工程を含む方法を記載する。一つの側面において、治療的組成物は、TUR−BT後約6時間以内に投与する。別の側面において、治療的組成物は、TUR−BT後約5時間以内に投与する。別の側面において、治療的組成物は、TUR−BT後約4時間以内に投与する。別の側面において、治療的組成物は、TUR−BT後約3時間以内に投与する。別の側面において、治療的組成物は、単回用量で投与してよい。別の側面において、治療的組成物は、それを必要としている患者にTUR−BTを実施する前または後に、再構成されてよい、および/または凍結乾燥してよい。
一つの態様において、本方法は、膀胱癌の処置に用いられる。別の態様において、本方法は、非侵襲性膀胱癌(SBC)の処置に用いられる。別の態様において、本方法は、膀胱の移行上皮細胞癌の処置に用いられる。別の態様において、本方法は、TUR前のTNM病期TaまたはT1および組織学的グレードG1またはG2である癌の処置に用いられる。
一つの態様において、癌を処置する方法は、約1mg/用量〜約8mg/用量の治療的有効量のアパジクオンを、再構成された凍結乾燥治療的組成物中で投与することを包含してよい。別の態様において、癌を処置する方法は、治療的組成物中の約2mg/用量〜約6mg/用量の治療的有効量のアパジクオン、場合により、約10mg〜約200mgのマンニトール、そして場合により、約2mg〜約300mgの重炭酸ナトリウムを、投与することを包含してよい。別の態様において、癌を処置する方法は、約0mL〜約24mLのプロピレングリコールおよび約0mg〜約10mgEDTAを含む治療的組成物を投与することを包含してよい。これら治療的組成物は、TUR−BT後に、癌の処置を必要としている患者に投与してよい。別の態様において、凍結乾燥し再構成された治療的組成物は、単回膀胱内点滴注入によって投与してよい。
一つの側面において、癌を処置する方法は、約2mL〜約80mLの容量の再構成された凍結乾燥治療的組成物を投与することを包含してよい。別の側面において、癌を処置する方法は、約30mL〜約60mLの容量の再構成された凍結乾燥治療的組成物を投与することを包含してよい。別の側面において、癌を処置する方法は、約40mLの容量の再構成された凍結乾燥治療的組成物を投与することを包含してよい。
一つの態様において、TUR−BT後に投与される治療的組成物は、約0%vol/vol〜約60%vol/volのプロピレングリコール、約0mg/mL〜約5mg/mLのEDTAおよび約0mg/mL〜約20mg/mLの重炭酸ナトリウムおよび水を有する希釈剤を用いて製造することができる。別の態様において、希釈剤は、約20%vol/vol〜約40%vol/volのプロピレングリコール、約0.01mg/mL〜約1mg/mLのEDTAおよび約1mg/mL〜約10mg/mLの重炭酸ナトリウムおよび水を有してよい。別の態様において、希釈剤は、約30%(vol/vol)のプロピレングリコール、約0.1mg/mLのEDTA、約5mg/mLの重炭酸ナトリウムおよび水を有してよい。一つの側面において、治療的組成物は、膀胱内投与によって投与してよい。別の側面において、治療的組成物は、それを必要としている患者にTUR−BTを実施する前または後に、再構成されてよいおよび/または凍結乾燥してよい。別の側面において、治療的組成物は、TUR−BTの6時間以内に与えられる単回点滴注入で投与してよい。
インドロキノン(indoloquinone)化合物は、ヒトの癌を処置する細胞増殖抑制剤として有用であることが知られている。例えば、インドロキノンの合成、代謝および治療的活性に関して示している全てについて本明細書中にそのまま援用される米国特許第5,079,257号を参照されたい。更に、例えば、アパジクオン製剤に関して示している全てについて本明細書中にそのまま援用される米国特許第6,894,071号を参照されたい。
本開示は、膀胱癌、非侵襲性膀胱癌、表在性膀胱癌(SBC)、膀胱の移行上皮細胞癌、またはTNM病期TaまたはT1および/または組織学的グレードG1またはG2である癌の処置のための、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR−BT)後の、アパジクオン(EO9)などがあるがこれに制限されるわけではない抗腫瘍作用を有する生物還元的(bioreductive)アルキル化用インドロキノンを含む製剤の使用を記載している。
アパジクオン(推奨されるINN)は、EO9またはNSC−382459としても知られている。化学的には、それは、構造式:
Figure 2010521488
を有する5−(アジリジン−1−イル)−3−(ヒドロキシメチル)−2−[(1E)−3−ヒドロキシプロパ−1−エニル]−1−メチル−1H−インドール−4,7−ジオン(INN)である。
アパジクオンは、完全合成の生物還元的アルキル化用インドロキノンである。それは、酵素的活性化後に細胞障害性種を生成させるプロドラッグである。酵素DTD(NAD(P)H:キノンオキシドレダクターゼ−1またはNQO1とも称される、DT−ジアホラーゼ)は、好気的条件下でのアパジクオンの活性化に顕著な役割を果たしている。アパジクオンは、更に、低DTD活性を有する細胞中などの低酸素条件下において細胞障害性である。アパジクオンの活性化の基本的機構は、1個または2個の電子を伝達してそれぞれセミキノンおよびヒドロキノンを形成する細胞酵素による還元を包含する他のインドロキノンの機構に類似していると考えられる。好気的条件下におけるセミキノンの酸化は、反応性酸素種(ROS)を形成することによって細胞死を引き起こすことがありうるレドックスサイクルを生じて、DNA鎖切断をもたらす。セミキノン/ヒドロキノンは、特に、低酸素条件下において、DNAおよび他の高分子をアルキル化し且つ架橋して、細胞死を引き起こすことがありうる。
腫瘍中で発現されるレダクターゼは、アパジクオンの選択性に重要な役割を果たすことがありうる。二電子レダクターゼ酵素であるNQO1(NAD(P)H:キノンオキシドレダクターゼ)は、酸素化された細胞を選択的に標的とすることがありうるが、シトクロムP450レダクターゼなどの一電子還元酵素は、低酸素細胞を標的とする場合に一層有効でありうる。Loadman et al., 137 Br. J. Pharmacol. 701-709, 2002。
アパジクオンの凍結乾燥製剤は、改善された安定性を有する。このような製剤は、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルトース、オリゴフルクトースおよびポリデキストロースなどがあるがこれに制限されるわけではない充填剤を包含してよい。凍結乾燥アパジクオン製剤は、更に、pHをほぼ中性範囲に維持するのを助けるのに十分な量のpH調節剤を包含してよい。pH調節剤には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムが含まれてよいが、これに制限されるわけではない。
本明細書中に記載のアパジクオンの凍結乾燥製剤は、いずれかの薬学的に許容しうる希釈剤で再構成されて、TUR後の患者への投与用の薬学的に許容しうる溶液を製造することができる。本開示の凍結乾燥製剤を再構成するのに有用な医薬希釈剤には、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、EDTAおよび/または水を有する希釈剤が含まれてよいが、これに制限されるわけではない。好ましい投薬経路は、膀胱内点滴注入による。投薬量は、個々の患者特性、癌のタイプおよび/または病期、または特定の製剤が含まれるがこれに制限されるわけではないいくつかの因子によって変動しうる。
癌処置としてのアパジクオンを用いる従来の第一相および第二相臨床試験では、アパジクオンは、静脈内に与えられた。その薬物は、アパジクオンの静脈内注射によって処置された129人の患者によって比較的十分に許容された。静脈内投与後の用量限定性の毒性は、タンパク尿であった。第一相研究における三件の部分応答の報告にもかかわらず、薬物を静脈内投与した場合、第二相臨床試験において認められる応答は無かった。腫瘍応答の不存在について最も可能性のある説明は、アパジクオンが、血流中で0〜19分の半減期を有し、したがって、静脈内投与された場合、その急速な薬物動態学的な消失が腫瘍への薬物送達を事実上危うくしたということである。
アパジクオンの、静脈内投与にそれを不都合にする薬物動態学的性質は、膀胱内投与が、記載の静脈内薬物送達の問題を免れるという理由で、膀胱のような容易に接近可能な三分の一(third)区分に生じる表在性癌の処置に好都合でありうる。膀胱内に1時間の薬物保持は、薬物の浸透および腫瘍中への有意量の送達を改善することができるが、血流中でのその吸収は、依然として見込みがない。しかしながら、いずれの薬物も、全身循環に到達したとしても、それは、急速に浄化されて、全身毒性のリスクを最小限にすると考えられる。表在性膀胱癌における高レベルDTDおよび低酸素領域双方の存在を確かめる前述のおよび以下の研究に基づいて、アパジクオンは、SBCの処置における膀胱内点滴注入に用いるためのEOquin(登録商標)として製剤化された。
本開示による活性成分を含有する医薬組成物は、ヒトまたは他の哺乳動物への投与に適している。典型的には、それら医薬組成物は、無菌であるし、しかも投与時に有害な反応を引き起こすと考えられる毒性、発がん性または突然変異誘発性の化合物を含有しない。その医薬組成物の投与は、充実性腫瘍成長の開始前、中または後に行うことができる。
「活性成分」は、組成物中の活性部分を意味し、それには、アパジクオンが含まれてよいが、これに制限されるわけではない。治療的組成物は、記載された活性成分、またはそれらの生理学的に許容しうる塩、誘導体、プロドラッグまたは溶媒和化合物を含有してよい。それら活性成分は、生(き)の化合物として、または一つまたはそれを超える物質を含有する医薬組成物として投与することができる。
「医薬組成物」または「治療的組成物」には、活性成分が、それらの予定の目的を達成する有効量で投与されるものが含まれる。より詳しくは、「治療的有効量」または「治療的量」は、充実性腫瘍の発生を防止する、充実性腫瘍を排除する、充実性腫瘍の進行を遅延させる、または充実性腫瘍のサイズを減少させるのに有効な量を意味する。治療的有効量の決定は、特に、本明細書中に与えられている詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
「治療的有効量」または「治療的に有効な」は、所望の作用を達成させる活性成分の量を意味する。このような活性成分の毒性および治療的効力は、細胞培養物または実験動物での標準的な薬学的手順、例えば、LD50(集団の50%への致死用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定することによって決定することができる。毒性作用と治療的作用との間の用量比は、LD50とED50との間の比率として表される治療指数である。高い治療指数が好適である。得られたデータは、ヒトに用いるための一定範囲の投薬量を製剤化する場合に用いることができる。活性成分の投薬量は、好ましくは、毒性をほとんどまたは全く伴わないED50を包含する一定の循環濃度の範囲内である。その投薬量は、用いられる剤形および利用される投与経路に依存して、この範囲内で異なることがありうる。
正確な製剤および投薬量は、個々の医師が、患者の状態および癌のタイプおよび病期を考えて決定してよい。
投与される医薬組成物の量は、処置されている対象、対象の体重、苦痛の重症度、投与方式、および処方する医師の判断に依存してよい。
それら活性成分は、単独で、または予定の投与経路および標準的な医薬慣例に関して選択される医薬担体との混合物で投与されてよい。したがって、本開示にしたがって用いるための医薬組成物は、製剤への活性成分の加工を容易にする賦形剤および助剤を含む一つまたはそれを超える生理学的に許容しうる担体であって、薬学的に用いることができるものを用いて、慣用的に製剤化することができる。
治療的有効量の活性成分を投与する場合、その組成物は、発熱物質不含の非経口的に許容しうる水溶液の形であってよい。pH、等張性、安定性等を十分考慮したこのような非経口的に許容しうる液剤の製造は、当該技術の範囲内である。
「点滴注入の始め」は、TUR−BT後に治療的組成物の点滴注入を開始する時間であり、「保持の終わり」は、投与された治療的組成物および他の膀胱内容物が排液されるまたは***される時間、すなわち、膀胱内の薬物の保持を終える時間である。
獣医学的使用には、活性成分を、通常の獣医学慣例にしたがって、好適に許容しうる製剤として投与する。獣医師は、特定の動物に最も適当である投薬計画を容易に決定することができる。
次の実施例を、本開示の詳しく説明する態様として与える。しかしながら、本開示は、いずれにせよ、下に示される実施例によって制限されるべきではない。いずれの実施例のいずれか一つまたはそれを超える特徴も、本開示の範囲から逸脱することなく、ここに記載の方法のいずれか他の態様または実施例のいずれか一つまたはそれを超える特徴と組み合わせることができる。
アパジクオン膀胱内点滴注入研究
実施例1および実施例2に記載の研究について、EOquin(登録商標)を、20mLのその希釈剤で再構成し、そして更に、20mLの注射用水で希釈して、40mLの全点滴注入容量とした。それを、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR−BT)後2週間で、尿道カテーテルを介して患者の膀胱中に点滴注入した。点滴注入物は、膀胱内に1時間保持された。処置過程は、1週間隔で6回の点滴注入から成った。
実施例1
膀胱内投与を用いた最初の研究では、TNM病期TaまたはT1、組織学的グレードG1またはG2のSBCを有する12人の患者に、EOquin(登録商標)を与えた。全ての患者が、再発性の多発性(2〜10)表在性腫瘍を有し、その内の直径が0.5〜1cmの1個の「マーカー病変」を除く全てを、経尿道的切除術(TUR−BT)によって試験前に切除した。腫瘍応答は、最後の点滴注入後4週間に、膀胱鏡検査および組織学(初期マーカー病変部位の生検、またはいずれかの残存するまたは新しい病変の完全切除)によって確認される完全応答(CR)、無応答(NR)または進行性疾患(PD)として定義した。EOquin(登録商標)は、TUR−BT後2週間で開始して、週1回6週間与えた。
研究の第一相部分では、6人の患者を、毎週100%ずつ増加するEOquin(登録商標)濃度(0.0125mg/mL;0.025mg/mL;0.05mg/mL;0.1mg/mL;0.2mg/mL;および0.4mg/mL、そしてこの具体的な実施例では、40mL中に0.5mg、1mg、2mg、4mg、8mgおよび16mg)で処置した。この患者内用量エスカレーションコホートにおける推奨用量の決定後、更に6人の患者に、0.1mg/mLの一定の週1回投与(この具体的な実施例では、40mLの液中に4mgのEOquin(登録商標))での処置を与えた。患者内用量エスカレーションコホートの二人の患者は、0.2mg/mL投与後に、EOquin(登録商標)関連局所副作用を経験したので、それらの6回目の点滴注入では0.1mg/mLを与えた。推奨用量は、0.1mg/mL(40mLの点滴注入液中に4mg)であった。
効力。最後の点滴注入後4週間での腫瘍応答は、一定用量コホートにおいて、4/6の完全応答であった。それは、用量エスカレーションコホートにおいても、6人の内4人がCRであった。
安全性。患者内用量エスカレーションの際に、全ての用量レベルにおいて軽症または中程度の膀胱痛および排尿障害が認められた。血尿は、0.2mg/mLおよび0.4mg/mLの用量レベルでのみ認められた。他の報告された病訴(各々1症例)は、0.0125mg/mLレベルでの悪心、舌変色および顔面紅潮、および0.2mg/mLでの血管迷走神経イベントであった。ほとんど全ての有害作用は、1または2のグレードであった。研究中の死亡は無かった。
実施例2
この研究は、TaまたはT1、G1またはG2の移行上皮細胞SBCの原発性または再発性の多発性(2〜10)病変を有する患者における多中心、非無作為、空標識の第二相研究(multi-center, non-randomized, open-label phase II study)であった。患者は、研究参加前に、直径が0.5〜1cmの1個の(マーカー)病変を除く全ての病変のTUR−BTを受けた。
点滴注入は、週1回6週間行った。腫瘍応答は、最後の点滴注入後2〜4週間に、生検、またはいずれかの残存腫瘍の完全切除によって確認した。腫瘍応答は、完全応答(CR)、無応答(NR)または進行性疾患(PD)として評価した。
参加した46人の患者の内、37人は、再発性SBCを有した。50%を超える患者が、膀胱内免疫療法および/または化学療法を加えた事前のTUR−BTを受けた。合計で17%が、TUR−BT単独を受け、そして17%は、事前の処置を受けなかった。腫瘍グレードは、二人の患者の組織学再検討においてG3として再分類した。
効力。腫瘍応答は、46人の患者の31人がCRであった(67%)。「進行性疾患」、すなわち、プロトコルに定義のような、応答評価時に1より高いTグレードへ進行の症例は無かった。
安全性。処置は、大部分の患者によって十分に許容されたし、しかもEOquin(登録商標)関連と考えられる全身性(膀胱関連でない)有害作用はほとんど無かった。
EOquin(登録商標)膀胱内点滴注入の活性は、表在性膀胱癌のマーカー病変で研究された他の細胞障害性薬または免疫薬のそれに好適に匹敵する。第一相および第二相研究における合計58人の患者の安全性データも、膀胱内点滴注入に現在用いられている他の化学療法薬のそれに十分に匹敵する。全身性副作用は、希にしか報告されなかった。許容しうる週1回静脈内用量(1.7mの体表面積を有する患者の場合の20mgの全用量と同等の12mg/m)の20%またはそれ未満に相当する4mgの全膀胱内点滴注入用量を、111人の患者に与えた。膀胱内投与の最初の(第一相/第二相)研究過程中にHPLC分析によって行われた薬物動態学的研究において、血漿中には、検出可能なレベルのアパジクオンまたはその主要代謝産物は認められなかった。
実施例3
伝統的に、補助的点滴注入処置は、TUR−BT後約2週間で開始していた。TUR−BT後6時間以内(TUR−BTが行われた時点〜TUR−BT後約6時間)で与えられる単回点滴注入の慣例は、より最近である。細胞障害性薬のTURBT後「直ちに」(6時間以内)または同日の膀胱内点滴注入は、TURBT後2週間またはそれを超える時点で処置を受けたものと比較した場合に過度の毒性の報告を伴うことなく、欧州で用いられていた。実施例1および実施例2が示すように、単一薬としてのEOquin(登録商標)は、安全であり、そして概して、TUR−BTを受けた患者に、TUR−BT後約2週間で開始して週1回6週間連続して与えられる0.1mg/mLの用量(ここでは、40mL中に4mg)で十分に許容された。
この研究は、表在性膀胱癌を有する患者におけるTUR−BT直後(すなわち(i.g.)、約6時間以内)にEOquin(登録商標)を投与することの許容性および安全性を評価した。血漿レベルを、患者の選択された部位で測定して、TUR−BT直後(すなわち、約6時間以内)の膀胱内点滴注入後のEOquin(登録商標)の全身吸収度を評価した。
患者包括基準には、(1)経尿道的切除術前の、臨床TNM病期TaまたはT1および組織学的グレードG1またはG2である膀胱の移行性上皮細胞癌;(2)絶対好中球計数≧1.5x10/L、血小板≧100x10/L、血清クレアチニンおよびビリルビン≦1.5x局所標準の上限(upper limits of local norm)(ULN)、血清GOTおよびGPT(AST/ALT)≦3xULN;(3)出産年齢の女性における陰性妊娠試験結果;(4)有効な避妊法を用いることへの全ての患者による同意;(5)0〜2のイースタン・コーポレーティブ・オンコロジー・グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)パフォーマンスステータス(ECOGスケール:0:全ての前疾患動作を制限なしに行なうことが可能な完全活動;1:身体的に活発な活動は限定されるが歩行可能であり、軽いまたは座ったままの状態での仕事、例えば、軽い家事、事務を行うことが可能;2:歩行可能で且つ全てのセルフケアが可能であるが、仕事活動を行うことは全く不可能。目覚めている時間の50%を超えた時間は元気;3:限られたセルフケアのみ可能、目覚めている時間の50%を超えた時間は椅子または床にいる;および4:完全無能力状態。いずれのセルフケアも行なうことができない。完全に椅子または床にいる);(6)年齢≧18歳;および(7)研究の調査内容について十分に精通した;書面によるインフォームドコンセントに署名した患者、が含まれた。
TUR−BT後、完全ホメオスタシスと膀胱穿孔の不存在とを確実にした後、患者に、0.1mg/mL(40mLの点滴注入物中に4mgのアパジクオン)を与えた。EOquin(登録商標)を、TUR−BT終了から6時間以内に膀胱内に与え、1時間保持させた。経尿道的切除術は、粘膜固有層中に達した全ての可視腫瘍の切除、および全ての疑わしい部位の生検を包含した。腫瘍深さについて評価可能であるように筋を含有した切除され且つ生検済みの材料は、標準的な手順にしたがって保存した。病理学者が、腫瘍の組織学的グレードおよび腫瘍病期について調べた。腫瘍のサイズおよび場所を含めた手術要旨を、適当なCRFに入力した。
TUR−BT後、患者は、留置尿道カテーテルを有した。薬物溶液は、重力ドレナージによって膀胱中に点滴注入した、または調製済みの薬物を予め充填されたカテーテル先端シリンジを用いて徐々に注射した。そのカテーテルは、薬物がいったん送達されたらクランプで締めた。膀胱中への気泡の点滴注入を免れる努力をした。
EOquin(登録商標)を、膀胱内に1(1)時間保持させた。患者の局所および全身毒性の発生について、その保持時間中およびドレナージ後の1時間(合計2時間)監視した。保持時間の最後に、膀胱から適当な容器へと排液させた。
生命徴候(血圧、心拍数および呼吸数)は、点滴注入前、点滴注入開始後30分、および保持終了後に記録した。
薬物動態学的研究は、これら研究用の血液採取にインフォームドコンセントを与えた患者の選択された部位で行った。適当容量の血液(概して、1.5ml)を、カニューレまたはカテーテルから得、ヘパリン処理済み試験管中に集め、そして直ちに、氷上に置いた。試料採取スケジュールは、次の通りであった。
試料1:EOquin(登録商標)の点滴注入の開始前;
試料2:点滴注入の開始後5分;
試料3:点滴注入の開始後15分;
試料4:点滴注入の開始後30分;
試料5:点滴注入の開始後45分;および
試料6:点滴注入の開始後60分(プロトコルによるEOquin(登録商標)のドレナージ時間に相当する)。
採集後できるだけ早く、血液を4000rpmで5分間遠心分離し、そして血漿を、−70〜−80℃での即時貯蔵用に2個の清浄試験管に移した。
研究の主な終点は、二つの主要な評価:(1)点滴注入後2週間での有害イベント/毒性の存在、重症度および頻度;および(2)低リスク組織学(病期Ta〜T1、グレードG1〜G2)を有する最初の10人の患者についての、TUR−BT直後点滴注入後約3ヶ月(±2週間)での膀胱上皮の膀胱鏡的評価、によって決定した。
患者は、最初に、腫瘍の病期およびグレードについての研究者の目視評価に基づく研究に登録されるであろう。考えられる腫瘍病期およびグレードおよび切除の妥当性についての臨床的評価は、切除検体の組織病理学検査によって後で確かめただけであった。結果として、研究に登録された全ての患者に、EOquin(登録商標)のTUR−BT直後点滴注入を与えた。
次の処置を、6日目〜12日目に行った(TUR−BTの当日から数え、そして以下、「8日目」と称する)。(1)身体的検査(パフォーマンスステータスの評価を含めた);(2)生命徴候(血圧、脈拍、体温)、体重を記録すること;(3)血液学:ヘモグロビン、血小板計数、WBCおよび区別計数;(4)血清化学:血清クレアチニン、尿素またはBUN、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルブミン、SGOT/SGPT(AST/ALT);血糖;(5)尿検査:pH、比重、グルコース、タンパク質、亜硝酸塩血液での肉眼的検査。WBC、RBC、円柱、その他に注目した顕微鏡検査;および(6)随伴投薬および有害イベントを記録すること。
次の処置を、13日目〜17日目に行った(TUR−BTの当日から数え、そして以下、「15日目」と称する)。(1)身体的検査(パフォーマンスステータスの評価を含めた);(2)生命徴候(血圧、脈拍、体温)、体重を記録すること;(3)血液学:ヘモグロビン、血小板計数、WBCおよび区別計数;(4)血清化学:血清クレアチニン、尿素またはBUN、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルブミン、SGOT/SGPT(AST/ALT)および血糖;(5)尿検査:肉眼的検査、pH、比重、グルコース、タンパク質、亜硝酸塩および血液;WBC、RBC、円柱、その他に注目した顕微鏡検査;および(6)随伴投薬および有害イベントを記録すること。
TUR−BT後3ヶ月で予定された膀胱鏡検査において、研究者は、可能性のある腫瘍再発についてのスクリーニングに加えて、膀胱粘膜の状態を評価した。創傷、瘢痕化および他の膀胱病変についての知見を記録した。生検は、研究者の裁量で行った。次の測定値も、TUR−BT後3ヶ月目の終わりの±2週間以内に得た。(1)身体的検査;(2)生命徴候(血圧、脈拍、体温)、体重を記録すること;(3)血液学:ヘモグロビン、血小板計数、WBCおよび区別計数;(4)血清化学:血清クレアチニン、尿素またはBUN、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルブミン、SGOT/SGPT(AST/ALT)および血糖;(5)尿検査:肉眼的検査、pH、比重、グルコース、タンパク質、亜硝酸塩および血液;WBC、RBC、円柱、その他に注目した顕微鏡検査;(6)尿細胞学;(7)(膀胱鏡検査前の)随伴投薬および有害イベントを記録すること;および(8)尿細胞学を含む Cystoscopy CRFおよび入手可能な場合の写真についての知見に注目した追跡膀胱鏡検査。TUR−BT後3ヶ月目の終わりに行われた膀胱鏡検査において予想外のまたは異常な知見を有する患者は、その異常が解決するかまたは安定化するまで追跡した。
次の表は、いろいろな活動および処置、およびそれらが行なわれた、TUR−BTに対する時点を要約する。
Figure 2010521488
これは、多中心、単回投与の安全性および許容性研究であった。20人の患者に、4mgのアパジクオンを投与した。その用量を、TURBTの6時間以内に膀胱内投与した。その用量は、安全であり、しかも大部分の患者に十分に許容された。処置後3ヶ月での膀胱鏡検査は、切除部位に再上皮形成を示した。更に、薬物動態学的データは、TUR−BTおよび点滴注入ドレナージ後の血漿試料中に、アパジクオンも代謝産物も検出しなかった。有害イベントには、TURBT後に認められるものに類似した、排尿障害、血尿、尿閉および頻尿を含めた尿生殖器症状が含まれた。死亡は報告されなかった。
実施例4
マイトマイシン(MMC)とは対照的に、EOquin(登録商標)は、皮膚刺激性ではないし、しかも膀胱内に与えられた場合に膀胱粘膜を介して吸収されない(分子量288)。EOquin(登録商標)は、以前に、従来の研究において表在性膀胱癌に対する活性を示した。次に記載の研究は、表在性膀胱癌を有する患者においてTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)直後に単回投与として膀胱内に与えられた場合のEOquin(登録商標)の許容性および安全性、更には、外科的創傷治癒へのその作用および全身吸収を評価した。
これは、多中心、単一アーム、空標識の安全性研究(multicenter, single-arm, open-label, safety study)であった。3.5cmの最大直径、臨床的病期Ta〜T1およびグレードG1〜G2を有する≦4個の腫瘍を有する患者(N=22)に、40mLの点滴注入物中に4mgのEOquin(登録商標)を、TURBTの6時間以内に与えた。EOquin(登録商標)は、留置 Foley カテーテルによって点滴注入した後、それを1時間クランプで締めた。1時間後、膀胱から排液させ、カテーテルを除去した。患者の有害イベントについて、1時間保持中および術後8日目および15日目の追跡視察時に評価した。創傷治癒は、術後85日目に行われた膀胱鏡検査によって評価した。薬物レベル検定用の血漿試料は、6人の患者から、6回の時点、すなわち、点滴注入前と、点滴注入から5分、15分、30分、45分および60分の時点に得た。それら試料を、十分に検証された方法により、タンデム質量分析を伴う高速液体クロマトグラフィー(HPLC−MS/MS)を用いることによって分析した。EOquin(登録商標)の下限量(lower limit of quantitation)(LLOQ)は、5mg/mLであり、そしてその代謝産物EO5aのLLOQは、10ng/mLであった。
23人の患者を登録したが、20人の患者に投与した。投与しない理由は、一人の患者でのTURBTの前日の失神エピソードおよび二人の患者での腫瘍の不存在であった。EOquin(登録商標)の点滴注入および保持は、全ての患者によって十分に許容された。死亡も脱落者も報告されなかった。3人の患者で、4例の重症有害イベント、すなわち、血尿(x2)、膀胱炎および尿閉が報告された。85日目の膀胱鏡検査は、損なわれた創傷治癒を示すことなく、再上皮形成を示した。更に、血漿試料中では、親薬物もその代謝産物も検出しなかった。
要するに、EOquin(登録商標)の単回膀胱内投与は、表在性(非侵襲性)膀胱癌のためにTURBT直後に患者に投与された場合、十分に許容され且つ安全であった。EOquinは、膀胱粘膜から血流中に吸収されることはなかった。
それら態様のいろいろな適応および変更は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく行い且つ用いることができ、それらは、本明細書中に具体的に記載されている以外に実施することができる。上の記述は、例示するためのものであり、制限するものではない。ここに記載の開示の範囲は、請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
本明細書中に用いられてきた用語および表現は、制限するのではなく説明する用語として用いられており、このような用語および表現の使用において、示され且つ記載された特徴の均等物またはそれらの一部分を除外する意図はなく、請求の範囲に記載の本開示の範囲内でいろいろな変更が可能であるということは理解される。更に、ここに記載の方法のいずれかの態様のいずれか一つまたはそれを超える特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示のいずれか他の態様のいずれか一つまたはそれを超える他の特徴と組み合わせることができる。
特に断らない限り、本明細書および請求の範囲に用いられている成分の量、分子量などの性状、反応条件等を表している数字は全て、いずれの場合にも、「約」という用語によって修飾されると理解されるはずである。したがって、その逆が示されない限り、以下の明細書および請求の範囲に示される数字パラメーターは、本開示によって得ることが要求される所望の性状に依存して異なっていてよい近似である。少なくとも、そして請求の範囲の範囲への均等の原則の適用を制限する試みとしてではなく、各々の数字パラメーターは、少なくとも、報告された有効数字の数に照らしておよび通常の丸め法を適用することによって解釈されるべきである。本開示の広い範囲を示している数字範囲およびパラメーターが近似であるということにもかかわらず、具体的な実施例に示されている数値は、できるだけ正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も、本質的には、それぞれの試験測定値に見いだされる標準偏差によって必然的に生じる一定の誤差を含有する。
記載の方法を説明する文脈中に(特に、請求の範囲の文脈中に)用いられている「ある」および「その」という用語および類似の意味は、本明細書中に特に断らない限りまたは文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数双方を包含すると解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の詳述は、単に、その範囲内にある各々の個別の値に個々に言及する便法として役立つものである。本明細書中に特に断らない限り、個々の値は各々、それが本明細書中に個々に引用されたかのように本明細書中に包含される。本明細書中に記載の方法は全て、本明細書中に特に断らない限り、またはそれ以外に文脈によって明らかに矛盾しない限り、いずれか適する順序で行うことができる。本明細書中に与えられるいずれかおよび全ての実施例、または代表的な言語(例えば、「など」)の使用は、単にその開示を一層明らかにするためのものであり、それ以外に請求の範囲に記載される本開示の範囲への制限とするものではない。本明細書中の言語で、本開示の実施に不可欠な、請求の範囲に記載されていないいずれかの要素を示すと解釈されるべきものはない。
ここに記載の方法の選択的な要素または態様のグループ分けは、制限として解釈されるべきではない。各々のグループメンバーは、本明細書中で見出されるグループの他のメンバーまたは他の要素を意味してよいし、そして個々にまたはそれらとのいずれかの組合せで請求の範囲に記載されてよい。あるグループの一つまたはそれを超えるメンバーは、便宜および/または特許可能性の理由で、あるグループに包含されてよいしまたはそこから削除されてよいと考えられる。いずれかこのような包含または削除が行われる場合、本明細書は変更されたグループを含有し、したがって、請求の範囲に用いられる全ての Markush グループの記載に適合すると考えられる。
ここに記載の方法を実施するための本発明者に知られている最善の様式を含めた、本開示による一定の態様を、本明細書中に記載している。当然ながら、これら態様への変化は、前述の説明を読むことで、当業者に明らかになるであろう。本発明者は、当業者者がこのような変更を適宜用いることを期待し、しかも本発明者は、ここに記載の方法が、本明細書中に具体的に記載される以外に実施されることを考えている。したがって、本開示は、適用可能な法によって許される、請求の範囲に挙げられる内容の全ての変更および均等物を包含する。更に、それらの全ての可能な変化における上記の要素のいずれの組合せも、本明細書中に特に断らない限り、またはそれ以外に文脈によって明らかに矛盾しない限り、本明細書中に記載の方法によって包含される。
更に、本明細書中で、特許および印刷公報を多数参照してきた。上に引用された参考文献および印刷公報は各々、本明細書中に個々にそのまま援用される。
最後に、本開示の態様は、ここに記載の方法の原理を詳しく説明するものであるということは理解されるはずである。用いることができる他の変更は、本開示の範囲内である。したがって、例として、制限されることなく、本開示の別の配置(configurations)は、本明細書中の教示にしたがって利用することができる。したがって、本開示は、正確に示され且つ記載されたものに制限されるわけではない。

Claims (16)

  1. 癌を処置する方法であって、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR−BT)後に、治療的な量のアパジクオン(apaziquone)(EO9)を含む治療的組成物を投与することを含む方法。
  2. 前記投与が、膀胱内点滴注入による、請求項1に記載の方法。
  3. 前記投与を、TUR−BT後約6時間以内に行う、請求項1に記載の方法。
  4. 前記投与を、TUR−BT後約5時間以内に行う、請求項1に記載の方法。
  5. 前記投与を、TUR−BT後約4時間以内に行う、請求項1に記載の方法。
  6. 前記投与を、TUR−BT後約3時間以内に行う、請求項1に記載の方法。
  7. 前記癌が、膀胱癌である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記癌が、非侵襲性膀胱癌である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記癌が、膀胱の移行上皮細胞癌である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記癌が、TNM病期TaまたはT1である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記癌が、組織学的グレードG1またはG2である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記治療的組成物が、約1mg/用量〜約8mg/用量のアパジクオンを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記治療的組成物が、約2mg/用量〜約6mg/用量のアパジクオンを含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記治療的組成物が、約3mg/用量〜約5mg/用量のアパジクオンを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 癌を処置する方法であって、
    (a)TURを必要としている患者にTURを実施し;
    (b)約1mg/用量〜約8mg/用量のアパジクオンを含む治療的有効量の再構成された凍結乾燥治療的組成物を提供し;そして
    (c)該TUR後に、該再構成された凍結乾燥治療的組成物を膀胱内点滴注入によって投与する
    という工程を含む方法。
  16. 工程(b)を、工程(a)の前にまたは後に行うことができる、請求項15に記載の方法。
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