JP2010273050A - 無線通信方法、基地局および移動局 - Google Patents

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Abstract

【課題】TCPのスループットを向上可能な無線通信方法を得ること。
【解決手段】移動局ごとにパケットの再送状況を管理し、当該移動局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを認識した場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、パケットを送信する制御を行い、また、当該移動局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを認識しない場合に、通常の送達確率でパケットを送信する制御を行う下りスケジューラ14、を備えることとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、TCP(Transmission Control Protocol)を用いた無線通信方法に関する。
従来のインターネット通信は、TCP/IP(Internet Protocol)プロトコル群により実現され、現状、インターネット通信で使用されるトランスポート層のプロトコルはTCPが大多数である。したがって、インターネット通信では、TCPがアプリケーションに提供するスループット(以下、TCPスループットとも呼ぶ)を向上させることが、アプリケーション、さらに当該アプリケーションをオペレーションするユーザ、に対するメリットとなる。また、無線通信システムにおいても、パケット通信ではTCP/IPを使用してデータが伝送される。
ところで、TCPには、ネットワークの輻輳から抜け出すために、「スロースタート」および「輻輳回避」といった仕組みが実装され、送信側で輻輳Window(cwnd)を変化させることで送信データ量を制御する。これらの機能は、ネットワークの輻輳に対して有効に機能するが、ネットワークの一部に無線リンクを含む場合には、問題を引き起こすことが知られている。無線リンクには、伝播ロス,シャドーイング,フェージング変動といった変動要因があり、これらによる伝送路誤りは避けられない。したがって、無線リンクは、その特性により、伝送路誤りの確率が有線リンクに比べ格段に大きい。TCPでは、これらの誤りをIPパケットのロスとして認識するため、スロースタートまたは輻輳回避の動作をとる。しかしながら、無線誤りは輻輳ではないため、送信レートを下げることに意味はない。
なお、TCPスループット(BW)は、以下の式(1)で近似的に求められることが知られている。式(1)で、MSSは最大セグメントサイズ,RTTはRound Trip Time,pはパケットロス確率である。
Figure 2010273050
式(1)から、パケットロス確率p、すなわちパケット誤りを減らすこと、またはRTTを減らすことが、TCPスループット向上につながることがわかる。
こうした問題に対し、下記特許文献1では、受信側が、無線区間エラーに起因するパケットロスが発生した場合にTCPレイヤにおいて「無線破棄通知」を送信側に通知し、送信側のTCPレイヤが、直前まで保持されていた送信レートおよびウインドウサイズを用いて、破棄されたパケットを再送する技術が開示されている。これにより、従来のスロースタート機能を動作させないため、スループットの低下を回避できる。
また、下記非特許文献1および2では、無線区間における再送プロトコルを実装し、上位のTCPにおけるパケット破棄を0に近づける技術が開示されている。たとえば、3GPPで規格化されるW−CDMAでは、RLC(Radio Link Control)レイヤやMACレイヤでの再送が規定されている。
また、下記非特許文献3では、FIFOキューにおけるDrop Tailバッファ溢れがバースト的なパケットロスとなることに着目し、こうしたバースト的なパケットロスを回避する方法として、Active Queue Managementの1手法であるRandom Early Detection/Discard(RED)を提示する。REDでは、バッファのキュー長がある閾値を超えた段階で、ランダムにパケットを廃棄する。その結果、TCPのスロースタート動作を引き起こさないため、大幅なスループット低下を回避できる。
特開平11−243419号公報
3GPP TS25.322 V6.17.0 2008−12 3GPP TS25.321 V6.12.0 2008−05 IETF RFC2309 April.1998
しかしながら、上記特許文献1の技術では、TCPに新たな機能を追加する必要がある。したがって、TCPの標準化において採用されなければならず、さらに、標準化されたと仮定しても、当該機能が普及するためには標準OSのアップデートなどを待たねばならず、非常に長い年月がかかる、という問題があった。
また、上記非特許文献1および2の技術によれば、再送を行うことにより遅延が増加するので(TCPのスループットには遅延も影響するため)、再送を繰り返すだけではTCPスループット向上の効果は十分得られない可能性がある、という問題があった。
また、上記非特許文献3の技術によれば、無線誤りに起因するパケットロスがバースト的であればTCPスロースタートとなり、TCPスループットが低下する、という問題があった。また、REDによるランダム誤りはcwndを半分に落とすため、バーストロスによるスロースタートほどではないが、TCPスループットが低下する、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、TCPのスループットを向上可能な無線通信方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、基地局と移動局が、TCPを用いて、送信局または受信局として無線通信を行う無線通信システム、における無線通信方法であって、前記送信局が、前記受信局ごとにパケットの再送状況を管理し、当該受信局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを認識した場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、パケットを送信する制御を行う送信制御ステップ、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、TCPスループットの大幅な低下を避けることが可能となる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1の基地局の構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1の移動局の構成例を示す図である。 図3は、実施の形態1における基地局の送信動作を示すフローチャートである。 図4は、パケットと無線フレームとの対応関係の一例を示す図である。 図5は、実施の形態2における基地局の構成例を示す図である。 図6は、実施の形態2における基地局の送信動作を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態2における基地局の送信動作を示すフローチャートである。 図8は、送信バッファのキュー長と優先状態との関連を説明する図である。 図9は、パケット誤り率に対するスループットのシミュレーション結果の一例を示す図である。 図10は、輻輳ウインドウサイズと、送信バッファ内のキュー長との関係を示す図である。 図11は、実施の形態3における基地局の構成例を示す図である。 図12は、実施の形態3における基地局の送信動作を説明するフローチャートである。 図13は、無線誤りとcnwdの関係を示す図である。 図14は、実施の形態4における基地局の構成例を示す図である。 図15は、実施の形態4における基地局の送信動作を説明するフローチャートである。 図16は、無線通信システムにおいて発生するディレイスパイクを説明するための図である。 図17は、実施の形態5の基地局の構成例を示す図である。 図18は、実施の形態5における基地局の送信動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明にかかる無線通信方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の基地局の構成例を示す図である。図1の基地局1は、有線区間から下り受信パケットを受信するパケット受信部11と、複数のキューを備えユーザごとにデータをバッファする送信バッファ12と、下りスケジューラ14の指示にしたがって送信バッファ12内のデータから無線フレームを構築し、また、MAC再送を実施するMAC部13と、下りのデータ送信を制御する下りスケジューラ14と、上りのデータ送信を制御する上りスケジューラ15と、MAC部13から無線フレームを受け取り、当該無線フレームを下り送信データとして無線区間へ送信する送信PHY部16と、無線回線から上り受信データを受信する受信PHY部17と、受信PHY部17から上り受信データを受け取り、パケットを再構築するパケット構築部18と、有線区間へ上り送信パケットを送信するパケット送信部19と、を備える。
図2は、本実施の形態の移動局の構成例を示す図である。図2の移動局2は、上位レイヤから受信したパケットをバッファする送信バッファ21と、上り無線リソース制御部23の指示にしたがって送信バッファ21内のデータから無線フレームを構築し、また、MAC再送を実施するMAC部22と、上りのデータ送信を制御する上り無線リソース制御部23と、MAC部22から無線フレームを受け取り、当該無線フレームを上り送信データとして無線区間へ送信する送信PHY部24と、無線区間から下り受信データを受信する受信PHY部25と、受信PHY部25から下り受信データを受け取り、パケットを再構築するパケット構築部26と、を備える。
既に述べたように、TCPでは、バースト的なパケットロスが発生した場合には、ランダム的なパケットロスが発生した場合に比べてスループットの低下が著しい。バッファ溢れによるバースト的なパケットロスはREDにて解決可能であるが、無線誤りによるバースト的なパケットロスはREDでは解決できない。これを解決するため、以下の動作を行う。
つづいて、以上のように構成された基地局および移動局を備える無線通信システムにおける、無線通信の動作を説明する。なお、ここでは、基地局1と、移動局2の動作のみを説明するが、実際の無線通信システムでは移動局が複数接続される。
まず、基地局1から移動局2への下り方向のパケット伝送について説明する。基地局1の下りスケジューラ14は、受信PHY部17を介して、移動局2から下り無線通信品質情報を受信して、当該情報に基づいて下り無線通信品質を把握する。また、送信バッファ12は、ユーザ(移動局)ごとのバッファの状態を下りスケジューラ14に通知する。下りスケジューラ14は、下り無線回線品質および送信バッファ12のバッファの状態に基づいて、送信処理を行う移動局,送信データの変調方式や符号化率を決定する。また、下りスケジューラ14は、受信PHY部17を介して受信するTCP ACKにより送信状態を管理し、MAC再送の管理を行い、MAC部13を制御する。
ここで、たとえば、送信バッファ12内の移動局2用のバッファにおいて、先頭にあるパケットの前に、連続するN個のパケットについてMAC再送による移動局2への送達が失敗した場合を考える(Nは自然数)。図3は、本実施の形態における基地局の送信動作を示すフローチャートである。下りスケジューラ14は、MAC再送を行うにあたって移動局ごとに各パケットの再送状況を管理し、移動局2への送信データにおける連続するN個のパケットについて、再送による送達が失敗した場合には(ステップS1:Yes)、通常よりも送達確率を高めることが可能な方法により、当該移動局への送信動作を行うことを決定する(ステップS2)。一方、下りスケジューラ14は、連続するN個のパケットについて、再送による送達が失敗していない間は(ステップS1:No)、通常の方法で送信する(ステップS3)。
下りスケジューラ14は、通常よりも送達確率を高めるために、具体的には以下のような方法をとる。たとえば、下りスケジューラ14は、受信している無線通信品質情報に基づいて無線通信品質を把握し、移動局2にとって無線通信品質のよいタイミングで、MAC部13に移動局2への送信動作を行うよう指示する。また、たとえば、下りスケジューラ14は、送信PHY部16に対し、移動局2への下り送信データの、変調方式や誤り訂正方式をロバストなものに変更するよう制御する。また、たとえば、下りスケジューラ14は、送信PHY部16に対し、移動局2への下り送信データの送信電力を高めるよう制御する。また、たとえば、下りスケジューラ14は、MAC部13に対して、移動局2に対して設定するMAC再送を行う再送回数の上限値を大きくするよう指示する。また、たとえば、下りスケジューラ14は、MAC部13に対して、移動局2に対して設定するMAC再送を行う実行時間の上限値を大きくするよう指示する。基地局1(下りスケジューラ14)には、上記の方法のうち、1以上の任意の方法を適用する。
なお、パケットと、無線の伝送単位である無線フレームとが、1:1対応とならない無線通信システムの場合には、下りスケジューラ14が対応関係を把握することとし、無線フレーム(TB:Transport Block、と呼ぶ)に対し、上記のような手段を適用する。図4は、パケットと無線フレームとの対応関係の一例を示す図である。図4には、IPパケット31,32,33,34と、TB35および36とを示す。図4の例では、1無線フレームに2パケットが対応している。ここで、パケットロスが連続4個発生した場合に、TCPがスロースタートを開始するので、N=2に設定した場合を説明する。図4の例において、TB35の再送が失敗した場合、IPパケット31および32がパケットロスとなる。この時点で、連続して2個のパケットがロスしたこととなるので、送達確率を高める制御を行う。これにより、つぎのパケットの送達が成功すれば、IPパケット33または34がパケットロスとなることによるスロースタートを回避できる。
つぎに、移動局2から基地局1への上り方向のパケット伝送について説明する。移動局2の上り無線リソース制御部23は、受信PHY部25を介して上り無線品質情報を受信して、当該情報に基づいて上り無線通信品質を把握する。また、送信バッファ21は、自バッファの状態(データ蓄積量など)を上り無線リソース制御部23に通知する。上り無線リソース制御部23は、上り無線回線品質および送信バッファ21のバッファの状態に基づいて、送信データの変調方式や符号化率を決定する。上り無線リソース制御部23は、受信PHY部25を介して受信するTCP ACKにより送信状態を管理し、MAC再送の管理を行い、MAC部22を制御する。また、上り無線リソース制御部23は、基地局1に対し上りリソースの割当を要求するための情報である上り割当要求情報を送信する制御を行う。
基地局1内の上りスケジューラ15は、複数の移動局からの上り割当要求情報を、受信PHY部17を介して受信する。上りスケジューラ15は、当該上り割当要求情報に基づいてどの移動局に上り無線リソースを割り当てるかを決定し、送信PHY部16を介して上り割当情報を移動局(移動局2)に送信する。
移動局2の上り無線リソース制御部23は、受信PHY部25を介して、基地局1から上り割当指示情報を受信すると、送信PHY部24を制御し、当該上り割当情報により指示された無線リソースを用いて上り送信データを送信させる。
ここで、移動局2の上り無線リソース制御部23は、上述同様に、図3の動作を行う。上り無線リソース制御部23は、MAC再送を行うにあたって各パケットの再送状況を管理する。そして、上り無線リソース制御部23は、送信バッファ21内の連続するM個(Mは自然数)のパケットについて、再送による送達が失敗した場合には、上述同様の処理を行う。
すなわち、移動局2の上り無線リソース制御部23は、連続するM個のパケットの送達が失敗したことを認識した場合には(ステップS1:Yes)、通常よりも送達確率を高めることが可能な方法により、基地局1への送信動作を行うことを決定する(ステップS2)。一方、上り無線リソース制御部23は、連続するM個のパケットの送達が失敗したと認識しない間は(ステップS1:No)、通常の方法で送信する(ステップS3)。
なお、上記では、上り無線リソースを割り当てる機能は、基地局1内の上りスケジューラ15と、移動局2内の上り無線リソース制御部23で分担する形態を前提に説明したが、移動局2内の上り無線リソース制御部23の機能も含め、全て基地局1内の上りスケジューラ15に一元化されるシステムにも、同様に適用できる。こうしたシステムでは、移動局の上り無線リソース制御部は、自局の送信バッファの状態(データ蓄積量)などを基地局に通知し、基地局側で、上り無線回線品質やバッファの状態に基づいて、移動局の送信データの変調方式や符号化率を指定する。
こうしたシステムでは、移動局の上り無線リソース制御部が、連続するM個のパケットの送達が失敗したことを認識した場合には、その旨の報告を基地局へ送信し、基地局が、当該報告に基づいて、送達確率を高める旨の判断を行い、送達確率を高めるための移動局への指示を送信する。したがって、移動局は、基地局による指示内容を実行するのみとなる。上記指示に、送達確率を高めるための処理を継続する時間を含めてもいいし、または、移動局が、上記のバースト的なパケット誤り(連続するM個のパケットの送達が失敗)が解消された場合にその旨を報告し、基地局が、当該報告に基づいて、送達確率を高める制御を解除すべき(通常の制御へ戻す)旨の指示を送信してもよい。
また、上記実施の形態では、基地局1において下りスケジューラ14が下りの送達確率を高める動作を行い、移動局2において上り無線リソース制御部23が上りの送達確率を高める動作を行う場合を説明したが、下りまたは上りのいずれかについてのみ、送達確率を高める制御を行うこととしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、所定のパケット数にわたってMAC再送が失敗し、パケットを送達できなかった場合には、送信先に対するパケットの送達確率を高める制御を行い、パケットの送信を行うこととした。これにより、バースト誤りをランダム誤り化する、すなわち、バースト的なパケット誤り(またはその兆候)が発生した場合にこれを収拾することとなり、無線誤りに起因するバースト的なパケット誤りの発生回数を低減可能となる。したがって、TCPのスロースタートを引き起こすことを回避し、キューが空になる場合を減少させることができ、TCPスループットの大幅な低下を避けることが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、バースト的なパケット誤りの発生によりTCPがスロースタートを開始してcnwdが小さくなることを回避するために、パケット再送が連続して失敗した場合には、送達確率を向上させ、TCPスループットを図ることとした。本実施の形態では、パケット誤りが発生した場合には、送信バッファを監視し、送信バッファの状態により送達確率を高める動作を行う場合を説明する。
TCPでは、cnwdが小さいと、データの投入レートが減り、送信バッファが空になる場合がある。そうすると無線リンクを使い切れずスループットが低下する。本実施の形態では、こうした場合を想定する。
図5は、本実施の形態における基地局の構成例を示す図である。図5の基地局1Bは、下りスケジューラ14の代わりに下りスケジューラ14Bを備える。下りスケジューラ14Bは、無線誤りによるパケット破棄を検出した場合には、該当する移動局へのパケットの送達確率を上げる制御を行う。
つづいて、本実施の形態における無線通信方法の動作を説明する。図6および図7は、本実施の形態における基地局の送信動作を示すフローチャートである。
まず、図6のフローチャートに沿って説明する。基地局1Bの下りスケジューラ14Bは、たとえば移動局2について、無線誤りにともなうパケット破棄が発生したことを検出すると(ステップS11:Yes)、送信バッファ12の当該移動局(移動局2)に応じたバッファをTa時間にわたって監視する。そして、Ta時間以内にそのバッファが空になった場合には(ステップS12:Yes)、下りスケジューラ14Bは、TCPがスロースタートまたは輻輳回避のいずれかの処理を実施したと判断し、送達確率を上げる制御を行う(ステップS13)。送達確率を上げる制御は、既に述べた通りである。また、以下、送達確率を上げた状態にある移動局を、優先状態にあるという。一方、Ta時間以内にそのバッファが空にならなかった場合には(ステップS12:No)、下りスケジューラ14Bは、TCPがスロースタートまたは輻輳回避のいずれかの処理を実施しなかったと判断して処理を終了する。また、下りスケジューラ14Bは、無線誤りにともなうパケット破棄を検出しない場合(ステップS11:No)、特に処理を行わない。
これにより、スロースタートまたは輻輳回避フェーズでのcnwdの開くスピードが上がり、このユーザ(移動局2)へ向けたデータの流入速度がアップし、バッファが空となる時間を短縮できる。
つぎに、図7のフローチャートに沿って説明する。下りスケジューラ14Bは、図6の処理を実行後、送信バッファ12内の、優先状態となった移動局に対応するバッファをTb時間にわたって監視する(ステップS21)。そして、Tb時間が経過するまでの間、このバッファが空にならなかった場合には(ステップS21:Yes)、優先状態を解除し、送達確率を高めるために行った処理を元に戻し、通常に戻すための制御を行う(ステップS22)。下りスケジューラ14Bは、Tb時間が経過するまでの間に、このバッファが空になった場合には(ステップS21:No)、処理を終了し、この移動局に対する優先状態を継続する。
図8は、送信バッファ12のキュー長と優先状態との関連を説明する図である。無線誤りにともなうパケットロスが発生した場合、TCPがcnwdを減少させるスロースタートまたは輻輳回避フェーズに入るため、キュー長は減少に転じ、最終的にはキュー長は0となる(図8:Taの末端部分)。下りスケジューラ14Bは、上記動作により以降の送達確率を上げることで、キューにデータがたまることを促す。図8の送信バッファ内のキュー長に示すように、再びキューにデータが溜まり始め、送達確率を上げる必要がなくなったと判断すると(図8:Tbの末端部分)、下りスケジューラ14Bは、上記動作により、移動局を優先状態から通常の状態に戻す。
また、以上では、基地局1内の下りスケジューラ14Bについて説明したが、上り方向の伝送についても、基地局1内の上りスケジューラ15および移動局2内の上り無線リソース制御部23が、同様に実行可能である。
以上説明したように、本実施の形態では、無線誤りにともなうパケット破棄が発生した場合には、その後、該当する移動局についての送信バッファを監視し、所定の時間内にバッファが空になった場合には、TCPがウインドウ制御(スロースタートまたは輻輳回避)を実施したものと判断して、以降のパケットの送達確率を上げるための制御を行う構成とした。また、パケットが空でなくなった状態が、所定の時間にわたって継続した場合には、送達確率を上げるための制御を解除し、通常の状態に復帰する構成とした。
これにより、無線通信品質が悪く、無線誤りにともなうパケット破棄が発生した移動局について、送達確率を上げることで無線誤りの発生を低減させ、TCPのcnwdが早く開くよう促すことができる。cnwdが開くことで、バッファが空となる時間を減らすことができ、当該移動局の送信レートが向上し、TCPスループットの低下を回避可能となる。したがって、無線通信品質が悪い移動局を含め、移動局間の公平性を向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、パケット誤りが発生した場合には、送信バッファを監視し、送信バッファの状態により送達確率を高める動作を行うことで、TCPスループットの向上を図ることとした。本実施の形態では、バッファ溢れ頻度に基づいて送達確率を向上または低下させる制御を行い、パケット誤り率を制御する場合を説明する。
図9は、パケット誤り率に対するスループットのシミュレーション結果の一例を示す図である。このシミュレーションの条件は、RTT:30ms,パケット長:1000バイト,バッファサイズ:100パケット分である。図9にみられるように、パケット誤り率を小さくするにしたがいTCPスループットは大きく向上するが、リンク速度に近づくところから向上しなくなる。すなわち、過度にパケット誤り率を低減しても、スループットは頭打ちとなる。たとえば、パケット誤り率を小さくしようとすれば、誤り訂正のための冗長データを多く付与すること,再送を実施するための無線リソース、などが追加で必要となる。このことからみても、必要以上にパケット誤り率を小さくすることは、無線リソースの無駄遣いとなる。
リンクスピード近くでスループットが頭打ちになるのは、バッファ溢れによるパケットロスが大部分になるからである。図10は、輻輳ウインドウサイズと、送信バッファ内のキュー長との関係を示す図である。図10に示すように、図9の例で、TCPスループットがリンクスピードに張り付かないのは、バッファ溢れによるパケットロスによりウインドウ制御が働き、一時的に送信バッファにデータがなくなる場合があるからである。本実施の形態では、こうした状況を想定する。
図11は、本実施の形態における基地局の構成例を示す図である。図11の基地局1Cは、図1の基地局1と比較すると、下りスケジューラ14の代わりに下りスケジューラ14Cを備える。下りスケジューラ14Cは、送信バッファ12を監視し、移動局ごとに、所定の単位時間ごとのバッファ溢れ頻度である平均バッファ溢れ頻度を算出し、当該平均バッファ溢れ頻度に基づいて、移動局への送達確率を高める制御を行う。本実施の形態では、基地局1Cと、移動局とを備えた無線通信システムを想定する。
つづいて、以上のように構成された無線通信システムにおける動作について説明する。図12は、本実施の形態における基地局の送信動作を説明するフローチャートである。下りスケジューラ14Cは、上述のように平均バッファ溢れ頻度を算出し、その値が所定の閾値を上回るかどうかを、移動局ごとに定期的に判定する(ステップS31)。下りスケジューラ14Cは、平均バッファ溢れ頻度が所定の閾値を上回る移動局がある場合(ステップS31:Yes)、その移動局への送達確率を高めるための制御を行う(ステップS32)。一方、平均バッファ溢れ頻度が所定の閾値以下の移動局に対しては(ステップS31:No)、無線誤り率が必要以上に低下して輻輳ウインドウが大きくなりすぎることを避けるために、送達確率を低下させるための制御を行う(ステップS33)。なお、送達確率を低下させる制御を行うのではなく、たとえば、通常の方法で送信することとしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、基地局が、移動局ごとに、所定の単位時間ごとのバッファ溢れ頻度である平均バッファ溢れ頻度を算出し、当該平均バッファ溢れ頻度が所定の閾値を上回る移動局への送達確率を低下させる制御を行う構成とした。また、平均バッファ溢れ頻度が所定の閾値以下である移動局に対する送達確率を高める構成とした。
これにより、バッファ溢れ頻度の多いユーザ(移動局)に対しては、送達確率を下げることでそれ以上パケット誤り率が下がることを防ぎ、バッファ溢れ頻度の少ないユーザ(移動局)に対しては、送達確率を高めてパケット誤り率を下げることができる。したがって、無線リソースを無駄にすることなく、最大のTCPスループットを得ることが可能となる。
なお、上記実施の形態では、基地局内の下りスケジューラの制御について説明したが、上り方向の伝送についても、基地局内の上りスケジューラおよび移動局内の無線リソース制御部により同様に実現可能である。ただし、移動局内の上り無線リソース制御部の機能も含め、全て基地局内の上りスケジューラに一元化されるシステムの場合には、移動局は、移動局内でのパケットロス(バッファ溢れ)の発生を、基地局内のスケジューラに通知する必要がある。この場合、基地局は、当該通知に基づいて、送達確率を高める判断を行い、その旨の指示を移動局に送信する。したがって、移動局は、基地局による指示内容を実行するのみとなる。上述同様、上記指示に、送達確率を高めるための処理を継続する時間を含めてもよく、または、移動局が、上記のバッファ溢れが解消された場合にその旨を報告し、基地局が、当該報告に基づいて、送達確率を高める制御を解除すべき(通常の制御へ戻す)旨の指示を送信してもよい。
実施の形態4.
実施の形態3では、バッファ溢れ頻度に基づいて送達確率を向上または低下させる制御を行い、パケット誤り率を制御することで最大のTCPスループットを得ることとした。本実施の形態では、無線誤り率を監視し、無線誤り率に基づいて送達確率を制御する場合を説明する。
図13は、無線誤りとcnwdの関係を示す図である。図13では、無線誤りによるパケットロスがない場合(バッファ溢れによるパケットロスのみの場合)と、無線誤りによるパケットロスがある場合とを、RTTが大きい場合(実線)と、RTTが小さい場合(破線)に分けて示す。
図13に示すように、TCPでは、RTTが増大するにしたがい輻輳ウインドウの増加速度が低下する現象がみられる。これは、輻輳ウインドウの増加は、TCP ACK受信のたびに実施されるため、RTTが大きくなると、輻輳ウインドウ増加のサイクルが長くなるためである。図13に示すように、無線誤りによるパケットロスがない場合(バッファあふれによるパケットロスのみの場合)には、RTTの違いにより輻輳ウインドウ増加のサイクルは異なるものの、輻輳ウインドウの高さは変わらないので、スループットに大きな差は出ない。一方、無線誤りによるパケットロスがある場合には、cnwdが十分開ききる前に再度無線誤りが発生する場合が多く、無線誤りの時間当たりの頻度が一定であるとすると、輻輳ウインドウの高さは、RTT遅延が大きいほうが低く抑えられ、スループットが低くなる。本実施の形態では、こうした状況を想定する。
図14は、本実施の形態における基地局の構成例を示す図である。図14の基地局1Dは、図1の基地局1と比較すると、下りスケジューラ14の代わりに下りスケジューラ14Dを備える。下りスケジューラ14Dは、受信PHY17を介して受信するTCP ACKに基づいて、送信状況や無線誤りを管理し、移動局ごとに、所定の単位時間ごとの無線誤り率である平均無線誤り率を算出し、当該平均無線誤り率に基づいて、移動局への送達確率を高める制御を行う。本実施の形態では、基地局1Dと、移動局(移動局2など)とを備えた無線通信システムを想定する。
つづいて、以上のように構成された無線通信システムにおける動作について説明する。図15は、本実施の形態における基地局の送信動作を説明するフローチャートである。下りスケジューラ14Dは、上述のように平均無線誤り率を算出し、その値が所定の閾値を上回るかどうかを、移動局ごとに定期的に判定する(ステップS41)。下りスケジューラ14Dは、平均無線誤り率が所定の閾値を上回る移動局がある場合(ステップS41:Yes)、その移動局への送達確率を高めるための制御を行う(ステップS42)。一方、平均無線誤り率が所定の閾値以下の移動局に対しては(ステップS41:No)、送達確率を低下させるための制御を行う(ステップS43)。なお、送達確率を低下させるのではなく、たとえば、通常の状態で送信することとしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、基地局が、移動局ごとに、所定の単位時間ごとの無線誤り率である平均無線誤り率を算出し、当該平均無線誤り率が所定の閾値を上回る移動局への送達確率を高める制御を行う構成とした。また、平均無線誤り率が所定の閾値以下である移動局に対する送達確率を低下させる構成とした。
これにより、無線誤りの多いユーザ(移動局)に対しては、送達確率を上げることで遅延を減らし、無線誤りの少ないユーザ(移動局)に対しては、送達確率を下げることとなる。したがって、無線誤りの多いユーザのTCPスループットを向上させることが可能となり、特に、そのユーザがRTTも大きい場合には、平均cwndが小さくなりすぎてスループットが低下することを回避できる。なお、上記方法により、無線誤りのないユーザのRTTは全体的に増加することとなるが、上述のように、無線誤りがない場合には、輻輳ウインドウの大きさは変化しないため、TCPスループットには大きな影響がない。
実施の形態5.
実施の形態4では、基地局が、移動局ごとに、所定の単位時間ごとの無線誤り率である平均無線誤り率を算出し、当該平均無線誤り率に基づいて送達確率を高める制御を行うことで、TCPスループットの向上を図ることとした。本実施の形態では、再送パケットについて送達確率を高めることで、RTT遅延を平滑化させる場合を説明する。
TCPは、あるパケットのRTTがRTO(Retransmission Time Out)タイマ値よりも大きくなった場合には、スロースタート動作を開始する。TCPでは、測定される各パケットのRTTに応じて、RTOタイマ値を動的に最適化する。ところが、無線通信システムでは、無線誤りにより無線レベルの再送が発生すると、急激なRTTの増加(スパイクディレイ)を招き、RTOが発生する。図16は、無線通信システムにおいて発生するディレイスパイクを説明するための図である。図16では、RTTがRTOタイマ値よりも小さくなるよう設定されているところへ、ディレイスパイクが発生し、RTTがRTOタイマ値を超える様子を示す。本実施の形態では、こうした場合を想定する。
図17は、本実施の形態の基地局の構成例を示す図である。図17の基地局は、図1の基地局と比較すると、送信バッファ12の代わりに送信バッファ12Eを備え、下りスケジューラ14の代わりに下りスケジューラ14Eを備える。送信バッファ12Eは、自身のキューに蓄積される再送パケットを検出する。下りスケジューラ14Eは、再送パケットを、送達確率を高める方法で送信する制御を行う。本実施の形態では、一例として、基地局1Eと、移動局2とを備える無線通信システムを想定する。
つづいて、以上のように構成された無線通信システムにおける動作について説明する。図18は、本実施の形態における基地局の送信動作を示すフローチャートである。送信バッファ12Eは、たとえば、キューの先頭にあるパケットが再送パケットであるかどうか、および当該キュー(または該当する移動局)を、下りスケジューラ14Eに通知する。下りスケジューラ14Eは、当該通知に基づいて、キューの先頭パケットが再送待ちパケットであると認識すると(ステップS51:Yes)、当該パケットを、送達確率を高める方法で送信するよう、MAC部13または送信PHY部16を制御する(ステップS52)。一方、キューの先頭パケットが再送待ちパケットでない場合には(ステップS51:No)、下りスケジューラ14Eは、通常の方法で送信する制御を行う(ステップS53)。送達確率を高める方法は、上述同様である。
以上説明したように、本実施の形態では、再送待ちパケットを送信する場合には、送達確率を高める方法で送信する構成とした。これにより、MAC再送による送達を早く確認することが可能となり、MAC再送を早く収束することができるので、ディレイスパイクを小さくし、遅延を平滑化させる効果がある。したがって、無用なRTOが発生する確率を低減可能となり、TCPスループットを向上させることができる。
なお、上記実施の形態では、基地局内の下りスケジューラの制御について説明したが、上り方向の伝送についても、移動局内の無線リソース制御部により同様に実現可能である。
以上のように、本発明にかかる無線通信方法は、無線通信システムにおいて有用であり、特に、TCPを用いる無線通信システムに適している。
1,1B,1C,1D,1E 基地局
2 移動局
11 パケット受信部
12,12E 送信バッファ
13 MAC部
14,14B,14C,14D,14E 下りスケジューラ
15 上りスケジューラ
16 送信PHY部
17 受信PHY部
18 パケット構築部
19 パケット送信部
21 送信バッファ
22 MAC部
23 上り無線リソース制御部
24 送信PHY部
25 受信PHY部
26 パケット構築部
31〜34 IPパケット
35,36 TB

Claims (23)

  1. 基地局と移動局が、TCPを用いて、送信局または受信局として無線通信を行う無線通信システム、における無線通信方法であって、
    前記送信局が、前記受信局ごとにパケットの再送状況を管理し、当該受信局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを認識した場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、パケットを送信する制御を行う送信制御ステップ、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  2. 基地局と移動局が、TCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における無線通信方法であって、
    前記移動局が、前記基地局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを認識した場合に、その旨を前記基地局へ報告する再送失敗報告ステップと、
    前記基地局が、前記再送失敗報告ステップにおける報告を受信した場合に、前記移動局に対し、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすようにパケットを送信するよう指示する送達確率向上指示ステップと、
    前記移動局が、前記送達確率向上指示ステップにおける指示を受信した場合に、前記所定の条件を満たすように、前記基地局に対してパケットを送信する制御を行う送信制御ステップと、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  3. 基地局と移動局が、TCPを用いて、送信局または受信局として無線通信を行う無線通信システム、における無線通信方法であって、
    前記受信局から受信したパケットに無線誤りがあったことによるパケット破棄を実行後、第1の時間が経過するまでの間に、当該受信局に対応する送信バッファのキュー長がゼロになった場合には、前記送信局が、スロースタートまたは輻輳回避を実行したと判断し、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該受信局に対してパケットを送信する制御を行う送信制御ステップと、
    前記送信制御ステップの処理を実行後、第2の時間にわたって、当該受信局に対応する送信バッファのキュー長がゼロでない状態となった場合には、前記送信局が、通常の送達確率でのパケットの送信制御に復帰する通常制御復帰ステップと、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  4. 基地局と移動局が、TCPを用いて、送信局または受信局として無線通信を行う無線通信システム、における無線通信方法であって、
    前記送信局が、前記受信局の単位時間あたりの送信バッファ溢れの平均発生頻度を、受信局毎に算出するバッファ溢れ頻度算出ステップと、
    前記算出結果が所定の閾値を超えた受信局があった場合には、前記送信局が、送達確率が低くなるように、当該受信局に対してパケットを送信する制御を行う第1の送信制御ステップと、
    前記算出結果が所定の閾値以下となる受信局があった場合には、前記送信局が、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該受信局に対してパケットを送信する制御を行う第2の送信制御ステップと、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  5. 基地局と移動局が、TCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における無線通信方法であって、
    前記移動局が、前記基地局に対する単位時間あたりの送信バッファ溢れの平均発生頻度を算出し、算出結果を当該基地局に報告するバッファ溢れ頻度報告ステップと、
    前記バッファ溢れ頻度報告ステップにおいて前記算出結果が所定の閾値を超えた移動局があった場合には、前記基地局が、当該移動局に対し、送達確率が低くなるように送信を行うよう指示する送達確率低下指示ステップと、
    前記バッファ溢れ頻度報告ステップにおいて前記算出結果が所定の閾値以下となる移動局があった場合には、前記基地局が、当該移動局に対し、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように送信を行うよう指示する送達確率向上指示ステップと、
    前記移動局が、前記送達確率低下指示ステップにおける指示を受けた場合に、送達確率が低くなるように、前記基地局に対してパケットを送信する制御を行う第1の送信制御ステップと、
    前記移動局が、前記送達確率向上指示ステップにおける指示を受けた場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、前記基地局に対してパケットを送信する制御を行う第2の送信制御ステップと、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  6. 基地局と移動局が、TCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における通信方法であって、
    送信局として動作する基地局が、受信局として動作する移動局から受信したパケットに単位時間あたりに発生する無線誤りの確率を、移動局毎に算出する無線誤り率算出ステップと、
    前記算出結果が所定の閾値を超えた移動局があった場合には、前記基地局が、送達確率が低くなるように、当該移動局に対してパケットを送信する制御を行う第1の送信制御ステップと、
    前記算出結果が所定の閾値以下となる移動局があった場合には、前記基地局が、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該移動局に対してパケットを送信する制御を行う第2の送信制御ステップと、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  7. 基地局と移動局が、TCPを用いて、送信局または受信局として無線通信を行う無線通信システム、における無線通信方法であって、
    送信局が、受信局の送信バッファを監視し、再送待ちのパケットを検出した場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該受信局に対してパケットを送信する制御を行う送信制御ステップ、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  8. 前記所定の条件を、
    前記送信局が、前記受信局に対する無線回線品質がよいと判断したタイミングでパケットを送信すること、
    前記受信局へのパケット送信にかかる変調方式または誤り訂正方式を、ロバスト性の高い方式に変更すること、
    前記受信局へのパケットの送信にかかる送信電力を高めること、
    前記受信局へ再送を行う回数である再送回数を増加させること、
    前記受信局へ再送を行うための実行時間の上限値を大きくすること、
    のうちの少なくともいずれか1つとする、
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の無線通信方法。
  9. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記基地局であって、
    前記移動局ごとにパケットの再送状況を管理し、当該移動局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを認識した場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、パケットを送信する制御を行う下りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする基地局。
  10. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記基地局であって、
    前記移動局から受信したパケットに無線誤りがあったことによるパケット破棄を実行後、第1の時間が経過するまでの間に、当該移動局に対応する送信バッファのキュー長がゼロになった場合には、スロースタートまたは輻輳回避が実行されたと判断し、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該移動局に対してパケットを送信する制御を行い、その後、第2の時間にわたって、当該移動局に対応する送信バッファのキュー長がゼロでない状態となった場合には、当該移動局に対して、通常の送達確率でのパケットの送信制御に復帰する下りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする基地局。
  11. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記基地局であって、
    前記移動局の単位時間あたりの送信バッファ溢れの平均発生頻度を、移動局ごとに算出し、当該算出結果が所定の閾値を超えた移動局があった場合には、送達確率が低くなるように、当該移動局に対してパケットを送信する制御を行い、一方、当該算出結果が所定の閾値以下となる移動局があった場合には、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該移動局に対してパケットを送信する制御を行う下りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする基地局。
  12. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記基地局であって、
    前記移動局から受信するパケットに単位時間あたりに発生する無線誤りの確率を、移動局ごとに算出し、当該算出結果が所定の閾値を超えた移動局があった場合には、送達確率が低くなるように、当該移動局に対してパケットを送信する制御を行い、一方、当該算出結果が所定の閾値以下となる移動局があった場合には、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該移動局に対してパケットを送信する制御を行う下りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする基地局。
  13. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記基地局であって、
    前記移動局の送信バッファを監視し、再送待ちのパケットを検出した場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該移動局に対してパケットを送信する制御を行う下りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする基地局。
  14. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記基地局であって、
    前記移動局から、自局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを通知された場合に、当該移動局に対し、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすようにパケットを送信するよう指示する上りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする基地局。
  15. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記基地局であって、
    前記移動局から、自局に対する単位時間あたりの送信バッファ溢れの平均発生頻度を受信した場合に、当該平均発生頻度が所定の閾値を超えるかどうかを判断し、所定の閾値を超える場合には、当該移動局に対し、送達確率が低くなるように送信を行うよう指示し、また、所定の閾値以下である場合には、当該移動局に対し、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように送信を行うよう指示する上りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする基地局。
  16. 前記所定の条件を、
    前記移動局に対する無線回線品質がよいと判断したタイミングでパケットを送信すること、
    前記移動局へのパケット送信にかかる変調方式または誤り訂正方式を、ロバスト性の高い方式に変更すること、
    前記移動局へのパケットの送信にかかる送信電力を高めること、
    前記移動局へ再送を行う回数である再送回数を増加させること、
    前記移動局へ再送を行うための実行時間の上限値を大きくすること、
    のうちの少なくともいずれか1つとする、
    ことを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載の基地局。
  17. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記移動局であって、
    前記基地局に対するパケットの再送状況を管理し、当該基地局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを認識した場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、パケットを送信する制御を行う上りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする移動局。
  18. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記移動局であって、
    当該基地局に対するパケットの再送が所定数にわたって連続して失敗したことを認識した場合に、前記基地局に対しその旨を報告し、また、前記基地局からの指示に基づいて、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、前記基地局に対してパケットを送信する制御を行う上りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする移動局。
  19. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記移動局であって、
    前記基地局から受信したパケットに無線誤りがあったことによるパケット破棄を実行後、第1の時間が経過するまでの間に、当該基地局に対応する送信バッファのキュー長がゼロになった場合には、スロースタートまたは輻輳回避が実行されたと判断し、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該基地局に対してパケットを送信する制御を行い、その後、第2の時間にわたって、当該基地局に対応する送信バッファのキュー長がゼロでない状態となった場合には、通常の送達確率でのパケットの送信制御に復帰する上りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする移動局。
  20. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記移動局であって、
    前記基地局に対する単位時間あたりの送信バッファ溢れの平均発生頻度を算出し、当該算出結果が所定の閾値を超えた場合には、送達確率が低くなるように、当該基地局に対してパケットを送信する制御を行い、また、当該算出結果が所定の閾値以下となった場合には、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該基地局に対してパケットを送信する制御を行う上りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする移動局。
  21. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記移動局であって、
    前記基地局に対する単位時間あたりの送信バッファ溢れの平均発生頻度を算出して、当該算出結果を前記基地局に報告し、また、前記基地局からの指示に基づいて、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、前記基地局に対してパケットを送信する制御を行う上りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする移動局。
  22. 基地局と1以上の移動局とがTCPを用いて無線通信を行う無線通信システム、における前記移動局であって、
    前記基地局に対する送信バッファを監視し、再送待ちのパケットを検出した場合に、送達確率を高めることが可能な所定の条件を満たすように、当該基地局に対してパケットを送信する制御を行う上りスケジューラ、
    を備えることを特徴とする移動局。
  23. 前記所定の条件を、
    前記移動局に対する無線回線品質がよいと判断したタイミングでパケットを送信すること、
    前記移動局へのパケット送信にかかる変調方式または誤り訂正方式を、ロバスト性の高い方式に変更すること、
    前記移動局へのパケットの送信にかかる送信電力を高めること、
    前記移動局へ再送を行う回数である再送回数を増加させること、
    前記移動局へ再送を行うための実行時間の上限値を大きくすること、
    のうちの少なくともいずれか1つとする、
    ことを特徴とする請求項17〜22のいずれか1つに記載の移動局。
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