以下、本発明の実施形態が示される添付図面を参照し、本発明を更に説明する。しかしながら、本発明が本明細書中に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示内容が十分で完全であり且つ本発明の範囲を当業者に対して十分に伝えるように与えられる。図中、層及び領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。同様の参照符号は、全体にわたって同様の要素を示している。本明細書中で使用される用語「及び/又は」は、関連する挙げられた項目のうちの1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含み、「/」として短縮されてもよい。
本明細書中で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的とし、本発明を限定しようとするものではない。本明細書中で使用される単数形「1つ(a an)」及び「その(the)」は、文脈が他の点を明確に示していなければ、複数形も同様に含むように意図されている。また、用語「備える」、「備えている」、「有している」、「有する」、「含む」、及び/又は「含んでいる」は、この明細書中で使用される場合、述べられている特徴、領域、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示しているが、1つ以上の他の特徴、領域、ステップ、動作、要素、構成要素の、及び/又はそれらのグループの存在又は付加を排除しないことは言うまでもない。
層又は領域などの要素が他の要素「上にある」又は「上へ延びている」(あるいは、その変形)といわれる場合、その要素が他の要素上に直接にありあるいは他の要素上へと直接に延びることができ、あるいは、介在要素が存在していてもよいことは言うまでもない。一方、要素が他の要素「上に直接にある」又は「上へと直接に延びている」(あるいは、その変形)といわれる場合には、介在要素が存在しない。また、要素が他の要素に「接続される」又は「結合される」(あるいは、その変形)といわれる場合には、当該要素を他の要素に対して直接に接続することができあるいは結合することができ、あるいは、介在要素が存在してもよいことは言うまでもない。一方、要素が他の要素に対して「直接に接続される」又は「直接に結合される」(あるいは、その変形)といわれる場合には、介在要素が存在しない。最後に、要素が他の要素を「保持する」(あるいは、その変形)といわれる場合には、該要素は他の要素を直接に保持することができ、また、介在要素が存在してもよい。一方、要素が他の要素を「直接に保持する」(あるいは、その変形)といわれる場合には、介在要素が存在しない。
本明細書中では、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分を説明するために第1、第2などの用語が使用される場合があるが、これらの要素、材料、領域、層、及び/又は部分がこれらの用語によって限定されるべきではないことは言うまでもない。これらの用語は、1つの要素、材料、領域、層、又は部分を他の要素、材料、領域、層、又は部分から区別するためだけに使用される。したがって、以下で述べられる第1の要素、材料、領域、層、又は部分は、本発明の教示内容から逸脱することなく、第2の要素、材料、領域、層、又は部分と称することができる。また、本明細書中では、ディスプレイスクリーンの相対する面を説明するために「前」及び「裏」が使用される場合がある。いくつかの実施形態において、「前」は、最初にパルスレーザビームが直面する基板などの表面の側を示すために使用され、また、「裏」は、表面の反対側を示すために使用される。更に、従来から、観察面が前とみなされる場合があるが、方向性に応じて観察面が裏とみなされてもよい。
本明細書中では、本発明の理想的な実施形態の概略図である断面図及び斜視図を参照して本発明の実施形態が説明される。したがって、例えば、製造技術及び/又は許容誤差の結果としての例図の形状の変形が予期されるべきである。そのため、本発明の実施形態は、本明細書中で示される領域の特定の形状に限定されるものと解釈されるべきではなく、例えば、製造に起因する形状のずれを含むべきである。例えば、平坦であるとして図示されあるいは説明される領域は、一般に、粗い及び/又は非直線状の特徴を有していてもよい。また、図示される鋭角は、一般に、丸みを帯びていてもよい。したがって、図に示される領域は実際には概略的であり、また、それらの形状は、領域の正にその形状を示そうとするものではなく、また、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
他に別の点が規定されていなければ、本明細書中で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって共通に理解される意味と同じ意味を有する。また、一般に使用される辞書で規定される用語などの用語は、関連技術及び本開示内容との関連におけるそれらの意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、また、本明細書中でそのように明白に規定されなければ理想的なあるいは過度に形式的な意味に解釈されないことは言うまでもない。最後に、図の1つ以上のブロックの機能は、他のブロックの機能とは別個であってもよく及び/又は他のブロックの機能と組み合わされてもよい。
図1は、本発明の様々な実施形態に係る、パルスレーザビーム及び湾曲クレードルを使用して開口を形成する装置/方法の概略側面図である。特に、図1は、その前面152aにマイクロレンズアレイ154を含む基板152の裏面152b上の層156に開口158を形成するための装置を示している。その前面152aにマイクロレンズアレイ154を含むと共にその裏面152b上に開口158を有する層156を含む基板152は、総称してマイクロレンズアレイ製品又はレンズシート150と称される場合がある。レンズシート150それ自体は、その全てが本発明の譲受人に対して譲渡され且つその開示内容がそれらの全体を参照することによりあたかも本明細書中に十分に説明されるかのように本願に組み入れられる、米国特許出願第2006/0061869号、第2005/0058947号、第2005/0058948号、第2005/0058949号及び/又は第2003/00206342号及び/又は第2006/0164729号、及び/又は米国特許第6,967,779号、第6,829,087号、第6,816,306号及び/又は第7,092,166号及び/又は米国特許出願第11/113,846号、第11/179,162号、第11/364,423号、第11/378,189号、第11/382,163号、第11/414,875号、第11/465,373号、第11/465,358号及び/又は第11/465,377号に記載されるように製造されてもよい。レンズシート150を製造する他の技術が使用されてもよい。
マイクロ構造体154は、サイズが約500μm未満の少なくとも1つのベース寸法(すなわち、基板152に隣接する寸法)を有するマイクロレンズの一次元又は二次元配列を含んでもよい。レンズシート150における光学的用途に応じて、水晶体アレイ、半球状アレイ、アナモルフィックアレイ、及び/又は、他のマイクロレンズアレイが設けられてもよい。マイクロ構造体154は、サイズ、形状又は方向が均一である必要はない。本明細書中で使用される「レンズ」は、任意の透過型光学素子、回折光学素子及び/又は屈折光学素子を含み、また、「マイクロレンズ」は、約100μm未満の少なくとも1つのベース寸法を有する任意の透過型光学素子、回折光学素子及び/又は屈折光学素子を含む。
図1の説明を続けると、装置は、軸144を規定する円筒面セグメント142をそれ自体が含むクレードル140を含んでいる。円筒面セグメント142は、基板152の前面152a上のマイクレンズアレイ154が軸144に面するように基板152の裏面上に層156を保持するべく構成される。円筒面セグメント142の寸法は、製造されるべきマイクロレンズアレイ製品又はレンズシート150のサイズに応じて変えられてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、円筒面セグメント142は、約43”×24”のリアプロジェクションスクリーンを形成するために、約19.1”の半径を有する軸を規定してもよく、約30”の周方向長さ(図1の面内)を含んでもよく、また、約48”の軸方向長さ(図1の面に対して垂直)を含んでもよい。更に小さいあるいは更に大きい構造が設けられてもよい。以下で更に詳しく説明するように、円筒面セグメント142上に真空を形成して走査中に円筒面セグメント上にレンズシート150を保持するため、クレードル140に真空ポート148が設けられてもよい。
更に図1を参照すると、走査ミラー120も設けられる。いくつかの実施形態では、走査ミラーが振動ミラーであってもよい。しかしながら、他の実施形態では、図1に示されるように、走査ミラー120は、矢印124で示されるように回転軸122を中心に回転するように構成される回転ポリゴンミラーを構成する。図1の実施形態では、ポリゴンミラー120が八角形ミラーである。しかしながら、本発明の他の実施形態によれば、更に少ない(例えば6個)あるいは更に多い(例えば10個)辺が設けられてもよい。
更に図1を参照すると、パルスレーザ110も設けられる。パルスレーザ110は、パルスレーザビーム112を走査ミラー120に衝突させるように構成される。本発明のいくつかの実施形態では、パルスレートが100kHz程度であってもよい。走査ミラー120は、該ミラーに衝突するパルスレーザビーム112を、基板152の前面152aのマイクロレンズアレイ154を通過して基板152の裏面152b上の層156へと至ることにより開口158を形成するように、軸144から矢印114で示されるように円筒面セグメント142に沿って周方向に走査するべく、クレードル140に対して方向付けられる。
パルスレーザビーム112は、パルスNd:YAGレーザなどのレーザ110によって発生されてもよい。また、可視光用途においてレンズシート150が使用される場合、本発明のいくつかの実施形態は、パルス赤外線レーザビーム112を生成するパルス赤外線(IR)レーザ110を備える。他の実施形態では、可視光よりも長い波長を有する他のレーザが使用されてもよい。可視光よりも長い波長を有するレーザビームを使用して開口を形成することにより、以下で詳しく説明されるように、紫外線(UV)レーザ又は可視光よりも短い波長を有する他のレーザを使用する従来の用途と比べて改良された開口形成が行われてもよい。
最後に、図1を参照すると、スクリュードライブ及び/又は他の従来のリニアトランスレータなどのリニアトランスレータ130は、円筒面セグメント142に沿って周方向に走査されるパルスレーザビームを軸方向に並進させるためにクレードル140及び/又は走査ミラー120を互いに対して軸方向に(すなわち、図1の面内へ及び面外へ)直線的に並進させるように構成される。図1の実施形態において、リニアトランスレータ130は回転ミラーを軸方向に(軸144に対して平行に)並進させる。他の実施形態において、クレードル140自体を並進させてもよい。更に他の実施形態において、クレードル140及び走査ミラー120を両方とも並進させてもよい。
ここで、図1の実施形態について更に説明する。特に、走査ミラー120は、円筒面セグメント142の軸144と平行な回転軸122を中心に回転するように構成される図1に示されるような回転ポリゴンミラーを構成してもよい。また、図1に示されるように、いくつかの実施形態では、回転ポリゴンミラー120は、パルスレーザビーム112が円筒面セグメント142の軸144でミラー120の多角形面126と衝突するように円筒面セグメント142の軸144に対して位置決めされる。
図1にも示されるように、円筒面セグメント142を設けることによって、走査ミラー120は、軸144からのパルスレーザビームを円筒面セグメントに対して略垂直(直交)に保ちつつ矢印114で示されるように円筒面セグメントに沿って周方向に走査するようにクレードル140に対して方向付けられてもよい。特に、直角記号(┐)によって示されるように、パルスレーザ112は、走査全体にわたって円筒面セグメントに対して略垂直に保ちつつ、軸144から円筒面セグメント142に沿って周方向に走査されてもよい。いくつかの実施形態では、約30アーク秒未満すなわち約0.01°未満の垂直からの偏位が円筒面セグメントの周方向走査全体に沿って与えられてもよい。この偏位は、レトロフレクション及び/又は他の従来の技術によって測定されてもよい。レンズシート150へのパルスレーザビーム112の略垂直衝突を行なうことによって、レンズ154とほぼ位置合わせされる開口158が形成されてもよい。これにより、より均一なマイクロレンズアレイ製品を提供することができる。
いくつかの実施形態において、円筒面セグメント142は、パルスレーザビームが円筒面セグメント142に衝突するときにパルスレーザビーム112によって形成されるアークに沿って、円筒面セグメント142に沿って周方向に延びるスロットを有していてもよい。円筒面セグメント142のスロットにより、層156の裏面をクレードル140の内部に晒すことができ、それにより、開口形成プロセスからの破片が例えば真空ポート148を通じてクレードル140から排出されてもよい。
また、図1は、その前面152a上にマイクロレンズアレイ154を含む基板152の裏面152bの層156に開口158を形成する方法も示している。図1に示されるように、これらの方法は、基板152の前面152a上のマイクロレンズアレイ154が軸144と対向するように、軸144を規定する円筒面セグメントへと基板152を湾曲させることを含んでいてもよい。パルスレーザビーム112が、基板152の前面152aのマイクロレンズアレイ154を通過して基板152の裏面152b上の層156へと至るように、軸144から矢印114で示されるように円筒面セグメント142に沿って周方向に走査されると同時に、基板152及び/又は走査されるパルスレーザビーム112が互いに対して軸方向に(図1の面内へ及び面外へ)並進される。
また、図1は、本発明の様々な実施形態にしたがって生成されてもよいマイクロレンズアレイ製品150も示している。これらのマイクロレンズアレイ製品150は、その1つの方向(長さ、幅、及び/又は、対角線)に沿って少なくとも30”にわたって延びる基板152を含んでいてもよい。基板は、その1つの方向に沿って少なくとも30”の長さであってもよい。これは、基板が30”の対角線のあるいはそれよりも大きいスクリーンを形成するために使用される最終製品だからである。あるいは、基板152は、その1つの方向に沿って少なくとも30”にわたって延びてもよい。これは、基板152が、個々のマイクロレンズアレイ製品を形成するために後にカットされる連続基板(ウェブ)だからである。いずれにしても、マイクロレンズ154の配列は基板152の前面152a上に設けられる。また、マイクロレンズ154は、少なくとも30”にわたって少なくとも基板の1つの方向(長さ、幅、及び/又は、対角線)に沿って延びる。マイクロレンズ154は、約500μm未満のサイズである少なくとも1つのベース寸法を含む。黒層などの層156は、基板152の第2の面152b上に設けられ、少なくとも30”にわたって基板の少なくとも1つの方向(長さ、幅、及び/又は、対角線)に沿って延びる開口158の配列を有している。
いくつかの実施形態において、それぞれの開口158は、約0.5°未満の位置合わせからの偏位を伴って、アレイ中のそれぞれのマイクロレンズアレイ154と位置合わせされる。この場合、位置合わせからの偏位は、図1に示されるように、マイクロレンズ154の軸を通過する直交光線に対して測定される。他の実施形態では、0.1°未満の位置合わせからの偏位が与えられてもよく、また、いくつかの実施形態では、約0.05°未満の位置合わせからの偏位が与えられてもよい。
特に、いくつかの実施形態において、目に見える欠陥を減少させあるいは避けるための許容されるずれ量は、ずれの均一性の関数であってもよい。開口が基板の1つの部分から隣の部分へ位置合わせされるようなシフトが存在する場合には、異なる透過パターンが見える場合があり、また、マイクロレンズアレイ製品が明らかに均一に見えない場合がある。例えば、マイクロレンズアレイは、1つの場所で他の場所よりも暗い場合があり、あるいは、所定の角度で観察されるときに明るいパッチ及び暗いパッチを示す場合がある。0.1°未満のランダムな変化が目に見えない不完全性をもたらす場合がある。しかしながら、変化がランダムでなく、むしろ、1つの方向又は他の方向でのドリフトであれば、あるいは、変化が繰り返す場合には、精度が更に良くなる必要がある場合があり、また、目に見えるアーチファクトを避けるために0.05°以下の精度を維持することが望ましい場合がある。いずれにしても、これにより、目に見える不完全性を減少させあるいは避けるため、製品150の全体にわたってマイクロレンズに十分に位置合わせされる開口が大面積マイクロレンズアレイ製品150に設けられてもよい。
図2は、開口を形成するための本発明の他の実施形態に係る装置及び方法の概略平面図である。図2において、リニアトランスレータ130は、スクリュードライブモータ234によって駆動され且つ矢印238で示される軸方向にスライド236を移動させるスクリュードライブ232として具現化される。矢印124で示される方向にポリゴンミラー120を回転させるために走査ミラーモータ220が設けられてもよい。図1に関連して説明されたように、線114によって示される位置で円筒面セグメント142にスロットが設けられてもよい。レーザ110は図2に示されるように位置されてもよく、また、パルスレーザビーム112を調整し且つパルスレーザビームをポリゴンミラー120へと伝送するために光学トレイン260が使用されてもよい。
図2の実施形態において、光学トレイン260は、1/4波長板266と、ビームスプリッタ262と、ビーム検出器264と、第1及び第2のビーム拡大・コリメータレンズ272,274と、集束レンズ276と、3つのビーム操向ミラー282,284,286とを含んでいてもよい。ビームスプリッタ262及びビーム検出器264は、レーザビーム112のパワー及び/又はパルスをサンプリングして監視するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のレンズ272が約−100mmの焦点距離を有していてもよく、また、第2のレンズ274が約400mmの焦点距離を有していてもよい。また、第1及び第2のレンズ272,274が約300mmだけ離間されてもよい。集束レンズ276は、所与の走行前に細かい合焦を行なうため、リニアトランスレータスライド236に対して調整可能であってもよい集束レンズスライド278上に装着されてもよい。光学トレイン260は、レーザ110の出口で約1.3mmの直径を有するパルスレーザビームを伝送してもよく、また、ビームがクレードル140の円筒面セグメント142に衝突する場所で約0.5mmの直径のビームを供給してもよい。他の実施形態では、円筒面セグメント142で、約0.4〜0.8mmのビーム直径が与えられてもよい。他のビーム直径が与えられてもよい。
いくつかの実施形態では、3つのビーム操向ミラー282,284,286が固定ビーム操向ミラーである。しかしながら、本発明の他の実施形態において、パルスレーザビーム112を回転ポリゴンミラー120に衝突させる最後のビーム操向ミラー286は、回転ポリゴンミラー120及び/又は矢印124で示されるその回転軸を中心とするその回転における不完全性を少なくとも部分的に補償するように構成される可動ミラーであってもよい。いくつかの実施形態において、可動ミラー286は、回転ポリゴンミラー120、モータ220における機械的不完全性及び/又はレーザビーム配置のエラーをもたらす場合がある他の機械的不完全性を補償するために使用できる電子的に制御される高速操向ミラー(FSM)を備えていてもよい。高速操向ミラーは、当業者に良く知られ、そのため、ここで更に記載する必要はない。いくつかの実施形態では、Newport Corporationによって販売されるモデルFSM−300高速操向ミラーが使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、高速操向ミラー286は、回転ポリゴンミラー120、モータ220及び/又は他の構成要素における不完全性を策定するとともに、回転124に応じて高速操向ミラー286における補償X−Y作動を生み出して記憶することによって制御されてもよい。記憶されたX−Y作動は、その後、高速操向ミラーの動作を管理するために使用される。他の実施形態において、補償は、フィードバック機構を使用して、当業者に良く知られる技術を使用して、リアルタイムで行なわれてもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、高速操向ミラー286の付加が、クレードル140の円筒面セグメント142上に対するビーム112の配置の精度をある程度の大きさ以上まで向上させることができることが分かった。
図2に示される要素の全てを使用する必要がない多くの他の形態の光学トレインが設けられてもよいことは言うまでもない。また、更なる光学素子が設けられてもよい。例えば、本出願の譲受人に対して譲渡され且つその開示内容がその全体を参照することによりあたかも本明細書中に十分に説明されるかのように本願に組み入れられるMethods and Apparatus for Processing a Pulsed Laser Beam to Create Apertures Through Microlens Arrays,and Products Produced Therebyと題されるGardner等の同時係属出願第11/382,163号に記載されるように、真空空間フィルタ、トップハットフィルタ、及び/又は、拡散スクリーンが設けられてもよい。最後に、図2が本発明の類似の方法実施形態も示していることは言うまでもない。
図3は、パルスレーザ110のパルシング、ポリゴンミラーモータ220によるポリゴンミラーの回転、及び、リニアトランスレータモータ234によるポリゴンミラー120の並進を同時に制御するように構成される本発明のいくつかの実施形態に係るコントローラのブロック図である。図3に示されるように、コンピュータ340は、矢印238で示される直線(X)軸ドライブ330と、矢印124で示されるポリゴンミラー(Y)軸ドライブ320と、レーザ110のための電源310とを制御するために使用される。レーザのパワー及び/又はパルス周波数が制御されてもよい。図3にも示されるように、コンピュータ340は、直線軸ドライブ330の制御モジュール332、ポリゴンミラードライブ320の制御モジュール334、及び、レーザ電源310の制御モジュール312とインタフェースをとってもよい。また、レーザ電源310のトリガ入力344をトリガするために、ポリゴンミラードライブ320からの位置同期出力(PSO)342が使用されてもよい。ドライバ310,320,330をデバイス110,220,234に対してインタフェース接続するために様々なケーブル352,354,356が使用されてもよい。
図3にも示されるように、高速操向ミラー286が使用される場合、コンピュータ340は、高速操向ミラーコントローラ344に対して印加されるX−Y操向電圧を発生させる波形発生器342を制御するために使用されてもよい。高速操向ミラーコントローラ344は適切なケーブル358を介して高速操向ミラー286を制御する。波形発生器342は、ビーム位置フィードバックケーブス360を介して光学トレイン260中の1つ以上のビーム位置センサ364に接続されるビーム位置コントローラ362に応答してもよい。図3にも示されるように、高速操向ミラー286の位置は、ポリゴンミラー動作と同期して波形発生器342によって供給される独立したX電圧及びY電圧によって制御されてもよい。同期は、ポリゴンミラーモータコントローラ320の位置同期出力(PSO)342を使用して達成されてもよい。したがって、高速操向ミラーは、揺れ及び/又はポリゴンミラーモータ220及び/又はポリゴンミラー120自体における他の不完全性を少なくとも部分的に補償することができる。
本発明のいくつかの実施形態において、図3のコントローラは、約100kHzでレーザをパルスするため、レーザの出口で約1.3mm直径のパルス及び円筒面セグメント142で約0.5mmの直径のパルスを供給するために使用されてもよい。また、レーザリニアトランスレータモータ234及びポリゴンミラーモータ220は、周方向及び軸方向の両方で約0.12mmのオーバーラップを与えるように制御されてもよい。いくつかの実施形態では、所与のスポット(レーザパルス)が30〜40個のレンズを撮像してもよい。この場合、これらのレンズのうちの10〜15個は、1秒当たり約100万〜150万個のマイクロレンズを撮像できるように予め露光されない。したがって、約4分にわたって50”対角線の基板が処理されてもよい。これにより、ほぼ位置合わせされた開口を基板全体にわたって設けつつ、高いスループットを得ることができる。
図4は、本発明の様々な実施形態に係る図1及び図2のクレードル140の断面図である。当業者であれば分かるように、円筒面セグメント142の層のサイズ及び相対的サイズは明確にするために誇張され、また、図4は一定の倍率で描かれていない。
より具体的には、図4に示されるように、本発明のいくつかの実施形態に係るクレードル140は円筒面セグメント142を含む。円筒面セグメント142は、穿孔432を含む硬質支持層430を含んでいる。硬質支持層430は、有孔スチールシートなどの湾曲された有孔シートメタルシートとして具現化されてもよい。有孔スチールシートは、矢印440で示されるように該有孔スチールシートを通じて真空プレナム442を介して真空ポート148から真空引きできるように、その形状及び穿孔を維持することができる。
図4の説明を更に続けると、硬質支持層430上には、硬質支持層430と軸144との間に、1インチ厚オープンセル発泡層などの柔軟な多孔質バッファ層420が設けられる。バッファ層420はまた、多孔質であり、バッファ層を介して真空引きできる。また、バッファ層420は、硬質支持層430の穿孔432が円筒面セグメント142上に装着されるレンズシート150に刻設されるのを減少させあるいは排除することができる。
最後に、柔軟な多孔質バッファ層420上には、柔軟な多孔質バッファ層420と軸144との間に、柔軟な多孔質支持層410が設けられる。いくつかの実施形態において、柔軟な多孔質支持層410は、例えば1インチ当たり60本の糸412を有するガラス繊維メッシュスクリーンを構成してもよい。ガラス繊維スクリーン410は、その上に装着されるレンズシート150のための比較的低摩擦の支持面を形成することができるとともに、レーザがレンズシートに衝突するときにレンズシートの何らかの拡張及び収縮を許容できる。また、ガラス繊維スクリーンを通じて押さえつけ真空引きすることができる。最後に、前述したように、例えば真空プレナム442及び真空ポート148を通じて破片を排出できるように、クレードル140には、図4の面内に、硬質支持層430、柔軟な多孔質バッファ層420、及び/又は、柔軟な多孔質支持層410を貫通して延びるスロットが設けられてもよい。
したがって、図4に示されるように、本発明のいくつかの実施形態では、円筒面セグメント142は、有孔メタルシート430と、有孔メタルシート430上の発泡層420と、発泡層420上の柔軟シート410とを備えることができる。クレードル140の本体は、レンズシート150を円筒面セグメント142上に保持するため、矢印440で示されるように発泡層420及び柔軟なスクリーン410を通じて有孔メタルシート430の穿孔432により真空引きするように構成される真空プレナム442を備えることができる。
図1及び図2に関連して前述したように、本発明のいくつかの実施形態は、大面積マイクロレンズシートに対するレーザビームの略直交する衝突又は垂直な衝突を行なうことができる。これにより、高性能マイクロレンズアレイ製品を提供することができる。例えば、図5に示されるように、本発明のいくつかの実施形態に係るマイクロレンズアレイ製品150は、基板152と、図5に記号Xで示されるように少なくとも30”にわたって基板の少なくとも1つの方向(水平、垂直、及び/又は、対角線)に沿って延びる基板152の第1の面152a上のマイクロレンズ154の配列とを含む。配列中のマイクロレンズ154は、約500μm未満のサイズの図5にYで示される少なくとも1つのベース寸法を含む。
図5の説明を続けると、黒層などの層156は、基板150の第2の面152b上に設けられる。層156は、図5にXで示されるように少なくとも30”にわたって基板の少なくとも1つの方向に沿って延びる開口158の配列を含む。それぞれの開口158は、いくつかの実施形態では約0.5°未満の位置合わせからの偏位を伴って、軸線510によって示されるようにそれぞれのマイクロレンズとほぼ位置合わせされる。つまり、いくつかの実施形態では、位置ずれされた開口158と対応するマイクロレンズ154の軸510との間の角度2を0.5°未満にすることができる。別の言い方をすれば、本発明のいくつかの実施形態では、開口158の軸を、図5にZで示されるようにマイクロレンズアレイ製品150の少なくとも1つの方向Xにわたって約2μm未満だけマイクロレンズの軸510からオフセットさせることができる。また、前述したように、他の実施形態では、例えばランダムな変化が存在する場合には、角度2が約0.1°未満であってもよい。更に他の実施形態において、変化がランダムではなく、むしろ、1つの方向又は他の方向でのドリフトであれば、あるいは、変化が繰り返す場合には、目に見える欠陥を減少させ/避けるために、角度2が0.05°以下であってもよい。これにより、高性能マイクロレンズアレイ製品を提供できる。
図1〜5の任意のあるいは全ての実施形態において、パルスレーザビームは、パルス赤外線レーザビームなどの可視光よりも長い波長を有するパルスレーザビームであってもよい。しかしながら、他の実施形態では、パルス可視レーザビーム、又は、可視光よりも短い波長を有するパルスレーザビーム、例えばパルス紫外線レーザビームが使用されてもよい。
ここで、図1〜5に関連して前述した本発明の実施形態及び本発明の他の実施形態の更なる説明を行なう。本発明のいくつかの特定の実施形態の動作パラメータも与えられる。
レンズに対向する自動位置合わせ開口、レンズアレイ、及び/又は他の光学素子の形成を可能にするため、本発明の様々な実施形態にしたがってプロセス及び装置が開発された。結果的に得られるプロセス、機器及び/又は物品(レンズシート)は、制御された様式での開口形成を可能にすることができる。この場合、位置、形状、サイズ、エッジ細部、レンズ毎の開口の数、開口の長さ、及び/又は他のパラメータが制御されてもよい。有機膜、無機膜、反射膜、吸収膜、及び/又は他の光学活性膜、及び/又は、光学的に中性の膜と組み合わせたこれらの開口の形成は、軽量な膜、電子膜、及び/又は他の管理膜を与えることができる。
光学素子又はレンズ154がレンズの反対側で層156(薄膜又は単に膜とも称される)をコーティングした場合、その膜156は、ほぼ合焦されるビームの存在下で焼灼され、除去され、気化され、及び/又は破壊されるようになる。この除去の形状(丸い、正方形の、細長い)及び特徴(鋭いエッジ、粗いエッジ)は、かなりの程度まで、レンズ形状、レンズアレイ154を形成するあるいはレンズアレイ154によって形成されるビームレットのための合焦領域の形成に対するレンズ形状及びその影響、及び/又は、この除去を実行するために活用されるエネルギに依存する場合がある。形成される穴又は開口158(その形状及び/又はそのエッジの外観の点から見て)は、レンズ154の光学特性によって一般に決定付けられてもよく、また、この開口158の形状及び特徴は、レンズ形状によって決定付けられる形状及び特徴を超えて更なる技術により変えることができる。
また、開口158が空間フィルタ機能の一部として使用される用途、例えば、多くの光管理機能における用途においては、開口158のエッジでの光カット(膜156のエッジによる光の一部の遮断)又は光損失を減少させあるいは回避するように、用途に関連する開口158のサイズが決定されてもよい。損失光は、形成される開口が、レンズ154を介して層156へと方向付けられる光の十分な通過を可能にするほど十分に大きくないときに引き起こされる場合がある。従来、レンズ154における何らかの収差又は所定の角度から方向付けられる光は、これらの付加された制御方法を有さないプロセスでは、開口158を正確に寸法付けることができるようにするための十分なエネルギを開口形成中に与えない場合があった。本発明のいくつかの実施形態によれば、開口の開度を変えるためにレーザの波長が使用されてもよい。また、開口の開度を変えるために入射ビーム及び/又は複数のビームの角度が使用されてもよい。
また、高速開口形成は、広範囲に渡る商品化をもたらすために望ましい場合もある。焼灼の均一性は、例えば、約30ns未満のパルス幅を有するパルスビーム152の使用によって与えられてもよい。結果として得られるピーク光出力密度は数十メガジュール(mJ)/cm2となる。
いくつかの実施形態において、Spectra Physics Quanta Ray Pro Series 350レーザなどのQスイッチNd:YAGレーザ110の高ピーク出力が投入されてもよい。Qスイッチシステムの出力は、約200msにわたって増大することで一般に良く知られ、数十メガワットのピーク光出力を生じるように約10ns未満のパルス幅へと解放される。
本明細書中で単に「黒」とも称される従来の黒色材料が使用される用途においては、黒層が可視用途における唯一の黒色源となる場合がある。特に、リアプロジェクション、プラズマ、液晶ディスプレイ、及び、他の関連用途で黒色ピクセルを形成するため、ディスプレイ生成技術が画像中に黒を生み出さない場合がある。むしろ、画像中の黒は、通常は光路中に配置される何らかのタイプの黒マトリクスの使用によって形成される場合がある。光がピクセルから消されると、黒マトリクスが観察される。黒マトリクス材料が使用されなければ、観察者は、ディスプレイ生成技術で使用され且つ反射性も有する灰色又は金属色を見る場合がある。コントラストが減少されあるいは最小になる場合があり、また、周囲の光の反射が、画像エンジンによって表面上に形成される画像のウォッシュアウトを引き起こす場合がある。
したがって、周囲光拒絶層を設けてコントラストの形成を助けるため、黒マトリクスによって光を効率的に伝送することができ且つ比較的多量の黒が存在できるようにする黒マトリクスを設けることが望ましい場合がある。一般に、表面上の黒の量が多ければ多いほど、周囲光、画像ウォッシュアウトを拒絶できる能力が高くなるとともに、コントラストが高くなる。つまり、コントラストは、暗室では無限となり得るが、黒が無ければ、光を伴う部屋でコントラストがほとんどない場合がある。したがって、黒色材料は、所望のコントラストを与えるのを助けることができる。同様に、膜が反射性を有する場合あるいは反射性と反射防止性とを兼ね備えている場合、膜は、伝送される光との相互作用によって及び/又は他の電子用途又は誘電用途において機能性を与えることができる。
したがって、(1)所望の空間フィルタ機能を与えることができる能力に影響を与え得る所望の形状、(2)合焦の形状及び特徴又は用途及び膜の使用に関連する所望のサイズ、(3)各レンズについての開口の所望の密度、及び/又は、(4)対応するレンズに関連する所望の位置合わせ、を有する開口を提供することが望ましい場合がある。所望の形状、サイズ、密度、及び/又は、位置合わせは、本発明のいくつかの実施形態にしたがって与えられてもよい。いくつかの実施形態では、いくつかのマイクロレンズ製品にわたって一定の形状、サイズ、密度、及び/又は、位置合わせの開口が設けられてもよい。これらの実施形態では、クレードル140が円筒面セグメントを含んでもよい。パルスレーザビームは、円筒面セグメントに対して略垂直(直交)のままである。つまり、軸144から円筒面セグメント142へのパルスレーザビームの半径は、走査全体に沿って略一定のままであってもよい。また、他の実施形態では、可変の形状、サイズ、密度、及び/又は、位置合わせが与えられてもよい。可変の形状、サイズ、密度、及び/又は、位置合わせが望ましいこれらの実施形態において、円筒面セグメント142は、円筒面セグメントでない凹面と置き換えられてもよい。この場合、所望の可変の形状、サイズ、密度、及び/又は、位置合わせを与えるために、凹面の曲率半径及び/又は該凹面に対する衝突の角度は、位置に伴って変わることができる。
また、他の実施形態は、円筒面セグメントでない凹面を与えてもよく、あるいは、更には平坦面を与えてもよい。これらの実施形態において、表面に対するレーザパルスの略垂直な衝突は、走査面に対して垂直なパルスレーザビームを幅広い距離にわたって維持するためのレンズ及び/又は他の光学素子を使用して行なわれてもよい。例えば、円筒面セグメントでない凹面と共にあるいは更には平坦面と共にf−θレンズが使用されてもよいが、依然として垂直衝突も可能である。当業者に良く知られるように、f−θレンズは、一般に、画像高さが一般のケースのように角度のタンジェントではなく走査角度2に比例するように設計される文書を読み取りあるいは印刷するための走査システムで使用される。
また、本明細書中では、主にクレードル上に配置される長方形基板に関して本発明の実施形態を説明してきた。しかしながら、他の多角形状及び/又は楕円形状の基板が使用されてもよい。更に、本発明の他の実施形態では、連続膜を撮像するため、連続(ウェブ)基板が使用されてクレードルを横切って段階的にあるいは連続様式で移動されてもよい。その後、連続膜は、最終製品にとって望ましい形状へカットされてもよい。
以下の実施例は、単なる例示とみなされるべきであり、本発明を限定すると解釈されるべきではない。
クレードル140は、軸方向の長さが53”、周方向の長さが36”、曲率半径が19.1”の円筒面セグメント142を有するように構成された。円筒面セグメント142は、0.25”サイズの開口432の配列を5/16”ピッチで(千鳥状に)有する14ゲージ厚の有孔スチールプレート430を含んでいた。1インチ当たり60本の糸を有する従来のガラス繊維メッシュスクリーン410と同様に、1インチ厚のポリカーボネートオープンセル発泡体420、例えばUlineによって販売される発泡体が使用された。Spectra Physicsによって販売されるModel H.I.P.P.O. J80−H10−106QWレーザ110が、140,000パルス/秒のパルス周波数で且つ0.14mJのパルスエネルギで使用された。レーザ110から出現するビーム112は直径が0.6mmであり、また、光学トレイン260は、円筒面セグメント142に衝突するための0.5mm直径のビームを供給した。Newport Corporationによって販売されるModel FSM−300 Fast−Steering Mirror (FSM)286が使用された。10辺のポリゴンミラー120が設けられた。この場合、多角形面は0.812”であり、6000rpmの一定の角速度で回転した。したがって、マイクロレンズアレイシートの1スキャン又はラスターが1ミリ秒で達成された。Techno−Iselによって販売されるModel HL31HDMBリニアトランスレータ130が4.5”/分の速度でスライダ236を並進させた。
これらの実施形態は、約10億個の非球面マイクロレンズ(例えば、131,66570μmレンズ/平方インチ)を有する50”×30”のサイズのマイクロレンズアレイシートを約9分で撮像することができた。検査時、目に見える欠陥は見られなかった。
図面及び明細書において本発明の実施形態を開示してきたとともに、特定の用語が使用されているが、これらは、単に包括的で且つ記述的な意味で使用され、限定を目的とするものではなく、本発明の範囲は以下の請求項に記載される。