JP2010278191A - 熱電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な方法で作製できる大面積な熱交換構造を有し、高い熱電変換効率と耐久性を有する熱電変換素子を提供する。
【解決手段】対向して配置された一対の電極基板11,12と、前記電極基板の対向する内面側に複数の熱電半導体が電気的に連結された熱電変換モジュールと、前記一対の電極基板のうち、少なくとも一方の電極基板の外面側に熱交換用のフィンを有する熱電変換素子において、前記熱交換用のフィンがらせん状の熱交換フィン16であることを特徴とする熱電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゼーベック効果を用いた熱電変換素子に関するものである。
熱電半導体を用いた発電素子は、熱源となる高温側と、冷却源となる低温側との熱的な接触状態にその性能が大きく影響を受ける。例えば、高温側熱源が平面で無く凹凸がある場合、素子と高温側熱源間の熱交換構造が重要となるような技術が知られて(例えば、特許文献1、2参照)いる。特許文献1では、熱的な接触状態を改良するため、低融点の金属を含有したクッション材を封入した材を熱源と素子間に配し、熱伝達効率を高めているものの、比較的大きな凸点があった場合、近くのクッション剤は熱源に接触できず熱伝導効率が低下するという課題を有している。また、特許文献2では、中空形状のフィンを用いることで、流体を通した熱伝達効率を高めているものの、中空形状のフィンによる熱交換は流体を流し続けないと熱交換の効率が大きく低下すると言う課題を有している。また熱交換の効率は流体の向きにも大きな影響を受け、向きによってはフィンとしての機能を殆ど果たしえないという課題を有している。一方、いわゆるヒートシンクとして、らせん状の構造が提案されて(例えば、特許文献3参照)いる。しかし、熱電変換による発電素子へ適用可能な、耐久性が高く安価な大面積の熱交換構造に関する示唆はされていなかった。また、上記技術では、凹凸を有する熱源への密着を高めると、素子に内部応力が発生し易く、加熱冷却サイクル等に対して耐久性に優れた素子とはいえなかった。
特開2006−24608号公報 特開2008−78587号公報 特開2004−311711号公報
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は簡便な方法で作製できる大面積な熱交換構造を有し、高い熱電変換効率と耐久性を有する熱電変換素子を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の手段によって達成される。
1.対向して配置された一対の電極基板と、前記電極基板の対向する内面側に複数の熱電半導体が電気的に連結された熱電変換モジュールと、前記一対の電極基板のうち、少なくとも一方の電極基板の外面側に熱交換用のフィンを有する熱電変換素子において、前記熱交換用のフィンがらせん状の熱交換フィンであることを特徴とする熱電変換素子。
2.前記らせん状の熱交換フィンが、各々平行になるように配置されていることを特徴とする前記1記載の熱電変換素子。
3.前記らせん状の熱交換フィンが、金属箔からなることを特徴とする前記前記1又は2に記載の熱電変換素子。
4.前記らせん状の熱交換フィンが両方の前記電極基板に配置されていることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
5.前記らせん状の熱交換フィンの直径に対する長さの比が2以上であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
本発明により、熱電変換素子に大面積の熱交換構造を簡便な方法で作製でき、かつ高い熱電変換能力が得られ、耐久性にも優れる。
本発明に係る熱電変換素子の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の熱電変換素子の、高温側と低温側におけるらせん状導電部材の配置を示す模式図である。
本発明の熱電変換素子は、対向して配置された一対の電極基板と、電極基板の対向する内面側に複数の熱電半導体が電気的に連結された熱電変換モジュールと、電極基板の外面側にらせん状の熱交換用フィンを有することを特徴としている。
〔らせん状の熱交換用フィン〕
本発明に係るらせん状の熱交換用フィンは、1本(枚)または複数の細長い材料を、断面の大きさ、形状がピッチごとに略同一になるよう巻くことで得られる構造をいう。また、らせん形状は擬似的にパイプとみなすことが出来、本発明ではらせん形状をパイプとみなした場合の外径をらせん状の熱交換用フィンの直径、最も数値が大きくなるように測定したときの長さをらせん状の熱交換用フィンの長さと定義する。このような構造には、幾つかの特徴がある。
(i)伸縮性がある:らせん状の熱交換用フィンは、らせんを円柱としてみなした場合、その高さ方向の伸縮が可能である。この時に部材内部にかかる応力は、単なる円柱、角柱構造と比して小さくすることができる。また、らせんの断面に垂直な方向に対しても、同様に伸縮性がある。更には、断面と長さ方向に共に垂直な方向に対しては、もともと応力が働かない。
また、らせん状の熱交換フィンは柔軟性や屈曲性にも優れており、パイプなどの曲面や凹凸のある面に対しても追従が可能であり、高い熱伝導性を有することが出来る。特にコルゲートフィンなどの従前の熱交換フィンを吸熱フィンとして用い、パイプなどの曲面への適応を試みた場合にフィン同士が干渉し、熱交換の効率が著しく低下する恐れがある。らせん状の熱交換フィンはピッチという空間的余地を有しているため、いかなる方向に屈曲させて用いる場合にもらせん状の熱交換フィンが干渉すること無く、高い熱交換性を維持することが出来る。
(ii)熱伝導が均一:らせん状の熱交換用フィンを用いる場合には、熱交換用フィンに熱源(冷却源)となる流体を流すことも、固体の熱源(冷却源)に熱交換用フィンを接触させて熱交換を行うことも可能である。
特に本発明にかかるらせん状の熱交換用フィンを横倒しにした状態で、固体の熱源に接触させて使用する場合には、らせん状の熱交換フィンは熱源に対して点、もしくは面で接触するため、支持基板と熱源間のらせん状の熱交換フィンを介した距離(熱伝導路)は均一となるため効率よい熱伝導が行える。
また、熱源などに凹凸があった場合、その凸の大きさより十分に大きなピッチ(線間隔)があれば、その凸を逃れて熱伝導の均一性を保つことができる。また、らせん状の熱交換フィンに凸が接触しても、らせん状の熱交換フィンは高い弾性を有しているため、凹凸面にも柔軟に対応することができる。さらにらせんの各ピッチは物理的な影響を受けないため、凸が接触しているピッチの左右のピッチが影響をうけ変形することも無い。
らせん状の熱交換用フィンを放熱用のフィンとして用いる場合には表面積を大きく取れるため、放熱性に優れているため、冷却媒体のを流し続けなくても(ファンなどで風を送らなくても)効率よい放熱が可能である。また、放熱性能が風などの冷却媒体の流れる方向に影響を受けないので、熱電変換素子を設置する場所や方向などを考慮することなく様々な場所に設置することが可能となる。
(iii)生産性が高い:連続的に作製することが容易な部材であり、低コストで大量に生産することが可能である。
本発明におけるらせん状の熱交換用フィンは、その長さ/直径比が2以上であるが、20以上が好ましく、さらに好ましくは100以上である。これにより熱交換効率が向上し、変換効率が上昇すると共に、耐久性も向上する。逆に以下の場合、変換効率、耐久性とも劣化する。ここでらせん状の熱交換用フィンの巻き方が正確な円でない場合は、その長軸を直径とみなしてよい。
熱交換用フィンの好ましい直径は、必要に応じて決められるが、外径が小さい場合、熱交換能が十分に得られなくなるため好ましくなく、逆に大きすぎる場合、素子の使用に支障が出るばかりでなく、コスト的にも好ましくないため、適当な値が存在する。本素子においては、好ましい外径の最小値は、0.1mm以上である。更に好ましくは、0.5mm以上である。また外径の最大値は、熱交換フィンを含まない素子本体の厚みに対して10倍以下が好ましく、さらに好ましくは5倍以下である。
本発明におけるらせん状の熱交換用フィンは、その母線断面が円筒状あるいは四角等の、いわゆるコイルバネ状でもよいし、細線を芯線に巻きつけて得られるような部材であっても、特に問題なく使用可能である。中でも、細線断面が略楕円または、略長方形状の金属箔を芯線に巻きつけて得られる、いわゆる箔線であることが好ましい。本発明に係る長さ/直径比は、2以上であることが好ましく、更に好ましくは5以上である。長さ/直径比は、コイルバネでは数十程度でも実用化される場合が多い。コイルバネの場合の長さ/直径比は、2〜50、好ましくは5〜30である。一方、本発明においては、箔線のように、数十から数百μm程度の直径で数kmの長さを有するよう生産される部材、すなわち長さ/直径比が10万以上の部材をそのまま、ないし、一部適当な長さに切断して使用することも好ましい。このような部材を用いると、凹凸を有する面に対する追従性が高い熱交換構造を、大面積に効率よく設ける場合、薄くて長い電極上に、長手方向に沿うようにして、このような線状の部材を多数平行に、しかも一度に配することが可能なため、略平面状の熱交換空間と同形状に広がる熱交換構造を、低コストに作製することも可能となる。
細線や金属箔は一重で巻くことで本発明に係るらせん状の熱交換用フィンとすることができる。また、二重以上の多層、特に金属箔を多層に巻くことで得られるらせん状の熱交換用フィンも好ましい。芯線に巻きつけることで得られるらせん状の熱交換用フィンの場合、内部に芯線を残存させたままで使用することも可能であるが、芯線を除去して使用することも可能である。芯線を溶解できる溶媒で溶解除去する手法や、焼成により除去する手法が適用可能である。
本発明に係るらせん状の熱交換用フィンは長さ/直径比の2以上の部材は、2W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料からなることが好ましい。2W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料としては、銅、アルミ、銀などの各種金属、アルミナや窒化アルミ、炭化珪素、ジルコニアなどのセラミックス、高伝熱性フィラーを配した樹脂コンポジット、炭素繊維、カーボンナノチューブのような炭素材料などを使用することが好ましい。これらの材料を複合化した材料、表面処理をほどこし、熱輻射能を高めた材料も無論使用可能である。それらのらせん状の熱交換用フィンの熱伝導率は、10W/(m・K)以上が好ましく、更に好ましくは50W/(m・K)以上である。
らせん形状の作製法としては、先述した、一般的なコイルスプリングの作製法が適用できる他、銅箔糸線の作製法、例えば、公開実用新案公報昭62−7113に記載の銅箔糸線作製法等を用いることができる。セラミックであれば、セラミックの前駆体を型に入れ焼成する手法、セラミックコイル内に金属を配するのであれば、特開2005−340584号に記載の方法などを用いることができる。
2W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料は、弾性変形能が高いバネ状の部材を用いることは好ましいが、塑性変形を起こしやすい部材を用いることも好ましい。特に局所的な凹凸に追従できる変形能が高いこと重要な場合は、弾性率の低い材料や、いわゆる塑性変形領域の広い金属材料を用いることが好ましい。
らせん状の熱交換用フィンの母材表面は、平滑でも良いが、微細な凹凸を有していても良い。必要な性能に応じて、材質種とともに選択することが可能である。
〔熱電半導体の選択〕
熱電変換素子を構成する熱電半導体の種類としては、ビスマス−テルル系の半導体のほか、Si−Ge系の半導体、Pb−Te系の半導体などが適用可能である。その他、充填スクッテルダイト化合物、ホウ素化合物、亜鉛アンチモン、クラスレート、擬ギャップ系ホイスラー型化合物、各種酸化物などがある。詳細は、例えば、「熱電変換システムの高効率化・高信頼化技術」(2006年、技術情報協会)、「熱電変換技術ハンドブック」(2008年、株式会社エヌ・ティー・エス)等の記載を参考にできる。有機材料の熱電半導体も使用可能である。これらの中から、使用する温度領域、必要な電力量に応じて適当な半導体を選択することができる。
〔熱電変換素子の構造〕
基板間に挟まれた電極と熱電半導体の配置については、成書の記載を参考にすることができる。例えば先述の、「熱電変換システムの高効率化・高信頼化技術」(2006年、技術情報協会)、「熱電変換技術ハンドブック」(2008年、株式会社エヌ・ティー・エス)等の記載を参考にできる。
さらに本発明の熱電変化素子の構成について図を用いて説明する。なお、以下の図に示す熱電変換素子は、本発明の熱電変化素子の一例を示すものであり、本発明はここで例示する構成にのみ限定されるものではない。
図1は、本発明の熱電変換素子の構成の一例を示す概略断面図である。
図1(a)に示す熱電変換素子1では、それぞれp型の熱電半導体14とn型の熱電半導体15の対が、電極基板11、12の間に挟まれ、電極と熱電半導体間には、ハンダ等からなる接合空間13が存在している。接合空間13は、応力緩和能を有していても良く、図1に示すように熱電半導体14、15の両側に存在することが好ましい。
電極基板として、導電性金属である銅板やアルミ板などを電極基板として用意し、その外面に直接熱交換用フィンを設けることが可能である。複数素子を直列接合して用いる場合には、電極間の電気的絶縁を確保するため、電極基板間を部分的に切除するなどしても良い。
別途電気的に絶縁性の基板を用意し、それと電極基板を組み合わせる手法も適用することができる。すなわち電極基板の外側に、素子の形態を保ち、内部を保護すると共に外部からの熱交換を阻害しないよう、電気絶縁性の基板、例えば絶縁膜付きのステンレス薄板などを用いることができる。その内面に電気伝導性を有する電極基板を後から作製することで、その部分を電極基板として利用することが可能である。
上記電極基板を後から作製する手法として、絶縁性基板の表面に、導電性の材料を、メッキ、溶射などの手法により直接層状に作製する手法や、銅箔、アルミ箔などを適当な大きさ、厚みにしたものを貼り付けるなどする手法を用いることができる。これらの電極基板作製時にパターン化を同時に行うことで、素子間の絶縁処理を不要にすることも可能である。
本発明におけるらせん状の熱交換用フィン16および16’は、その外部に、電極面に対してらせん軸が平行になるよう配される(p、n対に対する向きは模式的に示したもので、これに限るものではない)。図1(b)の立体図に示すように、らせん状の熱交換用フィンが平行な平面状になるように配されることも好ましい。
図2は本発明の熱電変換素子の、高温側と低温側におけるらせん状導電部材の配置を示す模式図である。
らせん状の熱交換用フィンは空隙部を有し、熱電変換素子が壁状の外壁面を有する熱源や冷却源と接触する時には応力緩和能を発揮すると同時に、熱的な密着性を高める働きをする。らせん状の熱交換用フィンは、局所的な凹凸に対して、個々の接触部のみが変形し、隣接する接触部は変形しにくい構造であるため、微小な凹凸に対して追従性が高い。凹凸が大きい場合は凹凸に見合うらせん外径を有する部材を用いることで容易に追従が可能である。さらにこの場合、流体の対流による熱伝達よりも、らせん状の熱交換用フィンを通した直接の熱伝達が有効な事が多いので、らせん状の熱交換用フィンの母材の、熱源や冷却源との接触面積が線(ないし面)状の接触で大きくなる、例えば箔線のような形状を取ることが好ましい。
一方、冷却源が空気、いわゆる空冷の場合、らせん状の熱交換用フィンは他の部材と接触し、変形する必要はない。空冷は、空気との接触、またその対流による熱交換を通した冷却なので、効率よく大面積と接触できる構造を有する熱交換部であることが好ましい。そのため、先に示したように、らせんを構成する部材の比表面積を高める加工を施したらせん状の熱交換用フィンの使用が好ましい。たとえば金属母材として、対向するギアで挟んで凹凸を設けた線や、エッチングで微小な凹凸を設けたらせん状の熱交換用フィンなどが好ましい。らせん状の熱交換用フィンの断面は、生産性を妨げない程度に大きく、空気層中に入り込む形状が好ましい。基板との接合形状は上述のように線状である必要はなく、対流による、流体のらせん状の熱交換用フィンの内外の熱交換を妨げない形状であれば良い。これは空冷だけでなく、水冷のような液体を冷媒とする場合も同様である。熱源が高温の流体で素子表面のらせん状構造が直接接する場合、前記の空冷と同様に断面が大きく流体内に大きく入り込む構造をとることが望ましい。
本発明では、熱源側、冷却源側のいずれかにらせん状の熱交換用フィンを有していれば良いが、熱電変換効率向上のためには、少なくとも熱源側に設けることが好ましく、さらに両側に設けることが好ましい。特に、変換効率が高く、耐久性の高い熱交換構造を作製するためには、片側のらせん状の熱交換用フィン同士の長軸が各々平行であるだけでなく。熱源、冷却源両側の部材の長軸も各々平行であることが好ましい。これにより、熱電変換素子を曲面へ貼り付ける場合にも、素子の密着性を高めやすくなり高効率化が達成できると共に、応力緩和能も高まり、熱交換部の耐久性を高めることが可能になる。
らせん状の熱交換用フィンは、電気絶縁基板に直接接合しても、中間接合部材を介して絶縁基板に接合されても良いし、絶縁基板を持たない素子では電極に直接接合することも可能である。この場合、電極同士が短絡しないように接合する必要がある。接合には、ハンダ等の低融点金属を用いることが可能であると共に、各種接着剤、溶接、ロウ付け等が適用可能である。接合においては、必要以上に多量の接合材を用いると、接合に必要な材料が多くコスト的に不利になると同時に、上記の密着性、応力緩和性が損なわれる可能性がある。逆に少なすぎると接合信頼性とともに熱伝導効率が低下し十分な熱交換能が得られず、起電力も損なわれるため適度な値が存在する。その値は実験的に求めることができるが、らせん状の熱交換用フィンが平面状の空間をなすと考えると、その全体積に対して、10体積%以上、90体積%以下であることが好ましい。より好ましくは、20体積%以上、80体積%以下である。
〔らせん状の熱交換用フィンの配列方法〕
本発明におけるらせん状の熱交換用フィンは、支持基板の必要な厚みに応じて適当な太さで、かつ太さの分布を適宜選択し、適切な製造装置で配することで作製可能であり、従来公知のすべての手法が適用可能である。らせん状の熱交換用フィンが各々平行に配されているとき、隣接するらせん状の熱交換用フィンが接触ないし密着していても良いが、らせん状の熱交換用フィンのなす空間に対し、必ずしも高密度を占めている必要は無い。空冷用の熱交換部材として用いる場合は、若干の間隙を有することで空気の対流を増し冷却能を上げることも可能である。若干の間隙は、上記の曲面への密着性においても有利に働く。ただし、らせん状の熱交換用フィンの配置時に局所的に空隙が存在すると、局所的には熱交換能力が得られるが、素子全体の機能を向上することは期待できない。そのため空隙は熱交換空間面内に、小さく均一に分布していることが好ましい。たとえば平面状の熱交換空間の投影面から厚み方向に観察した場合に、導電性材料の存在していない空隙は、見かけ上小さいことが望ましい。好ましくは30%以上、より好ましくは70%以上である。
上記の観点から、らせん状導電性部材はその長軸が各々平行に配されていることが好ましい。これにより、空隙をより均一に熱交換空間内に配置できる他、少なくとも一定方向への可撓性を高め、耐久性を高めることが可能になる。
らせん状の導電性部材を各々平行に配するためには、例えば下記の手法、およびその組合せが考えられる。
(1)らせん状の熱交換用フィンをあらかじめ平行に仮固定後、基板等と接合する。
(2)らせん状の熱交換用フィンを基板等と、逐次接合する。
上記(1)の場合は、らせん状の熱交換用フィンとして、銅箔糸線を用いる場合、光ファイバー用V溝基板などを用いることで容易に配列・固定が可能であり、必要に応じて結着剤等でこの箔線をリボン状に仮成型した後、接合面のみ結着材を取り除き、クリームハンダや銀ぺーストを塗布する。リフロー炉を通して基板と接合後、溶剤を用いて結着材、箔線の芯線を除去することで、らせん状の熱交換用フィンと基板の結合を完了することができる。仮成型の代わりに、テープ状の保持部材に箔線を平行に並べて貼り付けた状態で、クリームハンダを塗布した電極に一括して半田付け接合することも可能である。
上記(2)の場合は、らせん状の熱交換用フィンとして金属を用いると、コイルとしての働きを有するため、いわゆる高周波加熱が可能である。そのため、芯線中にハンダ等の接合金属を少量含有させておき、電極と密着後、高周波加熱で芯線中の接合用の金属を溶融させると、自重でらせん状の熱交換用フィンから染み出し、電極と接合することが期待できる。この手法を用い、1本ずつ基板上に配置、加熱接合を繰り返すことでらせん状の導電性部材を配した熱交換空間を作製できる。これ以外にも抵抗加熱など、各種の加熱接合法が適用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
p、n熱電半導体の作製と表面処理
アルゴン中で双ロール急冷法で作製した数mm角で厚みが約500μmのp型熱電半導体((BiTe0.25(SbTe0.75)薄片の両面に、各々イオンプレーティング法で1μm厚のNi膜を形成した。
同様に、双ロール法で作製した、数mm角の矩形で厚みが約500μmのn型熱電半導体((BiTe2.7(BiSe0.3)薄片の両面に、各々イオンプレーティング法で1μm厚のNi膜を形成した。
ともに、表面に0.1mm以下の微小な凹凸を有し、厚みに同程度のばらつきのある表面処理済みの半導体片であった。
熱電変換素子1の作製
〔らせん状の熱交換用フィンの作製〕
1)コイルバネ:太さ0.1mmのCu−Be線を用いて、巻き外径(直径)0.5mm、巻きピッチ0.12mmとなるようにCu−Be線を巻いたものを所定の長さで裁断し、コイルバネ1(銅線らせん状の熱交換用フィン)を得た。
コイルバネ1の作製と同様の方法で、巻き外径を0.75mm、1mmにしたものをそれぞれコイルバネ2、コイルバネ3とした(巻きピッチは0.12mmとした。)。
2)箔線らせん状の熱交換用フィン:太さ0.08mmの強力テトロン線を縒り合せたものを芯線として、幅0.22mm、厚み0.023mmの銅箔を巻きつけ、巻き外径(直径)0.19mm、巻きピッチ0.12mmに巻いたものを所定の長さで裁断し、箔線らせん状の熱交換用フィン1を得た。
箔線らせん状の熱交換用フィン1作製と同様の方法で、巻き外径を0.40mm、0.60mmにしたものをそれぞれ箔線らせん状の熱交換用フィン2、箔線らせん状の熱交換用フィン3とした(巻きピッチは0.12mmとした。)。
ジルコニアコイルバネ:上記1)で作製したコイルバネ1を石膏で型取りし、コイルバネ1を作製した。次に分散剤と消泡剤を加えたジルコニア粉末(平均粒径10μm)の水分散物(ジルコニア90質量%含有)をコイルバネ1の型に加圧注入し、静置・乾燥させた。その後、1000度で仮焼成し、1600度の真空炉内で3時間焼成した。十分に冷やした後、石膏内から取り出したジルコニアコイルバネを洗浄・乾燥し、ジルコニアコイルバネを得た。
ポリエステルコイルバネ:上記1)で作製したコイルバネ1を石膏で型取りし、コイルバネ1の型を作製した。この型に熱溶融させたポリエチレンテレフタラート樹脂を加圧注入し、十分に冷却した後、石膏型から取り出したポリエステルコイルバネを洗浄・乾燥し、ポリエステルコイルバネを得た。
〔熱電変換素子1の作製〕
(1)低温側(空冷)基板の作製
アルミナ絶縁皮膜を表面に有するステンレス基板(大きさ7cm×3cm、厚み約50μm)の片面に、熱可塑性銀ペースト(STAY STICK 191、テクノアルファ株式会社製)を塗布、静置後、上記1)で作製したコイルバネ1(長さ/直径比:3)を個々にコイルバネスプリングフィーダーを用いて、ステンレス基板に供給した。この時、全てのコイルバネ1は横になった状態で基板上に配置し、コイルバネ1の投影面積がステンレス基板面積の40%となるように設けた。その後、1Torr(1Torrは133.322Paである)に減圧した真空チャンバー中でIRヒーターを用いて基板温度が約150度になるように加熱し、コイルバネを接合した。裏面にはステンレス基板の中央部にステンレスからなるマスクを取り付けた後、アセチレンガスの燃焼炎(2800℃)を用いたガスフレーム溶射で、皮膜状のアルミ電極基板(約50μm)を設け、低温側基板を作製した。
(2)高温側基板の作製
アルミナ絶縁皮膜を有するステンレス基板にアセチレンガスの燃焼炎を用いたガスフレーム溶射で、厚み約50μmの皮膜状のアルミ電極基板を設け、高温側基板を作製した。
作製した高温側基板の皮膜状のアルミ電極基板を設けた面に、メタルマスク(開口率約0.57)を用いて、平均直径が30〜40μmの鉛フリー球状クリームハンダを塗布した。
その後クリームハンダ上にp型、n型半導体片をピンセットを用いて配置した。低温側基板のアルミ電極皮膜を設けた面にも、メタルマスク(開口率約0.57)を用いて、平均直径が30〜40μmの鉛フリー球状クリームハンダを塗布した。高温側基板のp型、n型半導体片配置面に低温側電極を載せ、半導体片を挟むようにして錘で固定したまま、260度のリフロー炉で30秒リフローを行い、電極と半導体を半田付けした後、シールを施し、熱電変換素子1を作製した。
シールには、電気絶縁性のシリコーンシーラント(セメダイン8000)を使用し、両端にアルミ溶射電極が各1cm幅で出るようにしてシールした。シーラントの硬化はタックフリーになるまで乾燥した後、注射針を差して内部のガスの抜け道を確保できるようにして減圧し、内部がほぼ真空になるようにしてから加熱することで行った。
〔熱電変換素子2〜21の作製〕
熱電変換素子2〜21は下記の方法によって作製した。
長さ/直径比が3のコイルバネ1を低温側電極にランダムに配置した以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子2を作製した。
長さ/直径比が10のコイルバネ1を低温側電極に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子3を作製した。熱電変換素子3は全てのコイルバネを並行に並べておらず、一部平行でない無いまま固定させたコイルバネを有している。
長さ/直径比が30のコイルバネ1をコイルバネ同士が平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子4を作製した。
長さ/直径比が3のコイルバネ2をコイルバネ同士が平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子5を作製した。
長さ/直径比が10のコイルバネ2をコイルバネ同士が平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子6を作製した。
長さ/直径比が3のコイルバネ3をコイルバネ同士が平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子7を作製した。
長さ/直径比が10のコイルバネ3をコイルバネ同士が平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子8を作製した。
長さ/直径比が3のジルコニアコイルバネをコイルバネ同士が平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子9を作製した。
長さ/直径比が3のジルコニアコイルバネを低温側電極基板外側にランダムに配置した以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子10を作製した。
長さ/直径比が3のポリエステルコイルバネをコイルバネ同士が平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子11を作製した。
長さ/直径比が3のポリエステルコイルバネを低温側電極基板外側にランダムに配置した以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子12を作製した。
長さ/直径比が50の箔線らせん状の熱交換用フィン1を箔線らせん状の熱交換用フィンが平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子13を作製した。
長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン1を箔線らせん状の熱交換用フィンが平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子14を作製した。
長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン1を箔線らせん状の熱交換用フィンが平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子15を作製した。
長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン2を箔線らせん状の熱交換用フィンが平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子16を作製した。
長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン2を箔線らせん状の熱交換用フィンが平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子17を作製した。
長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン3を箔線らせん状の熱交換用フィンが平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子18を作製した。
長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン3を箔線らせん状の熱交換用フィンが平行になるように低温側電極基板外側に設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子19を作製した。
(比較例)
高さ4.6mm、フィンピッチ2.1mmの市販のコルゲートフィン型ヒートシンク1を投影面積比で、ステンレス基板面積の40%を覆うように設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子20を作製した。
特開2008−78578の図2に記載された形状を参考とし、高さ0.2mm、フィンピッチ0.5mmとなるように加工したコルゲートフィン型ヒートシンク2をステンレス基板面積の40%を覆うように設けた以外は、熱電変換素子1と同様の方法で、熱電変換素子21を作製した。
《熱電変換効率の測定》
得られた各熱電変換素子を高温電極基板外側は120℃の平板ホットプレートと接するように設置し、低温電極基板外側は、20℃の空気を熱交換用フィンの主軸に対して平行な方向に3m/sで流した状態での低温側電極から得られた起電力値を測定し、熱電変換効率を測定した。
低温電極基板外側に流す空気を熱交換用フィンの主軸に対して垂直な方向に流した以外は同様の条件で、低温側電極から得られた起電力値を測定し、熱電変換効率を測定した。
熱電変換効率は、熱電変換素子1において、らせん状の熱交換用フィンの主軸に対して平行な方向に空気を流した場合の起電力値を100として、相対値を求めた。得られる相対電力値が大きいほど、熱電変換能の高い素子と考えられる。表1に各熱電変換素子の起電力値を示す。
《耐久性の評価》
熱交換空間が有する応力緩和能は次のようにして評価した。
各熱電変換素子を−40℃の冷凍庫内に30秒静置した後、120℃のホットプレートに30秒静置するというサイクルを1000サイクル繰り返し、上記の熱電変換効率評価を行った。尚、冷却風は冷却面に対して平行に流して測定し、その値は熱電変換素子1の値を100とした相対値で示してある。
Figure 2010278191
表1から明らかな様に、本発明の熱交換用のフィンを有する熱電変換素子は、コルゲートフィン型ヒートシンクを設けた熱電変換素子に較べて、冷却風の通りがよいので変換効率が優れていることが判る。特に、コルゲートフィン型ヒートシンクを設けた熱電変換素子は、冷却風がフィンの主軸に対して垂直の場合、風上側のフィンが冷却風を遮るので極めて効率が悪い。更に、コイルバネを熱交換用のフィンにした、熱交換素子1〜12は、冷却風がフィンの主軸に対して垂直の場合、冷却風はコイルの間隙を通過するので、冷却風の方向に殆ど左右されないことが判る。
〔熱電変換素子22〜39の作製〕
低温側電極基板外側にらせん状の熱交換用フィンを設けず、低温側電極基板外側にらせん状の熱交換用フィンを設けた方法と同様の方法で、高温側電極基板外側に長さ/直径比が10のコイルバネ1を設けた以外は熱電変換素子1と同様の方法で熱電変換素子22を作製した。
高温側電極基板外側に長さ/直径比が50の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子23を作製した。
高温側電極基板外側に長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子24を作製した。
高温側電極基板外側に長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子25を作製した。
高温側電極基板外側に長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン2を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子26を作製した。
高温側電極基板外側に長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン2を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子27を作製した。
高温側電極基板外側に長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン3を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子28を作製した。
高温側電極基板外側に長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン3を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子29を作製した。
高温側電極基板外側にコルゲートフィン型ヒートシンク1を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子30を作製した。
高温側電極基板外側にコルゲートフィン型ヒートシンク2を設けた以外は熱電変換素子22と同様の方法で熱電変換素子31を作製した。
低温側電極基板外側に長さ/直径比が10のコイルバネ1を設け、高温側電極基板外側に長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子1と同様の方法で熱電変換素子32を作製した。
低温側電極基板外側に長さ/直径比が10のコイルバネ2を設け、高温側電極基板外側に長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子32と同様の方法で熱電変換素子33を作製した。
低温側電極基板外側に長さ/直径比が50の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設け、高温側電極基板外側に長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子32と同様の方法で熱電変換素子34を作製した。
低温側電極基板外側に長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設け、高温側電極基板外側に長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子32と同様の方法で熱電変換素子35を作製した。
低温側電極基板外側に長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設け、高温側電極基板外側に長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子32と同様の方法で熱電変換素子36を作製した。
低温側電極基板外側に長さ/直径比が100の箔線らせん状の熱交換用フィン2を設け、高温側電極に長さ/直径比が150の箔線らせん状の熱交換用フィン1を設けた以外は熱電変換素子32と同様の方法で熱電変換素子37を作製した。
低温側電極基板外側にコルゲートフィン型ヒートシンク1を設け、高温側電極基板外側にもコルゲートフィン型ヒートシンク1を設けた以外は熱電変換素子32と同様の方法で熱電変換素子38を作製した。
低温側電極基板外側にコルゲートフィン型ヒートシンク2を設け、高温側電極基板外側にもコルゲートフィン型ヒートシンク2を設けた以外は熱電変換素子32と同様の方法で熱電変換素子39を作製した。
尚、熱電変換素子32〜39において、低温電極側基板外側らせん状の熱交換用フィンの主軸と高温電極側基板外側らせん状の熱交換用フィンの主軸は平行になるように設けた。
《熱電変換効率の測定》
得られた各熱電変換素子を表面が梨地加工されている直径500mmの鉄製のパイプに、パイプの主軸と熱交換用フィンの主軸が平行になるように熱電変換素子を貼り付け、パイプを120℃に加熱し、他面を20℃の空気をパイプの主軸と平行な方向に3m/sで流しながら冷却した。その状態で低温側電極から得られた起電力値を測定した。
熱電変換素子をパイプの主軸と熱交換用フィンの主軸が垂直になるように貼り付けた場合以外は同様の条件で起電力を測定した。起電力の値は熱電変換素子22を、パイプの主軸とらせん状の熱交換用フィンの主軸が平行になるように熱電変換素子を貼り付けた場合の起電力値を100とした相対値を求めた。得られる相対電力値が大きいほど、熱電変換能の高い素子と考えられる。表2に各熱電変換素子の起電力値を相対値で示す。
《耐久性の評価》
熱交換空間が有する応力緩和能は次のようにして評価した。
各熱電変換素子を−40℃の冷凍庫内に30秒静置した後、120℃のホットプレートに30秒静置するというサイクルを1000サイクル繰り返し、上記の熱電変換効率評価を行った。尚、冷却風は冷却面に対して平行に流して測定し、その値は熱電変換素子22の値を100とした相対値で示してある。
Figure 2010278191
表2から明らかな通り、本発明の熱電変換素子は、熱交換用フィンの主軸をパイプの主軸と平行に貼り付けても、垂直に貼り付けてもパイプと密着するので、変換効率に殆ど差がない。一方、コルゲートフィン型ヒートシンクを設けた熱電変換素子は、熱交換用フィンの主軸をパイプの主軸と垂直に貼り付けた場合、熱交換用フィンの剛性と互いの干渉が障害になり、パイプと密着しにくくなり、変換効率に差を生ずる。場所によっては剥がれることもある。本発明の熱電変換素子は、垂直に貼り付けた時でも、コイルが伸縮するので障害はない。
上述したように、本発明の熱電変換素子は熱電変換効率、耐久性のいずれにおいても優れ、かつ熱電変換効率が加熱媒体又は冷却媒体の流れる方向に影響を受けないことがわかる。また、本発明の熱電変換素子は熱源、又は冷却源の形状による影響を受けにくく、表面が平滑でない場合や、複雑な形状をしている場合においても効率よく熱電変換を行うことが出来ることが分かる。
1 熱電変換素子
10、10′ 絶縁性基板
11 高温側電極基板
12 低温側電極基板
13 接合空間
14 p型熱電半導体
15 n型熱電半導体
16、16′ らせん状の熱交換フィン

Claims (5)

  1. 対向して配置された一対の電極基板と、前記電極基板の対向する内面側に複数の熱電半導体が電気的に連結された熱電変換モジュールと、前記一対の電極基板のうち、少なくとも一方の電極基板の外面側に熱交換用のフィンを有する熱電変換素子において、前記熱交換用のフィンがらせん状の熱交換フィンであることを特徴とする熱電変換素子。
  2. 前記らせん状の熱交換フィンが、各々平行になるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の熱電変換素子。
  3. 前記らせん状の熱交換フィンが、金属箔からなることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記らせん状の熱交換フィンが両方の前記電極基板に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  5. 前記らせん状の熱交換フィンの直径に対する長さの比が2以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015012261A (ja) * 2013-07-02 2015-01-19 富士フイルム株式会社 熱電変換素子

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