JP2010271287A - 電池劣化判定装置、電池劣化判定方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】二次電池の劣化状態を判定するための特別な装置を設けることなく、ランニング運転のまま短時間で劣化状態を判定することができるようにする。
【解決手段】電流積算値検出部が所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がゼロになったことを検出すると、電流積算値がゼロになった時点において充電電力積算値と放電電力積算値とをメモリに保存した後、積算値をゼロクリアして次の積算を開始する。また、メモリに保存された充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する。一方、電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示すテーブルを参照して初期特性の充放電効率を求める。そして、充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率とテーブルから求めた初期特性の充放電電力効率とを比較して、二次電池の劣化状態を判定する。
【選択図】図3
【解決手段】電流積算値検出部が所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がゼロになったことを検出すると、電流積算値がゼロになった時点において充電電力積算値と放電電力積算値とをメモリに保存した後、積算値をゼロクリアして次の積算を開始する。また、メモリに保存された充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する。一方、電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示すテーブルを参照して初期特性の充放電効率を求める。そして、充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率とテーブルから求めた初期特性の充放電電力効率とを比較して、二次電池の劣化状態を判定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、二次電池の劣化状態を判定する技術に係り、特に、移動体用のリチウム電池などの二次電池の劣化状態を判定するための電池劣化判定装置、電池劣化判定方法、及びその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
リチウム電池などの二次電池の劣化状態を推定(判定)して、電池の管理条件への反映や状態表示を行うことは、二次電池を安全に使用したり電池交換時期を事前に知る上でユーザメリットにつながる。そこで、このような観点から、二次電池の劣化状態を推定する技術が種々報告されている。例えば、二次電池の充放電回数をカウントしたり使用時間を計測することで二次電池の劣化状態を推定する技術や、二次電池の充放電容量を直接計測したり、内部抵抗を計算したりして二次電池の劣化状態を推定する技術や、二次電池の電圧変化幅と充放電容量から全体容量を判断して、二次電池の劣化状態を推定する技術などが知られている。
また、二次電池の機能が低下した電池パックを事前に判定して適切な処理を行う技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、二次電池が経年変化によって寿命に達し、機能が著しく低下して機能喪失の状態に陥ったと判定された場合には、その判定内容に応じて充放電の制御や強制放電の制御を適切に行うことにより、その二次電池の使用を制限しながら適切な処理を行う(例えば、再生できる場合は再生充電処理を行い、機能が不能な場合は強制放電処理を行う)ことができる。このとき、経年変化の判定には、例えば、平均周囲温度が10℃上昇するごとに経年時間を2倍にするなど、周囲温度を考慮した劣化判定を行っている。
しかしながら、前記従来技術のうち、二次電池の充放電回数をカウントしたり使用時間を計測して劣化状態を推定する技術は、二次電池のセルごとの充電バラツキを捉えることができなかったり、充放電レートや充放電の深度によって劣化の異なる状態を把握することができないなどの問題がある。また、二次電池の充放電容量を直接計測して劣化状態を推定する技術は、日々のランニング運転による充放電の中では二次電池の容量変化を捉え難いので、0〜100%の充放電が繰り返されるアプリケーションでしか適用することができないと共に、劣化状態の推定にかなりの時間がかかるなどの問題がある。
また、二次電池の内部抵抗を計算して劣化状態を推定する技術は、極めて小さな内部抵抗(例えば、リチウム電池の内部抵抗は数mΩ)を計測する必要があるので、高精度な電圧・電流計測が必要となるなど計測装置が高価になってしまうなどの問題がある。また、二次電池の電圧変化幅と充放電容量から全体容量を判断して二次電池の劣化状態を推定する技術は、狭い電圧変化幅から劣化状態を推定することになるので、高精度な電圧・電流計測が必要となり、前述と同様に計測装置が高価になってしまうなどの問題がある。
また、特許文献1に開示された技術によれば、周囲温度などを考慮した経年変化に基づいて、比較的高精度に二次電池の劣化状態の判定を行うことができるが、二次電池のライフサイクルをインターバルとした劣化状態の判定方法であるので、短時間に劣化状態を判定することができない。すなわち、日々のランニング運転の状態にある二次電池の劣化状態を短時間で判定することはできない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、二次電池の劣化状態を判定するための特別な装置を設けることなく、ランニング運転のまま短時間で二次電池の劣化状態を判定することができる電池劣化判定装置、電池劣化判定方法、及びその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置であって、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出する電流積算値検出部と、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算する充放電電力積算値演算部と、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算するSOC演算部と、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する充放電電力効率演算部と、前記SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示すデータを格納するデータテーブルと、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記データテーブルに格納された初期特性の充放電電力効率とを比較して、前記二次電池の劣化状態を判定する劣化判定部とを備えることを特徴とする電池劣化判定装置である。
また本発明は、上述の電池劣化判定装置において、前記劣化判定部は、前記実測充放電電力効率が、前記データテーブルに格納されている初期特性の充放電電力効率に対して所定の下限規定値より低いときに、前記二次電池が劣化状態にあると判定することを特徴とする。
また本発明は、上述の電池劣化判定装置において、前記データテーブルに格納された初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の温度又は該二次電池の周囲温度によって補正されていることを特徴とする。
また本発明は、二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置であって、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出する電流積算値検出部と、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算する充放電電力積算値演算部と、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算するSOC演算部と、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する充放電電力効率演算部と、前記二次電池と該二次電池の内部インピーダンスとからなる等価回路を用いて、前記SOCから初期特性の充放電電力効率を算出する等価モデル演算部と、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記等価モデル演算部が算出した初期特性の充放電電力効率とを比較して、前記二次電池の劣化状態を判定する劣化判定部とを備えることを特徴とする電池劣化判定装置である。
また本発明は、上述の電池劣化判定装置において、前記劣化判定部は、前記実測充放電電力効率が、前記等価モデル演算部の算出した初期特性の充放電電力効率に対して所定の下限規定値より低いときに、前記二次電池が劣化状態にあると判定することを特徴とする。
また本発明は、上述の電池劣化判定装置において、前記劣化判定部は、前記二次電池の温度又は該二次電池の周囲温度が規定の範囲にあるときのみ、その二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする。
また本発明は、上述の電池劣化判定装置において、前記データテーブルには、充放電電力効率の初期特性と劣化後の特性とが用意されていることを特徴とする。
また本発明は、二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置であって、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出する電流積算値検出部と、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算する充放電電力積算値演算部と、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算するSOC演算部と、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する充放電電力効率演算部と、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率とを比較して該二次電池の劣化状態を判定する劣化判定部とを備えることを特徴とする電池劣化判定装置である。
また本発明は、上述の電池劣化判定装置において、前記データテーブルに格納されている初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率で補正されることを特徴とする。
また本発明は、上述の電池劣化判定装置において、前記等価モデル演算部が算出した初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率で補正されることを特徴とする。
また本発明は、 二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置の電池劣化判定方法であって、前記電池劣化判定装置の電流積算値検出部が、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出し、前記電池劣化判定装置の充放電電力積算値演算部が、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算し、前記電池劣化判定装置のSOC演算部が、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、前記電池劣化判定装置の充放電電力効率演算部が、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算し、前記電池劣化判定装置の保持するデータテーブルが、前記SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示し、前記電池劣化判定装置の劣化判定部が、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記データテーブルに格納された初期特性の充放電電力効率とを比較して、前記二次電池の劣化状態を判定する
ことを特徴とする電池劣化判定方法である。
ことを特徴とする電池劣化判定方法である。
また本発明は、上述の電池劣化判定方法において、前記電池劣化判定装置の前記劣化判定部は、前記実測充放電電力効率が、前記データテーブルに格納されている初期特性の充放電電力効率に対して所定の下限規定値より低いときに、前記二次電池が劣化状態にあると判定することを特徴とする。
また本発明は、上述の電池劣化判定方法において、前記電池劣化判定装置の保持する前記データテーブルに格納された初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の温度又は該二次電池の周囲温度によって補正されていることを特徴とする。
また本発明は、二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置の電池劣化判定方法であって、前記電池劣化判定装置の電流積算値検出部が、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出し、前記電池劣化判定装置の充放電電力積算値演算部が、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算し、前記電池劣化判定装置のSOC演算部が、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、前記電池劣化判定装置の充放電電力効率演算部が、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算し、前記電池劣化判定装置の等価モデル演算部が、前記二次電池と該二次電池の内部インピーダンスとからなる等価回路を用いて、前記SOCから初期特性の充放電電力効率を算出し、前記電池劣化判定装置の劣化判定部が、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記等価モデル演算部が算出した初期特性の充放電電力効率とを比較して、前記二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする電池劣化判定方法である。
また本発明は、上述の電池劣化判定方法において、前記電池劣化判定装置の前記劣化判定部は、前記実測充放電電力効率が、前記等価モデル演算部の算出した初期特性の充放電電力効率に対して所定の下限規定値より低いときに、前記二次電池が劣化状態にあると判定することを特徴とする。
また本発明は、上述の電池劣化判定方法において、 前記電池劣化判定装置の前記劣化判定部は、前記二次電池の温度又は該二次電池の周囲温度が規定の範囲にあるときのみ、その二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする。
また本発明は、上述の電池劣化判定方法において、前記データテーブルには、充放電電力効率の初期特性と劣化後の特性とが用意されていることを特徴とする。
また本発明は、二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置の電池劣化判定方法であって、前記電池劣化判定装置の電流積算値検出部が、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出し、前記電池劣化判定装置の充放電電力積算値演算部が、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算し、前記電池劣化判定装置のSOC演算部が、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、前記電池劣化判定装置の充放電電力効率演算部が、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算し、前記電池劣化判定装置の劣化判定部が、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率とを比較して該二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする電池劣化判定方法である。
また本発明は、上述の電池劣化判定方法において、前記データテーブルに格納されている初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率で補正されることを特徴とする。
また本発明は、上述の電池劣化判定方法において、前記等価モデル演算部が算出した初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率で補正されることを特徴とする。
尚、本発明は、前記各発明の電池劣化判定方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することもできる。
本発明によれば、二次電池のセルごとの劣化状態を判定することができるので、二次電池全体が劣化する前に必要な対応を採ることができる。また、0〜100%のサイクルで二次電池の充放電を行わなくても、ランニング運転中において二次電池の劣化状態を判定することができる。従って、二次電池の使用中において電池劣化によって機器が停止するなどのトラブルを回避することができる。
また、ランニング運転中において短時間で二次電池の劣化判定を行うことができるので、ハイブリッド自動車などのように頻繁に二次電池の充放電が繰り返えされるアプリケーションであっても、容易に二次電池の劣化判定を行うことができる。さらに、初期特性の充放電電力効率と実測値の充放電電力効率は相対的に比較されるので、電流センサや電圧センサの絶対精度を無視することができるため、二次電池の劣化判定を行う場合に高精度は計測器を用いる必要はがない。
本発明の実施形態に係る電池劣化判定装置は、二次電池の充放電電力効率の変化の程度に基づいて、その二次電池の劣化状態の判定(推定)を行うことを特徴としている。以下、図面を参照しながら、本発明に係る電池劣化判定装置について幾つかの実施例を詳細に説明する。
《実施例1》
〔二次電池の劣化判定方法〕
実施例1では、二次電池の充放電電力効率に基づいて二次電池の劣化判定を行う方法について説明する。すなわち、二次電池をランニング運転している充放電中において電流と電池セルの電圧とを計測し、一定時間以上経過したときの電流積算値(Ah)と、充電電力積算値(Wih)と、放電電力積算値(Woh)とによって充放電電力効率を求める。言い換えると、積算開始時点から電流積算値(Ah)がゼロ±αになった時刻までの充電電力積算値(Wih)と放電電力積算値(Woh)とによって充放電電力効率(つまり、放電電力積算値(Woh)/充電電力積算値(Wih))を求める。尚、一定時間の間に電流積算値(Ah)がゼロ±αにならなければ、各積算値をリセットして再計測を行う。
〔二次電池の劣化判定方法〕
実施例1では、二次電池の充放電電力効率に基づいて二次電池の劣化判定を行う方法について説明する。すなわち、二次電池をランニング運転している充放電中において電流と電池セルの電圧とを計測し、一定時間以上経過したときの電流積算値(Ah)と、充電電力積算値(Wih)と、放電電力積算値(Woh)とによって充放電電力効率を求める。言い換えると、積算開始時点から電流積算値(Ah)がゼロ±αになった時刻までの充電電力積算値(Wih)と放電電力積算値(Woh)とによって充放電電力効率(つまり、放電電力積算値(Woh)/充電電力積算値(Wih))を求める。尚、一定時間の間に電流積算値(Ah)がゼロ±αにならなければ、各積算値をリセットして再計測を行う。
次に、電流値積算(Ah)と電池セルの電圧からSOC(State of Charge:充電率、充電状態、残存容量)を演算する。尚、SOCの算出方法は後述する。ここで、二次電池の初期状態におけるSOCの大きさと充放電電力効率との関係を示すテーブル(データテーブル)は予め用意されている。このとき、テーブルに示すSOCの刻み間の充放電電力効率はほぼ直線補完されている。
このような状態において、充放電電力効率の実測値が、テーブルから求められたSOCごとの充放電電力効率に対して下限規定値より低い場合は二次電池が劣化したと判定する。ここで、下限規定値は、例えば、電気料金メリット等の要求や実際の劣化電池の効率実測値などから適宜に決めることができる値である。
次に、図面を参照しながら、二次電池の充放電電力効率に基づいて二次電池の劣化判定を行う方法について詳細に説明する。図1は、本発明の実施例1に係る電池劣化判定装置に適用される、電流積算値、充電電力積算値、及び放電電力積算値の時間的経過の計測値を示す特性図であり、(a)は電流積算値、(b)は充電電力積算値、(c)は放電電力積算値を示す。尚、横軸は時間、縦軸は各積算値を示している。
また、図2は、本発明の実施例1に係る電池劣化判定装置に適用される、SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示すテーブルである。図2に示すように、SOCが0%のときの充放電電力効率が75%からSOCが20%のときの充放電電力効率が95%あたりまでは、SOCの変化に伴って充放電電力効率はほぼ直線的に変化しているが、SOCが20%を超えるあたりからは充放電電力効率はほぼ飽和状態となっている。尚、各SOCレベルの間の充放電電力効率はほぼ直線補完されている。例えば、SOCが10%のときの充放電電力効率85%とSOCが20%のときの充放電電力効率95%との間の充放電電力効率は、ほぼ直線的に変化している。
図1に示すように、積算開始時刻T0から充放電電流の電流積算値(Ah)がゼロになった(バランスした)時刻T1までの充電電力積算値(Wih)と放電電力積算値(Woh)とを求める。すなわち、二次電池のクーロン効率は極めて高いので、充放電時における電流積算値(Ah)の効率はほぼ100%である。従って、電流積算値(Ah)がゼロの時刻T1においては充電電流の積算値と放電電流の積算値はほぼ同じであるので、この時刻T1における充電電力積算値(Wih)と放電電力積算値(Woh)とから充放電電力効率を求めれば、極めて高精度に充放電電力効率が求められ、結果的に、二次電池の劣化判定を高精度に行うことができる。
尚、充放電時の電力積算値の効率は、二次電池の内部インピーダンスによる電力ロスの影響によって初期状態でも95%程度である。従って、図1に示すように、(a)の電流積算値(Ah)がゼロの時刻T1において、(b)の充電電力積算値(Wih)と(c)の放電電力積算値(Woh)はゼロにならず、それぞれ異なる値を示している。このようなことから、電流積算値(Ah)がゼロの時刻T1において、充電電力積算値(Wih)と放電電力積算値(Woh)とを計測して充放電電力効率を算出すれば、極めて高精度に充放電電力効率が求めることができる。
尚、実際の測定に際しては、電流を計測するときの計測誤差(計器誤差及び読取り誤差など)があるので、電流積算値(Ah)がゼロ±αになった時刻をT1として、その時刻T1までの充電電力積算値(Wih)と放電電力積算値(Woh)とを計測して充放電電力効率を算出し、二次電池の劣化判定を行うことになる。尚、αの値は極めてゼロに近い値であるが、通常は、測定計器の精度や測定者の熟練度などを考慮して経験的に決めることが望ましい。
また、二次電池をランニング運転している状態においては、通常は、図1(a)に示すように、電流積算値(Ah)がゼロになるタイミングは、時刻T1及び時刻T2に示すように周期的に現われるが、二次電池の負荷容量の大きさなどによって一定時間の間に電流積算値(AH)がゼロ±αにならなければ、各積算値をリセットして再計測を行う。
次に、電流値積算(Ah)と電池セルの電圧からSOCの大きさを演算する。そして、図2に示すような、二次電池の初期状態におけるSOCと充放電電力効率との関係を示すテーブルを参照し、先に算出した充放電電力効率の実測値が、図2のテーブルから求められたSOCごとの充放電電力効率に対して下限規定値より低い場合は二次電池が劣化していると判定する。
例えば、リチウム電池の場合は、初期状態の充放電電力効率に対して80%まで充放電電力効率が低下したときが電池寿命であると云われる場合がある。従って、図2に示すテーブルのSOCごとの充放電電力効率に対して80%以下の充放電電力効率となった場合は、二次電池は劣化状態にあると判定することができる。例えば、SOCの値が30%のときの初期特性の充放電電力効率は97%であるので、その下限規定値は97%×80%≒77%である。従って、電流積算値(Ah)がゼロ±αになった時刻T1までの充電電力積算値(Wih)と放電電力積算値(Woh)から算出した実測充放電電力効率が77%を下回ったときは、二次電池は劣化していると判定する。
図3は、本発明の実施例1に係る電池劣化判定装置の構成を示すブロック図である。すなわち、実施例1の電池劣化判定装置1は、上述の内容に基づいて、図3に示すような構成によって実現することができる。
図3に示すように、実施例1の電池劣化判定装置1は、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスした(ゼロになった)ことを検出する電流積算値検出部2と、所定時間内における電流積算値のバランス(ゼロ)の時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算する充放電電力積算値演算部3と、電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算するSOC演算部4と、充放電電力積算値算出部3が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する充放電電力効率演算部5と、SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示すデータを格納するテーブル6(データテーブル)と、充放電電力効率演算部5が演算した実測充放電電力効率とテーブル6に格納された初期特性の充放電電力効率とを比較して、二次電池の劣化状態を判定する劣化判定部7とによって構成されている。
このような構成の電池劣化判定装置1によれば、電流積算値検出部2が所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がゼロになったことを検出すると、充放電電力積算値演算部3は、電流積算値がゼロになった時点において充電電力積算値と放電電力積算値とをメモリに保存した後、積算値をゼロクリアして次の積算を開始する。すると、充放電電力効率演算部5は、充放電電力積算値演算部3によってメモリに保存された充電電力積算値と放電電力積算との比から、実測充放電電力効率を演算する。一方、SOC演算部4が、電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示すテーブル6を参照して初期特性の充放電効率を求める。これによって、劣化判定部7は、充放電電力効率演算部5が演算した実測充放電電力効率と、テーブル6から求めた初期特性の充放電電力効率とを比較して、二次電池の劣化状態を判定する。
以上述べたように、実施例1に係る二次電池の劣化判定方法によれば、二次電池のセル電圧を検出しているのでセルごとの劣化状態を判定することができる。従って、二次電池全体を劣化させることなく事前に適切な対応を採ることが可能となる。また、0〜100%のサイクル充放電をしなくても、実使用状態で二次電池の劣化判定を行うことができるので、ランニング運転中に二次電池の劣化によって負荷側の機器が停止することを防止できる。さらに、二次電池の劣化判定の判断時間は極めて短時間であるので、例えば、ハイブリッド自動車などのように頻繁に充放電が繰り返えされるアプリケーションであっても、容易に二次電池の劣化状態を判定することができる。
〔SOCの算出方法〕
次に、二次電池の充放電電流の電流値積算(Ah)と電池セルの電圧から求めるSOCの算出方法について一実施例を説明する。一般的に、二次電池のSOCは二次電池の充放電電流の積分値に基づいて算出されるが、充放電電流の積分値だけで算出すると、充放電電流の積分値に電流検出誤差分が蓄積されてSOCの値が実態と異なってしまう。従って、その現象を回避するために、二次電池の推定インピーダンスが小さいときに、充放電電流の積分値に基づいて算出されたSOCをSOCV(SOC電圧)によって修正する。これによって、電流検出誤差のない状態で高精度にSOCを算出することができる。
次に、二次電池の充放電電流の電流値積算(Ah)と電池セルの電圧から求めるSOCの算出方法について一実施例を説明する。一般的に、二次電池のSOCは二次電池の充放電電流の積分値に基づいて算出されるが、充放電電流の積分値だけで算出すると、充放電電流の積分値に電流検出誤差分が蓄積されてSOCの値が実態と異なってしまう。従って、その現象を回避するために、二次電池の推定インピーダンスが小さいときに、充放電電流の積分値に基づいて算出されたSOCをSOCV(SOC電圧)によって修正する。これによって、電流検出誤差のない状態で高精度にSOCを算出することができる。
以下、図面を用いてSOCの算出方法の一例について具体的に説明する。図4は、本発明の実施例1に係る電池劣化判定装置に適用されるSOC演算部の構成を示すブロック図である。
先ず、図4に示すSOC演算部4の構成について説明する。SOC演算部4は、推定開放電圧演算部10、推定開放電圧によるSOCV演算部11、推定インピーダンステーブル12aと推定インピーダンス電圧演算部12bからなる電池インピーダンスモデル部12、推定インピーダンス電圧静定判定部13、実測電流積分によるSOCI演算部14、SOC偏差判定部15、SOC切替判定部16、及びSOC切替部17を備えて構成されている。尚、SOC偏差判定部15とSOC切替判定部16とSOC切替部17とによってSOC決定部20が構成されている。
推定開放電圧演算部10は、二次電池の実測電圧VAから推定インピーダンス電圧VZを減算して二次電池の推定開放電圧V0を演算し、この推定開放電圧V0を推定開放電圧によるSOCV演算部11へ出力する。
推定開放電圧によるSOCV演算部11は、二次電池の推定開放電圧V0と実測温度Tとを入力して、自己が保有しているテーブルからSOCV(SOC電圧)を決定し、このSOCVをSOC切替部17へ出力する。
推定開放電圧によるSOCV演算部11は、二次電池の推定開放電圧V0と実測温度Tとを入力して、自己が保有しているテーブルからSOCV(SOC電圧)を決定し、このSOCVをSOC切替部17へ出力する。
電池インピーダンスモデル部12は、推定インピーダンステーブル12aと推定インピーダンス電圧演算部12bとからなり、推定インピーダンステーブル12aがSOCと実測温度Tとを入力してテーブルから二次電池の推定インピーダンスZを抽出し、推定インピーダンス電圧演算部12bが、実測電流Iと推定インピーダンスZから演算によって推定インピーダンス電圧VZを求めて推定インピーダンス電圧静定判定部13へ出力する。
推定インピーダンス電圧静定判定部13は、推定インピーダンス電圧VZの変動率の絶対値が、所定の時間以上に亘って閾値以内(又は閾値未満)のレベルを継続したときに、推定インピーダンス電圧静定信号をSOC切替判定部16へ出力する。
実測電流積分によるSOCI演算部14は、充放電による実測電流Iの積分値からSOCI(SOC電流)を演算してSOC切替部17へ出力する。尚、SOC切替部17がSOCVに切替わった時は初期値をSOCVとする。
実測電流積分によるSOCI演算部14は、充放電による実測電流Iの積分値からSOCI(SOC電流)を演算してSOC切替部17へ出力する。尚、SOC切替部17がSOCVに切替わった時は初期値をSOCVとする。
SOC偏差判定部15は、|SOCV−SOCI|が閾値ΔSOC以上であるときに、偏差大信号をSOC切替判定部16へ出力する。尚、通常は、閾値ΔSOC=0である。
SOC切替判定部16は、推定インピーダンス電圧静定信号のAND/OR出力(トータル静定信号)と、SOC偏差大信号のAND出力とによって、SOC切替部17へSOC切替信号を出力する。
SOC切替部17は、SOC切替判定部16から入力されたSOC切替信号出力に基づいて、SOCVとSOCIとを適宜に切り替えてSOCを出力する。
SOC切替判定部16は、推定インピーダンス電圧静定信号のAND/OR出力(トータル静定信号)と、SOC偏差大信号のAND出力とによって、SOC切替部17へSOC切替信号を出力する。
SOC切替部17は、SOC切替判定部16から入力されたSOC切替信号出力に基づいて、SOCVとSOCIとを適宜に切り替えてSOCを出力する。
次に、図4に示すSOC演算部4の動作について説明する。先ず、推定インピーダンステーブル12aと推定インピーダンス電圧演算部12bからなる電池インピーダンスモデル部12によって推定インピーダンス電圧VZを求める。この推定インピーダンス電圧VZの値は推定値であるために誤差を有するが、特に、この推定インピーダンス電圧VZの値が大きいときは充電率(SOC)の修正量も大きく、充電率(SOC)に誤差が生じやすい。
そこで、推定インピーダンス電圧VZが静定(例えば、推定インピーダンス電圧VZの絶対値|VZ|が閾値以下(あるいは未満)を所定の時間継続)したら、推定インピーダンス電圧静定判定部13からSOC切替判定部16へ推定インピーダンス電圧静定信号を出力し、SOC切替判定部16から出力されたSOC切替信号によってSOC切替部17のスイッチを切り替え、推定開放電圧によるSOCV演算部11からのSOCVを採用してSOC切替部17からSOCを出力する。
このとき、推定開放電圧によるSOCV演算部11は、実測温度Tと推定開放電圧V0のテーブル(事前に取得済のテーブル)からSOCVを求めてSOC切替部17へ出力する。従って、SOC決定部20は、推定インピーダンス電圧静定信号を受け取ったら、充電率(SOC)を推定開放電圧V0から求めたSOCVに変えてもよく、更に、充放電電流の積分値から求めたSOCIとの差分|SOCV−SOCI|が閾値ΔSOC以上(超でもよい)でSOCVに変えてもよい。尚、SOC切替部17がSOCVに切替えたら、充放電電流の積分値の初期値はその値に変更する。
すなわち、充放電電流の反転直後は電池のインピーダンス電圧が十分に小さくなっていないために演算したSOCの値に誤差が出やすいが、上記のようにしてSOCを算出することにより、推定インピーダンスZが小さいときに充放電電流の積分値のSOCをSOCVで修正することにより、SOCを誤差の少ない値にすることができる。つまり、充放電電流の積分値によるSOCの修正タイミングが多く発生するために、充放電電流の積分値に誤差が蓄積されにくくなる。
尚、上記の実施例では、推定開放電圧演算部10が、実測電圧VAから推定インピーダンス電圧VZを減算して推定開放電圧V0を求めているが、推定インピーダンス電圧VZが小さく充放電電流の誤差が小さいと予想されるときは、実測電圧VAを補正せずに、実測電圧VAそのものを推定開放電圧V0と見なして、推定開放電圧V0をSOCV演算部11に入力してSOCVを算出し、充電率算出(SOC算出)を行ってもよい。すなわち、SOC算出の別の実施例として、推定インピーダンス電圧VZを二次電池の開放電圧として用いなくてもよい。これによって、図4に示すSOC演算部4の構成において推定開放電圧演算部10を省略することができるので、SOC演算部4の構成がさらにシンプルになる。
《実施例2》
次に、実施例2に係る二次電池の劣化判定方法について説明する。図5は、本発明の実施例2に係る電池劣化判定装置に適用される、初期状態におけるSOCと充放電電力効率との関係を示すテーブルである。すなわち、実施例2では、図2に示したSOCごとに対応した初期特性の充放電電力効率のテーブルを、図5に示すように温度ごとに部類して用意する。
次に、実施例2に係る二次電池の劣化判定方法について説明する。図5は、本発明の実施例2に係る電池劣化判定装置に適用される、初期状態におけるSOCと充放電電力効率との関係を示すテーブルである。すなわち、実施例2では、図2に示したSOCごとに対応した初期特性の充放電電力効率のテーブルを、図5に示すように温度ごとに部類して用意する。
図5に示すように、二次電池の温度ごと又は別途計測する二次電池の周囲温度ごとに、SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示すテーブルを用意する。これによって、電池温度又は周囲温度とSOCとに応じて、テーブルから初期特性の充放電電力効率を求めることができるので、電池温度又は周囲温度によって初期特性の充放電電力効率を補正することができる。すなわち、温度変化によって生じる初期特性の充放電電力効率の変化分を補正して、二次電池の劣化判定を行うことができる。
一般的に、二次電池は温度が低くなるほど内部インピーダンスが高くなって充放電電力効率が低下する。そのため、例えば、SOCが30%ときの初期特性の充放電電力効率は、電池温度又は周囲温度が30℃のときは97%であっても、電池温度又は周囲温度が0℃のときは87%に低下する。このように、電池温度又は周囲温度に応じてSOCごとの初期特性の充放電電力効率を求めることにより、各温度状態に応じて適正に二次電池の劣化判定を行うことができる。
《実施例3》
前述の実施例2では、電池温度又は周囲温度の全ての温度範囲において、温度変化によって生じる初期特性の充放電電力効率の変化分を補正して二次電池の劣化判定を行ったが、実施例3では、実際の使用状態に即して、電池温度又は別途計測する周囲温度が規定の範囲(例えば10〜30℃)のみで二次電池の劣化判定を行うようにする。このように、実際の使用状態に即して初期特性の充放電電力効率の温度補正を行うことにより、充放電電力効率の温度による影響が小さい範囲で二次電池の劣化判断を行うことができると共に、実施例2に比べてテーブルが小さくなるので電池劣化判定装置のメモリ容量を小さくすることができる。
前述の実施例2では、電池温度又は周囲温度の全ての温度範囲において、温度変化によって生じる初期特性の充放電電力効率の変化分を補正して二次電池の劣化判定を行ったが、実施例3では、実際の使用状態に即して、電池温度又は別途計測する周囲温度が規定の範囲(例えば10〜30℃)のみで二次電池の劣化判定を行うようにする。このように、実際の使用状態に即して初期特性の充放電電力効率の温度補正を行うことにより、充放電電力効率の温度による影響が小さい範囲で二次電池の劣化判断を行うことができると共に、実施例2に比べてテーブルが小さくなるので電池劣化判定装置のメモリ容量を小さくすることができる。
《実施例4》
前述の実施例1〜3においては、テーブルには充放電電力効率の初期特性のみを用意したが、実施例4においては、テーブルには充放電電力効率の初期特性と劣化後の特性を用意する。図6は、本発明の実施例4に係る電池劣化判定装置に適用される、充放電電力効率の初期特性と劣化後の特性を示すテーブルである。つまり、図6は、劣化率ごとの充放電電力効率の初期特性のテーブルを示していて、それぞれのテーブルの左肩に劣化率(初期、10%劣化、20%劣化)が記録されている。
前述の実施例1〜3においては、テーブルには充放電電力効率の初期特性のみを用意したが、実施例4においては、テーブルには充放電電力効率の初期特性と劣化後の特性を用意する。図6は、本発明の実施例4に係る電池劣化判定装置に適用される、充放電電力効率の初期特性と劣化後の特性を示すテーブルである。つまり、図6は、劣化率ごとの充放電電力効率の初期特性のテーブルを示していて、それぞれのテーブルの左肩に劣化率(初期、10%劣化、20%劣化)が記録されている。
テーブルとしては、例えば図6に示すように、初期特性の充放電電力効率と、容量が10%劣化後の充放電電力効率と、容量が20%劣化後の充放電電力効率の各テーブルを用意する。すなわち、充放電電力効率の初期特性と容量が劣化した数点の特性(例えば、容量劣化10%刻みの特性)のテーブルを用意することができる。これによって、実測した充放電電力効率と図6のテーブルから求めた各劣化率の充放電電力効率とを照合することにより、ランニング運転中の任意の時刻における二次電池の劣化状態を知ることができる。すなわち、実施例4に係る電池劣化判定装置によれば、二次電池の劣化判定のみではなく、二次電池の使用途中における劣化率を数値化することが可能となる。これによって、二次電池のSOC演算や残量演算の精度を一段と向上させることができる。
《実施例5》
前述の実施例1〜4においては、SOCごとに充放電電力効率を求める特性のテーブルを用いて二次電池の劣化判定を行ったが、実施例5では、このようなテーブルを用いる代わりに、SOCから充放電電力効率を求める等価モデル、又はSOCと温度(電池温度または周囲温度)の少なくとも1つの計測値と、充放電電流の電流計測値とから充放電電力効率を求める等価モデルを用意する。従って、実施例5の電池劣化判定装置の構成は、図3の電池劣化判定装置1の構成において、テーブル6を等価モデル6(等価モデル演算部)と読み替えればよい。
前述の実施例1〜4においては、SOCごとに充放電電力効率を求める特性のテーブルを用いて二次電池の劣化判定を行ったが、実施例5では、このようなテーブルを用いる代わりに、SOCから充放電電力効率を求める等価モデル、又はSOCと温度(電池温度または周囲温度)の少なくとも1つの計測値と、充放電電流の電流計測値とから充放電電力効率を求める等価モデルを用意する。従って、実施例5の電池劣化判定装置の構成は、図3の電池劣化判定装置1の構成において、テーブル6を等価モデル6(等価モデル演算部)と読み替えればよい。
図7は、本発明の実施例5に係る電池劣化判定装置に適用される等価モデルの回路図である。すなわち、二次電池に流れる充放電電流から、図7に示す等価モデルによって充放電電力効率を求めることができる。図7において、Zは、二次電池の内部抵抗を含めた等価回路の回路インピーダンスであって、固定値、又はSOCと温度(電池温度または周囲温度)の少なくとも1つの計測値と内部抵抗との関係を示すテーブル(図示せず)などから求められる変動値である。
図7において、二次電池の充電方向の電流(充電電流)をIc(t)、放電方向の電流(放電電流)をId(t)、二次電池の端子間電圧をV(t)としたとき、計測期間t0〜t1において以下の式(1)から式(3)によって、充電電力積算値Whc、放電電力積算値Whd、及び充放電電力効率ηを計算する。
充電電力積算値Whc=∫(V(t)+Z・Ic(t))・Ic(t)dt (1)
放電電力積算値Whd=∫(V(t)−Z・Id(t))・Ic(t)dt (2)
充放電電力効率η=Whd/Whc (3)
放電電力積算値Whd=∫(V(t)−Z・Id(t))・Ic(t)dt (2)
充放電電力効率η=Whd/Whc (3)
実施例5に係る電池劣化判定装置によって二次電池の劣化判定を行う場合は、SOC充放電効率のテーブルを用意する必要はないが、等価モデルのインピーダンスパラメータ等のテーブルが必要となる。尚、上記の式(1)〜(3)の計算を速く行えば、テーブル参照の場合と同程度の速さで二次電池の劣化判定を行うことができる。
《実施例6》
実施例1においては、SOCごとに初期特性の充放電電力効率を求めるテーブルを用いたが、このようなテーブルの代わりに、実施例6では、二次電池の初回の起動時において実施例1の手法で求めた充放電電力効率を基準値として保存しておく。そして、二次電池の2回目の起動以降においては、その都度、測定又は計算された充放電電力効率を前記の基準値と比較して、二次電池の劣化判定を行う。
実施例1においては、SOCごとに初期特性の充放電電力効率を求めるテーブルを用いたが、このようなテーブルの代わりに、実施例6では、二次電池の初回の起動時において実施例1の手法で求めた充放電電力効率を基準値として保存しておく。そして、二次電池の2回目の起動以降においては、その都度、測定又は計算された充放電電力効率を前記の基準値と比較して、二次電池の劣化判定を行う。
このような方法によって二次電池の劣化判定を行うことにより、テーブルを用意する必要がなくなるので電池劣化判定装置のメモリ容量を小さくすることができる。また、実施例5のように等価モデルを用いる場合においても、二次電池の劣化判定を行うまでの計算処理を速くすることができる。さらに、基準値の充放電電力効率と実測値の充放電電力効率は相対的に比較されるので、電流センサや電圧センサなどの絶対精度は無視することができる。
《実施例7》
実施例7の電池劣化判定装置においては、二次電池の初回の起動時に実施例6と同じ手法で求めた充放電電力効率の基準値に基づいて、実施例1〜4で用いた充放電電力効率のテーブル、又は実施例5で用いた等価モデルで求めた充放電電力効率を補正する。例えば実施例1で、『(初回起動時にテーブルから求めた充放電効率)−(基準値)=効率オフセット』とすると、その後はテーブルから求めた充放電効率から効率オフセットを引いた効率補正値と、実測した充放電電力効率とを比較して、二次電池の劣化判定又は劣化率演算を行う。
実施例7の電池劣化判定装置においては、二次電池の初回の起動時に実施例6と同じ手法で求めた充放電電力効率の基準値に基づいて、実施例1〜4で用いた充放電電力効率のテーブル、又は実施例5で用いた等価モデルで求めた充放電電力効率を補正する。例えば実施例1で、『(初回起動時にテーブルから求めた充放電効率)−(基準値)=効率オフセット』とすると、その後はテーブルから求めた充放電効率から効率オフセットを引いた効率補正値と、実測した充放電電力効率とを比較して、二次電池の劣化判定又は劣化率演算を行う。
このような方法で二次電池の劣化判定を行えば、テーブルのデータや等価モデルを実際に使用している二次電池の使用状態に合わせて補正することができるため、二次電池の劣化判定や劣化率演算の精度をさらに向上させることができる。また、基準値の充放電電力効率と実測値の充放電電力効率は相対的に比較されるので、電流センサや電圧センサなどの絶対精度は無視することができる。
《まとめ》
以上、実施例1乃至実施例7で述べたように、本発明による電池劣化判定装置によれば、二次電池のセルごとの劣化状態を推定することができる。また、0〜100%のサイクルで二次電池の充放電を行わなくても、実使用状態のランニング運転中において二次電池の劣化状態を判定することができる。従って、二次電池の使用中において電池劣化によって機器が停止するなどのトラブルを回避することができる。
以上、実施例1乃至実施例7で述べたように、本発明による電池劣化判定装置によれば、二次電池のセルごとの劣化状態を推定することができる。また、0〜100%のサイクルで二次電池の充放電を行わなくても、実使用状態のランニング運転中において二次電池の劣化状態を判定することができる。従って、二次電池の使用中において電池劣化によって機器が停止するなどのトラブルを回避することができる。
また、二次電池の劣化判定の判定時間は極めて短時間であるので、ハイブリッド自動車などのように頻繁に二次電池の充放電が繰り返えされるアプリケーションであっても、容易に二次電池の劣化判定を行うことができる。さらには、基準値の充放電電力効率と実測値の充放電電力効率は相対的に比較されるので、電流センサや電圧センサの絶対精度を無視することができるため、二次電池の劣化判定を行う場合に高精度は計測器を用いる必要はがない。
なお、上述の電池劣化判定装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
本発明に係る電池劣化判定装置は、ランニング運転中において短時間で二次電池の劣化判定を行うことができるので、ハイブリッド自動車や放送局の無停電電源装置などに用いられる二次電池に有効に利用することができる。
1 電池劣化判定装置
2 電流積算値検出部
3 充放電電力積算値演算部
4 SOC演算部
5 充放電電力効率演算部
6 テーブル
7 劣化判定部
10 推定開放電圧演算部
11 推定開放電圧によるSOCV演算部
12 電池インピーダンスモデル部
12a 推定インピーダンステーブル
12b 推定インピーダンス電圧演算部
13 推定インピーダンス電圧静定判定部
14 実測電流積分によるSOCI演算部
15 SOC偏差判定部
16 SOC切替判定部
17 SOC切替部
20 SOC決定部
2 電流積算値検出部
3 充放電電力積算値演算部
4 SOC演算部
5 充放電電力効率演算部
6 テーブル
7 劣化判定部
10 推定開放電圧演算部
11 推定開放電圧によるSOCV演算部
12 電池インピーダンスモデル部
12a 推定インピーダンステーブル
12b 推定インピーダンス電圧演算部
13 推定インピーダンス電圧静定判定部
14 実測電流積分によるSOCI演算部
15 SOC偏差判定部
16 SOC切替判定部
17 SOC切替部
20 SOC決定部
Claims (21)
- 二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置であって、
所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出する電流積算値検出部と、
前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算する充放電電力積算値演算部と、
前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算するSOC演算部と、
前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する充放電電力効率演算部と、
前記SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示すデータを格納するデータテーブルと、
前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記データテーブルに格納された初期特性の充放電電力効率とを比較して、前記二次電池の劣化状態を判定する劣化判定部と
を備えることを特徴とする電池劣化判定装置。 - 前記劣化判定部は、前記実測充放電電力効率が、前記データテーブルに格納されている初期特性の充放電電力効率に対して所定の下限規定値より低いときに、前記二次電池が劣化状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の電池劣化判定装置。
- 前記データテーブルに格納された初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の温度又は該二次電池の周囲温度によって補正されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池劣化判定装置。
- 二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置であって、
所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出する電流積算値検出部と、
前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算する充放電電力積算値演算部と、
前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算するSOC演算部と、
前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する充放電電力効率演算部と、
前記二次電池と該二次電池の内部インピーダンスとからなる等価回路を用いて、前記SOCから初期特性の充放電電力効率を算出する等価モデル演算部と、
前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記等価モデル演算部が算出した初期特性の充放電電力効率とを比較して、前記二次電池の劣化状態を判定する劣化判定部と
を備えることを特徴とする電池劣化判定装置。 - 前記劣化判定部は、前記実測充放電電力効率が、前記等価モデル演算部の算出した初期特性の充放電電力効率に対して所定の下限規定値より低いときに、前記二次電池が劣化状態にあると判定することを特徴とする請求項4に記載の電池劣化判定装置。
- 前記劣化判定部は、前記二次電池の温度又は該二次電池の周囲温度が規定の範囲にあるときのみ、その二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の電池劣化判定装置。
- 前記データテーブルには、充放電電力効率の初期特性と劣化後の特性とが用意されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電池劣化判定装置。
- 二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置であって、
所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出する電流積算値検出部と、
前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算する充放電電力積算値演算部と、
前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算するSOC演算部と、
前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算する充放電電力効率演算部と、
前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率とを比較して該二次電池の劣化状態を判定する劣化判定部と
を備えることを特徴とする電池劣化判定装置。 - 前記データテーブルに格納されている初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率で補正されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電池劣化判定装置。
- 前記等価モデル演算部が算出した初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率で補正されることを特徴とする請求項4又は5に記載の電池劣化判定装置。
- 二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置の電池劣化判定方法であって、
前記電池劣化判定装置の電流積算値検出部が、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出し、
前記電池劣化判定装置の充放電電力積算値演算部が、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算し、
前記電池劣化判定装置のSOC演算部が、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、
前記電池劣化判定装置の充放電電力効率演算部が、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算し、
前記電池劣化判定装置の保持するデータテーブルが、前記SOCと初期特性の充放電電力効率との関係を示し、
前記電池劣化判定装置の劣化判定部が、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記データテーブルに格納された初期特性の充放電電力効率とを比較して、前記二次電池の劣化状態を判定する
ことを特徴とする電池劣化判定方法。 - 前記電池劣化判定装置の前記劣化判定部は、前記実測充放電電力効率が、前記データテーブルに格納されている初期特性の充放電電力効率に対して所定の下限規定値より低いときに、前記二次電池が劣化状態にあると判定することを特徴とする請求項11に記載の電池劣化判定方法。
- 前記電池劣化判定装置の保持する前記データテーブルに格納された初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の温度又は該二次電池の周囲温度によって補正されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の電池劣化判定方法。
- 二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置の電池劣化判定方法であって、
前記電池劣化判定装置の電流積算値検出部が、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出し、
前記電池劣化判定装置の充放電電力積算値演算部が、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算し、
前記電池劣化判定装置のSOC演算部が、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、
前記電池劣化判定装置の充放電電力効率演算部が、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算し、
前記電池劣化判定装置の等価モデル演算部が、前記二次電池と該二次電池の内部インピーダンスとからなる等価回路を用いて、前記SOCから初期特性の充放電電力効率を算出し、
前記電池劣化判定装置の劣化判定部が、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記等価モデル演算部が算出した初期特性の充放電電力効率とを比較して、前記二次電池の劣化状態を判定する
ことを特徴とする電池劣化判定方法。 - 前記電池劣化判定装置の前記劣化判定部は、前記実測充放電電力効率が、前記等価モデル演算部の算出した初期特性の充放電電力効率に対して所定の下限規定値より低いときに、前記二次電池が劣化状態にあると判定することを特徴とする請求項14に記載の電池劣化判定方法。
- 前記電池劣化判定装置の前記劣化判定部は、前記二次電池の温度又は該二次電池の周囲温度が規定の範囲にあるときのみ、その二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする請求項11乃至請求項15の何れか1項に記載の電池劣化判定方法。
- 前記データテーブルには、充放電電力効率の初期特性と劣化後の特性とが用意されていることを特徴とする請求項11乃至請求項13の何れか1項に記載の電池劣化判定方法。
- 二次電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置の電池劣化判定方法であって、
前記電池劣化判定装置の電流積算値検出部が、所定時間内で充電電流と放電電流との電流積算値がバランスしたことを検出し、
前記電池劣化判定装置の充放電電力積算値演算部が、前記所定時間内における前記バランスの時点において、充電電力積算値と放電電力積算値とを演算し、
前記電池劣化判定装置のSOC演算部が、前記電流積算値と電池セルの電圧とに基づいてSOCを演算し、
前記電池劣化判定装置の充放電電力効率演算部が、前記充放電電力積算値算出部が算出した充電電力積算値と放電電力積算との比から実測充放電電力効率を演算し、
前記電池劣化判定装置の劣化判定部が、前記充放電電力効率演算部が演算した実測充放電電力効率と前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率とを比較して該二次電池の劣化状態を判定する
ことを特徴とする電池劣化判定方法。 - 前記データテーブルに格納されている初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率で補正されることを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の電池劣化判定方法。
- 前記等価モデル演算部が算出した初期特性の充放電電力効率は、前記二次電池の初回起動時に求めた充放電電力効率で補正されることを特徴とする請求項14又は15に記載の電池劣化判定方法。
- 請求項11乃至20の何れか1項に記載の電池劣化判定方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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