JP2010278130A - パワーデバイスの冷却装置及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却装置の大型化とコストの増大を防止しつつ、冷却装置によりパワーデバイスの冷却性能を向上する。
【解決手段】冷却装置1は、上面50aにIPM14が設けられ、内部に冷媒が通過する冷却部50を有している。冷却部50は、内部をIPM14側の上部空間71とその反対側の下部空間72に分ける仕切り板70と、下部空間72に通じる冷媒流入口60と、上部空間71に通じる冷媒流出口61を有している。仕切り板70は、下部空間72と上部空間71を連通させる複数の冷媒通過孔73を有している。
【選択図】図2
【解決手段】冷却装置1は、上面50aにIPM14が設けられ、内部に冷媒が通過する冷却部50を有している。冷却部50は、内部をIPM14側の上部空間71とその反対側の下部空間72に分ける仕切り板70と、下部空間72に通じる冷媒流入口60と、上部空間71に通じる冷媒流出口61を有している。仕切り板70は、下部空間72と上部空間71を連通させる複数の冷媒通過孔73を有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、パワーデバイスの冷却装置及び当該パワーデバイスの冷却装置を備えた燃料電池システムに関する。
例えば自動車等の車両に搭載される燃料電池システムには、各種駆動制御等を行うためのインテリジェントパワーモジュール(以下、「IPM」とする。)や、各種制御回路等に設けられるリアクトル等のパワーデバイスが設けられている。当該パワーデバイスは、作動により発熱するため、冷却装置が必要になる。例えば図8に示すようにパワーデバイス100の冷却は、冷媒が流れる冷媒流路101を設け当該冷媒流路101の外側面にパワーデバイス100を密着させることにより行われている。
しかしながら、上述の冷却方法では、冷媒がパワーデバイス100に沿って一方向に流れながら、パワーデバイス100を冷却するため、下流側に行くにつれて次第に冷媒温度が上昇する。このため、パワーデバイス100の下流側に位置する部分の冷却が効果的に行われないことがある。また、冷媒が冷媒流路101に沿って一方向に流れるため、冷媒流路101の壁面付近の温度境界層が厚くなり、熱の輸送量がその分少なくなる。かかる問題を解決するために、冷却流路を大きくし冷媒の流量を増やすことが考えられるが、その場合、冷却装置が大型化し、コストも上がる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、装置の大型化やコストの増大を防止しつつ、パワーデバイスの冷却性能を向上できるパワーデバイスの冷却装置及び当該パワーデバイスの冷却装置を備えた燃料電池システムを提供することをその目的とする。
上記目的を達成させるための本発明は、パワーデバイスを冷却する冷却装置であって、一の面にパワーデバイスが設けられ、内部に冷媒が通過する冷却部を有し、前記冷却部は、内部を前記パワーデバイス側の一の空間とその反対側の他の空間に分ける仕切り板と、前記他の空間に通じる冷媒流入口と、前記一の空間に通じる冷媒流出口を有し、前記仕切り板は、前記他の空間と前記一の空間を連通させる複数の冷媒通過孔を有することを特徴とする。
以上の実施の形態によれば、冷媒が仕切り板の複数の冷媒通過孔を通じて冷却部内の他の空間からパワーデバイス側の一の空間に流れるので、冷媒がパワーデバイスのある一の面に向かって流れる。この結果、例えばパワーデバイスの全体に低温の冷媒を供給できるので、パワーデバイス全体の冷却を効果的に行うことができる。また、冷却部内のパワーデバイス側の一の面付近の温度境界層が薄くなるため、パワーデバイスの冷却が効率的に行われる。さらに、冷却部の内部に、冷媒の流れの向きを変える仕切り板を設けるので、冷却装置が大型化することなくコストも増大しない。よって、冷却装置の大型化やコストの上昇を防止しつつ、パワーデバイスの冷却性能を向上できる。
前記冷却部は、直方体状に形成され、前記一の面に垂直な一の側面に前記冷媒流入口が形成され、当該一の側面に対向する他の側面に前記冷媒流出口が形成されていてもよい。
前記冷媒通過孔には、冷媒を前記パワーデバイス側の所定方向に向けて流すためのガイドが形成されていてもよい。
前記ガイドは、前記仕切り板の一部を立ち上げることにより形成されていてもよい。
別の観点による本発明は、上記パワーデバイスの冷却装置を備えた燃料電池システムである。
本発明によれば、冷却装置の大型化やコストの上昇を防止しつつ、冷却装置のパワーデバイスの冷却性能を向上できる。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るパワーデバイスの冷却装置1が搭載される燃料電池システム2の構成の概略を示す説明図である。本実施の形態では、燃料電池システム2を燃料電池車両(移動体)の車載発電システムに適用した例について説明する。
燃料電池システム2は、図1に示すように、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池10と、燃料電池10に酸化ガス(例えば空気)を供給する酸化ガス配管系11と、燃料電池10に燃料ガスとしての水素ガスを供給する水素ガス配管系12等を備えている。
燃料電池10は、反応ガスの供給を受けて発電する単電池(単セル)を所要数積層して構成したスタック構造を有している。 燃料電池10には、例えばパワーデバイスとしてのIPM14や、発電された電力が供給される負荷部15等が接続されている。本実施の形態にかかる冷却装置1は、このIPM14を冷却するものである。
酸化ガス配管系11は、例えば加湿器20と、加湿器20により加湿された酸化ガスを燃料電池10に供給するガス供給流路21と、燃料電池10から排出された酸化オフガスを加湿器20に送るガス排出流路22と、加湿器20の酸化オフガスを外部に排出するガス排気流路23を備えている。ガス供給流路21には、大気中の酸化ガスを取り込んで加湿器20に圧送するコンプレッサ24等が設けられている。
水素ガス配管系12は、例えば高圧(例えば70MPa)の水素ガスを貯留した燃料供給源としての水素タンク30と、水素タンク30の水素ガスを燃料電池10に供給するためのガス供給流路31と、燃料電池10から排出された水素オフガスをガス供給流路31に戻すための循環流路32を備えている。
ガス供給流路31には、例えば水素タンク30の元弁として機能し、水素タンク30から燃料電池10側への水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁33と、水素ガスの圧力を予め設定した二次圧に減圧するレギュレータ34と、燃料電池10側に供給する水素ガスの流量やガス圧を高精度に調整するインジェクタなどの調圧装置35が設けられている。
循環流路32には、例えば水素オフガスから水や不純物を除去するイオン交換器36と、循環流路32内の水素オフガスを加圧してガス供給流路31側へ圧送する水素ポンプ37が設けられている。イオン交換器36には、イオン交換器36により分離された水や一部の水素オフガスを外部に排出する排出流路38が接続されている。当該排出流路38には、イオン交換器36からの水や一部の水素オフガスの排出を制御する排出制御弁39が設けられている。
負荷部15には、トラクションモータのほかに、燃料電池10を作動させるために必要なコンプレッサ24、水素ポンプ37、及び図示しない冷媒循環用のポンプ等の補機装置のモータ、並びに、車両の走行に関与する各種装置(車輪制御部、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、空調装置、照明及びオーディオ等が含まれる。
次に、以上のように構成された燃料電池システム2に搭載された冷却装置1の構成について説明する。
冷却装置1は、例えば図2に示すようにIPM14が取り付けられる冷却部50と、冷却部50に冷媒を供給する冷媒供給部51と、冷却部50と冷媒供給部51とを接続する管路52を有している。
冷却部50は、例えば図3に示すように方盤状の直方体形状を有し、面積の大きい方形の一の面としての上面50a上に複数のIPM14が密着されている。IPM14は、例えば上面50a面内に偏りなく、均等に配置されている。なお、IPM14と上面50aとの密着は、グリースを介在して行われていてもよい。
図2及び図3に示すように冷却部50の一の側面50bには、供給側の管路52が接続された冷媒流入口60が形成され、一の側面50bに対向する他の側面50cには、排出側の管路52が接続された冷媒流出口61が形成されている。冷媒流入口60は、一の側面50bの長手方向(図3のX方向)の一の端部寄りに配置され、冷媒流出口61は、他の側面50cの長手方向の一の端部と反対の他の端部寄りに配置されている。
冷却部50の内部には、図2に示すように上面50a及び下面50dに平行な仕切り板70が設けられている。仕切り板70は、例えば冷却部50の内部の上下方向の中間位置程度に配置され、冷却部50の内部を、上面50a側の一の空間としての上部空間71と下面50d側の他の空間としての下部空間72に分けている。仕切り板70には、多数の冷媒通過孔73が形成されている。冷媒通過孔73には、冷媒を上面50aに対して垂直になる方向から衝突させるためのガイド74が形成されている。冷媒通過孔73は、例えば図4に示すように円形に形成され、仕切り板70の面内に偏りなく配置されている。冷媒通過孔73は、少なくともIPM14に対応する位置に形成されている。
冷媒流入口60は、図2に示すように例えば下部空間72に開口し、冷媒流出口61は、上部空間71に開口している。
冷却装置1によりIPM14の冷却が行われる際には、冷媒供給部51の冷媒が管路52を通じて冷却部50に供給される。冷媒は、管路52から冷媒流入口60を通じて冷却部50内の下部空間72に流入する。このとき、冷媒は、例えば下部空間72内で対流する。そして、下部空間72の冷媒は、仕切り板70の多数の冷媒通過孔73を通じて仕切り板70の全体から上部空間71に流入する。このとき、冷媒は、例えば上面50aに向けて垂直方向から供給される。その後冷媒は、上部空間71において上面50aに衝突し、上部空間71を流れて冷媒流出口61を通じて管路52に排出される。管路52に流出した冷媒は、例えば冷媒供給部51に戻される。
以上の実施の形態によれば、冷媒が仕切り板70の複数の冷媒通過孔73を通じて冷却部50内の下部空間72からIPM14側の上部空間71に流れるので、冷媒がIPM14のある上面50aに向かって流れる。この結果、例えばIPM14の全体に低温の冷媒を供給できるので、IPM14全体の冷却を効果的に行うことができる。また、冷却部50内のIPM14側の上面50a付近の温度境界層が薄くなるため、IPM14の冷却が効率的に行われる。さらに、冷却部50内に冷媒の流れの向きを変える仕切り板70を設けるので、冷却装置1が大型化することなくコストも増大しない。よって、冷却装置1の大型化やコストの上昇を防止しつつ、IPM14の冷却性能を向上できる。
冷却部50は、直方体状に形成され、上面50aに垂直な一の側面50bに冷媒流入口60が形成され、一の側面50bに対向する他の側面50cに冷媒流出口61が形成されているので、冷媒がIPM14のある上面50a全体に適正に供給される。これにより、IPM14全体の冷却を適正に行うことができる。
冷媒通過孔73には、冷媒をIPM14側の所定方向に向けて流すためのガイド74が形成されているので、冷媒を効率的にIPM14側に供給できる。
以上の実施の形態では、ガイド74が上面50aに対し垂直方向に向けられていたが、斜め上方に向けられていてもよい。例えば図5に示すようにガイド74が垂直方向より冷媒流出口61側に傾けるようにしてもよい。こうすることにより、例えばIPM14側の上面50aに十分に冷媒を供給しつつ、冷媒の流れを円滑にすることができ、冷却効率を向上できる。
上記実施の形態におけるガイド74は、図6及び図7に示すように仕切り板70の一部に切り込みを入れて、当該一部を立ち上げることにより形成されていてもよい。こうすることにより、仕切り板70を安価に製造することができ、冷却装置1のコストをさらに抑えることができる。
なお、上記実施の形態において、冷媒通過孔73は、円形に限られず、半円、楔形など他の形状であってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以上の実施の形態では、燃料電池システム2のIPM14を冷却する冷却装置1について説明したが、燃料電池システム2内のリアクトルなどの他のパワーデバイスを冷却する場合にも本発明は適用できる。パワーデバイスは、冷却部50の上面50aに直接取り付けられていてもよいし、他の部材を介して間接的に取り付けられていてもよい。また、冷却装置1が搭載される燃料電池システムは、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)に適用したものであってもよい。また、燃料電池システムは、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用したものであってもよい。さらに、冷却装置は、燃料電池システム以外のパワーデバイスの冷却にも適用できる。
本発明は、パワーデバイスの冷却装置において、装置の大型化とコストの上昇を防止しつつ、パワーデバイスの冷却性能を向上する際に有用である。
1 冷却装置
2 燃料電池システム
14 IPM
50 冷却部
60 冷媒流入口
61 冷媒流出口
70 仕切り板
71 上部空間
72 下部空間
73 冷媒通過孔
2 燃料電池システム
14 IPM
50 冷却部
60 冷媒流入口
61 冷媒流出口
70 仕切り板
71 上部空間
72 下部空間
73 冷媒通過孔
Claims (5)
- パワーデバイスを冷却する冷却装置であって、
一の面にパワーデバイスが設けられ、内部に冷媒が通過する冷却部を有し、
前記冷却部は、内部を前記パワーデバイス側の一の空間とその反対側の他の空間に分ける仕切り板と、前記他の空間に通じる冷媒流入口と、前記一の空間に通じる冷媒流出口を有し、
前記仕切り板は、前記他の空間と前記一の空間を連通させる複数の冷媒通過孔を有することを特徴とする、パワーデバイスの冷却装置。 - 前記冷却部は、直方体状に形成され、前記一の面に垂直な一の側面に前記冷媒流入口が形成され、当該一の側面に対向する他の側面に前記冷媒流出口が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のパワーデバイスの冷却装置。
- 前記冷媒通過孔には、冷媒を前記パワーデバイス側の所定方向に向けて流すためのガイドが形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のパワーデバイスの冷却機構。
- 前記ガイドは、前記仕切り板の一部を立ち上げることにより形成されていることを特徴とする、請求項3に記載のパワーデバイスの冷却装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のパワーデバイスの冷却装置を備えた燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009127719A JP2010278130A (ja) | 2009-05-27 | 2009-05-27 | パワーデバイスの冷却装置及び燃料電池システム |
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2009
- 2009-05-27 JP JP2009127719A patent/JP2010278130A/ja active Pending
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