JP2010287257A - 磁気データ消去方法及び磁気データ消去装置 - Google Patents

磁気データ消去方法及び磁気データ消去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを同一の装置で消去可能とし、且つ安全性の高い磁気データ消去方法、及び当該磁気データ消去方法を採用した磁気データ消去装置を提供する。
【解決手段】コンデンサCとコイルLと直流抵抗成分Rから構成されるコンデンサ放電回路26と、コンデンサCを充電する充電回路25と、磁気記録媒体4を収容する収容部とを備え、コンデンサCとコイルLと直流抵抗成分Rは直列接続されており、コンデンサ放電回路26はR2≦4L/Cを満たし、コンデンサ放電回路26はコイルLに0.6T以上の誘導磁界を少なくとも28msec以上発生させる能力を有し、コイルLが前記収容部を囲む。
【選択図】図4

Description

本発明は、磁気記録媒体に記録された磁気データを消去する磁気データ消去方法、及び当該磁気データ消去方法を採用した磁気データ消去装置に関するものである。
総務省のガイドラインでは、磁気記録媒体に記録された磁気データ(情報)は、磁気記録媒体の初期化を行っただけでは、復元される可能性があり、データ消去ソフトウェア又はデータ消去装置を利用して磁気データ(情報)を消去すること、磁気記録媒体を物理的に破壊すること、及び磁気的な破壊を行うことで、情報の漏えいを防止することが推奨されている。
旧来の磁気記録媒体は、主に水平磁気記録方式で記録されていた。ここで水平磁気記録方式とは、図9(a)に示すように、磁気異方性の方向が基材の表面に水平に配置された面内記録層(磁化膜)に対し、基材の面に平行に向くように着磁する記録方式である。詳しく説明すると、10nm(ナノメートル)程度の大きさの磁気粒子が、基材に対して水平方向に、無数に集まり、小さな磁石がいくつも並べられたようになっている。各々の磁石は水平方向に任意の方向を向く。
なお、磁気異方性とは、物質(結晶)の磁化(磁気モーメントの総和)が特定の方向に向き易い性質をいう。また、磁気異方性の方向と平行な方向が容易軸方向であり、磁気異方性の方向に直交する方向が困難軸方向である。
さらに、磁気記録媒体には、保磁力(抗磁力)と異方性磁界が備わっている。保磁力(抗磁力)とは、磁化の方向を転換させるのに必要な磁界の強さと等価であり、容易軸方向に保磁力以上の磁界を印加することで、磁気記録媒体に着磁が可能となる。一方、異方性磁界とは、スピン(あるいは磁気モーメント)をある方向に揃えようとする磁界の強さであり、磁気記録媒体の結晶の中で特定の方向にスピンを揃えようとする磁気の異方性エネルギーを磁界として表している。
水平磁気記録方式で記録された磁気記録媒体の磁気データを消去する装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている磁気データ消去装置では、図8に示すように、磁気記録媒体50の外部を取り巻くように磁気データ消去用コイル51を配置し、磁気データ消去用コイル51に減衰交番磁界を発生させて消磁することで、水平磁気記録方式の磁気記録媒体50の磁気データを消去できるとされている。
しかし近年、記録容量を増大させる要求から垂直磁気記録方式が開発された。ここで、垂直磁気記録方式とは、図9(b)に示すように、磁気異方性の方向が基材の表面に垂直に配置された垂直記録層(磁化膜)に対し、基材の面に垂直に向くように着磁する記録方式である。詳しく説明すると、10nm(ナノメートル)程度の大きさの磁気粒子が、基材の面に垂直に、無数に集まり、小さな磁石がいくつも並べられたようになっている。各々の磁石は垂直方向に任意の方向を向く。
また、垂直磁気記録方式の垂直記録層(磁化膜)と従来の水平磁気記録方式の面内記録層(磁化膜)とでは、他に磁化膜の厚みが相違する。
すなわち、水平磁気記録方式の面内記録層(磁化膜)の厚みは数十nm〜数百nm(ナノメートル)程度であるのに対し、垂直磁気記録方式の垂直記録層(磁化膜)の厚みは数μm〜数百μm(マイクロメートル)程度と分厚い。
このため、垂直磁気記録方式の磁気データの消去には、水平磁気記録方式の磁気データの消去に比べ、磁化膜の厚みが分厚いため、多大なエネルギー(磁界の強さと十分な印加時間)が必要となる。
なお、垂直磁気記録方式及び水平記録方式共に磁化膜の磁気の保磁力(抗磁力)は、4.5kOe(キロエルステッド)程度であり、磁化膜の異方性エネルギーは、その磁性材料の結晶状態により異なるが、一般的には保磁力より小さいと考えられ、2kOe〜4kOe(キロエルステッド)程度と推測される。
垂直磁気記録方式で記録された磁気記録媒体の磁気データを消去する装置が特許文献2に開示されている。特許文献2に開示されている磁気データ消去装置では、円盤状の磁気記録媒体の表裏面を貫く方向に磁束を発生させることで、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを消去できるとされている。また、特許文献2の磁気データ消去装置では、磁気データ消去用コイルが磁気データ消去装置の入口近傍にまで巻き付けられている。
特開2005−78713号公報 特許第4056074号公報
ところで、特許文献2に開示された磁気データ消去装置では、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを消去することはできるが、同一の装置で、水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを消去することが困難である。そのため、特許文献2では、水平磁気記録方式の磁気記録媒体用の磁気データ消去装置として特許文献2の図1の実施例を開示し、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体用の磁気データ消去装置として特許文献2の図3の実施例を開示している。
特許文献2の実施例について詳しく説明すると、特許文献2の図1では、水平磁気記録方式の磁気記録媒体の周囲を囲うように配置された磁気データ消去用コイルを用いて、容易軸方向である水平方向に、保磁力以上の磁界を印加することで、磁化の方向を転換させて磁気データの消去を行っている。一方、特許文献2の図3では、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体に垂直方向に対向配置された2個の磁気データ消去用コイルを用いて、容易軸方向である垂直方向に、保磁力以上の磁界を印加することで、磁化の方向を転換させて磁気データの消去を行っている。
すなわち、特許文献2の図1と図3とでは、磁気データ消去用コイルの構成が異なるため、特許文献2の磁気データ消去装置を使用する場合には、消去する記録媒体を事前に仕分けし、別々の磁気データ消去装置を用いる必要がある。しかしながら、磁気記録媒体は外観から水平式か垂直式かを判別することが出来ず、いずれであるか型番から調べる必要があり、面倒である。
そのため、どのような形式の磁気記録媒体でも、同一の装置によってデータの消去を行いたいという市場の要求があった。
また、特許文献2の磁気データ消去装置では、磁気データ消去用コイルが磁気データ消去装置の入口近傍にまで巻き付けられていること、磁気データ消去装置の入口が開放されたままであることにより、データ消去動作時に、前記入口付近から磁力が装置外部に漏れ、安全面の問題がある。
さらに、特許文献2の磁気データ消去装置では、筐体に納められた磁気記録媒体を磁気データ消去装置に配置する方法として、筐体の側面部を下向きにし、磁気記録媒体が垂直姿勢になるように配置している。しかし、筐体に納められた磁気記録媒体の姿勢が非常に不安定であり、磁気記録媒体が容易に傾き、正常なデータ消去ができない恐れがある。
本発明は、前記事情に鑑みて提案されるもので、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを同一の装置で消去可能とし、且つ安全性の高い磁気データ消去方法、及び当該磁気データ消去方法を採用した磁気データ消去装置の提供を課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、一定強度の磁界を一定以上の間、保持して磁気記録媒体に印加すると、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体でもデータ消去ができ、水平磁気記録方式の磁気記録媒体でもデータ消去ができることが判った。
この知見に基づいて開発された請求項1に記載の発明は、コンデンサCとコイルLと直流抵抗成分Rから構成されるコンデンサ放電回路と、コンデンサCを充電する充電手段と、磁気記録媒体を収容する収容部とを備え、コンデンサCとコイルLと直流抵抗成分Rは直列接続されており、コンデンサ放電回路は(数式1)を満たし、コンデンサ放電回路はコイルLに0.6T以上の誘導磁界を少なくとも28msec以上発生させる能力を有し、コイルLが前記収容部を囲むことを特徴とする磁気データ消去装置である。
本発明で言う磁気記録媒体とは、垂直記録方式及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体を内蔵したハードディスク、家庭用のVHSテープやDVテープ等の磁気テープ、業務用コンピュータや汎用コンピュータで使用される磁気テープやリムーバブル磁気記録媒体を指す。
本発明の磁気データ消去装置によれば、(数式1)を満たすコンデンサ放電回路内のコンデンサCに充電された電荷をコイルLに印加することで、コイルLに大電流が流れ、0.6T以上の強さを持った誘導磁界が発生する。
この発生した誘導磁界はコンデンサ放電回路の挙動に従い、臨界制動又は減衰振動を呈する。よって、理論的に最高効率の臨界制動に限りなく近い減衰振動の誘導磁界を、磁気記録媒体に少なくとも28msec以上印加することにより、磁気記録層(磁化膜)の容易軸方向に保磁力以上の磁界を加えることができ、さらに磁気記録層(磁化膜)の困難軸方向に異方性エネルギー以上の磁界を加えることができる。
すなわち、磁気記録媒体の種類や向きに関係なく、強い誘導磁界を印加することにより、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体をはじめとした磁気記録媒体に記録された磁気データを消去できる。
臨界制動又は減衰振動について説明すると、図10に示すように、臨界制動40では理論的に最高効率のエネルギー(磁界)を印加できる挙動を示す。ところが、臨界制動40ではエネルギー印加時間をこれ以上延ばすことができない。よって、臨界制動に限りなく近い減衰振動41にすることにより、臨界制動40以上のエネルギー印加時間を確保できる。なお、臨界制動に限りなく近い減衰振動41は、半周期のみマイナス側のエネルギーが印加されても構わない。
これにより、従来の磁気データ消去装置ではできなかった垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データの消去を、本発明では1台の磁気データ消去装置で消去可能である。さらに、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを同時に、1台の磁気データ消去装置で消去することも可能である。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、コンデンサ放電回路はコイルLに0.6T以上の誘導磁界を少なくとも30msec以上発生させる能力を有していることを特徴とする磁気データ消去装置である。
本発明の磁気データ消去装置によれば、コンデンサ放電回路はコイルLに0.6T以上の誘導磁界を少なくとも30msec以上発生させる能力を有しているため、理論的に最高効率の臨界制動に限りなく近い減衰振動の誘導磁界を、磁気記録媒体に少なくとも30msec以上印加することができる。
このことにより、磁気記録層(磁化膜)の容易軸方向に保磁力以上の磁界を確実に加えることができ、さらに磁気記録層(磁化膜)の困難軸方向に異方性エネルギー以上の磁界を確実に加えることができる。
すなわち、磁気記録媒体の種類や向きに関係なく、強い誘導磁界を印加することにより、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体をはじめとした磁気記録媒体に記録された磁気データを確実に消去できる
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、コイルLが磁気データ消去装置内の略中央に配置されたことを特徴とする磁気データ消去装置である。
従来の磁気データ消去装置では、磁気データ消去用コイルが磁気データ消去装置の入口近傍にまで巻き付けられていること、磁気データ消去装置の入口が開放されたままであることにより、データ消去動作時に、前記入口付近から磁力が装置外部に漏れ、安全面で劣っていた。
それに対し、本発明の磁気データ消去装置によれば、コイルLを磁気データ消去装置内の略中央に配置することにより、磁力が磁気データ消去装置の外に漏れることを軽減でき、安全面の向上を図ることができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、コンデンサ放電回路が箱体に収納されており、前記箱体の内側には磁気シールドが配置されていることを特徴とする磁気データ消去装置である。
本発明の磁気データ消去装置によれば、コンデンサ放電回路が箱体に収納されており、前記箱体の内側には磁気シールドが配置されていることから、防磁効果が高く、磁力が磁気データ消去装置の外に漏れることをさらに軽減できる。また、前記箱体を磁気シールドと同素材で構成することにより、より防磁効果を高めることができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明において、磁力測定手段が磁気データ消去装置内に配置されたことを特徴とする磁気データ消去装置である。
本発明の磁気データ消去装置では、磁力測定手段を磁気データ消去装置内に配置したことにより、磁気データ消去装置内の磁界の強さを正確に測定することが可能である。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、磁気データ消去装置はトレーを有し、前記トレー上には前記磁気記録媒体が水平に配置され、前記トレーは収容部に収容されて収容部入口を塞ぎ、前記収容部にはトレーが容易に外れないためのトレー保持手段を有していることを特徴とする磁気データ消去装置である。
従来の磁気データ消去装置では、筐体に納められた磁気記録媒体を磁気データ消去装置に、筐体の側面部を下向きにし、磁気記録媒体が垂直になるように配置している。しかし、筐体に納められた磁気記録媒体の姿勢が非常に不安定であり、磁気記録媒体が容易に傾き、正常なデータ消去ができない恐れがあった。
しかし、本発明の磁気データ消去装置では、トレー上に磁気記録媒体を水平に配置して収容部に収容するため、非常に安定した状態で磁気データの消去が可能であり、より確実にデータ消去ができる。
また、従来の磁気データ消去装置では、磁気データ消去装置の入口が開放されたままであることにより、データ消去動作時に、前記入口付近から磁力が装置外部に漏れ、安全面で劣っていた。
本発明の磁気データ消去装置では、前記収容部に前記トレーを収容して収容部入口を塞ぐことにより、磁力が磁気データ消去装置の外に漏れることをさらに軽減できる。
さらに、本発明の磁気データ消去装置では、収容部にトレーが容易に外れないためのトレー保持手段を有していることにより、磁気データ消去時に磁力による衝撃を受けてもトレーが飛び出すことがなく、安全性が高い。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの発明において、前記トレーが前記収容部に完全に収容されたことを検知できる検知手段を有していることを特徴とする磁気データ消去装置である。
本発明の磁気データ消去装置では、前記トレーが前記収容部に完全に収容されたことを検知できる検知手段を有していることで、トレーの収容が不完全な状態では消磁コイルを作動させないことが可能である。よって、作業途中に誤って消磁コイルから磁界を発生することを防止でき、安全性に優れる。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかの発明において、磁気データ消去装置が電気的に開放された際に、コンデンサCに蓄えられた電荷を放電するための放電手段を有していることを特徴とする磁気データ消去装置である。
本発明の磁気データ消去装置では、停電や電源コードが不用意に外れる等により、磁気データ消去装置が電気的に開放された際に、コンデンサCに蓄えられた電荷を放電するための放電手段を有しているため、感電事故を防止でき、安全性に優れる。
請求項9の発明は、請求項1〜8に記載の磁気データ消去装置を用いることによって、磁気記録媒体の磁気データを消去することを特徴とする磁気データ消去方法である。
本発明の磁気データ消去方法では、請求項1〜8に記載の磁気データ消去装置を用いることによって、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを同一の装置で消去可能とし、且つ安全性の高い磁気データ消去が可能となる。
さらに、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを同時に、1台の磁気データ消去装置で消去することも可能である。
本発明によれば、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データを同一の装置で消去可能とし、且つ安全性の高い磁気データ消去方法、及び当該磁気データ消去方法を採用した磁気データ消去装置を提供することができる。
本発明の実施形態の磁気データ消去装置の斜視図である。 (a)は図1のストッパーが解除状態の磁気データ消去装置の正面図であり、(b)はストッパーがロック状態の磁気データ消去装置の正面図である。 (a)は図1のトレーの斜視図であり、(b)はボビン及びボビンに巻かれたコイルの斜視図であり、(c)は磁気シールドの斜視図である。 図1の磁気データ消去装置の電気回路図である。 図4のコンデンサ放電回路の等価回路図である。 図4のコンデンサ放電回路のコイルから発生した誘導磁界の波形写真である。 (a)は磁気データ消去前の垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気力顕微鏡写真であり、(b)は磁気データ消去後の垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気力顕微鏡写真である。 従来の水平磁気記録方式で記録された磁気記録媒体の磁気データ消去装置の概略構成図である。 (a)は水平磁気記録方式の磁気記録媒体の断面模式図であり、(b)は垂直記録方式の磁気記録媒体の断面模式図である。 エネルギー(磁界)の臨界制動及び臨界制動に限りなく近い減衰振動の波形図である。 (a)は磁気データ消去前の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図であり、(b)は磁気データ消去中の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図であり、(c)は磁気データ消去後の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図である。 (a)は磁気データ消去前の垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図であり、(b)は磁気データ消去中の垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図であり、(c)は磁気データ消去後の垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図である。 (a)〜(c)は、垂直磁気記録方式のハードディスクに対応していない磁気データ消去装置を用いて、垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気データを消去した際の磁気粒子の挙動を示す垂直磁気記録方式のハードディスクの断面模式図である。 (a)は、磁界を印加した瞬間の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の平面模式図であり、(b)は、磁界を印加中の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の平面模式図である。
本発明の実施形態の磁気データ消去方法、及び当該磁気データ消去方法を採用した磁気データ消去装置の構成について、図面を参照しながら説明する。なお、説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本願発明が制限して理解されるべきではない。
図1において、磁気データ消去装置1は、鉄等の導電性素材で構成された筐体2を有し、後述する磁気記録媒体3を出し入れするためのトレー3を備えている。
筐体2は、導電性素材で構成されているため、磁気遮蔽効果に優れ、より防磁効果を高めることができる。
トレー3は、うず電流を発生しにくく、且つ磁化されにくく、さらに耐衝撃性に優れるチタン等の常磁性体の金属で構成されることが望ましい。トレー3は、筐体2の収容部6に収容される。収容部6はパソコン(パーソナルコンピュータ)が収容できる容量であっても構わない。なお、収容部6が大容量化される際には、磁気データ消去装置1自体が大型化されるため、筐体2にキャスター等を装着しても構わない。
図1、図2(a)、(b)に示すように、筐体2には、ストッパー8(トレー保持手段)を備えている。トレー3を収容部6から出し入れする際には、ストッパー8は図2(a)に示すように解除状態にしておく。磁気データ消去時には、ストッパー8は図2(b)に示すようにロック状態にしておく。
なお、ストッパー8は、筐体2とトレー3が容易に外れないための役割を果たすものであり、どのような形状及び構成でも構わない。
トレー3には、図3(a)に示すように磁気記録媒体4が搭載される。また、図3(b)に示すように磁気データ消去装置1内には、トレー3を収容するためのボビン5が配置されている。ボビン5は、変性アクリル樹脂やポリカーボネート等の強固な樹脂等の絶縁性素材で構成される。なお、ボビン5は、中空となっており、中空の部分が収容部6を構成している。
ボビン5には、図3(b)に示すようにコイルLが、収容部6の奥側に何重にも巻かれ、コイルLが磁気データ消去装置1内の略中央に配置される。つまり、コイルLは、筐体2の収容部6の入口付近には配置しないこととし、少なくとも、収容部6の入口から4cm以内にはコイルLを配置しないことが望ましい。
また、図3(c)に示すように、ボビン5及びコイルLの周囲には、磁気シールド7が配置されている。磁気シールド7は、磁気遮蔽性に優れた導電性素材であることが望ましい。
つぎに、図4の磁気データ消去装置1の電気回路図に基づいて、電気回路構成について説明する。本発明の磁気データ消去方法は、図4に示す磁気データ消去回路10を用いて実施する。磁気データ消去回路10は、商用電源11、昇圧整流回路12、充電制御リレー13、コンデンサC、放電抵抗15(放電手段)、放電管16、コイルL、放電スイッチ17、トレー検知スイッチ18(検知手段)、磁力検知コイル19、磁力検知装置20、制御装置21を備えている。
商用電源11と、昇圧整流回路12と、充電制御リレー13と、放電管16と、コンデンサCとから充電回路25(充電手段)が構成される。昇圧整流回路12は、コンデンサCを急速で充電できるだけの高電圧を発生させることができる回路であり、4倍半波整流回路以上の回路で構成されることが望ましい。
充電制御リレー13は、制御装置21からの指令信号により動作し、コンデンサCが充電されるまで充電制御リレー13がオンとなり、コンデンサCが完全に充電されると充電制御リレー13はオフとなる。
放電管16は、充電回路25が何らかの異常で過充電となる場合や、外部からの落雷サージ等の異常電圧が充電回路25に加わった場合等に、異常電圧を検知して、放電するための安全装置である。
コンデンサCと、放電抵抗15(放電手段)と、コイルLと、放電スイッチ17とからコンデンサ放電回路26が構成される。コンデンサCは、電荷(電圧)を十分貯めることができる容量を持つことが望ましく、6,000〜20,000μF(マイクロファラッド)程度であることとする。コイルLは0.6T(テスラ)以上の誘導磁界を発生する能力を持ち、導電性に優れた丸形の電線を紙等の耐熱且つ絶縁素材で覆った巻線等であることが望ましく、0.1〜20mH(ミリヘンリー)程度であることとする。また、コイルLは、誘導磁界を30msec以上発生させても耐えうる素材で構成されることが望ましい。
なお、放電抵抗15は、停電や電源コードが不用意に外れる等により、磁気データ消去装置1が電気的に開放され制御不能となった際に、コンデンサCに蓄えられた電荷を放電するための放電手段であり、上記の異常時のみ動作する。
また、コンデンサ放電回路26は、図5に示すような等価回路28で表すことができる。なお、等価回路28では、放電抵抗15は省略するものとする。
コンデンサ放電回路26の直流抵抗成分をRとすると、等価回路28はRLC直列回路となる。等価回路28(コンデンサ放電回路26)に加わる電圧をE、コンデンサCの電圧をvとすると、RLC直列回路は、下記の(数式2)の状態方程式となる。
(数式2)の同次方程式は、下記の(数式3)となる。
(数式3)の一般解を求めるため、v=Kextとすると、下記の(数式4)の特性方程式となる。
(数式4)の解は、A=R/2L、B=1/√(LC)として、解の方程式より求めると(数式5)となる。ここで√(LC)は(LC)の平方根である。
(数式5)において、臨界制動又は減衰振動となるA≦Bの条件を回路定数で置き換えると、下記の(数式1)となる。
よって、コンデンサ放電回路26の直流抵抗成分Rと、コンデンサCと、コイルLとが(数式1)を満たす場合に、コンデンサ放電回路26は臨界制動又は減衰振動となる。本発明の磁気データ消去装置1では(数式1)を満たすように、コンデンサ放電回路26の直流抵抗成分Rと、コンデンサCと、コイルLとが調整されているものとする。本実施形態では、直流抵抗成分Rは0.1〜20Ω(オーム)に調整されている。
トレー検知スイッチ18(図4)は、トレー3が磁気データ消去装置1に完全に収容されたことを検知するための手段であり、トレー検知スイッチ18の検知信号が制御装置21に送られないと、磁気データ消去装置1による磁気の印加が行われないように制御装置21は設定されている。
磁力検知コイル19は、コイルLに誘導磁界が発生したことと磁界の強さ(磁力)を検知するためのものであり、磁力検知コイル19と磁力検知装置20とによって磁力測定手段30を構成している。なお、磁力測定手段30は、磁気データ消去装置1内のコイルL近傍に配置されている。
制御装置21は、磁気データ消去装置1を制御するためのものであり、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)やマイコン(マイクロプロセッサによるコントローラ)等で構成されることが望ましい。なお、制御装置21に液晶表示器等を接続し、磁気データ消去装置1の動作状態や、磁力測定手段30で測定した磁界の強さ(磁力)を液晶表示器に表示させる構成を有しても構わない。
つぎに、本発明の実施形態の磁気データ消去装置1における、磁気データ消去方法について、図面を参照しながら説明する。
図3(a)のように、トレー3に磁気記録媒体4が水平に載せられ、磁気データ消去装置1に収容されると、トレー3及び磁気記録媒体4は、図3(b)のようにコイルLで囲まれたボビン5に収容され、図4に示すトレー検知スイッチ18がオンとなる。すると、トレー検知スイッチ18の検知信号が制御装置21に送られる。制御装置21は、この信号を受け、昇圧整流回路12及び充電制御リレー13に動作指令信号を送り、コンデンサCの充電が開始される。
制御装置21には予め、コンデンサCの電圧値が所定の値に設定されており、コンデンサCの電圧値が所定の値に達すると充電制御リレー13はオフとなり、コンデンサCの充電が完了する。この時、充電制御リレー13がオフとなることによって、充電回路25とコンデンサ放電回路26は電気的に絶縁された状態となる。
コンデンサ放電回路26において、放電スイッチ17をオンにすると、コンデンサCに充電された電荷(電圧)がコイルLに印加され、コイルLが誘導磁界を発生する。コイルLで発生した誘導磁界は、コイルLで囲まれた磁気記録媒体4に印加される。
コイルLは、0.6T以上の誘導磁界を発生する能力を有し、誘導磁界を30msec以上発生させても耐えうる素材で構成されており、さらにコンデンサ放電回路26の直流抵抗成分Rと、コンデンサCと、コイルLとが(数式1)を満たすように調整されていることから、理論的に最高効率の臨界制動に限りなく近い減衰振動の0.6T(テスラ)以上の誘導磁界が、磁気記録媒体4に28msec以上印加される。
磁気記録媒体4が垂直磁気記録方式である場合には、困難軸方向に異方性エネルギー以上の磁界が加わると、磁気記録媒体4のスピン(あるいは磁気モーメント)は、誘導磁界が印加された方向に平行となるように一定に揃えられる。磁界の印加が終わると、磁気記録媒体4のスピン(あるいは磁気モーメント)の方向は、各々ランダムとなる。
一方、磁気記録媒体4が水平磁気記録方式である場合には、容易軸方向に保磁力以上の磁界が加わると、磁気記録媒体4のスピン(あるいは磁気モーメント)は、誘導磁界が印加された方向に平行となるように一定に揃えられる。磁界の印加が終わった後も、磁気記録媒体4のスピン(あるいは磁気モーメント)の方向は、誘導磁界が印加された方向に一定に揃えられたままとなる。
すなわち、磁気記録媒体4の種類や向きに関係なく、強い誘導磁界を印加することにより、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体4をはじめとした磁気記録媒体に記録された磁気データを消去できる。
これにより、従来の磁気データ消去装置ではできなかった垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体の磁気データの消去を、本発明の磁気データ消去方法を備えた磁気データ消去装置1では、1台の装置で消去可能である。
さらに、垂直及び水平磁気記録方式の磁気記録媒体を同時に、1台の磁気データ消去装置で消去することも可能である。
本発明の磁気データ消去装置1を用いて、垂直磁気記録方式のハードディスク(磁気記録媒体)の磁気データの消去を実施した。被試験物として、ウェスタンデジタル社製の320GB(ギガバイト)の垂直磁気記録方式のハードディスクを用いた。
図6は、コンデンサ放電回路26におけるコイルLから発生した誘導磁界の波形写真である。なお、波形の縦軸が電圧kVであり、磁界の強さTも等価的に同等と考えられる。横軸が時間msecであり、電圧測定用のプローブは1:1000のものを用いた。本実施例では、理論的に最高効率の臨界制動に限りなく近い減衰振動の0.6T以上の誘導磁界を、垂直磁気記録方式のハードディスクに30msec印加した。
図7(a)は磁気データ消去前に撮影した垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気力顕微鏡(Magnetic Force Microscope)写真であり、図7(b)は磁気データ消去後に撮影した垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気力顕微鏡写真である。
この結果、本発明の磁気データ消去装置1によって、ウェスタンデジタル社製の320GBの垂直磁気記録方式のハードディスク上の磁気データが消去されたことを確認した。
なお、磁気データ消去装置1が発生する誘導磁界の時間を10msec、15msec、20msec、25msecに設定し、垂直磁気記録方式のハードディスクに印加したが、磁気データの消去は不完全であることを確認した。
この結果から、少なくとも28msec以上の誘導磁界の印加が必要と判断した。
また、水平磁気記録方式のハードディスクについても、本発明の磁気データ消去装置1を用いて、磁気データの消去を実施した結果、磁気データが消去されたことを確認した。
なお、その他の磁気記録媒体についても同様に本発明の磁気データ消去装置1を用いて、磁気データの消去を実施した結果、磁気データが消去されたことを確認した。
本発明の磁気データ消去装置1の磁気データ消去の原理について、詳細に説明する。
図11(a)は磁気データ消去前の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図であり、図11(b)は磁気データ消去中の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図であり、図11(c)は磁気データ消去後の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図である。
図11(a)に示すように各々磁化された磁気粒子60は、磁気データ消去装置1で発生させた磁界70の影響を受け、図11(b)に示すように磁界70と同じ方向に磁化される。水平磁気記録方式のハードディスクは、磁気異方性(磁気粒子の磁化が容易な方向)が水平方向であるため、図11(c)に示すように磁気データ消去後も、磁気粒子60は磁界70と同じ方向に着磁されたままとなる。この結果、磁気記録層の磁気データは完全に消去(破壊)され、再度復旧することは不可能となる。
つぎに、図12(a)は磁気データ消去前の垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図であり、図12(b)は磁気データ消去中の垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図であり、図12(c)は磁気データ消去後の垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図である。
図12(a)に示すように各々磁化された磁気粒子61は、磁気データ消去装置1で発生させた磁界71の影響を受け、図12(b)に示すように磁界71と同じ方向に磁化される。この時、垂直磁気記録方式のハードディスクは、磁気異方性(磁気粒子の磁化が容易な方向)が垂直方向であるため、磁気異方性エネルギーを超える磁界を磁気異方性に直交する方向に印加している。この磁気異方性に直交する方向に磁界71を印加するという発想は、従来のいずれの磁気データ消去装置にも見当たらないものであり、画期的な発想である。
磁気データ消去後、磁気粒子61は図12(c)に示すように磁気異方性の方向である垂直方向を向く。各々の磁気粒子61は、周囲の環境等に影響を受けながら、垂直方向(磁気異方性の方向)にランダムな向きに安定する。この結果、磁気記録層の磁気データは完全に消去(破壊)され、再度復旧することは不可能となる。
なお、垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層は、水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層に比べ、非常に分厚い。これは、垂直磁気記録方式のハードディスクが垂直に磁気異方性を持つため、水平磁気記録方式のハードディスクに比べ、垂直方向の厚みが必要となる。実際の製品では、垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の厚みは、水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の数十倍から数百倍である。
このため、垂直磁気記録方式のハードディスクに対応していない磁気データ消去装置(図示せず)を用いて、垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気データを消去すると、図13(a)〜図13(c)の垂直磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の断面模式図に示すような磁気粒子の挙動となると考えられる。
すなわち、図13(a)に示すように各々磁化された磁気粒子62は、垂直磁気記録方式のハードディスクに対応していない磁気データ消去装置(図示せず)で発生させた磁界72の影響を受け、図12(b)に示すように磁気記録層の表面付近のみ磁界72と同じ方向に磁化されるが、それ以外の磁気粒子62は残留磁気粒子63として元の磁化の方向を維持する。この結果、図13(b)に示すように磁界72の印加が無くなると、残留磁気粒子63の影響を受けて磁気粒子62の向きは、磁気データ消去前の方向になる。すなわち、磁気データが消去できていない。
磁気データが消去できない原因として、垂直磁気記録方式のハードディスクに対応していない磁気データ消去装置(図示せず)による磁界発生時間不足が考えられる。つまり、垂直磁気記録方式のハードディスクに対応していない磁気データ消去装置(図示せず)は、主に水平磁気記録方式のハードディスク等を対象としているため、磁気データ消去時の発生磁力は、磁気粒子62の保磁力を上回ると考えられるが、トータル的エネルギー(磁界印加時間)が不足しているため、磁気データ消去が不完全となり、残留磁気粒子63の影響により、磁気記録内容が元通りに戻り、データ消去の失敗となる。
図14(a)は、磁界73を印加した瞬間の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の平面模式図である。図14(a)に示すように磁界73の方向に対し、平行な磁気粒子64と、直行する磁気粒子65があり、磁界73を印加した瞬間は、各々の磁気粒子は直ぐに向きを変えない。
図14(b)は、磁界73を印加中の水平磁気記録方式のハードディスクの磁気記録層の平面模式図である。本発明の磁気データ消去装置1は、垂直及び水平磁気記録方式のどちらの磁気記録媒体にも対応しているため、磁界73を印加し続けると、図14(b)に示すように磁気粒子64と磁気粒子65は、磁界73の方向と同じ方向に磁化される。
つまり、本発明の磁気データ消去装置1では、1回の誘導磁界の印加で、磁気データの消去が可能である。すなわち、磁気記録媒体の向きに関係なく、磁気データの消去が可能であるため、磁気テープやリムーバブル磁気記録媒体等あらゆる磁気記録媒体を1回の誘導磁界の印加で、磁気データの消去を行うことができる。
本実施形態では、ボビン5には、図3(b)に示すように、コイルLを収容部6の奥側に巻くことにより、コイルLが磁気データ消去装置1内の略中央に配置される。このことにより、磁力が磁気データ消去装置1の外に漏れることを軽減でき、安全面の向上を図ることができる。
また、ボビン5及びコイルLの周囲には、磁気シールド7が配置されている。磁気シールド7が配置されることにより、コイルLからの誘導磁界を防磁する効果が高く、磁力が磁気データ消去装置1の外に漏れることをさらに軽減できる。
本実施形態では、収容部6にトレー3を収容して収容部6の入口を塞ぐことにより、磁力が磁気データ消去装置1の外に漏れることをさらに軽減できる。
本実施形態では、磁力測定手段30を磁気データ消去装置1内のコイルL近傍に配置したことにより、磁気データ消去装置1内の磁界の強さを正確に測定することが可能である。
本実施形態では、トレー検知スイッチ18は、トレー3が磁気データ消去装置1に完全に収容されたことを検知するための手段であり、トレー検知スイッチ18の検知信号が制御装置21に送られないと、磁気データ消去装置1による磁気放電が行われないように制御装置21は設定されている。このことにより、トレー3の収容が不完全な状態ではコイルLを作動させないことが可能である。よって、作業途中に誤ってコイルLから磁界を発生することを防止でき、安全性に優れる。
本実施形態では、放電抵抗15は、停電や電源コードが不用意に外れる等により、磁気データ消去装置1が電気的に開放され、制御不能となった際に、コンデンサCに蓄えられた電荷を放電するための放電手段であり、感電事故を防止でき、安全性に優れる。
なお、放電抵抗15の代わりに、放電回路を用いても構わない。
1 磁気データ消去装置
4 磁気記録媒体
6 収容部
25 充電回路(充電手段)
26 コンデンサ放電回路
C コンデンサ
L コイル
R 直流抵抗成分

Claims (9)

  1. コンデンサCとコイルLと直流抵抗成分Rから構成されるコンデンサ放電回路と、コンデンサCを充電する充電手段と、磁気記録媒体を収容する収容部とを備え、コンデンサCとコイルLと直流抵抗成分Rは直列接続されており、コンデンサ放電回路は(数式1)を満たし、コンデンサ放電回路はコイルLに0.6T以上の誘導磁界を少なくとも28msec以上発生させる能力を有し、コイルLが前記収容部を囲むことを特徴とする磁気データ消去装置。
  2. コンデンサ放電回路はコイルLに0.6T以上の誘導磁界を少なくとも30msec以上発生させる能力を有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気データ消去装置。
  3. コイルLが磁気データ消去装置内の略中央に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気データ消去装置。
  4. コンデンサ放電回路が箱体に収納されており、前記箱体の内側には磁気シールドが配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
  5. 磁力測定手段が磁気データ消去装置内に配置されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
  6. 磁気データ消去装置はトレーを有し、前記トレー上には前記磁気記録媒体が水平に配置され、前記トレーは収容部に収容されて収容部入口を塞ぎ、前記収容部にはトレーが容易に外れないためのトレー保持手段を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
  7. 前記トレーが前記収容部に完全に収容されたことを検知できる検知手段を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
  8. 磁気データ消去装置が電気的に開放された際に、コンデンサCに蓄えられた電荷を放電するための放電手段を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
  9. 請求項1〜8に記載の磁気データ消去装置を用いることによって、磁気記録媒体の磁気データを消去することを特徴とする磁気データ消去方法。
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