JP2010276946A - 磁性トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 結着樹脂、磁性体及び離型剤を少なくとも有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを少なくとも有する磁性トナーであって、(1)前記磁性トナー粒子の粉体流動性測定装置により測定される攪拌速度が100回転の時のTotal Energy(TEA100)が、500mJ以上、1000mJ以下であり、(2)前記磁性トナーのオルトジクロロベンゼン可溶分をサイズ排除クロマトグラフィ−オンライン−多角度光散乱(SEC−MALLS)にて測定した際の重量平均分子量Mwが50000以上、200000以下であり、重量平均分子量Mwと慣性二乗半径Rwの比Rw/Mwが1.0×10−4以上、4.0×10−4以下であることを特徴とする磁性トナー。
【選択図】なし
Description
また近年の画像形成装置の技術方向としては、高速化、長期使用時の高信頼性、および定着性の向上が求められている。その中で磁性トナーに求められる特性としては、高速化、および長期使用時の信頼性の向上のために、磁性トナーの耐ストレス性等を向上させ、シェアを受けた際や長期使用時のトナー特性の変化量を小さくする必要がある。このために、具体的には、磁性トナー粒子に添加する外部添加剤が磁性トナー粒子に埋め込まれることを抑制させる。または磁性トナー粒子に埋め込まれたり、剥がれたりした際にも磁性トナー特性の変化量が小さくなるようにしなければならない。
例えば、特許文献1では、磁性微粒子を含有する芯材の表面にポリエステルを偏在させ、さらに外殻を形成した磁性カプセルトナーが提案されており、現像性、転写性が良好で高品質の画像が得られ、かつ、定着性の優れた静電荷像現像用トナーが得られている。しかし、特に長期使用時のトナー特性の変化量については不十分なものがあり、また、耐ストレス性、および定着性との両立についても未だ改善の余地があった。
改善の余地があった。
すなわち、本発明の目的は磁性トナーの耐ストレス性を向上させ、磁性トナー特性の変化量を低減させることで、長期使用時の画像濃度、ハーフトーン均一性を向上させることにある。さらに低温定着性を向上させることにより、良好な画像特性を得ることにある。
(1)前記磁性トナー粒子の粉体流動性測定装置により測定される攪拌速度が100回転の時のTotal Energy(TEA100)が、500mJ以上、1000mJ以下であり、
(2)前記磁性トナーのオルトジクロロベンゼン可溶分をサイズ排除クロマトグラフィ−オンライン−多角度光散乱(SEC−MALLS)にて測定した際の重量平均分子量Mwが50000以上、200000以下であり、
重量平均分子量Mwと慣性二乗半径Rwの関係において、Rw/Mwが1.0×10−4以上、4.0×10−4以下を満たすことを特徴とする磁性トナー。
本発明は、磁性トナーに関するものであり、画像形成方法、及び定着方法に関しては、従来公知の電子写真プロセスが適用でき、特に限定されるものではない。
(1)前記磁性トナー粒子の粉体流動性測定装置により測定される攪拌速度が100回転の時のTotal Energy(TEA100)が、500mJ以上、1000mJ以下であり、
(2)前記磁性トナーのオルトジクロロベンゼン可溶分をサイズ排除クロマトグラフィ−オンライン−多角度光散乱(SEC−MALLS)にて測定した際の重量平均分子量Mwが50000以上、200000以下であり、
重量平均分子量Mwと慣性二乗半径Rwの関係において、1.0×10−4≦Rw/Mw≦4.0×10−4 式(1)を満たすことを特徴とする磁性トナーに関する。
、1.00≦TEB10/TEB100≦1.50 式(3)を満足することが好ましい。TEB10/TEB100は攪拌速度が10回転の時と100回転の時のTotal Energyの比である。現像容器内では、攪拌部材や磁性トナー担持体等により異なった攪拌状態が存在する。その際に磁性トナーの流動性が一定に近いほど、均一にシェアが懸かりやすくなり、摩擦帯電が均一になりやすくなる。TEB10/TEB100が1.00以上、1.50以下であると、異なった攪拌状態での流動性の比が小さいため、均一にシェアが懸かりやすくなり、摩擦帯電が均一になり画質が良化し、長期使用時においても磁性トナー物性の変化量が小さくなり易い。
なお、上記TEB10及びTEB100は、磁性トナー粒子の外殻や、磁性トナーの円形度をコントロールすることに加え、磁性トナー粒子に外部添加する無機微粉体の種類、添加量、および添加条件により調整できる。
なお、上記メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性は、上述した磁性トナー粒子表面の外殻を調製する際に用いた方法により外殻の層厚や均一性を制御することにより調整することができる。
SECで測定される分子量分布は、分子サイズであり、強度はその存在量である。それに対し、SEC−MALLS(分離手段としてSECと多角度光散乱検出器を結合し、絶対分子量及び分子の大きさ(慣性二乗半径)を測定可能となる)で得られる光散乱強度はその分子サイズにより強度が増加する。但し、SEC−MALLS測定において溶出時間によりピークが存在することは、その分子量にある分子の広がり(分子サイズ)を持ったポリマーが個数分布を持って存在することを意味するものである。
散乱光の強度に及ぼす光の入射角と試料濃度の依存性を測定し、Zimm法、Berry法等で解析することで線状ポリマー、分岐ポリマー全ての分子形態において真の分子量(絶対分子量)が決定できる。(本発明では、SEC−MALLS測定法により絶対分子量をZimm法により算出した(後述))。これにより、磁性トナーの分子設計を精密に行うことが可能となった。
なお、本発明では上記重量平均分子量Mwは、重合開始剤の種類、添加量、および重合温度により調整することができる。好ましい調整方法は、過酸化物系の重合開始剤を添加後に、重合性単量体の重合添加率が30〜60%の時点で、過酸化物系の重合開始剤を追加添加する、またはレドックス還元剤を追加添加することである。
さらに、本発明で得られた新たな知見として、重量平均分子量Mwが50000以上、200000以下であり、重量平均分子量Mwと慣性二乗半径Rwが、1.0×10−4≦Rw/Mw≦4.0×10−4を満たし、外殻材料の種類、分子量、酸価などを制御することで、樹脂成分と外殻材料が相互作用し、外殻材料が磁性トナー粒子の表面を均一に覆うようになることを見出した。
外殻材料の運動性が異なってくる。
なお、本発明において、数平均分子量Mnは、重合開始剤の種類、添加量、および重合温度により調整することができる。好ましい調整方法は、過酸化物系の重合開始剤を添加後に、重合性単量体の重合添加率が30〜60%の時点で、過酸化物系の重合開始剤を追加添加する、またはレドックス還元剤を追加添加することである。
平均円形度が0.960以上になることで初期の粉体流動性が高くなり、さらに長期使用時に外部添加剤が剥離したり、埋め込まれた状態となっても粉体流動性が維持し易くなる。また磁性トナーの平均円形度が高くなると、長期使用時に一様にシェアがかかるため外部添加剤の埋め込みが均一になりやすくなり、外添剤を有する磁性トナー粒子間での磁性トナー特性のばらつきが小さくなり易いため、安定化しやすくなる。なお、本発明において磁性トナーの平均円形度は、磁性トナー粒子の添加材料の種類や量、磁性トナー粒子の製造方法によって調整することができる。磁性トナー粒子の製造方法として、具体的には、乳化凝集法、溶解懸濁法、および懸濁重合法などの水系媒体中で磁性トナー粒子を製造する方法において、温度やpHを調整することが好ましい。また、粉砕法により磁性トナー粒子を製造する場合は、粉砕工程後に熱や溶媒などにより球形化処理を行うことが好ましい。
集が起こらないので、処理時にはほぼ一次粒径に分散されているので非常に均一な表面処理をすることが出来る。
RmSiYn (I)
[式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す。ただし、m+n=4である。]
一方、200質量部以下となると、個々の磁性トナー粒子へ磁性体が均一に分散しやすくなる。
なお、磁性トナー中の磁性体の含有量の測定は、パーキンエルマー社製熱分析装置、TGA7を用いて測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃まで、磁性トナーを加熱し、100℃から750℃まで間の減量質量部を結着樹脂量とし、残存質量を近似的に磁性体量とする。
第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量または当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカ
リを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好ましくはpH8以上、14以下)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応をおこない、磁性酸化鉄粉体の芯となる種晶をまず生成させる。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6以上、14以下に維持し、空気を吹込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ、種晶を芯にして磁性酸化鉄粉体を成長させる。この時、任意のpHを選択することにより、磁性体の形状をコントロールすることが可能である。酸化反応がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。
水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶解度から鉄濃度0.5mol/l以上、2mol/l以下が用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。また、反応に際しては、空気量が多い程、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
このような磁性酸化鉄は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2m2/g以上、30m2/g以下、特に3m2/g以上、28m2/g以下であり、更にモース硬度が5以上、7以下のものが好ましい。
また、磁性酸化鉄の形状としては、8面体、6面体、球状、針状、鱗片状などがあるが、8面体、6面体、球状、不定形の如き異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。こういった形状は、SEMなどによって確認することができる。
離型剤の含有量が1質量部以上であると低温オフセット性が向上する。30質量部以下であると長期使用時のトナー流動性が向上しやすくなる。
、モジュレーティッドモードを用い、以下の条件にて測定し、昇温時のDSC曲線から離型剤の融点を求めた。
・20℃で1分間平衡を保つ。
・1.5℃/分のモジュレーションをかけ、180℃まで2℃/分で昇温する。
・180℃で10分間平衡に保つ。
・1.5℃/分のモジュレーションをかけ、2℃/分で20℃まで降温する。
重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独、または混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいは他の単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
これらの樹脂の中でも特にポリエステル樹脂を含有することにより、その効果は大きな物となる。これは次に述べる理由からと考えている。ポリエステル樹脂は比較的極性の高い官能基であるエステル結合を数多く含む為、樹脂自身の極性が高くなる。その極性の為、水系分散媒中では液滴表面にポリエステルが偏在する傾向が強くなり、その状態を保ちながら重合が進行し、磁性トナー粒子となる。ここで、結着樹脂との相互関係を制御することで、磁性トナー粒子の表面にポリエステル樹脂が偏在しやすくなり表面組成が均一なものとなり、その結果帯電性が均一になると共に、離型剤の内包性が良好なこととの相乗効果により非常に良好な現像性を得ることが出来る。
本発明の磁性トナーにおいて磁性トナー粒子表面に存在し、得られる磁性トナー粒子が安定した帯電性を発現するために、ポリエステル樹脂は0.1〜30mgKOH/樹脂1gの酸価を有していることが好ましい。0.1mgKOH/樹脂1g未満だとトナー表面への存在量が絶対的に不足し、30mgKOH/樹脂1gを超えると磁性トナーの摩擦帯電性に悪影響を及ぼす。
8質量部以上になることで、ポリエステル樹脂の外殻としての効果を発現しやすくなり
、帯電性が向上するとともに、耐ストレス性が良化する。一方、30質量部以下であると、製造安定性が向上し、トナーの円形度が高くなりやすくなるとともに磁性体等の分散性も向上する傾向にある。
本発明の磁性トナーの製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時に半減期0.5〜30時間であるものを、重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行うことが好ましい。また本発明では結着樹脂は適度な分岐度を有する事が必須であり、重合中に水素引き抜き反応等を起こすことが好ましい。水素引き抜き反応を起こさせる手段として、例えば重合中に重合温度よりも10℃以上、より好ましくは15℃以上半減期温度の低い重合開始剤を追加添加する、あるいは、高い重合温度で酸化-還元反応(レドックス反応)を行う等が上げられる。
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタンなどのパーオキシケタール、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド、その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、過酸化水素等が挙げられる。
シリカの好ましい疎水化処理として、ヘキサメチルジシラザンで処理し、次いでシリコーンオイルで処理することにより調製する方法が挙げられる。
上記のようにシリカをシラン化合物で処理し、後にオイル処理することが疎水化度を効果的に上げることができ、好ましい。
例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
樹脂微粒子としては、その平均粒径が0.03〜1.0μmのものが好ましい。
磁性トナー粒子と無機微粉末はヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、本発明に係る磁性トナーを製造することができる。
図2の画像形成装置において、100は感光ドラムで、その周囲に一次帯電ローラー117、現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナ116、レジスタローラー124等が設けられている。そして感光体100は一次帯電ローラー117によって、例えば−700Vに帯電される(印加電圧は交流電圧−2.0kVpp、直流電圧−700Vdc)。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を感光体100に照射することによって露光される。感光体100上の静電潜像は現像器140によって現像され、転写材を介して感光体に当接された転写帯電ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像をのせた転写材は搬送ベルト125等により定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部感光体上に残されたトナーはクリーナ116によりクリーニングされる。現像器140は図3に示すように感光体100に近接してアルミニウム、ステンレスの如き非磁性金属で作られた円筒状のトナー担持体102(以下現像スリーブと称す)が配設されている。感光体100と現像スリーブ102との間隙は図示されないスリーブ/感光体間隙保持部材等により約300μmに維持されている。現像スリーブ内にはマグネットローラー104が現像スリーブ102と同心的に固定、配設されている。但し、現像スリーブ102は回転可能である。マグネットローラー104には図示のように複数の磁極が具備されており、S1は現像、N1はトナーコート量規制、S2はトナーの取り込み/搬送、N2はトナーの吹き出し防止に影響している。トナーは、トナー塗布ローラ141によって、現像スリーブ102に塗布され、付着して搬送される。搬送されるトナー量を規制する部材として弾性ブレード103が配設され、弾性ブレード103の現像スリーブ102に対する当接圧により現像領域に搬送されるトナー量が制御される。現像領域では、感光体100と現像スリーブ102との間に直流及び交流の現像バイアスが印加され、現像スリーブ上の現像剤は静電潜像に応じて感光体100上に飛翔し可視像となる。
磁性トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの
解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
具体的な測定法は以下の通りである。
たときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scien
tific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000
の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
本発明における、磁性トナー粒子における攪拌速度が100回転の時のTotal Energy(TEA100)、磁性トナーにおける攪拌速度が10回転の時のTotal
Energy(TEB10)、磁性トナーにおける攪拌速度が100回転の時のTotal Energy(TEB100)は、粉体流動性測定装置パウダーレオメータFT−4(Freeman Technology社製)(以下、FT−4と省略する場合がある)を用いることによって測定する。
(a)粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転により粉体層がほぐされる方向)の回転方向に、ブレードの回転スピードを、ブレードの最外縁部の周速60(mm/sec)とし、粉体層への垂直方向の進入速度を、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角が、5(deg)のスピード(以降、なす角と省略する場合がある)として、粉体層表面からトナー粉体層の底面から10mmの位置まで進入させる。その後、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが60(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が、2(deg)となるスピードで、磁性トナー粉体層の底面から1mmの位置まで進入させる操作を行った後、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが60(mm/sec)、粉体層からの抜き取り速度をなす角が、5(deg)のスピードで、磁性トナー粉体層の底面から100mmの位置まで移動させ、抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着した磁性トナーを払い落とす。
(b)一連の上記(1)−(a)の操作を5回行うことで、磁性トナー粉体層中に巻き込まれている空気を取り除き、安定した磁性トナー粉体層を作る。
上述のFT−4測定専用セルのスプリット部分で磁性トナー粉体層をすり切り、粉体層上部の磁性トナーを取り除くことで、同じ体積の磁性トナー粉体層を形成する。
(i)TEA100およびTEB100の測定
(a)上記(1)−(a)と同様のコンディショニング操作を一回行う。次に磁性トナー粉体層表面に対して反時計回り(ブレードの回転により粉体層が押し込まれる方向)の回転方向に、ブレードの回転スピードを100(mm/sec)とし、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が、5(deg)となるスピードで、磁性トナー粉体層の底面
から10mmの位置まで進入させる。その後、磁性トナー粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードを60(mm/sec)とし、磁性トナー粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が、2(deg)となるスピードで、磁性トナー粉体層の底面から1mmの位置まで進入させる操作を行った後、磁性トナー粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードを60(mm/sec)とし、磁性トナー粉体層からの垂直方向の抜き取り速度をなす角が、5(deg)となるスピードで、磁性トナー粉体層の底面から100mmの位置まで抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着した磁性トナーを払い落とす。
(b)上記、一連の操作を7回繰り返し、7回目にブレードの回転スピードが100(mm/sec)で、磁性トナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始する。底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を、TEA100またはTEB100とする。
(ii)TEB10の測定
(a)TEB100の測定を終了した磁性トナー粉体層を用い、まず上記(3)−(i)−(a)の操作を1回行う。
(b)次に、(3)−(i)−(a)における一連の操作において、ブレードの回転スピードを100(mm/sec)にして磁性トナー粉体層に進入させていたところを、70(mm/sec)に落として測定を行う。
(c)引き続き、(3)−(ii)−(b)と同様に40(mm/sec)、10(mm/sec)に順次回転数を落とした測定を行い、回転スピードが10(mm/sec)で磁性トナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和を、TEB10とする。
本発明においては、磁性トナー粒子をメタノール/水混合溶媒に浸潤させたとき、透過率が50%となるメタノール濃度は、下記のようにして得たメタノール滴下透過率曲線から求める。
まず、水70mlを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡等を除去するために超音波分散器で5分間分散を行う。
次いで、磁性トナー粒子を目開き150μmのメッシュで振るい、メッシュを通った磁性トナー粒子0.1gを精秤して、上記水が入れられた容器の中に添加し、測定用サンプル液を調製する。
そして、測定用サンプル液を粉体濡れ性試験機「WET−100P」(レスカ社製)にセットする。この測定用サンプル液を、マグネティックスターラーを用いて、6.7s−1(400rpm)の速度で攪拌する。尚、マグネティックスターラーの回転子として、フッ素樹脂コーティングされた、長さ25mm、最大胴径8mmの紡錘型回転子を用いる。
本発明の磁性トナーの質量平均分子量Mnと重量平均分子量Mwと慣性二乗半径RwはSEC−MALLS測定により求めた。
時間振投機で振投し、0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
分離カラム:Shodex(TSK GMHHR−H HT20)×2
カラム温度:135℃
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
移動相流速:1.0ml/min.
試料濃度 :約0.3%
注入量 :300μl
検出器1 :多角度光散乱検出器 Wyatt DAWN EOS
検出器2 :示差屈折率検出器 Shodex RI−71
[測定理論]
(LS)=(dn/dc)2×C×Mw×KLS (1)
(LS);検出器の測定電圧値(v)
(dn/dc);試料1gあたりの屈折率の増分(ml/g)
C ;濃度(g/ml)
KLS ;測定電圧と散乱強度(還元レイリー比)の係数(装置定数)
(dn/dc)は本発明はポリスチレンの文献値から0.068ml/gとした。
(RI)=(dn/dc)×C×KRI (2)
KRI;測定電圧と屈折率の係数(RI定数 ポリスチレン標準にて校正)
分子サイズ(慣性二乗半径)はDebye Plotにより算出した。
本発明における磁性トナー粒子の表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行い算出した。
本発明では、ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:PHI社(Physical Electronics Industries,Inc.)製 1600S型 X線光電子分光装置
測定条件:X線源 MgKα(400W)
分光領域800μmφ
本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度(原子%)を算出した。
測定試料としては、磁性トナーを用いるが、磁性トナー粒子に外添剤が添加されている場合には、イソプロパノールの如き磁性トナー粒子を溶解しない溶媒を用いて、磁性トナーを洗浄し、外添剤を取り除いた後に測定を行う。
本発明におけるポリエステル樹脂等の極性官能基を含む高分子重合体の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、磁性トナーまたは樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプ
ル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(A)本試験
ポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
るのは特に断りのない限り質量基準である。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、下記成分を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。
ビスフェノールA EO 2モル付加物 350部ビスフェノールA PO 2モル付加物 326部テレフタル酸 278部
チタン系触媒(チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)) 2部
次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕してポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂1は、Mw=10500、Mn=3800、酸価6であった。
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物369.5g(以下BPA・POと略す、付加モル数は平均値で3)、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物146.4g(以下BPA・EOと略す)、テレフタル酸126.0g(以下TPAと略す)、ドデセニルコハク酸40.2g(以下DSAと略す)、無水トリメリット酸77.7g(以下TMAと略す)をガラス製2リットルの4つ口フラスコに入れる。温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で、窒素気流下にて220℃にて反応せしめた。
重合度は、ASTM E28−67に準拠した軟化点より追跡を行い、軟化点が110℃に達したとき、反応を終了した。この樹脂をポリエステル樹脂2とする。
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0当量の苛性ソーダ溶液(Feに対しP換算で1質量%のヘキサメタリン酸ナトリウムを含有)を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液をpH9に維持しながら、空気を吹き込み、80℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
磁性酸化鉄の平均粒径は0.26μm、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における飽和磁化及び残留磁化が67.3Am2/kg(emu/g)、4.0Am2/kg(emu/g)であった。
イオン交換水720部に0.1M−Na3PO4水溶液450部を投入し温度60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7部を添加して分散安定剤を含む水系媒体を得た。
スチレン 75部
n−ブチルアクリレート 25部
ジビニルベンゼン 0.5部
ポリエステル樹脂1 15部
負荷電制御剤・T−77(保土ヶ谷化学製) 1部
磁性酸化鉄 90部
その後、温度70℃にてパドル撹拌翼で撹拌し反応工程を行った。重合性単量体の重合添加率が50%の時にアスコルビン酸ナトリウム2.0質量部を追加添加し、さらに反応
を行った。反応時間360分の時点で反応工程を終了した。
反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて分散剤を溶解し、濾過、水洗、乾燥して磁性トナー粒子1を得た。
磁性トナー粒子1を100部と、一次粒径12nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET比表面積値が120m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))を用いて混合し、磁性トナー1を調製した。磁性トナー1の物性を表2に示す。
磁性トナー1の製造において、表1に示すように、ポリエステル樹脂1、磁性酸化鉄、および重合開始剤の量を変更し、さらには反応条件を変更して、磁性トナー2乃至23を得た。磁性トナー2乃至23の物性を表2に示す。
スチレン 65.0部
2−エチルヘキシルアクリレート 35.0部
ジビニルベンゼン 0.8部
四三酸化鉄(M−0902:σs=93.9emu/g(5kOe),σr=7.7emu/g(5kOe),Hc=76Oe(5kOe),pH=7.5,吸油量;21ml/100g,三井金属鉱業(株)製) 98.0部
ポリエステル樹脂2 10部
次いで、2リットルのガラス製セパラブルフラスコに予め調製したリン酸三カルシウム6重量%の水性コロイド溶液650gに対して前記の重合性組成物212.3gを添加した。TKホモミキサー(M型、特殊機化工業(株)製)を用いて室温にて、回転数10000rpmで2分間乳化分散させた。
次に、該前駆体粒子の水系懸濁液中に超音波発振機(US−150,(株)日本精機製作所製)にて調製したスチレン13.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート7.0重
量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、ジビニルベンゼン0.22重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部、水20重量部からなる水乳濁液40.7重量部を滴下し、該前駆体粒子を膨潤させた。窒素下にて攪拌を続けながら2段目の重合として85℃まで昇温し、10時間反応せしめた。冷却後、10%塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て風乾後45℃にて12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径6.5μmの磁性トナー粒子を得た。
この磁性トナー粒子100重量部に疎水性シリカ微粒子「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)0.4重量部を加えて混合し、磁性トナー24を得た。
ポリエステル樹脂1 100質量部
磁性酸化鉄 90質量部
モノアゾ鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 2質量部
HNP9 5質量部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、110℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて機械式粉砕させて微粉砕した。得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去し、磁性トナー粒子を得た。
画像形成装置としてLBP−3410をプロセススピードを220mm/secに改造して使用した。
この条件において、磁性トナー1を使用し、常温常湿度環境下(温度25.0℃、湿度
50%RH)において8ポイントのA文字を用い印字率を1%とした画像にて耐久試験を行った。間欠モードで1日あたり2000枚耐久を行い、5日かけて10000枚の耐久試験を行った。なお、記録媒体としてはA4の75g/m2の紙を使用した。その結果、耐久試験を通して高い画像濃度が得られ、ハーフトーン均一性も良好であった。耐久終了時の画像濃度は1.5以上であり、高品位な画像を得ることができた。さらに同様に高温高湿環境下(温度32.5℃、湿度80%RH)において耐久試験を行った。その結果、耐久試験を通して高い画像濃度が得られ、ハーフトーン均一性も良好であった。耐久終了時の画像濃度は1.5以上であり、高品位な画像を得ることができた。
さらに同様の画像形成装置を、定着ユニットの定着温度が調整できるように改造し、磁性トナー1を使用し、常温常湿度環境下(温度25.0℃、湿度50%RH)にてXerox75g/m2紙を用いて定着性評価を行った。その結果、定着下限温度が180℃未満であり、良好な低温定着性であった。結果を表3に示した。
a)画像濃度
初期及び10000枚のプリントアウトを終了した後、ベタ画像部を形成し評価した。尚、画像濃度は画像濃度測定装置である「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。画像濃度は、1.30以上であれば実用的に問題がない画像である。
1dot−2spaceのハーフトーン画像を用い、以下の基準で目視判断した。
A:ムラは生じておらず、均一性に優れたハーフトーン画像
B:若干ムラは生じているものの、均一なハーフトーン画像
C:ムラは生じているものの、実用上問題ないレベルのハーフトーン画像
D:ハーフトーンムラが生じており、実用上好ましくない画像
未定着画像のトナーのり量が0.6mg/cm2となるように調整した後、温度160以上230℃以下の範囲を温度5℃間隔で設定した定着温度で、A4紙中に5cm角のベタ画像を9点出力させた。その画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5回往復し、濃度低下率が15%以上となる温度を定着下限温度として評価した。
A:定着下限温度が、180℃未満
B:定着下限温度が、180℃以上、190℃未満
C:定着下限温度が、190℃以上、200℃未満
D:定着下限温度が、200℃以上
磁性トナーとして、磁性トナー2乃至21を使用し、実施例1と同様の条件で現像耐久性評価及び定着性評価を行った。その結果、初期の画像特性も問題なく、耐久終了までいずれも大きな問題のない結果が得られた。常温常湿環境下での耐久評価結果および高温高湿環境下での耐久評価結果を表3に示す。
磁性トナーとして、磁性トナー22乃至25を使用し、実施例1と同様の条件で現像耐久性評価及び定着性評価を行った。その結果、磁性トナー17では、高温高湿環境下の長期使用時(10000枚後)の画像濃度とハーフトーン均一性のレベルが悪かった。また磁性トナー18乃至21の評価においても長期使用時の画像劣化や定着下限温度が上昇しており実用上問題ある画像であった。常温常湿環境下での耐久評価結果および高温高湿環
境下での耐久評価結果を表3に示す。
Claims (8)
- 結着樹脂、磁性体及び離型剤を少なくとも有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを少なくとも有する磁性トナーであって、
(1)前記磁性トナー粒子の粉体流動性測定装置により測定される攪拌速度が100回転の時のTotal Energy(TEA100)が、500mJ以上、1000mJ以下であり、
(2)前記磁性トナーのオルトジクロロベンゼン可溶分をサイズ排除クロマトグラフィ−オンライン−多角度光散乱(SEC−MALLS)にて測定した際の重量平均分子量Mwが50000以上、200000以下であり、
重量平均分子量Mwと慣性二乗半径Rwが下記式(1)を満たすことを特徴とする磁性トナー。
1.0×10−4≦Rw/Mw≦4.0×10−4 式(1) - 前記磁性トナーの平均円形度が0.960以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナー粒子および前記磁性トナーの粉体流動性測定装置により測定されたTotal Energyにおいて、攪拌速度が10回転の時の前記磁性トナーのTotal EnergyをTEB10とし、攪拌速度が100回転の時の前記磁性トナーのTotal EnergyをTEB100とした時、TEB100が300mJ以上、800mJ以下であり、下記式(2)および(3)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の磁性トナー。
(TEA100−TEB100) ≦ 300(mJ) 式(2)
1.00 ≦ TEB10/TEB100 ≦ 1.50 式(3) - 前記磁性トナー粒子をメタノール/水混合溶媒に浸潤させたとき、透過率が50%となるメタノール濃度が20体積%以上、50体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナーのオルトジクロロベンゼン可溶分をサイズ排除クロマトグラフィ−オンライン−多角度光散乱(SEC−MALLS)にて測定した際の、数平均分子量Mnと重量平均分子量MwがMw/Mn≦7.2を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナー粒子がポリエステル樹脂を有しており、該ポリエステル樹脂の結着樹脂100質量部に対する含有量が、8質量部以上、30質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナー粒子が水系媒体中で製造された磁性トナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナー粒子が、懸濁重合法で製造されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁性トナー。
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