JP2010515452A - スタフィロコッカス・アウレウス検出用dnaチップ - Google Patents

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Abstract

本発明は生物学的試料中においてスタフィロコッカス・アウレウスを検出及び同定する上で有用なスタフィロコッカス・アウレウス特異的核酸プローブに係り、さらに詳しくは、スタフィロコッカス・アウレウスの23SrRNA遺伝子から誘導された核酸プローブが固定されたスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用DNAチップに関する。本発明によるDNAチップを使用すると、現在使用中の方法であるサンプル培養により感染性疾患を診断する方法よりもさらに迅速で且つ正確に細菌感染を診断することができる。

Description

本発明は生物学的試料中においてスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を検出及び同定する上で有用なスタフィロコッカス・アウレウス特異的核酸プローブに係り、さらに詳しくは、スタフィロコッカス・アウレウスの23SrRNA遺伝子から誘導された核酸プローブが固定されたスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用DNAチップに関する。
感染疾患は、病原体が血液、体液及び組織内に出現し、活性化することに起因して発病する疾患であり、原因菌の正確な同定及び適切な治療がなされない場合、生命を失う可能性もある疾病である。さらに、最近は、抗生剤投与の濫用移植による免疫抑制剤使用の増加、抗癌治療による薬物投与の増加などにより、病原体は遺伝子の連続的及び代替的な変化にさらされ、病原体の培養率が低下しいる。原因病原体の多様化は、培養検査などの既存の感染疾患を診断する診断方法を、次第に困難にしているのが現状である。このため、これを素早く診断すると共に、原因病原体の種類を確認することが治療においてかなり重要な位置を占める。
これらの感染性病原菌の中で、スタフィロコッカス・アウレウスは黄色ブドウ球菌と呼ばれ、皮膚感染、軟組織感染、骨関節炎、肺炎、敗血症、食中毒などを引き起こす病原菌であり、適切な抗生剤により治療できなかったときに罹患率と致命率が高い。スタフィロコッカス・アウレウス感染は鼻腔保菌者において頻繁に発生し、集中治療室にはメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRAS:methicillin-resistant Staphylococcus aureus)に感染した患者や、鼻腔にMRSAの定着した患者が入院し易いため、これらの患者から他の患者への伝染が起こる可能性が極めて高い。このため、選別検査を通じて適切な予防措置を取ることが重要である。
このような必要性に応じて、長年に亘って原因菌であるスタフィロコッカス・アウレウスを同定しようとする診断方法が研究及び開発されてきている。この10年間に亘っての微生物の多量検出技術の進歩には目を見張るものがあるが、現在利用中の診断方法は依然として多くの労力を必要とし、しかも、感度及び特異性が低いのが現状である。
ウィルスを除き、あらゆる原核生物は、原核生物の5S、16S及び23SrRNA分子の相同体をコードするrRNA遺伝子を含有する。真核生物の場合には、これらのrRNA分子は、原核細胞の分子と実質的に類似の5SrRNA、5.8SrRNA、18SrRNA及び28SrRNAである。生物学的試料において特定の非ウイルス性生物(non-viral organisms)または非ウイルス性生物群(groups of non-viral organisms)のrRNA亜配列を特定の標的として検出するためのプローブが多数公開されている。この種の核酸プローブを周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と併用することにより、従来の診断方法における上記の問題点のほとんどを解決することができた。診断のための核酸プローブ技術においては、増幅させる標的遺伝子の選択が極めて重要であるが、rRNA、特に23SrRNA遺伝子が、通常多用されており、これらに対する核酸プローブ配列は、有利なことには、適当な厳密性条件下において他の微生物(microbes)から由来した核酸と交差反応する確率が低いことが知られている( P. Wattiau et. al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 56:816, 2001; D.A. Stahlm et. al., J. Bacteriol., 172:116, 1990; Boddinghaus et. al., J. Clin., Microbiol., 28:1751, 1990; T. Rogall et al., J. Gen. Microbiol., 136:1915, 1990; T. Rogall et. al., Int. J. System. Bacteriol., 40:323, 1990; K. Rantakokko-Jalava et. al., J. Clin., Mirobiol., 38:32, 2000; Park et. al., J. Clin., Mirobiol., 38:4080, 2000; A. Schmalenberger et. al, Appl. Microbiol. Biotechnol., 67:3557, 2001、国際公開98/55646号、米国特許第6,025,132号明細書及び米国特許第6,277,577号明細書)。
本発明者らは、非ウィルス性感染性生物を検出及び同定するために前記感染性生物に、特異的な核酸配列をプローブとして用いたDNAチップに関する特許を出願しており(国際公開03/095677A1号)、前記DNAチップの感度を高めるための研究を行い続けている。
そこで、本発明者らは、スタフィロコッカス・アウレウス感染疑患者のサンプルからスタフィロコッカス・アウレウスを迅速に検出するために鋭意努力した結果、スタフィロコッカス・アウレウスゲノムの23SrRNA遺伝子からスタフィロコッカス・アウレウス特異的な配列を発見し、これをスタフィロコッカス・アウレウス検出用プローブとして用いてDNAチップを製作することにより、迅速で且つ正確にスタフィロコッカス・アウレウスを検出することができるということを見出し、本発明を完成するに至った。
発明の詳細な説明
《技術的課題》
本発明の目的は、スタフィロコッカス・アウレウスゲノムの23SrRNA遺伝子においてスタフィロコッカス・アウレウスに特異的な配列を含むオリゴヌクレオチドが固定されているスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用DNAチップを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記オリゴヌクレオチドからなるスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用プローブを提供することにある。
《技術的解決方法》
上記の目的を達成するために、本発明は、配列番号1〜8の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群より選択されるいずれか1種以上のオリゴヌクレオチドを含むスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用プローブを提供する。
また、本発明は、前記プローブが基質上に固定されているスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用DNAチップを提供する。
好ましくは、前記DNAチップは、配列番号1〜8の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドがいずれも固定されている。
本発明の他の特徴及び実施態様は、下記の詳細な説明及び特許請求の範囲から一層明らかになる。
Aは、スタフィロコッカス・アウレウスを含む検体に対するブラインド試験のためのDNAチップのデザインを示すものであり、Bは、スタフィロコッカス・アウレウスを含む検体に対するブラインド試験において、アレイワークス・マイクロアレイスキャナーを用いて検索されたハイブリダイゼーションの結果を示すものである。 Aは、スタフィロコッカス・アウレウスを含む検体に対するブラインド試験のためのDNAチップのデザインを示すものであり、Bは、スタフィロコッカス・アウレウスを含む検体に対するブラインド試験において、アレイワークス・マイクロアレイスキャナーを用いて検索されたハイブリダイゼーションの結果を示すものである。
本発明は、一観点において、スタフィロコッカス・アウレウスゲノムの23SrRNA遺伝子においてスタフィロコッカス・アウレウスに特異的な配列を含むオリゴヌクレオチドからなるスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用プローブに関する。
本発明においては、スタフィロコッカス・アウレウスの23SrRNA塩基配列をこれまで配列が判明した細菌の塩基配列とマルチアラインして比較し、スタフィロコッカス・アウレウスに特異的な配列を確認して、前記スタフィロコッカス・アウレウス特異配列を用いてプローブ候補群を選定し、スタフィロコッカス・アウレウス特異プローブを合成した。
本発明は、他の観点において、スタフィロコッカス・アウレウスゲノムの23SrRNA遺伝子においてスタフィロコッカス・アウレウスに特異的な配列を含むオリゴヌクレオチドが固定されているスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用DNAチップに関する。
本発明においては、前記合成されたプローブをアルデヒド−アミン結合を用いてガラス板に固定してスタフィロコッカス・アウレウス検出用DNAチップを製作した。
また、前記スタフィロコッカス・アウレウス検出用DNAチップ及びプローブの特異性を検証するために、標準菌株のゲノムを分離し、前記ゲノムを鋳型としてPCRを行ったPCR産物をDNAチップにハイブリダイズして、前記DNAチップがスタフィロコッカス・アウレウス検出に効果的であることを確認した。
以下、本発明における使用用語及び表現を説明する。
「分離された」核酸分子は、核酸の天然源に存在する他の核酸分子から分離されたものである。例えば、ゲノムDNAと関連して、用語「分離された」は、ゲノムDNAが天然的に結合している染色体から分離された核酸分子を含む。
「プローブ」または「核酸プローブ」とは、検出しようとする標的塩基配列と十分に相補的であるためハイブリダイズする塩基配列を有する一本鎖の特異的なオリゴヌクレオチドのことを言う。
「組成物」は、細菌または真菌のrRNAに相補的なプローブが純粋な状態であるか、あるいは、他のプローブと配合されている可能性があることを意味する。なお、プローブは、塩または緩衝剤と配合されて乾燥された状態、沈殿物としてアルコール溶液または水溶液の状態で存在しうる。
「標的」は、本発明によるプローブのいずれとも相補的な配列を有する生物学的試料由来の核酸分子を意味する。標的核酸は、一本鎖または二本鎖のDNA(任意に増幅後に得る)であってもRNAであってもよく、少なくとも一つのプローブオリゴヌクレオチドと少なくとも部分的な相補性を有する配列を含有する。
「生物学的試料」とは、目的とする標的配列を検出しようとする臨床試料(例えば、濃汁、唾液、血液、尿など)、環境試料、細菌コロニー、汚染培養物または純粋な培養物、精製核酸などの検体を言う。
「オリゴヌクレオチド」は、一般的に、約10個〜約100個のヌクレオチドからなるヌクレオチド高分子を意味する。しかしながら、ヌクレオチドの長さは100個以上であっても10個以下であってもよい。
「ヌクレオチド」は、フォスフェイト基、5−炭糖及び窒素塩基からなる核酸の基本単位である。RNAにおいて、5−炭糖はリボースである。DNAにおいて、5炭糖は2−デオキシリボースである。5−ヌクレオチドの場合、糖は5−炭糖−2においてヒドロキシル基(−OH)を含有する。この用語は、また、リボースの2位にメトキシ基などの前記基本単位の類似体を含む。
「相同性」は同一性と同意語であり、例えば、90%相同性を有するポリ核酸とは、配列のアラインメントにおいて、同じ位置において90%の同じ塩基対を示すことを意味する。
「ハイブリダイゼーション」は、標的核酸(検出しようとする配列)に相補配列をアニールすることを意味する。相補配列を含む両核酸高分子が互いを発見し、塩基対相互作用を通じてアニールする能力は周知の現象である。
「プライマー」とは、複製しようとする核酸本鎖に相補的な延長産物(extension product)の合成のための開始点として作用可能な一本鎖DNAオリゴヌクレオチド配列を言う。プライマーの長さ及び配列は、これらが延長産物の合成を開始できる程度であれば良いが、好ましくは、約5〜50個のヌクレオチドからなる。特定の長さ及び配列は、目的とするDNAまたはRNA標的の複雑性だけではなく、温度及びイオン強度などのプライマー使用の条件により決定される。
「標識」は、検出可能な(好ましくは、定量可能な)シグナルを提供し、核酸に結合可能なあらゆる原子または分子を言う。標識は、蛍光、放射性、色度、X線回折または吸収、磁力などにより検出可能なシグナルを提供することができる。
「ハイブリッド」は、相補的な塩基間のワトソン・クリック塩基対または非標準塩基対により2つの一本鎖核酸配列の間に形成された複合体である。
「プローブ特異性」は、標的と非標的配列を区別する能力を記述するためのプローブの特徴を言う。これと関連し、プローブが特異的であるということは、ヌクレオチド配列が定まった標的配列とハイブリダイズし、非標的配列とは実質的にハイブリダイズしないか、あるいは、非標的配列とのハイブリダイズが最小限になされるということを意味する。プローブ特異性は、配列及び検定条件により左右される。
「標準菌株」は、市販中の菌株または入手可能な菌株を言う。
プローブの同定
菌の検出用核酸プローブを製作するためには、各菌にのみ特異性を有する必要があるが、このために、先ず、各菌に対する特異プローブ候補群を選定する。特異プローブ候補群は、あらゆる菌の塩基配列をマルチアラインして一列に整列比較し、各菌にのみ存在する特異的な塩基配列を別途に区分してその内部に存在するプローブ候補群を製作して選別する。プローブ候補群は、細菌の場合、各菌内の23SrRNA遺伝子内において決定し、真菌の場合には18SrRNA遺伝子部位内において決定する。プローブ候補群の特異性の有無は、先ず、BLAST検索を通じて配列相同性を比較して確認し、実際にハイブリダイゼーション反応に菌株を適用して各菌においてのみ反応するプローブを候補群内において同定用に選別する。加えて、上記のようにして選別された同定用核酸プローブは、種々の生物学的試料を対象とする臨床試験に適応して感度を確認する。
本発明に従い選別された核酸プローブは、少なくとも15量体(15mer)のオリゴヌクレオチドであり、好ましくは、検出しようとする標的の完全な相補配列と70%、80%、90%または95%以上の相同性を有する。本発明による各菌の検出及び同定用核酸プローブのオリゴヌクレオチドの長さは約50個であり、それを超えてもよい。本発明において使用されるヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド及びイノシンまたは修飾基を含有するヌクレオチドなどの修飾ヌクレオチドも採用可能であるが、これらはハイブリダイズの特徴に本質的に影響を及ぼしてはならない。
プローブ利用
本発明の核酸プローブは、診断目的上、生物学的試料中において標的核酸の有無を試験するに当たって、公知のあらゆるハイブリダイゼーション技術、例えば、ドットブロットと呼ばれるフィルター上におけるポイント沈着技術(MANIATIS et al., Molecular Cloning, Cold Spring Harbor, 1982)、サザンブロットと呼ばれるDNA転写技術(SOUTHERN, E.M., J. Mol. Biol., 98:503, 1975)、ノーザンブロットと呼ばれるRNA転写技術を使い分けることができる。
また、本発明の核酸プローブは、核酸プローブ系のアッセイの特異性を高めるサンドイッチハイブリダイゼーションシステムに使用可能である。核酸プローブ系のアッセイにおいて、サンドイッチハイブリダイゼーションの原理及び使用は既に公知である(DUNN and HASSEL, Cell, 12:23, 1977; RNAKI et al., Gene, 21:77, 1983)。サンドイッチハイブリダイゼーション技術には、捕獲プローブ及び/または検出プローブが使用され、これらのプローブは標的核酸の異なる両領域とハイブリダイズ可能であり、それらのうち少なくとも一つ(一般的に、検出プローブ)が目的とする菌に対して特異的な標的の領域とハイブリダイズ可能である。捕獲プローブと検出プローブは少なくとも部分的に異なるヌクレオチド配列を有する必要がある。直接的なハイブリダイゼーション検定が有利な力学を提示するが、サンドイッチハイブリダイゼーションはシグナル対ノイズの割合が高いという点において有利である。また、サンドイッチハイブリダイゼーションは、核酸プローブ系のアッセイの特異性を高めることができる。サンドイッチハイブリダイゼーション過程の主な段階を構成するインキュベーション及び後続する洗浄段階は、それぞれ恒温、約20〜65℃において実施する。核酸ハイブリッドは、ハイブリダイズされた塩基の数により左右され(温度は、ハイブリッドのサイズに比例して増加する)、また、ハイブリダイズされた塩基の性質及びそれぞれのハイブリダイズされた塩基の場合に隣り合う塩基の性質により左右される解離温度を有することが知られている。サンドイッチハイブリダイゼーション技術において使用されるハイブリダイズ温度は、与えられたプローブと相補的な配列の標的間に形成されたハイブリッドの半解離温度(half-dissociation temperature)以下において選択される必要がある。このような半解離温度は、簡単な通常の実験により決定することができる。
また、本発明の核酸プローブは、競合ハイブリダイゼーションプロトコールに使用することができる。競合ハイブリダイゼーションにおいて、標的分子は、特定のプローブとこの相補体との間におけるハイブリッド形成と競合する。存在する標的の数が増大するに伴い、プローブとこの相補体との間に形成されたハイブリッドの量は減少する。特定の標的が存在することを指示する陽性シグナルは、標的未添加のシステムと比較して、ハイブリダイゼーションが減少することが判明した。特定の様態として、便宜性のために、標識された特異的オリゴヌクレオチドプローブを標的分子とハイブリダイズする。次いで、混合物を特異的プローブと相補的なオリゴヌクレオチドが固定されたマイクロタイターディッシュウェルに入れ、ハイブリダイゼーション反応を行い続ける。洗浄後、相補的なオリゴヌクレオチドとプローブとの間のハイブリッドを、好ましくは、使用された標識によって定量する。
また、本発明の核酸プローブは、リバースハイブリダイゼーション(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:6230, 1989)に使用することができる。この場合には、先ず、標的配列を5ビオチン化プライマーを用いてPCRを行うことにより酵素的に増幅することができる。第2の段階においては、増幅された産物は、固体支持体上に固定された特定のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせて検出する。リバースハイブリダイゼーションは、増幅せずに行うことができる。この場合には、生物学的試料に存在する核酸はハイブリダイズ前に化学的に、または、特定の染料を添加して特異的に、または、非特異的に標識または修飾しなければならない。
本発明の核酸プローブは、前記本発明において目的とする病原菌の存否を迅速に決定する上で使用可能なキットに含まれうる。キットは、病原菌の存在を検定する上で必要となるあらゆる構成要素を含む。通常の概念では、キットは、標識プローブの安定した製剤、標的とプローブ核酸のハイブリダイズを誘導するための乾燥状のまたは液状のハイブリダイゼーション液、望ましくない核酸または未ハイブリダイズの核酸を洗い取るための溶液、標識ハイブリッドを検出するための基質及び場合により標識を検出するための機器を含む。
本発明の特定の態様は、サンドイッチアッセイの概念を利用するキットを含む。このキットには、患者の特定の部位において検体を集めるための第1要素、例えば、検体を削り取る器具またはペーパーポイント、収容バイアル、分散及び溶解緩衝液が含まれる。第2要素は、標的とプローブ核酸との間のハイブリダイゼーションのための乾燥状または液状の媒質、及び未ハイブリダイゼーション及び望ましくない形態を洗い取るための媒質を含む。第3要素は、標的核酸の一部に相補的な非標識核酸プローブが固定または結合されている固体支持体を含む。多数の標的を分析する場合には、それぞれのrRNAに対して特異的な1種以上の捕獲プローブが計深棒(dipstick)の他の個別領域に適用される。第4要素は、第3要素が固定され、非標識核酸プローブがハイブリダイズされる同じrRNA本鎖の第2の他の領域に相補的な標識プローブを含有する。ここで、核酸プローブは凍結乾燥された核酸などの乾燥形態、またはアルコール沈殿された核酸などの沈殿形態、または緩衝液としてプローブの配合物を含む。標識は、周知のいかなる標識も可能でありうる。例えば、プローブは、通常の手段によりビオチン化可能であり、ビオチン化されたプローブの存在は、西洋ワサビペルオキシダーゼなどの酵素に結合されたアビジンを添加した後、ペルオキシダーゼと反応したときに視覚的にモニターリングされたり、色度計または分光計を用いた装備によりモニターリング可能な基質と接触させて検出することができる。このような標識方法及びその他の酵素形態の標識は、放射能標識方法と比較して経済的であり、高度に敏感である他、比較的に安全であるというメリットを有する。検定キットの完成品には、標識プローブの検出のための種々の試薬及びその他のキットに含まれるもの、例えば、ガイドライン、陽性及び陰性対照群、並びに種々の成分を混合反応させるための容器などが含まれる。
DNAチップ
また、本発明の核酸プローブは、遺伝子チップにおいて使用される。本発明の好適な態様は、本発明の核酸プローブが固体支持体に固定されたDNAチップを提供する。DNAチップは、小さな基板上に多数の塩基配列の断片が高密度にて集積されたものであり、基板に固定されたDNAとこれに相補的な未知のDNA試料との間のハイブリダイゼーションにより未知試料のDNAを検出するのに使用する。プローブを固定する基板は、ガラス、シリコンなどの無機質、または、アクリル系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどの高分子物質からなり、基板の表面が平らなもの、あるいは、多数の孔が穿孔されているものを使用することができる。プローブの固定は、5’または3’の位置が基板に共有結合により固定される。固定化方法は、通常の技術として、例えば、静電気的な力を利用したり、合成されたオリゴ上にアミン基を付着してアルデヒドコーティングされたスライドに付着してこれらの両方間の結合を誘導したり、アミン基コーティングされたスライド上に、または、L−リシンがコーティングされたスライド上に、または、ニトロセルロース膜がコーティングされたスライド上に集積することにより行われる。本発明の態様として、プローブを合成するときに、3’位置にアミノ残基を有する塩基を挿入してアルデヒド残基でコーティングされたガラス板に共有結合させる。
基板の表面に相異なるプローブを固定、配列するには、ピンマイクロアレイ、インクジェット、フォトリソグラフィ、電気的アレイなどの方法を使用する。本発明の態様としては、プローブを緩衝溶液に溶解させた状態で公知の方法により製作されたマイクロアレイヤーを用いて(Yoon et al, J. Microbiol. Biotechnol., 10:21, 2000)集積する。マイクロアレイヤーの原理は、微細に製作されたピンがDNAをプレートから把持して基板にコンピュータが指定した同じ場所にトランスファーすることが挙げられる。マイクロアレイヤーによりトランスファーされたプローブの固定のために、約45%〜65%、好ましくは、約50%〜55%の湿度が維持される条件下においてプローブの3’位置のアミン基とガラス板にコーティングされているアルデヒド基との間の反応を円滑に行わせるために1時間以上反応を誘導し、6時間以上放置してDNAプローブを固定する。
生命体から由来した細胞または生命体そのものを検出するために、必要に応じて、これらの細胞を化学的及び/または物理的方法により部分的にまたは完全に溶解させてこれらの細胞のRNA及び/またはDNAへの接近を容易にさせ、本発明のプローブと接触させる。接触は、液体媒質または溶液中においてニトロセルロース、セルロースまたはナイロンフィルターなどの適切な支持体上において行うことができる。このような接触は、最適条件、下位の最適条件または制限条件下において行うことができる、このような条件は、温度、反応物濃度、核酸の塩基対の最適温度を下げる物質(例えば、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びウレア)の存在及び反応体積を低減させ、及び/または、ハイブリッド形成を加速化させる物質(例えば、デキストランサルフェイト、ポリエチレングリコールまたはフェノール)の存在を含む。
プローブ製作
核酸プローブは、通常のクローニング方法を用いて目的とする配列をクローニングしたり、市販のDNA合成機を用いて化学的に合成して多量に得ることができる。
本発明のプローブは、通常の方法に従い一本鎖または二本鎖から製作することができる。一本鎖のプローブを得る方法として最も代表的な例は、自動DNA合成機においてDMT(ジメトキシトリチル)オフ方式により合成して脱保護反応を行った後、所望の数の塩基からなるプローブを合成するものである。このようにして製作されたプローブは、合成時に一方の鎖の末端にFITC(フルオレセインイソチオシアネート)などの蛍光物質を付着して特定の核酸の存否を確認することができる。他の方式としては、一本鎖のDNAを鋳型としてそれに相補的な塩基配列を有するプローブを作成する方法であり、鋳型のDNAにプライマーをアニールさせ、そのプライマーからクレノウ酵素と蛍光物質が付着した塩基(dNTP)を用いてプローブを合成する。これは、DNA内部への蛍光物質の付着をもたらし、その結果、高い感度及び特異性を有するプローブを合成することができる。二本鎖のプローブを得る方法として、ゲノムDNA若しくはプラスミドDNAを特定の制限酵素により切断して所望の部分の遺伝子若しくは塩基部分を含むプローブを得ることが挙げられる。ランダムプライミング方法は、6個のランダムヘキサマーと鋳型DNAをハイブリダイズさせた後、蛍光物質が付着している種々の長さのプローブを合成する方法であり、他の方式としては、DNAの5’末端に32Pを、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて移して蛍光物質が付着したプローブを合成することもでき、DNA分解酵素(DNase)Iを用いて二本鎖のDNAに切断部分を作った後、このDNAを鋳型としてDNA重合酵素Iと蛍光物質が付着した塩基(dNTP)を用いてプローブを合成することができる。このようにして二本鎖に合成されたプローブは、変性過程を経て一本鎖にした後、ハイブリダイゼーション反応に使用される。
本発明のプローブは、有利に標識可能である。いかなる通常の標識も使用可能である。プローブは、32P、35S、125I、H及び14Cなどの放射性同位元素を用いて標識することができる。放射性標識は、3または5位置を放射性標識されたヌクレオチド、ポリヌクレオチドキナーゼ、末端トランスフェラーゼまたはリガーゼを用いて末端標識するなどの通常の方法により行うことができる。放射性標識の他の方法は、本発明のプローブを化学的にヨード化することであり、このようなヨード化によりプローブ上に数個の125I原子が結合することになる。このように本発明のプローブの一つが放射性標識されれば、一般的に、オートラジオグラフィー、液体シンチレーション、ガンマカウンターまたは他の通常の方法を用いて放射線を検出する。また、本発明のプローブは、免疫特性を有する残基(例えば、抗原またはハプテン)、一部の試薬に対して特異的親和性を有する残基(例えば、リガンド)、検出可能な酵素反応を提供した残基(例えば、酵素、補助酵素、酵素基質または酵素反応に参与する基質)またはある波長において蛍光、発光または吸光の物理的な特性を提供する残基と結合して非放射性標識されることができる。また、プローブと標的により形成されたハイブリッドを特異的に検出する抗体を使用することができる。非放射性標識は、本発明のプローブを化学的に合成するときに提供することができる。アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン及びウラシル残基は、他の化学残基と容易に結合し、これは、プローブまたはプローブと相補的なDNAまたはRNA断片との間に形成されたハイブリッドの検出を可能にする。
標的
生物学的試料において細菌を検出し且つ同定するのに使用するための核酸基質を提供するために、試料から核酸を抽出する。核酸は、標準技術または市販中のキットを用いて種々の試料から抽出することができる。例えば、組織試料からRNAまたはDNAを分離するのに使用するキットは、Qiagen, Inc.(米国カリフォルニア)及びStratagene(米国カリフォルニア)から購入することができる。QIAAMPブラッドキットは、血液だけではなく、骨髄、体液または細胞懸濁液からのDNAの分離を可能にする。QIAAMP組織キットは、筋肉及び器官からのDNAの分離を可能にする。生物学的試料が目的とする菌株の存在を指示するrRNAまたはrDNAを含有するかどうかを決定する好適な方法として、核酸を菌株細胞から音波粉砕、例えば、Murphyらの米国特許5,374,522に開示された方法により放出することが挙げられる。細胞を粉砕する他の公知の方法としては、酵素の使用、浸透圧ショック、化学処理及びガラスビーズとのボルテックスが挙げられる。菌株から核酸を放出可能な他の好適な方法が、Clarkらの米国特許5,837,452及びKacianらの米国特許5,364,763に開示されている。rRNAの放出後または放出と同時に標識プローブをハイブリダイゼーション促進剤の存在下において添加し、最適なハイブリダイズ温度において有意なハイブリダイゼーション反応に達するのに必要となる時間をかけてインキュベーションすることができる。
標的核酸が二本鎖である場合には、検出過程を行う前に変性を実施することが好ましい。二本鎖核酸の変性は、化学的、物理的または酵素的変性の公知方法、特に、適切な温度、80℃以上の温度に加熱することにより行うことができる。
また、プローブとハイブリダイズをする標的DNAは、普通、2種類の方法により準備可能である。第一の方法は、サザンブロットまたはノーザンブロット時に使用される方法であり、ゲノムDNA若しくはプラスミドDNAを適当な制限酵素により切断した後、アガロスゲル上において電気泳動をしてサイズ別にDNA断片を分離して使用する方法である。第二の方法は、PCR方法を用いて所望の部分のDNAを増幅させて使用する方法である。このときに使用するPCR方法を調べてみると、順方向と逆方向のプライマー対を同量使用して増幅させる最も普遍的なPCRと、順方向及び逆方向のプライマー対を非対称的に添加して2本鎖と1本鎖のバンドを同時に得られる非対称増幅方法(非対称PCR)、種々のプライマー対を入れて一括して増幅可能な多重増幅方法(多重PCR)、特異的な4個のプライマーとリガーゼを用いて増幅した後、酵素免疫法により蛍光量を判定するリガーゼ連鎖反応(Ligase Chain Reaction;LCR)方法、これらの他にも、ホットスタートPCR、ネストPCR、変性オリゴヌクレオチドプライマーPCR、逆転写酵素PCR、半定量的逆転写酵素PCR、リアルタイムPCR、RACE(Rapid Amplification of cDNA Ends)、競合的PCR、連鎖反復(shorttandemrepeats;STR)、1本鎖構造多形化(Single Strand Conformation Polymorphism;SSCP)、DDRT−PCR(Differential Display Reverse Transcriptase PCR)などの方法がある。
特定PCR産物の増幅のための鋳型として、比較的に均質な試料(例えば、血液、細菌コロニーまたは腦脊髓液)の方がより複合的な試料(例えば、尿、唾液または***物)よりも一層好適であることが知られている(Shibata in PCR:The Polymerase Chain Reaction, Mullis et al., eds., Birkhauser, Boston (1994), pp, 47-54)。腦脊髓液のように増幅しようとする標的核酸の複製物が比較的に少量含有された試料はPCRに直接的に添加することができる。血液試料は、赤血球の抑制特性によりPCR時に特別に取り扱わなければならないが、PCRに血液を使用する前に赤血球細胞を除去しなければならない。この目的のために多くの方法が利用されており、例えば、CHELEX100カラム(BioRad)などを通過させることと、QIAAMPブラッドキットを使用することが挙げられる。唾液から核酸を抽出することには、目的とする菌以外の他の細菌種を死滅させたり成長を抑制する事前の浄化過程(prior decontamination)が求められる。このような浄化過程は、試料をN−アセチル−L−システイン及びNaOHにより処理することにより達成される。このような浄化過程は、唾液試料を分析する前に培養するときにのみ必要となる。
本発明の好適な態様は、分離された検体のDNAを鋳型として非対称増幅方法を行うことにより断片遺伝子を製作する。断片遺伝子は、順方向プライマーと逆方向プライマーの添加割合を1:5とすることにより、1回のポリメラーゼ連鎖反応により獲得する。このときに使用するプライマーは、細菌の場合、共通的に16SrRNA〜23SrRNAに存在する塩基配列部分であり(Pirkko K. et al., Clin. Micorbiol., 36:2205, 1999)、下記の通りである:
プライマー1−S(センス):P−TTGTACACACCGCCCGTC(1585Fw:配列番号9)
プライマー1−A(アンチセンス):Cy3−TTTCGCCTTTCCCTCACGGTACT(23BR:配列番号10)
プライマー2−S(センス):P−AGTACCGTGAGGGAAAGGCGAA(23BFw:配列番号11)
プライマー2−A(アンチセンス):Cy3−TGCTTCTAAGCCAACATCCT(MS37R:配列番号12)
プライマー3−S(センス):P−AGGATGTTGGCTTAGAAGCA(MS37F:配列番号13)
プライマー3−A(アンチセンス):Cy3−CCCGACAAGGAATTTCGCTACCTT(MS38R:配列番号14)
これらのプライマーの概略の位置は、図1の通りであり、Fは5’末端に付着されたFITC蛍光物質を示す。PCRを行うとき、プローブと結合したDNAを確認するために、5−FITCが付着されたプライマーを用いて増幅し、その後、蛍光を通じて結合を確認することにより、感染の有無と感染菌の種類を検知する。また、これらのプライマーにより増幅不可能な部分を得るために、バイオインフォマティクス方法によりマルチアライン、BLASTを実施してプライマーをデザインする。
本発明の好適な態様として、PCR反応は、10XPCR緩衝液(100mM Tris−HCl(pH8.3)、500mM KCl、15mM MgCl)5μL、dNTP混合物(dATP、dGTP、dCTP、dTTPがそれぞれ2.5mM)4μL、10pmoleの順方向プライマー0.5μL、10pmoleの逆方向プライマー2.5μL、1/10に希釈した鋳型DNA(100ng)1μL、Taqポリメラーゼ(5unit/μL、Takara Shuzo Co., Shiga, Japan)0.5μLを添加後、総体積が50μLになるように水を添加する。最初の変性は94℃において7分間、2回目の変性は94℃において1分間行う。アニールは52℃において1分、延長は72℃において1分間行い、これを10回繰り返し行う。この後、さらに3回目の変性は94℃において1分、アニールは54℃において1分、延長は72℃において1分間行い、これを30回繰り返し行う。この後、72℃において5分間最後の延長を1回行う。PCR反応の結果として生成された産物は、アガロスゲル電気泳動法により確認する。
ハイブリダイゼーション及び洗浄
ハイブリダイゼーション技術は、本発明において特定的なものではない。この技術は、一般的に、文献(Gall and Pardue, Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 63:378, 1969, John, Burnsteil and Jones, Nature, 223:582, 1969)に開示されている。
ハイブリダイズ条件は、厳密性(stringency)、すなわち、作用条件の厳しさにより決定される。ハイブリダイズが行われる厳密性が高度になればなるほど、ハイブリダイズは一層特異的になる。厳密性は、特に、プローブ/標的結合体の塩基組成だけではなく、両核酸間の不整合の度合いの関数である。厳密性はまた、ハイブリダイゼーション溶液に存在するイオンの濃度及び種類、変性剤の性質及び濃度及び/またはハイブリダイゼーション温度などのハイブリダイゼーション反応の変数の関数でありうる。ハイブリダイゼーション反応が行われるべき条件の厳密性は、特に、使用されたプローブに依存する。これらの全てのデータは周知であり、適切な条件は個々の場合に通常の実験により決定することができる。一般的に、使用されたプローブの長さによって、ハイブリダイゼーション反応の温度は、約0.8〜1M濃度の塩水溶液中において約20℃〜65℃、特に、35℃〜65℃である。
標識オリゴヌクレオチドプローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションは、Hoganらの米国特許5,030,557に記述された手続きに従い、非標識ヘルパーオリゴヌクレオチドを用いて増強することができる。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、プローブにより結合される領域外の他の標的核酸の領域と結合する。この結合は、一本鎖核酸の標的領域に新たな二次及び3次構造を取ってプローブの結合速度を加速化する。
当業者であれば、プローブと標的との間に形成されたハイブリッドの熱安定性に影響を及ぼす因子もまた、プローブ特異性に影響を及ぼしうることが理解できるであろう。このため、プローブと標的のハイブリッドの溶融温度(melting temperature)を含んで、融点プロファイルがそれぞれのプローブと標的のハイブリッドに対して経験的に決定されなければならない。このような決定は、Arnoldらの米国特許第5,283,174号に記述された方法により行うことができる。プローブと標的のハイブリッドの溶融温度を決定する一つの方法は、ハイブリダイゼーションプロテクションアッセイを行うことを含む。この検定方法によれば、リチウムラウリルサルフェイトを含有するリチウムサクシネート緩衝溶液中の過量の標的の条件下においてプローブと標的のハイブリッドを形成する。予め形成されたハイブリッドの一部をハイブリダイゼーション緩衝液に希釈し、予想される溶融温度(典型的に、55℃)以下から始まって2〜5℃を増加させた種々の温度において5分間インキュベーションする。その後、この溶液を弱アルカリ性ホウ酸緩衝液により希釈し、より低い温度(例えば、50℃)において10分間インキュベーションする。一本鎖プローブに連結されたアクリジニウムエステルは、これら条件下において加水分解される一方、ハイブリダイズされたプローブに連結されたアクリジニウムエステルは相対的に保護される。この手続きをハイブリダイゼーションプロテクションアッセイという。化学発光の残留量はハイブリッドの量に比例し、過酸化水素に続き、アルカリを次第に添加して発光計測器により測定する。このデータを温度に対する最大シグナル(普通、最低温度)のパーセントにてプロットする。溶融温度は、最大シグナルの50%が残っているポイントであると定義される。他の方法として、プローブと標的のハイブリッドに対する溶融温度は、放射性同意元素により標識されたプローブを用いて決定することができる。あらゆる場合において、与えられたハイブリッドに対する溶融温度は、ハイブリダイゼーション溶液に含有されている塩、洗浄剤及びその他の溶質の濃度によって様々である。これらの全ての因子は熱変性中に相対的なハイブリッド安定性に影響を与える。
ハイブリダイゼーション条件は、いくつかの変数、例えば、ハイブリダイゼーション温度、媒質成分の性質及び濃度、形成されたハイブリッドと洗浄時温度などを考慮してモニターリングすることができる。ハイブリダイゼーション及び洗浄温度は、プローブの塩基配列、種類及び長さによって上位値に限定し、最大ハイブリダイゼーション温度または洗浄温度は約30℃〜60℃である。より高い温度において二本鎖プローブと標的との間に形成されたハイブリッドの解離または変性と競合する。ハイブリダイゼーション媒質は、例えば、約3xSSC(1xSSC=0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、約25mMリン酸塩緩衝液PH7.1及び20%脱イオンホルムアミド、0.02%フィコール、0.02%牛血清アルブミン、0.02%ポリビニールピロリドン及び約0.1mg/mL切削されて変性された鮭***DNAを含有する。洗浄媒質は、例えば、約3xSSC、25mMリン酸塩緩衝液pH7.1及び20%脱イオンホルムアミドを含有する。プローブ及び媒質の修飾によって、目的とする特異性を得るためにハイブリダイゼーションまたは洗浄温度は、周知の連関性によって変えなければならない。このような観点から、一般的に、DNA:DNAハイブリッドはRNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドよりも安定性に劣るため、検出されるハイブリッドの性質によってハイブリダイゼーション条件は特異的検出を達成するために適切に調整されなければならない。
本発明の好適な特定の態様として、ハイブリダイゼーション緩衝溶液(6×SSPE(0.15MのNaCl、5mMのCNa、pH7.0)、20%(v/v)ホルムアミド)をPCR増幅遺伝子と混合し、プローブが固定されたガラス板の上に分注した後、30℃において6時間反応させて相補的な結合を誘導する。時間経過後、3×SPE、2×SSPE、1×SSPEの順にそれぞれ5分ずつ洗浄する。
ハイブリッドの定量は、通常の方法に従い、標的をのように蛍光若しくは放射性同意元素により標識して行われる。標識は、プライマーそのものにしてもよく、増幅及び転写時に蛍光及び放射性同意元素が標識された塩基残基を使用することにより行われてもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げて詳述する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないことは当業界における通常の知識を持った者にとって自明である。
《実施例1:スタフィロコッカス・アウレウスを同定するためのDNAプローブ候補群の選別》
スタフィロコッカス・アウレウスを検出及び同定するために、スタフィロコッカス・アウレウスに特異的なプローブを製作した。特異プローブの製作のために、スタフィロコッカス・アウレウスにのみ特異性を有する特異プローブ候補群を選定した。特異プローブ候補群はGenBankにおいて公知であるスタフィロコッカス・アウレウスの23SrRNA塩基配列をこれまで判明した細菌の塩基配列とマルチアラインして比較し、スタフィロコッカス・アウレウスにのみ存在する特異的な塩基配列を区分してその内部に存在するプローブ候補群を製作した。プローブ候補群は、スタフィロコッカス・アウレウスゲノムの23SrRNA遺伝子において決定した。プローブ候補群の特異性の有無はBLAST検索を通じて配列相同性を比較することにより確認した。その結果、選別されたプローブ候補群は、下記表1に示す通りであった。
Figure 2010515452
《実施例2:核酸プローブの合成》
DNAチップに適用するために、前記実施例1において選別された各プローブ候補群を合成した。モノヌクレオチド(Proligo Biochemie GmbH Hamburg Co.)を自動核酸合成機(ExpediteTM 8900, PE Biosystems Co.)に投入し、目的とするプローブの塩基配列と0.05μmole合成スケールを入力して純粋な核酸プローブを得た。得られたプローブは電気泳動を通じて合成の有無を確認した。
《実施例3:DNAチップの製作》
実施例2において合成されたDNAプローブを固定化するために、アルデヒド基−アミン基間の結合を用いた。DNAプローブを固定化するために全てのDNA断片プローブを合成するとき、3’−最初の位置にアミノリンカーカラム(Cruachem, Glasgrow, Scotland)を用いてアミン残基を有する塩基を挿入し、ガラス板はアルデヒド残基によりコーティングされているものを購入(CEL Associates, Inc. Huston, Texas, USA)した。
プローブを固定するときには、3×SSC(0.45MのNaCl、15mMのCNa、pH7.0)緩衝溶液にプローブを溶解させた状態でマイクロアレイヤー(MicroGrid spotter, Biorobotics Inc, England)を用いてスポットした後、約55%の湿度が維持される条件において1時間以上化学反応を誘導し、6時間以上放置することによりDNAプローブを固定化した。菌検索用プローブは、100pmole/μLの濃度にて全プローブを250〜275μmの間隔をおいて順番に集積化させてプローブが固定されたDNAチップを製作した。
プローブのアミン基とガラス板上のアルデヒドとの反応が円滑になされて固定化が上手く行われたかを確認するために、SYBRO green II(Molecular Probe, Inc., Leiden, Netherlands)により染色して確認した。
《実施例4:標的試料の分離及び増幅》
下記の59種の標準菌株からゲノムDNAを別途に抽出した。
Figure 2010515452
Figure 2010515452
先ず、適正培地において培養した菌を200μLの滅菌蒸留水に懸濁し、14,000rpmにおいて10分間遠心分離した後、上澄液を捨て、菌体のみを得た。
グラム陰性菌の場合、前記菌体をATL溶液(Tissue Lysis溶液、DNeasy Tissue Kit、QIAGEN)180μLに浮遊させ、ProteinaseK20μLを入れて溶菌し、次いで、55℃において1時間反応させた後、AL溶液(Lysis溶液、DNeasy Tissue Kit、QIAGEN)200μLを入れて70℃において10分間反応させて、溶菌液として使用した。前記溶菌液にエタノール(100%)200μLを入れて混ぜた後、DNeasyミニカラム入り2mLチューブに全溶液を移して8,000rpm以上において1分間遠心分離して下部のチューブに溜まる液を除去した。さらに上部チューブにAW1溶液(洗浄溶液1、DNeasy Tissue Kit、Qiagen)500μLを入れ、8,000rpm以上において1分間遠心分離して流出物を除去し、さらにAW2溶液(洗浄溶液2、DNeasy Tissue Kit、QIAGEN)500μLを入れて15,000rpmにおいて3分間遠心分離してDNeasy膜を乾燥し、流出物を除去した。前記DNeasyカラムに溶出溶液を入れて室温において15分間静置した後、8,000rpm以上において1分間遠心分離してゲノムDNAを溶出した。
グラム陽性菌の場合、前記菌体をリソザイム溶菌溶液(20mm Tris-Cl, pH8.0, 2mM EDTA, 1.2% TritonX-100, 20mg/mL lysozyme)180μLに懸濁し、次いで、37℃において30分以上反応させた後、ProteinaseK25μLとAL溶液(溶菌溶液、DNeasy Tissue Kit, QIAGEN)200μLを入れてよく混ぜた。その後、70℃において30分間反応させて溶菌液として使用し、この後、ゲノム分離は上記の方法と同様にして行った。
上記のようにして分離された標準菌株のDNAを鋳型とし、下記のプライマーを用いてPCRを行った。PCRを行うとき、プローブと結合したDNAを確認するために、5’末端にCy3が付着された逆方向プライマーを用いて増幅することにより蛍光を通じて結合を確認した。PCR反応には、下記の3対のプライマーが同時に使用された。
プライマー1−S(センス):P−TTGTACACACCGCCCGTC(1585Fw:配列番号9)
プライマー1−A(アンチセンス):Cy3−TTTCGCCTTTCCCTCACGGTACT(23BR:配列番号10)
プライマー2−S(センス):P−AGTACCGTGAGGGAAAGGCGAA(23BFw:配列番号11)
プライマー2−A(アンチセンス):Cy3−TGCTTCTAAGCCAACATCCT(MS37R:配列番号12)
プライマー3−S(センス):P−AGGATGTTGGCTTAGAAGCA(MS37F:配列番号13)
プライマー3−A(アンチセンス):Cy3−CCCGACAAGGAATTTCGCTACCTT(MS38R:配列番号14)
前記配列の5’末端に表示されたPはリン酸基を示し、Cy3はCy3蛍光物質を示す。
PCR反応は、下記の条件下において行った。10×PCR緩衝液(100mM Tris−HCl(pH8.3)、500mM KCl、15mM MgCl)5μL、dNTP混合物(dATP、dGTP、dCTP、dTTPがそれぞれ10mM)1μL、10pmole順方向プライマー1μL、10pmole逆方向プライマー1μL、1/10に希釈した鋳型DNA(100ng)1μL、Taqポリメラーゼ(5unit/μL、Solgent Co., Korea)0.2μLを添加した後、総体積が50μLになるように蒸留水を添加した。
94℃において5分間最初の変性を行い、変性94℃において50秒、アニール56℃において50秒、延長72℃において1分10秒を1サイクルとして10回繰り返した後、変性94℃において50秒、アニール58℃において50秒、延長72℃において1分10秒を1サイクルとして20回繰り返し行った。最後に、72℃において5分間最後の延長を1回行った。PCR反応結果として生成された産物は、アガロスゲル電気泳動法により各菌株に対してDNA二本鎖が合成されていることを確認した。PCRを通じて得られたDNAはPCR精製キット(QIAGEN Co.)を用いて精製し、ラムダエキソヌクレアーゼ(New England Biolabs Inc., Netherlands)を1μL添加して37℃において1時間反応させた後、1本鎖DNAを得た。ラムダエキソヌクレアーゼは5’末端にリン酸基が付着されているDNA鎖を選択的に切断して分解する酵素である。このため、5’末端にリン酸基を付着して合成した順方向プライマーをもってPCRを行うと、PCR産物のDNA鎖にリン酸基が付着することになる。ここに、ラムダエキソヌクレアーゼを処理すると、増幅されたDNA二本鎖のうち5’末端にリン酸基が付着されている鎖は分解されるため、結局には5’末端にCy3蛍光物質が付着されている1本鎖だけが残ることになる。
《実施例5:ハイブリダイゼーション及び洗浄》
プローブ候補群の特異性と感度を確認するために、実施例4において増幅したPCR産物を実施例3において製作した核酸プローブが固定されたDNAチップに適用してハイブリダイゼーション反応を実施した。前記核酸プローブが固定されたDNAチップをスタフィロコッカス・アウレウス標準菌株から分離したゲノム遺伝子のPCR産物とハイブリダイズさせた後、シグナルが現れる場合、残りの種に対する交差反応(特異性)の有無を試験した。
ガラス板に核酸プローブが固定されたDNAチップに水蒸気を当てて加水化させた後、70%エタノールに浸漬することによりガラス板に固定されていないプローブを除去した。この後、ハイブリダイゼーション過程中に蛍光物質がガラス板表面に残っているアルデヒド残基に付着されて全体的なシグナルを高めて特異的なプローブのシグナル効果を阻害することを防止するために、ガラス板をブロッキング溶液(1.3gNaBH、375mLPBS、125mL100%エタノール)に浸漬した後、攪拌器において5分間反応させた。0.2%SDSにより5分間洗浄後、滅菌水により1分間5回洗浄し、次いで、遠心分離器を用いてガラス板にある水気を除去した(1,500rpm、3分間)。
ハイブリダイズさせる溶液は、ハイブリダイゼーション緩衝溶液(6×SSPE;20XSSPE;3MNaCl、0.2MNaHPO・HO、0.02MEDTA、pH7.4、20%(v/v)ホルムアミド;Sigma Co., St. Louis)に実施例4において増幅させたDNA断片を50μL入れて総体積が200μLになるように製造した。製造された溶液をプローブが固定化されているガラス板の上に分注した後、プローブ−クリッププレス−シール培養チャンバー(Sigma Co., St. Louis, MO.)で覆った。
ハイブリダイゼーション中にガラス板の周辺が乾燥されることを防止するために、ハイブリダイゼーションチャンバーにウェットティッシュを入れた後、30℃恒温培養器において8時間以上反応させて相補的な結合を誘導した。時間経過後、3×SSPE(0.45MのNaCl、15mMのCNa、pH7.0)、1×SSPE(0.15MのNaCl、5mMのCNa、pH7.0)の順にそれぞれ5分ずつ洗浄した後、遠心分離器を用いてガラス板にある水気を除去した(1,500rpm、3分間)。
《実施例6:ハイブリッドの検出》
ハイブリダイゼーション反応の結果はアレイワークス・マイクロアレイスキャナー(ArrayWorks, Applied Precision, Inc., USA)を用いて検索し、その結果を下記表3に示す。
Figure 2010515452
《実施例7:ブラインド試験》
実施例3において製作されたDNAチップを用いてスタフィロコッカス・アウレウスに対するブラインド試験を実施した。図1のA及び図2のAは、ブラインド試験のためのDNAチップのデザインを示すものである。これらの図面に記載の名称は、前記表1に示すプローブがガラス板に固定されている位置を示す。ポジションマーカーとしてアミン3’−AAAAAAAAAAAAAAA−5’−FITCを使用し、Mと表記した。なお、陰性対照群としてプローブを溶かしたバッファ(3XSSC)を使用し、空欄で表示した。
この実施例に使用された検体は64名の病原性感染患者の特定部位から採取されたものを一日中培養後に得たサンプルであり、菌の感染有無は培養方法により確認した。
培養された検体からゲノムDNAを下記のようにして抽出した。検体が体液である場合、10mLの体液をEDTAチューブ若しくはプレインチューブに集めた。検体の量が10mL以上であれば5,000×gにおいて15分間遠心分離し、10mL以下であれば14,000rpmにおいて15分間遠心分離した後、沈殿物を1.5mLチューブに集めた。前記沈殿物をリソザイム緩衝液(20mM Tris−Cl、pH8.0、2mMのEDTA、1.2%のTritonX−100、20mg/mL lysozyme)180μLに懸濁して、37℃において30分間インキュベーションした後、プロテイナーゼK20μLとAL溶液(溶菌溶液、QIAamp DNA Blood Mini Kit, QIAGEN)200μLを入れて静かに混ぜた後、55℃において2時間反応させ、さらに95℃において10分間反応させた。100%エタノール200μLを入れて混ぜた後、QIAampスピンカラム入り2mLチューブに全溶液を移して8,000rpmにおいて1分間遠心分離してチューブに溜まる液を除去した。前記スピンカラムにAW1溶液(洗浄溶液1、QIAamp DNA Blood Mini Kit, QIAGEN)500μLを入れて8,000rpmにおいて1分間遠心分離して流出物を捨て、さらにAW2溶液(洗浄溶液2、QIAamp DNA Blood Mini Kit, QIAGEN)500μLを入れて14,000rpmにおいて1分間遠心分離して流出物を捨てた。QIAampスピンカラムを1.5mLの新たなチューブに移してAE溶液(溶出溶液、DNA Blood Mini Kit, QIAGEN)300μLを入れて室温において15分間静置した後、8,000rpmにおいて3分間遠心分離してゲノムDNAを溶出した。前記溶出液に100%エタノール750μLを入れて−20℃において1時間静置し、14,000rpmにおいて20分間遠心分離した後、上澄液のエタノールを捨てて乾燥させた。その後、DNAペレットは20μLの滅菌蒸留水に溶かして濃縮させた。
検体が血液である場合、10mL血液をEDTAチューブにサンプリングした。4℃、1,800rpmにおいて10分間遠心分離して血漿層を1.5mLチューブに分け、14,000rpmにおいて10分間遠心分離した後、沈殿物を1.5mLチューブに分けた後、上記の方法と同様にしてゲノムDNAを濃縮した。
増幅、ハイブリダイゼーション反応、洗浄及びハイブリッドの検出は、前記実施例4及び実施例5に記載の方法と同様にして実施し、その結果を下記表4に示す。表中、分母は検体の適用回数であり、分子はハイブリダイゼーションによるシグナルが現れた回数を示す。
Figure 2010515452
図1のB及び図2のBは、スタフィロコッカス・アウレウスを含む検体に対するブラインド試験において、スキャンアレイ5000を用いて検索された図1A及び図2BのDNAチップにおけるハイブリダイゼーションの結果を示すものである。
以上、詳述及び立証したように、本発明は、スタフィロコッカス・アウレウスゲノムの23SrRNA遺伝子においてスタフィロコッカス・アウレウスに特異的な配列を含むオリゴヌクレオチドが固定されていることを特徴とするスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用DNAチップ及び前記オリゴヌクレオチドからなるスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用プローブを提供する効果がある。本発明によるDNAチップを使用すれば、現在使用中の方法であるサンプル培養により感染性疾患を診断する方法よりもさらに迅速で且つ正確に細菌感染を診断することができる。
以上、本発明の内容の特定の部分を詳述したが、当業界における通常の知識を持った者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないという点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されると言える。本発明の単純な変形や変更はこの分野における通常の知識を持った者によって容易に利用可能であり、このような変形や変更はいずれも本発明の領域に含まれると見られる。

Claims (3)

  1. 配列番号1〜8の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群より選択されるいずれか1種以上のオリゴヌクレオチドを含むスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用プローブ。
  2. 請求項1に記載のプローブが基質上に固定されているスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用DNAチップ。
  3. 配列番号1〜8の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドがいずれも固定されていることを特徴とする請求項2に記載のスタフィロコッカス・アウレウス検出及び同定用DNAチップ。
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