JP2010273052A - 同軸線通信装置とそのレベル調整方法及び同軸線通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本同軸線通信装置は、分配器15A,15Bのアウト端子Tout に接続された同軸線C1,C2を通信信号の伝送路として通信を行う。一実施態様において、本通信装置1は、分配器15のイン端子Tin側への信号漏洩が許容範囲内となるように設定された通信信号の許容増加量ΔRを記憶する記憶手段11と、通信信号のレベルを測定する測定手段8と、測定された通信信号のレベルが所定値以下である場合に、許容増加量ΔRの分だけ通信信号のレベルを増加させる制御手段2と、を備える。
【選択図】 図1
Description
その一方で、光ファイバ通信サービス(FTTH:Fiber To The Home )の進展と、プロバイダによる映像配信サービスの普及により、光端末が設置された部屋以外の場所からも、高速な通信サービスを享受したいという要求が高まっている。
この同軸線通信装置を用いた同軸線通信システムは、宅内に敷設された既設のTV用同軸線を用いてモデム間の通信を行うものであり、分配器のアウト端子に接続された各部屋に通じる同軸線と、その同軸線に接続された同軸線通信装置とから構成される。
このため、モデムの通信信号をアウト端子側の同軸線に伝送させると、その通信信号が分配器のアウト端子側からイン端子側に通過してアンテナに到達し、当該通信信号がアンテナから電磁波として放射される、いわゆる不要輻射が発生する場合がある。
そこで、アンテナからの不要輻射を抑制する別の手段として、モデム同士の通信が確立できる範囲で、通信信号のレベルを予め極力抑えておくことが考えられる。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、アンテナからの不要輻射を抑制しつつ、可能な限りの通信品質を確保することができる同軸線通信装置とその通信信号のレベル調整方法等を提供することを目的とする。
分配器のアウト端子間の減衰量を減衰関係量として取得してもよいし、このように受信レベルを減衰関係量として取得することもできる。予め送信レベルが定まっている信号であれば、受信レベルを測定することで、分配器のアウト端子間の減衰量を特定することができる。ここでの測定には、受信レベルを測定する場合ばかりでなく、例えば受信信号のレベルに応じてゲインを変更する可変アンプのゲインを取得することも含む。
この場合、第2分配器のアウト端子側の第2同軸線に接続された第2の同軸線通信装置の通信信号は、第1及び第2分配器の双方で減衰されてアンテナに到達するが、第1分配器のアウト端子側の第1同軸線に接続された第1の同軸線通信装置の通信信号は、第1分配器のみで減衰されてアンテナに到達する。
従って、分岐段数が少ない第1同軸線に接続された第1の同軸線通信装置については、通信信号のレベルを一律に増加させることは好ましくない。
このため、放送信号の受信レベルが異なる他装置しか存在しない場合には、自装置だけが、アンテナからの不要輻射を発生させ易い、分岐段数が小さい同軸線に接続されている可能性がある。
(7) 前記同軸線通信装置において、前記通信信号のレベルの調整値に関する調整情報を他の同軸線通信装置に通知する手段を更に備えることもできる。
(9) 本発明のさらに他の観点によれば、イン端子と複数のアウト端子とを有する分配器と、前記アウト端子に接続される上述の同軸線通信装置とを備えていることを特徴とする同軸線通信システムを提供することができる。
〔同軸線通信装置の内部構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る同軸線通信装置1の内部構成を示すブロック図である。
本実施形態の同軸線通信装置(同軸ケーブルモデム:以下、単に「モデム」ということがある。)1は、同軸線Cを通信信号の伝送路として通信を行うものであり、直交周波数分割多重(OFDM)方式による通信方式を採用している。
また、「同軸線C」については、符号Cの後に付する数字により、分配器15による支線の分岐段数を表す。従って、アンテナ17側から見て分岐段数が「1」の同軸線Cは「同軸線C1」と記載し、分岐段数が「2」の同軸線Cは「同軸線C2」と記載する。
これらの検出部8,9は、例えば包絡線の検波回路等よりなり、受信部3rの入力側の受信信号を包絡線検波し、その検波信号を制御部2に出力する。従って、第2検出部9の入力側には、放送信号のみを通過させるバンドパスフィルタ10が設けられている。
図1に示すように、上記コネクタ(F型)7には、同軸線Cの一端に設けられたアンテナプラグPが接続される。同軸線Cの他端のアンテナプラグPは宅内のTV端子18(図2及び図3参照)に接続される。
従って、受信部3rが受信する受信信号には、他のモデム1が送信した同軸線通信のための通信信号の他に、アンテナ17で受信された放送信号も含まれている。
送信部3sは、制御部2からの送信データの変調機能や、D/A変換機能、周波数調整機能、増幅機能等を有しており、切替部4を介して通信信号を同軸線Cに出力する。これにより、送信部3sは、同軸線Cを信号伝送路として通信信号を外部に送信する。
本実施形態の制御部2は、切替部3を制御することにより、通信信号の送信時間帯と受信時間帯とを交互に切り替える。つまり、モデム1は、時分割通信方式により他のモデムMとの間で通信を行うように構成されている。
本実施形態の制御部2は、上記SNRや第1及び第2検出部8,9での受信レベルを常時監視しており、それらの測定値(すなわち、通信信号の受信レベルや放送信号の受信レベル)に基づいて、通信信号のレベルを増加させるか否かを決定する「レベル調整処理」を実行する。
図2は、住宅に構築された同軸線通信システムの一例を示す配線構造図である。
図2に示すように、この同軸線通信システムは、イン端子Tinと複数のアウト端子Tout とを有する分配器15と、この分配器15のアウト端子Tout にそれぞれ接続された同軸線C1と、各同軸線C1にそれぞれ接続された本実施形態のモデムM1,M1と、このモデムM1,M1にそれぞれ接続された情報端末6とを備えている。
また、分配器15のアウト端子Tout には、当該分配器15によって支線の分岐段数が1段目となる、第1同軸線C1の他端が接続されており、この第1同軸線C1は、住宅16内の各部屋に設置された複数のTV端子18にそれぞれ繋がっている。
また、複数のTV端子18の一部には、同軸線Cを介して本実施形態のモデムM1,M1が接続されている。従って、これらのモデムM1,M1同士は、同軸線C1及び第1同軸線C1介して通信信号の送受信を行うことになる。
これにより、システム内のあるモデムM1に接続された情報端末6は、他のモデムM1に接続された情報端末6との間で、双方向の通信を確立することができる。
また、図2の例では、地上デジタル放送によるテレビの放送信号をアンテナ17から受信する場合を例示したが、その放送信号を、分配器15のイン端子Tinに接続されたCATVのケーブルを通じて受信することもある。
図2に示す通り、分配器15は、アンテナ17側の同軸線C0が接続されるイン端子Tinと、その反対側の複数のアウト端子Tout とを備えている。
従って、図2に示す同軸線通信システムでは、各モデムM1,M1からTV端子18に注入された通信信号は、TV端子18→第1同軸線C1→分配器(Tout 〜Tin)→同軸線C0→アンテナ17、という経路でアンテナ17に到達し、この全行程で生じる減衰量の合計値で通信信号が減衰する。
従って、互いに通信するモデムM1,M1間の通信品質(通信速度)が低下するのは、各部屋のTV端子18間の減衰量が大きい場合であり、この場合、受信側での通信信号の受信レベルが小さくなり、十分なSNRが確保できなくなる。
このように、各部屋のTV端子間18の減衰が大きくなる原因としては、分配器15のアウト端子Tout の数が多い等により、OUT−OUT端子間の減衰量が大きくなることが挙げられる。
この図5に示す通り、OUT−OUT端子間の通信信号の減衰量(dB)と、IN−OUT端子間の通信信号の減衰量(dB)とは、単調増加の関係、例えば正の比例関係にあることが判明した。
このため、各部屋のTV端子18間の減衰量に対応してイン端子Tin側に抜ける信号漏洩の量を許容範囲内に維持しつつ、通信信号のレベルを増加させるようにすれば、アンテナ17側への信号漏洩を一定以下に抑えると同時に、一定のレベルでの通信品質及び通信速度を確保することが可能となる。
図3は、住宅に構築された同軸線通信システムの別例を示す配線構造図である。
図3に示すように、この同軸線通信システムでは、よりアンテナ17に近い第1分配器15Aのアウト端子Tout 側に第2分配器15Bが接続された、多段の配線構造になっている。
すなわち、このシステムでは、第1分配器15Aのアウト端子Tout に接続された第1同軸線C1に、モデムM1と第2分配器15Bのイン端子Tinが接続され、第2分配器15Bのアウト端子Tout に接続された第2同軸線C2に、2つのモデムM2,M2がそれ接続されている。
従って、分岐段数が少ない第1同軸線C1に接続されたモデムM1については、通信信号のレベルを増加させることは好ましくない。
このため、例えば図3に示すモデムM1のように、放送信号の受信レベルが異なる他のモデムM2しか存在しない場合には、モデムM1だけが、アンテナ17からの不要輻射を発生させ易い、分岐段数が小さい第1同軸線C1に接続されている可能性がある。
図4は、制御部2が実行するレベル調整処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、モデム1の制御部2は、自装置がTV端子18に接続されて起動した場合、或いは、その後、一定期間(例えば数日)経過するごとに、図4に示す「レベル調整処理」を実行する。分配器の減衰は随時変化するものではないので、このように予め定められたタイミングでレベル調整処理を実行することで必要以上に調整することを防止することができる。
この「低レベルモード」による通信信号のレベルは、アンテナ17からの不要輻射を抑えるため大きなマージンをもって、予め低めに設定されたレベルであるが、例えば所定長さの同軸線Cを伝送路とした通信が可能となる最低限のレベルに設定されている。
なお、この場合、通信性能が悪い場合の判定基準として、SNRに基づく通信速度が小さいことを併せて判定するようにしてもよい。
他方、上記判定の結果、通信性能が悪い場合(ステップST2でNO)には、制御部2は、放送信号の測定モードに入る(ステップST3)。ここでは、通信性能が悪いということが、分配器のアウト端子間の減衰が大きいことを表すものとして処理を進める。同軸線通信装置が互いに低レベルモードで通信を行うことにすれば、そのときの通信性能によって減衰を評価することも可能である。
この測定モードにおいて、制御部2は、受信部3rでの受信信号に含まれる放送信号(本実施形態では、地上デジタル放送)のレベルを測定するとともに、他のモデム1との間で当該放送信号の受信レベルのデータ交換を行う。
この判定の結果、放送信号のレベルが同等である場合(ステップST4でYES)、すなわち、自装置で測定した放送信号の受信レベルと同等の他装置が存在する場合には、次の「高レベルモード」を実行し、同等でない場合(ステップST4でNO)には、「高レベルモード」を実行せずにレベル調整処理を終了する。
この許容増加量ΔRは、分配器15のイン端子Tin側への信号漏洩が許容範囲内となるように予め設定された値(例えば、10dB)であるから、その分だけ通信信号のレベルを増加させて高レベルモードを実行しても、アンテナ17からの不要輻射が抑制されることになる。
このため、図3のモデムM1のように、自装置がアンテナ17により近い第1同軸線C1に接続されている可能性があるものについては、通信信号のレベルが増加することがなく、アンテナ17からの不要輻射を確実に防止することができる。
例えば、上記実施形態では、放送信号の受信レベルの同等性が、高レベルモードを実行するか否かの判定条件になっているが(図4にステップST4)、この判定条件を省略することにしてもよい。
2 制御部(制御手段)
3 送受信部
4 切替部
8 第1検出部
9 第2検出部
11 記憶部
15 分配器
15A 第1分配器
15B 第2分配器
17 アンテナ
C 同軸線
C0 未分配の同軸線
C1 第1同軸線
C2 第2同軸線
M1 第1モデム
M2 第2モデム
ΔR 許容増加量
Claims (9)
- 分配器のアウト端子に接続された同軸線を通信信号の伝送路として通信を行う同軸線通信装置であって、
前記分配器のアウト端子間の減衰に関する減衰関係量を取得する手段と、
前記減衰関係量に基づいて、前記分配器のイン端子側への信号漏洩が許容範囲となるように前記通信信号のレベルを調整する手段と、
を備えていることを特徴とする同軸線通信装置。 - 前記減衰関係量を取得する手段は、
他の同軸線通信装置から前記同軸線及び前記分配器のアウト端子間を介して受信した信号の受信レベルを測定する手段を有し、
前記通信信号のレベルを調整する手段は、
前記受信レベルに基づいて、前記他の同軸線通信装置に対する通信信号のレベルを調整する請求項1に記載の同軸線通信装置。 - 前記分配器のイン端子からアウト端子へ伝送される放送信号のレベルを測定する手段と、
他の同軸線通信装置における前記放送信号のレベルに関する放送レベルデータを受信する手段と、を更に備え、
前記通信信号のレベルを調整する手段は、
前記減衰関係量及び前記放送レベルデータに基づいて、前記他の同軸線通信装置に対する前記通信信号のレベルを調整する請求項1又は請求項2に記載の同軸線通信装置。 - 前記分配器間のアウト端子間に対する前記減衰関係量に対して、前記分配器のイン端子側への信号漏洩が許容範囲となるように前記通信信号のレベルを調整するための調整データを記憶する手段を更に備え、
前記通信信号のレベルを調整する手段は、
前記減衰関係量及び前記調整データに基づいて、前記通信信号のレベルを調整する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の同軸線通信装置。 - 前記通信信号のレベルを調整する手段は、
前記分配器のアウト端子間の減衰量が所定値以上であることを前記減衰関係量が示す場合に、第1の信号レベルから当該第1の信号レベルよりも高い第2の信号レベルに切り替えることにより、前記通信信号のレベルを調整する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の同軸線通信装置。 - 前記減衰関係量を取得する手段は、
予め定められたタイミングで前記減衰関係量を取得する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の同軸線通信装置。 - 前記通信信号のレベルの調整値に関する調整情報を他の同軸線通信装置に通知する手段を更に備えている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の同軸線通信装置。
- 分配器のアウト端子に接続された同軸線を通信信号の伝送路として通信を行う同軸線通信装置おける通信信号のレベル調整方法であって、
前記分配器のアウト端子間の減衰に関する減衰関係量を取得する手順と、
前記減衰関係量に基づいて、前記分配器のイン端子側への信号漏洩が許容範囲となるように前記通信信号のレベルを調整する手順と、
を備えていることを特徴とする同軸線通信装置における通信信号のレベル調整方法。 - イン端子と複数のアウト端子とを有する分配器と、
前記アウト端子に接続される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の同軸線通信装置と、を備えていることを特徴とする同軸線通信システム。
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