JP2010284515A - 睫毛化粧用器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い操作性を備えた睫毛化粧用器具を提供する。
【解決手段】連結部12により弾性変位可能に連結された棒状体11−1および棒状体11−2の端部付近の部分である狭持部111−1および狭持部111−2に、棒状体11の長手方向に対し放射状に植毛された多数の毛からなるブラシ13−1およびブラシ13−2が設けられている。外部から力を加えない状態において、狭持部111−1と狭持部111−2との距離は一定に維持される。外部から狭持部111−1と狭持部111−2を閉じる方向に所定以上の強さの力が加えられると、狭持部111−1と狭持部111−2はその力の強さに応じた強さで被狭持物を狭持する。
【選択図】図1
【解決手段】連結部12により弾性変位可能に連結された棒状体11−1および棒状体11−2の端部付近の部分である狭持部111−1および狭持部111−2に、棒状体11の長手方向に対し放射状に植毛された多数の毛からなるブラシ13−1およびブラシ13−2が設けられている。外部から力を加えない状態において、狭持部111−1と狭持部111−2との距離は一定に維持される。外部から狭持部111−1と狭持部111−2を閉じる方向に所定以上の強さの力が加えられると、狭持部111−1と狭持部111−2はその力の強さに応じた強さで被狭持物を狭持する。
【選択図】図1
Description
本発明は、睫毛の整形およびマスカラの塗布のための器具に関する。
美容のために、睫毛をカールさせたいと思う人は少なくない。そのため、ビューラと呼ばれる器具が広く用いられている。なお、ビューラは、アイラッシュ・カーラーもしくは睫毛カーラーとも呼ばれる。
広く用いられているビューラのあるものは、睫毛のカール方向に湾曲した凹形状の弾性体と、それと噛み合うように湾曲した凸形状の弾性体とを備え、西洋バサミのハンドルと類似のハンドルをユーザが操作すると、その操作に応じて2個の弾性体が上下に開閉する構造を有している。そのような構造のビューラ(以下、「ハサミ型ビューラ」と呼ぶ)を用いる場合、ユーザはハンドルを操作し睫毛を上下から弾性体の対により挟み込み、その圧力によって睫毛をカールさせる。
広く用いられている他のタイプのビューラは、ホットビューラと呼ばれるもので、毛足の短いブラシを有する歯ブラシに類似の形状を備えている。ホットビューラのブラシの基部にはヒーターが設けられ、例えば上目蓋の睫毛を上向きにカールさせる場合、ユーザはブラシの基部で睫毛の根元付近を下から上方向に持ち上げ、しばらくその状態を維持する。その結果、睫毛に根元から上向くクセがつき、正面から見た睫毛が美しく見える。なお、ホットビューラのブラシは、睫毛を梳かす役割も果たす。
一方、美容のために、睫毛を長く見せたい、もしくは睫毛の色を変えたい、と思う人も少なくない。そのため、マスカラと呼ばれる液体、固体もしくはクリーム状の塗布剤を、マスカラブラシと呼ばれる器具を用いて睫毛に塗布することが広く行われている。広く用いられているマスカラブラシは、棒状の本体部の一方の先端付近に、本体の軸から放射状に広がる毛足の短いブラシを設けた構造を有している。
ユーザは、好みの色や粘性等の品質を備えたマスカラを付着させたマスカラブラシを睫毛の表面に撫でつけることにより、マスカラを睫毛の表面に塗布する。通常、上目蓋の睫毛に関しては、ユーザは、まず睫毛の上側にマスカラを塗布した後、睫毛の下側にマスカラを塗布する。上目蓋の睫毛は上方向に向くことが望ましいため、睫毛を下側から持ち上げるようにマスカラを塗布し、マスカラをその状態で乾燥させることで、望ましい睫毛の状態を維持させるためである。
一方、下目蓋の睫毛に関しては、下側にマスカラを塗布することはあまり行われていない。睫毛と下目蓋との間の空間が狭いため、ユーザにとって、マスカラブラシを睫毛と下目蓋との間に差し入れることが容易ではないためである。従って、ユーザは、睫毛の上側のみにマスカラを塗布する。その際、睫毛が下側を向いた状態となり、マスカラがその状態で乾燥することにより、望ましい睫毛の状態が維持される。
なお、マスカラの多くは塗布剤に繊維を混合した組成を有している。そのため、マスカラブラシによりマスカラが睫毛に塗布される際に睫毛の先に睫毛の延長方向に伸びるように繊維が付着するため、睫毛が長くなったように見える。その結果、ユーザはマスカラの塗布により、睫毛の色の変更に加え、睫毛の見た目の長さを長くすることができる。
上述したビューラとマスカラブラシは、美容のために睫毛を化粧(以下、睫毛にカールを付すこと、および睫毛にマスカラを塗布すること、の両方を総称する言葉として「化粧」という言葉を用いる)するための器具という点で互いに関連している。すなわち、ユーザは、ビューラによりカールした睫毛に対し、マスカラブラシによりマスカラを塗布することにより、さらにその形状を整え、また見た目の長さを長くした上で、マスカラを乾燥させることにより、その形状を長時間維持させる。
このように、互いに関連するビューラとマスカラブラシの機能を同時に持たせた睫毛用化粧器具も提案されている。例えば、特許文献1には、西洋バサミと似た形状の本体を有し、ハサミの2本の刃の各々の先端付近にマスカラブラシが備えるものと同様の放射状に伸びる毛足の短いブラシを設けた器具が提案されている。
特許文献1に開示の器具によれば、ユーザは睫毛をカールさせる動作と、睫毛にマスカラを塗布する動作を同時に行うことができる。従って、睫毛の化粧をビューラおよびマスカラブラシにより個別に行う場合と比較し、短時間で睫毛に対する化粧を行うことができる。
また、特許文献1に開示の器具によれば、睫毛が上下からマスカラの付着したブラシにより挟み込まれつつ化粧されるため、睫毛の一方の側からマスカラが塗布される場合と比較し、睫毛に対しマスカラがしっかりと付着するとともに、マスカラが睫毛に多く付き過ぎる、マスカラを睫毛に付着させるための力によって睫毛の形状が意図しない形状に変形する、といった不都合が回避される。
なお、特許文献1に開示の器具により睫毛の整形が行われる場合、睫毛に対する加熱は行われないため、ホットビューラにより睫毛の整形が行われる場合のように、睫毛が熱により痛むこともない。
特許文献1に開示の器具は、西洋バサミのハンドルと同様のハンドルを備えるため、少なくとも、睫毛に対する化粧という極めて繊細な処理を行うには操作性が十分でない、という問題がある。
本発明は、上述した特許文献1に開示の器具が備える望ましい効果を維持しつつ、十分な操作性を備えた睫毛化粧用器具を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明は、
第1の棒状体と、
前記第1の棒状体に対し開閉可能に連結された第2の棒状体と、
前記第1の棒状体と前記第2の棒状体が閉じた状態において、前記第1の棒状体の一部である第1の狭持部の前記第2の棒状体に対向する側面から前記第2の棒状体に向かう方向に突起する複数の突起部と
を備え、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体に対し外部から力が加えられない状態において、前記第1の狭持部と、前記第1の棒状体の一部であり前記第1の狭持部に対向する部分である第2の狭持部との間に所定距離以上の間隔が開き、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部との間で被狭持物の狭持が行われない開状態が維持され、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体に対し前記第1の棒状体と前記第2の棒状体とが互いに接近する方向に外部から力が加えられた場合、当該外部からの力の大きさに応じた強さで、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部との間で被狭持物の狭持が行われる閉状態となる
睫毛化粧用器具
を提供する(第1の実施態様)。
第1の棒状体と、
前記第1の棒状体に対し開閉可能に連結された第2の棒状体と、
前記第1の棒状体と前記第2の棒状体が閉じた状態において、前記第1の棒状体の一部である第1の狭持部の前記第2の棒状体に対向する側面から前記第2の棒状体に向かう方向に突起する複数の突起部と
を備え、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体に対し外部から力が加えられない状態において、前記第1の狭持部と、前記第1の棒状体の一部であり前記第1の狭持部に対向する部分である第2の狭持部との間に所定距離以上の間隔が開き、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部との間で被狭持物の狭持が行われない開状態が維持され、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体に対し前記第1の棒状体と前記第2の棒状体とが互いに接近する方向に外部から力が加えられた場合、当該外部からの力の大きさに応じた強さで、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部との間で被狭持物の狭持が行われる閉状態となる
睫毛化粧用器具
を提供する(第1の実施態様)。
上記第1の実施態様の好ましい態様において、
前記第1の棒状体の一端と前記第2の棒状体の一端とは互いに連結され、
前記第1の棒状体の前記一端と前記第2の棒状体の前記一端とが互いに連結されている部分である連結部は弾性を有し、
前記第1の狭持部は、前記第1の棒状体の前記一端とは異なる他端側に位置し、
前記第2の狭持部は、前記第2の棒状体の前記一端とは異なる他端側に位置し、
前記第1の棒状体の前記一端と前記他端との間の部分と、前記第2の棒状体の前記一端と前記他端との間の部分に対し、前記第1の棒状体と前記第2の棒状体とが互いに接近する方向に外部から力が加えられた場合、前記連結部を支点とし、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部が互いに接近するように移動する結果、前記閉状態となる
ように構成されていてもよい(第2の実施態様)。
前記第1の棒状体の一端と前記第2の棒状体の一端とは互いに連結され、
前記第1の棒状体の前記一端と前記第2の棒状体の前記一端とが互いに連結されている部分である連結部は弾性を有し、
前記第1の狭持部は、前記第1の棒状体の前記一端とは異なる他端側に位置し、
前記第2の狭持部は、前記第2の棒状体の前記一端とは異なる他端側に位置し、
前記第1の棒状体の前記一端と前記他端との間の部分と、前記第2の棒状体の前記一端と前記他端との間の部分に対し、前記第1の棒状体と前記第2の棒状体とが互いに接近する方向に外部から力が加えられた場合、前記連結部を支点とし、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部が互いに接近するように移動する結果、前記閉状態となる
ように構成されていてもよい(第2の実施態様)。
上記第1もしくは第2の実施態様の好ましい態様において、
前記第1の狭持部は、前記第2の狭持部と対向する側の側面に関し前記第2の狭持部に対し凸に湾曲し、
前記突起部の各々は、前記第1の狭持部の前記第2の狭持部と対向する側の側面と、前記第1の狭持部の長手方向に対し垂直な平面との交線上に帯状に突起している
ように構成されていてもよい(第3の実施態様)。
前記第1の狭持部は、前記第2の狭持部と対向する側の側面に関し前記第2の狭持部に対し凸に湾曲し、
前記突起部の各々は、前記第1の狭持部の前記第2の狭持部と対向する側の側面と、前記第1の狭持部の長手方向に対し垂直な平面との交線上に帯状に突起している
ように構成されていてもよい(第3の実施態様)。
また、上記第3の実施態様の好ましい態様において、
前記第2の狭持部は、前記第1の狭持部と対向する側の側面に関し前記第1の狭持部に対し凹に湾曲し、
前記第2の狭持部の前記第1の狭持部と対向する側の側面上には、前記第1の棒状体と前記第2の棒状体が閉じられた状態において前記複数の突起部を各々受容する複数の帯状の溝である溝部を備える
ように構成されていてもよい(第4の実施態様)。
前記第2の狭持部は、前記第1の狭持部と対向する側の側面に関し前記第1の狭持部に対し凹に湾曲し、
前記第2の狭持部の前記第1の狭持部と対向する側の側面上には、前記第1の棒状体と前記第2の棒状体が閉じられた状態において前記複数の突起部を各々受容する複数の帯状の溝である溝部を備える
ように構成されていてもよい(第4の実施態様)。
また、上記第1乃至第4のいずれかの実施態様の好ましい態様において、
前記第1の棒状体と前記第2の棒状体は各々、1本の樹脂製の棒状体の長手方向中央において二つ折りにした一方と他方であり、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体の各々の互いに連結されている側の端部から所定の長さ部分が互いに開閉不可能に固定されている
ように構成されていてもよい(第5の実施態様)。
前記第1の棒状体と前記第2の棒状体は各々、1本の樹脂製の棒状体の長手方向中央において二つ折りにした一方と他方であり、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体の各々の互いに連結されている側の端部から所定の長さ部分が互いに開閉不可能に固定されている
ように構成されていてもよい(第5の実施態様)。
また、上記第1乃至第5のいずれかの実施態様の好ましい態様において、
前記第1の狭持部は、前記第1の棒状体の長手方向に対し所定の形状で湾曲しており、
前記第2の狭持部は、前記閉状態において前記第1の狭持部の形状に沿うように、前記第2の棒状体の長手方向に対し所定の形状で湾曲している
構成としてもよい(第6の実施態様)。
前記第1の狭持部は、前記第1の棒状体の長手方向に対し所定の形状で湾曲しており、
前記第2の狭持部は、前記閉状態において前記第1の狭持部の形状に沿うように、前記第2の棒状体の長手方向に対し所定の形状で湾曲している
構成としてもよい(第6の実施態様)。
また、上記第1乃至第6のいずれかの実施態様の好ましい態様において、
前記第1の狭持部の素材は、前記第1の棒状体の前記第1の狭持部以外の部分の素材と比較し、同じ形状および同じ大きさにおいて低い剛性を示し、
前記第2の狭持部の素材は、前記第2の棒状体の前記第2の狭持部以外の部分の素材と比較し、同じ形状および同じ大きさにおいて低い剛性を示す
構成としてもよい(第7の実施態様)。
前記第1の狭持部の素材は、前記第1の棒状体の前記第1の狭持部以外の部分の素材と比較し、同じ形状および同じ大きさにおいて低い剛性を示し、
前記第2の狭持部の素材は、前記第2の棒状体の前記第2の狭持部以外の部分の素材と比較し、同じ形状および同じ大きさにおいて低い剛性を示す
構成としてもよい(第7の実施態様)。
本発明の第1の実施態様によれば、ユーザは、狭持部から伸びるブラシにマスカラを付着させた後、指先で睫毛化粧用器具を摘む動作により睫毛を少なくとも一方に突起部を備えた1対の狭持部で挟みつつ回転させ、睫毛化粧用器具を睫毛から引き離すことにより、睫毛にカールを付けると同時に、マスカラの塗布も行うことができる。
本発明の第1の実施態様にかかる睫毛化粧用器具は、ユーザが力を加えない状態において開状態が維持される。すなわち、ユーザは器具を開状態にするために、狭持部を開く方向に力を加える必要がない。そのため、本発明の第1の実施態様にかかる睫毛化粧用器具は西洋バサミのハンドルのような環状部を備える必要がない。従って、ユーザは指先の自由を環状部により拘束されることがない。また、西洋バサミのハンドルを扱う場合には、ユーザは通常、親指、人差し指、中指の3本の指を用いる必要があるが、本発明の第1の実施態様にかかる睫毛化粧用器具を扱う場合、ユーザは親指と人差し指、もしくは親指と中指の2本の指を用いれば足りる。さらに、西洋バサミのハンドルを扱う場合には、ユーザは指の第1間接付近でハンドルを保持する必要があるが、本発明の第1の実施態様にかかる睫毛化粧用器具を扱う場合、ユーザは指先でハンドルを保持することができる。これらの理由により、本発明の第1の実施態様にかかる睫毛化粧用器具によれば、西洋バサミのハンドルと同様もしくは類似のハンドルを備える器具による場合と比較し、ユーザは格段に高い操作性で快適に睫毛に対する化粧を行うことができる。
本発明の第2の実施態様にかかる睫毛化粧用器具は、いわゆるピンセットが備える構造により、本発明にかかる睫毛化粧用器具を実現するものである。そのため、例えば適する弾性を持った1本の棒状体を「く」の字形状に折り曲げることにより互いに連結された第1の棒状体および第2の棒状体を形成し、連結部とは異なる端部の少なくとも一方に突起部を設けることにより、容易かつ安価に本発明にかかる睫毛化粧用器具を製造することができる。
さらに、本発明の第2の実施態様にかかる睫毛化粧用器具を用いる場合、連結部を支点とする「てこ」の原理により、通常、ユーザが力を加える力点と支点との間の距離が、睫毛を狭持する作用点と支点との距離よりも短くなるため、ユーザの指先が加える力の強さの変位よりも狭持部が被狭持物に加える力の強さの変位の方が小さくなる。その結果、例えば力点−支点間と作用点−支点間の距離がほぼ等しい西洋バサミ型のハンドルを採用した器具を用いる場合と比較して、本発明の第2の実施態様にかかる睫毛化粧用器具を用いるユーザは、睫毛を狭持する力の強さをより繊細に加減することができる。
本発明の第3の実施態様にかかる睫毛化粧用器具は、睫毛を湾曲した側面で狭持しつつ、帯状の突起により梳くことで、睫毛のカールとマスカラ塗布による睫毛の延長を容易に可能とするとともに、広くマスカラ塗布器具において採用されているブラシに代えて帯状に設けられた突起部が採用されているため、使用後に不着したマスカラの洗浄除去が容易であり、古いマスカラが固まって2度目以降における使用が不便となるといった問題を生じない。
本発明の第4の実施態様にかかる睫毛化粧用器具は、1対の狭持部の一方が凸面、他方が凹面となっているため、面により睫毛を狭持することができる。従って、例えば一方が凸面、他方が平面における場合のように、線によって睫毛の狭持が行われる場合と比較し、睫毛に対するマスカラのむらのない塗布が短時間で容易に可能となる。
本発明の第5の実施態様にかかる睫毛化粧用器具は、予め二つ折りと連結部付近の固定により容易に最終製品に組み立て可能なように成形された1本の樹脂製の棒状体でできているため、その製造が容易である。
本発明の第6の実施態様にかかる睫毛化粧用器具によれば、ユーザは、睫毛が全体として列状に生えているその列の形状、すなわち目蓋の縁の形状に沿うように、湾曲した狭持部により睫毛の多くの部分を同時に挟み込むことが可能となる。従って、例えば直線状の狭持部を備える器具を用いる場合と比較し、ユーザは睫毛全体を少ない回数で、かつ、より滑らかな形状に、化粧することができる。
本発明の第7の実施態様にかかる睫毛化粧用器具によれば、ユーザは、器具の本体部分よりも軟らかい素材でできている狭持部を、例えば指先で好みの形状に変形させることができる。その結果、ユーザは自分の睫毛の生えている形状に沿うように狭持部を整形することにより、例えばそのような変形ができない狭持部を備える器具を用いる場合と比較し、睫毛全体を少ない回数で、より滑らかな形状に、かつ、より睫毛に不要な力を加えることなく、化粧することができる。
[1.実施形態]
図1は、本発明の実施形態にかかる睫毛化粧用器具1の外観図である。なお、図1(a)は外部から力を加えない状態の睫毛化粧用器具1を斜め方向からみた図であり、図1(b)は外部から力を加えない状態の睫毛化粧用器具1を、睫毛化粧用器具1が備える1対の棒状体の可動方向(図1(b)の矢印xおよび図1(c)の矢印yが示す方向)に対し垂直方向から見た図であり、図1(c)は図1(b)の矢印Xが示す方向に外部から所定以上の力を加えた状態の睫毛化粧用器具1を、睫毛化粧用器具1が備える1対の棒状体の可動方向に対し垂直方向から見た図である。
図1は、本発明の実施形態にかかる睫毛化粧用器具1の外観図である。なお、図1(a)は外部から力を加えない状態の睫毛化粧用器具1を斜め方向からみた図であり、図1(b)は外部から力を加えない状態の睫毛化粧用器具1を、睫毛化粧用器具1が備える1対の棒状体の可動方向(図1(b)の矢印xおよび図1(c)の矢印yが示す方向)に対し垂直方向から見た図であり、図1(c)は図1(b)の矢印Xが示す方向に外部から所定以上の力を加えた状態の睫毛化粧用器具1を、睫毛化粧用器具1が備える1対の棒状体の可動方向に対し垂直方向から見た図である。
図1に示されるように、睫毛化粧用器具1はピンセットの狭持部に一般的なマスカラブラシの先端に設けられているものと同様のブラシを設けた構造を有している。より具体的には、睫毛化粧用器具1はまず、1対の棒状体11−1および棒状体11−2を備えている。例えば、棒状体11−1および棒状体11−2は、ステンレス等の剛性の高い素材でできた1本の平板な棒を真ん中で「く」の字形状に折り曲げることにより形成されている。棒状体11−1および棒状体11−2は折り曲げられた部分、すなわち図1における連結部12において互いに連結されている。
なお、1本の平板な棒を曲げて1対の棒状体11を形成する代わりに、2本の平板な棒の各々の一方の端部を接着、ネジ止め等により連結させることにより1対の棒状体11を形成するようにしてもよい。
棒状体11−1および棒状体11−2の連結部12とは異なる側の端部は、円柱形状に加工されている。この円柱形状に加工されている部分は、睫毛を挟み込む部分であり、以下、それぞれを狭持部111−1および狭持部111−2と呼ぶ。狭持部111−1および狭持部111−2の先端は、万一、睫毛化粧用器具1の使用中に誤ってユーザが自分の目に睫毛化粧用器具1の先端をぶつけた場合であっても深刻な怪我を招かないように、例えば球状に加工されている。
狭持部111−1および狭持部111−2には、それらの軸に対し例えば放射状に、例えば3ミリメートル程度の長さの多数の毛が植毛されており、それらの多数の毛はブラシ13−1およびブラシ13−2を形成している。
棒状体11−1および棒状体11−2の外側側面には、それぞれ、ユーザが睫毛化粧用器具1を操作する際にユーザの指と睫毛化粧用器具1との間が滑らないように、滑り止めラバー14−1および滑り止めラバー14−2が貼り付けられている。
睫毛化粧用器具1は、外部から力を加えない状態において、図1(b)に示すように狭持部111−1と狭持部111−2が互いに所定の間隔を維持するように成形がなされている。図1(b)の状態を、以下、「開状態」と呼ぶ。
連結部12は、例えば睫毛化粧用器具1の本体の材料の金属が備える弾性により、外部から加えられる力に応じて棒状体11−1と棒状体11−2との位置関係が変化することを許容しつつそれらを連結する。従って、ユーザが、例えば手の親指と人差し指、もしくは親指と中指により滑り止めラバー14−1および滑り止めラバー14−2の部分を摘み、図1(b)の矢印Xの方向に力を加えると、連結部12を支点とし、狭持部111−1と狭持部111−2が接近する方向、すなわち図1(b)の矢印xの方向に棒状体11−1と棒状体11−2が移動する。
ユーザが睫毛化粧用器具1の矢印Xの方向に加える力が所定の強さに達すると、狭持部111−1と狭持部111−2がブラシ13−1およびブラシ13−2を介在して互いに接触する状態、すなわち図1(c)の状態となる。この状態を、以下、「閉状態」と呼ぶ。閉状態において、ユーザがさらに強い力を加えると、連結部12を支点とする「てこ」の原理に従い、ユーザが加えた力の強さに応じた強さで、狭持部111−1と狭持部111−2との間に置かれた被狭持物が狭持される。
なお、棒状体11−1および棒状体11−2の中腹部は、閉状態においてユーザが力を加えた場合に狭持部111−1と狭持部111−2による被狭持物の狭持を妨げないように、図1(b)および(c)に示されるように、狭持部111の付け根付近から外側に拡がる形状に成形されている。
ユーザは、睫毛化粧用器具1を用いて睫毛の化粧を行う場合、ブラシ13−1およびブラシ13−2の一方もしくは両方にマスカラを付着させた後、ブラシ13−1とブラシ13−2との間に睫毛が置かれる位置に睫毛化粧用器具1を保持し、睫毛化粧用器具1を指先で摘んでブラシ13−1とブラシ13−2で睫毛の根元付近を挟み込む。その後、ユーザは、睫毛を挟む力が適当な強さとなるように睫毛化粧用器具1を摘む力の強さを加減しながら、上睫毛であれば上向きにカールするように、下睫毛であれば下向きにカールするように、睫毛化粧用器具1の長手方向を軸とする回転運動を加えつつ、睫毛化粧用器具1を睫毛から引き離す。
睫毛化粧用器具1によれば、ユーザは上述した動作により、睫毛にカールを付けるとともに、睫毛の両面に対するマスカラの塗布を同時に行うことができる。その際、睫毛が1対のブラシで挟み込まれつつ化粧されるため、マスカラが睫毛にしっかりと塗布されるとともに、マスカラのダマも防止される。
さらに、睫毛化粧用器具1によれば、ユーザが上述した動作を行う際の力加減は極めて容易である。その第1の主たる理由は、棒状体11−1と棒状体11−2は連結部12の弾性により、睫毛化粧用器具1は常に開状態に戻ろうとするためである。つまり、ユーザは睫毛化粧用器具1の被狭持物である睫毛に対する力を弱めたい場合、単に睫毛化粧用器具1を摘む指先の力を緩めるだけでよく、西洋バサミのハンドルを採用した器具のように、狭持部を開く方向に力を加える必要がない。その結果、自由な力加減が可能となる。
睫毛化粧用器具1によってユーザが睫毛の化粧のための動作を行う際に極めて容易に力加減を行うことができる第2の主たる理由は、ユーザが睫毛化粧用器具1に対し力を加える点(力点)と連結部12(支点)との距離が、狭持部111−1および狭持部111−2(作用点)と連結部12(支点)との距離より短いためである。その結果、「てこ」の原理により、ユーザの指先が加える力の強さの変位よりも狭持部が被狭持物に加える力の強さの変位の方が小さくなる。従って、ユーザは睫毛を挟む力の強さをより繊細に加減することができる。
[2.変形例]
上述した実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。以下にそのような変形例を示す。
上述した実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。以下にそのような変形例を示す。
[2.1.第1変形例]
上述した実施形態において、狭持部111は円柱形状であるものとした。第1変形例においては、狭持部111は一般的なユーザの睫毛の生えている位置が全体して形成する形状、すなわち目蓋の縁の形状に沿うように、円弧状に湾曲した形状に成形されている。図2は、第1変形例にかかる睫毛化粧用器具1を示す図である。
上述した実施形態において、狭持部111は円柱形状であるものとした。第1変形例においては、狭持部111は一般的なユーザの睫毛の生えている位置が全体して形成する形状、すなわち目蓋の縁の形状に沿うように、円弧状に湾曲した形状に成形されている。図2は、第1変形例にかかる睫毛化粧用器具1を示す図である。
図2に示されるように、狭持部111−1と狭持部111−2は閉状態において湾曲した線により睫毛を狭持するように、同じ方向、同じ形状に湾曲している。
第1変形例にかかる睫毛化粧用器具1によれば、狭持部111の形状が睫毛の生え位置が示す形状と近いため、狭持部111が直線的に成形されているものと比較し、より広い範囲の睫毛に均等な力が加えられるため、睫毛のより多くの部分を一度に化粧することができるとともに、睫毛の位置によりカールの方向が異なる、マスカラの塗布量や付き方が異なる、といった問題が生じにくい。
なお、第1変形例において、狭持部111が棒状体11本体の長手方向に対し湾曲する方向は、狭持部111が移動する方向に対し垂直方向であってもよいし、垂直方向よりいずれかの方向に傾斜した方向であってもよい。また、狭持部111が描く円弧の弦の方向は、棒状体11本体の長手方向と一致してもよいし、長手方向からいずれかの方向にまがっていてもよい。図2は、狭持部111の湾曲方向が、狭持部111の移動方向に対し垂直の方向より一方に傾斜し、狭持部111が描く円弧の弦が棒状体11本体の長手方向からずれている場合を示している。図2の睫毛化粧用器具1は、例えば右上目蓋の化粧をする際にユーザが睫毛化粧用器具1を持ちやすいように、狭持部111の湾曲の方向、狭持部111が描く円弧の弦の方向が予め調整されている。
[2.2.第2変形例]
第2変形例において、狭持部111は棒状体11の狭持部111以外の部分(棒状体11本体)と比較し軟らかい素材でできている。より正確に言えば、同じ形状・サイズにおいて狭持部111の素材と棒状体11本体の素材を比較した場合、前者の剛性が後者の剛性より低い。
第2変形例において、狭持部111は棒状体11の狭持部111以外の部分(棒状体11本体)と比較し軟らかい素材でできている。より正確に言えば、同じ形状・サイズにおいて狭持部111の素材と棒状体11本体の素材を比較した場合、前者の剛性が後者の剛性より低い。
第2変形例の一例として、棒状体11本体はステンレスでできており、狭持部111は、指先で容易に曲げられるが、睫毛を挟む際に狭持部111に加えられる程度の力によっては曲がらない剛性を備えたアルミニウム合金でできているものが考えられる。
その場合、ユーザは自分の睫毛の生え位置の形状に狭持部111の形状が沿うように、また、睫毛を化粧する際に睫毛化粧用器具1を楽に持てるように、狭持部111の形状や角度を自由に変更することができる。その結果、第2変形例にかかる睫毛化粧用器具1による場合、ユーザは固定形状の狭持部を備える器具を用いる場合と比較し、より快適に睫毛に対する化粧を行うことができる。
第2変形例の他の一例として、棒状体11本体はステンレスでできており、狭持部111はナイロン等の軟質プラスチックでできているものが考えられる。その場合、連結部12に求められる弾性と耐久性が確保されると同時に、睫毛を狭持する際に加えられる力によって狭持部111がある程度変形するため、睫毛に無理な力が加わらず、睫毛が抜ける、もしくは切れる、といった問題が生じにくい。また、狭持部111の先端がユーザの目にぶつかったような場合、狭持部111が軟質であれば怪我のリスクが低くなるため望ましい。
[2.3.第3変形例]
上述した実施形態において、連結部12は1本の平板な棒を折り曲げ成形することにより、もしくは2本の平板な棒を接着等することにより、形成される。これに対し、第3変形例において、連結部12は軸棒により棒状体11−1および棒状体11−2の一方の端部に設けられた環状部を回転可能に連結する構造を備える。また、第3変形例の睫毛化粧用器具1は、力が加えられない状態で開状態を維持できるように、棒状体11−1と棒状体11−2を互いに引き離す方向への力を生じるバネが用いられる。
上述した実施形態において、連結部12は1本の平板な棒を折り曲げ成形することにより、もしくは2本の平板な棒を接着等することにより、形成される。これに対し、第3変形例において、連結部12は軸棒により棒状体11−1および棒状体11−2の一方の端部に設けられた環状部を回転可能に連結する構造を備える。また、第3変形例の睫毛化粧用器具1は、力が加えられない状態で開状態を維持できるように、棒状体11−1と棒状体11−2を互いに引き離す方向への力を生じるバネが用いられる。
図3は、第3変形例にかかる睫毛化粧用器具1が備える連結部12付近の構造を示すための分解図である。
第3変形例において、棒状体11−1および棒状体11−2は各々独立したピースである。棒状体11−1および棒状体11−2の連結部12側の端部には、互いに係合する形状を備えた環状部112−1および環状部112−2が設けられている。環状部112−1と環状部112−2が互いに係合した状態で、それらを貫通するように軸棒121が取り付けられる。その結果、棒状体11−1と棒状体11−2は軸棒121の周りを回転可能に連結される。
上記のように環状部112−1と環状部112−2に軸棒121が取り付けられる際に、睫毛化粧用器具1本体に対するねじりバネ15の取り付けも行われる。ねじりバネ15はコイル部と、コイル部から外側に伸びる2本の脚を備えている。力を加えない状態で、ねじりバネ15の2本の脚は、例えば90度である。
ねじりバネ15が睫毛化粧用器具1本体に取り付けられた状態で、軸棒121はねじりバネ15のコイル部を貫通する。また、ねじりバネ15の一方の脚は棒状体11−1に対し、また他方の脚は棒状体11−2に対し、内側から外側に向かう力を加える。
ねじりバネ15が棒状体11に加える力により、棒状体11−1と棒状体11−2が離れる方向に軸棒121の周りを回転移動しようとすると、閉状態から所定の角度だけ開いたところで環状部112−1の一部が棒状体11−2の端部にぶつかり合い、それ以上は開かないようになっている。これにより、睫毛化粧用器具1の開状態が維持される。
なお、上述した第3変形例においては、ねじりバネ15を使用することにより閉状態から開状態へと棒状体11を押し広げる力を生じさせるものとしたが、それに代えて、例えば棒状体11の中腹部の内側に、棒状体11−1と棒状体11−2を押し広げるように力を加える弦巻バネを用いてもよい。
[2.4.第4変形例]
上述した実施形態およびその変形例は、ピンセットと類似の構造を備えている。すなわち、連結部12を支点とする「てこ」の原理により睫毛を狭持する構造を備えている。これに対し、第4変形例にかかる睫毛化粧用器具1は、「てこ」の原理は使用しない構造を備えている。
上述した実施形態およびその変形例は、ピンセットと類似の構造を備えている。すなわち、連結部12を支点とする「てこ」の原理により睫毛を狭持する構造を備えている。これに対し、第4変形例にかかる睫毛化粧用器具1は、「てこ」の原理は使用しない構造を備えている。
図4は、第4変形例にかかる睫毛化粧用器具1を示した図である。なお、図4(b)は開状態、図4(c)は閉状態を示し、図4(d)は連結部12の構造を模式的に示している。第4変形例にかかる睫毛化粧用器具1の棒状体11−1と棒状体11−2は、狭持部111に近い位置の連結部12aと、狭持部111から遠い位置の連結部12bの2つの連結部12により連結されている。
連結部12aおよび連結部12bの各々は、棒状体11−1から棒状体11−2に向かい突起している円柱形状の連結棒122と、棒状体11−2の棒状体11−1に対向する側(内側)に設けられた円柱形状の凹部123により構成されている。凹部123の周りには、弦巻バネ16が配置されている。
連結棒122は凹部123に係合され、棒状体11−1および棒状体11−2を、それらの長手方向に対し垂直方向、すなわち図4(d)の矢印zの方向に移動可能に連結する。弦巻バネ16は棒状体11−1と棒状体11−2とを引き離す方向に力を加える。ただし、棒状体11−1と棒状体11−2の距離が所定距離に達すると、連結棒122の突起が凹部123の突起とぶつかり合い、棒状体11−1と棒状体11−2がそれ以上は開かないようになっている。これにより、睫毛化粧用器具1の開状態が維持される。
第4変形例にかかる睫毛化粧用器具1によれば、ユーザの指先の変位と狭持部111の変位とが一致する。また、視覚的にもユーザの指先の動きと狭持部111の動きが一致する。従って、あるユーザにとっては、ピンセット型の「てこ」の原理を用いる器具と比べ、第4変形例にかかる睫毛化粧用器具1の方が使い易いと感じられる。
[2.5.第5変形例]
図5は、第5変形例にかかる睫毛化粧用器具1を示した図である。なお、図5(a)は開状態、図5(b)は閉状態を示している。第5変形例にかかる睫毛化粧用器具1は、西洋バサミのように作用点と力点との間に支点が配置された「てこ」の原理を利用する構造を備えている。ただし、狭持部111を開く方向に力が加えられるように、棒状体11−1と棒状体11−2の間に、連結部12でコイル部を固定されたねじりバネ17が配置されている。
図5は、第5変形例にかかる睫毛化粧用器具1を示した図である。なお、図5(a)は開状態、図5(b)は閉状態を示している。第5変形例にかかる睫毛化粧用器具1は、西洋バサミのように作用点と力点との間に支点が配置された「てこ」の原理を利用する構造を備えている。ただし、狭持部111を開く方向に力が加えられるように、棒状体11−1と棒状体11−2の間に、連結部12でコイル部を固定されたねじりバネ17が配置されている。
第5変形例にかかる睫毛化粧用器具1は、特許文献1に開示の器具と一見似ているが、外部から力を加えない状態において開状態を維持する構造を備えているため、特許文献1に開示の器具と比較し、操作性が格段に優れている。その理由は既に述べたとおりである。
なお、上述した実施形態およびその変形例においては、狭持部111−1および狭持部111−2の両方にブラシが設けられている。狭持部111−1および狭持部111−2の一方のみにブラシを設ける構造としてもよい。
例えば、両方の狭持部111にブラシを設けると、使用するマスカラの特性によっては、それらのブラシがマスカラを含み過ぎてマスカラを薄く塗るのが難しくなる、といった不都合が生じる場合があり得る。また、両方の狭持部111にブラシを設けると、睫毛の毛質によっては、睫毛に化粧を行う時に上下のブラシに睫毛が挟まれ、睫毛に不要な力が加えられる場合があり得る。一方の狭持部111にのみブラシが設けられた睫毛化粧用器具1であれば、そのような問題が回避される。
一方の狭持部111にのみブラシを設ける構成とする場合、ブラシを設けない側の狭持部111を、例えばウレタン等の弾性体のパッドでカバーしてもよい。その場合、パッドがブラシから供給されるマスカラを程度に吸収し睫毛のブラシが当たらない側へのマスカラ塗布に貢献する、睫毛に化粧を行う時に適度の抵抗が生じる、等の効果が得られる。
[2.6.第6変形例]
図6乃至図9は、第6変形例にかかる睫毛化粧用器具2を示した図である。睫毛化粧用器具2は全体が樹脂一体成形により製造された1本の棒状体を長手方向中央において二つ折りにし、互いにその中央において連結された1対の棒状体、すなわち棒状体11−1および棒状体11−2が形成される構成を備える。睫毛化粧用器具2の素材は、例えばポリプロピレンである。
図6乃至図9は、第6変形例にかかる睫毛化粧用器具2を示した図である。睫毛化粧用器具2は全体が樹脂一体成形により製造された1本の棒状体を長手方向中央において二つ折りにし、互いにその中央において連結された1対の棒状体、すなわち棒状体11−1および棒状体11−2が形成される構成を備える。睫毛化粧用器具2の素材は、例えばポリプロピレンである。
図6は、二つ折りにする前の状態の睫毛化粧用器具2の上面図(図6(a))および側面図(図6(b))を示している。なお、上面図は、棒状体11−1および棒状体11−2の互いに対向する側の面を上とした場合の上面図である。
図7は、二つ折りにした後の状態の睫毛化粧用器具2の上面図(図7(a))、側面図(図7(b)、および下面図(図7(c))を示している。なお、上面図は、棒状体11−1の外側面を上とした場合の上面図であり、下面図は、棒状体11−2の外側面を下とした場合の下面図である。
図6および図7に示されるように、二つ折り前(組み立て前)の睫毛化粧用器具2の長手方向中央の位置には、折り曲げ方向に帯状の肉薄なヒンジ部203が、例えば延伸加工により設けられている。ヒンジ部203に沿って折り曲げられた後の睫毛化粧用器具2の一方の棒状体が棒状体11−1、他方の棒状体が棒状体11−2となる。
ヒンジ部203から棒状体11−1の端部に向かい所定距離(例えば15ミリメートル)離れた位置には、帯状の肉薄なヒンジ部204が、例えば延伸加工により設けられている。同様に、ヒンジ部203から棒状体11−2の端部に向かい所定距離(例えば15ミリメートル)離れた位置にも、帯状の肉薄なヒンジ部205が、例えば延伸加工により設けられている。
また、ヒンジ部203から棒状体11−1の端部に向かい所定距離(例えば、10ミリメートル)離れた位置に、二つ折りをした状態における棒状体11−2に対向する側に向かい開口した穴201が設けられている。そして、ヒンジ部203から棒状体11−2の端部に向かい所定距離(例えば、10ミリメートル)離れた位置に、二つ折りをした状態における棒状体11−1に対向する側に向かい突起したボス202が設けられている。
二つ折りの後、穴201にボス202を嵌め込むことにより、ヒンジ部203からヒンジ部204までの部分と、ヒンジ部203からヒンジ部205までの部分とが、睫毛化粧用器具2の開閉、すなわち棒状体11−1と棒状体11−2との開閉の如何にかかわらず、開閉せずに互いに固定された連結部12を構成することになる。
棒状体11−1および棒状体11−2は各々、ヒンジ部204およびヒンジ部205の弾性により、ユーザにより力が加えられない状態において開状態となり、ユーザの加圧に応じて閉状態へと移行しつつ、狭持部111−1および狭持部111−2により被狭持物である眉毛を狭持する。
図8は、狭持部111−1を示した図である。図8に示されるように、狭持部111−1は全体として円柱形状をしており、その円柱の軸に垂直かつ互いに等距離な複数の平面の各々と、その円柱との交線が成す円上に、所定幅の帯状の溝1111が複数設けられた構造を備えている。なお、溝1111の各々の表面にはエッジが生じないように丸みが施されている。
狭持部111−1は上述した構造を備えているため、狭持部111−1が備える複数の溝1111の底(最深部)を基準として見た場合、溝1111でない部分が円柱の軸から外側に向かう方向に突起した複数の突起部1112を構成することになる。すなわち、言い換えれば、狭持部111−1は、全体として円柱形状をしており、その円柱の軸に垂直かつ互いに等距離な平面とその円柱との交線が成す円上に帯状に突起した複数の突起部1112を備えている。
狭持部111−1が備える複数の突起部1112は、上述した実施形態における睫毛化粧用器具1が備えるブラシ13に代わるものであり、ブラシ13と同様に、開状態において睫毛に対し塗布されるマスカラを保持し、閉状態において狭持された睫毛に対し保持していたマスカラを塗布する役割を果たす。なお、睫毛化粧用器具1が備えるブラシ13は本発明にかかる複数の突起部の一例であり、睫毛化粧用器具2が備える複数の突起部1112はその他の例である。
睫毛化粧用器具2はブラシ13に代えて上述の構造を有した突起部1112を備えているため、ユーザは睫毛化粧用器具2の狭持部111−1に付着したマスカラを使用後に容易に洗浄除去することができる。
図9は、狭持部111−2を示した図である。なお、図9(a)は狭持部111−2を狭持部111−1と対向する側から見た上面図であり、図9(b)は狭持部111−2を棒状体11−2の長手方向に対し垂直な側方から見た側面図であり、図9(c)は狭持部111−2を棒状体11−2の長手方向外側から見た側面図である。
図9に示されるように、狭持部111−2は全体として所定の肉厚(例えば、4ミリメートル)を有した半円筒形状をしており、その半円筒の軸に垂直かつ互いに等距離な複数の平面の各々と、その半円筒の内側面(狭持部111−1と対向する側の面)との交線が成す半円上に、帯状の溝1113が複数設けられた構造を備えている。
狭持部111−2が有する複数の溝1113は、各々、閉状態において対向する位置にある狭持部111−1が有する複数の突起部1112の各々を受容するように、その位置、サイズおよび形状が調整されている。その結果、睫毛化粧用器具2は、被狭持物である眉毛を湾曲した面で狭持しつつ梳くことを可能とする。従って、眉毛に対するカールが快適に行えるとともに、マスカラの塗布がむらなくスムーズに行える。
以上が本発明にかかる実施形態の第6変形例にかかる睫毛化粧用器具2の説明であるが、睫毛化粧用器具2を本発明の技術的思想の範囲内においてさらに様々に変形してもよい。例えば、狭持部111−1を円柱形状ではなく楕円柱形状のように他の形状としてもよい。その際、少なくとも狭持部111−2に対向する側の側面が狭持部111−2に対し凸に湾曲していることが、滑らかなカールを行うためには望ましい。
従って、狭持部111−2の形状も半円筒形状に限られず、狭持部111−1の形状に応じて様々に変更可能である。例えば、半円筒形状に代えて、半楕円筒形状が狭持部111−2の形状として採用されてもよい。また、円筒形状もしくは楕円形状から軸周りに例えば120度だけ切り取った形状が狭持部111−2の形状として採用されてもよい。なお、狭持部111−2は狭持部111−1に対向する側の側面が狭持部111−1に対し凹に湾曲していることが、滑らかなカールを行うためには望ましい。
また、穴201とボス202による係合は連結部12を構成するための固着方法の一例であって、他の固着方法により連結部12が構成されてもよい。例えば、棒状体11−1の側にボスを設け、棒状体11−2の側に穴を設けてもよいし、例えば接着により二つ折りの部分から所定の長さの部分が互いに固着されてもよい。
なお、睫毛化粧用器具2は一体成形により成形された樹脂製の1本の棒状体を二つ折りにして組み立てることにより製造されるものとしたが、その素材や組み立ての方法はそれに限られない。例えば、樹脂に代えて金属が睫毛化粧用器具2の素材として採用されてもよい。また、各々個別に製造された棒状体11−1および棒状体11−2の各々の一方の端部を互いにネジ止めや溶接等により連結することにより、睫毛化粧用器具2が組み立てられてもよい。
本発明の睫毛化粧用器具は、睫毛にカールを付す動作と、睫毛にマスカラを塗布する動作とを同時かつ容易に行うことを可能とするため、睫毛にそれらの化粧を施したい、と思う全ての人にとって利用可能である。
1…睫毛化粧用器具、2…睫毛化粧用器具、11…棒状体、12…連結部、13…ブラシ、14…滑り止めラバー、15…ねじりバネ、16…弦巻バネ、17…ねじりバネ、111…狭持部、112…環状部、121…軸棒、122…連結棒、123…凹部、124…連結棒、201…穴、202…ボス、203…ヒンジ部、204…ヒンジ部、205…ヒンジ部、1111…溝、1112…突起部、1113…溝。
Claims (7)
- 第1の棒状体と、
前記第1の棒状体に対し開閉可能に連結された第2の棒状体と、
前記第1の棒状体と前記第2の棒状体が閉じた状態において、前記第1の棒状体の一部である第1の狭持部の前記第2の棒状体に対向する側面から前記第2の棒状体に向かう方向に突起する複数の突起部と
を備え、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体に対し外部から力が加えられない状態において、前記第1の狭持部と、前記第1の棒状体の一部であり前記第1の狭持部に対向する部分である第2の狭持部との間に所定距離以上の間隔が開き、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部との間で被狭持物の狭持が行われない開状態が維持され、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体に対し前記第1の棒状体と前記第2の棒状体とが互いに接近する方向に外部から力が加えられた場合、当該外部からの力の大きさに応じた強さで、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部との間で被狭持物の狭持が行われる閉状態となる
睫毛化粧用器具。 - 前記第1の棒状体の一端と前記第2の棒状体の一端とは互いに連結され、
前記第1の棒状体の前記一端と前記第2の棒状体の前記一端とが互いに連結されている部分である連結部は弾性を有し、
前記第1の狭持部は、前記第1の棒状体の前記一端とは異なる他端側に位置し、
前記第2の狭持部は、前記第2の棒状体の前記一端とは異なる他端側に位置し、
前記第1の棒状体の前記一端と前記他端との間の部分と、前記第2の棒状体の前記一端と前記他端との間の部分に対し、前記第1の棒状体と前記第2の棒状体とが互いに接近する方向に外部から力が加えられた場合、前記連結部を支点とし、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部が互いに接近するように移動する結果、前記閉状態となる
請求項1に記載の睫毛化粧用器具。 - 前記第1の狭持部は、前記第2の狭持部と対向する側の側面に関し前記第2の狭持部に対し凸に湾曲し、
前記突起部の各々は、前記第1の狭持部の前記第2の狭持部と対向する側の側面と、前記第1の狭持部の長手方向に対し垂直な平面との交線上に帯状に突起している
請求項1または2に記載の睫毛化粧用器具。 - 前記第2の狭持部は、前記第1の狭持部と対向する側の側面に関し前記第1の狭持部に対し凹に湾曲し、
前記第2の狭持部の前記第1の狭持部と対向する側の側面上には、前記第1の棒状体と前記第2の棒状体が閉じられた状態において前記複数の突起部を各々受容する複数の帯状の溝である溝部を備える
請求項3に記載の睫毛化粧用器具。 - 前記第1の棒状体と前記第2の棒状体は各々、1本の樹脂製の棒状体の長手方向中央において二つ折りにした一方と他方であり、
前記第1の棒状体および前記第2の棒状体の各々の互いに連結されている側の端部から所定の長さ部分が互いに開閉不可能に固定されている
請求項1乃至4のいずれかに記載の睫毛化粧用器具。 - 前記第1の狭持部は、前記第1の棒状体の長手方向に対し所定の形状で湾曲しており、
前記第2の狭持部は、前記閉状態において前記第1の狭持部の形状に沿うように、前記第2の棒状体の長手方向に対し所定の形状で湾曲している
請求項1乃至5のいずれかに記載の睫毛化粧用器具。 - 前記第1の狭持部の素材は、前記第1の棒状体の前記第1の狭持部以外の部分の素材と比較し、同じ形状および同じ大きさにおいて低い剛性を示し、
前記第2の狭持部の素材は、前記第2の棒状体の前記第2の狭持部以外の部分の素材と比較し、同じ形状および同じ大きさにおいて低い剛性を示す
請求項1乃至6のいずれかに記載の睫毛化粧用器具。
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Cited By (3)
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JP2018122060A (ja) * | 2017-01-31 | 2018-08-09 | 稔 兼松 | マスカラ塗布具及びマスカラ塗布具製品 |
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-
2010
- 2010-05-10 JP JP2010107967A patent/JP2010284515A/ja active Pending
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