JP2010266017A - 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置 - Google Patents

一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高温高速条件下での耐摩耗性,耐焼付き性に優れてた一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置を提供する。
【解決手段】ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1は、スリーブ2と、プーリ3と、転がり軸受4と、ローラクラッチ5とを備えている。ローラクラッチ5は、クラッチ内輪6と、クラッチ外輪9と、クラッチ内輪6の外周面とクラッチ外輪9の内周面との間に配されたローラ10と、を備え、プーリ3とスリーブ2とを接続することにより、プーリ3をスリーブ2に対して所定方向に相対回転させる回転力のみを、プーリ3からスリーブ2へ伝達する一方向クラッチである。そして、クラッチ内輪6が、クラッチ外輪9及びローラ10を構成する素材よりも100℃における硬さHvが高く且つ100℃における硬さHvが700以上である鋼材で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置に関する。
従来、オルタネータ等の自動車用補機の回転軸や補機駆動装置の回転軸、又は、アイドリングストップ車に搭載されるエンジンのクランク軸等に装着されるプーリ装置として、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置が知られている。
例えば、オルタネータに組み込まれる一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、エンジンのクランク軸に固定された駆動プーリから駆動ベルトが掛け渡される従動プーリと、オルタネータの回転軸に固定されるスリーブとを備えるとともに、従動プーリとスリーブとの間に一方向クラッチ及び一対のサポート軸受を備えている。
従動プーリの回転角速度がオルタネータの回転軸の回転角速度より速い場合には、一方向クラッチのローラの楔効果によって従動プーリとスリーブとが相対回転不能(ロック状態)となり、エンジンの回転力がオルタネータの回転軸に伝達される。一方、従動プーリの回転角速度がオルタネータの回転軸の回転角速度より遅い場合には、従動プーリとスリーブとの相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。したがって、クランク軸の回転角速度が変動した場合でも、一方向クラッチの作用により、駆動ベルトとプーリが擦れ合うことが防止され、鳴きと呼ばれる異音の発生や摩擦による駆動ベルトの寿命低下が防止されるとともに、オルタネータの発電効率が低下することが防止される。
このような一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、一般にグリースによって潤滑される。例えば特許文献1に開示された一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、回転軸に固定される内側部材と、内側部材と同心に配された筒状の外側部材と、内側部材の外周面と外側部材の内周面との間に設けられた一方向クラッチと、一方向クラッチに隣接して設けられ内側部材と外側部材とを相対回転自在に支持するサポート軸受と、を備えている。
この一方向クラッチの内部空間にはすべり接触の潤滑に適したグリースが封入され、サポート軸受の内部空間には転がり接触に適した別種のグリースが封入されている。そして、一方向クラッチを潤滑するグリースには、下記の性能が求められる。
(1)すべり時の低摩擦特性及び低摩耗特性
(2)広い温度範囲(例えば−40℃〜160℃)での安定性
(3)高温高速条件下で使用された場合の耐摩耗性及び耐焼付き性
つまり、特許文献1に開示の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置に組み込まれた一方向クラッチは、クラッチ内輪の外周面とクラッチ外輪の内周面との間に複数のローラが配されてなり、前記両周面の間にローラが食い込み係合した場合にクラッチ内輪とクラッチ外輪とが接続されることとなるが、クラッチ内輪の外周面及びクラッチ外輪の内周面とローラの転動面との間にすべりが発生する場合がある。そして、すべり接触部の摩擦に基づく発熱によるグリースの劣化やすべり接触部の摩耗を低減して、一方向クラッチの長期的な動作安定化を図るために、このすべり接触部を潤滑するグリースは低摩擦性,低摩耗性であることが重要である。
また、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の内側部材と外側部材との間で回転力の伝達を行うべく一方向クラッチをロック状態とするためには、バネ等の弾性力により一方向クラッチのローラをクラッチ内輪の外周面及びクラッチ外輪の内周面に押し付ける必要がある。この際、一方向クラッチのクラッチ内輪の外周面及びクラッチ外輪の内周面と各ローラの転動面との間にはグリース膜が存在し、各ローラはこのグリース膜を押しのけつつクラッチ内輪の外周面及びクラッチ外輪の内周面に押し付けられる。
一方向クラッチが安定してクラッチ動作を行うためには、グリース膜の存在の有無にかかわらず、ローラを押し付けるために要する力がほぼ一定になることが好ましく、そのためには、特にグリース粘度が上昇する(流動性が低下する)低温時においても、一方向クラッチのクラッチ内輪の外周面及びクラッチ外輪の内周面へのローラの押し付けをグリースが阻害しないことが重要である。
さらに、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置には、ローラの確実な係合性と耐久性が要求されていることに加えて、近年の自動車エンジンルームの密閉化に伴ってエンジンルーム内の温度が高温になっていることから、高温下での耐摩耗性及び耐焼付き性も要求されている。さらに、オルタネータ用の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、自動車の電装化に伴い高回転となる傾向があるので、高速条件での一方向クラッチの耐摩耗性及び耐焼付き性が要求される。
特開2002−130433号公報 特開2005−207575号公報 特開2005−234638号公報 特開2008−106147号公報 特開2008−127491号公報
しかしながら、特許文献1に記載された一方向クラッチを潤滑するグリースは、すべり接触に対する耐久性(耐フレッチング性、耐熱性)を向上させたものであって、すべり接触部の摩擦に基づく発熱を低減するものではなかった。そして、この発熱は、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の温度上昇を引き起こすので、例えば、一方向クラッチのクラッチ内輪及びクラッチ外輪とローラとの熱膨張率の差によって、安定したクラッチ動作が阻害される要因となるおそれがあった。
また、グリースの潤滑性やグリースに添加される摩耗防止剤による摩耗抑制では、高温高速条件下での耐摩耗性,耐焼付き性に限界があった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、高温高速条件下での耐摩耗性,耐焼付き性に優れた一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、内側回転部材と、前記内側回転部材の周囲に同心に配された外側回転部材と、前記両回転部材の間に配され前記両回転部材を相対回転自在に支持する転がり軸受と、前記両回転部材の間に配され、前記両回転部材の一方を他方に対して所定方向に相対回転させる回転力のみを、前記両回転部材を接続して伝達する一方向クラッチと、を備える一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置において、前記一方向クラッチは、前記内側回転部材の外周面に固定された内側クラッチ部材と、前記内側クラッチ部材の周囲に同心に配され前記外側回転部材の内周面に固定された外側クラッチ部材と、前記内側クラッチ部材の外周面と前記外側クラッチ部材の内周面との間に配された複数の係合子と、を備え、前記内側クラッチ部材の外周面と前記外側クラッチ部材の内周面とに前記係合子を係合させることにより前記両クラッチ部材を接続して、前記回転力を伝達するようになっているとともに、前記内側クラッチ部材が、前記外側クラッチ部材及び前記係合子を構成する素材よりも100℃における硬さHvが高く且つ100℃における硬さHvが700以上である鋼材で構成されていることを特徴とする。
本発明に係る一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置においては、前記内側クラッチ部材,前記外側クラッチ部材,及び前記係合子のうち少なくとも一つが、炭素を0.2質量%以上0.6質量%未満、ケイ素を0.5質量%以上2質量%未満、マンガンを0.5質量%以上1質量%未満、クロムを1質量%以上2質量%未満、モリブデンを0.5質量%以上2質量%未満含有する鋼材で構成されており、且つ、浸炭窒化処理が施されて100℃における硬さHvが700以上であることが好ましい。
また、前記内側クラッチ部材,前記外側クラッチ部材,及び前記係合子のうち少なくとも前記内側クラッチ部材が、炭素を0.2質量%以上0.6質量%未満、ケイ素を0.5質量%以上2質量%未満、マンガンを0.5質量%以上1質量%未満、クロムを1質量%以上2質量%未満、モリブデンを0.5質量%以上2質量%未満含有する鋼材で構成されており、且つ、浸炭窒化処理が施されて100℃における硬さHvが700以上であることが好ましい。
さらに、前記内側クラッチ部材及び前記外側クラッチ部材と前記係合子との間の潤滑を、グリースにより行ってもよい。
本発明の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置は、高温高速条件下での耐摩耗性,耐焼付き性に優れている。
本発明に係る一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の一実施形態であるローラクラッチ内蔵型プーリ装置の構造を示す縦断面図である。 一方向クラッチのみを拡大して示した図1のA−A断面図である。 一方向クラッチ内のバネ及びその周辺部を拡大して示した部分拡大図である。
本発明に係る一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の一実施形態であるローラクラッチ内蔵型プーリ装置の構造を示す縦断面図である。また、図2は、ローラクラッチのみを拡大して示した図1のA−A断面図である。さらに、図3は、ローラクラッチ内のバネ及びその周辺部を拡大して示した部分拡大図である(径方向から見た図である)。
図1のローラクラッチ内蔵型プーリ装置1は、図示しない回転軸に外嵌固定可能な略円筒形状のスリーブ2(内側回転部材)と、スリーブ2の周囲にスリーブ2と同心に配された略円筒形状のプーリ3(外側回転部材)と、を備えている。そして、スリーブ2の外周面とプーリ3の内周面との間の軸方向両端には、一対の転がり軸受4,4(図1においては深溝玉軸受が図示してある)が配され、軸方向中央にはローラクラッチ5が配されている。
この転がり軸受4,4は、プーリ3に負荷されるラジアル荷重を支えつつ、スリーブ2とプーリ3とを相対回転自在に支持している。また、ローラクラッチ5は、プーリ3とスリーブ2とを接続することにより、プーリ3をスリーブ2に対して所定方向に相対回転させる回転力のみを、プーリ3からスリーブ2へ伝達する一方向クラッチである。
ここで、ローラクラッチ5について、図1〜3を参照しながらさらに詳細に説明する。ローラクラッチ5は、スリーブ2の外周面に外嵌固定されたクラッチ内輪6(内側クラッチ部材)と、クラッチ内輪6の周囲にクラッチ内輪6と同心に配されるとともにプーリ3の内周面に内嵌固定されたクラッチ外輪9(外側クラッチ部材)と、クラッチ内輪6の外周面とクラッチ外輪9の内周面との間に配された複数のローラ10(係合子)と、クラッチ内輪6の外周面とクラッチ外輪9の内周面との間にローラ10を保持する保持器11と、を備えている。
クラッチ内輪6の外周面には、ランプ部と呼ばれる複数の凹部7が等間隔をあけつつ周方向に並んで形成されていて、該外周面がカム面8とされている。また、クラッチ外輪9の内周面は、軸方向両端部を除いて円筒面17とされている。凹部7の深さは一定ではなく、周方向に沿って徐々に浅くなっている(図2においては、右側に向かうにしたがって徐々に浅くなっている)。その結果、クラッチ内輪6の外周面とクラッチ外輪9の内周面との間には、径方向の幅が周方向の一方向(図2においては右方)に向かって徐々に狭くなる楔形の空間が複数形成される。
凹部7が形成されている部分(ランプ部)の大部分(深い部分)においては、クラッチ内輪6の外周面とクラッチ外輪9の内周面との間隔はローラ10の直径よりも大きいが、周方向に沿って徐々に小さくなってローラ10の直径と同じとなり、最も浅い部分においてはローラ10の直径よりもやや小さい。そして、凹部7が形成されていない部分(円筒面部)においては、クラッチ内輪6の外周面とクラッチ外輪9の内周面との間隔はローラ10の直径よりも小さい。さらに、クラッチ外輪9の軸方向両端部には、内向フランジ状の鍔部16a,16bが形成されている。
また、保持器11は、ローラ10を転動可能且つ周方向に若干変位可能に保持している。保持器11の柱部12とローラ10との間には、ローラ10を弾性的に押圧するバネ13が配されていて、このバネ13によりローラ10が、ランプ部から円筒面部に向く方向(図2においては右方)に押圧されている。そのため、ローラ10は、ランプ部と円筒面部との境界部分近傍(凹部7の浅い部分)において、クラッチ内輪6の外周面とクラッチ外輪9の内周面との間に楔作用で食い込む(係合する)こととなる。
よって、クラッチ外輪9がクラッチ内輪6に対して相対回転する際に、その相対回転方向がローラ10の押圧方向と同方向である場合には、ローラ10の食い込みによりクラッチ内輪6とクラッチ外輪9とが接続されて一体的に回転する(ロック状態)。これに対して、クラッチ外輪9の相対回転方向がローラ10の押圧方向と逆方向である場合には、ローラ10がランプ部の深い部分に位置して転動することとなるため、クラッチ内輪6とクラッチ外輪9との間の回転力の伝達は行われない(オーバーラン状態)。
ここで、保持器11及びバネ13の一例を、図1〜3を参照しながらさらに詳細に説明する。
クラッチ内輪6のカム面8とクラッチ外輪9の円筒面17との間の円筒状隙間内に、複数のローラ10,保持器11,及びバネ13が配されている。バネ13は、例えば、鋼板を略三角形状に屈曲させた板バネであり、オーステナイト系ステンレス鋼又は析出硬化系ステンレス鋼で構成され、時効処理が施されて硬さがHv500以上600未満とされている。
保持器11は、例えば、ガラス繊維を含有したポリアミド46等のような樹脂組成物をかご型円筒状に一体形成したものであり、円環状である1対のリム部18,18と、これら両リム部18,18を連結する柱部12とを備えている。そして、リム部18,18の内側面と各柱部12の側面とにより四周を囲まれた部分であるポケットに、ローラ10を転動自在に保持している。
また、一方(図1の左端側)のリム部18の内径面には、凸部19が径方向内方に突出するように形成されている。この凸部19を、スリーブ2の外周面のうち鍔部16aに対向する部分に形成したスリーブ鍔部20と、クラッチ内輪6の軸方向端面との間で挟持することにより、保持器11が軸方向に変位することが防止されるとともに、この保持器11がクラッチ内輪6(スリーブ2)に対して相対回転することが防止される。
また、リム部18,18の内側面で柱部12の周方向中間部に整合する部分には、両端側支持板部21,21が、柱部12の外周側面から直径方向外方に突出する状態で形成されている。さらに、柱部12の中央部には、中央側支持板部22が柱部12の外周側面から径方向外方に突出する状態で形成されている。このような両端側支持板部21,21と中央側支持板部22とは、周方向に少しずらした状態で設けられており、両端側支持板部21,21の周方向片側面(図2〜3の右側面)と中央側支持板部22の周方向他側面(図2〜3の左側面)との間に、バネ13の基部23が挟持されている。この状態で基部23の中央部外周側端縁に、中央側支持板部22の先端部に形成した係止突片26を係合させている。したがって、運転時に加わる遠心力に拘らず、バネ13が保持器11の径方向外方に脱落することはない。
バネ13は、基部23の両端部を周方向の同方向に鋭角に折り曲げて、両端部に押圧部24,24を設けてなる。このようなバネ13は、前述したように両端側支持板部21,21の周方向片側面に基部23の両端部片側面を、中央側支持板部22の周方向他側面に基部23の中央部他側面を、それぞれ弾性的に当接させることにより、保持器11の周方向複数個所に係止されている。そして、押圧部24,24によりローラ10を、凹部7の浅い側(図2の右側)に向け、弾性的に押圧している。
このローラクラッチ内蔵型プーリ装置1においては、前述のような構成のバネ13が使用されているため、オーバーラン状態とロック状態が繰り返されても、バネ13の摩耗及びへたりが生じにくい。このため、バネ13の摩耗粉によりグリースが劣化してローラ10とクラッチ内輪6の外周面又はクラッチ外輪9の内周面との接触部が焼き付くことや、バネ13のへたりによりロック状態となるべき時に空転現象が起こることが防止できる。よって、ローラクラッチ5の耐久性が向上し、このローラクラッチ5が組み込まれたローラクラッチ内蔵型プーリ装置1の耐久性及び信頼性が向上する。
また、このローラクラッチ内蔵型プーリ装置1においては、ローラクラッチ5及び転がり軸受4がグリース組成物(図示せず)によって潤滑されている。すなわち、クラッチ内輪6の外周面及びクラッチ外輪9の内周面とローラ10との間の潤滑が、グリース組成物によって行われるとともに、転がり軸受4の潤滑がローラクラッチ5とは同種又は別種のグリース組成物によって行われる。
なお、図1のように、転がり軸受4はシール等の密封装置4a,4bを備えており、転がり軸受4内に密封されたグリース組成物が転がり軸受4から漏出することが防止されている。ただし、ローラクラッチ5のグリース組成物と転がり軸受4のグリース組成物とが同種である場合には、転がり軸受4の密封装置4a,4bのうちローラクラッチ5に対向する側の密封装置4bは備えていなくても差し支えない。
ローラクラッチ5を潤滑するグリース組成物の種類は、特に限定されるものではないが、基油と増ちょう剤と添加剤とを含有するものである。以下に、ローラクラッチ5を潤滑するグリース組成物の原料について詳細に説明する。
〔基油について〕
グリース組成物の基油としては、例えば鉱物系潤滑油や合成潤滑油を使用することができる。鉱物系潤滑油としては、例えばパラフィン系鉱物油,ナフテン系鉱物油,及びそれらの混合潤滑油があげられる。また、合成潤滑油としては、例えば合成炭化水素油,エーテル油,エステル油,及びフッ素油があげられる。
合成炭化水素油の具体例としてはポリα−オレフィン油があげられ、エーテル油の具体例としてはジアルキルジフェニルエーテル油,アルキルトリフェニルエーテル油,アルキルテトラフェニルエーテル油があげられる。また、エステル油の具体例としてはジエステル油,ネオペンチル型ポリオールエステル油,これらのコンプレックスエステル油,芳香族エステル油があげられる。さらに、フッ素油の具体例としてはパーフルオロエーテル油,フルオロシリコーン油,クロロトリフルオロエチレン油,フルオロフォスファゼン油があげられる。
これらの基油は、1種を単独で使用してもよいし、複数種を適宜組み合わせて使用してもよい。高速条件での潤滑性能及び寿命を考慮すると、基油には合成潤滑油が含有されていることが好ましく、特にジエステル油が含有されていることが好ましい。
基油の40℃における動粘度は、20〜150mm2 /sであることが好ましい。20mm2 /s未満であると油膜が薄くなり耐久性が低下するおそれがあり、150mm2 /s超過であるとローラクラッチ5の係合性が問題となるおそれがある。このような不都合がより生じにくくするためには、基油の40℃における動粘度は25〜90mm2 /sであることがより好ましい。
〔増ちょう剤について〕
増ちょう剤の種類は特に限定されるものではなく、グリース組成物の増ちょう剤として一般的に使用されるものを問題なく使用することができる。例えば、リチウム石鹸系,カルシウム石鹸系,ナトリウム石鹸系,アルミニウム石鹸系,リチウムコンプレックス石鹸系,カルシウムコンプレックス石鹸系,ナトリウムコンプレックス石鹸系,バリウムコンプレックス石鹸系,アルミニウムコンプレックス石鹸系等の金属石鹸があげられる。
また、ウレア化合物(モノウレア系,ジウレア系,トリウレア系,テトラウレア系等),ウレタン化合物,ナトリウムテレフタラメート化合物等の有機化合物や、ベントナイト系,クレイ系等の無機化合物があげられる。
これらの増ちょう剤の中では、ウレア化合物が特に好適である。なお、増ちょう剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
グリース組成物の混和ちょう度は、常温(25℃)においては250〜340の範囲内であることが好ましく、−40℃においては160〜340の範囲内であることが好ましい。常温での混和ちょう度が250未満、−40℃での混和ちょう度が160未満であると、主にクラッチ部においてすべり時に必要な部分へグリース組成物が行き渡らないおそれがある。また、ローラクラッチ5におけるローラ10の係合及びその解除にはバネ力も使用するが、このバネ13の動きを悪くするという問題が起こるおそれがある。一方、混和ちょう度が340を超えると、例えば自動車走行時の振動によりグリース組成物が流出しやすくなる等の不具合が生じるおそれがある。
〔添加剤について〕
グリース組成物には、各種性能をさらに向上させるために、グリース組成物に一般的に使用される各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。例えば、極圧剤,酸化防止剤,防錆剤,油性剤,金属不活性化剤があげられ、これらの添加剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。添加剤の合計の含有量は、本発明の目的を損なうものでないならば特に限定されるものではない。
極圧剤の種類は特に限定されるものではないが、例えば、リン系極圧剤,ジチオリン酸亜鉛,有機モリブデンがあげられる。具体的には、ジアルキルジチオリン酸亜鉛,ジアリールジチオリン酸亜鉛,ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物や、ジアルキルジチオリン酸モリブデン,ジアリールジチオリン酸モリブデン,ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン等の有機モリブデン化合物があげられる。また、チオカルバミン化合物,ホスフェート,ホスファイト類等があげられる。
また、酸化防止剤としては、一般的に使用される酸化防止剤を問題なく使用することができる。例えば、フェニル−1−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−tert−ジブチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛があげられる。
さらに、防錆剤としては、例えばアルカリ金属,アルカリ土類金属等のスルフォン酸塩があげられる。また、アルキルこはく酸エステル,アルケニルこはく酸エステル等のアルキルこはく酸誘導体,アルケニルこはく酸誘導体や、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの部分エステルがあげられる。
さらに、油性剤としては、例えば脂肪酸,動植物油があげられる。さらに、金属不活性化剤としては、例えばベンゾトリアゾールがあげられる。
このようなグリース組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の製造方法と同様にして調製することができる。例えば、増ちょう剤としてウレア化合物を用いる場合は、一般的には基油中でジウレア化合物の原料(アミン類とジイソシアネート) を反応させてグリース組成物を製造する。なお、製造条件(例えば、温度や攪拌・混合時間)は、使用する基油、ジウレア化合物の原料、添加剤等により適宜設定される。また、添加剤を添加後、十分に攪拌してグリース組成物中に均一に分散させる必要があるが、その際には加熱することも有効である。
以上のように製造されたグリース組成物は、クラッチ内輪6の外周面及びクラッチ外輪9の内周面とローラ10とのすべり時には、ローラクラッチ5に低摩擦性及び低摩耗性を付与し、すべり接触部の摩擦に基づく発熱やすべり接触部の摩耗を低減する。また、特にグリース組成物の粘度が上昇する(流動性が低下する)低温時においても、クラッチ内輪6の外周面及びクラッチ外輪9の内周面へのローラ10の押付けを阻害しない。したがって、低温(例えば−40℃)においてもローラクラッチ5を確実に且つ長期にわたって動作させることができる。
さらに、ローラクラッチ5の潤滑に用いたグリース組成物は、転がり軸受4の潤滑にも好適に用いることができる。そうすると、ローラクラッチ5と転がり軸受4を共通のグリース組成物により潤滑することができるので、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1の製造及び保守の低コスト化を図ることができる。
さらに、このローラクラッチ内蔵型プーリ装置1においては、ローラクラッチ5のクラッチ内輪6は、高温硬さが高い鋼材で構成されており、クラッチ内輪6を構成する鋼材は、クラッチ外輪9を構成する素材やローラ10を構成する素材よりも100℃における硬さHvが高く、且つ100℃における硬さHvが700以上である。そのため、ローラクラッチ5は、高温高速条件で使用されても、摩耗や焼付きが生じにくい。よって、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1は、高温高速条件で使用されても長寿命である。
また、ローラクラッチ5のクラッチ内輪6,クラッチ外輪9,及びローラ10のうち少なくとも一つは、炭素を0.2質量%以上0.6質量%未満、ケイ素を0.5質量%以上2質量%未満、マンガンを0.5質量%以上1質量%未満、クロムを1質量%以上2質量%未満、モリブデンを0.5質量%以上2質量%未満含有する鋼材で構成することが好ましい。そして、この鋼材で構成された部材は、浸炭窒化処理が施されて、100℃における硬さHvが700以上であることが好ましい。
このような構成であれば、該部材は高温高速条件下での耐摩耗性,耐焼付き性に優れているので、ローラクラッチ5は、高温高速条件で使用されても、摩耗や焼付きが生じにくい。よって、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1は、高温高速条件で使用されても長寿命である。
特に、クラッチ内輪6は前記鋼材で構成することが好ましい。そして、その場合には、ローラ10は軸受鋼SUJ2で構成することが好ましい。そうすれば、高温高速条件下での耐摩耗性,耐焼付き性が特に優れたものとなる。
さらに、エステル油を基油として用いたグリース組成物によってローラクラッチ5の潤滑を行えば、高温高速条件下でのローラクラッチ5の耐摩耗性,耐焼付き性をさらに向上させることができる。
なお、本発明における高温高速条件とは、例えば、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の雰囲気温度が100℃以上又は一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の温度が120℃以上で、且つ、一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置の回転速度が7000rpm以上という条件を意味する。
このようなローラクラッチ内蔵型プーリ装置1を、オルタネータ等のような自動車のエンジン補機を回転駆動する装置として使用する場合には、オルタネータ等のエンジン補機の回転軸をスリーブ2に内嵌固定するとともに、図示しない無端ベルトを、プーリ3とエンジンのクランク軸の端部に固定された駆動プーリ(図示せず)とに掛け渡す。そして、駆動プーリを回転させると、無端ベルトによりプーリ3が回転し、その回転力がローラクラッチ5によりスリーブ2に伝達される。プーリ3の外周面のうち無端ベルトと接触する部分は、図1のように凹凸を設けて断面波形としてもよい。
ただし、プーリ3の回転速度がスリーブ2の回転速度と同じである場合、すなわち、無端ベルトが加速傾向又は一定速度状態にあり、その速度がエンジン補機の回転軸の回転速度と同じかそれ以上の場合には、無端ベルトからプーリ3に伝達される回転力がスリーブ2を介してエンジン補機の回転軸に伝達するが、スリーブ2の回転速度がプーリ3の回転速度よりも遅い場合、すなわち、無端ベルトが減速傾向にあり、その速度がエンジン補機の回転軸の回転速度よりも遅い場合には、プーリ3からスリーブ2への回転力の伝達は行われない。
また、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1を、エンジンのアイドリングストップ時のエンジン補機駆動装置として使用する場合には、エンジンのクランク軸及び電動モータの駆動軸をスリーブ2に内嵌固定し、エンジンのクランク軸又は電動モータの駆動軸が回転駆動されている場合に、その回転力がローラクラッチ5によりプーリ3に伝達されるような構造とする。そして、エンジンのクランク軸及び電動モータの駆動軸のうち回転駆動されていない方は、回転しないようにする。例えば、エンジン停止時にコンプレッサ等のエンジン補機を電動モータにより回転駆動する際には、電動モータの駆動軸は回転し、エンジンのクランク軸は回転しないようにする。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、転がり軸受4として深溝玉軸受を用いた場合を例示して説明したが、本発明の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置には、他の種類の様々な転がり軸受を使用することが可能である。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
また、転がり軸受4の個数は特に限定されるものではなく、1個でもよいし、3個以上でもよい。
さらに、本実施形態においては、一方向クラッチとしてローラクラッチを用いた場合を例示して説明したが、スプラグクラッチ,カムクラッチ等の他の形式の一方向クラッチを採用してもよい。
さらに、クラッチ内輪6及びクラッチ外輪9は省略し、スリーブ2の外周面又はプーリ3の内周面をカム面8としてもよい。すなわち、ローラ10はスリーブ2の外周面とプーリ3の内周面との間に配され、両周面に係合することとなる。この場合は、スリーブ2がクラッチ内輪6を兼ね、プーリ3がクラッチ外輪9を兼ねることになる。
さらに、回転力は、前述のようにプーリ3からスリーブ2へ伝達してもよいが、逆にスリーブ2からプーリ3へ伝達してもよい。
さらに、外側回転部材として、プーリ3に代えて歯車を使用してもよい。
〔実施例〕
以下に、実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。クラッチ内輪,クラッチ外輪,及びローラを構成する素材の種類並びにローラクラッチを潤滑するグリース組成物の種類が種々異なるオルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を用意して、その性能(寿命)を評価した。評価したオルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の構成は、前記素材及びグリース組成物の種類を除いては、図1のローラクラッチ内蔵型プーリ装置1とほぼ同様である。
クラッチ内輪,クラッチ外輪,及びローラを構成する素材の種類は、表1に示す通りである。ここで、高温用鋼材とは、炭素を0.2質量%以上0.6質量%未満、ケイ素を0.5質量%以上2質量%未満、マンガンを0.5質量%以上1質量%未満、クロムを1質量%以上2質量%未満、モリブデンを0.5質量%以上2質量%未満含有し、残部が鉄及び不可避の不純物である鋼材である。そして、この高温用鋼材で構成された部材は、浸炭窒化処理が施されて、100℃における硬さHvが770とされている。
浸炭窒化処理の条件は、Rxガスとアンモニアガスの混合雰囲気下、800〜950℃で3時間とした。そして、浸炭窒化処理の後に、200〜350℃で焼戻し処理を行った。
なお、SUJ2の100℃における硬さHvは680であり、SCM415の100℃における硬さHvは660である。
Figure 2010266017
また、ローラクラッチを潤滑するグリース組成物は、基油と増ちょう剤と添加剤とからなる。基油は、エーテル油又はエステル油であり、その動粘度及びグリース組成物全体における含有量は表1に示す通りである。また、増ちょう剤はジウレア化合物であり、グリース組成物全体における含有量は表1に示す通りである。さらに、添加剤としてはアミン系酸化防止剤及びカルボン酸亜鉛を用い、グリース組成物全体における含有量は表1に示す通りである。
これらのグリース組成物は、以下のようにして製造した。反応容器に、所定量の基油とアミン化合物とを装入し、加温しつつ混合した。また、別容器に、前記と同量の基油と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(東京化成株式会社製)とを装入し、加温しつつ混合した。この基油と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物を、前述の反応容器に装入し攪拌すると、アミンとイソシアネートとの反応が進行してジウレア化合物が生成する。次いで、前述の添加剤を添加して3段ロールミルで処理することにより、グリース組成物を得た。
これらのグリース組成物の特性、すなわち25℃における混和ちょう度、摩擦係数、及び熱安定性を、表1に併せて示す。なお、摩擦係数及び熱安定性の測定方法は、以下の通りである。
〔摩擦係数の測定方法について〕
摩擦特性(摩擦係数)の測定は、ボールオンディスク試験機により行った。すなわち、ボールオンディスク試験機のディスク上にグリース組成物を塗布した上、ボールを載置し、面圧2GPa、摺動速度0.2m/sの条件でボールを摺動させた。そして、摺動開始1分後の摩擦係数の測定を行った。
〔熱安定性の測定方法について〕
熱安定性の測定は、高温放置試験により行った。SUS304製のステンレスシャーレにグリース組成物を厚さ3mmに均一に塗布し、160℃の恒温槽内で500時間放置した。放置前後のグリース組成物の全酸価を測定し、全酸価の増加量を求めた。3mgKOH/g以下を合格とした。
次に、オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の評価方法について説明する。オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の評価は、高温高速係合耐久試験により行った。すなわち、オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を高温高速条件で運転し、摩耗や焼付きによりローラクラッチに損傷が生じて運転不能となるまでの時間を測定した。結果を表1に示す。なお、900時間を超えてもローラクラッチに損傷が生じなかった場合は、試験を打ち切って、表1には「900時間以上」と示した。
運転条件は以下の通りである。
フロント側軸受温度 :140℃
プーリの回転速度 :8000±600rpm
プーリの荷重 :2000N
オルタネータの発電量:150A
表1の結果から分かるように、クラッチ内輪,クラッチ外輪,及びローラのうち少なくとも一つが前記高温用鋼材で構成された実施例1〜5は、比較例1,2よりも長寿命であった。また、実施例2〜5の比較から、クラッチ内輪を前記高温用鋼材で構成することによって、より長寿命となることが分かる。さらに、実施例1,5の比較から、エステル油を基油とするグリース組成物とエーテル油を基油とするグリース組成物とでは、前者の方が長寿命であることが分かる。
1 ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
2 スリーブ
3 プーリ
4 転がり軸受
5 ローラクラッチ
6 クラッチ内輪
9 クラッチ外輪
10 ローラ

Claims (4)

  1. 内側回転部材と、前記内側回転部材の周囲に同心に配された外側回転部材と、前記両回転部材の間に配され前記両回転部材を相対回転自在に支持する転がり軸受と、前記両回転部材の間に配され、前記両回転部材の一方を他方に対して所定方向に相対回転させる回転力のみを、前記両回転部材を接続して伝達する一方向クラッチと、を備える一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置において、
    前記一方向クラッチは、前記内側回転部材の外周面に固定された内側クラッチ部材と、前記内側クラッチ部材の周囲に同心に配され前記外側回転部材の内周面に固定された外側クラッチ部材と、前記内側クラッチ部材の外周面と前記外側クラッチ部材の内周面との間に配された複数の係合子と、を備え、前記内側クラッチ部材の外周面と前記外側クラッチ部材の内周面とに前記係合子を係合させることにより前記両クラッチ部材を接続して、前記回転力を伝達するようになっているとともに、
    前記内側クラッチ部材が、前記外側クラッチ部材及び前記係合子を構成する素材よりも100℃における硬さHvが高く且つ100℃における硬さHvが700以上である鋼材で構成されていることを特徴とする一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置。
  2. 前記内側クラッチ部材,前記外側クラッチ部材,及び前記係合子のうち少なくとも一つが、炭素を0.2質量%以上0.6質量%未満、ケイ素を0.5質量%以上2質量%未満、マンガンを0.5質量%以上1質量%未満、クロムを1質量%以上2質量%未満、モリブデンを0.5質量%以上2質量%未満含有する鋼材で構成されており、且つ、浸炭窒化処理が施されて100℃における硬さHvが700以上であることを特徴とする請求項1に記載の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置。
  3. 前記内側クラッチ部材,前記外側クラッチ部材,及び前記係合子のうち少なくとも前記内側クラッチ部材が、炭素を0.2質量%以上0.6質量%未満、ケイ素を0.5質量%以上2質量%未満、マンガンを0.5質量%以上1質量%未満、クロムを1質量%以上2質量%未満、モリブデンを0.5質量%以上2質量%未満含有する鋼材で構成されており、且つ、浸炭窒化処理が施されて100℃における硬さHvが700以上であることを特徴とする請求項1に記載の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置。
  4. 前記内側クラッチ部材及び前記外側クラッチ部材と前記係合子との間の潤滑を行う潤滑剤がグリースであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置。
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