JP2010510819A - 抗微生物及び/又は吸臭コーティングを有する膜材料及び衛生用品 - Google Patents
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Abstract
本明細書では、膜材料(1)について開示するが、該膜材料を、特にポリオレフィン系材料とし、水再溶解樹脂を含有し、有機液体及び血液によって活性化し易い抗微生物剤及び/又は吸臭剤を含有する皮膜(2)で片面をコーティングした膜材料(1)であって、かかる膜材料を、透液性表面シート(5)、不透液性裏面シート(6)、及び表面シート(5)と裏面シート(6)との間に挟持する吸収層(7)を備える使い捨て衛生用品(4)を形成するよう、特に設計する。
【選択図】 図4
【選択図】 図4
Description
膜材料について本明細書では開示するが、該材料を好適には、ポリオレフィン系材料、より好適にはポリエチレン系材料とし、該材料は抗微生物及び/又は吸臭コーティングを有する。
また、方法についても開示しており、膜材料が抗微生物及び/又は吸臭コーティングを有するようにする。
用語“抗微生物コーティング”は、静菌剤(細菌増殖を阻害する)、殺菌性(細菌を死滅させる)、静真菌剤(真菌、カビ、酵母の増殖を阻害する)、又は消毒剤(真菌、カビ、酵母を殺菌する)コーティングを、意味するものとする。
用語“抗微生物コーティング”は、静菌剤(細菌増殖を阻害する)、殺菌性(細菌を死滅させる)、静真菌剤(真菌、カビ、酵母の増殖を阻害する)、又は消毒剤(真菌、カビ、酵母を殺菌する)コーティングを、意味するものとする。
用語“吸臭コーティング”は、不快な臭気分子、特に硫化物、アミン、脂肪酸、及びアンモニアを吸収可能なコーティングを、意味するものとする。
この膜材料は、パーソナルケア製品、例えば幼児用おむつ、尿漏れ防止パッド及び生理用ナプキン等の他、ベッド及びテーブル等の表面を保護又は被覆する製品を作製するよう、特に設計するものである。
特に、こうしたコーティングを有する膜材料を、パーソナルケア製品の裏面シートとして、用いてもよい。
可能な実施例では、抗微生物及び/又は吸臭コーティングを有する膜材料を、通気性にして、即ち、水蒸気や空気を通過させて、熱や発汗に関する皮膚刺激に関連する問題を軽減する。
用語“通気性材料”は、特に、空気透過性を有する膜で、該空気透過性が、ATICELCA MC18−74及びTAPPI T 460 om‐88規格の、100分/cc未満の空気及び水蒸気透過性に基づく、またASTM D 6701−01規格の、500g H2O/(m2x24時間)以下に基づく、膜を示すものとする。
また、この抗微生物及び/又は吸臭コーティングをモノリシック構造の膜にも適用し、該膜を、特に、実際にウイルス伝播の危険性がある、病院や診療所用の製品として使用してもよい。
また、パーソナルケア製品のフィット性を向上させるために、膜材料を弾性にしてもよい。
用語“弾性材料”は、例えば、伸張荷重下で、弾性損失が30%〜70%(好適には、40%未満)で、残留弾性が30%未満(好適には、10%未満)の材料を示すものとする。
抗微生物及び/又は吸臭コーティングを有する膜材料を、積層体とし、例えば、スパンボンドした、SMS、複合、梳き処理タイプの層を備えてもよく、該膜材料は、好適には5g/m2〜50g/m2の範囲で可変する坪量を有する。
積層については、任意の周知の方法、好適には、不織布にホットメルト接着剤を塗布して、及び不織布にポリオレフィン膜を接触させて、発生させることができる。
特に、以下で説明するような、該積層上に抗微生物及び/又は吸臭コーティングを有する膜材料については、欧州特許第1226013 B1号、国際公開第2005/051635号、及び伊国特許出願第MI2005 A 001615号‐本明細書の出願人による‐で開示されており、これを参照することにより本明細書に援用する。
以上説明したように、前述した抗微生物及び/又は吸臭コーティングを有する膜材料を、パーソナルケア製品、例えば幼児用おむつ、尿漏れ防止パッド及び生理用ナプキン等の他、ベッド及びテーブル等の表面を保護又は被覆する製品の“裏面シート”として使用するように、特に設計する。
パーソナルケア製品の着用者から排出される有機液体(尿や汗等)や血液は、皮膚炎及び/又は皮膚刺激の原因となる場合がある微生物、カビ及び菌類の増殖にとって理想的な“栄養物”となる。
臭気物質が、有機液体の分解による結果生じるが、該有機液体は、特定種の微生物が排出する酵素が原因である。
特定の有機液体―月経、汗又は尿―によって異なるが、殆どの悪臭は、硫化物、アミン、脂肪酸、及びアンモニアと関係する。
汗の場合、悪臭は、皮膚表面に存在する雑菌によるもので、この雑菌の作用で、特定の脂肪酸、例えばイソ吉草酸等が放出される。
月経の場合、悪臭は、特に以下のアミン化合物に関係する、1,4―ジアミノブタン、1,5―ジアミノペンタン、及びメチルメルカプタン。
尿は、ウレアーゼ触媒による腐敗プロセスで、アンモニアを放出する可能性がある。
強い悪臭を発生させる他にも、アンモニアは、皮膚のpHを弱酸性からアルカリ性に変化させるが、これは、表皮や皮膚組織に有害であり、直接的な刺激作用があるだけでなく、微生物学的な感染についても好都合な作用を及ぼす可能性もある。
有機液体及び血液に起因する臭い、又は有機液体及び血液の分解の結果生じる可能性がある臭いは、不快であり、着用者にとって他の社会的関係問題を引き起こす原因にもなり得る。
体液に含まれる有機物成分の腐敗の原因となる酵素は、様々な細菌、例えば大腸菌株等、共生する雑菌叢として殆ど全ての人間に存在する細菌によって、生成される。
抗微生物剤を添加してこうした細菌を除去することで、悪臭防止の予防措置を行っている。
上記の問題を解決するために、使用するプロセスとして、パーソナルケア製品の吸収材料における有効成分(強いキレート剤等)の導入を伴うプロセスであって、該有効成分は、カルシウムを封鎖して、それによりカルシウムを微生物が利用できなくし、微生物の成長を遅らせる。
有効成分は、有機液体の分解を齎す或いは促進する酵素を不活発にすることが、更に知られている。
多数の特許が、臭いや細菌の増殖を抑制するという課題を様々に解決するものとして、知られている、例えば、欧州特許出願公開第0445563号、欧州特許出願公開第0311344号、国際公開第2006/053373号、欧州特許出願公開第1291460号、国際公開第01/60299号、米国特許第2003/0114806号、米国特許第6,649,805号、国際公開第99/32697号、国際公開第2006/017441号、欧州特許出願公開第1358894号、国際公開第2007/053227号、欧州特許出願公開第1775018 A1号、国際公開第2007/018369号、欧州特許出願公開第1099474号。
それでも、これらの解決策でも、満足いく結果を提供していない。
吸収材料、例えば特定の金属塩等に添加する特定の有効成分を、強力なウレアーゼ阻害剤とするが、電解質によっては、SAP(高吸水性ポリマー)の吸収力を低下させ、それらの有効性に影響を与えるものもある。
SAPポリアクリル酸塩には、アンモニアと結合して、アンモニアの放出を制御するのを助ける遊離カルボキシル基を含むが、こうした多様な化合物は、当技術分野で既知であり、該化合物の中には、不快な臭いを持つものや安定性の低いものがある。
その上、抗微生物及び吸臭製品を、吸収性物品の層から直接皮膚と接触(表面シート及び吸収性毛羽)させて、放出するため、pHを変化させ、その結果皮膚刺激を引き起こす場合がある。
また、様々な香料が入った香料入りカプセルを、臭いを防ぐ目的でナプキンに添加することも、知られている。
エッセンシャルオイルは、有機液体の分解が始まるまでは有効である。即ち、心地良い香りが、生物分解によって発生する不快臭と合わさると、それ以上不快臭を抑えられなくなる。
欧州特許出願公開第0749295号では、パーソナルケア製品の製造について開示しており、該製品には、“表面シート”と“裏面シート”との間に配置した吸収コアを備え、表面シートには、重金属イオンを含浸させたゼオライトを含み、吸臭と抗菌両機能を有してもよい。
更に、このパーソナルケア製品の吸収コア(パルプ毛羽)には、湿気で活性化させ、臭いを防ぐよう設計したエッセンスを含んでもよい。
米国特許第6,907,025 B2号には、吸収コアが、使用者が排出した有機液体に存在する微生物の増殖を阻害できる微生物胞子を含有する、パーソナルケア製品について開示している。
それにもかかわらず、これらの先行技術の解決方法には依然として、幾つかの欠点がある。
本発明の目的は、先行技術の欠点及び制限に対する解決方法を提供することである。
特に、本発明の1目的は、人間の皮膚が容易に耐容できる一方で、低価格且つ高性能である製品を、提供することである。
これらの目的を、独立クレームで定義したようにして、達成する。
更なる効果については、これらを従属クレームの追加した特徴で獲得してもよい。
次に、添付図を参照して、本発明の幾つかの可能な実施例について説明する。
添付図を参照すると、数字1は膜材料を示し、該膜材料の片面を、抗微生物剤及び/又は吸臭剤を含有する皮膜2でコーティングしており、該薬剤を、有機液体及び血液で活性化可能にしている。
該膜を、完全に被覆する、或いは長手方向、短手方向、又は、斜め方向に延伸する別々の平行な片としてもよい。
また、皮膜2を、様々な形状や寸法領域を規則的又は不規則に配置した形で適用してもよい。
皮膜2中の抗微生物剤により、該皮膜に接触する有機液体及び血液の分解を抑制する。
抗微生物剤を、有機液体の分解に好都合な酵素に対して抑制効果を持つような種類のものにしてもよい。
皮膜2の吸臭剤により、有機液体が分解された結果、放出又は発生した有機液体に含まれた悪臭物質を吸収する。
可能な実施例では、フレキソ印刷等の印刷によって、皮膜2を獲得する。
或いは、皮膜2は吹き付けてもよい。
膜材料1を、ポリエチレン系材料等のポリオレフィン系材料としてもよい。
可能な実施例では、膜材料1を通気性とするが、本出願人による欧州特許第1226013 B1号で開示され、現在Mira Airの商標で本出願人が販売しているような、不透液性の膜材料とする。
膜材料1を、本出願人による国際公開第2005/051635号で開示され、現在Mira Air Elasticの商標で、本出願人が販売しているような、弾性タイプとしてもよい。
また、膜材料1を、出願人による伊国特許出願第MI2005 A 001615号で開示され、現在Mira Veloの商標で、本出願人が販売しているような、は積層体としてもよい。
膜材料1を主に、パーソナルケア製品、例えば幼児用おむつ、尿漏れ防止パッド及び生理用ナプキン等の他、表面を保護又は被覆する製品とするよう、設計する。
膜材料1を使用して、有機液体と接触するよう設計した他の物品、例えば外科用ドレープを作製してもよい。
よって、皮膜2中の抗微生物剤及び/又は吸臭剤の有効成分を、連続的に使用しても、着用者の皮膚が耐容できるものにする必要がある。
パーソナルケア製品を製造する際には、膜材料1に多数の連続する処理ステップ、例えば、パーソナルケア製品を形成する他の材料とホットメルト接着させる等を施してもよい。
従って、皮膜2中の抗微生物剤及び/又は吸臭剤を、100℃以上、好適には150℃以上の温度まで不変に維持可能にすべきである。
皮膜2に含有する抗微生物剤の例として、
炭素数6〜30のアルキル基を有する第四アンモニウム塩、特に、ラウリルトリメチルアンモニウム及び/又はステアリルトリメチルアンモニウム及び/又はヘキシルトリメチルアンモニウム及び/又は塩化ベンザルコニウム
ビグアナイド(ビグアニジン、クロルヘキシジン)
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムの混合物
塩酸クロルヘキシジン
クエン酸トリエチル、ビオフラボノイド、テルペン、テルペノイド
トリクロサン
1ミクロン未満の平均粒度を有する銀塩、亜鉛塩、銅塩、安息香酸、安息香酸塩及びエステル
カルシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、硼酸塩、
が挙げられる。
炭素数6〜30のアルキル基を有する第四アンモニウム塩、特に、ラウリルトリメチルアンモニウム及び/又はステアリルトリメチルアンモニウム及び/又はヘキシルトリメチルアンモニウム及び/又は塩化ベンザルコニウム
ビグアナイド(ビグアニジン、クロルヘキシジン)
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムの混合物
塩酸クロルヘキシジン
クエン酸トリエチル、ビオフラボノイド、テルペン、テルペノイド
トリクロサン
1ミクロン未満の平均粒度を有する銀塩、亜鉛塩、銅塩、安息香酸、安息香酸塩及びエステル
カルシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、硼酸塩、
が挙げられる。
粉末の銀塩、亜鉛塩、又は銅塩には、多くの細菌に対する抗菌作用や迅速で持続的な作用がある。
銀イオンは、酵素の呼吸(即ち、エネルギー生産)を妨げて、微生物のDNA及び細胞壁を変化させて、即時に微生物を破壊できる。
皮膜2に含有する吸臭剤には、少なくとも1つの以下の有効成分を含む、
リシノ‐ル酸亜鉛
ゼオライト
重金属イオンを含浸させたゼオライト
活性炭
シリカゲル
フラボノイド化合物
シクロデキストリン(α、β、γシクロデキストリン)。
リシノ‐ル酸亜鉛
ゼオライト
重金属イオンを含浸させたゼオライト
活性炭
シリカゲル
フラボノイド化合物
シクロデキストリン(α、β、γシクロデキストリン)。
皮膜2の坪量については、適宜選択してもよい。
可能な1実施例では、皮膜2の坪量を、0.01g/m2〜5g/m2としてもよい。
別の実施例では、皮膜2の坪量を、0.10g/m2〜4.5g/m2とする。
可能な1実施例では、特に幼児用おむつ、尿漏れ防止パッド及び生理用ナプキンに適しており、抗微生物剤には以下の有効成分の組み合わせを含んでもよい、ビオフラボノイド、テルペン、テルペノイド、カルシウム、ナトリウム、カリウム、ホウ酸バリウム、及び吸臭剤には、ゼオライトを含む。
ビオフラボノイドには、例えば以下のプロポリスフラボノイド類を含むこととする、フラボン、フラボノール、及びフラボノン。
ビオフラボノイドは、グラム陰性菌とグラム陽性菌(黄色ブドウ球菌等)の両方に対して、及びカビや酵母菌(カンジタ・アルビカンス等)に対して活性がある。
ナトリウム、カリウム、及びホウ酸バリウムは、殺菌剤及び抗真菌剤であり、特にメタホウ酸バリウムは、菌類がそれを利用してセルロースを破壊するセルラーゼ酵素を阻害し、それにより、殺菌剤能力をこの化合物に与える。
安息香酸ベンジル又は他の安息香酸誘導体を、抗菌有効成分として更に添加してもよい。
皮膜2を、膜材料1上に印刷又は吹き付けるよう構成した水懸濁液から形成してもよい。
その場合抗微生物剤及び/又は吸臭剤を、水性溶媒中に分散させて、液状にして膜基材に塗布する。
その後熱風、赤外線ランプ又は他の乾燥手段で、溶媒を蒸発させて、水性混合物に含まれる適当な非揮発性有機バインダの作用により、抗微生物剤及び/又は吸臭剤に粘着性を持たせる。
有機バインダの選択については、有機バインダが抗菌剤及び/又は吸臭剤を、任意の液体に達すると直ぐに放出する、という必要条件に基づいて行う。
好適には、皮膜2により膜材料1の片面全体をコーティングする。
可能な1実施例では、かかる懸濁液には、
含水アルコール溶媒
複数の水再溶解樹脂(バインダとして機能)
pH安定剤
表面張力安定剤
少なくとも1種類の抗微生物剤及び/又は少なくとも1種類の吸臭剤、
を備える。
含水アルコール溶媒
複数の水再溶解樹脂(バインダとして機能)
pH安定剤
表面張力安定剤
少なくとも1種類の抗微生物剤及び/又は少なくとも1種類の吸臭剤、
を備える。
用語“含水アルコール溶媒”は、水溶液及びアルコール溶液を示すものとし、その機能は表面張力を減少させることとする。
該樹脂は水に再溶解可能であり、即ち、該樹脂は水を溶媒として使用するが、印刷後にも、水に再溶解する。
可能な1実施例では、含水アルコール溶媒を、40〜55容量%、及び水再溶解樹脂を、30〜35容量%とする。
アルコール濃度(周囲温度における容量で)を、2%〜7%としてもよい。pH安定剤の濃度を、1容量%未満とする。
表面張力安定剤の濃度を、1容量%未満とする。
抗微生物剤及び/又は吸臭剤を、8容量%〜15容量%とする。
皮膜2が、膜1で行う連続した処理ステップの間、擦られたり剥離したりする危険を低減させるために、ポリエチレン・ワックスを、該懸濁液に、最大3容量%まで添加してもよい。
可能な1実施例では、該懸濁液には、プロポリス抽出物(ビオフラボノイド、テルペン、テルペノイドを含む)、カルシウム、ナトリウム、カリウム、ホウ酸バリウム、及びゼオライトを含有する。
プロポリスを、該懸濁液の1容量%〜30容量%としてもよい。
以下の樹脂を、水再溶解樹脂として、使用してもよい、
アルキド樹脂(無水物、多価アルコール、脂肪酸、及びポリオールの縮合から生じる合成生成物)
アクリル樹脂(アクリル単量体とメチルメタクリレートとの重合から得る)、エポキシ樹脂(エピクロリン(epichlorine)とビスフェノンA(bisphenon A)の縮合から得る)
ポリウレタン樹脂(1成分樹脂又は2成分樹脂とする)は、基体(例えば、アルキド樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂等)及び硬化又は触媒系(脂肪族、芳香族の、又は混合した高分子量ポリウレタン)から形成される、
ビニル樹脂(塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体による)。
アルキド樹脂(無水物、多価アルコール、脂肪酸、及びポリオールの縮合から生じる合成生成物)
アクリル樹脂(アクリル単量体とメチルメタクリレートとの重合から得る)、エポキシ樹脂(エピクロリン(epichlorine)とビスフェノンA(bisphenon A)の縮合から得る)
ポリウレタン樹脂(1成分樹脂又は2成分樹脂とする)は、基体(例えば、アルキド樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂等)及び硬化又は触媒系(脂肪族、芳香族の、又は混合した高分子量ポリウレタン)から形成される、
ビニル樹脂(塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体による)。
他の使用可能な樹脂として、ニトロセルロース樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂、マレインバインダー等が挙げられる。
これらの樹脂を、溶液型樹脂(一般的にアミン化合物を介しての塩化による)又はエマルジョン型樹脂(水との相溶性を、親水性部分及び疎水性部分を有する適当な表面活性剤中でポリマーを分散することによって、与える)として、定式化してもよい。
可能な1実施例では、特に、幼児用おむつ、尿漏れ防止パッド及び生理用ナプキンを作製するよう設計した膜に適する、アクリル樹脂の組み合わせを使用する。
懸濁液のpHを、好適には7〜9.5とする。
強アルカリ性環境において、ビオフラボノイドを保護するために、緩衝液を作製した。
ホウ酸塩とビオフラボノイド(適切に保護する場合)は、如何なる比率でも相乗作用がある。
pH安定剤を、無機剤、例えば酢酸アンモニウム、一酸及び/又は塩化リン酸塩、重炭酸ナトリウム、リン酸二水素‐リン酸水素系等、又は生物有機剤、例えば4‐2‐ヒドロキシエチル‐1‐ピペラジニル・エタンスルホン酸(HEPES)、アミノ酸又はタンパク質‐タンパク化合物陰イオン系由来の生成物、又は両性電解質、とする。
水溶液の表面張力を調整する薬剤には、シリコン及び/又は鉱油又は他の同様な材料(低分子量のシリコン界面活性剤)を含んでもよい。
2つの可能な実施例では、膜に塗布する懸濁液を、以下の通り構成する(比率は容量ベースとする)。
また、好適には、薬剤、例えばプロピレン・グリコール等、懸濁液を改善し、その結果塗布する該懸濁液の印刷適性及び再溶解性を向上させるものも、提供する。
可能な1実施例では、該懸濁液を、一般的なフレキソ印刷の速度で、一般的なフレキソ印刷の装置を使用して、塗布する。
印刷を、40m/分〜200m/分の速度で行ってもよい。
皮膜2を、以下のステップ、
水性懸濁液を、前述したように、供給されている膜材料1上に塗布するステップ
膜材料1に塗布したかかる水溶液を乾燥して、膜材料1に付着させた固体皮膜2を得るステップ、
を含むプロセスで得てもよい。
水性懸濁液を、前述したように、供給されている膜材料1上に塗布するステップ
膜材料1に塗布したかかる水溶液を乾燥して、膜材料1に付着させた固体皮膜2を得るステップ、
を含むプロセスで得てもよい。
例えば、水溶液を膜材料に、例えば2〜10g/m2で、印刷(フレキソ印刷等)して又は吹き付けて、成膜する。
有効成分を含む水性懸濁液を、例えば熱風、赤外線ランプ又は他のかかる懸濁液を乾燥する手段で、乾燥させてもよい。
上記材料1を使用して、以下、
透液性表面シート5、
不透液性の、好適には、空気通気性及び水蒸気通気性の裏面シート1、
表面シート5と裏面シート6との間で挟持する吸収層(毛羽)7、
を含む使い捨て衛生用品4を形成してもよい。
透液性表面シート5、
不透液性の、好適には、空気通気性及び水蒸気通気性の裏面シート1、
表面シート5と裏面シート6との間で挟持する吸収層(毛羽)7、
を含む使い捨て衛生用品4を形成してもよい。
好適には、該吸収層には、SAP(高吸水性ポリマー)を含む。
注意すべきは、必ずしも、衛生用品着用者が排出する全ての有機液体及び血液を、吸収層7で保持しない点である。
従って、着用者の身体から排出される有機液体又は血液のある量(恐らく少量)が、吸収層7を通過して裏面シート1に達することも起こり得る。
裏面シート1に達した有機液体又は血液が、皮膜2を湿らせ、皮膜2の樹脂を可溶化し、その結果、該樹脂に含まれる抗微生物剤及び/又は吸臭剤を再活性化させる。
これにより、衛生衣の裏面シート6と直接接触する身体部分で、特に、着用者が排出する有機液体による皮膚刺激及び/又は皮膚感染に曝される部分の保護が、向上する。
更に、上述したように活性化された抗微生物剤及び/又は吸臭剤を、吸収材料7(毛羽)中に引き込み、表面シート層5を通過させて、着用者の皮膚に達するようにしてもよい。
また、裏面シート1を通気性タイプのものとする場合には、裏面シート1は、外部からの細菌汚染に曝される可能性がある。
実際に、通気性膜の孔の平均直径は、1μmであり、それに対して、微生物の平均直径は、0.5μm未満である。
この場合、抗微生物剤皮膜2は、着用者を微生物の侵入から完全に保護する衛生品としての役割を果たす。
本発明者らは、製品耐容性にも、特別な注意を払っている。
本明細書で使用する化合物の高分子挙動により、従来技術の問題を取除くと共に、社会生活での女性のプライバシーや裁量を尊重する一方で、失禁する大人から子供まで同様な機会を提供するが、臭閾値について操作し、細菌拡散に対する保護体として機能することで、これを行う。
日本規格JIS Z 2801、2000に従いテストを実施し、パーソナルケア製品における抗微生物剤皮膜の、幾つかの一般的な細菌及び菌類の増殖を抑制する能力について評価したが、該細菌及び菌類には以下を含む、
大腸菌、
黄色ブドウ球菌、
緑膿菌、
カンジダ・アルビカンス。
大腸菌、
黄色ブドウ球菌、
緑膿菌、
カンジダ・アルビカンス。
テスト結果を、以下の4表に表す。
24時間以内の制御した接種材料(400μL)における、CFU(コロニ、形成単位)として表わす大腸菌に関するテスト結果。
24時間以内の制御した接種材料(400μL)における、CFU(コロニ、形成単位)として表わす大腸菌に関するテスト結果。
流体の浸透圧を利用する引き付け作用について、イタリア規格の002NMC93に従いテストしたが、該テストを、抗微生物剤を含む皮膜でコーティングした裏面シートを有する尿漏れ防止パッドを2枚(其々クエン酸トリエチルとトリクロサン)広げた状態で、行った。
パッドの表面シート(内側)を、所定量の水(50ml)で湿らせ、正方形(10×10cm)の吸収紙を該湿らせた領域に載置し、4.5kgの重りを該吸収紙上に載置した。
該吸収紙に移る有効成分を、ジクロロメタンを用いて抽出し、その後、ガスクロマトグラフィーで測定した。
この分析を、2〜6秒の所定時間間隔で繰り返した。
このテストを使用して、有効成分が該パッドの層(毛羽及び表面シート)を通り移動して、着用者の皮膚に達する能力を立証した。
移動材料の量を、接触する吸収紙で抽出した有効成分の絶対量(mg)として表す。
2回の動的臭度測定テストを、従来の尿漏れ防止パッドのサンプルと、トリクロサン及びゼオライトを含む皮膜を裏面シートに有するパッドについて、実施した。
該テストを、欧州規格EN13725に記載され、イタリアにおいて規格UNI EN13725、2004に組み込まれたものに従って実施して、気体排出時の臭気濃度を測定した。
各尿漏れ防止パッドを、その上に同じ尿量、即ち225mlを注ぎ、準備したが、225mlは成人が出す平均的な量であると考えられる。
減少効率を、パーセンテージで示すが、該減少効率を、吸臭剤無の尿漏れ防止パッドを含むサンプルの臭気濃度値と、吸臭剤有の尿漏れ防止パッドを含むサンプルの臭気濃度値との差を、吸臭剤無の尿漏れ防止パッドを含むサンプルの臭気濃度値で割り、以下の式により求める、
Effred(%)=Cod吸臭剤無 ‐ Cod吸臭剤有 / Cod吸臭剤無 x 100
以下の表では、吸臭剤有又は無のサンプルにおける臭気濃度が経時的に増加することを示している。
こうした増加はむしろ正常である、というのは採取バッグ中の空気は時間と共に飽和する傾向があり、それにより、液体が臭気を発する相と気相とが平衡に達すると、サンプル中の臭気発生材料が蒸発できなくなり、従って濃度が増加しなくなるからである。
より詳細には、吸臭剤有、無のサンプル其々の分析では、調製30分後に、64.6%の減少効率を示した。
こうした高い値は、尿漏れ防止パッドから臭気放出を軽減するに関して、吸臭膜の有効性を示している。
皮膚刺激性試験を、プロポリス溶液の堆積物及びAg+イオンを含む膜について実施した。
かかる分析を規制する規格は、ASTM F719‐81及びUNI EN ISO10993パート10である。
このプロセスは、被験体であるウサギの背部、背骨の両側に、適当に除毛した6mm2領域全体に塗布すること、及び該領域をガ‐ゼで被覆すること、から成る。
一定間隔の24時間、48時間、及び72時間を置いて、以下のスコアシステムを使用して、該動物を調べる、
次に、一次刺激指数(PII)を得る。ウサギに関する刺激クラスを、以下の表を使い5段階に決定した、
以下の結果を得た、
上記試験条件において、被験材料は陰性コントロールに適合する反応を示した。
動的臭度測定テストを、2種類の生理用ナプキンについて、両サンプルを月経で湿らせて行った。即ち、従来の生理用ナプキンと、プロポリス、硼酸塩、及びゼオライトの溶液を裏面シートに含む皮膜を有する生理用ナプキンとで行った。
ミラノ大学の臭度測定ラボラトリで使用した方法及び器具については、実施例3で既に記述した。
このテストは、可能な限り自然及び自然発生的な状態で、女性ボランティアが参加して行い、1.45grの月経を両テストで分析した。(未使用のナプキンと使用したナプキンの重量差として測定した値).
以下の表では、成膜有、無の2サンプル其々に対して臭気濃度値を、サンプル調製から一定間隔で3回、即ち其々20、50、及び165分で、分析するだけでなく、実施例3の式で決定したように、対応する臭気減少値で、分析した。
当然ながら、臭気減少効率値を、時間によらず略一定に、33%〜44%の範囲に維持する。
より詳細には、サンプル調製20分後に行った最初の分析では、44.3%の減少効率が見られた。
サンプル調製50分後に行った2回目の分析では、32.8%の減少効率が見られた。
最後に、サンプル調製の165分後に行った3回目の分析では、42.1%の減少効率が見られた。
これらの高効率値は、テストにおいて、ナプキンからの臭気放出を軽減するに関して、吸臭膜の有効性を示している。
1 膜材料
2 皮膜
4 パーソナルケア製品
5 表面シート
6 裏面シート
7 吸収層
2 皮膜
4 パーソナルケア製品
5 表面シート
6 裏面シート
7 吸収層
Claims (16)
- 特にポリオレフィン系膜材料とし、皮膜(2)で片面をコーティングした膜材料(1)であり、前記皮膜には水再溶解樹脂を含有し、有機液体及び血液によって活性化し易い抗微生物剤及び/又は吸臭剤を含有する膜材料(1)であって、前記抗微生物剤には、少なくとも1つの以下の有効成分、
炭素数6〜30のアルキル基を有する第四アンモニウム塩、特に、ラウリルトリメチルアンモニウム及び/又はステアリルトリメチルアンモニウム及び/又はヘキシルトリメチルアンモニウム及び/又は塩化ベンザルコニウム、
ビグアナイド(ビグアニジン、クロルヘキシジン)、
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムの混合物、
塩酸クロルヘキシジン、
クエン酸トリエチル、
ビオフラボノイド、テルペン、テルペノイド、
トリクロサン、
1ミクロン未満の平均粒度を有する銀塩、亜鉛塩、銅塩、
安息香酸、安息香酸塩及びエステル、
カルシウム、ナトリウム、カリウム、ホウ酸バリウム、を含み、
前記吸臭剤には、少なくとも1つの前記有効成分、
リシノル酸亜鉛、
ゼオライト、
重金属イオンを含浸させたゼオライト、
活性炭、
シリカゲル、
フラボノイド化合物、
シクロデキストリン(α、β、γシクロデキストリン)、
を含むことを特徴とする膜材料(1)。 - 特にポリオレフィン系材料とし、皮膜(2)で片面をコーティングした膜材料(1)であり、前記皮膜には水再溶解樹脂、及び抗微生物剤及び/又は吸臭剤を含有する膜材料(1)であって、前記抗微生物剤には、以下の有効成分、
ビオフラボノイド、テルペン、テルペノイド、
カルシウム、ナトリウム、カリウム、ホウ酸バリウム、を含み、
前記吸臭剤には、ゼオライトを含むこと、
を特徴とする膜材料(1)。 - 前記皮膜(2)には、安息香酸ベンジル又は安息香酸誘導体を更に備えること、を特徴とする請求項1又は2に記載の膜材料(1)。
- 前記皮膜(2)の坪量を、0.01〜5g/m2とし、前記皮膜(2)には、ポリエチレン・ワックスを含有すること、を特徴とする前請求項の何れか1項に記載の膜材料(1)。
- 使い捨てパーソナルケア製品(4)には、
透液性表面シート(5)、
不透液性裏面シート(6)、
前記表面シート(5)と前記裏面シート(6)との間で挟持する吸収層(7)、を備え、
前記裏面シート(6)を、抗菌及び/又は吸臭有効成分を含有する皮膜(2)でコーティングした膜材料(1)とし、前記皮膜(2)を前記表面シート(5)及び前記吸収層(7)の方に向けること、
を特徴とする使い捨てパーソナルケア製品(4)。 - 前記裏面シート(6)を、請求項1乃至4の何れか1項に記載の膜材料とし、前記皮膜(2)を前記表面シート(5)と前記吸収層(7)の方に向けること、を特徴とする請求項6に記載のパーソナルケア製品。
- ポリオレフィン膜、特にポリエチレン系膜上に印刷又は吹き付けるよう構成した水懸濁液であって、該水懸濁液には、
含水アルコール溶媒、特に水及びアルコール溶液、
複数の水再溶解樹脂、
pH安定剤、
表面張力安定剤、を備え、
該水懸濁液には、少なくとも1つの抗微生物剤及び/又は少なくとも1つの吸臭剤を備えること、
を特徴とする水懸濁液。 - 前記水再溶解樹脂には、少なくとも2つの以下の樹脂、
アルキド樹脂、
ポリウレタン樹脂、
アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、
ビニル樹脂、
を含むこと、を特徴とする請求項7に記載の水懸濁液。 - 前記pH安定剤には、1つ又は複数の以下の薬剤、
酢酸アンモニウム、
一酸及び/又は塩化リン酸塩、
重炭酸ナトリウム、
リン酸二水素リン酸水素系、
4‐2‐ヒドロキシエチル‐1‐ピペラジニル・エタンスルホン酸(HEPES)、
アミノ酸由来の生成物、
タンパク質−タンパク化合物陰イオン系由来の生成物、
両性電解質、
を含むこと、を特徴とする請求項7又は8に記載の懸濁液。 - 前記表面張力安定剤には、1つ又は複数の以下の薬剤、
シリコン、
鉱油、
低分子量のシリコン界面活性剤、
を含むこと、を特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の懸濁液。 - 前記懸濁液の印刷適性を向上させる薬剤、特にプロピレン・グリコールを、更に備えること、を特徴とする請求項8乃至11の何れか1項に記載の懸濁液。
- 前記抗微生物剤には、少なくとも1つの以下の有効成分、
第四アンモニウム塩、
ビグアナイド(ビグアニジン、クロルヘキシジン)、
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムの混合物、
塩酸クロルヘキシジン、
クエン酸トリエチル、
ビオフラボノイド、テルペン、テルペノイド、
トリクロサン、
銀塩、亜鉛塩、銅塩、
安息香酸誘導体、
カルシウム、ナトリウム、カリウム、ホウ酸バリウム、を含み、
前記吸臭剤には、少なくとも1つの前記有効成分、
リシノール酸亜鉛、
ゼオライト、
重金属イオンを含浸させたゼオライト、
活性炭、
シリカゲル、
フラボノイド化合物、
シクロデキストリン(α、β、γシクロデキストリン)、
を含むこと、を特徴とする請求項7乃至11の何れか1項に記載の懸濁液。 - ポリエチレン・ワックスを更に備える、請求項8乃至13の何れか1項に記載の懸濁液。
- 膜材料(1)の片面を、抗菌剤及び/又は防臭剤を含有する皮膜(2)でコーティングする方法であって、該方法には、
請求項7乃至12の何れか1項に記載の水懸濁液を、膜材料(1)に、特にフレキソ印刷によって塗布するステップ、
固体皮膜(2)を得るために、加熱下で前記皮膜材料(2)を乾燥するステップ、
を備えること、を特徴とする方法。 - ビオフラボノイド、テルペン、テルペノイド、カルシウム、ナトリウム、カリウム、及びホウ酸バリウムの混合物の、パーソナルケア製品用抗微生物剤としての、使用。
- 前記抗微生物剤には、ゼオライト担体に組み込まれた銀イオンを備えること、と特徴とする請求項15に記載の混合物の使用。
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