JP2010272809A - コモンモードチョークコイル及びそれを用いた信号伝送用回路 - Google Patents

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剛 小林
Seiichi Saito
成一 斉藤
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Abstract

【課題】コモンモードノイズに対してはインピーダンスを発生してコモンモードノイズの通過を阻止しつつも、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制可能なコモンモードチョークコイルを得ることを目的とする。
【解決手段】閉磁路を形成するトロイダルコア2と、外面に絶縁処理を施した一対の導線5a,5b、及び一対の導線5a,5bをまとめて被覆するシールド導体7Aを有し、トロイダルコア2に巻回された信号伝送用ケーブル3Aと、を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、コモンモードノイズの通過を阻止しつつ、ノーマルモード信号を通過させるコモンモードチョークコイル及びそれを用いた信号伝送用回路に関する。
従来のコモンモードチョークコイルは、環状の磁心と、磁心にバイファイラ巻により巻回された一対の導線と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
従来のコモンモードチョークコイルにおいて、コモンモード信号が一対の導線のそれぞれの一端側から入力される場合、コモンモード信号が導線を伝送するときに発生する磁界により磁心の内部に発生する磁束のそれぞれは互いに強めあう。このため、従来のコモンモードチョークコイルは、コモンモード信号に対して大きなインピーダンスを発生するインダクタとして働き、コモンモード信号は、導線の他端側へ向かうことが阻止される。
一方、ノーマルモード信号が一対の導線のそれぞれの一端側から入力される場合、ノーマルモード信号が導線を伝送するときに発生する磁界により磁心の内部に発生する磁束のそれぞれは互いに打ち消しあう。このため、従来のコモンモードチョークコイルは、ノーマルモード信号に対して、インピーダンスを発生しない。つまり、従来のコモンモードチョークコイルでは、ノーマルモード信号を一対の導線の一端から入力して信号伝送を行う場合、導線をコモンモードで伝搬しようとするコモンモードノイズの通過を阻止し、ノーマルモード信号のみを通過させることが可能になっていた。
特開平7−29755号公報
従来のコモンモードチョークコイルは、上述したように、原理的にはノーマルモード信号に対してインピーダンスを発生しない。これは、ノーマルモード信号が一対の導線を伝送したときに、完全に同じ大きさの磁束が磁心の内部に発生するように、一対の導線が磁心に対して等価な条件で巻回されていることを前提としている。しかし、現実的には磁心に対して一対の導線を等価な条件で巻回するのは容易ではない。
例えば、一対の導線を磁心の外周面に密接するように巻回した場合、実際には、隙間が導線の一部と磁心との間に生じている。このとき、一方の導線と磁心との隙間と、他方の導線と磁心との隙間とが不均一であると、ノーマルモード信号が導線のそれぞれを伝送するときに発生する磁束のそれぞれの大きさが異なってしまう。これにより、コモンモードチョークコイルは、ノーマルモード信号に対してもインピーダンスを発生するインダクタとして働き、ノーマルモード信号の通過損失が発生してしまう。
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、コモンモードノイズの通過を阻止しつつもノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制可能なコモンモードチョークコイル及びそれを用いた信号伝送用回路を得ることを目的とする。
この発明のコモンモードチョークコイルは、閉磁路を形成する閉磁路コアと、外面に絶縁処理を施した一対の導線、及び一対の導線をまとめて被覆するシールド導体を有し、閉磁路コアに巻回された信号伝送用ケーブルと、を備えている。
この発明に係るコモンモードチョークコイルは、一対の導線がシールド導体に被覆されているので、ノーマルモード信号が互いをリターン経路とする一対の導線を伝搬しても磁束が閉磁路コアに発生せず、コモンモードノイズが導線を伝搬するときには、コモンモードノイズはシールド導体の外面にも伝搬して磁束が閉磁路コアに発生する。従って、コモンモードチョークコイルは、一対の導線が閉磁路コアに対して等価な条件で巻回されていなくてもノーマルモード信号に対してはインピーダンスを発生することがなく、コモンモードノイズに対してのみインピーダンスを発生するので、コモンモードノイズの通過を阻止しつつも、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制できる。
この発明の実施の形態1に係るコモンモードチョークコイルの構成、及びコモンモードチョークコイルを用いた信号伝送用回路の要部を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る信号伝送用回路の要部を説明する図である。 この発明の実施の形態3に係る信号伝送用回路の要部を説明する図である。 この発明の実施の形態4に係る信号伝送用回路の要部を説明する図である。 この発明の実施の形態5に係るコモンモードチョークコイルの構成、及びコモンモードチョークコイルが組み込まれた信号伝送用回路の要部を説明する図である。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るコモンモードチョークコイルの構成、及びコモンモードチョークコイルを用いた信号伝送用回路の要部を説明する図である。
図1において、コモンモードチョークコイル1Aは、フェライト、及び鉄系アモルファス金属などの磁性材料からなり、閉磁路を形成する閉磁路コアとしてのトロイダルコア2と、トロイダルコア2に巻回された信号伝送用ケーブル3Aと、を備える。
信号伝送用ケーブル3Aは、絶縁材料からなる被覆体4、及びそれぞれ被覆体4に被覆された一対の導線5a,5bを有する絶縁被覆導線6a,6bと、一対の絶縁被覆導線6a,6bをひとまとめにして被覆するシールド導体7Aと、を備える。
シールド導体7Aには、細い導線を網目状に編み込んで作製した編組構成のものや、アルミテープなどを用いることができる。
そして、信号伝送用ケーブル3Aは、トロイダルコア2に2ターン巻回され、信号伝送用ケーブル3Aの一端は、トロイダルコア2の一端側の開口からトロイダルコア2の外側に延出され、信号伝送用ケーブル3Aの他端は、トロイダルコア2の他端側の開口からトロイダルコア2の外側に延出されている。
そして、コモンモードチョークコイル1Aは、例えば、ノーマルモード信号(電流)を伝送するための信号伝送用回路10Aにおける信号伝送経路に組み込まれて使用される。信号伝送用回路10Aは、回路のグランド11(GND11)を有する。このとき、シールド導体7Aが、GND11から浮いた状態に配置されている。
以下、コモンモードチョークコイル1Aの導線5a,5bにコモンモード信号及びノーマルモード信号が入力された場合の信号伝送用回路10Aの動作について説明する。
コモンモード信号(電流)を一対の導線5a,5bの一端に入力して伝搬させる場合、コモンモード信号は、導線5a,5bのそれぞれをシールド導体7Aの内面をリターン経路として同じ方向に伝搬しようとするが、このとき、シールド導体7AがGND11から浮いているので、シールド導体7Aの外面にも、導線5a,5bから入力されたコモンモード信号が、GND11をリターン経路として伝搬する。
そして、シールド導体7Aの外面を伝搬する信号により発生する磁界によって、磁束がトロイダルコア2の内部に発生する。つまり、コモンモードチョークコイル1Aは、コモンモード信号に対して大きなインピーダンスを発生するインダクタとして働く。従って、シールド導体7Aの内面をリターン経路として導線5a,5bを伝搬しようとするコモンモード信号が、導線5a,5bの一端から他端に通過することが阻止される。
一方、ノーマルモード信号が一対の導線5a,5bを伝搬する場合、互いの導線5a,5bをリターン経路とし、導線5aと導線5bとで異なる方向に伝搬する。このとき、ノーマルモード信号は、互いの導線5a,5bをリターン経路とする経路のみを伝搬し、シールド導体7Aをリターン経路として導線5a,5bを伝搬するものはない。
ここで、仮にシールド導体7Aが省略されており、一対の絶縁被覆導線6a,6bがトロイダルコア2に対して等価な条件で巻回されていない場合には、従来のコモンモードチョークコイルでの場合と同様、ノーマルモード信号が導線5a,5bを伝搬したときに発生する磁界によって、磁束がトロイダルコア2に発生することになる。
しかし、コモンモードチョークコイル1Aでは、ノーマルモード信号は導線5a,5bのみを伝搬し、絶縁被覆導線6a,6bがシールド導体7Aによって被覆されているので、ノーマルモード信号が導線5a,5bのそれぞれを伝搬することによって発生する磁界がトロイダルコア2に到達することはない。即ち、仮に、一対の絶縁被覆導線6a,6bがトロイダルコア2に対して等価な条件で巻回されていなくても、ノーマルモード信号が、導線5a,5bを伝搬することで発生する磁界によって、トロイダルコア2内に磁束が発生することはない。従って、コモンモードチョークコイル1Aは、ノーマルモード信号に対してインピーダンスを発生しないので、ノーマルモード信号が導線5a,5bを伝搬して通過するときの損失の増大が抑制される。
そして、信号伝送用回路10Aにおいて、ノーマルモード信号をノーマルモード信号を一対の導線5a,5bの一端側から導線5a,5b間に入力して信号伝送を行う場合、ノーマルモード信号は、減衰することなく導線5a,5bを通過するが、ノイズがコモンモード信号として導線5a,5bにのって伝搬しようとするときは、ノイズが導線5a,5bの一端から他端に通過することが阻止される。以下、コモンモードで導線5a,5bを伝搬するノイズをコモンモードノイズとする。
この実施の形態1のコモンモードチョークコイル1Aは、トロイダルコア2に巻回された一対の絶縁被覆導線6a,6bが、シールド導体7Aにより被覆されて構成されている。そして、ノーマルモード信号が導線5a,5bのそれぞれを伝搬することによって発生する磁界は、シールド導体7Aにシールドされて、トロイダルコア2に達することがなく、ノーマルモード信号が導線5a,5bを伝搬しても、磁束はトロイダルコア2に発生しない。また、コモンモード信号が導線5a,5bを伝搬するときには、シールド導体7Aの外面に信号が流れ、当該信号によって発生する磁界によって、トロイダルコア2に磁束が発生し、コモンモード信号に対してはインピーダンスが発生する。
つまり、コモンモードチョークコイル1Aを信号伝送経路に組み込むことで、コモンモードノイズの通過を阻止しつつも、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制できる。言い換えれば、コモンモードチョークコイル1Aが信号伝送経路に組み込まれた信号伝送用回路10Aを用いてノーマルモード信号を伝送する場合、コモンモードノイズの通過を阻止しつつ、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制できる。
なお、この実施の形態1では、コモンモードチョークコイル1Aは、シールド導体7Aを浮かせた状態で信号伝送用回路10Aに組み込まれるものとして説明したが、シールド導体7Aの両端または片端とGND11とをインダクタを介して接続したものでもよい。即ち、高周波的にGND11からシールド導体7Aを浮かせたものでもよい。
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2に係る信号伝送用回路の要部を説明する図である。
なお、図2において、上記実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図2において、信号伝送用回路10Bは、コモンモードチョークコイル1Aが信号伝送経路に組み込まれ、GND11とシールド導体7Aの一端とを接続する接地用導体12aを有する。信号伝送用回路10Bの他の構成は信号伝送用回路10Aと同様である。
以下、コモンモードチョークコイル1Aの導線5a,5bにコモンモード信号及びノーマルモード信号が入力された場合の信号伝送用回路10Bの動作について説明する。
コモンモード信号を一対の導線5a,5bの一端に入力して伝搬させる場合、コモンモード信号は、導線5a,5bのそれぞれをシールド導体7Aの内面をリターン経路として伝搬しようとする。しかし、シールド導体7Aの一端が接地用導体12aによりGND11に接地され、他端が信号伝送用回路10BのGND11から浮いているので、シールド導体7Aの外面にも、導線5a,5bから入力されたコモンモード信号が、接地用導体12aを介して接続されたGND11をリターン経路として伝搬する。
シールド導体7Aの外面を伝搬する信号によって、コモンモードチョークコイル1Aは、上記実施の形態1と同様、コモンモード信号に対して大きなインピーダンスを発生するインダクタとして働く。従って、シールド導体7Aの内面をリターン経路として導線5a,5bを伝搬しようとするコモンモード信号が、導線5a,5bの一端から他端に通過することが阻止される。
なお、ノーマルモード信号の伝搬は、上記実施の形態1の場合と同様に伝搬する。
以上により、信号伝送用回路10Bによれば、信号伝送用回路10Aと同様、ノーマルモード信号の伝送を行う場合に、ノイズがコモンモード信号として導線5a,5bにのって伝搬しようとするときは、コモンモードノイズの通過を阻止しつつ、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制することができる。
なお、シールド導体7Aの他端は、GND11から浮いた状態にするものとして説明したが、シールド導体7Aの他端とGND11との間を、インダクタを介して接続してもよい。つまり、高周波信号に対して、シールド導体7Aの他端とGND11とが浮いていればよい。
また、シールド導体7Aの一端とGND11とは、接地用導体12aに代え、コンデンサにより接続してもよい。つまり、高周波信号に対して、シールド導体7Aの一端とGND11とが低インピーダンスで接続されているものでもよい。
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3に係る信号伝送用回路の要部を説明する図である。
なお、図3において、上記実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図3において、信号伝送用回路10Cは、コモンモードチョークコイル1Aが信号伝送経路に組み込まれ、GND11とシールド導体7Aの両端を除く中間部のいずれかの部位とを接続する接地用導体12aを有する。
以下、コモンモードチョークコイル1Aの導線5a,5bにコモンモード信号及びノーマルモード信号が入力された場合の信号伝送用回路10Cの動作について説明する。
コモンモード信号が一対の導線5a,5bの一端に入力されると、シールド導体7Aの内面をリターン経路として伝搬しようとする。しかし、シールド導体7Aの両端がGND11から浮いており、シールド導体7Aの中間部の一部が接地用導体12aによりGND11に接地されているので、シールド導体7Aの外面にも、導線5a,5bに入力されたコモンモード信号が、接地用導体12aを介してシールド導体7Aに接続されたGND11をリターン経路として伝搬する。
そして、シールド導体7Aの外面を伝搬する信号により発生する磁界によって、磁束がトロイダルコア2の内部に発生する。つまり、コモンモードチョークコイル1Aは、コモンモード信号に対して大きなインピーダンスを発生するインダクタとして働く。従って、シールド導体7Aの内面をリターン経路として導線5a,5bを伝搬しようとするコモンモード信号が、導線5a,5bの一端から他端に通過することが阻止される。
なお、ノーマルモード信号の伝搬は、上記実施の形態1の場合と同様に伝搬する。
以上により、この実施の形態3の信号伝送用回路10Cによれば、信号伝送用回路10Aと同様、ノーマルモード信号の伝送を行う場合に、ノイズがコモンモード信号として導線5a,5bにのって伝搬しようとするときは、コモンモードノイズの通過を阻止しつつ、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制することができる。
なお、この実施の形態3では、シールド導体7Aの両端は、GND11から浮いた状態にするものとして説明したが、シールド導体7Aの少なくとも一方の端部とGND11との間を、インダクタを介して接続してもよい。つまり、高周波信号に対して、シールド導体7Aの少なくとも一方の端部とGND11とが浮くように接続してもよい。
また、シールド導体7Aの中間部とGND11とは、接地用導体12aに代え、コンデンサにより接続してもよい。つまり、高周波信号に対して、シールド導体7Aの中間部とGND11とが低インピーダンスで接続されているものでもよい。
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4に係る信号伝送用回路の要部を説明する図である。
なお、図4において、上記実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図4において、信号伝送用回路10Dは、コモンモードチョークコイル1Aが信号伝送経路に組み込まれ、互いに分離されている異種のグランドを有する。異種のグランドとは、例えば、アナロググランド、デジタルグランド、及びフレームグランドなどである。
以下、アナロググランドを第1GND11aとし、デジタルグランドを第2GND11bとする。
また、信号伝送用回路10Dは、シールド導体7Aの一端と第1GND11aとを接続する接地用導体12aと、シールド導体7Aの他端と第2GND11bとを接続する接地用導体12bと、を備える。
以下、コモンモードチョークコイル1Aの導線5a,5bにコモンモード信号及びノーマルモード信号が入力された場合の信号伝送用回路10Dの動作について説明する。
コモンモード信号が一対の導線5a,5bの一端から入力された場合、シールド導体7Aの内面をリターン経路として導線5a,5bを伝搬しようとする。このとき、シールド導体7Aの両端は、分離されている第1GND11a及び第2GND11bに接続用導体12a,12bにより接地されている。従って、シールド導体7Aの外面にも、導線5a,5bに入力されたコモンモード信号が、接地用導体12aを介してシールド導体7Aに接続された第1GND11a、または接地用導体12bを介してシールド導体7Aに接続された第2GND11bをリターン経路として伝搬する。第1GND11aと第2GND11bとが分離されている場合、分離されていない場合に比べ、コモンモード信号のリターン経路が限定されるので、コモンモード信号に対してインピーダンスが増大する。
そして、シールド導体7Aの外面を伝搬する信号により発生する磁界によって、磁束がトロイダルコア2の内部に発生する。つまり、コモンモードチョークコイル1Aは、コモンモード信号に対して大きなインピーダンスを発生するインダクタとして働く。従って、シールド導体7Aの内面をリターン経路として導線5a,5bを伝搬しようとするコモンモード信号が、導線5a,5bの一端から他端に通過することが阻止される。
なお、ノーマルモード信号の伝搬は、上記実施の形態1の場合と同様に伝搬する。
以上により、実施の形態4の信号伝送用回路10Dによれば、信号伝送用回路10Aと同様、ノーマルモード信号の伝送を行う場合に、ノイズがコモンモード信号として導線5a,5bにのって伝搬しようとするときは、コモンモードノイズの通過を阻止しつつ、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制することができる。
なお、この実施の形態4では、異種のGNDは、完全に分離されているものとして説明したが、異種のGND間に大きなインピーダンスが生じるように接続するものであれば、配線パターン、接続導線、コンデンサ、コイル、及び抵抗などにより異種のGND間を接続してもよい。
また、シールド導体7Aの両端のそれぞれが、分離されているGNDのそれぞれに接続されるものであれば、シールド導体7Aの両端のそれぞれに接続するGNDの種類は問わない。
また、接地用導体12a,12bは省略されていてもよい。
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5に係るコモンモードチョークコイルの構成、及びコモンモードチョークコイルが組み込まれた信号伝送用回路の要部を説明する図である。
なお、図5において、上記実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図5において、コモンモードチョークコイル1Bは、信号伝送用ケーブル3Aに代え、信号伝送用ケーブル3Bを備える。
そして、信号伝送用ケーブル3Bのシールド導体7Bは、絶縁被覆導線6a,6b(導線5a,5b)の長手方向に互いの間に隙間をあけて、それぞれが絶縁被覆導線6a,6bを被覆する分割シールド導体7a及び分割シールド導体7bにより構成されている。つまり、絶縁被覆導線6a,6bの被覆が、絶縁被覆導線6a,6bの中間部の一部で途切れ、シールド導体7Bが分割シールド導体7a及び分割シールド導体7bに分離している。コモンモードチョークコイル1Bの他の構成はコモンモードチョークコイル1Aと同様である。
そして、コモンモードチョークコイル1Bは、例えば、ノーマルモード信号を伝送するための信号伝送用回路10Eの信号伝送経路に組み込まれて使用される。
信号伝送用回路10Eは、トロイダルコア2の一端側開口から延出された分割シールド導体7aの端部とGND11とを接続する接地用導体12aと、トロイダルコア2の他端側開口から延出された分割シールド導体7bの端部とGND11とを接続する接地用導体12bと、を有する。
以下、コモンモードチョークコイル1Aの導線5a,5bの一端からコモンモード信号及びノーマルモード信号が入力された場合の信号伝送用回路10Eの動作について説明する。
コモンモード信号を一対の導線5a,5bの一端に入力して伝搬させる場合、コモンモード信号は、導線5a,5bのそれぞれを分割シールド導体7a,7bの内面をリターン経路として伝搬しようとする。しかし、トロイダルコア2から延出された分割シールド導体7a,7bの両端が接地用導体12a,12bによりGND11に接地され、かつ、分割シールド導体7a,7bは分離されているので、分割シールド導体7a,7bの外面にも、導線5a,5bに入力されたコモンモード信号が、GND11をリターン経路として伝搬する。
そして、分割シールド導体7a,7bの外面を伝搬する信号により発生する磁界によって、磁束がトロイダルコア2の内部に発生する。つまり、コモンモードチョークコイル1Bは、コモンモード信号に対して大きなインピーダンスを発生するインダクタとして働く。従って、シールド導体7Aの内面をリターン経路として導線5a,5bを伝搬しようとするコモンモード信号が、導線5a,5bの一端から他端に通過することが阻止される。
なお、絶縁被覆導線6a,6bのトロイダルコア2への巻回領域において、シールド導体7Bによる絶縁被覆導線6a,6bのシールドの解除部位は一部のみである。即ち、ノーマルモード信号が導線5a,5bのそれぞれを伝搬することによって発生する磁界は、分割シールド導体7a,7bにシールドされるので、トロイダルコア2にほとんど達することはなく、ノーマルモード信号によりトロイダルコア2に発生する磁束は小さい。従って、コモンモードチョークコイル1Bは、ノーマルモード信号に対してインピーダンスをほぼ発生しないので、ノーマルモード信号が導線5a,5bを伝搬して通過するときの損失の増大が抑制される。
つまり、信号伝送用回路10Eにおいて、ノーマルモード信号を一対の導線5a,5bの一端側から導線5a,5b間に入力して信号伝送を行う場合、ノーマルモード信号は、減衰することなく導線5a,5bを通過するが、ノイズがコモンモード信号として導線5a,5bにのって伝搬しようとするときは、ノイズが導線5a,5bの一端から他端に通過することが阻止される。
以上により、この実施の形態5のコモンモードチョークコイル1Bは、実施の形態1と同様、信号伝送経路に組み込むことで、コモンモードノイズの通過を阻止しつつも、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制できる。言い換えれば、コモンモードチョークコイル1Bが信号伝送経路に組み込まれた信号伝送用回路10Eによってノーマルモード信号を伝送する場合も、コモンモードノイズの通過を阻止しつつ、ノーマルモード信号の通過損失の増大を抑制できる。
なお、上記実施の形態5では、分割シールド導体7aのトロイダルコア2の一端側開口から延出された側の端部と一端とGND11とを接地用導体12aで接続し、分割シールド導体7bのトロイダルコア2の他端側開口から延出された側の端部とを接地用導体12bで接続するものとして説明したが、接地用導体12a,12bを省略しても良い。この場合でも、コモンモード信号が導線5a,5bに入力されると、分割シールド導体7a,7bの外面にも信号が伝搬するので上記効果が得られる。
また、分割シールド導体7aと分割シールド導体7bとはインダクタにより接続されていてもよい。つまり、シールド導体7Bが、高周波信号に対して分離された部位を有しているものであればよい。
また、トロイダルコア2の一端側開口から延出された分割シールド導体7aの端部とGND11との間、及びトロイダルコア2の他端側開口から延出された分割シールド導体7bの端部とGND11との間は、接地用導体12a,12bに代えて、コンデンサにより接続してもよい。
また、シールド導体7Bは、一対の分割シールド導体7a,7bにより構成されるものとしたが、導線5a,5bの長手方向に互いに隙間をあけて配置された3つ以上の分割シールド導体により構成されていてもよい。
また、上記各実施の形態では、トロイダルコア2に2ターン巻回するものとして説明したが、信号伝送用ケーブルの巻回数は、1ターンであっても、3ターン以上であってもよい。
また、閉磁路コアはトロイダルコア2であるものとして説明したが、閉磁路コアは、例えば、外形がトロイダルとことなる筒状からなるものなど、閉磁路を形成するものであれば、その形状は限定されない。
1A,1B コモンモードチョークコイル、2 トロイダルコア、5a,5b 導線、7A,7B シールド導体、7a,7b 分割シールド導体、10A〜10E 信号伝送用回路、11 GND、11a,11b 異種のGND。

Claims (6)

  1. 閉磁路を形成する閉磁路コアと、
    外面に絶縁処理を施した一対の導線、及び上記一対の導線をまとめて被覆するシールド導体を有し、上記閉磁路コアに巻回された信号伝送用ケーブルと、
    を備えることを特徴とするコモンモードチョークコイル。
  2. 上記シールド導体は、上記導体の長手方向に互いの間に隙間をあけて上記導線を被覆する複数の分割シールド導体により構成されていることを特徴とする請求項1記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 請求項1記載のコモンモードチョークコイルが、信号の伝送経路に組み込まれた信号伝送用回路であって、
    GNDを有し、上記シールド導体の一端のみが上記GNDに接地されていることを特徴とする信号伝送用回路。
  4. 請求項1記載のコモンモードチョークコイルが、信号の伝送経路に組み込まれた信号伝送用回路であって、
    GNDを有し、上記シールド導体の両端が上記GNDから浮いており、上記シールド導体の中間部の少なくとも一点が、上記GNDに接地されていることを特徴とする信号伝送用回路。
  5. 請求項1または請求項2記載のコモンモードチョークコイルが、信号の伝送経路に組み込まれた信号伝送用回路であって、
    GNDを有し、上記シールド導体が上記GNDから浮いていることを特徴とする信号伝送用回路。
  6. 請求項1または請求項2記載のコモンモードチョークコイルが、信号の伝送経路に組み込まれた信号伝送用回路であって、
    互いに分離された異種のGNDを有し、上記シールド導体の両端のそれぞれが、分離されている上記異種のGNDのそれぞれに接地されていることを特徴とする信号伝送用回路。
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