JP2010270386A - 熱交換器用アルミニウム合金フィン材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ろう付け性が良好であり、且つろう付け後に優れた強度、熱伝導性及び耐食性を有し、特に自動車用熱交換器のフィンとして好適に使用できるアルミニウム合金フィン材を提供する。
【解決手段】本発明に係る熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、酸素濃度が10ppm以下の非酸化性ガス雰囲気中において無フラックスでろう付けされる熱交換器用アルミニウム合金フィン材であって、Si:0.2〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.02〜0.5%、Mg:0.1〜0.8%、Zn:0.1〜2.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、特にラジエータ、ヒーター、コンデンサ、インタークーラ等の熱交換器用フィン材として好適に使用される熱交換器用アルミニウム合金フィン材に関する。
アルミニウム合金は軽量かつ高熱伝導性を備えているため、自動車用熱交換器、例えば、ラジエータ、コンデンサ、エバポレータ、ヒーター、インタークーラ等に用いられている。
このような熱交換器では、例えばコルゲート成形されたアルミニウム合金製のフィンをろう付けすることが従来から行われている。アルミニウム合金フィン材としては、熱伝導性に優れるJIS1050合金等の純アルミニウム系合金や、強度及び耐座屈性に優れるJIS3003合金等のAl−Mn系合金が一般的に用いられてきた。
ところで、近年は熱交換器に対して軽量化、小型化及び高性能化の要求が高まってきている。これに伴い、ろう付け接合されるアルミニウム合金フィン材についても、肉薄で、かつ強度、熱伝導性及び耐食性等の特性が優れていることが特に望まれている。
特許文献1,2には、強化元素としてSi、Mn及びMgを含有し、フィンに犠牲防食作用を持たせるためにIn又はSnが添加された真空ろう付け用フィン材が提案されている。
特許文献3には、Mg、Si及びZnを含有し、必要に応じてMn及びCu等が添加されたCAB(Controlled Atmosphere Brazing:制御雰囲気ろう付け)用フィン材が提案されている。なお、CAB法とは、非酸化性ガス雰囲気中で非腐食性フラックス(フッ化物系フラックス)を塗布して加熱するろう付け方法である。
特許文献4には、Mg、Si、Fe及びZn等が添加された気相ろう付け用フィン材が提案されている。なお、気相ろう付け法とは、フラックス蒸気中で行うろう付け方法である。
特開昭57−098646号公報 特開昭57−207153号公報 特開昭62−182244号公報 特開平03−122238号公報
しかしながら、上述した技術には以下に示すような問題点がある。
真空ろう付け法では、フィンに犠牲防食作用を持たせるためのZnが使えないというデメリットがある。これは、真空中でろう付けするため、Znを添加しても蒸発してしまい、ろう付け後にほとんどZnが残らないためである。そこで、特許文献1,2に開示された技術では、Znの代わりにIn又はSnを添加しているが、これらの元素は鋳造性や圧延性を大きく阻害し、生産性を低下させてしまうという欠点がある。また、特許文献1,2に開示されたアルミニウム合金はMnを含有しているため、Mnが固溶することによりフィンの熱伝導率が大きく低下してしまうという欠点もある。これにより、熱交換器の軽量化、小型化を妨げる結果となってしまう。
CAB法では、強化元素であるMgが使えないというデメリットがある。これは、添加されたMgが、酸化皮膜除去のために使用する非腐食性フラックスと反応し、フラックスの作用を阻害してろう付け性を大幅に低下させるためである。また、フラックス塗布量を多くしてろう付け性の低下を補ったとしても、フィンのような板厚が薄い部材の場合には、添加されたMgのほとんどがフラックスと反応してろう付け後に残らないため、強度向上にも寄与しなくなる。特許文献3に開示されたアルミニウム合金ではMgが添加されているが、上述した理由で、ろう付け性を大幅に低下させるだけで、強度はほとんど向上しないという欠点がある。
特許文献4に開示された技術では、気相ろう付け法の酸化皮膜除去のメカニズム自体はCAB法と同様であり、フラックスの供給方法が異なるのみである。そのため、特許文献4に開示されたアルミニウム合金でもMgが添加されているが、Mgの作用は気相ろう付けにおいてもCAB法と同様となるため、やはりろう付け性及び強度が低下してしまうという欠点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ろう付け性が良好であり、且つろう付け後に優れた強度、熱伝導性及び耐食性を有し、特に自動車用熱交換器のフィンとして好適に使用できるアルミニウム合金フィン材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、
酸素濃度が10ppm以下の非酸化性ガス雰囲気中において無フラックスでろう付けされる熱交換器用アルミニウム合金フィン材であって、
Si:0.2〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.02〜0.5%、Mg:0.1〜0.8%、Zn:0.1〜2.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる、
ことを特徴とする。
また、本発明の他の熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、
酸素濃度が10ppm以下の非酸化性ガス雰囲気中において無フラックスでろう付けされる熱交換器用アルミニウム合金フィン材であって、
Si:0.2〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.02〜0.5%、Mg:0.1〜0.8%、Zn:0.1〜2.0%を含有し、さらに、Ti:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、ろう付け性が良好であり、且つろう付け後に優れた強度、熱伝導性及び耐食性を有し、特に自動車用熱交換器のフィンとして好適に使用できるアルミニウム合金フィン材を提供することができる。
フィン接合率の評価用コアの構成を模式的に示す斜視図である。
本発明者らは上記課題について研究した結果、特定の合金組成を有するフィン材を低酸素分圧下においてフラックスを使用せず(以下「無フラックス」ともいう)にろう付けすることでその目的に適合することを見出した。以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
先ず、本実施形態のアルミニウム合金フィン材の成分元素の添加理由及び添加範囲について説明する。
Siは、FeとともにAl−Fe−Si系化合物を形成することによる分散強化、又は、マトリクス中に固溶することによる固溶強化によって強度向上に寄与する。また、Siは、Mgとともに微細なMgSiとして析出し、強度を向上させる。本実施形態におけるSiの好ましい含有量は、0.20〜1.20%(質量%、以下実施形態の説明において同じ)である。Siの含有量が0.20%未満では上記の効果が小さくなる。また、Siの含有量が1.20%を超えると、材料の固相線温度(融点)が低下してろう付け時に溶融の可能性が高まるとともに、マトリクス中の固溶量が多くなるため熱伝導率が低下する。より好ましいSiの含有量は、0.30〜1.0%である。
Feは、高温強度を高め、ろう付け加熱時の変形を防止する効果がある。また、Feは、SiとともにAl−Fe−Si系化合物を形成し、分散強化として強度向上に寄与する。本実施形態におけるFeの好ましい含有量は、0.02〜0.50%である。Feの含有量が0.02%未満では上記の強度向上の効果が小さくなる。また、Feの含有量が0.50%を超えると、ろう付け時の再結晶核となりうるサイズの金属間化合物が多く分散してろう付け後の結晶粒が微細となり、ろう拡散が生じるおそれがある。より好ましいFeの含有量は、0.05〜0.40%である。
Mgは、マトリクス中に固溶し、固溶強化として強度向上に寄与する。また、Mgは、Siとともに微細なMgSiとして析出し、強度を向上させる。加えて、Mgは、添加されたうちの一部がろう付け時に蒸発してろう付け接合部周辺の酸素濃度を低下させる効果があり、また、材料表面の酸化皮膜を除去することでろう付け性を良好にする効果がある。本実施形態におけるMgの好ましい含有量は、0.10〜0.80%である。Mgの含有量が0.10%未満では上記の効果が小さくなる。また、Mgの含有量が0.80%を超えると、材料表面に強固なMgO酸化皮膜が形成されるため、ろう付け性が低下する。さらに、含有量が0.80%を超えることで、材料の固相線温度(融点)が低下してろう付け時に溶融の可能性が高くなるとともに、マトリクス中のMgの固溶量が多くなるため熱伝導性が低下する。より好ましいMgの含有量は、0.15〜0.60%である。
Znは、フィンの自然電位を卑にし、犠牲防食効果を向上させる効果がある。本実施形態におけるZnの好ましい含有量は、0.10〜2.0%である。Znの含有量が0.10%未満では上記の効果が小さくなる。また、Znの含有量が2.0%を超えると、腐食速度が速くなり、フィンの自己耐食性が低下する。さらに、含有量が2.0%を超えることで、マトリクス中のZnの固溶量が多くなるため熱伝導性が低下する。より好ましいZnの含有量は、0.30〜1.5%である。
本実施形態のフィン材には、さらに、Ti、Zr、Cr及びVのうち1種以上を所定量含有させることとしてもよい。
Ti、Zr、Cr及びVは、いずれも強度を向上させる効果がある。Ti、Zr、Cr及びVの好ましい含有量は、それぞれ0.02〜0.30%である。上記元素の含有量が0.02%未満では上記の効果が小さくなる。また、含有量が0.30%を超えると、鋳造時に巨大金属間化合物が生成され塑性加工性を低下させるとともに、マトリクス中の固溶量が多くなるため熱伝導率が低下する。
次に、本発明のアルミニウム合金フィン材の製造方法について説明する。
先ず、上述の成分組成を有するアルミニウム合金を溶解し、鋳造してスラブとし、その後必要に応じて均質化処理を行う。鋳造方法は特に限定されないが、DC(Direct Chill)鋳造が望ましい。均質化処理は行わないこととしてもよいが、行う場合は処理温度を450〜550℃とすることが望ましい。均質化処理温度が450℃未満であると、鋳造時の偏析を解消する均質化の効果が小さくなる。均質化処理温度が550℃を超えると、鋳造時に晶出又は析出した金属間化合物の粗大化を招き、フィン材の結晶粒微細化によるろう拡散が発生するおそれがある。
続いて、必要に応じて均質化処理を行ったスラブを380〜550℃の温度で熱間圧延し、2〜5mmの板材を作製する。熱間圧延時の温度が380℃未満であると、スラブの変形抵抗が高くて潰すことが困難である。熱間圧延時の温度が550℃を超えると、前述したようにフィン材の結晶粒微細化によるろう拡散が発生するおそれがある。
続いて、得られた板材に冷間圧延を行い、必要に応じて焼鈍を実施し、フィン材を得る。フィン材の最終板厚はこれに限定されるものではないが、0.04〜0.10mm程度である。冷間圧延の途中で焼鈍を入れる中間焼鈍を実施する場合には、最終冷間圧延率は5〜50%とする。焼鈍には、バッチ式焼鈍炉、連続焼鈍炉(CAL)のいずれを用いてもよい。焼鈍温度については、バッチ式焼鈍を行う場合は150〜450℃、連続焼鈍炉(CAL)で行う場合には350〜550℃であることが望ましい。
次に、上述の合金組成を有する本実施形態のアルミニウム合金フィン材に対する好ましいろう付け方法について説明する。本実施形態では、ろう付け炉の炉内酸素濃度が10ppm以下の非酸化性ガス雰囲気中で、且つ無フラックスでろう付けを行うこととする。その理由を以下に示す。
アルミニウム合金のろう付けを行うためには、被ろう付け物の表面に存在する酸化皮膜を破壊して、ろう材と被ろう付け物とを金属的に接触させることが必要になる。例えば、真空ろう付け法ではろう材に添加されたMgによって酸化皮膜を除去し、CAB法ではフラックスによって酸化皮膜を除去する。
これに対して、本実施形態では、非酸化性ガスの雰囲気中において、フラックスを使用せず、被ろう付け物であるフィン材に添加されたMgによって酸化皮膜を除去する。ここで、ろう付け時に使用する非酸化性ガスは、工業的に使用される窒素ガスやアルゴンガス等を使用することができる。
上記の方法でろう付けを行うことで、フィン材に添加されたMgの一部がろう付け時に雰囲気中に蒸発し、被ろう付け物との接合部の近傍に漂う。そして、雰囲気中に漂うMgは、被ろう付け物の表面に存在する酸化皮膜を還元作用によって破壊するとともに、酸化皮膜除去後に露出した金属アルミニウムの再酸化を防止する。
また、非酸化性ガス雰囲気中でろう付けを行うため、真空ろう付け法では使用が困難であったZnの使用が可能となる。本実施形態のろう付け法では、フィン材に添加されたMgで酸化皮膜を除去するわけであるが、Mg自体の除去作用はCAB法で使用するフラックスに比べると小さいと考えられるため、非酸化性ガス雰囲気中の酸素濃度がろう付け性に大きな影響を与える。本実施形態においては、好ましい炉内酸素濃度は10ppm以下である。10ppmを超える酸素濃度では、酸化皮膜除去後に露出した金属アルミニウムの再酸化が起こり、ろう付け性が低下する。より好ましい炉内酸素濃度は5ppm以下である。
以上説明したように、本実施形態によれば、非腐食性フラックスを使用しないため、Mgを添加しても良好なろう付け性が得られるとともに、特に強化元素であるMgの効果やZnの犠牲防食効果を有効に利用することができる。また、高い熱伝導性を得ることもできる。従って、薄肉の熱交換器用アルミニウム合金フィン材として好適に使用できるフィン材が得られる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
先ず、表1に示す合金組成を有するアルミニウム合金を、それぞれDC鋳造法により鋳造して各々両面を面削して仕上げた。なお、表1の合金組成において、「−」は検出限界以下であることを示すものであり、「残部」は不可避的不純物を含む。
Figure 2010270386
その後、作製した鋳塊に均質化処理を行わず、500℃まで加熱した後、熱間圧延により所望の厚さまで圧延し、板材を作製した。続いて、得られた板材を冷間圧延し、バッチ式焼鈍炉で370℃×2hの中間焼鈍を行い、最終板厚が0.06mmのフィン材(調質:H1n)を作製した。
そして、作製した各フィン材を供試材(合金No.1〜9)とし、ろう付け加熱を行った。ろう付け加熱を行う際の炉内酸素濃度及び供試材へのフラックス塗布の有無についての条件を表2に示した。試験材No.13のみ、引張強さ及びフィン接合率の評価を行う試験片にはフラックスを塗布してろう付け加熱を実施した。フラックスは、フッ化物系フラックスを5%濃度に調整した懸濁液に試験片を浸漬することで塗布した。その後、各供試材に対して、強度、導電率、ろう付け性及び耐食性に関する評価を下記に示す方法で行い、それらの結果を表3に示した。ここで、導電率の測定は、フィン材の熱伝導性を評価するためのものであり、アルミニウム合金の場合は、導電率が高ければ高いほど、熱伝導性も良いと判断できる。なお、本明細書において、「ろう付け加熱」とは、フィン材が実際にろう付けされると仮定した温度及び時間を加熱条件として、特段の説明が無ければ供試材単体に対して加熱を行うことをいう。
〔a〕ろう付け後の引張強さ(N/mm):
供試材を600℃×3minでろう付け加熱した後、200℃/minの冷却速度で冷却し、その後室温で1週間放置してサンプルとした。そして、各サンプルに対し、引張速度10mm/min、ゲージ長50mmの条件で、JIS Z2241に従って、常温にて引張試験を実施した。
〔b〕導電率(%IACS):
供試材を600℃×3minでろう付け加熱した後、200℃/minの冷却速度で冷却してサンプルとした。そして、各サンプルに対し、20℃の恒温槽内で、JIS H0505に従って、電気抵抗を測定することにより導電率を求めた。なお、単位の%IACSは、本明細書ではJIS H0505に規定された導電率を表す。
〔c〕フィン接合率(%):
先ず、図1に示すような、コルゲート成形された供試材(フィン11)と、JIS3003を心材13とし、その片面にJIS4045のろう材14を10%クラッドした板厚0.3mmのブレージングシート12と、をそれぞれ用意した。その後、フィン11とブレージングシート12のろう材14側の面とを合わせて図1に示す評価用コア10を形成し、この評価用コア10に対して600℃×3minのろう付け加熱を行った。そして、ろう付け加熱後の評価用コア10について、フィン11の全山数に対する接合したフィンの山数の割合をフィン接合率としてこれを評価した。評価としては、フィン接合率が95%以上のものはろう付け性が良好「○」とし、フィン接合率が95%未満のものはろう付け性が不十分「×」とした。
〔d〕フィンのろう拡散と溶融の有無:
上記〔c〕で作製した評価用コア10に対して断面のミクロ観察を行い、フィンのろう拡散や溶融発生の有無を確認した。評価としては、ろう拡散及び溶融がともに無いものは良好「○」とし、ろう拡散及び溶融のいずれか又は両方が有るものは「×」とした。
〔e〕自己耐食性評価(腐食減少量(%)測定):
供試材を600℃×3minでろう付け加熱した後、200℃/minの冷却速度で冷却してサンプルとした。そして、各サンプルに対し、JIS Z2371に従って、200時間の塩水噴霧試験を行った後、その腐食減少量を測定した。
〔f〕自然電位(mV):
供試材を600℃×3minでろう付け加熱した後、200℃/minの冷却速度で冷却してサンプルとした。そして、各サンプルに対し、25℃の5%NaCl水溶液中でフィンの自然電位(vs Ag/AgCl)を測定して評価した。評価としては、自然電位が−720mVよりも卑であれば良好「○」とし、−720mVよりも貴であれば「×」とした。
Figure 2010270386
Figure 2010270386
本発明例である試験材No.1〜16では、ろう付け後の引張強さが120N/mm以上と高く、導電率は45%IACS以上であり熱伝導性が良好と評価される結果であった。また、フィン接合率やろう拡散及び溶融についても問題なく、ろう付け性は良好であった。さらに、腐食減少量は4.0%未満と少なく、自然電位も−720mVより卑になっており、犠牲防食効果が確保される結果となった。
それに対して、比較例は以下に示すような結果となった。試験材No.17、20、25は、ろう付け後の引張強さが120N/mm未満であり、本発明例よりも低くなった。試験材No.17、20は、強化元素であるSiやMgの含有量が少なかったため、強度が低下した。試験材No.25は、元素添加量については本発明例を満たすものであるが、フラックスを塗布してろう付け加熱を実施したため、フラックスと材料に添加したMgが反応してMgが消耗したために強度が低下した。試験材No.18、21は、SiやMgの添加量が多かったためにマトリクス中の固溶量も多くなり、ろう付け後の導電率が低かった。試験材No.21はMg添加量が適切でなかったため、フィン接合率が低かった。試験材No.24は、ろう付加熱時の炉内酸素濃度が高かったため、フィン接合率が低かった。また、試験材No.25はフラックスを塗布してろう付け加熱を実施したため、フラックスとMgが反応し、Mgによる皮膜除去効果およびフラックスによる皮膜除去効果のいずれも十分でなく、フィン接合率が低下した。試験材No.18、21は、SiやMgの添加量が多かったために固相線温度が低下し、ろう付け時に溶融が発生した。試験材No.19は、Fe添加量が多かったためにろう付け後の結晶粒が微細となり、その結晶粒界を経路にろう拡散が発生した。試験材No.23は、Znの添加量が多かったために腐食速度が速くなり、腐食減少量が高い結果となった。試験材No.22は、Znの添加量が少なかったために自然電位を十分に卑にすることができなかった。
10 評価用コア
11 フィン
12 ブレージングシート
13 心材
14 ろう材

Claims (2)

  1. 酸素濃度が10ppm以下の非酸化性ガス雰囲気中において無フラックスでろう付けされる熱交換器用アルミニウム合金フィン材であって、
    Si:0.2〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.02〜0.5%、Mg:0.1〜0.8%、Zn:0.1〜2.0%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる、
    ことを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  2. 酸素濃度が10ppm以下の非酸化性ガス雰囲気中において無フラックスでろう付けされる熱交換器用アルミニウム合金フィン材であって、
    Si:0.2〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.02〜0.5%、Mg:0.1〜0.8%、Zn:0.1〜2.0%を含有し、さらに、Ti:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる、
    ことを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
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