JP2010266551A - 液晶レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】透明度が高い液晶レンズを提供することを目的とする。
【解決手段】フレネルレンズ(3)と透明基材(4)とを貼り合わせて形成された空間に液晶(2)を封止し、液晶(2)の異常光屈折率を変更して焦点距離を可変する液晶レンズであって、フレネルレンズ(3)に外周部を取り囲む環状壁(13)が形成されており、透明基材(4)に当接する環状壁(13)の端面に液晶封止剤(11)を収容する凹部(14)が形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、フレネルレンズを使用した液晶レンズに関し、より詳細には、液晶レンズの液晶を封止する技術に関するものである。
従来、液晶レンズは、ガラスやプラスチックからなる一対の透明基材をそれぞれ対向して配置し、互いに対向する表面には、液晶を駆動させるための透明導電膜が積層形成されている。これらの透明導電膜の表面には、液晶分子を一定(任意)の形態に配列させるため、配向処理が施された高分子配向膜が形成されている。配向処理が施された一対の透明基材の内部には液晶が充填され、液晶封止剤によって密封される。
液晶は、与える電位差によって異常光屈折率を変えることが可能で、液晶レンズは、異常光屈折率が変ることを利用して焦点距離を可変にしたものである。
液晶封止剤は、透明基材を張り合わせ、その間に充填された液晶を外界から守る重要な役割を担っており、紫外線硬化、熱硬化または、これらのハイブリッド系樹脂(液晶との親和性がない)を使用する技術が既に開示されている。
特開2002−182181号公報 特開2007−248983号公報
しかしながら、前記液晶封止剤には、粘性および耐湿性を高めるためのフィラー(添加剤)が多く使用されており、封止された液晶に液晶封止剤が侵入することによって、液晶レンズを透過する光が液晶封止剤内部のフィラーで散乱(白濁)し、透明度が低下するという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、透明度が高い液晶レンズを提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の液晶レンズは、フレネルレンズと透明基材とを貼り合わせて形成された空間に液晶を封止し、前記液晶の異常光屈折率を変更して焦点距離を可変する液晶レンズであって、前記フレネルレンズまたは前記透明基材の一方に、外周部を取り囲む環状壁が形成されており、前記フレネルレンズまたは前記透明基材の他方に当接する前記環状壁の端面に液晶封止剤を収容する凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項2記載の液晶レンズは、フレネルレンズと透明基材とを貼り合わせて形成された空間に液晶を封止し、前記液晶の異常光屈折率を変更して焦点距離を可変する液晶レンズであって、前記フレネルレンズに、外周部を取り囲む環状壁が形成されており、前記透明基材に当接する前記環状壁の端面に液晶封止剤を収容する凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の液晶レンズは、フレネルレンズと透明基材とを貼り合わせて形成された空間に液晶を封止し、前記液晶の異常光屈折率を変更して焦点距離を可変する液晶レンズであって、前記透明基材に外周部を取り囲む環状壁が形成されており、前記フレネルレンズに当接する前記環状壁の端面に液晶封止剤を収容する凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の液晶レンズは、請求項2または請求項3において、前記環状壁の前記凹部の底部からの高さは、液晶が封入される前記空間に近い内周側が、外周側よりも高いことを特徴とする。
本発明の請求項5記載の液晶レンズは、請求項2または請求項3において、前記環状壁の前記端面は、撥液処理がなされていることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の液晶レンズは、請求項2または請求項3において、前記凹部は、その底面より開口部の方が広いことを特徴とする。
本発明の請求項7記載の液晶レンズは、請求項2または請求項3において、液晶封止剤の表面張力:T,接触角:θ,液体の密度:ρ,重力加速度:g,前記凹部の内径(半径):r,前記凹部の幅:d,前記凹部の高さ:hとした場合、毛細管現象を利用して前記凹部に液晶封止剤が充填されるように、
h = (2・T・cosθ)/ (ρ・g・r)
h = (4・T・cosθ)/ (ρ・g・d)
に設定したことを特徴とする。
この構成によれば、フレネルレンズまたは透明基材の一方に、外周部を取り囲む環状壁が形成されており、前記フレネルレンズまたは前記透明基材の他方に当接する前記環状壁の端面に液晶封止剤を収容する凹部を形成したため、フレネルレンズと透明基材とを貼り合わせて形成された空間に封止されている液晶に液晶封止剤が混入しないように、前記凹部の段差と毛細管現象により抑制することができ、レンズ有効部が液晶封止剤によって白濁することのない透過率が高い液晶レンズをつくることができる。
本発明の実施の形態1における液晶レンズの平面図と液晶レンズの断面図および液晶レンズの外周付近の拡大断面図 同実施の形態のフレネルレンズ3の拡大断面図 同実施の形態のフレネルレンズ3を成形する成形金型の加工プロセスの概略図 同実施の形態のフレネルレンズ3の成形プロセスの工程図 同実施の形態の透明導電膜または絶縁膜の積層形成装置の構成図 同実施の形態の配向膜の塗布から配向処理までの工程図 同実施の形態の環状壁13における液晶封止剤11の充填プロセスの説明図と液晶封止剤11が充填されたフレネルレンズ3の拡大断面図 同実施の形態のレンズ張り合わせプロセスの説明図 同実施の形態の環状壁13の内周側の上面15と、外周側の上面16に形成される撥液部44a,44bを示す拡大断面図 同実施の形態の撥液部44a,44bの形成プロセスの説明図 同実施の形態の撥液部44a,44bの形成プロセスで使用されるマスキングプレート45の平面図と断面図 同実施の形態の凹部14の別の具体例を示す平面図と断面図およびさらに別の具体例の平面図 同実施の形態の凹部の開口に傾斜または曲率をもたせた拡大断面図 本発明の実施の形態2における液晶レンズの平面図と液晶レンズの断面図および液晶レンズの外周付近の拡大断面図
本発明の液晶レンズの各実施の形態を図1〜図14に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1(a),図1(b),図1(c)は、本発明の実施の形態1における液晶レンズの平面図と断面図および接続部の拡大断面を示している。
この液晶レンズ1は、フレネルレンズ3と透明基材4との間に液晶2を充填して構成されている。フレネルレンズ3は、外周部分に環状壁13が形成され、レンズの曲率だけを平面上に並べた凹凸100が前記環状壁13の内周部分に形成されている。平板状の透明基材4は、フレネルレンズ3の環状壁13の端面に貼り合わせられて、フレネルレンズ3の凹凸100との間に液晶2が充填されている。11は液晶封止剤である。更に、フレネルレンズ3および透明基材4は、透明な接着剤12によって接合されている。
更に詳しくは、環状壁13はフレネルレンズ3と透明基材4の対向する表面間(空間)に液晶2を密封するため、フレネルレンズ3の外周を囲うように形成されている。環状壁13の端面は、液晶2の流出を防ぎ、かつ液晶封止剤11を使用する領域を狭くする目的から、図2に示すようにフレネルレンズ3のレンズ面18とフレネルレンズ3のライズ面19で形成されるフレネルレンズのレンズ頭頂部17よりも高く形成されている。
また、環状壁13の端面には凹部14が形成されており、凹部14を挟んで内周側の上面15の高さH1が外周側の上面16の高さH2よりも高く形成されている。ここで使われる高さとは、凹部14の底面の距離である。具体的には、(H1 − H2)の寸法は3μm〜5μm、dの寸法は5μm〜10μmである。
これは、フレネルレンズ3のレンズ有効領域20へ液晶封止剤11が進入するのを防ぎ、フレネルレンズ3と透明基材4の接地間隔を制御するために形成されるスペーサー構造である。
ここで、凹部14は環状壁13の円周方向に沿って所定間隔で複数個あり、これら凹部14がフレネルレンズ3を囲むように配置されている。
フレネルレンズ3の前記液晶2と接する凹凸100の表面には第1の透明導電膜5が形成されている。この第1の透明導電膜5の表面には、第1の絶縁膜6が形成され、更に第1の絶縁膜6の表面には第1の配向膜7が形成されている。
液晶2と接する透明基材4の表面にも、第2の透明導電膜8が形成され、その表面には第2の絶縁膜9が形成されている。第2の絶縁膜9の表面には第1の配向膜7と同じ機能を有する第2の配向膜10が形成されている。
第1,第2の透明導電膜5,8は、例えば、既存の透明導電膜の中でも特に導電性が高く、透明性、パターニング性にも優れるITO(In−SnO)膜である。第1,第2の透明導電膜5,8の材料としては、特にこれに限定されず、他にもSnO、ZnOに代表される透明導電性酸化物TCO(Transparent Conductive Oxide)が好適に利用可能である。
また、第1,第2の絶縁膜6,9はSiO膜であり、第1,第2の配向膜7,10は、プラスチック材料の耐熱温度制限の観点から、低温形成可能でパターニング性にも優れるポリビニルアルコール膜である。
フレネルレンズ3の作製には図3(a),図3(b)のようにして作成された金型が使用されている。
図3(a)に示すように、回転板23の上に金型材料となる金属ベースプレート21を固定する。
図3(b)では、金属ベースプレート21の表面にダイヤモンドバイト22を押しあてながら回転を加え、少しずつ切り込みを深くしていく回転切削を行うことで、任意の形状の第1のフレネルレンズ成形金型25が製作できる。
ここで、金属ベースプレート21の材料としては、銅合金、アルミ合金、プリハードン鋼などの一般的な金型材料が好適に利用可能である。
また、成形金型の要求寸法精度がより高精度な加工による微細パターンを必要とする場合には、レジストなどによるナノインプリント等の技術を採用する。
この第1のフレネルレンズ成形金型25を使用して図4(a),図4(b),図4(c)の成形プロセスでフレネルレンズ3が成形される。なお、第2のフレネルレンズ成形金型26は、第1のフレネルレンズ成形金型25に対向する面が平面であり、第1のフレネルレンズ成形金型25を覆うような形に製作されている。
図4(a)において、第1のフレネルレンズ成形金型25の表面に、Tg点(硝子転移点)以上に加熱した透明プラスチック材料27が塗布される。
次に図4(b)において、真空脱泡を行いながら第1のフレネルレンズ成形金型25を第2のフレネルレンズ成形金型26の表面に押し付け、冷却硬化させた後に図4(c)において離型することでフレネルレンズ3は成形される。
この離型したフレネルレンズ3に対して、図5に示すスパッタリング装置を使用して、第1の透明導電膜5と第1の絶縁膜6が形成される。図5では第1の透明導電膜5の積層形成にスパッタリング法を用いている。これは、レンズ材料であるプラスチック材料上へITO膜とSiO膜とを積層する際に相互の密着性が良いため、スパッタリング法が優れているためである。
ここで、真空槽28は、予め1×10−4Paから4×10−4Pa程度の圧力まで排気され、透明プラスチック基板のフレネルレンズ3は、スパッタリングターゲット29に対向して配置された基盤ホルダー30に固定される。
成膜開始には、不活性ガスであるAr(アルゴン)と活性ガスであるO(酸素)が、ガス導入路32からプロセスガス33として導入され、0.1〜0.5Pa程度の圧力下で膜の積層形成(スパッタリング)が行われる。
プロセスガス33の導入後、基盤ホルダー30とスパッタリングターゲット29間にバイアスをかけることによって、プロセスガス33の絶縁破壊(グロー放電)34が生じ、スパッタイオン35が弾き飛ばされる。このスパッタイオン35は、エネルギーを持って次々にスパッタリングターゲット29の表面に突入(スパッタ)し、結果、スパッタリングターゲット29の表面から、膜積層形成に必要なラジカルイオン36と、2次電子37を弾き飛ばす。
その後、ラジカルイオン36はフレネルレンズ3上へ膜を形成(体積)し、一方で、2次電子37がプロセスガス33と衝突を繰り返し、絶縁破壊(グロー放電)34を持続させるため、スパッタリング法による膜形成が可能となる。
ここで、本発明のようにポリカーボネートやアクリルに代表される光学プラスチック材料を使用する場合、耐熱温度の制限から150℃以下、可能であれば常温での成膜プロセスが必要とされ、この場合に積層されるITO膜は結晶化開始温度が160℃〜180℃程度であるため、アモルファスなことに注意が必要である。
なお、透明基材4にも図5のスパッタリング装置によって第2の透明導電膜8と第2の絶縁膜9とが形成する。
第1の透明導電膜5と第1の絶縁膜6が表面に形成されたフレネルレンズ3に対して、図6(a),図6(b),図6(c)では、第1の絶縁膜6の表面に第1の配向膜7を形成する。
図6(a)では、スパッタ済み透明プラスチック基板39(第1の透明導電膜5と第1の絶縁膜6が表面に形成されたフレネルレンズ3)上に、ディスペンサー等の定量滴下法を用いて、0.1%ポリビニルアルコール水溶液38が滴下される。
滴下された0.1%ポリビニルアルコール水溶液38は、図6(b)において、スピンコーター40(スピンコート法)を用いて毎分3000回転程度で均一に塗布され、その後オーブンにより約90℃で数十分乾燥することで形成される。オーブンによる焼成乾燥後、図6(c)において0.1%ポリビニルアルコール水溶液38は、ローラー42にベルベット布42(布地表面に羽毛を織り出したもの)を巻き付けたもので表面が一定方向にラビング(配向処理)される。
一般的に、液晶の配向は配向膜の最表面に露出した有機残基によって制御されることが知られ、ポリビニルアルコール膜上ではラビング方向に並び替えられた主鎖に対して水平に分子が揃った第1の配向膜7ができあがる。
また、透明基材4の側にも同様に第2の配向膜10を形成する。
次に、第1の透明導電膜5と第1の絶縁膜6および第1の配向膜7が表面に形成されたフレネルレンズ3に対して、環状壁13の各凹部14に図7(a),図7(b)に示すようにして液晶封止剤11を充填する。
液晶封止剤11は分子量の比較的小さいオリゴマーを反応性希釈剤に溶解させたもので、反応基としてエポキシ基、または(メタ)アクリロイル基を有する紫外線・熱硬化性樹脂である。液晶封止剤11の供給にはインクジェットノズル43を環状壁13における凹部14の配列方向(矢印FF方向)に移動させながら、各凹部14の中心に2.5〜3pl量程度塗布される。内周側の上面15、凹部14、外周側の上面16の合計幅で表される環状壁13の幅は、約50〜70μmであり、1回の塗布範囲は約20〜25μmである。
ここで、毛細管現象を利用して凹部14に液晶封止剤11が充填されるように、凹部14の幅:dと凹部14の高さ:hは、
h = (2・T・cosθ)/ (ρ・g・r)
h = (4・T・cosθ)/ (ρ・g・d)
T:表面張力〔N/m〕
θ:接触角
ρ:液体の密度〔kg/m
g:重力加速度=9.80665〔m/s
r:凹部14の内径(半径)〔m〕
を満たすように規定されている。
環状壁13の各凹部14に液晶封止剤11が充填されたフレネルレンズ3に対して、図8では、フレネルレンズ3と透明基材4の間の空間に液晶2を充填して透明基材4が張り合わせられる。
図8(a)において、液晶2は、液晶封止剤11の塗布と同時にディスペンサー法またはインクジェット法を使用して、第1の配向膜6の表面(フレネルレンズのレンズ有効領域内)に滴下塗布される。ここで、液晶封止剤11は使用する液晶2に対して相溶性が無いまたは、少ないものを選択しなければならない。
図8(b)において、フレネルレンズ3と透明基材4の張り合わせは1×10−4Paから4×10−4Pa程度の真空下で行われ、紫外線照射または青色可視光照射によって仮硬化される。照射光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、発光ダイオードのような周知の光源が使用可能である。また、張り合わせの際には、接着剤12もディスペンサー法またはインクジェット法によって同時に塗布され、本硬化としてオーブンによる加熱(80〜90℃/数10分程度)が行われる。
なお、図7(a)に示した液晶封止剤11の充填に際しては、環状壁13の内周側の上面15と、外周側の上面16に図9に示すように撥液部44a,44bが形成される。
撥液部44a,44bは、表面エネルギーが液晶封止剤11に対して大きいもので、膜の最外層が酸化物あるいはフッ化物であるものが好適に利用される。例えば、5nm以下の薄いSiO膜を形成し、さらに撥水層(パーフルオロアルキル基を含有した材料)を積層するといった構成である。
図10は、撥液部44a,44bの形成方法を示している。
図10において、撥液部44a,44bは真空蒸着法を用いてフッ化物蒸着物を液晶配向膜上にパターニングすることで形成できる。フッ化物蒸発源45は、真空槽46の下部にあるヒーター47によって加熱され、フッ化物蒸発物48を生成する。気体状のフッ化物蒸発物48は昇華し、マスキングプレート49によってマスクされない環状壁13の上面に撥液部44a,44bが形成される。図11(a),図11(b)は、図10における撥液部44a,44bの形成プロセスで使用されるマスキングプレート49の平面図と、マスキングプレート49の開口49b,49bとフレネルレンズ3の環状壁13との位置関係を示す断面図である。
このように環状壁13の端面で凹部14の周辺に撥液部44a,44bを形成することによって、次のような効果が得られる。
液晶封止剤11としては、プラスチック基材(有機合成樹脂)に対して親和性が高いものも存在する。このような液晶封止剤11を使用した場合には、液晶封止剤11を環状壁13の上面に供給した際に、フレネルレンズ3に透明基材4を貼り合わせることによって、その貼り合わせ面上の液晶封止剤11が、凹部14の浸透圧および環状壁13の内周側と外周側の段差の効果を超えて、液晶封止剤11の一部が環状壁13よりも内側のレンズ有効領域20に移動してしまう虞がある。凹部14の周辺に撥液部44a,44bを形成し、インクジェットノズル43などによる液晶封止剤11の供給位置を撥液部44aよりも外側にすることによって、凹部14に液晶封止剤11を引き寄せる効果を得ることができ、液晶封止剤11の一部がレンズ有効領域20に移動するような事態を回避することができ、透過率が高い液晶レンズをつくるのに更に有効である。
なお、凹部14はフレネルレンズ3の環状壁13の端面に、フレネルレンズ3のレンズ有効領域20を囲むように所定間隔で配置したが、図12(a)と図12(a)の断面を示す図12(b)のように、環状壁13の端面に1個所だけ凹部14を形成しないC形状の凹部14を設けて構成することもできる。また、図12(c)に示すように環状壁13の端面に、レンズ有効領域20を完全に取り囲むフレネルレンズ3の外周形状と相似の形状である環状の凹部14を設けて構成することもできる。
図12(c)の形状の凹部14の場合には、液晶封止剤11の溢れを最小限に抑えることができるが、反面、非常に狭い凹部14の中にも透明電極をパターニングして第1の透明導電膜5と外部の駆動回路とを接続しなければならないため、電極が取り出しにくい形状である。これに対して、図7(a)や図12(a)の形状の場合には、凹部14が形成されていない部分から電極を外部に引き出し易い。
上記の実施の形態では、凹部14の形状は図2に拡大図を示したように底部と開口部の幅が同一の溝形状であったが、これは底面より開口部を広く形成することによって、液晶封止剤11を凹部14により確実に引き寄せることができる。具体的な形状としては、図13(a)に示すように凹部14の開口部が曲率を持った傾斜面に形成する場合、または図13(b)に示すように凹部14の開口部が直線状の傾斜面に形成する場合などがある。
この実施の形態1において透明基材4は平行平板であったが、透明基材4を、その基材表面で屈折を行う球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズのいずれかにすることもできる。また、透明基材4を、その基材表面で屈折を行わない屈折率分布レンズ、回折レンズのいずれかにすることもできる。
(実施の形態2)
図14(a)〜図14(c)は本発明の実施の形態2の液晶レンズを示す。
実施の形態1の液晶レンズ1は図1(a)〜図1(c)に示したように、フレネルレンズ3に、外周部を取り囲む環状壁13が形成されており、透明基材4に当接する環状壁13の端面に液晶封止剤11を収容する凹部14が形成したが、この実施の形態2の液晶レンズ1Aでは、フレネルレンズ3と透明基材4とを貼り合わせて形成された空間に液晶2を封止し、液晶2の異常光屈折率を変更して焦点距離を可変する液晶レンズである点は同じであるが、透明基材4に外周部を取り囲む環状壁13が形成されており、フレネルレンズ3に当接する環状壁13の端面に液晶封止剤11を収容する凹部14が形成されている点だけが異なっている。実施の形態1に記載のその他の実施の形態についても、この実施の形態2において実施することができ、同様の効果を期待できる。
本発明は、液晶レンズを使用する電子眼鏡,光学顕微鏡,デジタルカメラ,デジタルビデオカメラ等各種の光学装置の高性能化に寄与する。
1,1A 液晶レンズ
2 液晶
3 フレネルレンズ
4 透明基材
5 第1の透明導電膜
6 第1の絶縁膜
7 第1の配向膜
8 第2の透明導電膜
9 第2の絶縁膜
10 第2の配向膜
11 液晶封止剤
12 接着剤
13 環状壁
14 凹部
15 環状壁13の内周側の上面
16 環状壁13の外周側の上面
17 フレネルレンズのレンズ頭頂部
18 フレネルレンズのレンズ面
19 フレネルレンズのライズ面
20 フレネルレンズの環状壁
43 インクジェットノズル
44a,44b 撥液部

Claims (7)

  1. フレネルレンズと透明基材とを貼り合わせて形成された空間に液晶を封止し、前記液晶の異常光屈折率を変更して焦点距離を可変する液晶レンズであって、
    前記フレネルレンズまたは前記透明基材の一方に、外周部を取り囲む環状壁が形成されており、
    前記フレネルレンズまたは前記透明基材の他方に当接する前記環状壁の端面に液晶封止剤を収容する凹部が形成されている
    液晶レンズ。
  2. フレネルレンズと透明基材とを貼り合わせて形成された空間に液晶を封止し、前記液晶の異常光屈折率を変更して焦点距離を可変する液晶レンズであって、
    前記フレネルレンズに、外周部を取り囲む環状壁が形成されており、
    前記透明基材に当接する前記環状壁の端面に液晶封止剤を収容する凹部が形成されている
    液晶レンズ。
  3. フレネルレンズと透明基材とを貼り合わせて形成された空間に液晶を封止し、前記液晶の異常光屈折率を変更して焦点距離を可変する液晶レンズであって、
    前記透明基材に外周部を取り囲む環状壁が形成されており、
    前記フレネルレンズに当接する前記環状壁の端面に液晶封止剤を収容する凹部が形成されている
    液晶レンズ。
  4. 前記環状壁の前記凹部の底部からの高さは、液晶が封入される前記空間に近い内周側が、外周側よりも高い
    請求項2または請求項3に記載の液晶レンズ。
  5. 前記環状壁の前記端面は、撥液処理がなされている
    請求項2または請求項3に記載の液晶レンズ。
  6. 前記凹部は、その底面より開口部の方が広い
    請求項2または請求項3に記載の液晶レンズ。
  7. 液晶封止剤の表面張力:T,接触角:θ,液体の密度:ρ,重力加速度:g,前記凹部の内径(半径):r,前記凹部の幅:d,前記凹部の高さ:hとした場合、毛細管現象を利用して前記凹部に液晶封止剤が充填されるように、
    h = (2・T・cosθ)/ (ρ・g・r)
    h = (4・T・cosθ)/ (ρ・g・d)
    に設定した
    請求項2または請求項3に記載の液晶レンズ。
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