JP2010282040A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像部と、現像剤収納部40と、現像剤収納部の下方に設けられ現像剤収納部の現像剤を排出するロータリフィーダ50と、ロータリフィーダから排出された現像剤を空気を利用して現像部に移送する現像剤循環手段を備えた現像装置において、ロータリフィーダ50は、ステータ55と、ステータの上部側に設けられ現像剤収納部からの現像剤が流入する流入孔56と、ステータの下部側に設けられ現像剤が排出される排出孔57と、ステータの空間内に配置され軸部から放射状に延びる複数の羽根を有する回転自在に軸支されたロータ51を備え、ロータリフィーダの流入孔と排出孔の少なくとも一方は、ロータの回転軸から引いた鉛直方向の中心線に対してずらした位置に設ける構成とした。
【選択図】図3
Description
このような二成分現像剤を用いた現像装置では、現像領域で現像処理を終了してトナーが消費された現像剤は回収され、トナーホッパーやトナーカトリッジ等から補給されるトナーと混合、撹拌され、再び現像に供される。また、このような構成の現像装置に用いられる現像剤は、安定したトナー画像を得るために、一定のトナー濃度と帯電量を維持する必要がある。トナー濃度は現像で消費したトナーと補給トナー量により調整され、帯電量はキャリアとトナーとの混合時の摩擦帯電により付与される。そして現像装置は、トナーとキャリアから成る二成分現像剤の撹拌を充分に行い、トナー濃度分布を均一化するとともに、トナーに帯電を付与し、トナー画像の安定化を行っている。
また、本発明者らは先に、上記と同様の構成で、より撹拌性能の優れた撹拌システムを用いた現像装置を提案している(特許文献4(特開2007−193301号公報)、特許文献5(特開2008−299217号公報)、特許文献6(特開2008−3561号公報))。
現像剤を空気を利用して管内を連続的に搬送する場合、現像装置の主な構成は、現像部、現像剤収納部、現像剤供給部、現像剤循環手段(輸送管、空気供給源)である。この構成では空気の圧力(正圧)と流速とを利用して現像剤を搬送するため、空気搬送元と搬送先(大気圧)との間には差圧が発生する。また、この現像装置は、現像部に送られた現像剤が、現像部から現像剤収納部に回収され、再び搬送される(循環している)ため、現像剤収納部も大気圧である。
従って、現像剤を現像部へ搬送するためには、現像剤供給部と現像剤収納部をシールし、空気供給源の空気が現像剤収容部に洩れないようにする必要がある。空気が洩れると、現像剤を搬送するための圧力が低下して搬送量が十分確保できない。また、空気が現像剤収納部に逆流する(現像剤収容部に圧力がかかる)と、現像剤収容部から現像剤供給部に入る現像剤が逆流する空気によって妨げられ、排出量の低下や、ばらつきが発生する。また、現像剤収納部が流入する空気によって内圧が上昇し、現像部から回収する現像剤の流入を妨げる恐れもある。
本発明の第1の解決手段は、潜像担持体上の潜像を現像剤で現像する現像部と、前記現像部の外部に設けられ現像剤の一部を収容する現像剤収納部と、前記現像剤収納部の下方に設けられ該現像剤収納部の現像剤を排出するロータリフィーダと、前記ロータリフィーダから排出された現像剤を空気を利用して前記現像部に移送する現像剤循環手段とを備えた現像装置において、前記ロータリフィーダは、内部に円筒状の空間を有するステータと、該ステータの上部側に設けられ前記現像剤収納部からの現像剤が流入する流入孔(開口部)と、前記ステータの下部側に設けられ現像剤が排出される排出孔(開口部)と、前記ステータの空間内に配置され軸部から放射状に延びる複数の羽根を有する回転自在に軸支されたロータを備え、前記ロータリフィーダの流入孔と排出孔の少なくとも一方は、前記ロータの回転軸から引いた鉛直方向の中心線に対してずらした位置に設けることを特徴とする(請求項1)。
W1>V/t
V:ロータ先端の周速(m/s)
t:ロータの軸近傍の現像剤が、自由落下でロータ外に到達するまでの時間(s)
t=√(2(R・r)/g)
R:ロータの半径(m)
r:ロータの軸半径(m)
g:重力加速度(m/s^2)
また、ロータの羽根が排出孔から流入孔に戻る区間では、ロータ内には現像剤がないため、空気がロータとステータのクリアランス部(ロータの羽根がステータと接触している個所)から逃げ易いが、排出孔の中心点がロータの回転軸から引いた鉛直方向の中心線に対して該ロータの回転方向上流側にあると、排出孔から流入孔に至る区間では、このクリアランス部の数が増えるため、空気が漏れにくくなり、現像剤循環手段の空気供給源からの空気を有効に利用できるようになる。
W1>V/t
V:ロータ先端の周速(m/s)
t:ロータの軸近傍の現像剤が、自由落下でロータ外に到達するまでの時間(s)
t=√(2(R・r)/g)
R:ロータの半径(m)
r:ロータの軸半径(m)
g:重力加速度(m/s^2)
を満たすことを特徴とするので、ロータ内に充填されている現像剤が、排出孔から全て落下し終えるまで開口しているため、現像剤を確実に排出することができる。
図1は本発明の一実施例を示す現像装置の概略斜視図、図2は図1に示す現像装置の現像部(現像器)の概略断面図、図3は図1に示す現像装置の現像剤収容部、ロータリフィーダ、現像剤循環手段の概略を示す概略構成図である。
図1、図2に示すように、現像装置3の現像部10は、現像器を構成するケーシング15を有しており、ケーシング15の内部には螺旋状のフィンを有する2つの搬送スクリュ11,12と、現像ローラ13とが回転自在に設けられている。現像ローラ13は、回転する円筒状の現像スリーブと、その現像スリーブの内部に固定配置された複数の磁石(または複数の磁極が着磁されたマグネットローラ)で構成されている。
現像装置3のケーシング15の内部にはトナーとキャリアからなる2成分現像剤が収納されており、この現像剤は搬送スクリュ11の回転により図2の手前側から奥側に向けて搬送され、この一部が現像ローラ13の内部に設けられた図示しない磁石によって現像ローラ13の表面に吸い上げられて吸着する。現像ローラ13の表面に吸着した現像剤はドクタブレード14によってその層厚が均一となるようにならされた後、潜像担持体である感光体ドラム2に接することで感光体ドラム2上に形成された静電潜像を顕像化する。
図4は、比較のために例示する従来のロータリフィーダ内での現像剤の挙動を説明するための概略断面図(ロータ51の回転軸に対して垂直な平面で切断した断面図)である。図4に示すように、ステータ55の上部側に設けられた開口部(図中の上側の破線で囲んだ部分)である流入孔56と、ステータ55の下部側に設けられた開口部(図中の下側の破線で囲んだ部分)である排出孔57が共にロータ51の回転軸から引いた鉛直方向の中心線の中心部にある場合、現像剤の循環中は図4のように、流入孔56から排出孔57までは現像剤が充填されており、排出孔57の下流側から流入孔56までは現像剤は存在しない。しかし、この場合には、「発明の解決しようとする課題」で述べたとおり、ロータ51の羽根とステータ55の間には、わずかな隙間があるため、エアポンプ60からの空気(エア)の一部がこの隙間を通り現像剤収納部40に流れてしまう。このとき図中右側の現像剤が充填されている側は、隙間に現像剤が存在するため比較的シール性が高くなっているが、左側の方は、現像剤がないためエアが通過しやすくなる。
また、別の方法としては、ロータ51の羽根の枚数を増やすことが考えられ、ロータ51の羽根の枚数を増やすことで、羽根とステータ55の近接部が増えるため、空気抵抗が増し、漏れを低減(シール性を高く)することができる。しかし、ロータ51の羽根の枚数を増やすと、羽根の厚みの分、ロータ51内の現像剤の充填量が減ってしまい、同じ量の現像剤を搬送するためには、ロータ51の外径を大きくする必要があり、ロータリフィーダ50が大型化するという問題がある。
図6は従来のロータリフィーダ50の概略断面図(ロータ51の回転軸に対して垂直な平面で切断した断面図)であり、ロータ51の回転軸から引いた鉛直方向の中心線cに対して、排出孔57の開口部(図中の下側の破線で囲んだ部分)の中心点が一致している場合の例である。すなわち、図6では、ロータ51の回転軸に対して垂直な平面で切断したときに、ロータ51の回転軸から引いた鉛直方向の中心線cに対して、排出孔57の開口部の中心点(開口の両端部a2,b2間の中心点)が一致している。
これに対して、図7は本発明のロータリフィーダ50の概略断面図(ロータ51の回転軸に対して垂直な平面で切断した断面図)であり、ロータ51の回転軸から引いた鉛直方向の中心線cに対して、排出孔57の開口部(図中の下側の破線で囲んだ部分)の中心点をロータ51の回転方向(図中矢印で示す時計回り方向)の上流側にシフトさせた位置に設けた例である。すなわち、図7では、ロータ51の回転軸に対して垂直な平面で切断したときに、ロータ51の回転軸から引いた鉛直方向の中心線cに対して、排出孔57の開口部の中心点(開口の両端部a1,b1間の中心点)をロータ51の回転方向(図中矢印で示す時計回り方向)の上流側にずらした位置に設けている。
また、図7では、排出孔57の開口の両端部a1,b1はロータ51の回転軸から引いた鉛直方向の中心線cより、ロータ51の回転方向上流側に収まっており、排出孔57は、ロータ51の鉛直方向の頂上点(ロータの回転軸から引いた鉛直方向の中心線cの上側)を0度とし、該ロータ51の回転方向をプラスとすると、90〜180度の間にある。
なお、図6、図7の排出孔57の開口部の幅W2、W1は等しい。また、両図ともロータ51が時計回りに回転し、現像剤が搬送されているときの或る時点を示しており(現像剤は図示を省略)、ロータ51の一つの羽根511が排出孔57の開口部の始点側端部a1、a2に到達した時である。
そこで、排出孔57の開口幅W1は、以下の式を満たす条件に設定すると良い。
W1>V/t
V:ロータ先端の周速(m/s)
t:ロータの軸近傍の現像剤が、自由落下でロータ外に到達するまでの時間(s)
t=√(2(R・r)/g)
R:ロータの半径(m)
r:ロータの軸半径(m)
g:重力加速度(m/s^2)
次に以上に説明した本発明の現像装置を装備する画像形成装置の構成例を説明する。
図11は、本発明の一実施例示す画像形成装置の概略構成図である。
同図において画像形成装置100は、装置本体のほぼ中央部に中間転写ベルト4と4個の1次転写ローラ5Y,5M,5C,5Bkとを有する中間転写ユニット6を備えている。中間転写ベルト4の下面と対向する位置には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色に対応した作像部1Y,1M,1C,1Bkが中間転写ベルト4の走行方向と平行して配置されている。各作像部1Y,1M,1C,1Bkは作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外は同一構造であり、それぞれ潜像担持体としての感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkと、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2Bkの周囲に配設された図示しない帯電手段、図示しない露光部、現像装置3Y,3M,3C,3Bk、図示しないクリーニング手段等を有している。
なお、図11は画像形成装置本体の上部に原稿画像の読取部(スキャナ)80を設置したカラー複写機の構成例であるが、さらに通信機能を持たせて外部回線(電話回線、光回線)やローカルエリアネットワーク(LAN)等と接続すれば、複写機、プリンタ、ファクシミリの機能を有するデジタルカラー複合機の構成となる。
また、上記の作像プロセスで各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト4は、2次転写ローラ73との対向位置である2次転写ニップに到達する。そして中間転写ベルト4上に形成されたカラートナー像は、2次転写ニップ位置に搬送された転写紙P上に転写される。
2(2Y,2M,2C,2Bk):感光体ドラム(潜像担持体)
3(3Y,3M,3C,3Bk):現像装置
4:中間転写ベルト
5Y,5M,5C,5Bk:1次転写ローラ
6:中間転写ユニット
10:現像部(現像器)
11,12:搬送スクリュ11,12
13:現像ローラ
14:ドクタブレード
15:ケーシング
20:トナーカートリッジ
21:モータ
22:トナー補給路
30:循環路
31:空気供給路
32:輸送管(循環路)
40:現像剤収容部
41:攪拌スクリュ
42:撹拌羽根
43:現像剤流入口
45:モータ
50:ロータリフィーダ
51:ロータ
51a:回転軸
51b、510〜512:羽根
52:継手管路
53:モータ
55:ステータ
56:流入孔
57:排出孔
70:給紙部
71:給紙ローラ
72:レジストローラ対
73:2次転写ローラ
74:定着装置
75:排紙ローラ対
76:排紙部
80:画像読取部
100:画像形成装置
P:転写紙
Claims (8)
- 潜像担持体上の潜像を現像剤で現像する現像部と、前記現像部の外部に設けられ現像剤の一部を収容する現像剤収納部と、前記現像剤収納部の下方に設けられ該現像剤収納部の現像剤を排出するロータリフィーダと、前記ロータリフィーダから排出された現像剤を空気を利用して前記現像部に移送する現像剤循環手段とを備えた現像装置において、
前記ロータリフィーダは、内部に円筒状の空間を有するステータと、該ステータの上部側に設けられ前記現像剤収納部からの現像剤が流入する流入孔と、前記ステータの下部側に設けられ現像剤が排出される排出孔と、前記ステータの空間内に配置され軸部から放射状に延びる複数の羽根を有する回転自在に軸支されたロータを備え、前記ロータリフィーダの流入孔と排出孔の少なくとも一方は、前記ロータの回転軸から引いた鉛直方向の中心線に対してずらした位置に設けることを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体上の潜像を現像剤で現像する現像部と、前記現像部の外部に設けられ現像剤の一部を収容する現像剤収納部と、前記現像剤収納部の下方に設けられ該現像剤収納部の現像剤を排出するロータリフィーダと、前記ロータリフィーダから排出された現像剤を空気を利用して前記現像部に移送する現像剤循環手段とを備えた現像装置において、
前記ロータリフィーダは、内部に円筒状の空間を有するステータと、該ステータの上部側に設けられ前記現像剤収納部からの現像剤が流入する流入孔と、前記ステータの下部側に設けられ現像剤が排出される排出孔と、前記ステータの空間内に配置され軸部から放射状に延びる複数の羽根を有する回転自在に軸支されたロータを備え、前記ロータリフィーダの排出孔の中心点を、前記ロータの回転軸から引いた鉛直方向の中心線に対して該ロータの回転方向上流側にシフトさせた位置に設けることを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体上の潜像を現像剤で現像する現像部と、前記現像部の外部に設けられ現像剤の一部を収容する現像剤収納部と、前記現像剤収納部の下方に設けられ該現像剤収納部の現像剤を排出するロータリフィーダと、前記ロータリフィーダから排出された現像剤を空気を利用して前記現像部に移送する現像剤循環手段とを備えた現像装置において、
前記ロータリフィーダは、内部に円筒状の空間を有するステータと、該ステータの上部側に設けられ前記現像剤収納部からの現像剤が流入する流入孔と、前記ステータの下部側に設けられ現像剤が排出される排出孔と、前記ステータの空間内に配置され軸部から放射状に延びる複数の羽根を有する回転自在に軸支されたロータを備え、前記ロータリフィーダの流入孔の中心点を、前記ロータの回転軸から引いた鉛直方向の中心線に対して該ロータの回転方向下流側にシフトさせた位置に設けることを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体上の潜像を現像剤で現像する現像部と、前記現像部の外部に設けられ現像剤の一部を収容する現像剤収納部と、前記現像剤収納部の下方に設けられ該現像剤収納部の現像剤を排出するロータリフィーダと、前記ロータリフィーダから排出された現像剤を空気を利用して前記現像部に移送する現像剤循環手段とを備えた現像装置において、
前記ロータリフィーダは、内部に円筒状の空間を有するステータと、該ステータの上部側に設けられ前記現像剤収納部からの現像剤が流入する流入孔と、前記ステータの下部側に設けられ現像剤が排出される排出孔と、前記ステータの空間内に配置され軸部から放射状に延びる複数の羽根を有する回転自在に軸支されたロータを備え、前記ロータリフィーダの流入孔の中心点を、前記ロータの回転軸から引いた鉛直方向の中心線に対して該ロータの回転方向下流側にシフトさせた位置に設け、かつ排出孔の中心点を、前記ロータの鉛直方向の中心線に対して該ロータの回転方向上流側にシフトさせた位置に設けることを特徴とする現像装置。 - 請求項1〜4のいずれか一つに記載の現像装置において、
前記排出孔は、前記ロータの鉛直方向の頂上点を0度とし、該ロータの回転方向をプラスとすると、90〜180度の間にあることを特徴とする現像装置。 - 請求項1〜5のいずれか一つに記載の現像装置において、
前記排出孔の幅W1(ステータ開口部の弦の長さ)は、以下の式を満たすことを特徴とする現像装置。
W1>V/t
V:ロータ先端の周速(m/s)
t:ロータの軸近傍の現像剤が、自由落下でロータ外に到達するまでの時間(s)
t=√(2(R・r)/g)
R:ロータの半径(m)
r:ロータの軸半径(m)
g:重力加速度(m/s^2) - 請求項1〜6のいずれか一つに記載の現像装置において、
前記ロータの羽根の先端側の一部が、該ロータの回転方向に対して逆方向に傾斜を持つことを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像して可視化する現像手段を備えた画像形成装置であって、
前記現像手段として請求項1〜7のいずれか一つに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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